JP2007191568A - フェノール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性、硬化性など、フェノール樹脂の優れた特性を有し、かつ、柔軟性にも優れた成形品を得られるフェノール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有することを特徴とする、フェノール樹脂組成物であり、前記オイルは、カシューナット油、アマニ油、桐油、ヒマシ油、及び、トール油から選ばれる1種以上であることが好ましい。また、前記オイル変性ノボラック型フェノール樹脂は、オイル変性率が15〜60重量%であり、前記フェノール樹脂組成物は、オイル変性率が5〜30重量%であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フェノール樹脂組成物に関するものである。
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂は、主に成形品の基材となる材料同士を結合させるバインダーとして広く用いられ、優れた機械的特性や電気的特性、接着性を有することから、様々な分野で使用されている。特に近年、自動車、鉄道車両などにおける、フェノール樹脂をバインダーとして使用した摩擦材の使用量が増加している。加えて、摩擦材用フェノール樹脂に対する要求特性は年々高まっており、特に、摩擦係数の向上を目的として、フェノール樹脂の柔軟性向上への要求が高まってきている。しかしながら、一般的なフェノール樹脂、例えば、レゾール型フェノール樹脂などの硬化物は、機械的特性に優れる反面、堅くてもろいという性質をもち、柔軟性に優れているとは言えない。
そこで、上記問題を解決する方法として、フェノール樹脂の反応において、変性剤としてアクリル系重合物のようなエラストマーを用いて柔軟性を改善する試みが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このようなエラストマー変性のフェノール樹脂は、アルコール系及びケトン系の有機溶剤への溶解性に劣り、また、溶解させた場合でも溶液の粘度が高くなるため、実使用に適さなくなってしまうという問題があった。
特開昭56−133354号公報
本発明の目的は、耐熱性、硬化性など、フェノール樹脂の優れた特性を有し、かつ、柔軟性にも優れた成形品を得られるフェノール樹脂組成物を提供することである。
このような目的は、以下の本発明(1)〜(6)により達成される。
(1)オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有することを特徴とする、フェノール樹脂組成物。
(2)上記オイルは、カシューナット油、アマニ油、桐油、ヒマシ油、及び、トール油から選ばれる1種以上である、上記(1)に記載のフェノール樹脂組成物。
(3)上記オイル変性ノボラック型フェノール樹脂は、オイル変性率が15〜60重量%である、上記(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂組成物。
(4)上記フェノール樹脂組成物は、オイル変性率が5〜30重量%である、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(5)上記フェノール樹脂組成物は液状形態である、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(6)摩擦材の製造に用いられるものである、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
本発明のフェノール樹脂組成物を、バインダーに用いた場合、耐熱性、硬化性、及び、柔軟性に優れた成形品を得ることができる。
以下に、本発明のフェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)について詳細に説明する。
本発明の組成物は、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有することを特徴とする。
本発明の組成物で用いられるオイル変性ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノール類、アルデヒド類、及び、オイル類を反応させて得られるものを用いることができる。
ここで用いられるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらのフェノール類の中でも、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールAから選ばれるものが好ましい。これにより、本発明の組成物を用いた成形品において、機械的強度を高めることができる。
また、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
これらのアルデヒド類の中でも、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドから選ばれるものが好ましい。これにより、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂を合成する際の反応性を高くすることができる。
オイル変性ノボラック型フェノール樹脂に用いるオイル類としては、例えば、カシューナット油(カルドール、カルダノール、アナカルド酸等)、亜麻仁油、エノ油、桐油、ゴマ油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ツバキ油、オリーブ油、ヒマシ油、トールオイル(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸等)等の植物油、ロジン(アビエチン酸、ピマール酸等)を含む各種テルペン類、各種変性シリコーンオイル等が挙げられる。
これらのオイル類の中でも、植物油が好ましく、特に、カシューナット油、アマニ油、桐油、ヒマシ油、トール油から選ばれるものが好適である。
次に、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成方法について説明する。
本発明の組成物で用いられるオイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成方法として
は、例えば、上述したフェノール類、アルデヒド類、及び、オイル類を、酸性触媒の存在下で反応させる方法が挙げられる。
ここで用いられる酸性触媒としては、例えば、蓚酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類を単独または2種類以上併せて使用できる。
上記酸性触媒の使用量としては、フェノール類1モルに対して、通常、0.001〜0.05モルとすることができる。
オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成において、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類0.30〜0.95モルとすることが好ましい。さらに好ましくは、アルデヒド類0.35〜0.90モルである。
これにより、得られるオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を用いて組成物を調製する際、レゾール型フェノール樹脂との混合性に優れたものとすることができる。
オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成方法としては、例えば、反応装置にフェノール類とオイル類とを酸性触媒とともに仕込み、ここにアルデヒド類を逐次添加して反応させる方法、反応装置にフェノール類と酸性触媒とを仕込み、ここにアルデヒド類を逐次添加して、ある程度反応させた後、オイル類を逐次添加してさらに反応させる方法、などが挙げられる。
本発明の組成物で用いられるオイル変性ノボラック型フェノール樹脂において、オイル類による変性率としては、15〜60重量%が好ましく、更に好ましくは20〜55重量%である。
これにより、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂を合成する際の反応を制御しやすくできるとともに、得られる組成物を柔軟性に優れたものとすることができる。
なお、ここで、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂のオイル類による変性率とは、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の固形分全体に対する、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成反応に用いたオイル類の重量比率を指す。
本発明の組成物で用いられるオイル変性ノボラック型フェノール樹脂は、上述した方法で合成することができるが、このほか、キシレン・ホルムアルデヒド重縮合物、ジシクロペンタジエン、パラキシリレンアルコール誘導体を用い、これらを、フェノール類及びオイル類と酸性条件下で反応させる方法によっても得ることができる。
次に、レゾール型フェノール樹脂について説明する。
本発明の組成物で用いられるレゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリ性触媒の存在下で反応させて得ることができる。
上記レゾール型フェノール樹脂の合成に用いられるフェノール類、アルデヒド類としては、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いたものと同じものを例示することができる。
上記アルカリ性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、アンモニア水、トリエチルアミンなどの第3級アミン、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質等を単独または2種類以上併用することができる。
上記アルカリ性触媒の使用量としては特に限定されないが、フェノール類1モルに対し
て、通常、0.01〜0.1モルとすることができる。
上記レゾール型フェノール樹脂の合成において、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類0.80〜3.00モルとすることが好ましい。さらに好ましくは、アルデヒド類0.90〜2.50モルであり、より好ましくは、アルデヒド類0.95〜2.10モルである。
これにより、本発明の組成物をペーパークラッチなどの摩擦材の製造に適用した場合に、良好な含浸性を有するとともに、成形品の柔軟性を向上させることができる。
上記レゾール型フェノール樹脂の合成方法としては、例えば、反応装置にフェノール類とアルデヒド類とをアルカリ性触媒とともに仕込み反応させる方法、などが挙げられる。
また、得られたレゾール型フェノール樹脂は、有機溶剤により溶解希釈して、液状の形態とすることができる。
希釈に用いられる有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤が挙げられる。
次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、上述したオイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有するものである。
本発明の組成物において、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂との含有比率としては、組成物中の固形分全体に対して、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂が15〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは20〜55重量%である。
これにより、組成物の硬化性、接着性を良好な水準に保ち、かつ、耐熱性と柔軟性に優れた成形品を得ることができる。
また、本発明の組成物においては、オイル類による変性率が5〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは6〜20重量%である。
これにより、この組成物を用いた成形品の耐熱性を損なうことなく、優れた柔軟性を付与することができる。
なお、ここで、組成物のオイル類による変性率とは、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂を含む組成物中の固形分全体に対する、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂中のオイル類の重量比率を指す。
本発明の組成物は、液状形態で用いることができる。
これにより、本発明の組成物を、例えばペーパークラッチ用の摩擦材の製造に適用する場合に、取り扱い性に優れたものとすることができる。
そして、本発明の組成物は、比較的分子量が小さいレゾール型フェノール樹脂と、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂とを併用したものであるので、上記摩擦材の製造時に、紙基材等に対して良好な含浸性を付与することができる。これにより、上記作用を効果的に発現させることができる。
本発明の組成物の調製方法としては特に限定されないが、例えば、レゾール型フェノール樹脂の製造時、反応終了後に有機溶剤を添加・溶解して液状のレゾール型フェノール樹脂とし、これに、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂を溶解する方法、上記液状のレゾール型フェノール樹脂に、有機溶剤に溶解させたオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を混合する方法、などが挙げられる。
本発明の組成物には、このほか、必要に応じて、未変性のノボラック型フェノール樹脂のほか、各種添加剤などを配合することができる。
本発明の組成物は、このように、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有することを特徴とするものであり、耐熱性、硬化性など、フェノール樹脂の優れた特性を有し、かつ、柔軟性にも優れた成形品を得られる。
そして、本発明の組成物は例えば、ペーパークラッチなどの摩擦材の製造に好適に用いることができるものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
ここに記載されている「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
1.オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の製造
(製造例1)
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部、濃度25%の硫酸10部を加え、100℃に昇温後、濃度37%のホルマリン520部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が100℃に達したところでカシューナット油640部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が200℃に達したところで反応装置から取り出し、冷却して、オイル変性率が40%のオイル変性ノボラック型フェノール樹脂1590部を得た。
(製造例2)
製造例1と同様の反応装置に、フェノール1000部、濃度25%の硫酸10部を加え、100℃に昇温後、濃度37%のホルマリン520部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が100℃に達したところでカシューナット油320部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が200℃に達したところで反応装置から取り出し、冷却して、オイル変性率が25%のオイル変性ノボラック型フェノール樹脂1270部を得た。
(製造例3)
製造例1と同様の反応装置に、フェノール1000部、濃度25%の硫酸10部を加え、100℃に昇温後、濃度37%のホルマリン520部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が100℃に達したところでカシューナット油950部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が200℃に達したところで反応装置から取り出し、冷却して、オイル変性率が50%のオイル変性ノボラック型フェノール樹脂1900部を得た。
(製造例4)
製造例1において、カシューナット油をトール油に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、オイル変性率が40%のオイル変性ノボラック型フェノール樹脂1590部を得た。
2.レゾール型フェノール樹脂の製造
(製造例5)
製造例1と同様の反応装置に、フェノール1000部、濃度37%のホルマリン1294部、濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、80℃にて1時間反応させた
。その後650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が70℃に達したところでメタノール480部を加えて溶解・冷却して、不揮発分50%のレゾール型フェノール樹脂2240部を得た。
3.ノボラック型フェノール樹脂の製造
(製造例6)
製造例1と同様の反応装置に、フェノール1000部、濃度25%の硫酸10部を加え、100℃に昇温後、濃度37%のホルマリン520部を1時間かけて逐次添加し、さらに1時間反応させた。その後、650mmHgの減圧下で脱水を行いながら、系内の温度が200℃に達したところで反応装置から取り出し、冷却して、ノボラック型フェノール樹脂950部を得た。
3.フェノール樹脂組成物の製造
(実施例1)
製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を150部、製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂を700部、メタノール150部を加え、50℃にて1時間混合後、冷却して、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の比率が30%、オイル変性率12%のフェノール樹脂組成物1000部を得た。
(実施例2)
製造例1と同様の反応装置に、製造例2で得たオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を150部、製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂を700部、メタノール150部を加え、50℃にて1時間混合後、冷却して、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の比率が30%、オイル変性率7.5%のフェノール樹脂組成物1000部を得た。
(実施例3)
製造例1と同様の反応装置に、製造例3で得たオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を200部、製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂を600部、メタノール200部を加え、50℃にて1時間混合後、冷却して、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の比率が40%、オイル変性率20%のフェノール樹脂組成物1000部を得た。
(実施例4)
製造例1と同様の反応装置に、製造例4で得たオイル変性ノボラック型フェノール樹脂を150部、製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂を700部、トルエン150部を加え、50℃にて1時間混合後、冷却して、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂の比率が30%、オイル変性率12%のフェノール樹脂組成物1000部を得た。
(比較例1)
製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂をそのまま用いた。
(比較例2)
製造例1と同様の反応装置に、製造例6で得たノボラック型フェノール樹脂を150部、製造例5で得たレゾール型フェノール樹脂を700部、メタノール150部を加え、50℃にて1時間混合後、冷却してフェノール樹脂組成物1000部を得た。
4.組成物の評価
4.1 引張り強度、引張り弾性率の評価
(1)評価用試験片の作製方法
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂組成物またはフェノール樹脂に、メタノールを添加して濃度30%に調整した。これに、濾紙(厚さ1mm、アドバンテック社製)
を30秒間浸した後、常温で30分間風乾、80℃で30分間乾燥後、200℃で30分間焼成し、摩擦材相当の試験片を作製した。
(2)評価方法
JIS P 8113「紙及び板紙−引張特性の試験方法」に準拠して、常態、及び、200℃4時間処理後について、各々、引張り強度、引張り弾性率を測定した。
4.2 硬化性の評価
JIS K 6909 に準拠して、フェノール樹脂組成物またはフェノール樹脂約2mlを用い、150℃の熱盤でゲル化時間を測定した。
上記評価結果を、表1にまとめた。
Figure 2007191568
実施例1〜4はいずれも、オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有する本発明のフェノール樹脂組成物であり、これらの組成物を用いた摩擦材相当試験片の評価の結果、比較例1のフェノール樹脂、及び、比較例2のフェノール樹脂組成物を用いた場合と比べて、常温での引張り強度、200℃4時間の加熱処理後の引張り強度、及び、硬化性を同等水準に維持しながら、常温、200℃4時間の加熱処理後の引張弾性率をいずれも小さくして、柔軟性に優れたものとすることができた。

Claims (6)

  1. オイル変性ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とを含有することを特徴とする、フェノール樹脂組成物。
  2. 前記オイルは、カシューナット油、アマニ油、桐油、ヒマシ油、及び、トール油から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のフェノール樹脂組成物。
  3. 前記オイル変性ノボラック型フェノール樹脂は、オイル変性率が15〜60重量%である、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 前記フェノール樹脂組成物は、オイル変性率が5〜30重量%である、請求項1ないし3のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  5. 前記フェノール樹脂組成物は液状形態である、請求項1ないし4のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  6. 摩擦材の製造に用いられるものである、請求項1ないし5のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009132774A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Showa Highpolymer Co Ltd カシューノボラック樹脂、その製造方法、およびエポキシ樹脂用硬化剤

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