JP2007190861A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャトルスキャン方式における主走査のつなぎ目に生じる濃度ムラを高精度に補正可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】シャトルスキャン方式のマルチパス印字において、記録媒体の搬送量誤差ΔY及びノズル間ピッチhから主走査のつなぎ目における濃度変化量d×ΔY(dは初期濃度)を求め、この濃度変化量をヘッド両端部の2つのノズルに分配する濃度補正量(−d×ΔY)/2を求め、更に、この濃度補正量に基づいてヘッド両端部の2つのノズルに対応するγ値が補正される。この補正γ値は1−{ΔY/(2×h)}で求められる。例えば、2回目の主走査152と、4回目の主走査154とのつなぎ目に生じる高濃度部142は、2回目の主走査における右端側の濃度と4回目の主走査における左端側のノズルに対応する濃度を補正することでマクロ的な濃度補正が実現される。
【選択図】 図7
【解決手段】シャトルスキャン方式のマルチパス印字において、記録媒体の搬送量誤差ΔY及びノズル間ピッチhから主走査のつなぎ目における濃度変化量d×ΔY(dは初期濃度)を求め、この濃度変化量をヘッド両端部の2つのノズルに分配する濃度補正量(−d×ΔY)/2を求め、更に、この濃度補正量に基づいてヘッド両端部の2つのノズルに対応するγ値が補正される。この補正γ値は1−{ΔY/(2×h)}で求められる。例えば、2回目の主走査152と、4回目の主走査154とのつなぎ目に生じる高濃度部142は、2回目の主走査における右端側の濃度と4回目の主走査における左端側のノズルに対応する濃度を補正することでマクロ的な濃度補正が実現される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に係り、特にノズルから液体を吐出させてメディア上に画像等を形成する画像形成装置における画像形成技術に関する。
主走査方向にヘッドを走査してこの方向の印字を行いつつ、記録媒体とヘッドとを副走査方向(記録媒体搬送方向)に相対移動させて記録媒体上に画像を形成するシャトルスキャン型ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、記録媒体とヘッドとの相対移動量(搬送量)に誤差が存在すると、その搬送量周期の黒スジまたは白スジ(ムラ)が発生し、記録画像の品質を著しく損ねてしまう。
図13には、上述した搬送量誤差ΔYに起因する黒スジ300が視認される例を示す。図13に示す例は、搬送量Yが理想値からマイナスの誤差ΔYを持っている場合であり、記録画像には副走査方向にΔYの幅を持つ搬送量周期の濃度ムラ(黒スジ)300(斜線ハッチで図示)が発生する。なお、搬送量Yはヘッド幅をHとすると、Y=H/2−ΔYで表される。ヘッド幅Hは、H=h(ノズル間ピッチ)×n(ノズル数)で表され、1回の主走査で印字される領域の副走査方向の長さとほぼ一致する。
上述したヘッド幅H(図13の例では、10.84mm)が理想値に対して誤差を持っている場合にも同様の濃度ムラが発生する。このような搬送量誤差ΔYによる濃度ムラ300を回避するためには、高分解能で高精度な搬送系を実現することが求められるが、該搬送系を構成する部品やその取り付けに非常に高い精度が求められ、コストアップを招いてしまう。また、搬送量誤差ΔYを何らかの方法で測定した上で搬送系の制御(例えば、搬送モータのパルス数制御)によりこれを補正する方法もありえるが、最小搬送量(搬送分解能)以下の誤差は原理的に補正することができない。
本願出願人の実験によれば、搬送量誤差ΔYによる濃度ムラ300はその幅が2〜3μm程度でも人間の目には視認されてしまうので、良好な補正のためには搬送分解能(例えば、1パルスの搬送量)は1μm程度が要求される。このような高分解能の搬送系を備えるとコストアップを招いてしまう。
図13では、記録紙16が移動した状態をわかりやすく図示するために、記録紙16が移動した状態を主走査方向にずらして図示されている。
特許文献1に記載された発明は、記録媒体搬送系の1ピッチ分の搬送量の偏差に関する搬送量偏差情報(搬送量情報)と、記録媒体の1ピッチ毎の印字エリアにおける両端部の印字ラスタラインに対応する対のノズルによる印字間隔に関する印字間隔情報と、が予め記憶され、記録ヘッドの走査のつなぎ目の部分に対応する出力γ(入力画像データに対する出力濃度の勾配を補償する定数)テーブルと、それ以外の部分に対応する出力γテーブルとは別テーブルとし、上記搬送量情報及び印字間隔情報を用いて、記録ヘッドの走査のつなぎ目部分に対応する出力γテーブルが適宜変更されるように構成されている。
特開2000−301708号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明には出力γ処理(γ値)について具体的に開示されておらず、また、特許文献1に記載の発明では10μmごとの水準でγ値が決められているが、この分解能では十分な補正効果を得ることは難しい。
上記γ値を求める方法として、搬送量誤差に対してγ値の水準を振って最もムラが低減されるγ値を実験的に求める方法が想起されるが、高精度な補正を実現するためには搬送量誤差の水準を多くすることが必要であり、そのためにはγ値を求めるための実験を数多く繰り返すことになり、設計上非常に煩雑になってしまう。また、搬送量誤差の経時的変化などを十分に吸収するために出力γテーブルに広い水準を持たせたり、複数の印字モード(例えば、マルチパスモードにおけるパス数nの設定)を持たせたりすると、その分だけ必要なテーブルが増えてしまい同様の煩雑さが生じてしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シャトルスキャン方式における主走査のつなぎ目に生じる濃度ムラを高精度に補正可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、複数の記録素子が配列されるヘッドと、前記記録素子の配列方向と異なる主走査方向に沿って前記ヘッドを走査させる主走査手段と、前記主走査方向と略直交する副走査方向に沿って前記ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる副走査手段と、前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチに基づいて前記ヘッドの前記副走査方向の両端部の記録素子によって記録される画像のつなぎ目の記録濃度を前記両端部の記録素子のγ値に基づいて補正する濃度補正手段と、を備え、前記γ値は、前記記録媒体の前記副走査方向の移動誤差及び前記投影記録素子間ピッチ、前記ヘッドを前記主走査方向に1回走査させて記録可能な領域に対して複数回の走査により記録を行うマルチパス記録における前記主走査方向の走査数から決定することを特徴とする。
本発明によれば、主走査方向に沿ってヘッドを走査させるとともに、副走査方向に沿ってヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら記録素子によって記録媒体上に画像を形成するいわゆるシャトルスキャン方式において、主走査のつなぎ目に生じる濃度ムラを低減することができる。
また、ヘッドの両端部の記録素子によって主走査のつなぎ目に生じる濃度ムラを補正するので、濃度ムラの補正処理が煩雑にならず、高精度な濃度ムラ補正が実現される。更に、濃度補正をヘッド両端の2つの記録素子で担うので、補正精度の向上が見込まれる。なお、記録素子のγ値とは、入力画像データに対する出力濃度の勾配を補償する定数であり、複数(多数)の記録素子を備える場合、記録素子ごとに当該γ値が決定される態様がある。
記録素子には、液体(記録液)を吐出するノズル(吐出孔)と、ノズルから吐出させる液体を収容する液室と、該液室に収容される液体に吐出力を与える吐出力付与手段と、を備える態様や、記録媒体に光を照射してドットを形成するLED電子プリンタのLED素子と、該LED素子などがある。
濃度補正に用いられる記録媒体の搬送量誤差は、測定機構を装置内に備えて逐次測定してもよいし、ある決まったタイミング(例えば、稼動開始時、イニシャライズ実行時など)で測定してもよい。また、工場出荷時に測定した値を(所定の記憶手段に記憶された)固定値として持っていてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置の一態様に係り、前記γ値は、前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差ΔY、前記投影記録素子間ピッチh、前記マルチパス記録における主走査方向の走査数mを用いて、次式(γ値)=1−{(ΔY×m)/(2×h)}(但し、ΔY<(2×h)/m)で表されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、搬送量誤差ΔY、投影記録素子間ピッチh及びマルチパス数mに基づいてγ値が決められるので、実験的にγ値を求める場合に比べて処理が煩雑にならず、また、記録媒体の搬送分解能よりも小さな搬送量誤差に起因する濃度ムラを高精度に補正することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置の一態様に係り、前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差を求める移動量誤差検出手段を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、搬送量誤差の経時変化に対応することができ、温度や湿度などの環境変化にも対応可能である。
移動量誤差検出手段は、記録媒体の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段から得られた検出結果に基づいて所定の(理想的な)搬送量と実測された搬送量との誤差を求める処理手段と、を含む態様がある。
また、上記目的を達成するための方法発明を提供する。即ち、請求項4に記載の画像形成方法は、複数の記録素子が配列されるヘッドを前記記録素子の配列方向と異なる主走査方向に沿って走査させるとともに、前記主走査方向と略直交する副走査方向に沿って前記ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記記録素子によって前記記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、前記記録媒体の前記副走査方向の移動誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチ、前記ヘッドを前記主走査方向に1回走査させて記録可能な領域に対して複数回の走査により記録を行うマルチパス記録における前記主走査方向の走査数にから決定されたγ値に基づいて、前記ヘッドの前記副走査方向の両端部の記録素子によって記録される画像のつなぎ目の記録濃度を補正することを特徴とする。
記録媒体の搬送量誤差及び記録素子間ピッチから、主走査のつなぎ目の濃度変化量を求めた後に、該濃度変化量をヘッド両端部の2つの記録素子に分配する濃度補正量を求める態様がある。
本発明によれば、主走査方向に沿ってヘッドを走査させるとともに、副走査方向に沿ってヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら記録素子によって記録媒体上に画像を形成するいわゆるシャトルスキャン方式において、主走査のつなぎ目に生じる濃度ムラを低減することができる。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は第1の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成図である。このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数のヘッド(図1中不図示、図2中符号50(50K、50C、50M、50Y)として記載)を有する印字部12と、各ヘッド50に供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(不図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の副走査方向(紙搬送方向)と搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
インク貯蔵/装填部14は、印字部12の各ヘッド50(図2参照)に対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド50と連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字部12の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔印字部の説明〕
図2はインクジェット記録装置10の印字部12周辺の要部平面図である。印字部12には、記録紙16の紙幅方向(主走査方向)に延びる2本のガイドレール60に沿って往復移動可能なキャリッジ62が設けられている。キャリッジ62には、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応するヘッド50(50K、50C、50M、50Y)及び印字検出部(スキャナユニット)24が搭載されており、これらはキャッリッジ62に対して着脱自在に構成されており、キャリッジ62と一体的に主走査方向に走査可能となっている。
図2はインクジェット記録装置10の印字部12周辺の要部平面図である。印字部12には、記録紙16の紙幅方向(主走査方向)に延びる2本のガイドレール60に沿って往復移動可能なキャリッジ62が設けられている。キャリッジ62には、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクに対応するヘッド50(50K、50C、50M、50Y)及び印字検出部(スキャナユニット)24が搭載されており、これらはキャッリッジ62に対して着脱自在に構成されており、キャリッジ62と一体的に主走査方向に走査可能となっている。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
印字検出部24は記録画像を撮像するためのセンサ(図2中不図示、図3中符号64として記載)を含み、ヘッド50により記録されるテストパターンを読み取り、ヘッド50のインク吐出状態をチェックする手段として機能する。即ち、印字検出部24によってヘッド50に含まれる各ノズル(図2中不図示、図3中符号51として記載)のばらつき検出が可能となっている。
記録紙搬送量検出センサ(搬送量センサ)65は、記録紙16の副走査方向における搬送量を計測する手段であり、副走査方向と略平行方向に沿って設けられる光電センサを含んで構成される。この搬送量センサ65から得られたセンサ信号に基づいて、記録紙16の搬送量が求められる。なお、記録紙16の搬送量を直接的に検出するセンサに代わり図1に示す吸着ベルト搬送部22を動作させるモータの軸に回転量センサ(ロータリーエンコーダ)を取り付け、該モータの回転量から記録紙16の搬送量を求めてもよい。なお、搬送量センサ65は、記録紙16の搬送分解能よりも高分解であることが要求され、更に1μmオーダーの計測ができるものがより好ましい。
図3はヘッド50のノズル面及び印字検出部24のセンサ面を示した説明図である。同図に示すように、ヘッド50には多数のノズル51が千鳥状に設けられており、副走査方向のノズル密度(ノズル間ピッチh)は1インチあたり1200個(1200ノズル/インチ)である。尚、本実施形態のインクジェット記録装置10の記録解像度(ドットピッチ)は副走査方向及び主走査方向のいずれも1インチあたり1200ドット(1200ドット/インチ[1200dpi])である。
なお、図3に示す千鳥状のノズル配列におけるノズル間ピッチhは、各ノズル51を副走査方向に並ぶように投影した投影ノズル列のノズル間ピッチ(各ノズルの中心間距離)である。
本例では、ノズル51を千鳥状に配置する態様を示したが、ノズル51を副走査方向に沿って一列に並べる態様やノズル51を2次元状に並べる態様(副走査方向に沿う行方向と副走査方向と直交しない所定の角度を有する列方向とに沿ってノズルを配列する態様)など、千鳥状配置以外のノズル配置を適用してもよい。
また、印字検出部24のセンサ面には多数のセンサ64が副走査方向に沿ってライン状(1次元状)に設けられている。副走査方向のセンサ密度(センサピッチ)はヘッド50のノズル密度と同じであり(1200センサ/インチ)、印字検出部24としての読取解像度が1200dpiとなっている。
印字検出部24のセンサ幅(読み取り幅)はヘッド50のノズル幅(印字幅)に比べて広く構成されている。これにより、キャリッジ62(図2参照)に搭載されるヘッド50及び印字検出部24の間に相対的な位置誤差が生じても、印字検出部24はヘッド50により形成されるテストパターンを確実に読み取ることが可能である。
図4はヘッド50の内部構造を示した構成図であり、(a)はその一部を示した平面透視図、(b)は(a)中4b−4b線に沿う断面図である。本例のヘッド50には、各ノズル51に対応して個別流路52が設けられている。個別流路52の一壁面にはインク滴をノズル51から吐出するための吐出手段として発熱素子58が設けられている。本例では、ノズル51に対向する壁面に発熱素子58が配置されている。各個別流路52はそれぞれ共通流路55に連通している。共通流路55には、図1のインク貯蔵/装填部14から供給されるインクが貯留されており、共通流路55から各個別流路52にインクが分配供給される。
かかる構成により、発熱素子58に所定の駆動信号が供給されると、発熱素子58による発熱によって個別流路52内に気泡が成長し、その気泡により生じる圧力によってノズル51からインク滴が吐出される。インク吐出後、共通流路55から個別流路52にインクが再供給される。
〔制御系の説明〕
図5はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
図5はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはシリアルインターフェースやパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って後乾燥部42その他各部のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図5において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド50の発熱素子58(図4参照)を駆動するための駆動信号を生成し、発熱素子58に生成した駆動信号を供給する。ヘッドドライバ84にはヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、既述したとおり、ヘッド50により記録されたテストパターンを読み取り、所要の信号処理などを行ってヘッド50のインク吐出状況(吐出の有無、ドットサイズ、ドット着弾位置等)を検出し(即ち、各ノズル51のばらつきを検出し)、その検出結果をプリント制御部80に提供する。プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
搬送量センサ65は記録紙16の副走査方向の搬送量を検出し、搬送量センサ65から得られたセンサ信号(搬送量情報)はプリント制御部80へ送られる。プリント制御部80では、搬送量センサ65から得られる搬送量情報に基づいて記録紙16の搬送量誤差ΔYが求められる。詳細は後述するが、この搬送量誤差ΔYから記録紙16の搬送誤差ΔYに起因する濃度ムラを補正するために両端ノズル51-1及びノズル51-n対するγ値が求められる。
〔濃度ムラ補正の説明〕
次に、記録紙16の搬送量誤差ΔYに起因する濃度ムラ(図13の符号300)の補正技術について説明する。
次に、記録紙16の搬送量誤差ΔYに起因する濃度ムラ(図13の符号300)の補正技術について説明する。
図6は、濃度ムラ補正を実行する機能ブロックの構成を示すブロック図である。この濃度ムラ補正を実行する機能ブロックは、図5に示すプリント制御部80に含まれる態様がある。
同図に示すように、画像データ(例えば、256階調)100を取得すると、濃度ムラ補正処理部102では該画像データ100に補正γ値104を乗算する濃度ムラ補正処理を施す。この画像データ100がRGBデータの場合には、データ変換部106においてインク色に対応したKMCYデータに変換される。
濃度ムラ補正処理部102では、ヘッド50を主走査方向に走査する際の両端のノズル51-1及びノズル51-n(図13参照)には、該両端ノズル51-1及びノズル51-n対するγ値104に基づいてγ処理(γ値の乗算)が施され、他のノズル51に対しては所定のγ値(例えば、パラメータとして記憶される固定値)に基づいてγ処理が施されて補正画像データ108が生成される。
γ値104を生成するγ値生成部110では、オフライン(非印字実行時)に記録紙16の搬送量誤差ΔYを測定し、所定の数式(後述する〔数1〕、〔数2〕)から両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値が決定される。
図7には、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値(符号116)と、他のノズル51のγ値(符号118)との関係を示す。上述したように、γ値は入力画像データに対する出力濃度の勾配を補償する定数であり、本例では、両端ノズル以外の通常ノズルには1が適用され、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値(<1)は後述する〔数1〕及び〔数2〕から求められる。
記録紙16の搬送量誤差ΔYは、工場出荷時に測定される固定値としてもよいし、経時変化に対応するために、図2に示す搬送量センサ65を含む測定機構により測定された値を用いてもよい。また、図13に示すヘッド幅Hを測定し記憶しておき、ヘッド幅Hの誤差を考慮して両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を求める態様がより好ましい。
なお、記録紙16の搬送量誤差ΔYを実測しない態様も可能である。記録紙16の搬送誤差を実測しない態様の一例を挙げると、搬送量誤差ΔYの水準を振り、搬送量誤差ごとの両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を適用したサンプル画像を作成し、ユーザ等が目視で最もよいサンプル画像を選択する方法がある。即ち、補正結果に基づいて両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を求める方法がある。
記録紙16の搬送量誤差ΔYを工場出荷時のみに測定する場合や該搬送量誤差ΔYを実測しない場合には、図2に示す搬送量センサ65を含む測定機構を省略可能である。
このようにして生成された補正画像データ108には、ハーフトーン処理部112においてハーフトーン処理(例えば、誤差拡散処理)が施され、n値(例えば、2値)の印字データ114が生成される。
次に、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値の算出方法について詳説する。図8〜図11は、記録紙16に形成される画像の濃度とノズル51の位置との関係を模式的に表した図である。本例では、1つのヘッド50に備えられるノズル数をnとし、マルチパス数をm(m=1,2,…)とする。
なお、ここでいうマルチパス数mは、ヘッド50を主走査方向に1回走査させて記録可能な領域に対して複数回の主走査により記録を行うマルチパス記録における主走査方向の走査数である。本例では、1回の主走査で記録可能な領域の副走査方向の長さは、ヘッド50の両端ノズル51-1及びノズル51-nから同一主走査時に打滴されたインク液滴によって形成された画像(ドット)の副走査方向の長さであり、当該画像が微小サイズ(ノズル径と同程度のサイズ)のドットにより構成される態様では、当該画像の副走査方向の長さは図3に示すヘッド幅Hとほぼ一致するので、1回の主走査で記録可能な領域の副走査方向の長さをヘッド幅Hとする。
図8(a),(b)には、本例の濃度ムラ補正が適用されない場合のベタ画像を模式的に示す。図8(a)はマルチパス数mが1、搬送量誤差ΔYが0の場合、図8(b)はマルチパス数mが1、搬送量誤差ΔYが負の値(ΔY<0)の場合である。また、図8(a),(b)に示すように、記録紙16の搬送量誤差ΔYが0の場合には濃度ムラは発生せず、記録紙16に形成されるベタ画像は均一な濃度dとなる。搬送量誤差ΔYが負の値となる場合には主走査のつなぎ目に他の部分よりも大きい濃度d’(d<d’)をもつ高濃度部120が生じ、この高濃度部120が黒スジと視認されてしまう。
なお、図示は省略するが、搬送量誤差ΔYが正の場合(ΔY>0)には主走査のつなぎ目の部分に他の部分よりも小さい濃度を有する低濃度部が形成され、この低濃度部が白スジと視認されてしまう。
図9には、本例の濃度ムラ補正が適用されたベタ画像を示す。図9に示すように、負の搬送量誤差ΔYを持つ場合には、ヘッド50の両端部のノズル51-1とノズル51-nのγ値には補正γ値が適用される。具体的には、1回目の主走査のノズル51-nから打滴されるインクによるドットの濃度及び2回目の主走査のノズル51-1から打滴されるインクによるドットの濃度が他のノズル51から打滴されるインクによるドットの濃度よりも小さくなるように、ヘッド50の両端部のノズルに対応する濃度が設定される。
即ち、図8(b)に示す濃度増加量d×ΔYの補償はヘッド50の両端部のノズルに配分され、マクロな濃度増加量をγ値で相殺するように上述した補正γ値が求められる。本例に示す濃度補正では、ミクロな濃度の濃淡はあるがマクロな濃度変化は補償されるため、よほど近づいて記録画像を観察しない限り、人間の目の分解能の限界によって濃度ムラは視認されない。このような条件を満足する補正γ値は以下のようにして求められる。
各ノズルの初期濃度を(d×h)、濃度増加量を(d×ΔY)、1ノズルあたりの濃度補正量を(−d×ΔY/2)とすると、マルチパス数mが1の場合(即ち、シングルパス印字の場合)の両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値は、次式〔数1〕で表される。
〔数1〕
(γ値)=1−{(d×ΔY/2)/(d×h)}
=1−{ΔY/(2×h)}
(但し、ΔY<2×h)
次に、図10及び図11を用いてマルチパス数mが2以上の場合(即ち、マルチパス印字の場合)について説明する。図10(a)に示すように、記録紙16の搬送量誤差ΔYが0の場合には濃度ムラは発生せず、記録紙16に形成されるベタ画像は均一な濃度dとなる。図10(b) に示すように、搬送量誤差ΔYが負の場合(ΔY<0)には主走査のつなぎ目に他の部分よりも大きい濃度d”(d<d”)をもつ高濃度部140が1パス目の主走査151と3パス目の主走査153の間に生じ、高濃度部142が2パス目の主走査152と4パス目の主走査154の間に生じ、この高濃度部140,142が黒スジと視認されてしまう。
(γ値)=1−{(d×ΔY/2)/(d×h)}
=1−{ΔY/(2×h)}
(但し、ΔY<2×h)
次に、図10及び図11を用いてマルチパス数mが2以上の場合(即ち、マルチパス印字の場合)について説明する。図10(a)に示すように、記録紙16の搬送量誤差ΔYが0の場合には濃度ムラは発生せず、記録紙16に形成されるベタ画像は均一な濃度dとなる。図10(b) に示すように、搬送量誤差ΔYが負の場合(ΔY<0)には主走査のつなぎ目に他の部分よりも大きい濃度d”(d<d”)をもつ高濃度部140が1パス目の主走査151と3パス目の主走査153の間に生じ、高濃度部142が2パス目の主走査152と4パス目の主走査154の間に生じ、この高濃度部140,142が黒スジと視認されてしまう。
なお、図示は省略するが、搬送量誤差ΔYが正の場合(ΔY>0)には奇数パス目の主走査のつなぎ目及び偶数パス目の主走査のつなぎ目の部分に他の部分よりも小さい濃度を有する低濃度部が形成され、この低濃度部が白スジと視認されてしまう。
図11には、本例の濃度ムラ補正が適用されたベタ画像を模式的に示す。図11に示す例では、2パス目の主走査時におけるノズル51-nから打滴されるインクによるドットの濃度と、4パス目の主走査におけるノズル51-1から打滴されるインクによるドットの濃度が他のノズル51から打滴されるインクによるドットの濃度よりも小さくなるように、ヘッド50の両端部のノズルに対応する濃度が設定される。
即ち、図10(b)に示す濃度増加量d×ΔY×mの補償はヘッド50の両端部のノズルに配分され、マクロな濃度増加量をγ値で相殺するように上述した補正γ値が求められる。
各ノズルの初期濃度を(d×h)、濃度増加量を(d×ΔY×m)、1ノズルあたりの濃度補正量を(−d×ΔY×m/2)とすると、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値は、次式〔数2〕で表される。
〔数2〕
(γ値)=1−{(d×ΔY/2×m)/(d×h)}
=1−{(ΔY×m}/(2×h)}
但し、ΔY<(2×h)/mである。
(γ値)=1−{(d×ΔY/2×m)/(d×h)}
=1−{(ΔY×m}/(2×h)}
但し、ΔY<(2×h)/mである。
上記〔数2〕を用いて補正γ値を求める態様によれば、マルチパス数mが変わる場合にも適宜対応が可能である。
図12には、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値算出のフローチャートを示す。両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値算出を開始すると(ステップS10)、記録紙16の搬送量誤差ΔYが実測され(ステップS12)、マルチパス数m(m=1、2、…)が決められる(ステップS14)。更に、搬送量誤差ΔYn及びマルチパス数mに基づいて濃度増加量(d×ΔY×m)が算出され(ステップS16)、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値(1−{(ΔY×m}/(2×h)})が求められる(ステップS18)。
ステップS18で求められた両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値は、所定のメモリに記憶され(ステップS20)、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値算出が終了される(ステップS22)。このようにして所定のメモリに記憶された両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値は、印字実行時に適宜読み出され、主走査のつなぎ目における濃度ムラが補正される。
図12に示すフローチャートでは、両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を算出する過程において、主走査のつなぎ目における濃度増加量(d×ΔY×m)を求める工程を図示したが、搬送量誤差ΔY及びマルチパス数mに基づいて上述した〔数2〕から両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を求めることも可能である。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、記録紙16の搬送量誤差ΔYに基づいて主走査のつなぎ目における濃度変動量をマクロ的に相殺するように濃度補正を行う両端のノズル51-1及びノズル51-nのγ値を求めるので、記録紙16の搬送量誤差ΔYに起因する濃度ムラを人間の目に視認されない程度に低減することができる。
また、この濃度ムラ補正では、ヘッド50の両端部のノズル51-1及びノズル51-nに対して他のノズル51と異なるγ値が設定され、該γ値は搬送量誤差ΔYとマルチパス数mを用いて、上記〔数2〕で表される。
本実施形態では、ノズルからインクを打滴して記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、複数のLED素子を所定の配列で並べたヘッドを有するLED電子プリンタなどの画像形成装置にも広く適用可能である。
以上、本発明の画像形成方法及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…インクジェット記録装置、12…印字部、16…記録紙、50…ヘッド、51…ノズル、51-1,51-n…両端ノズル、80…プリント制御部、102…濃度ムラ補正処理部、104…γ値、110…γ値生成部
Claims (4)
- 複数の記録素子が配列されるヘッドと、
前記記録素子の配列方向と異なる主走査方向に沿って前記ヘッドを走査させる主走査手段と、
前記主走査方向と略直交する副走査方向に沿って前記ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる副走査手段と、
前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチに基づいて前記ヘッドの前記副走査方向の両端部の記録素子によって記録される画像のつなぎ目の記録濃度を前記両端部の記録素子のγ値に基づいて補正する濃度補正手段と、
を備え、
前記γ値は、前記記録媒体の前記副走査方向の移動誤差及び前記投影記録素子間ピッチ、前記ヘッドを前記主走査方向に1回走査させて記録可能な領域に対して複数回の走査により記録を行うマルチパス記録における前記主走査方向の走査数から決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記γ値は、前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差ΔY、前記投影記録素子間ピッチh、前記マルチパス記録における主走査方向の走査数mを用いて、次式
(γ値)=1−{(ΔY×m)/(2×h)}(但し、ΔY<(2×h)/m)
で表されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記記録媒体の前記副走査方向の移動量誤差を求める移動量誤差検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 複数の記録素子が配列されるヘッドを前記記録素子の配列方向と異なる主走査方向に沿って走査させるとともに、前記主走査方向と略直交する副走査方向に沿って前記ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、前記記録素子によって前記記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
前記記録媒体の前記副走査方向の移動誤差及び前記記録素子を前記副走査方向に並ぶように投影した投影記録素子間ピッチ、前記ヘッドを前記主走査方向に1回走査させて記録可能な領域に対して複数回の走査により記録を行うマルチパス記録における前記主走査方向の走査数にから決定されたγ値に基づいて、前記ヘッドの前記副走査方向の両端部の記録素子によって記録される画像のつなぎ目の記録濃度を補正することを特徴とする画像形成方法。
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JP2006012752A JP2007190861A (ja) | 2006-01-20 | 2006-01-20 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
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-
2006
- 2006-01-20 JP JP2006012752A patent/JP2007190861A/ja active Pending
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