JP2007190650A - テープ切断装置、及びテープ印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で切断刃の刃裏へのテープの貼着を抑制することが可能なテープ切断装置、及びテープ印刷装置を提供する。
【解決手段】固定刃ブレード56には、カッタ50が閉状態、即ち可動刃ブレード58の一部が固定刃ブレード56に重なる状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aと隣接する位置に、刃先58aに沿って延在する貫通孔56bが形成されている。貫通孔56bは、可動刃ブレード58の刃先58aのほぼ全体、具体的には、テープ印刷装置1で印刷可能なテープのうち、最大幅のテープの切断に寄与する部位が貫通孔56bから露出可能な長さを有している。また、貫通孔56bの形状は、可動刃ブレード58の刃先58aの湾曲形状に倣って同様の湾曲形状を有しており、カッタ50が閉状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aがブレード幅方向において貫通孔56bの略中央に位置するようになっている。
【選択図】図5
【解決手段】固定刃ブレード56には、カッタ50が閉状態、即ち可動刃ブレード58の一部が固定刃ブレード56に重なる状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aと隣接する位置に、刃先58aに沿って延在する貫通孔56bが形成されている。貫通孔56bは、可動刃ブレード58の刃先58aのほぼ全体、具体的には、テープ印刷装置1で印刷可能なテープのうち、最大幅のテープの切断に寄与する部位が貫通孔56bから露出可能な長さを有している。また、貫通孔56bの形状は、可動刃ブレード58の刃先58aの湾曲形状に倣って同様の湾曲形状を有しており、カッタ50が閉状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aがブレード幅方向において貫通孔56bの略中央に位置するようになっている。
【選択図】図5
Description
本発明は、粘着剤層を含むテープを切断するテープ切断装置、及びこれを備えたテープ印刷装置に関する。
従来、この種のテープ切断装置を備えた機器として、文字や図形等の画像をテープに印刷するテープ処理装置が知られている(例えば特許文献1)。このテープ処理装置は、裏面に粘着剤層が形成されたテープを送りながらその表面に印刷を行い、印刷済み部分をカッタ(テープ切断装置)により切断してラベルを作成する。
前記カッタは、テープ処理装置のケースに形成したテープ排出口の近傍に配設されており、切り離されたテープ片は、自重によりこのテープ排出口から外部に排出される。カッタは、2つの切断刃(固定刃及び可動刃)が支軸を中心に相対的に回動するハサミ形式のものであり、刃が開いた状態から、互いの一部が重なり合う状態(閉状態)となるまで回動させることによりテープを切断する。テープ送り方向の上流側には固定刃が、下流側(テープ排出口側)には可動刃が配設されており、可動刃が切込んでテープを切断すると、切断されたテープ片は可動刃にはじかれるようにして、装置外部に排出される。
ところで、粘着剤付きのテープを切断すると、その切断端から粘着剤がはみ出し、各切断刃の刃先に付着することがある。刃先に付着した粘着剤は、カッタの切断動作に伴って前記閉状態となる位置まで運ばれ、他方の刃裏に残存するため、切り離されたテープ片が固定刃の刃裏に、テープ本体の端部が可動刃の刃裏にそれぞれ貼着しやすい状態となる。なお、刃裏に粘着剤が残存していない場合でも、テープ片の切断端からはみ出した粘着剤により、テープ片が固定刃の刃裏に貼着することもありうる。切断刃へのテープの貼着は、2度切りやジャミングの原因となることから、特許文献1に記載のカッタでは、切断刃の刃裏に、粘着剤の付着を阻止する粘着阻止液を塗布している。
しかしながら、特許文献1に記載のカッタでは、粘着阻止液を使用するため、カッタがコスト高になるという問題があった。また、経時的に粘着阻止液は消耗され、粘着剤の付着を防止することができなくなるという問題もあった。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造で切断刃の刃裏へのテープの貼着を抑制することが可能なテープ切断装置、及びテープ印刷装置を提供することにある。
本発明のテープ切断装置は、一対の切断刃を、互いに離間した開状態から、互いの刃先が近接する切断状態を経て、互いの一部が重なる閉状態に移行させることにより、粘着剤層を含むテープを切断するテープ切断装置であって、前記一対の切断刃の少なくとも一方には、前記閉状態で他方の刃先に隣接する位置に、当該刃先に沿って貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このテープ切断装置によれば、少なくとも一方の切断刃が、閉状態で他方の刃先に隣接する位置に形成された貫通孔を備えているため、当該位置への粘着剤の付着を抑制することが可能となる。また、切断刃によってテープを切断する際、テープの切断端は、一方の切断刃(貫通孔を備える切断刃)の刃裏を、他方の切断刃の刃先に押されるようにして移動し、貫通孔に達する。このため、テープの切断端からはみ出した粘着剤が前記一方の切断刃と直接接触することがなくなる。この結果、テープの切断端が前記一方の切断刃の刃裏に貼着することを抑制することが可能となるため、テープの2度切りやジャミングを抑制することができる。
このテープ切断装置において、前記一対の切断刃が、支軸を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであることが望ましい。
このテープ切断装置によれば、ハサミ形式での切断を行うため、支軸を中心とした回転(回動)動作を与えるだけで切断することが可能となり、装置の構成を簡略化することが可能となる。
このテープ切断装置において、前記一対の切断刃は、前記支軸から離れるほど、他方の切断刃が存在する側に撓むように形成されていることが望ましい。
このテープ切断装置によれば、支軸から離れた位置ほど、他方の切断刃が存在する側に撓むように形成(拝み曲げ)されている。一対の切断刃を平行に重ねて配設する場合には、刃先同士を切先(刃の解放端)に向かって点接触させながら切断してゆく際に、接触点が支軸から離れるほど、切断刃同士が離れやすくなって切断不良が発生し易くなる。このため、本実施形態のように拝み曲げ加工を施すことにより、切断刃同士が離れて接触圧が小さくなるのを抑制することが可能になる。なお、このような撓んだ切断刃は、プレス加工等により所望の形状に成型された後に熱処理されることになるが、本発明のテープ切断装置は、切断刃に貫通孔が形成されているため、切断刃の断面積が小さくなり、熱処理に伴う撓み変形を抑制することが可能となる。この結果、拝み曲げ形状のばらつきが抑制され、安定した切断性能を維持することが可能となる。
本発明のテープ印刷装置は、粘着剤層を含むテープの表面に画像を形成するテープ印刷装置であって、前述したテープ切断装置のいずれか1つを備えたことを特徴とする。
このテープ印刷装置によれば、前記テープ切断装置を備えているため、前述した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るテープ切断装置について、図面を参照して説明する。本実施形態のテープ切断装置は、文字や図形等の画像をテープに印刷するテープ印刷装置に組み込まれ、印刷後のテープを切り落とすためのテープカッタ(以降、単にカッタと呼ぶ)である。
まず、図1及び図2を参照して本実施形態のテープ印刷装置の構成について説明する。
図1及び図2は、本実施形態のテープ印刷装置の概略構成を示す斜視図である。
両図に示すように、テープ印刷装置1は、筐体10の上面の手前側に複数のキーを有するキーボード11を備え、上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12を備えている。キーボード11が備えるキーには、アルファベットや数字、記号等を入力可能な文字キーの他に、テープ印刷装置1の各種動作を指定可能な制御キーが含まれる。また、表示部12は、キーボード11から入力された文字の表示や、印刷イメージの表示、或いは、各種メニュー画面等の表示に用いられる。
図1及び図2は、本実施形態のテープ印刷装置の概略構成を示す斜視図である。
両図に示すように、テープ印刷装置1は、筐体10の上面の手前側に複数のキーを有するキーボード11を備え、上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12を備えている。キーボード11が備えるキーには、アルファベットや数字、記号等を入力可能な文字キーの他に、テープ印刷装置1の各種動作を指定可能な制御キーが含まれる。また、表示部12は、キーボード11から入力された文字の表示や、印刷イメージの表示、或いは、各種メニュー画面等の表示に用いられる。
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が配設されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることで、テープカートリッジ2を着脱することが可能となっている。また、開閉蓋14には、光透過性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、凸状のサーマルヘッド15や、搬送機構16を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、回転軸16a,16bがそれぞれテープカートリッジ2の被駆動部22a,22bと係合するようになっている。
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や色が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能になっており、ユーザは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTの幅を識別可能な複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサ19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅を識別可能になっている。
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向するようになっており、サーマルヘッド15を発熱駆動することにより、キーボード11により入力された文字等をテープTの表面に印刷することができる。また、この状態で回転軸16a,16bを回転駆動させると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。
筐体10の側面には、凹部13と筐体10の外部とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を囲むようにカッタユニット18が配設されており、スリット17の内部を横断するテープTを切断することができる。このカッタユニット18による切断によって、テープTの印刷済みの部位がテープ片(ラベル)Lとして切り離され、スリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。
テープ印刷装置1は、前述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16bを含む搬送機構16、カッタユニット18、識別センサ19に加えて、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30と、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41と、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42と、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43と、カッタユニット18を駆動するカッタ駆動部44とを備えている。
テープ印刷装置1は、前述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16bを含む搬送機構16、カッタユニット18、識別センサ19に加えて、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30と、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41と、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42と、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43と、カッタユニット18を駆動するカッタ駆動部44とを備えている。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、CGROM(キャラクタジェネレータROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等からなり、CPU31は、ROM32に記憶されている制御プログラムに従って、テープ印刷装置1の各種動作を司る。
ROM32は、フラッシュROM等からなり、前記制御プログラム等を記憶し、RAM33は、キーボード11から入力された文字コードや、表示部12の表示内容に対応する画像データ、或いはCPU31の処理結果等を一時的に記憶する。また、CGROM34は、テープ印刷装置1で印刷可能な文字や記号等のフォントデータを記憶している。フォントデータは、文字等を印刷したり、表示部12に表示させたりする際に用いられるドットデータであり、それぞれ文字コードに対応付けられて記憶されている。CGROM34は、CPU31によって指定された文字コードに対応するフォントデータを出力する。
表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、及びカッタ駆動部44は、制御部30の出力インターフェイス36に接続されており、制御部30の制御に基づいて前記各部12,15,16,18をそれぞれ駆動する。また、キーボード11は、ユーザの入力操作に応じた操作信号を入力インターフェイス35に出力し、識別センサ19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅を識別可能な識別信号を入力インターフェイス35に出力する。
テープ印刷装置1は、上記のような構成を有しており、制御部30が、キーボード11からの入力操作等に基づいて画像データを形成し、さらに、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43に指示をして、サーマルヘッド15及び搬送機構16を画像データに応じて駆動させることにより、画像データに応じた画像をテープTに印刷する。つまり、制御部30、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、サーマルヘッド15、及び搬送機構16は、テープ印刷装置1の印刷手段として機能する。なお、印刷手段としては、前記構成に限られず、インクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。制御部30は、印刷が完了すると、カッタ駆動部44に指示をして、カッタユニット18を駆動させる。これにより、所望の画像が印刷されたテープ片Lが切り離される。
ここで、カッタユニット18について、図面を用いて説明する。
図4及び図5は、カッタユニット18の概略構成を示す正面図である。ここで、図4は、カッタが開いた状態を示す図、図5は、カッタが閉じた状態を示す図であり、いずれの図もテープ送り方向の上流側から見た状態を示している。また、図6は、図5におけるA−A断面図である。
図4及び図5に示すように、カッタユニット18は、テープ切断装置としてのカッタ50と、カッタ50に係合して切断動作をさせるクランク円板51と、クランク円板51を回転駆動するモータ(図示せず)等を有している。
図4及び図5は、カッタユニット18の概略構成を示す正面図である。ここで、図4は、カッタが開いた状態を示す図、図5は、カッタが閉じた状態を示す図であり、いずれの図もテープ送り方向の上流側から見た状態を示している。また、図6は、図5におけるA−A断面図である。
図4及び図5に示すように、カッタユニット18は、テープ切断装置としてのカッタ50と、カッタ50に係合して切断動作をさせるクランク円板51と、クランク円板51を回転駆動するモータ(図示せず)等を有している。
カッタ50は、固定刃52と可動刃53とを支軸54により回動自在に連結したハサミ形式のものであり、筐体10に固定される固定刃52に対して可動刃53が回動することにより切断動作を行う。固定刃52及び可動刃53は並設されており、固定刃52がテープ送り方向の上流側(装置内部側)に、可動刃53がテープ送り方向の下流側(装置外部側)に位置している。
固定刃52及び可動刃53は、ともに略L字型の形状を有している。固定刃52は、支軸54との連結部周縁から略水平に延出する固定刃基部55と、前記連結部周縁から固定刃基部55に対して略直角(略上方)に延出する固定刃ブレード56とが一体的に形成されたものであり、可動刃53は、前記連結部周縁から固定刃基部55と略反対方向に延出する可動刃基部57と、固定刃ブレード56と略同一方向に延出する可動刃ブレード58とが一体的に形成されたものである。ここで、固定刃ブレード56の刃先56aが略直線状であるのに対し、可動刃ブレード58の刃先58aは、切込み角が略一定になるようにわずかに凸状に湾曲した形状に形成されている。なお、固定刃ブレード56及び可動刃ブレード58は、本発明の一対の切断刃に相当する。
可動刃基部57には、その延出方向に沿って、クランク円板51と係合するための長孔59が形成されており、クランク円板51の偏心位置に設けたクランクピン51aが長孔59に挿入されるようにして係合している。これにより、クランク円板51と可動刃基部57とにより揺動クランク機構が構成され、モータの駆動によりクランク円板51がその中心に設けられた軸51bを回転軸にして回転すると、可動刃ブレード58は、固定刃ブレード56から最も離間する切断待機位置(図4参照)と、可動刃ブレード58の一部が固定刃ブレード56に重なる切断完了位置(図5参照)との間で往復回動を行う。なお、本明細書では、可動刃ブレード58が切断完了位置にある状態を「閉状態」と言い、切断待機位置にある状態を「開状態」と言うものとする。開状態から閉状態に至る過程で、それぞれの刃先56a,58aは、支軸54側から切先(刃の解放端)に向かって点接触させながらテープTを切断していく。
図5及び図6に示すように、固定刃ブレード56には、カッタ50が閉状態、即ち可動刃ブレード58の一部が固定刃ブレード56に重なる状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aと隣接する位置に、刃先58aに沿って延在する貫通孔56bが形成されている。貫通孔56bは、可動刃ブレード58の刃先58aのほぼ全体、具体的には、テープ印刷装置1で印刷可能なテープのうち、最大幅のテープの切断に寄与する部位が貫通孔56bから露出可能な長さを有している。また、貫通孔56bの形状は、可動刃ブレード58の刃先58aの湾曲形状に倣って同様の湾曲形状を有しており、カッタ50が閉状態にある場合に、可動刃ブレード58の刃先58aがブレード幅方向において貫通孔56bの略中央に位置するようになっている。
この構成により、固定刃52に対して可動刃53が切断動作すると、切り離されたテープ片Lの切断端Laは、可動刃53の刃先58aに押されるようにして固定刃ブレード56の刃裏56cに沿って進み、貫通孔56bの略中央に達する。このため、テープ片Lの切断端Laから粘着剤がはみ出す場合でも、テープ片Lの切断端Laが刃裏56cに接触することはないため、テープ片Lの切断端Laが刃裏56cに付着することはない。また、既に刃裏56cに粘着剤が付着している場合でも、貫通孔56b上に達したテープ片Lは、付着した粘着剤から位置的に離れていることになるため、刃裏56cに付着することはない。これにより、2度切りやジャミングの防止効果が得られる。
同様に、可動刃ブレード58にも、カッタ50が閉状態にある場合に、固定刃ブレード56の刃先56aと隣接する位置に、刃先56aに沿って延在する貫通孔58bが形成されている。貫通孔58bは、固定刃ブレード56の刃先56aのほぼ全体、具体的には、テープ印刷装置1で印刷可能なテープのうち、最大幅のテープの切断に寄与する部位が貫通孔58bから露出可能な長さを有している。また、貫通孔58bの形状は、固定刃ブレード56の刃先56aの形状(直線)に倣って直線になっており、カッタ50が閉状態にある場合に、固定刃ブレード56の刃先56aがブレード幅方向において貫通孔58bの略中央に位置するようになっている。
この構成により、固定刃52に対して可動刃53が切断動作すると、機器側に残るテープT(テープ本体)の切断端Taは、固定刃52の刃先56aにより移動を規制され、相対的に可動刃53の貫通孔58bの略中央に達する。このため、テープTの切断端Taから粘着剤がはみ出す場合でも、テープTの切断端Taが刃裏58cに接触することはないため、テープTの切断端Taが刃裏58cに付着することはない。また、既に刃裏58cに粘着剤が付着している場合でも、貫通孔58b上にあるテープTの切断端Taは、付着した粘着剤から位置的に離れていることになるため、刃裏58cに付着することはない。
また、本実施形態のカッタ50は、一対の切断刃(固定刃ブレード56及び可動刃ブレード58)が、支軸54を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであるため、支軸54を中心とした回転(回動)動作を与えるだけで切断することが可能となり、装置の構成を簡略化することが可能となる。
図7は、開状態のカッタ50(図4参照)を側面から見た側面図である。
図7に示すように、本実施形態の切断刃(固定刃ブレード56及び可動刃ブレード58)は、一般的なハサミと同様、支軸54から離れた位置ほど、他方の切断刃が存在する側に撓むように形成(拝み曲げ)されている。一対の切断刃を平行に重ねて配設する場合には、刃先同士を切先(刃の解放端)に向かって点接触させながら切断してゆく際に、接触点が支軸から離れるほど、切断刃同士が離れやすくなって切断不良が発生し易くなる。このため、本実施形態のように拝み曲げ加工を施すことにより、切断刃同士が離れて接触圧が小さくなるのを抑制することが可能になる。なお、このような撓んだ切断刃は、プレス加工等により所望の形状に成型された後に熱処理されることになるが、本実施形態の切断刃は、貫通孔56b,58bを有しているため、切断刃の断面積が小さくなり、熱処理に伴う撓み変形を抑制することが可能となる。この結果、拝み曲げ形状のばらつきが抑制され、安定した切断性能を維持することが可能となる。
図7に示すように、本実施形態の切断刃(固定刃ブレード56及び可動刃ブレード58)は、一般的なハサミと同様、支軸54から離れた位置ほど、他方の切断刃が存在する側に撓むように形成(拝み曲げ)されている。一対の切断刃を平行に重ねて配設する場合には、刃先同士を切先(刃の解放端)に向かって点接触させながら切断してゆく際に、接触点が支軸から離れるほど、切断刃同士が離れやすくなって切断不良が発生し易くなる。このため、本実施形態のように拝み曲げ加工を施すことにより、切断刃同士が離れて接触圧が小さくなるのを抑制することが可能になる。なお、このような撓んだ切断刃は、プレス加工等により所望の形状に成型された後に熱処理されることになるが、本実施形態の切断刃は、貫通孔56b,58bを有しているため、切断刃の断面積が小さくなり、熱処理に伴う撓み変形を抑制することが可能となる。この結果、拝み曲げ形状のばらつきが抑制され、安定した切断性能を維持することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、固定刃ブレード56と可動刃ブレード58の双方に貫通孔56b,58bを形成しているが、いずれか一方の切断刃のみに貫通孔を形成するようにしてもよい。
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、固定刃ブレード56と可動刃ブレード58の双方に貫通孔56b,58bを形成しているが、いずれか一方の切断刃のみに貫通孔を形成するようにしてもよい。
前記実施形態では、制御部30がモータを駆動することによりテープTを切断するオートカッタの例を示しているが、ユーザの手動(押圧等)により可動刃53を回動させる構成としてもよい。
また、前記実施形態のテープ切断装置(カッタ50)を、テープ印刷装置1以外の機器に適用した場合でも、切断対象となるテープが粘着剤層を有するものであれば同様の効果を得ることができる。
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、13…凹部、14…開閉蓋、15…サーマルヘッド、16…搬送機構、17…スリット、18…カッタユニット、19…識別センサ、20…カートリッジケース、30…制御部、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…CGROM、35…入力インターフェイス、36…出力インターフェイス、41…表示駆動部、42…ヘッド駆動部、43…搬送駆動部、44…カッタ駆動部、50…カッタ、51…クランク円板、51a…クランクピン、52…固定刃、53…可動刃、54…支軸、55…固定刃基部、56…固定刃ブレード、57…可動刃基部、58…可動刃ブレード、56a,58a…刃先、56b,58b…貫通孔、56c,58c…刃裏、59…長孔。
Claims (4)
- 一対の切断刃を、互いに離間した開状態から、互いの刃先が近接する切断状態を経て、互いの一部が重なる閉状態に移行させることにより、粘着剤層を含むテープを切断するテープ切断装置であって、
前記一対の切断刃の少なくとも一方には、前記閉状態で他方の刃先に隣接する位置に、当該刃先に沿って貫通孔が形成されていることを特徴とするテープ切断装置。 - 請求項1に記載のテープ切断装置であって、前記一対の切断刃が、支軸を中心に相対的に回動して切断動作するハサミ形式のものであることを特徴とするテープ切断装置。
- 請求項2に記載のテープ切断装置であって、前記一対の切断刃は、前記支軸から離れるほど、他方の切断刃が存在する側に撓むように形成されていることを特徴とするテープ切断装置。
- 粘着剤層を含むテープの表面に画像を形成するテープ印刷装置であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ切断装置を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
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---|---|---|---|---|
US8419305B2 (en) | 2008-10-08 | 2013-04-16 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Cutting mechanism for printing apparatus, and printing apparatus including the same |
CN108501075A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-09-07 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 一种商标剪切装置 |
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2006
- 2006-01-20 JP JP2006012049A patent/JP2007190650A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8419305B2 (en) | 2008-10-08 | 2013-04-16 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Cutting mechanism for printing apparatus, and printing apparatus including the same |
CN108501075A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-09-07 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 一种商标剪切装置 |
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