以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面に基づいて説明する。図1は、パチンコ機1の表枠14及び中枠13が開いた状態を斜め前方から見た斜視図である。図2は、パチンコ機1の正面図である。図3は、遊技盤2の正面図である。図4は、中枠13の正面図である。図5は、遊技盤2が取り付けられた中枠13の正面図である。なお、以下の説明において、図1及び図2の紙面手前側を「パチンコ機1の正面側」、紙面奥行き側を「パチンコ機1の背面側」とする。
はじめに、パチンコ機1の概略構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、ホールの島設備(図示外)に配設され、パチンコ機1の本体を支持する正面視略長方形状の外枠12を備えている。そして、外枠12の遊技者に対向する正面側には、正面視略長方形状の中枠13が設けられている。そして、この中枠13の中枠左柱部13c(図4参照)は、上ヒンジ26及び下ヒンジ25を介して、外枠12の外枠左柱部12c近傍に軸支されることにより、中枠13が外枠12に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっており、中枠13の開閉によって中枠右柱部13b(図4参照)で外枠12に着脱可能となっている。一方、中枠13の上半分には、遊技盤2が固定されるための正面視略長方形状の遊技盤用開口部Q(図4参照)が形成され、当該遊技盤用開口部Qの正面側には、略矩形状の表枠14が設けられている。
そして、表枠14の表枠左側端部14aが、中枠左柱部13c(図4参照)近傍に軸支されることにより、表枠14が中枠13に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっており、表枠14の開閉によって表枠右側端部14bで中枠13に着脱可能となっている。さらに、表枠14の略中央には、正面視略円形状の窓部140(図6参照)が形成され、この窓部140には正面視略円形状のガラス窓23が嵌め込まれている。
また、図1に示すように、パチンコ機1の中枠13の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は正面視略正方形であり、ガラス窓23を略中央に保持した表枠14によって保護されている。また、図1及び図2に示すように、中枠13において、遊技盤2の下方には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受け入れる上皿5が設けられている。さらに、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、その下皿6の右側には発射機による遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。
そして、図1及び図2に示すように、中枠13の上皿5の右側には鍵穴75が設けられており、この鍵穴75の背後にはシリンダ錠76(図4参照)が設けられている。そして、この鍵穴75に鍵(図示外)を挿入し、挿入された鍵を反時計回りに回転させることにより、外枠12に対して固定されていた中枠13が、略水平方向に回動可能となる。一方、挿入された鍵を時計回りに回転させることにより、中枠13に対して表枠14が略水平方向に回動可能となる。また、パチンコ機1の中枠13の裏面には、制御基盤、サブ統合基盤、音基盤などの各種基盤が組み付けられており、それら基盤は、樹脂製の透明な板材からなるセンターカバー80や基盤ボックス82で保護されている。また、センターカバー80の上部には、遊技機設置島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク84が設けられている。
一方、図1に示すように、遊技盤2の正面には、外レール3及び内レール9(図3参照)に囲まれた正面視略円形状の遊技領域4が設けられている。そして、図2に示すように、この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された特別図柄表示画面、各種ランプ及びLEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。また、この特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、この特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられている。そして、普通入賞口19の左側方には普通図柄始動ゲート11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。そして、大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口81が設けられている。
次に、外枠12について説明する。図1に示すように、外枠12は、ホールの島設備(図示外)に取り付けられるパチンコ機1本体を支持する枠部材である。この外枠12は、外枠上柱部12a,外枠右柱部12b,外枠左柱部12c,外枠下柱部12dからなり、正面視略長方形状の枠を構成している。そして、外枠下柱部12dは、他の3つの柱部材である外枠上柱部12a、外枠右柱部12b、外枠左柱部12cよりもやや前方へ突出した形状を有している。このため、外枠下柱部12dは、他の3本の枠部材よりも高い強度を有し、土台としての機能も担っている。さらに、図2に示すように、外枠下柱部12dの、遊技者に対向する正面側には、樹脂で形成された黒色の薄板である化粧板(図示外)が張られている。そして、このような構成からなる外枠12の外枠左柱部12c近傍に、中枠13の中枠左柱部13c(図4参照)近傍が軸支されるようになっている。
次に、遊技盤2について説明する。図3に示すように、遊技盤2は、正面視略長方形状の板部材であり、3枚の板部材が積層されて1枚の板部材を形成している。この遊技盤2は、中枠13の裏面側に固着された遊技盤固定枠50の正面側に支持される(図4参照)。そして、先述のように、この遊技盤2の正面側には、正面視略円形状に形成された外レール3と、当該外レール3の内側に配設され、正面視略半円形状に形成された内レール9とを備えている。さらに、外レール3及び内レール9の内側には発射手段によって発射された遊技球が流下する正面視略円形状の遊技領域4が形成されている。
また、遊技盤2の左上角部近傍には、正面視、左方向に突出するように切削加工された上側載置部35が設けられている。この上側載置部35は、遊技盤2を中枠13に取り付ける際に、上側支持部30(図4参照)に支持される部位である。一方、遊技盤2の左下角部近傍には、階段状に切削加工された下側載置部36が設けられている。この下側載置部36は、遊技盤2を中枠13に取り付ける際に、下側支持部31(図4参照)に支持される部位である。
また、遊技盤2の右上角部近傍には、製造者等の操作に応じて着脱可能なロック機構のメス部である上側ロック部37が設けられている。この上側ロック部37は、遊技盤2を中枠13に取り付ける際に、ロック機構のオス部である上側ロック体32(図4参照)に係着される部位である。一方、遊技盤2の右下角部近傍には、製造者等の操作に応じて着脱可能なロック機構のメス部である下側ロック部38が設けられている。この下側ロック部38は、遊技盤2を中枠13に取り付ける際に、ロック機構のオス部である下側ロック体33(図4参照)に係着される部位である。さらに、遊技盤2の外レール3右半分の湾曲する外側面には、その湾曲形状に沿うようにして飾り部材39が固定されている。
さらに、正面視、遊技盤2の左上角部近傍には、遊技盤2を中枠13に位置決め固定するために穿設された嵌合穴40aが設けられている。一方、遊技盤2の右下角部近傍にも、嵌合穴40aと同様の嵌合穴40bが設けられている。そして、これら嵌合穴40a,40bを、中枠13に固着された嵌合突起41a,41b(図4参照)に各々嵌合させることにより、中枠13に対して遊技盤2の位置決め及び固定がなされる。
次に、中枠13について説明する。図4に示すように、中枠13は、中枠上柱部13a,中枠右柱部13b,中枠左柱部13c,中枠下柱部13dにより、正面視略長方形状に構成されている。そして、中枠13を構成する柱部材は、金属製のアングル部材からなる。さらに、中枠上柱部13a、中枠右柱部13b及び中枠左柱部13cは、平面視略短冊形状に形成されている。一方、中枠下柱部13dは、中枠上柱部13a、中枠右柱部13b及び中枠左柱部13cの幅よりも広い面積を有する平面視略長方形状に形成されている。そして、中枠下柱部13dの正面側には、上述した下皿6や発射ハンドル7などの各部品(図2参照)及び各装置が固定される。
また、中枠左柱部13cの正面側における、長手方向上端部近傍には、平面視略半円形状の掛け部24が固定されている。この掛け部24は、外枠12に固定された上ヒンジ26(図1参照)とともに「上ヒンジ構造」を構成する。そして、掛け部24には、掛け部24の上面から上方に向かって凸設され、上ヒンジ26に設けられた係合穴(図示外)に係合するための軸ピン(図示外)が設けられている。さらに、掛け部24の下面には、下方に向かって凸設され、表枠14の表枠左側端部14aの長手方向上端部に設けられた組付具14e(図6参照)の係合穴(図示外)に係合する軸ピン24aが設けられている。
一方、中枠左柱部13cの正面側における、長手方向略中間よりもやや下方位置近傍には、中ヒンジ29が固定されている。この中ヒンジ29は、表枠14の表枠左側端部14aの長手方向下端部に設けられた組付具14f(図6参照)とともに「中ヒンジ構造」を構成する。そして、中ヒンジ29には、中ヒンジ29の上面から上方に向かって凸設された軸ピン29aが設けられ、その軸ピン29aには組付具14f(図6参照)の係合穴(図示外)が係合する。
さらに、中枠左柱部13cの正面側における、長手方向下端部近傍には、掛け部27が固定されている。この掛け部27は、外枠12に固定された下ヒンジ25(図1参照)とともに「下ヒンジ構造」を構成する。さらに掛け部27には、下ヒンジ25に凸設された軸ピン(図示外)と係合するための係合穴27aが設けられている。したがって、中枠13の中枠左柱部13cは、外枠12の外枠左柱部12c近傍に軸支されることにより、外枠12に対して中枠13が略水平方向に回動可能である。同様に、表枠14の表枠左側端部14aは、中枠13の中枠左柱部13c近傍に軸支されることにより、中枠13に対して表枠14が略水平方向に回動可能である。
なお、中枠右柱部13bの正面側における、長手方向略中間位置近傍には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具21,22が取り付けられている。これら鉤金具21,22は、正面から突出して、表枠14に設けた係止具14g,14h(図6参照)に対応して設けられている。そして、中枠13に対して表枠14を閉鎖すると、鉤金具21,22の先端部が表枠14側の係止具14g,14hに係止されて、シリンダ錠76により施錠状態とされるようになっている。
ここで、中枠13の裏面側には、正面視略長方形状の遊技盤固定枠50が固着され、中枠13と一体化されている。この遊技盤固定枠50は、中枠13に対する遊技盤2の位置決めをして固定するための枠部材であり、中枠13の裏面側に固着されている。そして、遊技盤固定枠50は、固定枠上柱部50a,固定枠右柱部50b,固定枠左柱部50c,固定枠下柱部50dによって、正面視略長方形状の枠を構成している。また、これら柱部材は金属製のアングル部材であり、固定枠左柱部50c及び固定枠右柱部50bは平面視略短冊形状に形成されている。一方、固定枠上柱部50a及び固定枠下柱部50dは、固定枠左柱部50c及び固定枠右柱部50bよりも幅の広い平面視略長方形状に形成されている。そして、このような構成からなる遊技盤固定枠50の内側には、正面視略長方形状の遊技盤用開口部Qが形成されている。この遊技盤用開口部Qには、遊技盤2の背面から突出する特別図柄表示装置8の一部や、各部品の凸部形状が挿入される。したがって、遊技盤固定枠50の正面に、遊技盤2の裏面を密着させることができる。
そして、上記構成からなる中枠13には、遊技盤2の位置決めをして固定するために、以下の構成を備える。すなわち、遊技盤固定枠50の左上角部近傍には、遊技盤2の上側載置部35(図3参照)を支持するための上側支持部30が設けられ、遊技盤固定枠50の左下角部近傍には、遊技盤2の下側載置部36(図3参照)を支持するための下側支持部31が設けられている。上側支持部30は、上方から載置される上側載置部35の側部及び底部を支持可能に正面側に立設された受け金具であり、下側支持部31は、上方から載置される下側載置部36の側部及び底部を支持可能に正面側に立設された受け金具である。
一方、遊技盤固定枠50の右上角部近傍には、遊技盤2の上側ロック部37に係着する上側ロック体32が設けられ、遊技盤固定枠50の右下角部近傍には、遊技盤2の下側ロック部38に係着する下側ロック体33が設けられている。上側ロック体32は、上側ロック部37と対向するように正面側に立設された係止金具であり、下側ロック体33は、下側ロック部38と対向するように正面側に立設された係止金具である。
さらに、遊技盤固定枠50の左上角部近傍には、遊技盤2の嵌合穴40aに嵌合される嵌合突起41aが設けられ、遊技盤固定枠50の右下角部近傍には、遊技盤2の嵌合穴40bに嵌合される嵌合突起41bが設けられている。嵌合突起41aは、嵌合穴40aと対向するように正面側に突出したピン金具であり、嵌合突起41bは、嵌合穴40bと対向するように正面側に突出したピン金具である。
そして、図5に示すように、遊技盤2を中枠13に取り付ける場合、まず遊技盤2の上側載置部35及び下側載置部36を、中枠13の上側支持部30及び下側支持部31に各々上方から載置する。すると、遊技盤2の左側面近傍は、上側支持部30及び下側支持部31により軸支されるため、製造者等は中枠13に対して遊技盤2を略水平方向に回動可能である。そして、上側支持部30及び下側支持部31を回転中心として、遊技盤2を中枠13に対して閉めると、中枠13の上側ロック体32及び下側ロック体33が遊技盤2の上側ロック部37及び下側ロック部38に各々嵌着すると同時に、中枠13の嵌合突起41a,41bが遊技盤2の嵌合穴40a,40に各々嵌入する。これにより、上記構成を有するパチンコ機1では、遊技盤2は中枠13に対して簡易かつ確実に位置決めされると同時に固定される。
次に、表枠14について説明する。図6は、ガラス窓23が取り付けられていない表枠14の斜め後方からみた斜視図である。図7は、ガラス窓23が取り付けられていない表枠14の背面図である。図8は、支持具142の拡大斜視図である。図6及び図7に示すように、表枠14の略中央には、遊技者がパチンコ機1の前方から遊技領域を目視できるように設けられた視認窓である窓部140が形成されている。本実施の形態では、窓部140は若干縦長の楕円形状をなす。そして、この窓部140の背面には、その全体を被覆可能なガラス窓23が着脱されるが、詳細は後述する。
また、表枠14の開閉動作の軸線側となる表枠左側端部14aには、その上端部及び下端部に中枠13に対する組付機構として、組付具14e,14fが固定されている。そして、先述のように、中枠13に設けられた軸ピン24a,29a(図4参照)に対して、表枠14の組付具14e,14fがそれぞれ取り付けられる。すなわち、上側の組付具14eには上面に開口する係合穴(図示外)が形成されており、この係合穴に軸ピン24aが挿入される一方、下側の組付具14fには下面に開口する係合穴(図示外)が形成されており、この係合穴に軸ピン29aが挿入される。かかる構成により、中枠13に対して表枠14が開閉可能に支持される。
一方、表枠14の開閉動作の軸線側とは反対側の表枠右側端部14bには、上下一対をなす中枠13に対する着脱機構としての板状金具である係止具14g,14hが固定されている。先述のように、中枠13に設けられた鉤金具21,22(図4参照)に対して、表枠14の係止具14g,14hがそれぞれ着脱可能である。すなわち、中枠13に対して表枠14を閉めると、係止具14g,14hに鉤金具21,22の先端部がそれぞれ掛止される一方、中枠13に対して表枠14を開くと、係止具14g,14hから鉤金具21,22の先端部がそれぞれ外れて開放される。かかる構成により、中枠13に対して表枠14を任意に着脱可能である。
また、背面視、表枠14の右上端縁部近傍には、パチンコ機1の前方に向けてスピーカー(図示外)の音声を出力するスピーカー部14cが設けられている。同様に、表枠14の左上端縁部近傍には、パチンコ機1の前方に向けてスピーカー(図示外)からの音声を出力するスピーカー部14dが設けられている。
ここで、本実施の形態に係る表枠14は、ガラス窓23をその外周で保持する「保持部材」として、以下のような構成を有する。すなわち、表枠14の背面側における上端部近傍に、ガラス窓23を支持するための受け金具である支持具142が設けられている。この支持具142は、窓部140の中央からみた上部(すなわち、窓部140の中心を通る垂直線上に位置する、表枠14の上端縁部)に設けられている。
図8に示すように、支持具142は、表枠14の上端縁部に当接して固定される平面視略長方形状の固定片142aと、固定片142aの後端から下方向に向けて屈曲して延設された正面視略長方形状の第1折曲片142bと、第1折曲片142bの下端から後方向に向けて屈曲して延設された平面視略長方形状の受け片142cと、受け片142cの後端から上方向に向けて屈曲して延設された正面視略長方形状の第2折曲片142dとから構成されている。
なお、背面視、表枠14の上端縁部には、パチンコ機1の後方に向けて水平に突出した、その左右方向を長手方向とする金属フレーム(図示外)が設けられている。そして、この金属フレーム(図示外)の下面に固定片142aの上面が当接するように、支持具142は金属フレーム(図示外)と一体となって表枠14の背面側に固定されている。
ここで、略平行をなす第1折曲片142bと第2折曲片142dの間隔幅(受け片142cの前後方向の長さ)は、後述の掛着具231の連結棒231c(図15参照)の直径よりも若干大きい。また、第1折曲片142bよりも後方に位置する第2折曲片142dは、第1折曲片142bと比べて高さ(上下方向の長さ)が小さい。そのため、この第1折曲片142b,受け片142c,第2折曲片142dに取り囲まれて、側面視、上方向に開口するコの字型をなす溝部(すなわち、下方に向けて凹陥した凹部)に、掛着具231の連結棒231cを後方から掛着可能である。
図6及び図7に戻り、表枠14の背面側には、フレーム幅の小さい長尺板状のレール部141が、窓部140の外周に沿って下方向に湾曲した略Uの字型をなすように立設されている。そして、このレール部141は後述するガラス窓23のガラスフレーム23c(図9等参照)の下半分と略同一の形状をなし、このレール部141に対して上方からガラス窓23を着脱可能である。
そして、レール部141において、背面視、右肩方向に向けて湾曲する右部の上端縁部には、上スライド溝143aが設けられ、左肩方向に向けて湾曲する左部の上端縁部には、上スライド溝143bが設けられている。上スライド溝143a,143bは、平面視、窓部140に向けて開口するようなコの字型に取り囲むように形成されている。そして、その内部に嵌め込まれるガラス窓23のガラスフレーム23cを上下方向に摺動可能に案内する、各々対向する一対のガイド溝である。
また、レール部141において、背面視、右肩方向に向けて湾曲する右部の中間位置より若干下側には、下スライド溝144aが形成されている一方、左肩方向に向けて湾曲する左部の中間位置より若干下側には、下スライド溝144bが形成されている。下スライド溝144a,144bは、平面視、窓部140に向けて開口するようなコの字型に取り囲むように形成されて、かつ、その下端面が閉じられている。そして、その内部に嵌め込まれるガラス窓23のガラスフレーム23cを上方向のみに摺動可能に案内する、各々対向する一対のガイド溝である。
さらに、表枠14の背面側には、背面視、支持具142の右側に、左右方向にスライド移動可能なガラス窓固定具145aが形成されている。図17に示すように、ガラス窓固定具145aは、背面視、横長長方形状をなす可動体1451aと、この可動体1451aを左右方向に摺動可能に支持する固定体1452aとから構成されている。可動体1451aの右端部は後方に突出した操作部1453aであり、この操作部1453aを摘まんで左右方向に移動させると、それに応じて可動体1451aの左端部がガラス窓23の上端部(ガラス窓固定片235a)に着脱可能である。固定体1452aは、表枠14の背面側にあらかじめ一体に形成されており、その内部に形成された左右方向に連通する貫通孔であるスライド溝(図示外)に可動体1451aが摺動可能に嵌め込まれている。
同様に、表枠14の背面側には、背面視、支持具142の左側に、左右方向にスライド移動可能なガラス窓固定具145bが形成されている。そして、図17に示すように、ガラス窓固定具145bは、可動体1451b,固定体1452b,操作部1453bを有し、この操作部1453bを摘まんで左右方向に移動させると、それに応じて可動体1451bの右端部がガラス窓23の上端部(ガラス窓固定片235b)に着脱可能である。
次に、ガラス窓23について説明する。図9は、ガラス窓23の斜め前方からみた斜視図である。図10は、ガラス窓23の正面図である。図11は、ガラス窓23の斜め後方からみた斜視図である。図12は、ガラス窓23の背面図である。図13は、B−B線における、ガラス窓23の矢視方向断面図である。図14は、C−C線における、ガラス窓23の矢視方向断面図である。図15は、掛着具231の拡大斜視図である。なお、正面視、図10及び図12に示すB−B線は、ガラス窓23の左側部に対して垂直に通る線であり、図10及び図12に示すC−C線は、ガラス窓23の左下側部に対して垂直に通る線である。
図9乃至図12に示すように、ガラス窓23は、所定間隔を隔てて配置された前後一対のガラス板23a,23bと、ガラス板23a,23bの外周を保持するガラスフレーム23cとで構成されている。このガラス板23a,23bは、各々の中心を通る斜め方向を軸線として対称をなす外周形状を有し、表枠14の窓部140を被覆できるような形状及び大きさを有している。
本実施の形態では、ガラス板23a,23bは、略正八角形状をなすように8つの角を有する一方、その外周の輪郭は滑らかな曲線を有する略円環状をなし、この8つの角も滑らかに湾曲している。そして、ガラス板23a,23bの外周形状は、図10及び図12に示すように、平面視又は背面視、水平面に対して45度傾斜してガラス板23a,23bの中心を通るA−A線を対称軸として線対称をなす。なお、ガラス板23a,23bの横及び縦の長さ(上下方向及び左右方向の幅長)は、その中心において最大となる。
ところで、一般には、ガラス窓23(ガラス板23a,23b)として、表枠14の窓部140と同一円形に形成したものを利用することが多い。しかし、従来のガラス窓は、その円形形状のために部材の方向を特定しにくく、その製造時の位置決めが困難であるという不具合があった。そのため、本実施の形態では、上記のように斜め軸対称となる外周形状を有するガラス窓23(ガラス板23a,23b)を用いることで、ガラス窓23の製造時の位置決めを容易にしている。
また、図13に示すように、ガラスフレーム23cは、ABS樹脂等により一体成形された枠部材であり、外枠501,連結部502,内枠503などで一体に構成されている。なお、ガラスフレーム23c内側の二点鎖線(図10及び図12参照)は、表枠14に対してガラス窓23を取り付けた場合に、遊技者がパチンコ機1の前方から窓部140を通じて視認できる視認領域Rを示している。
ガラスフレーム23cの外枠501は、ガラス板23a,23bの外周と同一形状を有するリング体であり、ガラス板23a,23bの外周部を密着状態で固定するものである。外枠501のフレーム幅は、ガラス板23a,23bが置かれた所定間隔とほぼ同じであるが、その一部では背面側に向けて突出するようにフレーム幅が大きく形成されている。この外枠501におけるフレーム幅が大きい部位が、後述するリブ部239a〜239dとして機能する(図9及び図11参照)。
また、ガラスフレーム23cの外枠501には、その内周側にレール状に突出した連結部502が形成されている。そして、この連結部502の先端部には、外枠501と略並行をなし、かつ外枠501よりもフレーム幅が小さい内枠503が、外枠501よりも若干小さいリング体として形成されている。この内枠503は、ガラス窓23の内側からガラス板23a,23bを密着状態で固定するものである。
そして、ガラスフレーム23cにおいて、外枠501,連結部502,内枠503により囲繞された正面側及び背面側の溝部に、接着層を形成するシール材23d,23eが各々充填されている。ガラス板23aは、その外周で外枠501の内周面に固定され、かつその背面で内枠503の側面に固定された状態で、シール材23dによって隙間無く強固に接着されている。同様に、ガラス板23bは、その外周で外枠501の内周面に固定され、かつその正面で内枠503の側面に固定された状態で、シール材23eによって隙間無く強固に接着されている。かかる構成により、ガラス窓23の内部には、ガラスフレーム23cとガラス板23a,23bとによって取り囲まれた密閉空間300が形成されている。
なお、略八角形状のガラスフレーム23cの各頂点内側には、若干の余スペースが設けられている(図10及び図12参照)。これは、ガラス窓23の製造工程において、ガラス板23a,23bを取り付ける際に用いられるシール剤(接着剤)が、ガラスフレーム23cとの接合部から溢れた場合でも、その溢れたシール剤を余スペースの形成範囲に留まらせるためである。これにより、パチンコ機1にガラス窓23を取り付けた際に、遊技者側からシール剤の溢れ出しを視認できないようにしている。
ここで、本実施の形態に係るガラス窓23は、表枠14に対して簡易かつ正確に取り付けるために、以下のような構成を有する。すなわち、ガラスフレーム23cの上端部に、表枠14の支持具142に掛着可能に突出した掛け金具である掛着具231が設けられている。この掛着具231は、ガラス窓23の中央からみた上部(すなわち、ガラス窓23の中心を通る垂直線上に位置する、ガラス窓23の上端部)に設けられている。
図15に示すように、掛着具231は、ガラスフレーム23cの上端部から上方に向けて立設する2つの支柱部231a,231bと、各支柱部231a,231bの先端を連結する棒状金具である連結棒231cとから構成されている。そして、支柱部231a,231bに支持される連結棒231cが、表枠14の支持具142に係着される。詳細には、支持具142に形成される凹部(第1折曲片142b,受け片142c,第2折曲片142dにより囲まれた溝部)に、連結棒231cが嵌め込まれるようになっている。なお、本実施の形態において、掛着具231が支持具142に「係着」された状態とは、連結棒231cが受け片142cに当接しているか否かを問わず、連結棒231cが第1折曲片142bと第2折曲片142dとの間隙に嵌め込まれている状態をいう。
図9乃至図12に戻り、正面視、ガラス窓23のガラスフレーム23cの左側面には、その外周に沿ってフレーム幅の小さい長尺板状のガイドレール232aが立設されている。同様に、ガラス窓23のガラスフレーム23cの右側面には、その外周に沿ってフレーム幅の小さい長尺板状のガイドレール232bが立設されている。そして、ガイドレール232a,232bにおいて、各々の上端部はフレーム幅が大きい上スライド片233a,233bとなっている。なお、上スライド片233a,233bは、先述の表枠14に形成された上スライド溝143a,143bに対応する位置に設けられている。すなわち、上スライド片233a,233bは、ガラス窓23の斜め上部分から両側面方向に向けて各々突出し、上スライド溝143a,143bにそれぞれ係合可能な一対のガイド片である。
なお、ガラス窓23が表枠14に取り付けられると、ガイドレール232a,232bの正面側はレール部141の背面側に隙間無く当接して、ガイドレール232a,232bとレール部141との接合部に段差が形成される。そのため、ガラス窓23と表枠14との間隙から針金などを挿入するような不正が防止される。
また、ガイドレール232a,232bにおいて、各々の下端部はフレーム幅が大きくなっており、正面視、左下方向及び右下方向に各々突出するような下スライド片234a,234bがそれぞれ形成されている。なお、下スライド片234a,234bは、先述の表枠14に形成された下スライド溝144a,144bに対応する位置に設けられている。すなわち、下スライド片234a,234bは、ガラス窓23の斜め下部分から両側面方向に向けて突出し、下スライド溝144a,144bにそれぞれ係止可能な一対のガイド片である。
なお、下スライド片234a,234bの略中央部には微小な貫通孔が形成されている。これは、ガラス窓23の製造工程でガラスフレーム23cに変形が生じた場合に、この下スライド片234a,234bの貫通孔に基づいて位置決めを行って、ガラスフレーム23cを矯正するためのものである。これにより、ガラス窓23の製造工程では、ガラスフレーム23cに対するガラス板23a,23bの取り付けを確実に行うことができる。
さらに、ガラス窓23のガラスフレーム23cには、正面視、掛着具231の左側近傍に、平面視略長方形状の水平面を形成するガラス窓固定片235aが形成されている。同様に、掛着具231の右側近傍に、平面視略長方形状の水平面を形成するガラス窓固定片235bが形成されている。なお、ガラス窓固定片235a,235bは、先述の表枠14に形成されたガラス窓固定具145a,145bに対応する位置に設けられている。すなわち、ガラス窓固定片235a,235bは、ガラス窓23を上方から固定するためのガラス窓固定具145a,145bを各々受ける一対の受け部材である。
また、本実施の形態に係るガラス窓23は、その内部を除湿するための「吸湿部材」を設けるために、以下のような構造を有する。すなわち、正面視、ガラス窓23の左下部分には、その内部に乾燥剤290を収容するとともに、その背面側から乾燥剤290を見えないように被覆する乾燥剤支持部500が設けられている。
図14に示すように、乾燥剤支持部500は、正面視、内枠503の左下部分と、当該内枠503の左下部分から内周側に向けて、ガラス板23bの正面に沿って延設された薄板状の被覆部504と、被覆部504の先端部から前方に延設された仕切部505と、被覆部504の正面から前方に延設された2つの支持部506,507とを有し、ガラスフレーム23cと一体に形成されている。なお、仕切部505と支持部506,507は、ガラス板23a,23bの間隙に架設されて、ガラス板23a,23bにより隙間無く挟持されている。
そして、ガラスフレーム23cとガラス板23a,23bとにより形成された密閉空間300は、乾燥剤支持部500の仕切部505によって、仕切部505の上面側に位置する目視部300aと、仕切部505の下面側に位置する吸湿部300bとに仕切られる。すなわち、この吸湿部300bは、乾燥剤支持部500とガラス板23aによって取り囲まれた密閉空間であり、その内部に乾燥剤290が収容されている。この乾燥剤290は、細長い筒状の包装体の内部に粒状のゼオライトやシリカゲルが収納されている。そして、乾燥剤290は、乾燥剤支持部500の内部において、内枠503の内周面に沿って貼り付けられている。なお、仕切部505には、複数の通気孔509が略均等な間隔で形成されているため、目視部300a及び吸湿部300bは空気が相互に流動可能である。そのため、吸湿部300bに設けられた乾燥剤290は、この複数の通気孔509を介して目視部300aから吸湿可能である。
かかる構成により、ガラス窓23の内部に吸湿用の乾燥剤290を配置することで、ガラス窓23の正面側からはガラス板23aを介して吸湿部300bに配置された乾燥剤290を目視できる一方(図10参照)、ガラス窓23の背面側からは被覆部504により隠蔽されて乾燥剤290を目視できない(図12参照)。つまり、ガラス窓23の正面側からのみ乾燥剤290を目視できるようにして、ガラス窓23の背面側からは目視できないように乾燥剤290を隠蔽することができる。これにより、ガラス窓23の製造時には乾燥剤290の配置ミスなどの確認が容易であり、またパチンコ機1への取付け後は美観を保つという効果がある。
なお、本実施の形態では、図10及び図12に示すように、乾燥剤支持部500は、先述の視認領域Rの範囲外に位置するように、ガラス窓23の隅部にあたるガラスフレーム23cの近傍(ここでは、ガラス窓23の正面視左下部分)に設けられている。そのため、ガラス窓23を表枠14に取り付けると、正面視(図10参照)、乾燥剤支持部500は窓部140の外周部により隠蔽されて、乾燥剤290は目視できなくなる。
ここで、ガラス窓23を表枠14に取り付ける手順について説明する。図16は、ガラス窓23を表枠14に取り付ける手順を示す斜視図である。図17は、ガラス窓23及び表枠14の上端縁部の拡大背面図である。図18は、ガラス窓23が取り付けられた表枠14の背面図である。図19は、ガラス窓23が取り付けられた表枠14の正面図である。
まず、図16に示すように、パチンコ機1の製造者や管理者などは、ガラス窓23の両側部を把持して所定の高さに持ち上げて、表枠14の背面側にガラス窓23の正面側を近づけていき、ガラス窓23の掛着具231を表枠14の支持具142に掛着させる。すると、掛着具231の連結棒231cは、支持具142の凹部(第1折曲片142b,第2折曲片142d,受け片142cにより取り囲まれた溝部)に嵌め込まれて、前後方向及び左右方向の移動が規制され、上下方向の移動と回転動作のみが可能となる。さらに、支持具142に掛着された掛着具231の軸線方向を回転中心として、製造者等はガラス窓23を前方に回動させて、ガラス窓23の正面側を表枠14の背面側に近接させる。なお、ガラス窓23はその掛着具231で支持具142により支持されているため、製造者等がガラス窓23から手を離しても落下することはない。
次に、製造者等はその上端部で支持されて垂下した状態のガラス窓23を僅かに所定高さまで持ち上げて、ガラス窓23の上スライド片233a,233bを表枠14の上スライド溝143a,143bに各々上方から嵌め込むと同時に、ガラス窓23の下スライド片234a,234bを表枠14の下スライド溝144a,144bに各々上方から嵌め込む。このとき、製造者等は掛着具231が支持具142から外れない程度にガラス窓23を持ち上げて、掛着具231が支持具142に掛着された状態を保ったまま、上方から各スライド片を各スライド溝に嵌め込むようにする。これにより、表枠14の背面でガラス窓23の外周が係止されて、ガラス窓23が窓部140を完全に被覆するように固定される。
ここで、表枠14及びガラス窓23の各係合対の位置関係をみると、表枠14における上スライド溝143a,143bの上端から支持具142の第2折曲片142dの上端までの高さは、ガラス窓23における上スライド片233a,233bの下端から掛着具231の連結棒231cの下端までの高さよりも大きい。同様に、表枠14における下スライド溝144a,144bの上端から支持具142の第2折曲片142dの上端までの高さは、ガラス窓23における下スライド片234a,234bの下端から掛着具231の連結棒231cの下端までの高さよりも大きい。
そのため、ガラス窓23の掛着具231を表枠14の支持具142から取り外す場合には、ガラス窓23の各スライド片を表枠14の各スライド溝に上方から着脱する場合よりも、ガラス窓23をより高く持ち上げる必要がある。よって、ガラス窓23の各スライド片を表枠14の各スライド溝に上方から着脱する際に、ガラス窓23を垂下した状態から所定高さで持ち上げても、掛着具231は支持具142から外れることなく掛着状態が保たれるため、当該作業時にガラス窓23が表枠14から抜け落ちることはない。
最後に、図17に示すように、表枠14の背面において、製造者等はガラス窓固定具145aの操作部1453aを用いて可動体1451aを左方向にスライド移動させ、可動体1451aの左端部をガラス窓23のガラス窓固定片235aの上端平面に係止する。同様に、ガラス窓固定具145bの操作部1453bを用いて可動体1451bを右方向にスライド移動させ、可動体1451bの右端部をガラス窓23のガラス窓固定片235bの上端平面に係止する。これにより、表枠14の背面ではガラス窓23の上端部が固定され、ガラス窓23が上方向に移動して表枠14から外れる不具合が防止される。以上の手順により、製造者等はガラス窓23を表枠14に簡易かつ正確に取り付けることができる(図18及び図19参照)。
なお、ガラス窓23を表枠14から取り外す場合は、上記の手順を逆に行う。すなわち、表枠14の背面において、製造者等はガラス窓固定具145a,145bをガラス窓固定片235a,235bから外す。次に、ガラス窓23を若干持ち上げて、各スライド係合片を各スライド係合部から外す。そして、ガラス窓23を後方に回動させて、ガラス窓23の正面側を表枠14の背面側から離間させ、最後に、掛着具231を支持具142から取り外せばよい。
このように、本実施の形態に係るパチンコ機1では、ガラス窓23の掛着具231を表枠14の支持具142に掛着させた状態(すなわち、ガラス窓23がその上端部で支持された状態)で、製造者等は表枠14に対するガラス窓23の着脱作業を行う。そのため、製造者等が取付け作業中に誤ってガラス窓23から手を離しても、ガラス窓23が落下することはない。そして、ガラス窓23を表枠14の適正な取付け箇所に位置決めしたり、ガラス窓23が表枠14から外れないように固定したりするのも容易である。
また、ガラス窓23が表枠14に取付けられた状態において、背面視(図19参照)、乾燥剤支持部500の内部に設けられた乾燥剤290は、被覆部504により隠蔽されて目視できない(図12参照)。さらに、正面視(図2参照)、目視部300aに含まれる視認領域Rのみが目視可能であり、吸湿部300bを含めた他の部分は表枠14により被覆されるために、正面側からも乾燥剤290を目視できない(図10参照)。つまり、ガラス窓23を表枠14に取り付けると、ガラス窓23の正面側及び背面側のいずれからも乾燥剤290を目視できないようにすることができる。
ところで、中枠13に遊技盤2を取り付け、かつ表枠14にガラス窓23を取り付けた後に、当該中枠13に対して当該表枠14を閉鎖すると、先述のように、鉤金具21,22の先端部が表枠14側の係止具14g,14hに係止されて、シリンダ錠76により施錠状態とされる。このとき、遊技盤2の正面側に形成された外レール3と、ガラス窓23の背面側に形成されたリブ部239a〜239dとが、各々対向して重なるように係合する。そのため、中枠13に対して表枠14を閉鎖した後は、外レール3とリブ部239a〜239dとが重なるように係合する部位では、中枠13と表枠14との隙間から側面方向に異物を挿入することができない。つまり、ガラス窓23とパチンコ機1の正面側との間に隙間が生じないようにして、外部から異物を挿入するような不正行為を防止することができる。
なお、本実施の形態では、背面視、リブ部239aはガラス窓23の上側に設けられ、リブ部239bはガラス窓23の左側に設けられ、リブ部239cはガラス窓23の左下側に設けられ、リブ部239dはガラス窓23の右下側に設けられている(図9及び図11参照)。これは、正面視、パチンコ機1の上側部や両側部が針金などを挿入する不正が行われやすい部位であり、かかる部位に対応してリブ部239a〜239dを設けることで、不正行為を効果的に防止するためである。
以上、本実施の形態に係るパチンコ機1によれば、パチンコ機1の表枠14にガラス窓23が保持されるものであって、ガラス窓23はガラス板23a,23b,ガラスフレーム23c,乾燥剤290を備える。そして、乾燥剤290は乾燥剤支持部500に収容されており、乾燥剤290の背面側に設けられた被覆部504によって背面側から目視できないように隠蔽される。さらに、表枠14にガラス窓23が取り付けられると、乾燥剤290は窓部140の外周部によって正面側から目視できないように隠蔽される。よって、パチンコ機1やガラス窓23自体の美観を損ねることなく、ガラス窓23の内部に乾燥剤290を収容することができる。なお、乾燥剤支持部500では、密閉空間300を目視部300aと吸湿部300bとに仕切る仕切部505に、乾燥剤290に目視部300a内の水分を吸湿させるための通気孔509を設けたので、目視部300a内の水分を吸湿部300bで吸湿することができる。
ところで、上記実施の形態において、ガラス窓23が本発明の「透明部材」に相当する。そして、ガラス板23a,23bが本発明の「複数の透明板」に相当し、ガラスフレーム23cが本発明の「枠体」に相当し、乾燥剤290が本発明の「吸湿部材」に相当し、乾燥剤支持部500が本発明の「隠蔽部」に相当する。また、被覆部504が本発明の「第1の板状部材」に相当し、仕切部505が本発明の「第2の板状部材」に相当する。また、リブ部239a〜239dと係合される外レール3が、本発明の「リブ受け部」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。まず、本実施の形態では遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機1を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機及びスロット等の各種遊技機に適用可能である。
また、乾燥剤290を有効に隠蔽できるのであれば、乾燥剤支持部500(被覆部504)は任意の形態とすることができる。例えば、乾燥剤支持部500(被覆部504)を任意の形状や大きさとしてもよいし、ガラス窓23における任意の位置に設けてもよい。ただし、乾燥剤支持部500(被覆部504)の設置箇所(すなわち、乾燥剤290の設置箇所)は、ガラス窓23における視認領域R以外の部位であることが望ましい。
また、乾燥剤支持部500において、吸湿部300b内の乾燥剤290が目視部300aを有効に吸湿できるのであれば、仕切部505は任意の形態とすることができる。例えば、仕切部505に形成される通気孔509の数量,大きさ,位置などは、任意に変更可能である。
また、上記実施の形態では、乾燥剤290として粒状のゼオライトやシリカゲルなどを収納した細長い筒状の包装体を用いている。しかし、ガラス窓23の内部を有効に吸湿できるのであれば、乾燥剤290の形態も任意に変更可能である。例えば、乾燥剤290として使用される吸湿用材料を変更したり、その収容体をプラスチック容器に変更したり、乾燥剤290の形状,大きさ,吸湿力などを任意とすることができる。
また、ガラス窓23において、リブ部239a〜239dが形成される位置や範囲なども任意である。例えば、ガラス窓23の全周において背面側に突出するようなリブ部を形成してもよい。なお、ガラス窓23の形状や大きさなども、パチンコ機1の仕様や表枠14(窓部140)の形態に応じて任意に変更可能であることは言うまでもない。