JP2007189765A - 電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両 - Google Patents

電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両 Download PDF

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Abstract

【課題】電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成の電動車両において、電動オイルポンプの出力性能劣化時に油圧制御式変速機でのクラッチ滑りを防止する。
【解決手段】電動オイルポンプへの供給電圧Veopが判定電圧Vt1を下回る場合(S120)には、電動オイルポンプの出力性能低下により、油圧制御式変速機への供給油圧が低下する可能性がある。したがって、電動機(MG2)の出力トルク制限の実行により、油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生を防止する(S210)。
【選択図】図5

Description

この発明は、電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両に関し、より特定的には、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成の電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載した電動車両に関する。
内燃機関および電動機を車両駆動力源として備えるハイブリッド車両の一種として、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達されるとともに、油圧制御式変速機に供給される油圧を発生するための電動オイルポンプを有する構成がたとえば特開2005−207304号公報(特許文献1)に開示されている。このような構成では、電動機の駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達されるので、変速機を高低2段に変速することにより、またその変速比を“1”より大きく設定することにより、車両駆動力発生用の電動機を小型化しても十分な駆動アシストや回生制動を行なうことが可能となる。
また、エンジンの運転で駆動する機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプによって、トランスミッション等に必要な油圧を得る動力伝達装置をハイブリッド車両に搭載する構成が特開2000−230442号公報(特許文献2)に開示されている。
なお、特開2005−207304号公報(特許文献1)にも、電動オイルポンプと、エンジンの運転によって動作する機械式オイルポンプとを、油圧制御式変速機への油圧供給用に並列に配置する構成が開示されている。
特開2005−207304号公報 特開2000−230442号公報
一般的に、ハイブリッド自動車では、エンジンを高効率領域に限定して運転させることにより燃費向上を図るため、エンジンが低効率運転となる運転領域では、電動機のみによる車両走行(以下、EV走行と称する)が志向される。このような、EV走行時においては、機械式オイルポンプも停止しているため、電動オイルポンプのみによって油圧制御式変速機を初めとする油圧式装置に対して油圧が供給されることとなる。したがって、EV走行時に電動オイルポンプの出力性能が低下した場合には、油圧の不足により油圧制御式変速機のクラッチ滑りが発生する可能性がある。
しかしながら、2005−207304号公報(特許文献1)には、電動オイルポンプの出力性能低下時における車両制御については言及されていない。また、特開2000−230442号公報(特許文献2)は、電動オイルポンプの累積負荷(具体的には、累積稼動時間)が耐用負荷を超えた場合等に、エンジンを運転させて機械式オイルポンプの駆動により油圧を確保する構成を開示するが、EV走行時にはエンジンが実際に始動するまでの期間に油圧不足により油圧制御式変速機のクラッチ滑りが発生する可能性がある。
さらに、エンジンを搭載しない電気自動車等の電動車両では、機械式オイルポンプによる油圧発生が期待できないため、電動オイルポンプの出力性能劣化は、即座に油圧式変速機への供給油圧の低下を招いてしまう。
しかしながら、2005−207304号公報(特許文献1)および特開2000−230442号公報(特許文献2)では、電動オイルポンプおよび機械式オイルポンプの並置を前提としているので、上記のようなエンジンを搭載しない電動車両における電動オイルポンプの出力性能低下時の対応については、全く考慮されていない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成の電動車両において、電動オイルポンプの出力性能劣化時にも油圧制御式変速機でのクラッチ滑りを防止して、当該クラッチの摩擦材の保護を図るとともに、変速ショックの悪化を防止することである。
本発明による電動車両の駆動制御装置において、電動車両は、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成を有し、かつ、油圧制御式変速機に供給する油圧を発生するための電動オイルポンプを備える。電動車両の駆動制御装置は、検知手段と、出力制限手段とを備える。検知手段は、電動オイルポンプの性能低下を検知する。出力制限手段は、電動機による駆動力を用いた車両走行中において、検知手段により電動オイルポンプの性能低下が検知された場合に、電動機の出力トルクを制限する。
上記電動車両の駆動制御装置および電動車両によれば、電動オイルポンプの出力性能低下時には、油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される駆動力を発生する電動機の出力トルクが制限される。したがって、油圧制御式変速機への供給油圧の低下を招く電動オイルポンプの出力性能低下時において、油圧制御式変速機でのクラッチ滑りの発生を防止できる。これにより、クラッチの摩擦材の保護を図るとともに、変速ショックの悪化を防止できる。
好ましくは、検知手段は、電動オイルポンプへの供給電圧が判定電圧よりも低下した場合に、電動オイルポンプの出力性能低下を検知する。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、電動オイルポンプへの供給電圧低下により電動オイルポンプの出力性能低下を迅速に検知することができる。これにより、油圧制御式変速機でのクラッチ滑りの発生をより確実に防止できる。
また好ましくは、判定電圧は、電動オイルポンプおよび油圧制御式変速機を含む油圧経路での油温に応じて可変に設定される。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、オイル粘性が低下する高油温領域においても、油圧制御式変速機においてクラッチ滑りを発生させるような電動オイルポンプの出力性能低下を迅速に検知できる。
好ましくは、出力制限手段は、電動機オイルポンプの出力性能低下度合いに応じて出力トルク制限を可変とする。あるいは、出力制限手段は、電動機オイルポンプへの供給電圧に応じて出力トルク制限を可変とする。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、電動オイルポンプの出力性能低下度合いに応じて出力トルク制限を可変に設定できる。したがって、油圧制御式変速機でクラッチ滑りが発生しない範囲内で、出力トルク制限を必要最小限に設定して、電動機からの駆動力を確保できる。
また好ましくは、駆動制御装置は、出力制限手段による電動機の出力トルク制限中において、電動オイルポンプの性能が復帰したか否かを判定する判定手段と、判定手段により電動オイルポンプの性能が復帰したと判定されたときに、電動機の出力トルク制限を解除する出力制限解除手段とをさらに備える。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、電動オイルポンプの出力性能低下時において、油圧制御式変速機でのクラッチ滑りの発生を防止できるとともに、出力性能の復帰時には、出力トルク制限を解除して、電動機による正規の車両駆動力を速やかに確保できる。
さらに好ましくは、検知手段は、電動オイルポンプへの供給電圧が判定電圧よりも低下した場合に、電動オイルポンプの出力性能低下を検知し、判定手段は、電動オイルポンプへの供給電圧が復帰電圧以上となった場合に、電動オイルポンプの性能が復帰したと判定する。そして、復帰電圧は判定電圧より高い電圧に設定される。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、電動機の出力トルク制限開始を判定するための判定電圧と、出力トルク制限解除を判定するための復帰電圧との間にヒステリシスを設けることができる。これにより、電動機の出力トルク制限の実行および解除が頻繁に切換わることにより、車両運転性に悪影響を与えることを防止できる。
好ましくは、電動車両は、駆動輪の駆動力を発生するための内燃機関と、内燃機関から機械的動力を受けて回転することによって油圧を発生可能に構成された機械式オイルポンプとをさらに備える。さらに、駆動制御装置は、出力制限手段による電動機の出力トルク制限中において、内燃機関の運転時には、電動機の出力トルク制限を解除する出力制限解除手段をさらに備える。
あるいは好ましくは、車両は、駆動輪の駆動力を発生するための内燃機関と、内燃機関から機械的動力を受けて回転することによって油圧を発生可能に構成された機械式オイルポンプとをさらに備える。さらに、駆動制御装置は、出力制限非実行手段をさらに備える。出力制限非実行手段は、内燃機関の運転時には、電動オイルポンプの出力性能低下有無にかかわらず、電動機の出力トルク制限を非実行とする。
上記電動車両の駆動制御装置およびそれを搭載する電動車両によれば、内燃機関の運転時には、機械式オイルポンプの駆動により油圧制御式変速機の油圧が確保される点を考慮して、電動機の出力トルク制限を非実行とする。これにより、電動機による正規の車両駆動力を確保できる。さらに、電動オイルポンプの出力性能低下から内燃機関が始動されるまでの期間において、電動機の出力トルク制限の実行により油圧制御式変速機でのクラッチ滑り発生を防止することができる。
この発明によれば、電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成の電動車両において、電動オイルポンプの出力性能劣化時にも油圧制御式変速機でのクラッチ滑りを防止して、当該当該クラッチの摩擦材の保護を図るとともに、変速ショックの悪化を防止することができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従う電動車両の代表例として示されるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態によるハイブリッド車両5は、内燃機関110および遊星歯車機構112を含んで構成される主動力源10と、出力軸20と、デファレンシャルギヤ30と、駆動輪40と、アシスト動力源50と、油圧制御式変速機60とを備える。電子制御ユニットで構成されるハイブリッドECU(HV−ECU)100は、ハイブリッド車両5が運転者の操作に適応して走行するように、図1に示した駆動装置の全体動作を制御する。すなわち、HV−ECU100は、本発明による駆動制御装置に対応する。
主動力源10の出力トルクは出力軸20に伝達され、その出力軸20からデファレンシャルギヤ30を介して駆動輪40にトルクが伝達されるように構成されている。一方、走行のための駆動力を出力する力行制御あるいはエネルギを回収する回生制御の可能な電動機で構成されるアシスト動力源50が設けられる。アシスト動力源50からの駆動力は、油圧制御式変速機60(以下、単に変速機60とも称する)を介して出力軸20および駆動輪40へ伝達される。これにより、アシスト動力源50と出力軸20との間で伝達するトルクが、変速機60で設定する変速比に応じて増減可能なように構成される。
変速機60は、設定する変速比が“1”以上となるように構成することができ、このように構成することにより、アシスト動力源50でトルクを出力する力行時に、アシスト動力源50で出力したトルクを増大させて出力軸20に伝達できるので、アシスト動力源50を低容量もしくは小型のものとすることができる。しかしながら、アシスト動力源50の運転効率を良好な状態に維持することが好ましいので、たとえば車速に応じて出力軸20の回転数が増大した場合には、変速比を低下させてアシスト動力源50の回転数を低下させる。また、出力軸20の回転数が低下した場合には、変速比を増大させることがある。
ハイブリッド車両5の駆動装置構成をさらに詳細に説明する。主動力源10は、内燃機関110と、モータジェネレータ111(以下、第1モータジェネレータ111もしくはMG1と記載する)と、これら内燃機関110および第1モータジェネレータ111の間でトルクを合成もしくは分配する遊星歯車機構112とを主体として構成されている。内燃機関(以下、エンジンと記載する)110は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置であって、スロットル開度(吸気量)や燃料供給量、点火時期などの運転状態を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、たとえばマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(E−ECU)113によって行なうように構成されている。
機械式オイルポンプ32は、エンジン110の回転に伴って、すなわちエンジンから機械的動力を受けて回転することによって油圧を発生可能に構成されている。たとえば、機械式オイルポンプ32は、ダンパ120の出力軸に同軸上に配置され、エンジン110からトルクを受けて動作して油圧を発生する。
第1モータジェネレータ111は、たとえば永久磁石式同期電動機で構成され、電動機としての機能および発電機としての機能の両方を生じ得るように構成されて、インバータ114を介してバッテリなどの蓄電装置115に接続されている。そして、インバータ114を制御することにより、第1モータジェネレータ111の出力トルク(力行トルクあるいは回生トルク)を適宜に設定するようになっている。その設定を行なうために、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(MG1−ECU)116が設けられている。
遊星歯車機構112は、外歯歯車であるサンギヤ117と、そのサンギヤ117に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ118と、これらサンギヤ117およびリングギヤ118に噛合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリア119とを3つの回転要素として作動作用を生じる公知の歯車機構である。内燃機関110の出力がダンパ120を介してそのキャリア119に連結されている。すなわちキャリア119は、遊星歯車機構112の入力要素となっている。
これに対して、サンギヤ117に第1モータジェネレータ111のロータ(図示せず)が連結されている。したがってサンギヤ117がいわゆる反力要素となっており、また、リングギヤ118が出力要素となっている。そして、リングギヤ118が出力部材としての出力軸20に連結されている。
変速機60は、図1に示す構成例では、1組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速機60には、それぞれ外歯歯車である第1サンギヤ121および第2サンギヤ122が設けられており、その第1サンギヤ121に第1のピニオン123が噛合するとともに、その第1のピニオン123が第2のピニオン124に噛合している。第2のピニオン124は、各サンギヤ121,122と同心円上に配置されたリングギヤ125に噛合している。なお、各ピニオン123,124は、キャリア126によって自転かつ公転自在に保持されている。また、第2サンギヤ122は、第2のピニオン124に噛合している。したがって、第1サンギヤ121およびリングギヤ125は、各ピニオン123,124とともにダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また、第2サンギヤ122およびリングギヤ125は、第2のピニオン124とともにシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
そして、第1サンギヤ121を選択的に固定する第1ブレーキB1と、リングギヤ125を選択的に固定する第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1,B2は摩擦力によって係合力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1,B2は、油圧による係合力に応じて、そのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。さらに、第2サンギヤ122に前述したアシスト動力源50が連結され、またキャリア126が出力軸20に連結されている。
したがって、変速機60では、第2サンギヤ122がいわゆる入力要素であり、キャリア126が出力要素となっている。第1ブレーキB1を係合させることにより、変速比が“1”より大きい高速段(H)が設定され、第1ブレーキB1に代えて第2ブレーキB2を係合させることにより、高速段より変速比の大きい低速段(L)が設定されるように構成されている。
各変速段間での変速は、車速や要求駆動力(もしくはアクセル開度)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運動状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。その制御を行なうためのマイクロコンピュータを主体とした電子制御装置(T−ECU)127が設けられている。
なお、図1に示す構成例では、アシスト動力源50として、トルクを出力する力行およびエネルギを回収する回生の可能なモータジェネレータ(以下、第2モータジェネレータ50もしくはMG2と記載する)が採用されている。この第2モータジェネレータ50は、一例として永久磁石式同期電動機であって、そのロータ(図示せず)は、第2サンギヤ122に接続されている。さらに、第2モータジェネレータ50は、インバータ128を介して蓄電装置(バッテリ)129に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(MG2−ECU)130によってインバータ128を制御することにより、力行および回生ならびにそれぞれの場合における出力トルクを制御するように構成されている。
なお、蓄電装置(バッテリ)129および電子制御装置130は、前述した第1モータジェネレータ111に対応する、バッテリ(蓄電装置)115および電子制御装置116と統合することも可能である。
また、HV−ECU100および各電子制御装置113,116,127,130のそれぞれが相互にデータを通信できるように接続されている。HV−ECU100は、E−ECU113、MG1−ECU116、MG2ECU130、T−ECU127に対して動作指令を発する。
図2には、主動力源の出力分配機構としてのシングルピニオン型遊星歯車機構112についての共線図が示される。
図2を参照して、キャリア119に入力されるエンジン110の出力トルクに対して、第1モータジェネレータ111による反力トルクをサンギヤ117に入力すると、これらのトルクを加減算した大きさのトルクが出力要素となっているリングギヤ118に現れる。その場合、第1モータジェネレータ111のロータがそのトルクによって回転し、第1モータジェネレータ111は発電機として機能する。
また、リングギヤ118の回転数(出力回転数)を一定とした場合、第1モータジェネレータ111の回転数を大小に変化させることにより、エンジン110の回転数を連続的に(無段階)に変化させることができる。すなわち、エンジン110の回転数をたとえば燃費が最もよい回転数に設定する制御を、第1モータジェネレータ111を制御することによって行なうことができる。
また、走行中にエンジン110を停止させていれば、第1モータジェネレータ111が逆回転しており、その状態から第1モータジェネレータ111を電動機として動作させて性回転方向にトルクを出力させると、キャリア119が連結されているエンジン110にこれを正回転させる方向のトルクが作用し、したがって、第1モータジェネレータ111によりエンジン110を始動(モータリングもしくはクランキング)することができる。その場合、出力軸20には、その回転を止める方向のトルクが作用する。したがって、走行のための駆動トルクは、第2モータジェネレータ50の出力するトルクを制御することによって維持でき、同時にエンジンの始動を円滑に行なうことができる。なお一般に、この種のハイブリッド形式は機械分配式あるいはスプリットタイプと称されている。
図3には、変速機60に含まれるラビニオ型遊星歯車機構についての共線図が示される。
図3を参照して、第2ブレーキB2によってリングギヤ125を固定することによって、低速段Lが設定される。低速段Lの設定時には、第2モータジェネレータ50の出力したトルクは、変速比に応じて増幅されて出力軸20に付加される。
これに対して、第1ブレーキB1によって第1サンギヤ121を固定した場合には、低速段Lより変速比の小さい高速段Hが設定される。この高速段Hにおける変速比も“1”より大きいので、第2モータジェネレータ50の出力したトルクは、その変速比に応じて増大されて出力軸20に付加される。
なお、各変速段L,Hが定常的に設定されている状態では、出力軸20に付加されるトルクは、第2モータジェネレータ50の出力トルクを変速比に応じて増大させたトルクとなるが、変速過渡状態では、各ブレーキB1,B2でのトルク容量や回転数変化に伴う慣性トルクなどの影響を受けたトルクとなる。また、出力軸20に付加されるトルクは、第2モータジェネレータ50の駆動状態では正トルクとなり、被駆動状態では負トルクとなる。
上記の油圧制御式変速機60内のブレーキB1,B2に対して油圧を給排してその係合および開放の制御を行なうように、図4に示す油圧制御装置31が設けられている。
図4を参照して、油圧制御装置31は、機械式オイルポンプ32と、電動オイルポンプ33と、オイルパン34と、油圧回路38とを含む。油圧回路38は、オイルポンプ32,33で発生した油圧をライン圧に調整するとともに、そのライン圧を元圧として昇圧した油圧を各ブレーキB1,B2に対して給排し、かつ適宜の箇所に潤滑のためのオイルを供給する。
機械式オイルポンプ32は、図1にも示すように、エンジン110の運転に伴って駆動されることによって油圧を発生する。
電動オイルポンプ33は、モータ(図示せず)によって駆動されるポンプであって、ケーシング(図示せず)の外部などの適宜の箇所に取付けられ、バッテリなどの直流電源39から電力を受けて動作して油圧を発生するように構成されている。電動オイルポンプ33への供給電圧Veopは、電圧センサ39#によって検知される。電圧センサ39#の出力は、HV−ECU100へ送出される。供給電圧Veopの低下時には、モータの出力低下により、電動オイルポンプ33の出力性能、具体的には、吐出流量および/吐出圧力が低下する。
油圧制御装置31によって油圧が制御される油圧経路内には、油温センサ37が設けられる。油温センサ37は、測定対象となる油の温度に応じた電圧を出力する。油温Toilを示す油温センサ37の出力は、HV−ECU100へ送出される。
油圧回路38は、複数のソレノイドバルブや切換バルブあるいは調圧バルブ(それぞれ図示せず)を備え、調圧や油圧の給排を電気的に制御できるように構成されている。なお、各オイルポンプ32,33の吐出側には、それぞれのオイルポンプ32,33の吐出圧で開き、これとは反対方向には閉じる逆止弁35,36が設けられる。また、油圧回路38に対して、機械式オイルポンプ32および電動オイルポンプ33は、互いに並列に接続されている。また、ライン圧を調圧するバルブ(図示せず)は、吐出量を増大させてライン圧を高くし、これとは反対に吐出量を減じてライン圧を低くする2つの状態にライン圧を制御するように構成されている。
上述したハイブリッド車両は、主動力源10とアシスト動力源(第2モータジェネレータ)50との2つの動力源を備えているので、これらを有効に利用して低燃費で排ガス量の少ない運転が行なわれる。またエンジン110を駆動する場合であっても、第1モータジェネレータ111によって最適燃費となるようにエンジン110の回転数が制御される。さらに、減速時あるいは制動時には車両の有する回生エネルギが電力として回生される。そして、第2モータジェネレータ50を駆動してトルクアシストする場合、車速が遅い状態では変速機60を変速段Lに設定して出力軸20に付加するトルクを大きくし、車速が増大した状態では変速機60を高速段Hに設定して第2モータジェネレータ50の回転数を相対的に低下させ損失を低下し、効率のよいトルクアシストが実行できる。
上述したハイブリッド車両は、エンジン110の動力による走行、エンジン110と第2モータジェネレータ50とを使用した走行、第2モータジェネレータ50のみを使用した走行(EV走行)のいずれもが可能であって、これらの走行形態は、アクセル開度などの駆動要求量や車速などに基づいてHV−ECU100によって判断され選択される。たとえば、バッテリの充電量が十分であって、駆動要求量が相対的に小さい場合、あるいは静粛な発進が手動選択された場合などでは、第2モータジェネレータ50を使用した電気自動車に類した走行の形態が選択されて、エンジン110は停止させられる。
その状態からアクセルペダルが大きく踏み込まれるなど駆動要求量が増大した場合、あるいはバッテリの充電量が低下した場合、もしくは静粛な発進から通常走行に手動切換された場合には、エンジン110が始動されてエンジン110を使用した走行(以下、エンジン走行とも称する)の形態に切換られる。
エンジン110の始動は、第1モータジェネレータ111をモータとして機能させるモータリング(クランキング)により行なわれる。その場合、図2に示すように第1モータジェネレータ111によってサンギヤ117にこれを正回転させる方向にトルクを加えると、リングギヤ118にはこれを逆転させる方向にトルクが作用する。このリングギヤ118は出力軸20に連結されているから、エンジン110の始動に伴うトルクが車両を減速させる方向のトルクとなる。そこで、エンジン110の始動時には、このようないわゆる反力トルクを相殺するように第2モータジェネレータ50によってトルクを出力させる。
次に、電動オイルポンプ33の出力性能低下に対応するための、HV−ECU100によるハイブリッド車両の駆動制御について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に従うハイブリッド車両の駆動制御を説明するフローチャートである。このハイブリッド車両の駆動制御は、エンジン110が停止されたEV走行時のものである。
図5を参照して、HV−ECU100は、ステップS100により、電圧センサ39#の出力から電動オイルポンプ33へ動作電圧として供給される供給電圧Veopを取得する。
そして、HV−ECU100は、ステップS110により、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限中であるか否かを判定する。後述のように、電動オイルポンプ33の出力性能低下時には、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限が実行される。
第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限中でない場合(ステップS110におけるNO判定時)には、HV−ECU100は、ステップS120により、一例としては、ステップS100で取得した供給電圧Veopを判定電圧Vt1と比較することによって、電動オイルポンプ33の出力性能低下に対応したトルク制限の要否を判定する。
供給電圧Veopが判定電圧Vt1以上確保されている場合(Veop≧Vt1,ステップS120のNO判定時)には、HV−ECU100は、ステップS200により、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限を実行することなく、電動オイルポンプ33による油圧供給を継続する。
これに対して、供給電圧Veopが判定電圧Vt1を下回る場合(Veop<Vt1,ステップS120のYES判定時)には、電動オイルポンプ33の出力性能低下により、油圧制御式変速機60への供給油圧が低下する可能性がある。したがって、HV−ECU100は、ステップS210によりMG2の出力トルク制限を実行して、変速機60でのクラッチ滑り発生を防止する。
図6には、MG2のトルク制限値の設定例が示される。
図6を参照して、MG2の出力トルク制限値Tlmtは、電動オイルポンプ33の出力性能が低下していない場合(ステップS120のNO判定時)には、出力トルク制限なし(Tlm=Tmax)に設定される。この場合には、車両への要求駆動力および車両状況に応じて第2モータジェネレータ(MG2)50に本来要求される駆動力に対応する出力トルクが、そのままMG2トルク指令値とされる。
一方、電動オイルポンプ33の出力性能低下時(ステップS120のNO判定時)には、出力トルク制限値Tlmtが所定値に設定される。この場合には、MG2出力トルク指令値は、出力トルク制限値Tlmt以内に制限される。すなわち、第2モータジェネレータ(MG2)50に本来要求される出力トルクが出力トルク制限値Tlmtを超える場合であっても、MG2出力トルク指令値=Tlmtに制限される。
出力トルク制限値Tlmtは、電動オイルポンプ33の出力性能低下度合いに応じて、具体的には供給電圧Veopに応じて可変に設定することが好ましい。これにより、MG2トルク制限を必要最小限に抑制できるので、車両挙動への影響を軽減できる。
たとえば、符号200に示すように、出力トルク制限時において、Veop<Vtaの範囲ではTlmt=T0に設定し、Veop≧Vtaの領域ではTlmt=T1(T1>T0)に設定するように、段階的に出力トルク制限値Tlmtを設定することができる。なお、出力トルク制限値Tlmtについては、2段階以上の複数段階にさらに細分化して設定することも可能である。あるいは、符号210に示すように、供給電圧Veopの低下に従って出力トルク制限値Tlmtが連続的に低下するような設定とすることも可能である。
再び図5を参照して、ステップS210によりMG2トルク制限が一旦実行されると、ステップS110がYES判定となる。
第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限中(ステップS110におけるYES判定時)には、HV−ECU100は、ステップS130により、電動オイルポンプ33への供給電圧Veopを復帰電圧Vt2と比較することによって、電動オイルポンプ33の出力性能復帰によるトルク制限の解除可否を判定する。
図7に示されるように、復帰電圧Vt2は、トルク制限無しからトルク制限実行への遷移条件と、トルク制限実行からトルク制限解除への遷移条件との間にヒステリシスを設けるために、判定電圧Vt1よりも高い電圧に設定される。たとえば、Vt2=Vt1+Vhys(Vhys:所定のヒステリシス電圧)に設定される。これにより、供給電圧Veopが判定電圧Vt1近傍である場合に、第2モータジェネレータ50(MG2)のトルク制限実行有無が頻繁に切換わって、車両運転性に影響を与えることを防止できる。
また、判定電圧Vt1および復帰電圧Vt2は、油温センサにより検出される油温Toilの高温時に相対的に高電圧に設定される。これにより、オイル粘性が低下する高油温領域においても、油圧制御式変速機60においてクラッチ滑りを発生させるような、電動オイルポンプ33の出力性能低下を迅速に検知できる。
再び図5を参照して、HV−ECU100は、MG2トルク制限中において、供給電圧Veopが復帰電圧Vt2に達しない場合(ステップS130におけるNO判定時)には、MG2のトルク制限を継続的に実行する。なお図示しないが、この際に、現在の供給電圧Veopに基づいて、出力トルク制限値Tlmtの設定(図6)を更新することが好ましい。
一方、HV−ECU100は、MG2トルク制限中において、供給電圧Veopが復帰電圧Vt2以上に復帰した場合(ステップS130におけるYES判定時)には、ステップS220により、MG2トルク制限を解除する。すなわち、電動オイルポンプ33への供給電圧Veopが復帰電圧Vt2以上に復帰して出力性能低下が解消されたと判定される場合には、油圧制御式変速機60への供給油圧が再び十分なものとなるため、MG2のトルク制限を解除して車両駆動力を確保する。
以上説明した実施の形態1に従うハイブリッド車両の駆動制御によれば、油圧制御式変速機60の油圧低下を招く電動オイルポンプ33の出力性能低下時において、油圧制御式変速機60でのクラッチ滑りの発生を防止できる。これにより、クラッチの摩擦材の保護を図るとともに、変速ショックの悪化機器を防止できる。
なお、実施の形態1の変形例として、図8に示すフローチャートに従って、図5のステップS100,ステップS120,ステップS130に代えて、ステップS100♯,S120♯,ステップS130♯を実行する制御構造とすることも可能である。
HV−ECU100は、ステップS100♯では、電動オイルポンプに設けられた回転数センサ(図示せず)より、電動オイルポンプ33の実績回転数Neopを取得する。
そして、HV−ECU100は、ステップS120♯,S130♯では、ステップS100♯で取得した電動オイルポンプ33の回転数Neopを判定回転数Nt1および復帰回転数Nt2と比較することにより、電動オイルポンプ33の出力性能低下の検知および出力性能低下からの復帰を検知する。判定回転数Nt1および復帰回転数Nt2は、図7に示した判定電圧Vt1および復帰電圧Vt2と同様に設定される。
また、第2モータジェネレータ(MG2)50のトルク制限値についても、図6において横軸を実績回転数Neopに置き換えることにより、電動オイルポンプ33の出力性能低下度合いに応じて可変設定することができる。
このような構成としても、実施の形態1と同様に、電動オイルポンプ33の出力性能低下時にも、油圧制御式変速機60でのクラッチ滑りの発生を防止できる。
上記のように、電動オイルポンプ33の出力性能低下は、回転数Neopにより結果的に検知することも可能である。この場合には、供給電圧低下以外の要因による出力性能低下をも検知することができる。しかしながら、出力性能低下の原因となる供給電圧Veopの低下から電動オイルポンプ33の出力性能低下を検知する制御構造(図5)の方が、より迅速な制御を可能とする。
なお、実施の形態1およびその変形例に示した制御構造は、ハイブリッド車両のEV走行時だけでなく、図1の構成においてエンジン110を含む主動力源10および機械式オイルポンプ32を省略した電気自動車としての電動車両に対しても適用可能である。すなわち、「電動機」である第2モータジェネレータ50からの駆動力が油圧制御式変速機60を介して駆動輪に伝達される構成を備える電気自動車(電動車両)において、電動オイルポンプ33の出力性能低下時に、油圧制御式変速機60でのクラッチ滑りの発生を防止して、クラッチの摩擦材の保護を図るとともに、変速ショックの悪化を防止できる。
なお、図5および図8に示したフローチャートにおいて、ステップS120,S120#は、本発明での「検知手段」に対応し、ステップS210は本発明における「出力制限手段」に対応する。また、ステップS130,S130#は本発明での「判定手段」に対応し、S220は本発明での「出力制限解除手段」に対応する。
[実施の形態2]
実施の形態2では、エンジンおよび電動機(モータジェネレータ)を車両駆動力源として備え、かつ、電動オイルポンプに加えて機械式オイルポンプを並列配置した構造を前提とした、ハイブリッド駆動制御について説明する。
図9は、実施の形態2によるハイブリッド駆動制御を説明するフローチャートである。
図9および図5の比較から理解されるように、実施の形態2によるハイブリッド駆動制御では、HV−ECU100は、ステップS100の実行時に、ステップS105により、エンジンが所定回転数以上であるか否か、すなわちエンジン110が運転中であるか否かを判定する。エンジン運転中である場合には、機械式オイルポンプ32からの発生油圧により油圧制御式変速機60での油圧が確保されるので、MG2トルク制限を非実行として、第2モータジェネレータ50による正規の車両駆動力発生を確保できる。
したがって、HV−ECU100は、エンジン運転中(ステップS105のYES判定時)には、ステップS230により、MG2のトルク制限を非実行とする。すなわち、エンジン停止中にステップS210によりMG2のトルク制限が一旦実行されても、エンジン110の始動に伴ってMG2出力トルク制限を解除することが可能となる。
エンジン停止中(ステップS105におけるNO判定時)には、HV−ECU100は、図5と同様の制御処理によって、MG2トルク制限の実行有無を制御する。なお、上記のようなエンジン始動要求は、HV−ECU100により、ステップS210におけるMG2トルク制限の実行と併せて発生されてもよい。
このような制御構造とすることにより、実施の形態2に従うハイブリッド車両の駆動制御によれば、実施の形態1と同様に、油圧制御式変速機60の油圧低下を招く電動オイルポンプ33の出力性能低下時において、油圧制御式変速機60でのクラッチ滑りの発生を防止できるとともに、エンジン始動に伴ってMG2出力トルク制限を解除して、第2モータジェネレータ50による正規の車両駆動力を確保できる。
また、電動オイルポンプ33の出力性能低下に応答してエンジン始動を要求する場合にも、実際にエンジン110が始動されるまでの期間において、MG2トルク制限の実行により油圧制御式変速機60でのクラッチ滑り発生を防止することができる。
なお、図10に示すように、実施の形態2に従うハイブリッド駆動制御についても、実施の形態1の変形例と同様に、電動オイルポンプ33の実績回転数Neopに基づいて電動オイルポンプ33の出力性能低下を判定することも可能である。
なお、図10および図9のフローチャート間の相違点は、既に説明した図8および図5のフローチャート間の相違点と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
図10に示した実施の形態2の変形例に従うハイブリッド駆動制御によっても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。既に述べたように、電動オイルポンプ33の出力性能低下を回転数Neopにより結果的に検知する構成では、供給電圧低下以外の要因による出力性能低下をも検知することができる一方で、電動オイルポンプ33の出力性能低下検知についての迅速性は低下する。
なお、図9および図10に示したフローチャートにおいて、ステップS230は、本発明での「出力制限解除手段」または「出力制限非実行手段」に対応する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に従う電動車両の代表例として示されるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明するブロック図である。 主動力源の遊星歯車機構の共線図である。 変速機のラビニオ型遊星歯車機構の共線図である。 油圧制御式変速機へ油圧を供給する油圧制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に従うハイブリッド車両の駆動制御を説明するフローチャートである。 電動オイルポンプの出力性能低下時におけるモータジェネレータのトルク制限値の設定例を説明する概念図である。 図5に示すフローチャートで用いられる判定電圧および復帰電圧の設定を説明する概念図である。 実施の形態1の変形例に従うハイブリッド車両の駆動制御を説明するフローチャートである。 実施の形態2に従うハイブリッド車両の駆動制御を説明するフローチャートである。 実施の形態2の変形例に従うハイブリッド車両の駆動制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
5 ハイブリッド車両、10 主動力源、20 出力軸、30 デファレンシャルギヤ、31 油圧制御装置、32 機械式オイルポンプ、33 電動オイルポンプ、34 油圧回路、35,36 逆止弁、37 油温センサ、38 油圧回路、39 直流電源、39# 電圧センサ、40 駆動輪、50 第2モータジェネレータ(MG2,アシスト動力源)、60 油圧制御式変速機、100 HV−ECU(駆動制御装置)、110 内燃機関(エンジン)、111 第1モータジェネレータ(MG1)、112 シングルピニオン型遊星歯車機構、113,116,127,130 電子制御装置(ECU)、114,128 インバータ、115 蓄電装置、117,121,122 サンギヤ、118,125 リングギヤ、119,126 キャリア、120 ダンパ、123,124 ピニオン、B1,B2 ブレーキ、Neop 実績回転数(電動オイルポンプ)、Nt1 判定回転数、Nt2 復帰回転数、Tlmt 出力トルク制限値、Toil 油温、Veop 供給電圧(電動オイルポンプ)、Vt1 判定電圧、Vt2 復帰電圧。

Claims (10)

  1. 電動機からの駆動力が油圧制御式変速機を介して駆動輪に伝達される構成を有し、かつ、前記油圧制御式変速機に供給する油圧を発生するための電動オイルポンプを備えた電動車両の駆動制御装置であって、
    前記電動オイルポンプの出力性能低下を検知する検知手段と、
    前記電動機による駆動力を用いた車両走行中において、前記検知手段により前記電動オイルポンプの出力性能低下が検知された場合に、前記電動機の出力トルクを制限する出力制限手段とを備える、電動車両の駆動制御装置。
  2. 前記検知手段は、前記電動オイルポンプへの供給電圧が判定電圧よりも低下した場合に、前記電動オイルポンプの出力性能低下を検知する、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  3. 前記判定電圧は、前記電動オイルポンプおよび前記油圧制御式変速機を含む油圧経路での油温に応じて可変に設定される、請求項2記載の電動車両の駆動制御装置。
  4. 前記出力制限手段は、前記電動機オイルポンプの出力性能低下度合いに応じて、出力トルク制限を可変とする、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  5. 前記出力制限手段は、前記電動機オイルポンプへの供給電圧に応じて、出力トルク制限を可変とする、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  6. 前記出力制限手段による前記電動機の出力トルク制限中において、前記電動オイルポンプの性能が復帰したか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記電動オイルポンプの性能が復帰したと判定されたときに、前記電動機の出力トルク制限を解除する出力制限解除手段とをさらに備える、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  7. 前記検知手段は、前記電動オイルポンプへの供給電圧が判定電圧よりも低下した場合に、前記電動オイルポンプの出力性能低下を検知し、
    前記判定手段は、前記電動オイルポンプへの供給電圧が復帰電圧以上となった場合に、前記電動オイルポンプの性能が復帰したと判定し、
    前記復帰電圧は、前記判定電圧より高い電圧に設定される、請求項6記載の電動車両の駆動制御装置。
  8. 前記電動車両は、
    前記駆動輪の駆動力を発生するための内燃機関と、
    前記内燃機関から機械的動力を受けて回転することによって前記油圧を発生可能に構成された機械式オイルポンプとをさらに備え、
    前記駆動制御装置は、
    前記出力制限手段による前記電動機の出力トルク制限中において、前記内燃機関の運転時には、前記電動機の出力トルク制限を解除する出力制限解除手段をさらに備える、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  9. 前記電動車両は、
    前記駆動輪の駆動力を発生するための内燃機関と、
    前記内燃機関から機械的動力を受けて回転することによって前記油圧を発生可能に構成された機械式オイルポンプとをさらに備え、
    前記駆動制御装置は、
    前記内燃機関の運転時には、前記電動オイルポンプの出力性能低下有無にかかわらず、前記電動機の出力トルク制限を非実行とする出力制限非実行手段をさらに備える、請求項1記載の電動車両の駆動制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動車両の駆動制御装置を搭載する電動車両。
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