JP2007189530A - ノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズデータの予測精度を高め、予測処理に必要なデータ量を低減し、小規模の処理デバイスでも迅速な処理を可能にしたノイズキャンセルヘッドホンおよびノイズキャンセル方法を得る。
【解決手段】マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号の予測手段20、予測した騒音信号の位相を反転させるキャンセルノイズ生成手段24、オーディオ信号とキャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器64、を備える。予測手段20は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測し、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換える。現在の時刻に対応する予測データとサンプリングデータとの差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して予測データを補正するとよい。
【選択図】図1
【解決手段】マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号の予測手段20、予測した騒音信号の位相を反転させるキャンセルノイズ生成手段24、オーディオ信号とキャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器64、を備える。予測手段20は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測し、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換える。現在の時刻に対応する予測データとサンプリングデータとの差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して予測データを補正するとよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタル・シグナル・プロセッサ(以下「DSP」という)を用いたデジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法に関するものであって、特に予測手法を用いて外部ノイズを消去するものにおいて、ノイズを予測しこれをキャンセルする処理の遅延を回避しかつ計算精度を向上させることにより、ノイズキャンセル効果を一層高めることができるようにしたものである。
例えば、テーププレーヤ、CDプレーヤ、MDプレーヤなど、携帯型の音楽プレーヤが普及し、最近ではハードディスク型やフラッシュメモリ型など、より小型で、大容量の携帯型音楽プレーヤが急速に普及しつつある。携帯型音楽プレーヤの普及に伴い、それに使用するヘッドホンもより高性能のものが求められ、さらに、街中や乗り物の中で音楽を聞こうとする場合に、周囲の騒音は聞こえず、音楽のみが聞こえるようにしたノイズキャンセルヘッドホンも望まれるようになってきた。音楽の再生音に混じって周囲の騒音が耳に入ると、高音質の再生音であっても、騒音によってかき消され、高音質で音楽を楽しむことができないからである。また、騒音の中で音楽を聴こうとすると、ついつい音量を上げて聞きがちになり、音量を上げることによってヘッドホンから外に向かって音漏れを生じ、乗り物などの中では周囲の人たちにとって不愉快な騒音原になるという問題もある。このような背景があって、ノイズキャンセルヘッドホンが普及し始めている。
現在市販されているノイズキャンセルヘッドホンの大半はアナログ方式のノイズキャンセルヘッドホンである。これは、ヘッドホンに組み込んだマイクロホンで周囲の音(再生音に対しては騒音であるから、以下、「騒音」という)を捉え、捉えた騒音の位相を反転してプレーヤからの再生信号に加算する方式である。外部からヘッドホン内部に侵入する騒音は、位相が反転された信号で打ち消され、プレーヤからの再生信号のみが使用者の耳に入るという仕組みである。その概要を図5に示す。図5において、符号42で示すノイズNは、ヘッドホンに装着されたマイクロホンで捉えられる周囲の騒音で、アナログ回路40が備えている位相反転器44で位相が180度反転され、−N´の信号となる。騒音信号の反転信号−N´と、プレーヤによって再生される再生信号Sは加算器46によって加算され、この加算された信号で音響変換器すなわちスピーカが駆動される。ヘッドホン内部には騒音Nが回り込む。この回り込んだ騒音Nはその反転信号−N´と合成されて符号48で示すようにN−N´の信号となり、騒音Nの大半は反転信号−N´でキャンセルされ、使用者はほぼ再生音Sのみを聞くことができる、という仕組みになっている。また、上記加算器46の代わりに、騒音Nの逆位相の音を発生する信号・音響変換素子(スピーカ)を設けて騒音Nをキャンセルするものもある。
最近では、デジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンも提案されている。その例を図6に示す。図6において、符号50はデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンの主体をなすデジタル信号処理に特化したプロセッサ(以下「DSP」という)を示す。DSP50は、ヘッドホンに組み込まれたマイクロホンで捉えられる騒音信号Nを周波数分析する高速フーリエ変換器(以下「FFT」という)54と、FFT54で周波数分析することにより得られる周波数特性56から、キャンセルする周波数帯域を選択する選択部58と、選択された周波数帯域の信号を逆フーリエ変換して周波数選択されたキャンセル音信号−N″を生成する逆フーリエ変換器(IFFT)60と、プレーヤによる再生信号Sと上記キャンセル音信号−N″を加算して出力する加算器64を備えている。ヘッドホンに回り込んで侵入する騒音Nは、上記キャンセル音−N″と合成されてN−N″の信号66となり、騒音Nの大半はキャンセルされて、使用者はほぼ再生音Sのみを聞くことができる。
アナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンの先行技術として、例えば、特許文献1、特許文献2記載の発明などがある。騒音Nの逆位相の音を発生する信号・音響変換素子を設けた例として特許文献3記載の発明がある。デジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンの先行技術として、例えば、特許文献4記載の発明がある。
図5に示すようなアナログ方式ノイズキャンセルヘッドホンによれば、コイル(インダクタンス)やコンデンサ(キャパシタンス)および抵抗を用いて位相を反転する回路を構成しているため、(1)位相を反転するときにパワースペクトルを正確に反転することができない、(2)位相を反転するときに、遅延を正確に実現することができない、すなわち騒音に対して逆位相信号が遅延する、といった問題がある。結果として、十分なキャンセル効果を得ることができない。
図6に示すような、従来のデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンによれば、(1)FFTおよびIFFTにおいて計算に時間を要し、騒音の位相変化に対して計算結果の位相が対応せず、十分なキャンセル効果を得ることができない、(2)騒音の周波数ごとにキャンセル音を計算するため、計算に長い時間を要し、計算時間を節約するために周波数帯域幅を狭めなければキャンセル効果を得ることができず、結果として十分なキャンセル効果を得ることができない、といった問題がある。
そこで本出願人は、周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号とキャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えた、デジタル方式のノイズキャンセルヘッドホンに関して先に特許出願した(特願2005−145868参照)。
上記出願にかかるノイズキャンセルヘッドホンによれば、マイクロホンで変換される過去の騒音信号から将来発生する騒音信号を予測し、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成し、このキャンセルノイズによって周囲の騒音をキャンセルするように構成されているため、キャンセルノイズ生成手段などによる計算遅れや動作遅れがあっても、実際に生じるノイズの位相変化に対応してノイズをキャンセルすることができる。
本出願人による上記先の特許出願にかかるノイズキャンセルヘッドホンによる騒音信号予測処理の例について説明する。音声信号のように時系列で入力するデータに、デジタルフィルタを用いてリアルタイムに信号処理する場合を想定する。例えば、次数が2N+1のFIRフィルタを使用する場合を想定する。FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタとは、インパルスを入力したときの出力信号が有限時間で0に収束するフィルタである。
いま、FIRフィルタの係数:a−N,a−N+1,..,a−1、a0,a1,..,aN−1,aN
計測データ:f−N,f−N+1,..,f−1,f0,f1,..,fN−1,fN
ただし、f−NはN個前のデータ、fNはN個先のデータである。ここで、「N個」とは、例えば、一定周期でサンプリングされる場合のサンプリング数を指す。
とすると、現時刻の特性値は、
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
+a1×f1+...+aN−1×fN−1+aN×fN
となる。このFIRフィルタを使用してリアルタイム処理を行なう場合、以下の二つの方法が考えられる。
いま、FIRフィルタの係数:a−N,a−N+1,..,a−1、a0,a1,..,aN−1,aN
計測データ:f−N,f−N+1,..,f−1,f0,f1,..,fN−1,fN
ただし、f−NはN個前のデータ、fNはN個先のデータである。ここで、「N個」とは、例えば、一定周期でサンプリングされる場合のサンプリング数を指す。
とすると、現時刻の特性値は、
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
+a1×f1+...+aN−1×fN−1+aN×fN
となる。このFIRフィルタを使用してリアルタイム処理を行なう場合、以下の二つの方法が考えられる。
第1の処理方法は、将来のデータを予測することなく現時刻の特性値を計算する方法で、現時刻の特性値を、
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
として計算する方法である。図7はこの処理方法の例を波形で示す。図7(a)は音圧の変化を、図7(b)は特性値の変化を示す。図7(a)において、f0は現時刻の音圧レベルを、f−Nは現時刻からN個前の音圧レベルを、fNは現時刻からN個先の音圧レベルを示す。この処理方法では、図7(b)に示すように、N個前のデータf−Nから現時刻までのデータf0に基づいて現時刻の特性値を計算する。
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
として計算する方法である。図7はこの処理方法の例を波形で示す。図7(a)は音圧の変化を、図7(b)は特性値の変化を示す。図7(a)において、f0は現時刻の音圧レベルを、f−Nは現時刻からN個前の音圧レベルを、fNは現時刻からN個先の音圧レベルを示す。この処理方法では、図7(b)に示すように、N個前のデータf−Nから現時刻までのデータf0に基づいて現時刻の特性値を計算する。
第2の処理方法は、バーグ法などの統計的手法を用いて将来のデータを予測し、さらに、予測したデータを実データと順次代替する方法である。
現時刻から将来に向かって1個目のデータf1を予測する場合は、f0,f−1,f−2,...のように、1個ずつ過去のデータに遡り、これらのデータから将来の1個目のデータを予測する。
現時刻から将来に向かって2個目のデータf2を予測する場合は、f0,f−2,f−4,...のように、N個ずつ(一つおきに)過去のデータに遡り、これらのデータから将来の2個目のデータを予測する。
現時刻から将来に向かってN個目のデータfNを予測する場合は、f0,f−N,f−2N,...のように、N個ずつ過去のデータに遡り、これらのデータから将来のN個目のデータを予測する。
このようにして、全ての予測データf1,f2,...,fN−1,fNを得ると、次に、前述の現時刻の特性値、
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
+a1×f1+...+aN−1×fN−1+aN×fN
を算出する。
現時刻から将来に向かって1個目のデータf1を予測する場合は、f0,f−1,f−2,...のように、1個ずつ過去のデータに遡り、これらのデータから将来の1個目のデータを予測する。
現時刻から将来に向かって2個目のデータf2を予測する場合は、f0,f−2,f−4,...のように、N個ずつ(一つおきに)過去のデータに遡り、これらのデータから将来の2個目のデータを予測する。
現時刻から将来に向かってN個目のデータfNを予測する場合は、f0,f−N,f−2N,...のように、N個ずつ過去のデータに遡り、これらのデータから将来のN個目のデータを予測する。
このようにして、全ての予測データf1,f2,...,fN−1,fNを得ると、次に、前述の現時刻の特性値、
aN×f−N+a−N+1×f−N+1+...+a−1×f−1+a0×f0
+a1×f1+...+aN−1×fN−1+aN×fN
を算出する。
図8(a)(b)は、上記統計的手法を用いて将来のデータを予測する場合のイメージを波形で示すもので、f0は現時刻の音圧レベルを、f−Nは現時刻からN個前の音圧レベルを示す。図8(a)は現時刻からN個前までを含む過去のデータの例を示しており、図8(b)は、過去のデータと、過去のデータに基づいて予測した将来のデータの例を示している。
前記第1の処理方法によれば、将来のデータを予測するものではないから、計算に使用するデータ量が少なくてよいという利点がある反面、データ量が少ないために予測精度が極端に低下し、ノイズキャンセル精度が極端に低下するという難点がある。
また、前記第2の処理方法によれば、第1の処理方法よりも予測精度を高めることができるが、1回のサンプリングごとにN回の予測計算を行なうため、計算にかかる負荷が大きくなり、ノイズキャンセルのために実用上必要とする迅速な処理を行なうためには高速で大容量の処理装置ないしはデバイスを必要とし、ノイズキャンセルヘッドホンとして実用的でない、という難点がある。
また、前記第2の処理方法によれば、第1の処理方法よりも予測精度を高めることができるが、1回のサンプリングごとにN回の予測計算を行なうため、計算にかかる負荷が大きくなり、ノイズキャンセルのために実用上必要とする迅速な処理を行なうためには高速で大容量の処理装置ないしはデバイスを必要とし、ノイズキャンセルヘッドホンとして実用的でない、という難点がある。
本発明は、以上のような技術背景に基づいてなされたもので、ノイズデータを1回サンプリングするごとに将来に向かってN回目のサンプリングまで予測することができるようにして、予測精度を高める一方、予測処理に必要なデータ量の低減を可能にして、小規模の処理デバイスでも迅速な処理を可能にした実用性の高いノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、予測値と現在値との差分を補正することによって、予測精度をさらに高め、併せてデータ処理量の低減を図ることができるようにしたノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、予測値と現在値との差分を補正することによって、予測精度をさらに高め、併せてデータ処理量の低減を図ることができるようにしたノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法を提供することを目的とする。
本発明は、周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えるノイズキャンセルヘッドホンにおいて、上記予測手段は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換えるように構成されていることを最も主要な特徴とする。
上記予測手段は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して一定数先の予測データを補正するように構成してもよい。
本発明によれば、1回のサンプリングごとに、過去一定数のサンプリングデータに基づき、将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するため、予測精度を高めることができる。また、1回のサンプリングごとに、将来の1回分のサンプリングデータを予測すればよいので、予測処理に必要なデータ量を低減することができ、小規模の処理デバイスであっても迅速な処理を可能にした実用性の高いノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法を得ることができる。
また、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して一定数先の予測データを補正することにより、予測データが実測データを加味して常時補正されるため、精度の高い予測データを得ることができ、より一層精度の高いノイズキャンセルを行うことができる。
以下、本発明にかかるノイズキャンセルヘッドホンの実施例について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
図1において、符号16はデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンにおける情報処理の主体をなすDSP(Digital Signal Processor)を示す。DSP16には、ヘッドホンに組み込まれていて周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンから、騒音信号(ノイズ)17が入力されるが、マイクロホンとDSP16との間にアナログのローパスフィルタ30が介在していて、DSP16に騒音信号を入力するに当たり、上記ローパスフィルタ30を通すように構成されている。ローパスフィルタ30はハイカットフィルタでもあり、騒音信号17から高音領域をカットし、騒音信号の低音領域NのみをDSP16に入力するようになっている。DSP16は、騒音信号の低音領域Nを所定のビット数でサンプリングしてデジタルデータに変換するサンプリング回路18を有するとともに、このサンプリング回路18によって得られるサンプリングデータが入力される予測手段20を有している。予測手段20は、騒音信号の低音領域Nの過去のサンプリングデータから、将来発生する騒音信号を予測するもので、例えば、多項式などの補間手法を用いることができる。この予測手段20の構成ないしは機能が本発明の中核をなしており、後で詳細に説明する。予測手段20によって、符号22で示すように発生予測ノイズN″が生成され、この発生予測ノイズN″は、DSP16に含まれるキャンセルノイズ生成手段24によって位相が180度反転され、キャンセルノイズ−N″が生成されるように構成されている。予測手段20からキャンセルノイズ生成手段24までの間に、アナログ・デジタル変換器があり、上記キャンセルノイズ−N″はアナログ信号に変換されている。
図1において、符号16はデジタル方式ノイズキャンセルヘッドホンにおける情報処理の主体をなすDSP(Digital Signal Processor)を示す。DSP16には、ヘッドホンに組み込まれていて周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンから、騒音信号(ノイズ)17が入力されるが、マイクロホンとDSP16との間にアナログのローパスフィルタ30が介在していて、DSP16に騒音信号を入力するに当たり、上記ローパスフィルタ30を通すように構成されている。ローパスフィルタ30はハイカットフィルタでもあり、騒音信号17から高音領域をカットし、騒音信号の低音領域NのみをDSP16に入力するようになっている。DSP16は、騒音信号の低音領域Nを所定のビット数でサンプリングしてデジタルデータに変換するサンプリング回路18を有するとともに、このサンプリング回路18によって得られるサンプリングデータが入力される予測手段20を有している。予測手段20は、騒音信号の低音領域Nの過去のサンプリングデータから、将来発生する騒音信号を予測するもので、例えば、多項式などの補間手法を用いることができる。この予測手段20の構成ないしは機能が本発明の中核をなしており、後で詳細に説明する。予測手段20によって、符号22で示すように発生予測ノイズN″が生成され、この発生予測ノイズN″は、DSP16に含まれるキャンセルノイズ生成手段24によって位相が180度反転され、キャンセルノイズ−N″が生成されるように構成されている。予測手段20からキャンセルノイズ生成手段24までの間に、アナログ・デジタル変換器があり、上記キャンセルノイズ−N″はアナログ信号に変換されている。
上記キャンセルノイズ−N″はDSP16に含まれる加算器26に入力され、加算器26では、適宜のプレーヤなどによって再生されるオーディオ信号Sとキャンセルノイズ−N″が加算されて出力されるように構成されている。この加算出力S−N″によって信号・音響変換素子としてのスピーカが駆動され、S−N″に対応した音声がスピーカから発せられる。ヘッドホンには周囲の騒音が回り込み、使用者の耳に入る。使用者の耳に入る騒音をN´とすると、この騒音N´は、位相が反転している上記キャンセルノイズ−N″に対応する音声と合成され、符号28で示すように、N−N″として消音されたノイズとなる。言い換えると、使用者の耳に入る音は、S+N´−N″である。N´−N″の部分は上記のように打ち消されているので、オーディオ信号Sのみが使用者の耳に入ることになる。
以上説明したノイズキャンセルヘッドホンの実施例を模式的に表したものが図2である。図2において、符号12はヘッドホンユニットを示している。ヘッドホンユニット12は、使用者の耳を覆う筐体と、この筐体に組み込まれて周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホン14と、外部のプレーヤ10で再生されるオーディオ信号Sを音響信号に変換する信号・音響変換素子としてのスピーカと、前述のDSP16を備えている。マイクロホン14は、ヘッドホンユニット12の周辺の騒音を電気信号に変換し、この騒音信号は前述のようにローパスフィルタ30を通ってDSP16に入力され、前述のように処理される。DSP16からは、騒音信号の低音領域Nに基づいて生成された発生予測ノイズN″を反転させたキャンセルノイズ−N″と、上記オーディオ信号Sとが加算されてS−N″の信号が出力され、このS−N″の信号でスピーカが駆動される。
一方、ヘッドホンユニット12の周囲の騒音Nは、ヘッドホンユニット12を回り込んで使用者の耳に達する。騒音Nはヘッドホンユニット12を回り込むことによって周波数帯域ごとに音圧レベルが変化し、N‘の騒音として使用者の耳に入る。したがって、使用者の耳に入る音はS−N″+N´となる。キャンセルノイズ−N″は使用者の耳に入る騒音N´に対して逆位相であり、かつ、キャンセルノイズ−N″も騒音N´も騒音Nを源とするものであるから、騒音N´はキャンセルノイズ−N″で略キャンセルされ、使用者の耳にはほぼオーディオ信号Sのみが入ることになる。ヘッドホンユニット12の筐体を回り込んで使用者の耳に入る騒音は、既に述べたように高音領域がカットされて低音領域のみとなる。前記DSP16内で生成されるキャンセルノイズN″は、騒音信号の低音領域に対応したキャンセルノイズであるため、このキャンセルノイズN″で上記使用者の耳に入る騒音がキャンセルされ、実用上十分なキャンセル効果を得ることができるノイズキャンセルヘッドホンを得ることができる。
次に、本発明の中核をなす前記予測手段20の構成ないしは機能について、図3および図4とともに詳細に説明する。予測手段20は、前述のFIRフィルタを使用してリアルタイム処理を行なうように構成されている。具体的には、例えば、バーグ法などの統計的手法を用い、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数のサンプリングデータを予測するように構成されている。図3は、予測手段20による将来に向かった一定数のサンプリングデータの予測動作を、順を追って示している。横軸は時間を、縦軸は音圧レベルを示している。現在から将来に向かって一定回数(これをN回数とする)のサンプリングデータを予測するものとする。現在から将来に向かってN個先のサンプリングデータy1を予測するためには、図3(a)に示すように、現在から過去に遡ってN個前までのサンプリングデータすなわち実測データに基づいて演算処理する。この演算処理によって得られた予測データy1はメモリに保存しておく。
次のサンプリングデータが得られると、図3(b)に示すように、現在から過去に遡ってN個前までの実測サンプリングデータに基づき演算処理し、現在から将来に向かってN個先のサンプリングデータy2を予測する。このデータy2をメモリに保存しておく。これによって、メモリには2個のサンプリングデータy1,y2が保存されたことになる。
同様にして、次のサンプリングデータが得られると、図3(c)に示すように、現在から過去に遡ってN個前までの実測サンプリングデータに基づき演算処理し、現在から将来に向かってN個先のサンプリングデータy3を予測する。このデータy3をメモリに保存しておく。これによって、メモリには3個のサンプリングデータy1,y2,y3が保存されたことになる。
このようにして、現在から将来に向かってサンプリングデータをN回予測することにより、図3(d)に示すように、現在からその直後の予測データy1とそれに続く予測データy2,y3,...,yNがメモリに保存されることになる。これら一連の予測データy1,y2,y3,...,yNは、現在から過去N回分実測されたサンプリングデータに連なるものとして扱われる。
さらに次の、すなわちN+1回目のサンプリングデータ予測において、前記第1回目の予測データy1は、このN+1回目の予測に用いられる現在の時刻におけるサンプリングデータの実測値に対応する予測値となる。この現在の時刻におけるサンプリングデータの実測値と、これに対応する上記第1回目の予測データy1との間には差分ないしは乖離があるものと考えられる。そこで、現在の時刻に対応する上記予測データy1を現在の時刻におけるサンプリングデータの実測値に置き換え、現在時刻の実測値を含む過去に遡ったN回分の実測値から次のN個先のサンプリングデータ、すなわちyN+1を予測する。
このようにして、前記予測手段20は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するように構成されているため、予測精度を高めることができる。また、1回のサンプリングごとに、将来の1回分のサンプリングデータを予測すればよいので、予測処理に必要なデータ量を低減することができ、小規模の処理デバイスであっても、迅速な処理を可能にした実用性の高いノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法を得ることができる。加えて、サンプリングデータの予測値が常時実測値で修正されることになり、より一層精度の高いサンプリングデータ予測が可能になる。
予測手段20は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して一定数先の予測データを補正するように構成してもよい。このように構成された予測手段の動作例を図4に示す。図4において、現在から過去に遡った一定数(N個)のサンプリングデータから、将来に向かって一定数(N個)先のサンプリングデータを予測した値をy1で示している。N回以上のサンプリングデータを得ることによって、現在時刻におけるサンプリングデータの実測値とこれに対応する予測値を得ることができ、予測手段20は上記実測値と予測値との差分dを演算する。そして予測手段20は、上記差分dを、現在時刻から将来に向かってN個先のサンプリングデータの予測値y1に加算して、N個先のサンプリングデータの予測値y1を補正する。以下、同様に、次のサンプリングデータの予測値に、そのときの現在時刻における実測値とこれに対応する予測値との差分を加算して予測値を補正する。
このように、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して一定数先の予測データを補正するため、予測データが実測データを加味して常時補正され、精度の高い予測データを得ることができる。この予測データに基づいて前記キャンセルノイズ生成手段24にてキャンセルノイズを生成し、前期加算器64においてキャンセルノイズをオーディオ信号に加算することにより、一層精度の高いノイズキャンセルを行うことができる。上記のようにして予測データを補正しても、現在の時刻に対応する予測データ(補正済みのデータ)と現在の時刻におけるサンプリングデータとの間の差分を皆無にすることは難しいので、前述の実施例1と同様に、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換えるように動作させるとよい。
ノイズキャンセル動作開始当初は、一定数(N個分)のサンプリングデータを蓄積するまでは将来のサンプリングデータを予測することができない。しかし、サンプリング周波数は例えば40KHzというような高い周波数で行なわれるので、例えば、8個分の将来のサンプリングデータを予測するのに現在から過去に遡って8回分のサンプリングを行なうとしても、一瞬のうちにデータ蓄積が行なわれ、時間遅れの問題はない。
図1に示す実施例では、マイクロホンで電気信号に変換されたノイズ信号17を、ローパスフィルタ30を介してDSP16内のサンプリング回路18に入力するように構成されている。したがって、ノイズ信号17の高音領域がローパスフィルタ30で遮断され、低音領域のみがサンプリング回路18に入力されることになる。ローパスフィルタ30を通る信号の最大対象周波数が例えば2KHzの騒音信号の波形とする。この最大対象周波数の騒音1サイクルの間にN回のサンプリングが行なわれるものとする。このサンプリング周波数は40KHz(すなわち、ローパスフィルタを通過する騒音の最大対象周波数の整数倍)であるとする。したがって、2KHzの騒音信号に対して40KHzのサンプリング周波数でサンプリングされることになり、騒音1サイクルでのサンプリング回数Nは20である。すなわち20回のサンプリングが行なわれることになる。換言すれば、20回のサンプリングで2KHzの騒音信号データを1サイクル分取得することができる。このように、騒音の高音領域をカットして、対象周波数の最大値を低く抑えることによって、騒音信号の1サイクルの間により多くのサンプリングを行なうことができ、サンプリングに基づく将来の騒音波形の予測を高い精度で行なうことができる。
従来のノイズキャンセルヘッドホンは、音声周波数帯全領域をノイズキャンセルの対象としている。しかるに、音声周波数帯全領域をノイズキャンセルの対象として所定の精度でデジタル処理しようとすると、高音域の成分も含めて信号処理を行なう必要があるから、処理しようとする情報量が多くなり、高速で大容量のデジタルデバイスが必要となる。また、将来の波形を精度よく予測するためには、過去の多くのデータに基づいて予測する必要がある。その上、高音域も含めてノイズキャンセルを行うことは、高速処理も要求されるから、高精度のノイズキャンセルはますます難しくなる。
仮に、騒音の低音領域(低い周波数領域)のみをキャンセルするだけでよいとすれば、処理しようとする情報量を少なくすることができ、小容量のデジタルデバイスで足りるとともに、処理速度を早くすることができ、ノイズキャンセル精度を高めることができるはずである。本発明者が検証した結果、ヘッドホンを装着した状態では、ヘッドホンの筐体が高音領域(高い周波数領域)において遮音効果を持ち、ヘッドホンの筐体を回り込んで耳に伝わる騒音は低音領域であることがわかった。よって、低音領域についてノイズキャンセルすれば、イズキャンセルヘッドホンとして十分に機能する。
図2に示すモデル図では、1個のヘッドホンユニット12に関して記載されている。通常、ヘッドホンは左右のヘッドホンユニット12からなるステレオヘッドフォンとして構成されている。このステレオヘッドフォンにおいては、周囲の騒音を検知するためのマイクロホン14およびそれに付随した騒音キャンセルのための回路をどのように配置するか、すなわちこれらを片方のヘッドホンユニット12に備えるのか、または両方のヘッドホンユニット12に備えるのか、いずれかを選択することになる。
左右のヘッドホンユニット12の一方にマイクロホン14を備え、このマイクロホン14で変換される騒音信号に基づき、前記予測手段20が将来発生する騒音信号を予測し、キャンセルノイズ生成手段24がキャンセルノイズを生成し、左右のヘッドホンユニット12ごとにそれぞれのオーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算する加算器26を備えたものであってもよい。かかる構成は比較的簡単な構成であるが、十分な騒音キャンセル効果を得ることができる。
左右のヘッドホンユニット12でより大きな騒音キャンセル効果を得るのであれば、左右のヘッドホンユニット12ごとにマイクロホン14と予測手段20とキャンセルノイズ生成手段24と加算器26を備え、左右のヘッドホンユニット12ごとに将来発生する騒音信号を予測してキャンセルノイズを生成し、左右のヘッドホンユニット12ごとにそれぞれのオーディオ信号Sと上記キャンセルノイズ−N″を加算するようにするとよい。もちろん、左右のマイクロホンで検出された騒音信号に基づき、左右それぞれに騒音信号が予測され、キャンセルノイズが生成される。左右のヘッドホンユニット12では、周囲の騒音の聞こえ方が異なるはずであるから、左右別々に騒音を検出して個別に騒音のキャンセル処理をするように構成することによって、より一層騒音キャンセル効果を高めることができる。
本発明によれば、周囲の騒音をすべてキャンセルしてしまい、プレーヤで再生されるオーディオ信号のみを聞くことができるようにすることも可能である。しかし、日常において、騒音がまったく聞こえない状況はむしろ稀で、人間の感覚ではかえって違和感を覚えることもあるので、騒音のキャンセル量ないしはキャンセル率を、使用者が好みに応じて調整することができるようにしておくとよい。騒音のキャンセル量ないしはキャンセル率の調整は、例えば前記キャンセルノイズ生成手段26の利得を調整するなどの手法をとることによって達成することができる。
本発明にかかるノイズキャンセルヘッドホンは、主として音楽を再生するプレーヤとともに使用されるものであるが、他の用途として、たとえば、騒音の中で集中力を発揮するために、オーディオ信号を入力させることなく、ノイズキャンセル機能を発揮させ、静寂の中にいるかのような状況を作り出すこともできる。
10 プレーヤ
12 ヘッドホンユニット
14 マイクロホン
16 DSP
18 サンプリング回路
20 予測手段
24 キャンセルノイズ生成手段
26 加算器
30 ローパスフィルタ
12 ヘッドホンユニット
14 マイクロホン
16 DSP
18 サンプリング回路
20 予測手段
24 キャンセルノイズ生成手段
26 加算器
30 ローパスフィルタ
Claims (7)
- 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えるノイズキャンセルヘッドホンにおいて、
上記予測手段は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換えるように構成されていることを特徴とするノイズキャンセルヘッドホン。 - 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えるノイズキャンセルヘッドホンにおいて、
上記予測手段は、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を将来に向かった一定数先の予測データに加算して一定数先の予測データを補正するように構成されていることを特徴とするノイズキャンセルヘッドホン。 - マイクロホンで変換される騒音信号から低音領域の騒音信号のみを通過させるローパスフィルタを備え、キャンセルノイズ生成手段は低音領域の騒音信号にのみキャンセルノイズを生成させることを特徴とする請求項1または2記載のノイズキャンセルヘッドホン。
- ヘッドホンはヘッドホンンユニットを左右に有するステレオヘッドホンであって、左右のヘッドホンユニットにマイクロホンを備え、このマイクロホンで変換される騒音信号に基づき、予測手段が将来発生する騒音信号を予測し、キャンセルノイズ生成手段がキャンセルノイズを生成し、左右のヘッドホンユニットごとにそれぞれのオーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算する加算器を備えている請求項1、2または3記載のノイズキャンセルヘッドホン。
- 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えるヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法であって、
上記予測手段を、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データを現在の時刻におけるサンプリングデータに置き換えるように動作させることを特徴とするヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法。 - 周囲の騒音を電気信号に変換するマイクロホンと、マイクロホンで変換される騒音信号から将来発生する騒音信号を予測する予測手段と、予測した騒音信号の位相を反転させてキャンセルノイズを生成するキャンセルノイズ生成手段と、オーディオ信号と上記キャンセルノイズを加算して信号・音響変換素子に入力する加算器と、を備えるヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法であって、
上記予測手段を、現在から過去に遡った一定数のサンプリングデータから将来に向かって一定数先のサンプリングデータを予測するとともに、現在の時刻に対応する予測データと現在の時刻におけるサンプリングデータとの差分を演算し、この差分を上記現在の時刻に対応する予測データに加算して補正するように動作させることを特徴とするヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法。 - マイクロホンで変換される騒音信号をローパスフィルタに通すことによって低音領域の騒音信号のみを通過させ、キャンセルノイズ生成手段を低音領域の騒音信号に対してのみキャンセルノイズを生成させるように動作させることを特徴とする請求項5または6記載のヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法。
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JP2006006251A JP2007189530A (ja) | 2006-01-13 | 2006-01-13 | ノイズキャンセルヘッドホンおよびヘッドホンにおけるノイズキャンセル方法 |
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- 2006-01-13 JP JP2006006251A patent/JP2007189530A/ja active Pending
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