JP2007189264A - 半導体レーザ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GaAs基板と、GaAs基板上に形成されたInxGa1-xAs(0<x≦0.3)活性層と、活性層の一方の面に積層された第1ガイド層と、第1ガイド層に積層され、少なくとも一部に電流狭窄部が形成された第1クラッド層と、活性層の他方の面に順次積層された第2ガイド層及び第2クラッド層とを含む半導体レーザにおいて、第1ガイド層の有する正規化周波数を、第2ガイド層の有する正規化周波数より大きくする。
【選択図】図20
Description
又、光強度のリッジ部109方向への分布が小さくなり、リッジ部109の不連続な屈折率分布の影響を受けにくくなる。このため、横モードの変化に起因して発生するキンク、即ち、基本モードでの発光が1次モードの発光に変化することにより生じる光出力の不連続点を高くし、安定した発光強度を得ることができる。
図26に示すように、半導体レーザ170では、電流の変化に対して効率(dP/dI)が大きく変化し、安定した発光が得られなくなる。かかる原因としては、P.G.Eliseev and A.E.Drakin著の、"Analysis of the mode internal coupling in InGaAs/GaAs laser diodes", Laser Physics, Vol.4, No.3, pp.485-492, 1994年に記載されているように、p側電極112とn側電極113との間での光の共振が考えられる。
更には、高温におけるしきい値電流の増加及び光出力効率(dP/dI)の低下を防止した半導体レーザの提供を目的とする。
このように、低屈折率層を挿入することにより、発光光の分布を、低屈折率層、ガイド層及び活性層内に閉じ込めることができる。これにより、近視野像での光強度が増大し、レーザ光の広がり角を小さくできる。
また、発光モードが基本モードから高次モードに移行するのを防ぎ、安定したレーザ発光を得ることができる。
また、高温におけるしきい値電流の増加及び光出力効率の低下を防止することができる。
活性層とガイド層との層厚をこのように設定することにより、発光光を十分にかかる層に閉じ込めることができる。これにより、高温におけるしきい値電流の増加及び発光効率の低減を防止することができる。
第2クラッド層の屈折率を第1クラッド層の屈折率より高くすることにより、発光光の分布を第2クラッド側にシフトさせ、アスペクト比が小さく、安定したレーザ光を得ることができる。
また、レーザ光のピーク位置が活性層内に位置するようにして、発光効率を向上させることができる。
かかる構造を用いることにより、発光光のピーク位置を、活性層内にシフトさせることができる。
かかる構造を用いることにより、発光光のピーク位置を、活性層内にシフトさせることができる。
かかる構造では、活性層に注入された電子のオーバーフローを低減でき、発光効率を向上させることができる。
かかる構造では、基板中への光の分布を少なくして、電極間で生じる共振現象を抑制できる。この結果、発光効率(dP/dI)の変動を小さくして、安定した光出力を得ることができる。
かかる半導体レーザでは、GaAs基板やGaAsコンタクト層のようなGaAs層内への光強度分布を少なくすることができ、p側電極とn側電極との間での光の共振を低減することができる。これにより、電流−光出力特性における縦モード変化に起因するキンクレベルを向上させ、即ち、光強度の変化効率(dP/dI)を抑えることが可能となる。従って、光出力の安定した半導体レーザを得ることが可能となる。
V=k0・(√(n1 2−n2 2))・T (式1)
ここで、k0:自由空間の波数(2π/λ)
n1:ガイド層の屈折率
n2:クラッド層の屈折率
T:ガイド層の層厚
かかる構造を用いることにより、リッジ型の半導体レーザに、本発明を適用できる。
かかる構造を用いることにより、埋め込み型電流ブロック層を備えた半導体レーザに、本発明を適用できる。
上記式1より、第1ガイド層の層厚を、第2ガイド層の層厚より大きくすることにより、第1ガイド層の有する正規化周波数を、第2ガイド層の有する正規化周波数より大きくできるからである。
上記式1より、第1ガイド層の屈折率を、第2ガイド層の屈折率より大きくすることにより、第1ガイド層の有する正規化周波数を、第2ガイド層の有する正規化周波数より大きくできるからである。
かかる構造を用いることにより、レーザ光のアスペクト比を向上させ、電流−光強度特性において、光強度の横モードのモード変化に起因して発生するキンクを高くすることができる。これにより、安定した光強度を得ることができる。
かかる構造を用いることにより、InGaAs活性層とGaAs基板との距離が大きくなり、GaAs基板内への光強度分布を、更に、抑えることができるからである。
図1(a)は、本発明の実施の形態1にかかる半導体レーザの断面図である。全体が100で示される半導体レーザでは、n−GaAs基板1上に、厚さが0.9μmのn−Al0.3Ga0.7As第1クラッド層2が形成されている。第1クラッド層2上には、第1クラッド層2より屈折率が低く、厚さが0.9μmのn−Al0.35Ga0.65As第2クラッド層(低屈折率層)3が形成されている。
更に、厚さが40nmのi−Al0.20Ga0.80Asガイド層4、厚さが40nmのi−GaAs0.958P0.042ガイド層5、厚さが15nmのIn0.113Ga0.887As活性層6、厚さが40nmのアンドープi−GaAs0.958P0.042ガイド層7、厚さが40nmのi−Al0.20Ga0.80Asガイド層8が積層されている。
第1クラッド層10には、電流狭窄層としてリッジ部11が形成されている。リッジ部11上にはp−GaAsコンタクト層12が形成され、更に、絶縁膜13が設けられている。絶縁膜13上には、コンタクト層12と電気的に接続するようにp側電極14が形成されている。一方、基板1の裏面には、n側電極15が形成されている。
なお、以下の図面においても、X軸、Y軸及びZ軸方向は、図1(a)に示す各軸の方向と同じ方向とする。
また、図2(b)及び図2(c)に、半導体レーザ150の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布及び光強度の分布を示す。
図中、線Aは図1(a)の半導体レーザ100のカットオフ境界を示し、線Bは図2(a)の半導体レーザ150のカットオフ境界を示す。線A、Bより上側は基本モードと1次モードの双方が許容される領域であり、線A、Bより下側は基本モードのみが許容される領域である。
図3から明らかなように、半導体レーザの残し膜厚t、リッジ幅wを変更する場合、半導体レーザ100(線A)の方が広い領域で基本モードとなる。即ち、本実施の形態にかかる半導体レーザ100を用いることにより、基本モードのみが許容される安定領域が大幅に拡大できる。
これは、低屈折率層3、9を挿入することにより、光強度の分布が、図2(c)から図1(c)のように、狭くなったためと考えられる。
なお、活性層205には、2つのガイド層、2つの量子井戸層、及び量子井戸層に挟まれたバリア層が含まれ、その総層厚は59nmである。
低屈折率層206上には、厚さが0.7μmのn−Al0.625Ga0.375As電流ブロック層207が一部に形成され、その上に、p−AlGaAs低屈折率層208、厚さが2.5μmのp−Al0.48Ga0.52Asクラッド層209、p−GaAsコンタクト層210が形成される。
また、図4の半導体レーザ160では、活性層205とクラッド層203、209の間に、それぞれ低屈折率層204、206、208が挿入されているため、屈折率分布は、図5(b)のようになる。
しかしながら、光強度の分布は、X軸方向に広がるため、電流ブロック層207の影響を受けやすくなる。この結果、横モードにおいて、基本モードから高次モードへの移行が発生しやすく、光出力の低下が見られるようになる。
また、上述のように、活性層205内への光閉じ込め率が小さくなるため、高温におけるしきい値電流の増加、発光効率の低下を招くこととなる。
この結果、図1(a)の導体レーザ100では、活性層内への光閉じ込め率は4.05%となる。これに対して、例えば、図2のような低屈折率層を挿入しない半導体レーザ150では、活性層への光閉じ込め率は3.45%となる。
このように、半導体レーザのガイド層と活性層の総層厚を、発振波長の15%以上とすることにより、発光光を活性層に十分に閉じ込めることが可能となる。これにより、高温におけるしきい値電流の増加及び発光効率の低減を防止することができる。
このように、本実施の形態にかかる半導体レーザ100では、低屈折率層を挿入して、活性層内への光閉じ込め率を増大させたにも拘わらず、発光光の広がり角は増大しない。
これは、図4の半導体レーザ160と異なり、本実施の形態にかかる半導体レーザ100では、ガイド層、活性層の総層厚が十分に厚いために、ガイド層、活性層内に光を十分に閉じ込め、低屈折率層(第2クラッド層)、第1クラッド層への光の分布を低減できるためである。
図6(a)に、本実施の形態にかかる半導体レーザ200の断面図である。半導体レーザ200の構造は、図1(a)の半導体レーザ100と同じである。
但し、第1クラッド層2には厚さが1.3μmのn−Al0.28Ga0.72As、第2クラッド層3には厚さが0.5μmのn−Al0.35Ga0.65As、第2クラッド層9には厚さが0.5μmのp−Al0.35Ga0.65As、第1クラッド層10には厚さが1.3μmのp−Al0.30Ga0.70Asが、それぞれ用いられている。
また、図7(b)は半導体レーザ210の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図7(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
また、低屈折率層9を、活性層6よりリッジ11側のみに挿入することによっても、活性層6内での光の閉じ込め率が増大し、高温でのしきい値電流の増加及び発光効率の低下等を防止できる。
また、第1クラッド層2の層厚を厚くして、発光光のピーク位置からn−GaAs基板1までの距離を大きくすることにより、基板1中への光の分布を小さくすることができる。これにより、後述するように、電極14、15間での光の共振を抑えることができる。
また、図8(b)は半導体レーザ220の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図8(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
このように、第1クラッド層2の屈折率を、第1クラッド層10の屈折率より高くすることにより、発光光の分布を基板1側に広げることができる。この結果、上記半導体レーザ200と同様に、レーザ光のアスペクト比を低減できる。
また、低屈折率層9を、活性層6より基板1側のみに挿入することによっても、活性層6内での光の閉じ込め率が増大し、高温でのしきい値電流の増加及び発光効率の低下等を防止できる。
図9(a)に、本実施の形態にかかる半導体レーザ300の断面図を示す。
全体が300で示される半導体レーザでは、n−GaAs基板1上に、厚さが0.8μmのn−Al0.28Ga0.72As第1クラッド層2が形成されている。
第1クラッド層2上には、厚さが40nmのi−Al0.20Ga0.80Asガイド層4、厚さが40nmのi−GaAs0.958P0.042ガイド層5、厚さが15nmのIn0.113Ga0.887As活性層6、厚さが50nmのアンドープi−GaAs0.958P0.042ガイド層7、厚さが50nmのi−Al0.20Ga0.80Asガイド層8が積層されている。
ガイド層8の上には、厚さが1.8μmのp−Al0.30Ga0.70As第1クラッド層10が形成される。
また、図9(b)は半導体レーザ300の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図9(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
従って、本実施の形態では、活性層6よりリッジ11側のガイド層(i−GaAsP層7、i−AlGaAs層8)の層厚(合計100nm)を、基板側のガイド層(i−AlGaAs層4、i−GaAsP層5)の層厚(合計80nm)より厚くしている。これにより、基板1側にシフトした発光強度のピーク位置をリッジ11側にシフトさせ、活性層6内に移動させることができる。この結果、光とキャリアの相互作用を強めることができ、発光効率を向上させることができる。
また、図10(b)は半導体レーザ310の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図10(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
半導体レーザ310では、上述の半導体レーザ300と同様に、基板1側にシフトした発光強度のピーク位置をリッジ側にシフトさせ、ピーク位置を活性層6内に移動させることができる。この結果、光とキャリアの相互作用を強くして、発光効率を向上させることができる。
発光効率については、従来構造の半導体レーザ(図2)では、スロープ効率が約0.85W/Aであったものが、半導体レーザ310では、約0.95W/Aまで向上した。
また、図11(b)は半導体レーザ320の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図11(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
このように、発光光のピーク位置からn−GaAs基板1までの距離を大きくすることにより、基板1中への光の分布を小さくすることができる。
この結果、P. G. Eliseev and A. E. Drakinらが指摘した、電極14、15間での光の共振を抑えることができる("Analysis of the mode internal coupling in InGaAs/GaAs laser diodes, "Laser Physics, Vol. 4, No.3, pp. 485-492, 1994)。
また、図12(b)は半導体レーザ330の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図12(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
このように、低屈折率層9を活性層6のリッジ11側のみに挿入しても、活性層6内へに光閉じ込め率を増大させることができる。この結果、高温でのしきい値電流の増加及び発光効率の低下等を防止することができる。
図9(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当個所を示す。
また、図13(b)は半導体レーザ330の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図13(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
また、発光光のピーク位置からn−GaAs基板1までの距離を大きくすることにより、基板1中への光の分布を小さくして、電極14、15間での光の共振を抑えることができる。
図14(a)は、本実施の形態にかかる半導体レーザ400の断面図である。図1(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当個所を示す。
また、図14(b)は半導体レーザ410の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図14(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
また、活性層6よりリッジ11側のガイド層(i−In0.05Ga0.95As0.090P0.010層7、i−Al0.15Ga0.85As層8)の屈折率を、活性層6より基板側のガイド層(i−Al0.20Ga0.80As層4、i−GaAs0.958P0.042層5)の屈折率より高くしている。なお、ガイド層の層厚は、それぞれ80nmである。
また、図15(b)は半導体レーザ410の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図15(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
また、図16(b)は半導体レーザ420の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図16(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
このように、発光光のピーク位置からn−GaAs基板1までの距離を大きくすることにより、基板1中への光の分布を小さくすることができる。これにより、電極14、15間での光の共振を抑えることができる。
図14(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当個所を示す。
また、図17(b)は半導体レーザ430の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図17(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
また、発光光のピーク位置からn−GaAs基板1までの距離を大きくすることにより、基板1中への光の分布を小さくして、電極14、15間での光の共振を抑えることができる。
図14(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当個所を示す。
また、図18(b)は半導体レーザ440の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図18(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
なお、低屈折率層3を活性層6よりリッジ11側に挿入した場合も、同様の効果を得ることができる。
図19(a)は、本実施の形態にかかる半導体レーザ500の断面図である。図1(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当個所を示す。
また、図14(b)は半導体レーザ410の厚み方向(X軸方向)の屈折率の分布、図14(c)は厚み方向の光強度の分布を示す。
これにより、電極15から活性層6に注入される電子が、電極15側にオーバーフローするのを防止し、発光効率を向上させることができる。
図20(a)は、本発明の実施の形態6にかかる半導体レーザの断面図であり、図20(b)は厚み方向(X軸方向)の屈折率である。図中、図25(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当箇所を示す。本実施の形態にかかる半導体レーザ600の層構造は、図25(a)の半導体レーザの層構造と略同一であるが、リッジ側のガイド層106、107の有する正規化周波数を、基板側のガイド層103、104の有する正規化周波数より大きくするために、ガイド層106、107の層厚を、ガイド層103、104の層厚より大きくした点で異なっている。
ここで、正規化周波数Vは、上述の式1により表されるため、本実施の形態のように、ガイド層の層厚Tを大きくすることにより、正規化周波数Vを大きくできる。
また、基板側のアンドープAlGaAs第2ガイド層103の層厚dlg2は50nm、屈折率は3.406である。
また、基板側のアンドープGaAs第1ガイド層104の層厚dlg1は10nmで、屈折率は3.513である。
また、アンドープInGaAs活性層105は、層厚が8nmの二重量子井戸からなり、その間に20nmのGaAsバリア層が含まれている。屈折率は3.557である。InxGa1-xAs層の組成は、所望の発光波長が得られるように、0<x≦0.3の範囲内で適宜選択される。
更に、リッジ側のアンドープGaAs第1ガイド層106の層厚dug1は40nmで、屈折率は3.513である。
また、リッジ側のアンドープAlGaAs第2ガイド層107の層厚dug2は30nm、屈折率は3.406である。
また、p型AlGaAsクラッド層108の屈折率nucは3.343で、層厚ducは1.8μmである。
この結果、InGaAs活性層105で発生したレーザ光の発光強度のピーク位置は、リッジ側のガイド層106、107側にシフトし、GaAs基板101中に分布する光強度を少なくできる。
後述する比較例で示すように、図25(a)に示す従来構造の半導体レーザ170では、GaAs基板側の0.5μmの層102’内に含まれる光の分布は、全体の0.59%である。
即ち、本実施の形態にかかる構造を用いることにより、n型AlGaAsクラッド層102中で、基板101側の0.5μmの層102’内に含まれる光強度の分布は、図6の従来構造の半導体レーザの約1/9に低減できる(従来構造の半導体レーザ170の詳細については、比較例2として後述する)。このことは、n型GaAs基板101内に分布する光強度分布をも低減できることを意味する。
図26(a)の従来構造の半導体レーザに比較して、効率(dP/dI)の変動が抑えられ、安定したレーザ光が得られることがわかる。
また、ガイド層の組成が連続的に変化するグレーディッドインデクス型(Graded Index)のガイド層を用いる場合には、リッジ側のガイド層の層厚を、基板側のガイド層の層厚より大きくなるように形成すれば、同様の効果を得ることができる。
なお、後述する実施の形態8においても同様に、これらの効果を得ることができる。
また、基板側のアンドープAlGaAs第2ガイド層103の層厚dlg2は50nm、屈折率は3.406である。
また、基板側のアンドープGaAs第1ガイド層104の層厚dlg1は10nmで、屈折率は3.513である。
また、アンドープInGaAs活性層105は、層厚が8nmの二重量子井戸からなり、その間に20nmのGaAsバリア層が含まれている。屈折率は3.557である。
更に、リッジ側のアンドープGaAs第1ガイド層106の層厚dug1は10nmで、屈折率は3.513である。
また、リッジ側のアンドープAlGaAs第2ガイド層107の層厚dug2は50nm、屈折率は3.406である。
また、p型AlGaAsクラッド層108の屈折率nucは3.343で、層厚ducは1.5μmである。
かかる構造では、光強度は、活性層105を中心としてX軸方向に略対称に分布するため、n型AlGaAsクラッド層102中の、GaAs基板側の0.5μmの層102’内に含まれる光強度分布は、全体の約0.59%となる。これは、図20(a)の場合の約9倍である。
図22(a)に、実施の形態7にかかる半導体レーザの断面図を、図22(b)に厚み方向の屈折率を示す。図中、図25(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当箇所を示す。本実施の形態にかかる半導体レーザ700の層構造は、図25(a)の半導体レーザ170の層構造と略同一であるが、リッジ側のガイド層106、107の有する正規化周波数を、基板側のガイド層103、104の有する正規化周波数より大きくするために、ガイド層106、107の屈折率を、ガイド層103、104の屈折率より大きくしている点で異なっている。
このように設定すると、式1からわかるように、リッジ側のガイド層106、107の有する正規化周波数を、基板側のガイド層103、104の有する正規化周波数より大きくでき、上記実施の形態6と同様の効果を得ることができる。
即ち、GaAs基板101中への光の分布を少なくして、p側電極112とn側電極113との間で生じる共振現象を抑制することにより、縦モード変化に起因するキンクレベルを向上させることができる。これにより、効率(dP/dI)の変動を小さくして、安定した光出力を得ることができる。
また、ガイド層の組成が連続的に変化するグレーディッドインデクス型(Graded Index)のガイド層を用いる場合には、全体的に、リッジ側のガイド層の屈折率を、基板側のガイド層の屈折率より高くなるように形成すればよい。
なお、後述する実施の形態9においても同様に、これらの効果を得ることができる。
図23(a)は、本発明の実施の形態8にかかる半導体レーザの断面図、図23(b)は厚み方向(X軸方向)の屈折率である。
本実施の形態にかかる半導体レーザ800は、電流ブロック層144がGaAs基板131の上に形成され、埋め込み型の電流狭窄部139が設けられた構造となっている。
また、電流狭窄部139側のガイド層133、134の有する正規化周波数を、表面側のガイド層136、137の有する正規化周波数より大きくするために、ガイド層133、134の層厚が、ガイド層136、137の層厚より大きくなるように設計されている。
更に、その上に積層されたアンドープAlGaAs第2ガイド層133の層厚dlg2は50nm、屈折率は3.406である。
また、その上に積層されたアンドープGaAs第1ガイド層134の層厚dlg1は10nmで、屈折率は3.513である。
また、その上に積層されたアンドープInGaAs活性層135は、層厚が8nmの二重量子井戸からなり、その間に20nmのGaAsバリア層が含まれている。屈折率は3.557である。
また、その上に積層されたアンドープAlGaAs第2ガイド層137の層厚dug2は30nm、屈折率は3.406である。
また、その上に積層されたp型AlGaAsクラッド層138の屈折率nucは3.343で、層厚ducは1.8μmである。
p型AlGaAsクラッド層138の上には、p型GaAsコンタクト層140が形成されている。
p型GaAsコンタクト層140の上部、及びGaAs基板131の下部には、p側電極142、n側電極143が、それぞれ設けられている。
具体的には、基板側のガイド層133、134の層厚を、上側のガイド層136、137の層厚より大きくし、光強度のピーク位置を基板側にシフトさせることにより、p型GaAsコンタクト層140中への光の分布を低減している。
これにより、p側電極112とn側電極113との間で生じる共振現象を抑制し、縦モード変化に起因するキンクレベルを向上させることができ、効率(dP/dI)の変動を小さくして、安定した光出力を得ることができる。
図24(a)は、本発明の実施の形態9にかかる半導体レーザの断面図であり、図24(b)は厚み方向(X軸方向)の屈折率である。図中、図23(a)で用いた符号と同一符号を付した部分は、同一又は相当箇所を示す。本実施の形態にかかる半導体レーザ900の層構造は、図23(a)の半導体レーザ800の層構造と略同一であり、電流ブロック層144がGaAs基板131の上に形成され、埋め込み型の電流狭窄部139が設けられた構造となっている。
一方、本実施の形態にかかる半導体レーザ900では、図23(a)の半導体レーザ800と異なり、電流狭窄部139側のガイド層133、134の有する正規化周波数を、表面側のガイド層136、137の有する正規化周波数より大きくするために、ガイド層133、134の屈折率が、ガイド層136、137の屈折率より大きくなるように設計されている。
これにより、p側電極112とn側電極113との間で生じる共振現象を抑制し、縦モード変化に起因するキンクレベルを向上させることができ、効率(dP/dI)の変動を小さくして、安定した光出力を得ることができる。
Claims (7)
- GaAs基板と、
該GaAs基板上に形成されたInxGa1−xAs(0<x≦0.3)活性層と、
該活性層の一方の面に積層された第1ガイド層と、
該第1ガイド層に積層され、少なくとも一部に電流狭窄部が形成された第1クラッド層と、
該活性層の他方の面に順次積層された第2ガイド層及び第2クラッド層と、を含む半導体レーザであって、
該第1ガイド層の有する正規化周波数を、該第2ガイド層の有する正規化周波数より大きくしたことを特徴とする半導体レーザ。 - 上記第1クラッド層が、上記InxGa1−xAs活性層を挟んで、上記GaAs基板と反対側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。
- 上記第1クラッド層が、上記InxGa1−xAs活性層に対して、上記GaAs基板と同じ側に設けられ、
更に、上記第2クラッド層上に、GaAsコンタクト層が積層されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。 - 上記第1ガイド層の層厚が、上記第2ガイド層の層厚より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
- 上記第1ガイド層の屈折率が、上記第2ガイド層の屈折率より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ。
- 上記第2クラッド層の屈折率が、上記第1クラッド層の屈折率より大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ。
- 上記第2クラッド層の層厚が、上記第1クラッド層の層厚より大きいことを特徴とする請求項6に記載の半導体レーザ。
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- 2007-04-20 JP JP2007111419A patent/JP2007189264A/ja active Pending
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