JP2007188827A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温起動時に暖機発電を実施し、この暖機発電が終了するまでの暖機時間を正確に予測するとともに、暖機発電が完了するタイミングを知らせることのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、低温起動時に暖機発電を実施し、燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて暖機発電が完了するまでの暖機時間を正確に予測するとともに、予測した暖機時間を表示装置15に表示して暖機発電が完了するタイミングを知らせることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、低温起動時に暖機発電を実施し、燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて暖機発電が完了するまでの暖機時間を正確に予測するとともに、予測した暖機時間を表示装置15に表示して暖機発電が完了するタイミングを知らせることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、低温起動時に暖機発電を実施する燃料電池システムに係り、特に暖機発電が完了するまでの暖機時間を予測して表示する燃料電池システム及びその起動方法に関する。
燃料電池は電解質膜を燃料極と酸化剤極とで挟んだ構造をしており、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電している。自動車用の燃料電池では電解質膜として、一般的に水素イオン導電性を有する固体高分子電解質膜を利用する場合が多い。そして、この燃料電池に燃料ガスとして水素を供給し、酸化剤ガスとして空気を供給すると、以下に示す反応によって発電する。
アノード(燃料極):H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
したがって、燃料電池は副生成物として水しか排出しないため、内燃機関のような二酸化炭素など地球環境に対するダメージを与える物質を放出しないという利点がある。しかし、生成された水を燃料電池内部から適切に除去しないと、反応ガス流路やガス拡散層に残留して反応ガスの拡散を阻害してしまう。一般に、フラッディングと呼ばれるこの現象は、反応ガスが触媒に到達することを妨げるため発電性能の低下を引き起こす要因となる。特に、氷点下においては、残留した水の凍結により発電ができなくなってしまう。したがって、このような燃料電池システムを搭載した燃料電池車両を氷点下から起動する場合には、暖機運転が完了してセル電圧が通常通りに戻るまでの間、円滑に走行することができずに運転者に不快感を与えてしまう問題がある。
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
したがって、燃料電池は副生成物として水しか排出しないため、内燃機関のような二酸化炭素など地球環境に対するダメージを与える物質を放出しないという利点がある。しかし、生成された水を燃料電池内部から適切に除去しないと、反応ガス流路やガス拡散層に残留して反応ガスの拡散を阻害してしまう。一般に、フラッディングと呼ばれるこの現象は、反応ガスが触媒に到達することを妨げるため発電性能の低下を引き起こす要因となる。特に、氷点下においては、残留した水の凍結により発電ができなくなってしまう。したがって、このような燃料電池システムを搭載した燃料電池車両を氷点下から起動する場合には、暖機運転が完了してセル電圧が通常通りに戻るまでの間、円滑に走行することができずに運転者に不快感を与えてしまう問題がある。
そこで、従来では低温起動時に暖機運転を実施して円滑に運転が開始できるようにしており、このような暖機運転を実施する燃料電池システムの従来例として、例えば特開2004−178998号公報(特許文献1)が開示されている。
この従来例では、低温下における起動時にスタックの温度とセル電圧をモニターし、その値に基づいて燃料電池スタックから取り出し可能な制限電流を求め、この制限電流が所定値を超えたときに車両を発進可能としている。
特開2004−178998号公報
上述した従来の燃料電池システムでは、スタック温度とセル電圧の2つの条件によりスタックから取り出し可能な電流値を決めている。しかしながら、実際にはこの2条件だけでスタックの取り出し可能電流値を正確に決めることはできないので、従来の燃料電池システムでは暖機発電を終了するタイミングを正確に判断することができないという問題点があった。例えば、燃料電池システムを車両に搭載した場合に、スタック温度とセル電圧の2条件だけで発進OKと判断された場合でも、実際には不安定な電力供給になってしまったり、逆に発進OKと判断されるのが遅すぎて無駄な時間をかけてしまったりする場合があった。
また、車両が発進できるタイミングは暖機が完了する以前には分からないので、運転者は暖機がいつ終わるのか分からないまま待たなければならないという問題もあった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備え、低温起動時に暖機発電を実施する燃料電池システムであって、前記燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて前記暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測し、この暖機時間を表示することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムの起動方法は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備え、低温起動時に暖機発電を実施する燃料電池システムの起動方法であって、前記燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて前記暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測し、この暖機時間を表示することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測するので、暖機発電が完了するタイミングをより正確に予測することができる。
また、予測した暖機時間を表示するので、燃料電池システムの操作者は暖機発電が完了するタイミングを予め知ることができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では燃料電池システムが車両に搭載されている場合を例にして説明する。
図1は本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では燃料電池システムが車両に搭載されている場合を例にして説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池スタック2と、燃料電池システム1を制御する制御部3と、水素ガスを貯蔵する水素タンク4と、燃料電池スタック2から排出された水素ガスを再循環させる水素循環ポンプ5と、燃料電池スタック2における反応で使用されない不純物を排出するアノードパージ弁6と、外部から吸入した空気を加圧して燃料電池スタック2に供給するコンプレッサ7と、燃料電池スタック2のカソードにおける空気の圧力を調整するカソード圧調整弁8と、燃料電池スタック2を冷却するための冷却水を循環させる冷却水ポンプ9と、冷却水を放熱するラジエータ10と、燃料電池スタック2のセル電圧を検出するセル電圧測定装置11と、燃料電池システム1が搭載された車両を駆動するモータ12と、燃料電池スタック2から電力や電流などの出力を取り出してモータ12などの外部負荷に供給するパワーマネージャー13と、燃料電池スタック2で発電された電力を蓄えるバッテリ14と、制御部6で予測された暖機時間を表示する表示装置15とを備えている。
ここで、上述した燃料電池システム1において、燃料電池スタック2ではアノードに燃料ガスである水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスである空気が供給されて電気化学反応によって発電が行われている。
そして、燃料電池スタック2に水素を供給する水素供給系では、水素タンク4から図示しない減圧弁や水素供給弁などを通じて燃料電池スタック2のアノードに水素ガスが供給される。水素タンク4から供給される高圧水素は、減圧弁で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素供給弁の開度を調節することによって燃料電池スタック2における水素ガスの圧力が所望の圧力になるように制御されている。また、燃料電池スタック2のアノードで消費されなかった水素ガスは水素循環ポンプ5によって燃料電池スタック2のアノードに再循環されている。さらに、水素供給系内に蓄積した窒素を排出するためにアノードパージ弁6が設置され、不純物である窒素を排出するとともに、燃料電池スタック2のセル電圧を回復させるためにガス流路に詰まった水詰まりを吹き飛ばす機能も果たしている。
一方、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系では、コンプレッサ7によって外部から吸入された空気が加圧され、燃料電池スタック2のカソードに供給されている。カソードにおける空気圧は図示しない空気圧力センサによって検出され、この検出値に基づいて制御部3がコンプレッサ7の回転数及びカソード圧調整弁8の開口面積を調節することによってカソードにおける空気圧が制御されている。
また、燃料電池スタック2を冷却する冷却系では、冷却水ポンプ9によって吐出された冷却水が燃料電池スタック2を循環して冷却し、燃料電池スタック2の熱を吸収して温度の上昇した冷却水はラジエータ10で放熱して冷却され、再び燃料電池スタック2を循環する。
制御部3は、図示しない各種センサやセル電圧測定装置11で検出されたセル電圧に基づいてパワーマネージャー13を制御して燃料電池スタック2から電力を取り出してモータ12等の外部負荷に供給している。さらに、制御部3は燃料電池スタック2の起動、発電、停止時にはシステム内の各アクチュエータをセンサ信号によってコントロールしている。
パワーマネージャー13は、制御部3の制御によって燃料電池スタック2やバッテリ14から電力を取り出してモータ12やコンプレッサ7、水素循環ポンプ5、冷却ポンプ9などの各補機類に供給している。
次に、本実施形態の燃料電池システム1による暖機発電の制御処理を図2のフローチャートに基づいて説明する。図2に示すように、まず燃料電池システム1の起動信号が入力されると、バッテリ14からパワーマネージャー13を介してコンプレッサ7などの補機類へ電力が供給される(S201)。このとき同時に燃料電池スタック2の代表温度もしくは外気温などから今回の起動が氷点下からの起動か、あるいは常温での起動かを判断し(S202)、常温での起動と判断された場合には常温運転を開始する。
一方、氷点下に準ずる温度であると判断された場合には暖機発電の制御フローに入り、燃料電池スタック2の発電を開始して燃料電池スタック2から電力を取り出す(S203)。ここで取り出された電力はコンプレッサ7や水素循環ポンプ5、図示していない車室内ヒーターや冷却水ヒーターなどで消費されるとともに、バッテリ14に充電される。また、このとき燃料電池システム1が搭載された車両の発進を暖機発電が完了するまでの間禁止する。ここで、「氷点下に準ずる温度」とは、燃料電池スタック2からの生成水が外部に排出されていない状態で凍結するおそれのある温度であり、具体的には、冷却水の燃料電池スタック2の出口温度などから判断することができる。なお、氷点下に準ずる温度は、スタックの大きさにより変化するため、燃料電池スタック2に応じて設定される。
そして、燃料電池スタック2から電力の取り出しが開始された後、制御部3はカウンターt毎のセル電圧V(t)をメモリーに記録し(S204)、
V(t)−V(t−1)>0
によってセル電圧が下降しているのか、あるいは上昇しているのかを判断する(S205)。そして、V(t)−V(t−1)が0より大きくなってセル電圧が上昇していると判断されると、ステップS206に進む。
V(t)−V(t−1)>0
によってセル電圧が下降しているのか、あるいは上昇しているのかを判断する(S205)。そして、V(t)−V(t−1)が0より大きくなってセル電圧が上昇していると判断されると、ステップS206に進む。
ここで、セル電圧V(t)が上昇を開始したときの値を、燃料電池システム1の暖機中におけるセル電圧の最低電圧Vminとし、予め設定されている図3の電圧マップに基づいてVminから発進可能セル電圧Vlimitを求める(S206)。
次に、発進可能セル電圧Vlimit毎に、時間tとセル電圧V(t)との間の関係を示すマップが予め作成されているので、求めた発進可能セル電圧Vlimitに基づいてマップを選択する(S207)。ここで、選択したマップの一例を図4に示す。
この図4に基づいて燃料電池スタック2のセル電圧V(t)から時間t1を求め、予めマップに設定されている発進可能セル電圧Vlimitに達するまでの時間t2から時間t1を差し引くことにより、暖機発電が完了するまでの暖気時間を算出する(S208)。
このように本実施形態の暖機発電の制御処理では、図3及び図4に示したマップに基づいてセル電圧の最低電圧Vminから暖機時間を予測している。
ここで、燃料電池の暖機発電中における最低電圧と、安定出力が得られる電圧に達するまでの暖機時間との関係を図5(a)及び図5(b)に基づいて説明する。図5(a)はセル電圧の時間変化を示したもので、図5(b)は負荷電流の時間変化を示したものである。セル電圧の変化のうちAに示すように、暖機発電時に検出される最低電圧が高い場合には、安定した発電を行うために必要となる暖機時間は短くなり、時刻t1には暖機発電を終了して通常の発電を実施することができる。これに対して、Bに示すように最低電圧が低くなると、安定した出力が得られる電圧に達するまでの暖気時間は長くなって時刻t2まで暖機発電を実施することが必要になり、さらに最低電圧が低くなるCの場合には、より暖機時間が長くなって時刻t3まで暖機発電を実施する必要が出てくる。
このように暖機発電時における最低電圧を測定することによって、必要な暖機時間を求めること可能であることが分かる。そこで、この方法によって暖機時間を求めるために、本実施形態の燃料電池システム1では燃料電池の発電開始後の電圧挙動を予め把握して安定した出力が得られる電圧をマップ化している。
そして、このように暖機時間を算出したら、セル電圧が発進可能セル電圧Vlimitに到達するまでの間、燃料電池スタック2の出力が所定値を超えないように制御する。
次に、制御部3は、燃料電池の代表温度T1を計測するとともに(S209)、燃料電池の発電電力から予測される燃料電池温度T2を算出して(S210)
ΔT=T1−T2
によりΔTを求め、図6に示すマップに基づいて暖機時間の補正時間係数を求める(S211)。ここで、図6に示すようにΔTは原点を中心として変動範囲が小さいため、ΔTと補正時間係数との間の関係は直線に近似することができる。
ΔT=T1−T2
によりΔTを求め、図6に示すマップに基づいて暖機時間の補正時間係数を求める(S211)。ここで、図6に示すようにΔTは原点を中心として変動範囲が小さいため、ΔTと補正時間係数との間の関係は直線に近似することができる。
そして、求めた補正時間係数をステップS208で算出した暖機時間に加算することによって補正された暖機時間を求め(S212)、表示装置15に補正された暖機時間を表示して(S213)運転者などに車両が発進可能になるまでの時間を知らせるようにする。ただし、暖機時間の表示方法としては、例えば時間そのものを表示することの他に、ランプやインジケータなどで表示するようにしてもよい。
この後、カウンターtが暖機時間を超え、尚且つセル電圧V(t)が発進可能セル電圧Vlimitを超えたか否かを判定し(S214)、この条件を満たさない場合にはt=t+1に設定して(S215)ステップS207へ戻り、上述した処理を繰り返し行う。
一方、ステップS214においてカウンターtが暖機時間を超え、尚且つセル電圧V(t)が発進可能セル電圧Vlimitを超えた場合には、制御部3は暖気発電が完了したと判断し(S216)、車両の発進許可を出して本実施形態の燃料電池システム1による暖機発電の制御処理を終了する。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測するので、暖機発電が完了するタイミングをより正確に予測することができる。また、予測した暖機時間を表示するので、燃料電池システム1の操作者は暖機発電が完了するタイミングを予め知ることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池の温度に基づいて暖機時間を補正するので、常に最新の情報に基づいて暖機時間を補正することができ、より正確な暖機時間を提供することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池の発電開始時において燃料電池の内部温度あるいは外気温が所定温度を超えているときには、暖機発電を実施しないので、氷点下ではなく暖機発電が不要なときに速やかに通常の発電を実施することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、暖機時間が経過するまでの間、車両の発進を禁止するので、車両の走行に十分な出力を燃料電池から取り出すことのできない状況において車両が発進することを防止できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態の燃料電池システムによる暖機発電の制御処理を示すフローチャートである。尚、本実施形態の燃料電池システムの構成は第1の実施形態と同一なので、詳しい説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態の燃料電池システムによる暖機発電の制御処理を示すフローチャートである。尚、本実施形態の燃料電池システムの構成は第1の実施形態と同一なので、詳しい説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の燃料電池システムによる暖機発電の制御処理は、まず燃料電池システムの起動信号が入力されると、バッテリ14からパワーマネージャー13を介してコンプレッサ7などの補機類へ電力が供給される(S301)。このとき同時に燃料電池スタック2の代表温度もしくは外気温などから今回の起動が氷点下からの起動か、あるいは常温での起動かを判断し(S302)、常温での起動と判断された場合には常温運転を開始する。
一方、氷点下に準ずる温度であると判断された場合には暖機発電の制御フローに入り、燃料電池スタック2の発電を開始して燃料電池スタック2から電力を取り出す(S303)。ここで取り出された電力はコンプレッサ7や水素循環ポンプ5、図示していない車室内ヒーターや冷却水ヒーターなどで消費されるとともに、バッテリ14に充電される。また、このとき燃料電池システムが搭載された車両の発進を暖機発電が完了するまでの間禁止する。
そして、燃料電池スタック2から電力の取り出しが開始された後、制御部3はカウンターt毎のセル電圧V(t)をメモリーに記録する。(S304)
ステップS305では、カウンターtがあらかじめ定めた回数に達しているかどうか確認する。カウンターtがあらかじめ定めた回数に達したらステップS306に進む。本実施例においては1秒間にカウントされる回数とした。ステップS306では、制御部3が単位時間当たりの電圧変化dV/dtを求め、次に予め設定されている図8のマップに基づいて、単位時間当たりの電圧変化dV/dtからセル電圧の最低電圧Vminを求める(S307)。
ステップS305では、カウンターtがあらかじめ定めた回数に達しているかどうか確認する。カウンターtがあらかじめ定めた回数に達したらステップS306に進む。本実施例においては1秒間にカウントされる回数とした。ステップS306では、制御部3が単位時間当たりの電圧変化dV/dtを求め、次に予め設定されている図8のマップに基づいて、単位時間当たりの電圧変化dV/dtからセル電圧の最低電圧Vminを求める(S307)。
そして、このセル電圧の最低電圧Vminから、予め設定されている図3の電圧マップに基づいて発進可能セル電圧Vlimitを求める(S308)。
ここで、発進可能セル電圧Vlimit毎に、時間tとセル電圧V(t)との間の関係を示すマップが予め作成されているので、求めた発進可能セル電圧Vlimitによってマップを選択する(S309)。ここで、選択したマップの一例を図4に示す。
この図4に基づいて燃料電池スタック2のセル電圧V(t)から時間t1を求め、予めマップに設定されている発進可能セル電圧Vlimitに達するまでの時間t2から時間t1を差し引くことにより、暖機発電が完了するまでの暖気時間を算出する(S310)。
次に、こうして暖機時間を算出したら、セル電圧が発進可能セル電圧Vlimitに到達するまでの間、燃料電池スタック2の出力が所定値を超えないように制御する。
そして、制御部3は、図4のマップから時間tにおける予測燃料電池電圧VEを算出して(S311)、燃料電池電圧の実測値V(t)から予測燃料電池電圧VEを差し引いて
ΔV=V(t)−VE
によりΔVを求める。そして、図9に示すマップに基づいてΔVから暖機時間の補正時間係数を求める(S312)。ここで、図9に示すようにΔVは原点を中心として変動範囲が小さいため、ΔVと補正時間係数との間の関係は直線に近似することができる。
ΔV=V(t)−VE
によりΔVを求める。そして、図9に示すマップに基づいてΔVから暖機時間の補正時間係数を求める(S312)。ここで、図9に示すようにΔVは原点を中心として変動範囲が小さいため、ΔVと補正時間係数との間の関係は直線に近似することができる。
そして、求めた補正時間係数をステップS310で算出した暖機時間に加算することによって補正された暖機時間を求め(S313)、表示装置15には補正された暖機時間の残り時間を表示して(S314)運転者などに車両が発進可能になるまでの時間を知らせるようにする。ただし、暖機時間の表示方法としては、例えば残り時間そのものを表示することの他に、ランプやインジケータなどで表示するようにしてもよい。
この後、カウンターtが暖機時間を超え、尚且つセル電圧V(t)が発進可能セル電圧Vlimitを超えたか否かを判定し(S315)、この条件を満たさない場合にはt=t+1に設定して(S316)ステップS309へ戻り、上述した処理を繰り返し行ってカウンターtの増加とともに、暖機時間を減算して残りの暖機時間を表示する。
一方、ステップS315においてカウンターtが暖機時間を超え、尚且つセル電圧V(t)が発進可能セル電圧Vlimitを超えた場合には、制御部3は暖気発電が完了したと判断し(S317)、車両の発進許可を出して本実施形態の燃料電池システムによる暖機発電の制御処理を終了する。
このように、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池が発電を開始した後の単位時間あたりの電圧変動に基づいて最低電圧を予測するので、燃料電池の電圧が最低電圧に達する前に暖気発電に必要な時間を予測することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池の発電開始からの時間に基づいて燃料電池の予測電圧を求め、この予測電圧と燃料電池の実測電圧との差に基づいて暖機時間を補正するので、常に最新の情報に基づいて暖機時間を補正することができ、より正確な暖機時間を提供することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、暖機発電が完了するまでの残りの暖機時間を表示するので、燃料電池システムのオペレータや燃料電池車の場合には運転者に対して、暖機発電が完了するまでの時間をより分かりやすく知らせることができる。
上記のように、本発明は、2つの実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
1 燃料電池システム
2 燃料電池スタック
3 制御部
4 水素タンク
5 水素循環ポンプ
6 アノードパージ弁
7 コンプレッサ
8 カソード圧調整弁
9 冷却水ポンプ
10 ラジエータ
11 セル電圧測定装置
12 モータ
13 パワーマネージャー
14 バッテリ
15 表示装置
2 燃料電池スタック
3 制御部
4 水素タンク
5 水素循環ポンプ
6 アノードパージ弁
7 コンプレッサ
8 カソード圧調整弁
9 冷却水ポンプ
10 ラジエータ
11 セル電圧測定装置
12 モータ
13 パワーマネージャー
14 バッテリ
15 表示装置
Claims (8)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備え、低温起動時に暖機発電を実施する燃料電池システムであって、
前記燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて前記暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測し、この暖機時間を表示することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池が発電を開始した後の単位時間あたりの電圧変動に基づいて前記最低電圧を予測することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の温度に基づいて前記暖機時間を補正することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の発電開始からの時間に基づいて前記燃料電池の予測電圧を求め、前記予測電圧と前記燃料電池の実測電圧との差に基づいて前記暖機時間を補正することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池が発電を開始するときに前記燃料電池の内部温度あるいは外気温が所定温度を超えているときには、前記暖機発電を実施しないことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記暖機発電が完了するまでの残りの暖機時間を表示することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 当該燃料電池システムを車両に搭載し、前記暖機時間が経過するまでの間、前記車両の発進を禁止することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備え、低温起動時に暖機発電を実施する燃料電池システムの起動方法であって、
前記燃料電池が発電を開始した後の最低電圧に基づいて前記暖機発電が完了して通常発電が可能となるまでの暖機時間を予測し、この暖機時間を表示することを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
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