JP2007187045A - 重質油改質装置を備えたガスタービン、重質油改質装置の制御装置、及び重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法 - Google Patents

重質油改質装置を備えたガスタービン、重質油改質装置の制御装置、及び重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、負荷変化速度の異なる改質装置とガスタービン装置とを、ガスタービン装置の負荷運転に制約を与えずに連携させて運転することを可能にする改質装置を備えたガスタービン、及びその制御装置、並びにガスタービンの運転方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の重質油改質装置を備えたガスタービンは、重質油を高温高圧の水と接触させて改質反応させることにより重質油から改質燃料を生成する改質装置と、この改質装置によって重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として利用するガスタービン装置とを備え、前記改質装置で生成した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクを設置して該改質燃料タンクから前記ガスタービン装置の燃焼器に改質燃料を供給するように構成し、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御する改質燃料制御装置を設けるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、重質油を改質して燃料に利用するガスタービンに関し、特に重質油を水熱反応させて改質燃料を生成する改質装置を備えたガスタービン及び改質装置の制御装置と、改質装置を備えたガスタービンの運転方法に関する。
重質油はガスタービンを腐食する重金属を多く含むことから重質油そのものをガスタービンの燃料として使用することは適さない。このため、重質油から脱金属させた有用な改質燃料等のエネルギー源に変換する方法が提案されている。これらの燃料変換技術は何れも、重質油を、高温高圧水の状態となる13〜30MPa、400〜480℃の改質反応条件下で水と接触させて改質反応させることにより、重質油を分解して炭化水素ガス、軽質油分、重質分、金属酸化物等の金属化合物を生成し、炭化水素系ガスと軽質油分を高温高圧の蒸気に溶解させて改質燃料として取り出し、重油中に存在する金属化合物はカルシウム化合物、コークス、重質残滓(タール)等に捕捉して除去するものである。
特許文献1には、上記の重質油の改質装置を備えたガスタービンで、重質油の改質に用いる高温高圧の蒸気を発生させるエネルギーを節約してプラントのシステム効率を上げるため、ガスタービンから排出される燃焼排ガスから熱回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラを配置して、発生した蒸気を重質油の改質装置の加熱に利用するガスタービンプラントが提案されている。
特開2003−286865号公報(5頁、図1)
重質油を改質する改質装置と、この改質装置で生成した改質燃料を燃料として供給し燃焼させてガスタービン装置を負荷運転するように構成したガスタービンのプラントでは、改質装置とガスタービン装置との両者の運転の連携に課題が発生する。
重質油の改質装置は一種の化学プラントであり、一定の温度、圧力、滞留時間を保った場合には所望の性能を満足する運転結果が得られる。ところで、前記改質装置を負荷変化、即ち、重質油の処理量を変化させた場合には、温度、圧力条件が変動し、生成する改質燃料の性状に変化が生じて、ガスタービンに適した燃料を供給できなくなる恐れがある。そのため、一般的な化学プラントと同様に、改質装置の負荷変化速度は1%/分以下の緩慢な変化量に抑える運転が必要がある。一方、改質燃料を使用するガスタービン装置は、迅速な負荷変化で運転できることが特徴の一つであり、その負荷変化速度は約10%/分と速い。このため、ガスタービン装置の迅速な負荷変化速度に合わせて改質装置を負荷変化させれば、改質燃料の性状が大きく変動してガスタービンに適合した燃料を安定供給できなくなる。また、改質装置の緩慢な負荷変化速度を優先すれば、ガスタービン装置が発電所で必要とされる発電量に合わせて迅速に負荷を変化させる負荷運転ができないという問題が生じる。
本発明の目的は、負荷変化速度の異なる改質装置とガスタービン装置とを、ガスタービン装置の負荷運転に制約を与えずに連携させて運転することを可能にして、プラントの運転自由度を向上させた改質装置を備えたガスタービン、及びその制御装置、並びにガスタービンの運転方法を提供することにある。
本発明の改質装置を備えたガスタービンは、重質油を高温高圧の水と接触させて改質反応させることにより重質油から改質燃料を生成する改質装置と、この改質装置によって重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として利用するガスタービン装置とを備えた重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質装置で生成した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクを設置して該改質燃料タンクから前記ガスタービン装置の燃焼器に改質燃料を供給するように構成し、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御する改質燃料制御装置を設けたことを特徴とする。
本発明の重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置は、重質油を高温高圧の水と接触させ、水熱反応を利用して重質油を改質して改質燃料を生成する改質装置と、この改質装置によって重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として利用するガスタービン装置とを備えたものにおいて、前記改質装置で生成した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクを設置して該改質燃料タンクから前記ガスタービン装置の燃焼器に改質燃料を供給するように構成し、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御する改質燃料制御装置を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、負荷変化速度の異なる改質装置とガスタービン装置とを、ガスタービン装置の負荷運転に制約を与えずに連携させて運転することが可能となり、プラントの運転自由度を向上させた改質装置を備えたガスタービンが実現できる。
次に本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本発明の一実施例である重質油改質装置を備えたガスタービンプラントについて図1を用いて詳細に説明する。図1において、ガスタービン50は、空気2を圧縮して圧縮空気3を作る圧縮機1と、圧縮機1で圧縮された圧縮空気3と燃料系統から供給される改質燃料24とを燃焼させる燃焼器4と、燃焼器4で改質燃料24を燃焼して発生した燃焼ガスで回転駆動されるタービン5と、このタービン5の回転駆動により駆動されて発電する発電機6を備えている。また、圧縮機1はタービン5の回転駆動によって駆動されて空気2を圧縮するようになっている。そして、前記燃焼器4での燃焼で発生した燃焼ガスはタービン5を回転駆動した後にタービン5から燃焼排ガス7として配管7aを通じて煙突14に排出される。ところで、この燃焼排ガス7の温度は550℃以上の高温であり、この燃焼排ガス7から熱を回収するために前記配管7aの経路の途中に排熱回収ボイラ8が設置されている。そして、この排熱回収ボイラ8からは、550℃以上の燃焼排ガス7との熱交換で発生した約350〜550℃の高温高圧の蒸気の一部を、配管9a、9bを通じて供給して駆動される蒸気タービン10と、蒸気タービン10によって駆動されて電力を得る発電機11と、蒸気タービン10から排出されて温度の低下した蒸気を凝縮して復水にする復水器12と、復水器12から復水を加圧して該排熱回収ボイラ8に給水として供給するポンプ13を備えた蒸気タービン装置が、流体的に連通して設置されている。
前記したガスタービン50と蒸気タービン装置から構成されるコンバインドサイクルでは、排熱回収ボイラ8でガスタービンの燃焼排ガス7と熱交換させて高温高圧の蒸気9を発生させ、この蒸気9を配管9a、9bを通じて駆動蒸気として供給して蒸気タービン10を回転駆動し、発電機11を駆動して発電する。また、重質油を高温高圧水と接触させる改質反応により重質油を改質して改質燃料を生成し、この改質燃料をガスタービンの燃料に供するガスタービンでは、前記改質反応に用いる高温高圧の蒸気22を、前記排熱回収ボイラ8に外部から反応水19をポンプ20で加圧して供給し、ガスタービン50から排出された550℃以上の高温の燃焼排ガス7と熱交換して熱回収させることにより、同様に約350〜550℃の高温高圧の蒸気22として発生させている。そして、発生した高温高圧の蒸気22は排熱回収ボイラ8から配管22aを通じて改質装置23に供給させることにより、ガスタービンの燃焼排ガス7から熱回収してガスタービンシステムとしての効率を高めている。また、ガスタービン燃料である改質燃料の原料となる重質油15を加熱するために、排熱回収ボイラ8で燃焼排ガス7から熱回収して発生させた蒸気9の一部を、配管9aを通じて重質油予熱器18に供給し、配管15aを通じて供給される重質油15と重質油予熱器18にて熱交換させて重質油15を加熱している。そして、この重質油予熱器18にて加熱された重質油15は次に改質装置23に供給されるが、この改質装置23にて、排熱回収ボイラ8から配管22aを通じて供給される高温高圧の蒸気22と混合し接触して改質反応させ、軽質化、脱金属されて改質された改質燃料24を生成する。前記改質装置23にて重質油を改質反応させるには、重質油を高温高圧水の状態となる13〜30MPa、400〜480℃の水と、滞留時間1〜10分の間、接触させて改質反応させる。そして、前記改質装置23で重質油15から改質されて生成した改質燃料24は、減圧器25で減圧された後に配管24aを通じて改質燃料タンク26に供給されて貯蔵される。改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の貯蔵量は、改質燃料タンク26に設置された液位計31にて計測されるようになっている。
この改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24は、ガスタービン50の運転に必要な改質燃料としての必要量を配管37aに設置した改質燃料ポンプ27によって燃焼器4に供給して燃焼させ、ガスタービン50を所望の負荷で負荷運転させる。通常、ガスタービン50に供給される燃料流量(改質燃料ポンプ27の押し出し量)の指令値である改質燃料流量指令値29は、発電所が計画するガスタービン50への要求負荷Loに対する予定燃料量を基本量として、発電機6の出力値30と要求負荷Loの偏差を修正するように補正されて決定される。本実施例のガスタービンプラントでは、改質燃料タンク26の液位計31で計測された改質燃料液位値32を、改質燃料制御装置35に対する入力信号としている。改質燃料制御装置35は、液位計31で計測された改質燃料タンクの改質燃料液位値32から計算される改質燃料24の貯蔵量を基に、改質装置23で生成される改質燃料24の量を演算して、前記改質装置23に対する運転負荷指令を出力している。
前記改質燃料制御装置35には、改質燃料タンク26の液位に基づいて予め改質装置23の運転モードを選定して登録してある論理演算器35aと、前記論理演算器35aで選定された運転モードによって操作される改質装置運転指令器35bと、燃料切れ等の緊急用に指令するガスタービン運転指令器35cとが夫々備えられている。そして、前記改質装置運転指令器35bから、前記選定された運転モードに応じて出力される重質油供給量指令値33は、重質油ポンプ16の運転を制御する信号となる。同様に、前記改質装置運転指令器35bから、前記選定された運転モードに応じて出力される反応水供給量指令値34は、反応水ポンプ20の運転を制御する信号となる。同様に、ガスタービン運転指令器35cから出力されるガスタービン運転指令値36はガスタービン制御装置40から出力される運転指令を制御する信号となる。
そして、改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位が、予め定められた常用範囲より高い「高」の値になった場合、改質燃料制御装置35の論理演算器35aによって予め登録してある運転モードを選定して、改質装置23の運転負荷を低負荷モードへ切り替える指令を出す。ここで改質燃料の液位が液位「高」の値とは、改質燃料タンク26の貯蔵量として常用範囲の液位を越えた値を示す。また、改質装置23の運転負荷が低負荷モードでは、改質装置23で製造される改質燃料量が通常のガスタービンの燃料使用量よりも少ない量に設定されることを意味する。この場合の改質燃料の製造量は、ガスタービン50の定格負荷の必要燃料量より少なく、例えば半分程度の量を製造するので、ガスタービン50が定格負荷運転されていれば、改質燃料タンク26の液位は下降することになる。また、ガスタービン50の運転が要求負荷L0に応じて負荷を変動させて用いる場合には、ガスタービン50の運用負荷を時間平均した実績運用負荷から平均燃料使用量を算出して、改質燃料製造量をこの平均燃料使用量より少なく設定すれば、改質燃料タンク26の液位は長期的には下降する。この時、改質装置23が運転できる最低負荷、即ち、最低限の改質燃料製造量としても勿論良い。
改質装置23の運転を低負荷モードで運転し、改質燃料タンク26の液位が下降していった場合、ある時点で改質燃料26の貯蔵量が常用範囲の下限、即ち、改質燃料24の液位が液位「低」に至る。ここからは、改質燃料タンク26に貯蔵される改質燃料24の液位を上昇に転じさせる必要があるため、改質装置23の運転を高負荷モードへ切り替え、改質燃料の製造量を増加させる。この時、改質装置23は定格負荷、即ち、改質燃料の製造量を最大として運転することが考えられる。改質装置23の定格負荷における改質燃料の製造量は、ガスタービン50が定格負荷で使用する燃料量よりも多くなるように装置を設計して制御するようにすれば、ガスタービン50を定格で連続運転した場合も、改質燃料タンク26に貯蔵される改質燃料24の液位を上昇させることができる。また、ガスタービン50の運用を主に部分負荷運転とする発電所であれば、改質装置23の定格負荷における改質燃料の製造量を、ガスタービン50の定格負荷の必要燃料量と同等、或いはそれ以下としても、平均の燃料使用量よりも製造量が多くなり、長期的には改質燃料タンク26の液位が上昇する運転が可能となる。
また、通常のガスタービン設備で使用される燃料タンクの液位監視では、燃料タンクからの燃料の溢れ、或いは燃料途絶を防止するため、燃料の液位が液位「高高」及び液位「低低」の位置で夫々警報を発するように警報装置が設けられている。本実施例の場合でも、改質燃料タンク26に貯蔵される改質燃料24の液位監視においても同様の警報を用いている。即ち、改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位が、液位「高高」では、これ以上改質燃料26を貯蔵することは改質燃料タンク26からの燃料の溢れが発生して危険となるので、改質燃料26の供給、即ち、改質装置23の運転を停止する。改質装置23の運転が停止すれば、新たに改質燃料タンク26に供給される改質燃料26が停止するので、改質燃料タンク26に貯蔵される改質燃料24の液位は徐々に下降して、やがて、液位「高高」の警報値を下回る値となる。この場合、後に改質装置23を再起動する必要があるが、本実施例では、改質燃料タンク26の液位が液位「低」に至った時点で、改質装置23の運転を再起動する形態とした。このとき、先に述べたモード設定の制御も同時に働くため、改質装置23は起動後に高負荷モードで運転され、改質燃料タンク26に改質装置23から改質燃料26の供給が行われるので、改質燃料タンク26の液位は上昇を始める。
以上のように、改質燃料タンク26の液位に応じて、改質装置23の運転負荷を高負荷、低負荷と切り替え、また、必要に応じて改質装置23の運転を停止、再起動させることで、制御系の時定数の異なる改質装置23の負荷運転と、ガスタービン50の負荷運転を連動させた制御が可能となる。
図2には、図1に示した本発明の一実施例である水熱反応を利用した重質油改質装置を備えたガスタービンプラントにおいて、改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位に基づいて改質装置23の負荷運転の運転モードを切り替える運転制御装置35の具体例を示した。具体的には、図1における運転制御装置35の演算に基づき、配管15aを通じて重質油ポンプ16の運転によって供給される重質油15の流量(重質油ポンプ16の押し出し量)の重質油供給量指令値33を演算して与え、改質装置23で安定して改質燃料が製造できる変化速度で徐々に重質油15の流量を増加、或いは減少させる。同様に、運転制御装置35の演算に基づき、この重質油15を改質するのに必要な高温高圧蒸気22が配管22aを通じて供給できるように、配管19aを通じて反応水ポンプ20の運転によって供給される反応水19の供給量(反応水ポンプ20の押し出し量)の指令値である反応水供給量指令値34を演算して与え、改質装置23で安定して改質燃料が製造できる変化速度で徐々に反応水19の流量を増加、或いは減少させる。
そして、改質燃料タンク26の液位の監視において、ガスタービン50が通常の定格運転を所望の日数継続できる改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位の範囲を、液位が「常用範囲」、即ちタンクの運用上、常時使う液位範囲として定めている。そして、この液位が「常用範囲」の上限を越えた液位を、液位「高」として定義し、また、この液位が「常用範囲」の下限を下回った液位を、液位「低」と定義している。
また、改質燃料タンク26から改質燃料の溢れを防止するための警報値として、液位「高高」が、液位「高」を越えた更に高い液位の位置に定められている。一方、改質燃料タンク26が空になりガスタービン50への改質燃料の供給が途絶することを防止するための警報値として、液位「低低」が、液位「低」を下回った更に低い液位の位置に定められている。尚、前記液位「高高」、及び「低低」は、通常のガスタービンの燃料タンクにも警報値として設定されている。そして、前記液位「高高」の設定値は、通常、燃料タンクの全容量に対して5%程度の上部空間を持ち、気温変化による油体積の膨張を考慮して、10〜20%の裕度を持たせることが多い。また、液位「低低」の設定値は、警報発信からガスタービンを安全に停止できる時間の燃料必要量を考慮して決定される。ガスタービンの停止所要時間3時間、燃料タンク容量がガスタービンの連続運転1週間分とすれば、全貯蔵量の2%にあたる燃料液位の位置に、液位「低低」を設定する必要がある。実際には、5〜10%の裕度を持たせることが一般的である。
本実施例では、改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位は、(2)液位「高」は、液位「高高」に対して5〜10%の裕度を持つように設定される。また、(4)液位「低」は、液位「低低」に対して5〜10%の裕度を持つように設定される。そして、(3)液位「常用範囲」は、前記(2)液位「高」と(4)液位「低」の間の燃料貯蔵量が、改質装置23での改質燃料の製造なしに任意の一定期間、例えば数日間の間、ガスタービン50を定格負荷で運転できる使用燃料量となるよう設定される。また、改質燃料タンク26に貯蔵する改質燃料24の液位については、改質装置23がトラブルを起こして改質燃料が供給出来なくなった場合でも、設備に復旧に要する期間、例えば1週間の間、ガスタービンを定格負荷で運転できる燃料量に定めて貯蔵する方法等がある。また、改質装置23が改質燃料24を改質燃料タンク26に供給できなくなり、液位「低」に至った場合は、別途、通常のガスタービン燃料油を補給、或いはガスタービン50の燃焼器4に供給してガスタービン50の運転を続行する方法が考えられる。この場合、改質燃料タンク26に貯蔵する改質燃料24の液位として、液位「低」から液位「低低」までの燃料貯蔵量が、ガスタービンの燃料油を調達、運搬、給油するのに要する期間、例えば、2〜3日分の必要燃料量として定めるようにしても良い。
次に、図3を用いて前記した改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位L0と、改質燃料24の液位に基づいて改質装置23の負荷運転を予め複数の運転モードに分けて選定して登録した論理演算器35aを備えた改質燃料制御装置35との関係を説明する。図3において、前記改質燃料制御装置35に設けられた論理演算器35aでは、改質燃料タンク液位計31で検出される改質燃料液位値32である改質燃料タンク26の液位L0が夫々、(1)液位「高高」、(2)液位「高」、(3)液位「常用範囲」、(4)液位「低」、(5)液位「低低」を示す5ケースの液位に対応して、改質装置23に指示すべき運転の操作指令として改質装置23の負荷運転を複数の運転モードの中から選択すべき運転モードを、論理演算器35aに、例えば論理テーブルの形で予め登録している。尚、この論理テーブルに替えて演算ロジックを組み込んでも良い。
前記改質燃料制御装置35に設けた論理演算器35aの機能と、改質装置23の負荷運転として選択された運転モードとの関係を詳細に説明すると、改質燃料タンク液位計31で検出される改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の液位を示す改質燃料タンク液位L0が、(3)液位「常用範囲」を示すケースでは、前記論理演算器35aにて操作指令として改質装置23の運転モードは定格負荷である高負荷モードを選択し、選択された高負荷モードに応じて前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23を高負荷で運転する負荷運転を行う。前記の液位「常用範囲」で示される改質燃料タンクの液位の範囲とは、ガスタービンの燃料タンクとしての運用上、常時使う液位範囲であって、ガスタービン50を定格負荷で改質装置23での改質燃料の製造なしに任意の一定期間、例えば数日間の間、運転できる改質燃料の貯蔵量である。
次に、液位が上昇して改質燃料タンク液位L0が、(2)液位「高」を示すケースでは、前記論理演算器35aにて操作指令として改質装置23の運転モードは低負荷モードを選択し、選択された低負荷モードに応じて改質装置23から改質燃料タンク26に供給される改質燃料24の供給量を抑制するように、前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23を低負荷で運転する負荷運転を行う。
次に、液位が減少して改質燃料タンク液位L0が、(4)液位「低」を示すケースでは、前記論理演算器35aにて操作指令として改質装置23の運転モードは高負荷モードを選択し、選択された高負荷モードに応じて改質装置23から改質燃料タンク26に供給される改質燃料24の供給量を定格負荷に上昇して供給量を増加させるように、前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23を高負荷で運転する負荷運転を行う。また、下記するケースのように、改質燃料タンク液位L0が、(1)液位「高高」を示すに至って改質装置23の運転を停止した場合であって、その後、ガスタービン50の負荷運転の継続によって改質燃料タンク液位L0が低下して(4)液位「低」を示すに至ったケースでは、運転を停止している改質装置23の運転モードとして再起動モードを選択し、選択された高負荷モードに対応させて改質装置23を起動から高負荷に至るように、前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23を再起動運転させる必要がある。そうしないと、改質装置23からの改質燃料24の供給が無いので改質燃料タンク液位L0が更に低下して(5)液位「低低」に至り、ガスタービン50を緊急停止せざるを得ない状況となるためである。
次に、液位が大幅に上昇して改質燃料タンク液位L0が、液位「高」を越えた、(1)液位「高高」を示すに至ったケースでは、前記論理演算器35aにて操作指令として改質装置23の運転モードは停止を選択し、選択された停止モードに応じて前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23の運転を停止させる。そして、改質燃料タンク26に供給される改質燃料24の供給をストップさせて改質燃料タンク26から改質燃料24がオーバーフローすることを防止する。
ところで、ガスタービン50の負荷運転は、上記した改質燃料タンク液位L0に基づいた改質装置23の各種負荷運転とは独立して、発電所の要求負荷に基づき単独に負荷運転されている。
次に、液位が大幅に下降して改質燃料タンク液位L0が、液位「低」、より減少した、(5)液位「低低」を示すに至ったケースでは、前記論理演算器35aにて操作指令として改質装置23の運転モードは高負荷モードを選択し、選択された高負荷モードに応じて前記論理演算器35aから改質装置運転指令器35bを経由して改質装置23から改質燃料タンク26に供給される改質燃料24の供給量を定格負荷として改質装置23の高負荷運転を行う。この場合、状況によってはガスタービン50は燃料切れの緊急状態となるので、安全のため、ガスタービン50の運転を停止する指令を、別途、前記論理演算器35aからガスタービン運転指令器35cを経由して前記ガスタービン制御装置40にガスタービン運転指令値36として出力し、前記ガスタービン制御装置40からはガスタービン50の運転を停止するために燃料供給を遮断する改質燃料流量指令値29を出力して運転停止させる制御を行う。
そして、改質燃料タンク液位L0に基づいて前記した論理演算器35aでの改質装置23の運転モードの選択による操作指令によって改質装置運転指令器35bを操作し、緊急の場合はガスタービン運転指令器35cも操作する。即ち、論理演算器35aで選定された改質装置23の運転モードによって前記改質装置運転指令器35bから出力される重質油供給量指令値33で重質油ポンプ16の運転を制御し、同様に該改質装置運転指令器35bから出力される反応水供給量指令値34で反応水ポンプ20の運転を制御することによって、改質装置23の負荷運転を行う。また、液位「低低」の緊急状態となった燃料切れ時には、ガスタービン運転指令器35cを経由してガスタービン制御装置40に出力されるガスタービン運転指令値36はガスタービン50の運転を停止させるためのものであり、ガスタービン制御装置40から出力される緊急指令によりガスタービン50の運転が停止される。
以上説明したように、前記改質燃料制御装置35を改質燃料タンク26の液位に基づいて改質装置23の運転モードを選定するように構成したことによって、本実施例の制御システムにおいては、液位計31で検出される改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の改質燃料液位L0が、(3)液位「常用範囲」を越えて上昇して(2)液位「高」に達すると、改質燃料制御装置35の論理演算器35aで選定される運転モードによって、改質装置23の負荷運転は高負荷モードから低負荷モードに運転の操作指令が切り替えられる。このときの改質装置23での改質燃料24の製造量は、ガスタービン50の定格負荷の運転に必要な燃料量よりも少なく、例えば半分の量の改質燃料24を製造するようにしても良い。よって、独立して負荷運転されているガスタービン50が定格負荷運転を継続すれば、改質燃料タンク26の液位は徐々に下降することになる。また、ガスタービン50が独立して運転負荷を変動させる運転を行なっているのであれば、ガスタービン50の運用負荷を時間平均した実績運用負荷から平均燃料使用量を算出し、改質燃料24の製造量をこれより少なく設定すれば、改質燃料タンク26の液位は長期的には下降する。この場合、改質装置23の運転負荷は、運転できる最低負荷の改質燃料24の製造量として運転しても良い。
改質燃料タンク26の改質燃料液位L0が、(3)の液位「常用範囲」を下回って(4)液位「低」に達すると、改質燃料制御装置35の論理演算器35aで選定される改質装置23の負荷運転は高負荷モードが選択される。改質装置23の負荷運転の具体的な内容は、図1において、重質油15の流量(重質油ポンプ16の押し出し量)の指令値である重質油供給量指令値33を安定した燃料が製造できる変化速度で増加させ、この重質油15を改質するに必要な高温高圧蒸気22が供給できるよう、反応水19の供給量(反応水ポンプ20の押し出し量)の指令値を設定する。実施例1に示したように、この時、改質装置23は定格負荷、すなわち改質燃料24の製造量を最高にして運転することが考えられる。改質装置23を定格負荷で運転した際の改質燃料24の製造量は、ガスタービン50が定格負荷運転で使用する燃料量よりも多くなるように改質装置23を設計しておけば、ガスタービン50を定格で連続で運転した場合でも、改質燃料タンク26の液位を上昇させることができる。また、ガスタービン50の運用を主に部分負荷運転とする発電所であれば、改質装置23の定格負荷における改質燃料24の製造量を、ガスタービン50の定格負荷の必要燃料量と同等、或いはそれ以下にしても、平均の燃料使用量よりも改質燃料の製造量が多くなり、長期的には改質燃料タンク26の液位が上昇する運転が可能となる。
改質燃料タンク26の改質燃料液位L0が、大幅に上昇して(4)の液位「高」を越えて、(5)液位「高高」、即ち、貯蔵量上限に至った場合には、改質燃料制御装置35の論理演算器35aで選定される改質装置23の運転モードは停止が選択され、改質燃料タンク26からの改質燃料24の溢れを防止するために改質装置23の運転を停止する。
また、本実施例では、改質燃料タンク26の改質燃料液位L0が、(4)液位「低」まで低下しており、且つ、改質装置23の運転が停止している場合は、改質燃料制御装置35の論理演算器35aで選定される改質装置23の運転モードは再起動が選択され、改質装置23の運転を再起動して定格負荷の高負荷まで上昇させる。改質装置23を再起動するタイミングとして、液位が液位「低」に至る前の、例えば液位「常用範囲」の下側10%などの予め定められた液位で運転を再起動するように設定しても良い。
また、改質燃料タンク26の改質燃料液位L0が、(4)液位「低」より大幅に下がって、(5)液位「低低」に至った場合は、ガスタービン50は燃料切れ寸前となるので、通常のガスタービン用の燃料タンクの燃料供給制御と同じく、ガスタービン50の運転を停止して燃料途絶による緊急遮断を防止する。
図4に、図1に示した本発明の一実施例である重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質装置を、改質燃料タンク26の液位に基づいて図2に示した改質燃料制御装置35により選定した運転モードに沿って運転した場合に、各運転ステップ(1)(2)(3)(4)(5)(6)に対応する、ガスタービンの運転負荷(上段図)と、改質装置の運転負荷モードと(中段図)、改質燃料タンクの液位(下段図)を、ガスタービンの運転時間の経過に対するトレンドで夫々示した。
図4において、まず、運転ステップ(1)では、当初、ガスタービン50は定格負荷で、改質装置23は定格負荷である高負荷モードで運転されている。また、改質装置23の負荷運転が高負荷モードでは改質燃料24の製造量がガスタービン50の定格負荷での必要燃料量を越えており、本トレンドグラフの初期では点線で示した改質燃料タンクの液位が時間と共に上昇している。
次に運転ステップ(2)では、電力デマンドなどの要求により、必要に応じてガスタービン50の負荷を下げると、改質燃料24の使用量が減少するため改質燃料タンクの液位が上昇し、やがて液位「高」に至る。そして、液位が「高」に達すると、改質装置23の運転モードは高負荷モードから負荷を下げ始め、改質燃料24の製造量を減少させながら低負荷モードヘと移行する。改質装置23の負荷変化の速度は、ガスタービン50の負荷変化速度の1/10と遅いが、この間の燃料需給量の差は、改質燃料タンク26に貯蔵された改質燃料24の貯蔵量を変化させて吸収している。
次に、運転ステップ(3)では、改質装置23の負荷降下にともない、改質燃料24の製造量がガスタービン50で使用する燃料量を下回るため、やがて改質燃料タンクの液位は下降を始める。
次に、運転ステップ(4)では、ガスタービン50の負荷運転が更に低負荷にまで下がった場合を示す。改質装置23の負荷運転が低負荷モードを選定した場合でも改質燃料24の製造量が余剰となるので、改質燃料タンクの液位は上昇に転じて、改質燃料タンクの液位は上限である「高高」に至る。液位「高高」に達すると、改質燃料タンク26から改質燃料24の溢れを防止するため、改質装置23の負荷運転は停止を選択して運転を停止し、改質燃料24の製造及び供給は止まる。この間、ガスタービン50は独立して運転を継続しているため、改質燃料タンクの液位は減少を始める。
次に、運転ステップ(5)では、その後、ガスタービン50の負荷を低負荷から定格の高負荷まで上昇させた運転を行う。そうすると、ガスタービン50の燃料使用量が増加するので、改質燃料タンクの液位は下降速度が大きくなり、やがて、改質燃料タンクの液位は液位「低」に至る。液位「低」に低下すると、改質装置23の運転は再起動のモードを選択されて改質装置23が再起動されて高負荷モードに向かって負荷を上昇する。前期改質装置23の負荷上昇速度は遅いため、改質装置23の起動後も一定時間は改質燃料タンクの液位は下降を続ける。
次に、運転ステップ(6)では、ガスタービン50の負荷が定格負荷に戻ると、改質装置23の負荷上昇に伴って改質燃料の製造量が増大し、やがてガスタービン50の燃料使用量を上回るため、改質燃料タンクの液位は徐々に上昇に転じて図4に表示していない常用範囲の液位に復帰する。
このように、本発明の上記した実施例によれば、改質装置の運転負荷は、改質燃料タンクの液位あるいは貯蔵量により負荷決定し、負荷変化速度は改質装置が安定して改質燃料を製造できる速度にできる。一方、ガスタービンは、改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料を用いて、早い負荷変化速度で自由に負荷変化が可能となる。このことにより、負荷変化速度の異なる改質装置とガスタービンを連携して運転することが可能となる。
したがって、本実施例では、ガスタービンは常に必要な発電量に応じて自由に負荷変化でき、改質装置は安定した改質燃料を製造できる負荷変化速度で負荷を切り替えが可能となる運転が行える。そして、ガスタービンと改質装置の負荷変化速度の差による改質燃料の需給格差を改質燃料タンクに貯蔵した改質燃料の貯蔵量を変化させることによって吸収できるので、ガスタービンの負荷運転を改質装置の負荷運転の状況に束縛されることなく独立して変化させることが可能となり、改質装置を備えたガスタービンの運転自由度を向上させることができる。また、ガスタービンは常に必要な発電量に応じて自由に負荷変化でき、改質装置は安定した改質燃料を製造できる負荷変化速度で負荷を切り替え可能となるので、改質装置を備えたガスタービンの運転自由度を向上させることができる。
重質油から改質燃料を生成する重質油の改質装置を備えたガスタービンに適用可能である。
本発明の一実施例である重質油改質装置を備えたガスタービンの構成を示すプラント系統図。 図1に示す本発明の一実施例である重質油改質装置を備えたガスタービンプラントに設置された改質燃料制御装置による改質燃料タンク液位と改質装置の運転モードとの関係の例模式的に示す図。 図1に示す本発明の一実施例である重質油改質装置を備えたガスタービンプラントに設置された改質燃料制御装置の詳細を示す制御系統図。 図1に示す本発明の一実施例である重質油改質装置を備えたガスタービンプラントの運転状況のトレンドを示すタイムチャート図。
符号の説明
1:圧縮機、2:空気、3:圧縮空気、4:燃焼器、5:タービン、6:発電機、7:ガスタービン排ガス、7a:配管、8:排熱回収ホイラ、9:蒸気、9a:配管、9b:配管、10:蒸気タービン、11:発電機、13:給水ポンプ、14:煙突、15:重質油、15a:配管、16:重質油ポンプ、18:重質油予熱器、18a:配管、19:反応水、19a:配管、20:反応水ポンプ、22:高温高圧蒸気、22a:配管、23:改質装置、24:改質燃料、24a:配管、25:減圧装置、26:改質燃料タンク、27:改質燃料ポンプ、28:改質燃料流量計、29:改質燃料流量指令値、30:発電出力値、31:改質燃料タンク液位計、32:改質燃料液位値、33:重質油供給量指令値、34:反応水供給量指令値、35:改質燃料制御装置、35a:論理演算器、35b:改質装置運転指令器、35c:ガスタービン運転指令器、36:ガスタービン運転指令値、37a:配管、40:ガスタービン制御装置、50:ガスタービン。

Claims (15)

  1. 重質油を高温高圧の水と接触させて改質反応させることにより重質油から改質燃料を生成する改質装置と、この改質装置によって重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として利用するガスタービン装置とを備えた重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質装置で生成した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクを設置して該改質燃料タンクから前記ガスタービン装置の燃焼器に改質燃料を供給するように構成し、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御する改質燃料制御装置を設けたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  2. 請求項1に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記ガスタービン装置は、前記ガスタービン装置に要求される負荷に基づいてガスタービンの運転を制御するガスタービン制御装置からの操作指令により前記改質燃料タンクからガスタービン装置の燃焼器に供給される改質燃料の流量を調節するように構成されていることを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  3. 請求項1に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質燃料制御装置は、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御するように構成して、前記改質燃料タンクに貯蔵される改質燃料の貯蔵量を所望の範囲に調節することを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  4. 請求項1に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記ガスタービン装置から燃焼排ガスを排出する燃焼排ガス系統の途中に廃熱回収ボイラを設置して、前記廃熱回収ボイラで該燃焼排ガスと熱交換して発生した高温高圧の蒸気を前記改質装置で使用される高温高圧の水として供給する第1の配管系統を配設したことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  5. 請求項4に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質装置に供給される重質油の配管系統の途中に該改質装置に供給する重質油を過熱する重質油予熱器を設置し、この重質油予熱器の加熱源として前記廃熱回収ボイラで発生した高温高圧の蒸気の一部を前記重質油予熱器に供給する第2の配管系統を配設したことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  6. 請求項4に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質装置に供給される重質油の配管系統の途中に該改質装置に供給する重質油を過熱する重質油予熱器を設置し、この重質油予熱器の加熱源として供給される前記廃熱回収ボイラで発生した高温高圧の蒸気の一部を利用して駆動される蒸気タービン装置と、この蒸気タービン装置に高温高圧の蒸気の一部を供給する第3の配管系統を配設したことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービン。
  7. 重質油を高温高圧の水と接触させ、水熱反応を利用して重質油を改質して改質燃料を生成する改質装置と、この改質装置によって重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として利用するガスタービン装置とを備えたものにおいて、前記改質装置で生成した改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクを設置して該改質燃料タンクから前記ガスタービン装置の燃焼器に改質燃料を供給するように構成し、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて前記改質装置の運転負荷を制御する改質燃料制御装置を設けたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置。
  8. 請求項7に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置において、
    前記改質燃料タンクには該改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量を検出する検出器が設置され、前記改質燃料制御装置には、予め該改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に対応して選定される改質装置に対する運転操作指令に対する運転操作指令を出力する制御ロジックを備えた演算器が設けられており、前記検出器で検出した改質燃料の貯蔵量に基づいて前記演算器に備えられた制御ロジックから選定された該改質装置に対する運転操作指令によって前記改質装置の負荷運転を制御するように構成したことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置。
  9. 請求項8に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置において、前記改質燃料制御装置から指令される運転操作指令は、前記改質装置で改質燃料を生成するために供給される重質油の供給量及び高温高圧の水の供給量を夫々制御するように出力されていることを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの制御装置。
  10. 改質装置で重質油を高温高圧の水と改質反応させて該重質油から改質燃料を生成し、前記改質装置で生成した改質燃料を改質燃料タンクに供給して貯蔵し、前記改質燃料タンクから貯蔵された改質燃料をガスタービン装置の燃焼器に燃料として供給してガスタービン装置を該改質装置の運転とは独立させて運転する重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法において、前記改質装置の負荷運転を前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量に基づいて複数段階設定された運転モードの中から選定し、この選定された運転モードに対応した負荷運転によって前記改質装置の運転を制御するようにしたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
  11. 請求項10に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法において、前記改質装置の負荷運転は、選定された運転モードに対応させて前記改質装置に供給される重質油及び水の供給量を夫々制御するようにしたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
  12. 請求項11に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法において、前記改質装置の負荷運転は、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量が常用範囲の液位を維持するように選定された運転モードに対応させて前記改質装置に供給される重質油及び水の供給量を夫々制御するようにしたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
  13. 請求項12に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法において、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量が常用範囲を越えた液位に上昇した場合は前記改質装置の運転負荷を低負荷の運転モードに選択して前記改質装置の運転を制御するようにしたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
  14. 請求項12に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法において、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量が常用範囲を下回った液位に低下した場合は前記改質装置の運転負荷を高負荷の運転モードに選択して前記改質装置の運転を制御するようにしたことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
  15. 請求項12に記載の重質油改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量が常用範囲を越えて異常に高い液位となった場合は前記改質装置の運転負荷を停止の運転モードに選択して前記改質装置の運転を停止し、その後、前記改質燃料タンクに貯蔵された改質燃料の貯蔵量が減少して常用範囲を下回った液位に低下した場合は前記改質装置を再起動する運転モードに選択して前記改質装置の運転を行うことを特徴とする重質油改質装置を備えたガスタービンの運転方法。
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