JP2007186572A - 重質油の改質装置、重質油改質装置を備えたガスタービン、重質油改質装置を備えたガスタービンプラント、及び重質油の改質方法 - Google Patents
重質油の改質装置、重質油改質装置を備えたガスタービン、重質油改質装置を備えたガスタービンプラント、及び重質油の改質方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】重質油から改質燃料を製造する場合に、改質器でのコーキング発生防止と、重質油から生成する改質燃料の回収率の向上を図った重質油の改質装置、並びに重質油の改質装置を備えたガスタービンを提供する。
【解決手段】重質油1と水8との混合流体11を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する改質器13を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統に重質油1を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油1の流量を制御する第1の制御弁30を夫々配設し、前記複数の改質燃料系統に水8を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁31を夫々配設し、各改質器13の上流側の改質燃料系統を流れる重質油1と水8の混合流体11の温度に基づいて前記第1の制御弁30及び第2の制御弁31を制御するように構成した改質装置。
【選択図】図1
【解決手段】重質油1と水8との混合流体11を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する改質器13を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統に重質油1を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油1の流量を制御する第1の制御弁30を夫々配設し、前記複数の改質燃料系統に水8を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁31を夫々配設し、各改質器13の上流側の改質燃料系統を流れる重質油1と水8の混合流体11の温度に基づいて前記第1の制御弁30及び第2の制御弁31を制御するように構成した改質装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、重質油を高圧・高圧の高温、高圧の水と接触・反応させて重質油を分解して軽質化した改質油を生成する重質油の改質装置、並びに、改質油を燃料に用いる重質油改質装置を備えたガスタービン、重質油の改質装置を備えたガスタービンプラント、並びに、重質油の改質方法に関する。
バナジウム等の重金属を含んだC重油等の重質油をガスタービンの燃料として使用することを想定した場合、重質油を燃焼させた際にガスタービンの翼に付着して腐食生成物となるバナジウム等の重金属を重質油から除去した改質燃料を使用する必要がある。
特許文献1には、重質油から改質燃料を生成する場合に、改質器で重質油と、高温・高圧の水とを接触・反応させることにより、高温・高圧水に溶融して生成した改質燃料となる軽質油分と、重金属類を含む重質油分とを分離して、分離した軽質油分を改質燃料としてガスタービンに燃料として供給すると共に、分離した重金属類を含む重質油分を燃焼させて処分する重質油の改質処理技術が開示されている。
また、特許文献2には、重質油の改質をおこなう改質器を複数基設置しておき、改質運転と洗浄運転を交互に切り替えて改質燃料を連続して製造する重質油の改質処理技術が開示されている。
重質油から改質燃料を生成する改質装置では、重質油を加熱する重質油予熱器、水を加熱する水予熱器、及び重質油と水とを高温高圧で接触・反応させて改質反応させる改質器を備えて、この改質器にて圧力13-30MPA、温度400-480℃、滞留時間1〜10分で重質油と水とを接触・反応させ、改質燃料を生成している。
重質油を燃料とするガスタービンプラントには、通常、重質油の改質処理に関係する重質油予熱器、水予熱器、改質予熱器、及び改質燃料を生成する改質器と、この改質器で生成した改質燃料を燃焼して駆動するガスタービンが備えられている。
重質油を燃料とするガスタービンプラントには、通常、重質油の改質処理に関係する重質油予熱器、水予熱器、改質予熱器、及び改質燃料を生成する改質器と、この改質器で生成した改質燃料を燃焼して駆動するガスタービンが備えられている。
ところで、重質油から生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器の燃料として使用する場合、多量の燃料の供給を求められるので、重質油から多量の改質燃料を製造する必要がある。重質油を改質反応させて改質燃料を生成する改質器は、高温・高圧の条件下で使用されるため、ガスタービンに供給する多量の改質燃料を1基の超大型の改質器で製造することは、装置の製造コスト等を含めて多くの困難が伴う。その対策として、比較的低コストで製造可能なサイズの改質器を並列に複数基設けて必要量の改質燃料をこれらの複数基の改質器で製造し供給することが考えられる。
しかしながら、並列に設置した複数基の改質器を用いて重質油から改質燃料を製造し燃料として供給することを想定すると、各改質器を所望の改質反応に過熱させる加熱源に何等かの変動要因が生じて温度に変動が発生した場合に、個々の改質器でコーキングが発生したり、又は重質油から生成する改質燃料の回収率が大幅に低下する可能性がある。
本発明の目的は、重質油から改質燃料を製造する場合に、改質器でのコーキング発生防止と、重質油から生成する改質燃料の回収率の向上を図った重質油の改質装置、重質油の改質方法、重質油の改質装置を備えたガスタービン、並びに重質油の改質装置を備えたガスタービンプラントを提供することにある。
本発明の改質装置は、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数系統の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油の流量を制御する第1の制御弁を夫々配設し、前記複数系統の改質燃料系統に水を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁を夫々配設し、各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記第1の制御弁及び第2の制御弁を制御するように構成したことを特徴とする。
本発明の重質油の改質装置を備えたガスタービンは、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数系統の改質燃料系統の各改質器で生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に供給する改質燃料供給系統を配設し、前記複数系統の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油の流量を制御する第1の制御弁を夫々配設し、前記複数系統の改質燃料系統に水を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁を夫々配設し、各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記第1の制御弁及び第2の制御弁の開度を制御するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、重質油から改質燃料を生成する改質器でのコーキング発生防止と、重質油から生成する改質燃料の回収率の向上を達成する重質油改質装置、並びに重質油改質装置を備えたガスタービンを実現できる。
次に本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本発明の一実施例である重質油の改質装置を備えたガスタービンのプラントについて、図1を用いて詳細に説明する。図1において、重質油の改質装置を備えたガスタービンプラントは、重質油タンク1と、この重質油タンク1から重質油ポンプ2によって配管3a、3b、3c、3dを通じて夫々供給された重質油3を予熱する重質油予熱器4と、水タンク5と、この水タンク5から水ポンプ6によって配管8a、8b、8c、8d、を通じて夫々供給された水8を予熱する水予熱器9と、これらの重質油予熱器4と水予熱器9を経た重質油と水とを混合して混合流体にする気液混合器10と、改質対象となるこの混合した重質油3と水8との混合流体11を加熱する改質予熱器12と、この改質予熱器12を経て加熱された混合流体11を高温、高圧の状態下で改質反応させて改質した改質燃料14を生成する改質器13とを備えている。そして、前記重質油予熱器4、水予熱器9、改質予熱器12、及び改質器13から構成される機器を備えて改質燃料14を生成する改質燃料系統13a、13b、13c、13dが、配管3a、3b、3c、3d及び配管8a、8b、8c、8dに対応させて合計4系統配設されている。これらの改質燃料系統13a、13b、13c、13dはガスタービン22が消費する燃料量に合わせて適宜追加又は削減して配設可能である。
そして、この4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dに夫々に設置された改質器13によって重質油から改質され生成した改質燃料は、収集されて配管14aを通じて気液分離器17に送給され、気液分離器17で分離された気体の改質ガス18はガスタービン22の燃焼器22bに供給されて燃焼され、この燃焼ガスによってタービン22cを回転させることにより、圧縮機22aと発電機23を駆動する。また、気液分離器17で分離された液体の改質油19は、改質油冷却器7で温度を低下させた後に減圧して改質油タンク20に一時貯蔵する。改質油19はガスタービン22の出力要求に応じて、改質油タンク20から改質油ポンプ21によってガスタービン22の燃焼器22bに供給して前記改質ガス18と共に、或いは単独で燃焼させ、この燃焼ガスによってタービン22cを回転させることにより、圧縮機22aと発電機23を駆動するようになっている。
4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dに夫々配設された重質油予熱器4では、供給された重質油3を13〜30MPA、最高温度としてコークス化を起こさない約200〜400℃の温度範囲で加圧、加温される。一方、前記水予熱器9では、供給された水8を13〜30MPA、350〜550℃の蒸気になるまで加圧、加熱される。そして、それぞれ加圧・加温された重質油3と水(蒸気)8は、気液混合器10で混合されて混合流体11となる。混合流体11は、改質予熱器12によって重質油の改質反応に最適な圧力である13〜30MPA、最適な温度である400〜480℃まで再加圧、再加熱されて改質器13に供給される。
そして、前記改質器13では、高温・高圧の状態下である圧力13-30MPA、温度400-480℃、滞留時間1〜10分で重質油と水とを接触させ、改質反応させて改質燃料14を生成する。
そして、4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dに設置された各改質器13内で重質油3を改質して生成され、収集された改質燃料14は、改質燃料供給系の配管14aに設けた減圧装置16にてガスタービン22に供給するために所定の運転圧力に減圧する。一方、改質器13内で改質しなかったタール15は、改質器13から配管15aを通じて取り出し、減圧した後にタールタンク24に送給される。
前記4系統の改質燃料系統の改質器13で生成された改質燃料14は、配管14aに設けた減圧装置16によって断熱膨張させるので温度が低下し、改質燃料14の一部が液化するため、気液分離器17により気体の改質ガス18と液体の改質油19とに分離させる。なおスプレー水を気液分離器17の内部に噴霧する等の方法で、改質燃料14の温度を蒸気が凝縮しない蒸気飽和温度近くに低下させることで、より軽質の改質ガス18を液化させることができ、液体の改質油19を多く回収することができる。
蒸気を含んだ改質ガス18は、ガスタービン22の燃焼器22bに直接供給して燃焼させ、この燃焼ガスによってタービン22cを回転駆動させて圧縮機22aを駆動し、同時に、発電機23を駆動して電力を得ている。一方、改質油19は改質油冷却器7で温度を低下させた後に減圧して改質油タンク20に一時貯蔵する。改質油19はガスタービン22の出力に応じて、改質油タンク20から改質油ポンプ21によってガスタービンの燃焼器22bに供給して燃焼させ、タービン22cを駆動するようになっている。
また、タールタンク24内に貯蔵されたタール15は、タールポンプ24によってタール焚き燃焼炉26に供給され、タール焚き燃焼炉26にて空気ブロア28で供給される空気と共にタール15を燃焼させて、加熱媒体となる高温の燃焼ガス29を発生させる。この高温の燃焼ガス29は、配管29aを通じて4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dに夫々設置された重質油予熱器4と水予熱器9に加熱媒体として供給され、同様に、配管29bを通じて上記4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dに夫々設置された改質予熱器12に加熱媒体として供給され、配管29cを通じて各改質器13にも加熱媒体として供給される。
前記4系統の改質燃料系統に配置された重質油予熱器4、並びに水予熱器9に加熱媒体として供給される燃焼ガス29の流量は、配管29aに設けた燃焼ガス流量調節バルブ32の開度と配管36aに設けたバイパスガス流量調整バルブ36の開度によって調整される。同様に、改質予熱器12に加熱媒体として供給される燃焼ガス29の流量は、配管29bに設けた燃焼ガス流量調整バルブ34の開度と前記バイパスガス流量調整バルブ36の開度によって調整され、改質器13に加熱媒体として供給される燃焼ガス29の流量は、配管29cに設けた燃焼ガス流量調整バルブ35と前記バイパスガス流量調整バルブ36の開度によって調整されることによって、各予熱器4、9、12及び改質器13に夫々必要な加熱媒体の量だけ供給されるようになっている。
尚、本実施例では改質器13で重質油3から改質燃料14を生成した後に残ったタール15を前記各予熱器4、9、12及び改質器13の加熱媒体の燃料として再利用しているが、前記タールに代えて他の燃料を使用しても良い。
また、本実施例では、4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dの各系統について、重質油タンク1から重質油予熱器4に重質油3を供給する配管3a、3b、3c、3dに設置された重質油流量調整バルブ30の開度、及び、水タンク5から水予熱器9に水8を供給する配管8a、8b、8c、8dに設置された水流量調整バルブ31の開度を、前記4系統に夫々設置された改質器13に供給される重質油3と水8との混合流体11の温度に基づいて制御している。具体的には、改質器13の入口側の配管に設置された温度検出器51で検出した重質油と水の混合流体11の温度に基づいて、重質油と水との混合比は一定に保ったままで、混合流体11の温度が高い改質燃料系統の混合流体11は流量を増加させて温度を低下させ、混合流体11の温度が低い改質燃料系統の混合流体11は流量を減少させて温度を上昇させるように、制御装置50における演算によって重質油流量調整バルブ30に対してバルブ開度信号Va1・・Va4の指令信号を、水流量調整バルブ31に対してバルブ開度信号Vb1・・Vb4の指令信号を夫々出力して、前記各バルブ30,31の開度を夫々制御する。これらの制御によって、前記4系統の改質燃料系統の各改質器13に供給される重質油3と水8の混合流体11に、温度偏差が生じることが極力抑制できる。
上記したように、複数の改質燃料系統13a・・13d、或いは単一の改質燃料系統13aに配置された改質器13に供給される重質油3と水8の混合流体11の温度に基づいて前記改質燃料系統に設置された重質油流量調整バルブ30及び水流量調整バルブ31の開度制御を行うことにより、複数の改質燃料系統13a・・13dに配置した改質器13の入口側における重質油3と水8の混合流体11の温度の偏差、或いは変動を所望の範囲の約40℃以内、好ましくは約20℃以内に低減できるため、前記改質器13における重質油3と水8との改質反応温度を、図2に示す様にコーキングの発生する400〜480℃より低い反応温度の領域で改質反応するように調節して、コーキングの発生を回避し改質燃料を生成できる。しかも、前記各改質燃料系統13a・・13d、或いは単一の改質燃料系統13aに配置した改質器13に供給される重質油3と水8の混合流体11の温度偏差、或いは変動を、所望の範囲の約40℃以内、好ましくは約20℃以内に低減できることから、図3に示すように、改質器13における重質油3の改質反応温度も同様に温度偏差、或いは変動を約40℃以内、好ましくは約20℃以内に低減でき、よって改質器13で重質油3から改質する改質燃料14の回収率を約80%以上に高めることが可能となる。
したがって、本実施例によれば、タール焚き燃焼炉26の燃焼状態に何らかの変動が生じたとしても、タール焚き燃焼炉26から発生する加熱媒体の燃焼ガス29の流量及び温度の変動の影響をあまり受けることなく、複数の前記各改質燃料系統に設置された各改質器13における重質油3の改質反応に必要な高温高圧水の状態となる圧力及び温度条件を夫々安定して確保でき、よって、改質器13でコーキングの発生を回避すると共に、重質油3から改質される改質燃料14の回収率を約80%以上に向上できるものとなる。
次に、本発明の別の実施例となる重質油の改質装置を備えたガスタービンプラントについて図4を用いて説明する。本実施例では、前述した図1に示す実施例とガスタービンプラントを構成する機器の基本構成は共通であるので、相違する部分について以下に説明する。尚、図4に示す実施例では、便宜上、改質器13を備えた改質燃料系統13aを1系統しか開示していないが、図1の実施例と同様に複数系統、例えば4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dが配置されているものであっても良いし、例えば大型の改質器13を備えた単一の改質燃料系統13aを配置したものであっても適用可能なものである。
図4において、図1の実施例と構成が相違している本実施例の部分は、複数の改質燃料系統13a・・13d、或いは単一の改質燃料系統13aに配置された改質器13と改質予熱器12の加熱源として、タール焚き燃焼炉26で生成する加熱媒体の燃焼ガスの供給に替えて、電気ヒータ38a及び電気ヒータ38bを夫々設置している。タール焚き燃焼炉26はタール15の燃焼特性が安定しない場合には、燃焼ガスの流量変動、温度変動が生じる可能性がある。そこで、改質反応温度に影響する程度が高い改質器13と改質予熱器12の加熱源として電気ヒータ38a、38bを用いて夫々所望の温度に精度よく加熱制御することにより、改質器13の内部をより高精度に一定の改質反応温度に維持するものである。よって、本実施例では、改質器13でコーキングが発生する温度近傍に、より近くまで重質油3の改質反応温度を近づけることができるので、重質油3から改質燃料14の回収率を更に高めることが可能となる。
そして、前記改質燃料系統13aである改質器13の入口側の配管に設置された温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づいて、重質油3と水8との混合比は一定に保ったままで、混合流体11の温度が高い系統の混合流体11は流量を増加させて温度を低下させ、混合流体11の温度が低い系統の混合流体11は流量を減少させて温度を上昇させるように、制御装置50での演算によって重質油流量調整バルブ30に対してバルブ開度信号Va1・・Va4の指令信号を、水流量調整バルブ31に対してバルブ開度信号Vb1・・Vb4の指令信号を夫々出力して、前記各流量調整バルブ30,31の開度を夫々制御するのは同じである。そして、本実施例では更に、温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づいて、制御装置50での演算によって改質器13の電気ヒータ38a、及び改質予熱器12の電気ヒータ38bに対して温度制御信号Hb、Haを夫々出力して、加熱が必要な改質予熱器12と改質器13の温度を高精度に温度制御している。
尚、前記改質器13に設けた電気ヒータ38a、及び改質予熱器12に設けた電気ヒータ38bによる各機器の温度制御は、前述した温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づく重質油流量調整バルブ30及び水流量調整バルブ31の開度制御とは独立させて適用しても良い。また、前記電気ヒータ38a及び電気ヒータ38bを、より高精度に温度制御する場合には、更にこれら電気ヒータ38a、38bが取付けられる改質器13及び改質予熱器12に温度計を夫々設置して、前記温度計の測定値に基づき改質器13及び改質予熱器12が所望の温度条件となるように前記電気ヒータ38a、38bを制御するようにしても良い。
前記改質器13に電気ヒータ38aを設けて改質器13を高精度に温度制御する狙いとしては、改質器13は改質反応に求められる高圧に耐えられるように肉厚の圧力容器で構成されているので、改質器13を過熱する場合には所望の温度に昇温させるまで比較的長い時間を要する。そこで、前記電気ヒータ38aで改質器13の起動に合わせて予め余熱しておけば、改質器13における重質油の改質反応に必要な前述した温度条件に比較的短時間で昇温させることが可能となる。また、改質器13の運転を途中で停止する場合には、改質器の内部を重質油にコーキングが発生しない温度に余熱して保温することは可能である。この場合、改質器13の運転を再起動する場合に極めて短時間で運転を再開することができる。
また、改質器13の電気ヒータ38aを含めて改質予熱器12にも電気ヒータ38bを設置して予熱する等の温度制御ができるので、これらの電気ヒータ38a、38bで前記各機器を予め予熱しておけば、改質器13に導かれる混合流体の温度も短時間で改質反応に適した所望の温度条件に昇温できる。よって、改質器13の運転を迅速に立ち上げて改質燃料を迅速に生成することが可能となる。
本実施例によれば、改質器13及び改質予熱器12の加熱を電気ヒータ38a、38bによって夫々所望の温度に精度よく加熱制御することにより、タール焚き燃焼炉26から発生する加熱媒体である燃焼ガスの流量及び温度の変動の影響をあまり受けずに、改質器13で重質油3の改質反応に必要な高温高圧水の状態となる圧力及び温度条件を安定して確保できることから、前記改質燃料系統に設けられた各改質器13の入口側の混合流体11の温度偏差を所望の範囲内に確実に抑制できる。
したがって、各改質器13で重質油3から改質燃料14を生成するに際してコーキング発生をより確実に回避するだけでなく、各改質器13における重質油3から改質する改質燃料14の回収率を80%以上に更に高めることが可能となる。更に、タール焚き燃焼炉及び改質器13及び改質予熱器12に加熱媒体を送給する燃焼ガスの供給系統が不要となるため、改質装置に伴う複雑な配管系統を簡素化して設備がコンパクト化できる。
次に、本発明の更に別の実施例となる重質油の改質装置を備えたガスタービンについて、図5を用いて説明する。本実施例でも同様に、前述した図1に示す実施例とプラントを構成する機器の基本構成は共通であるので、相違する部分について以下に説明する。尚、図5に示す実施例では、便宜上、改質器13を備えた系統を1系統しか開示していないが、図1の実施例と同様に複数系統、例えば4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dが配置されているものであっても良いし、例えば大型の改質器13を備えた単一の改質燃料系統13aを配置したものであっても適用可能なものである。
図5において、図1の実施例と構成が相違している本実施例の部分は、複数の改質燃料系統13a、13b、13c、13d、或いは単一の改質燃料系統13aに配置された重質油予熱器4、水予熱器9、改質予熱器12及び改質器13の加熱源として、タール焚き燃焼炉26で生成する加熱媒体の燃焼ガスの供給に替えて、電気ヒータ38d、38c、38b、38aを夫々設置していることである。そして全ての予熱器4,9,12及び改質器13を前記電気ヒータ38d、38c、38b、38aによって夫々所望の温度に精度よく加熱制御することにより、タール焚き燃焼炉及び加熱媒体を送給する燃焼ガスの供給系統が不要となるため、改質装置に伴う複雑な配管系統の構成が更に簡素化できる。そして、予熱器4,9,12及び改質器13は電気ヒータ38d、38c、38b、38aにより高精度な温度制御で加熱することによって、前記改質器13に供給される重質油3と水8の混合流体11の温度を更に均一な一定温度に保持できるので、改質器13における重質油の改質反応温度をコーキングが発生しない限界近傍の温度まで更に近づける精度の高い温度制御ができる。これにより、重質油3から改質燃料14を生成する改質燃料の回収率を更に高く向上することができ、ガスタービンプラントの高効率化が可能となる。
そして、前記改質燃料系統13aである改質器13の入口側の配管に設置された温度検出器51で検出した重質油と水の混合流体の温度に基づいて、重質油と水との混合比は一定に保ったままで、混合流体11の温度が高い系統の混合流体11は流量を増加させて温度を低下させ、混合流体11の温度が低い系統の混合流体11は流量を減少させて温度を上昇させるように、制御装置50における演算によって重質油流量調整バルブ30に対してバルブ開度信号Va1・・Va4の指令信号を、水流量調整バルブ31に対してバルブ開度信号Vb1・・Vb4の指令信号を夫々出力して、前記各バルブ30,31の開度を夫々出力して、前記バルブ30,31の開度を夫々制御するのは同じである。そして、本実施例では更に、温度検出器51で検出した重質油と水の混合流体の温度に基づいて、制御装置50における演算によって電気ヒータ38d、38c、38b、38aに対して温度制御信号Hd、Hc、Hb、Haを夫々出力して、加熱が必要な重質油予熱器4,水予熱器9、改質予熱器12及び改質器13の全てを高精度に温度制御している。
尚、前記重質油予熱器4,水予熱器9、改質予熱器12及び改質器13に設けた電気ヒータ38d、38c、38b、38aによる各機器の温度制御は、前述した温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づく重質油流量調整バルブ30及び水流量調整バルブ31の開度制御とは独立させて適用しても良い。
本実施例によれば、タール焚き燃焼炉と、このタール焚き燃焼炉から加熱媒体を供給する配管系統が不要となるので、タール焚き燃焼炉から発生する加熱媒体としての燃焼ガスの流量及び温度の影響を全く受けずに、改質器13で重質油3の改質反応に必要な高温高圧水の状態となる圧力及び温度条件を安定して確保できることから、前記改質燃料系統に設けられた各改質器13の入口側の混合流体11の温度偏差を所望の範囲内に確実に抑制できる。よって、各改質器13で重質油3から改質燃料14を生成するに際してコーキング発生をより確実に回避するだけでなく、各改質器13における重質油3から改質する改質燃料14の回収率を更に高めることが可能となる。
次に、本発明の更に別の実施例となる重質油の改質装置を備えたガスタービンについて、図6を用いて説明する。本実施例は、前述した図4に示す実施例とプラントを構成する機器の基本構成は共通であるので、相違する部分について以下に説明する。尚、図6に示す実施例では、便宜上、改質器13を備えた改質燃料系統13aを1系統しか開示していないが、図4の実施例と同様に複数系統、例えば4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dが配置されているものであっても良いし、例えば大型の改質器13を備えた単一の改質燃料系統13aを配置したものであっても適用可能なものである。
図6において、図4の実施例と構成が相違している本実施例の部分は、図4の実施例におけるタール燃焼炉26に替えて、重質油予熱器4、改質予熱器12、及び改質器13に配管41aを通じて供給する加熱源の蒸気41を発生させる排熱回収ボイラ39をガスタービン22から排出される燃焼排ガス経路に設けている。また、配管44aを通じて供給され、気液混合器10にて重質油3と混合されて混合流体11を生成する高温・高圧の水の供給源となる350〜550℃と高温の蒸気44としても、排熱回収ボイラ39から蒸気を供給している。そして排熱回収ボイラ39では、ガスタービンの燃焼器22bで改質燃料14を燃焼して生じた燃焼ガスによりタービン22cを駆動した後の550℃以上の燃焼排ガスを熱源として改質装置を構成する各機器の加熱媒体となる前記蒸気を発生させるものである。
そして、廃熱回収ボイラ39の蒸気ドラム40から発生する飽和蒸気は、ボイラ内にてガスタービン22から排出された燃焼排ガスとの熱交換によってガスタービンが定格負荷運転時には燃焼排ガス温度に近い420〜500℃(ガスタービンが部分負荷運転時には約380℃程度)と高温の蒸気41に加熱され、加熱媒体として、改質予熱器蒸気流量調整バルブ47を備えた配管41aを通じて改質予熱器12に供給される。この改質予熱器12に供給される前記蒸気44の温度条件の420〜500℃は、改質器13にて重質油と高温高圧水とを接触させて重質油を改質反応させるのに必要な温度条件の400〜480℃を得るために必要となる。
そして改質予熱器12を経て熱交換された蒸気41は、配管41bを通じて重質油予熱器4に加熱媒体として供給される。前記重質油予熱器4にて熱交換されて温度が下がった蒸気45は、重質油予熱器蒸気流量調整バルブ46を備えた配管45aを通じて復水器42に回収される。そして、復水器42で蒸気45は、水タンク5から水ポンプ6により配管8eを通じて供給される常温の水8と混合させることにより凝縮されて復水となる。この復水は、必要流量を供給ポンプ43によって排熱回収ボイラ39に給水として供給され、再度、加熱媒体となる蒸気41、44を発生する。
改質器13で重質油の改質反応に用いる高温・高圧の改質反応用蒸気44は、高圧ポンプ45で昇圧した後にガスタービンの燃焼排ガスとの熱交換によって高温に加熱される。この加熱された改質反応用蒸気44は配管44aを通じて気液混合器10に供給され、重質油予熱器4で加熱した重質油3と混合させて重質油と水との混合流体となる。そして、この混合流体は改質予熱器12での加熱を経て改質器13に供給され、重質油を改質反応させることにより、改質燃料を得るようになっている。更に、改質予熱器12及び改質器13には加熱源となる電気ヒータ38b、38aが設置されており、改質予熱器12及び改質器13を夫々加熱して高精度に温度制御することにより、改質器13の内部を一定の改質反応温度に維持している。
また、制御装置50においても、温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づいて、重質油3と水8との混合比は一定に保ったままで、重質油流量調整バルブ30に対してバルブ開度信号Va1・・Va4の指令信号を出力して重質油3の流量制御を行い、改質器13の電気ヒータ38a、及び改質予熱器12の電気ヒータ38bに対しては温度制御信号Hb、Haを夫々出力して改質予熱器12と改質器13の温度を高精度に温度制御している。
尚、前記改質器13に設けた電気ヒータ38a、及び改質予熱器12に設けた電気ヒータ38bによる各機器の温度制御は、前述した温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づく重質油流量調整バルブ30及び水流量調整バルブ31の開度制御とは独立させて適用しても良い。
本構成を採用することにより、本実施例では、タール焚き燃焼炉と、このタール焚き燃焼炉から加熱媒体を供給する配管系統が不要となる。そして、ガスタービンが定格負荷運転から部分負荷運転に移行してガスタービン22から排出されて廃熱回収ボイラ39に流下する燃焼排ガスの温度が低下した場合でも、気液混合器10に供給される高温・高圧の蒸気44の温度低下を補って、改質器13内の混合流体温度を極めて一定に保つことができる。よって、各改質器13で重質油3から改質燃料14を生成するに際してコーキング発生をより確実に回避するだけでなく、各改質器13における重質油3から改質する改質燃料14の回収率を更に高めることが可能となる。また、前記改質器13及び改質予熱器12は電気ヒータ38a、38bにより高精度に温度制御されるため、他の加熱源から加熱媒体を供給する配管が不要となり、装置の構成が簡素化される。
次に、本発明の更に別の実施例となる重質油の改質装置を備えたガスタービンについて、図7を用いて説明する。本実施例でも同様に、前述した図5に示す実施例とプラントを成する機器の基本構成は共通であるので、相違する部分について以下に説明する。尚、図7に示す実施例では、便宜上、改質器13を備えた系統を1系統しか開示していないが、図5の実施例と同様に複数系統、例えば4系統の改質燃料系統13a、13b、13c、13dが配置されているものであっても良いし、例えば大型の改質器13を備えた単一の改質燃料系統13aを配置したものであっても適用可能なものである。
図7において、図5の実施例と構成が相違している本実施例の部分は、図5の実施例における気液混合器10で重質油と混合される加熱蒸気源として排熱回収ボイラ39を設け、この排熱回収ボイラ39で発生した加熱蒸気を供給するようにしている。そして、この廃熱回収ボイラ39において、蒸気ドラム40から発生する飽和蒸気は、ボイラ内にてガスタービンから排出された燃焼排ガスとの熱交換によって混合器10で重質油3と混合される高温・高圧の蒸気となる。即ち、高圧ポンプ45で昇圧した給水をガスタービンの燃焼排ガスとの熱交換によって高温に加熱した蒸気44として配管44aを通じて気液混合器10に供給される。そして、前記蒸気44は電気ヒータ38dによって重質油予熱器4で加熱した重質油3と気液混合器10にて混合させて重質油と水との混合流体11を生成する。そして、この混合流体11は電気ヒータ38bによる改質予熱器12での加熱を経て電気ヒータ38aで加熱されている改質器13に供給され、この改質器13にて重質油を改質反応させることにより、改質燃料を生成するようになっている。更に、重質油予熱器4、改質予熱器12及び改質器13には加熱源となる電気ヒータ38d、38b、38aが設置されており、これらによって前記各機器を夫々高精度に温度制御することにより、改質器13の内部を一定の改質反応温度に維持している。
また、制御装置50においても、温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づいて、重質油3と水8との混合比は一定に保ったままで、重質油流量調整バルブ30に対してバルブ開度信号Va1・・Va4の指令信号を出力して重質油3の流量制御を行い、改質器13の電気ヒータ38a、改質予熱器12の電気ヒータ38b、及び重質油予熱器4の電気ヒータ38dに対しては温度制御信号Ha、Hb、Hdを夫々出力して、改質器13、改質予熱器12、及び重質油予熱器4の温度を高精度に温度制御している。
尚、前記重質油予熱器4,改質予熱器12及び改質器13に設けた電気ヒータ38d、38b、38aによる各機器の温度制御は、前述した温度検出器51で検出した重質油3と水8の混合流体11の温度に基づく重質油流量調整バルブ30及び水流量調整バルブ31の開度制御とは独立させて適用しても良い。
本構成を採用することにより、本実施例では、タール焚き燃焼炉と、このタール焚き燃焼炉から加熱媒体を供給する配管系統が不要となる。そして、ガスタービンが定格負荷運転から部分負荷運転に移行してガスタービン22から排出されて廃熱回収ボイラ39に流下する燃焼排ガスの温度が低下した場合でも、改質反応用蒸気44の温度低下を抑制して、改質器13内における重質油の改質反応に必要な前述した改質反応温度を実質的に一定に保つことができる。
よって、各改質器13で重質油3から改質燃料14を生成するに際してコーキング発生をより確実に回避するだけでなく、各改質器13における重質油3から改質する改質燃料14の回収率を80%以上に更に高めることが可能となる。また、重質油予熱器4、改質予熱器12及び改質器13を加熱するための加熱媒体を供給する配管系統が不要となり、装置のコンパクト化が図れる。また、本実施例では排熱回収ボイラ39から改質反応用の蒸気44のみを気液混合器10に供給しているので、前記予熱器4、12の加熱に用いた場合に必要となる蒸気の配管系統及び蒸気を凝縮させる復水器が不要となり、ガスタービンプラントのシステム構成が簡素化される。
本発明は、重質油から改質燃料を製造する重質油の改質装置、並びに重質油の改質装置を備えたガスタービンに適用可能である。
1…重質油タンク、2…重質油ポンプ、3…重質油、3a、3b、3c、3d…配管、4…重質油予熱器、5…水タンク、6…水ポンプ、7…改質油冷却器、8…水、8a、8b、8c、8d…配管、9…水予熱器、10…気液混合器、11…混合流体、12…改質予熱器、13…改質器、13a、13b、13c、13d…改質燃料系統、14…改質燃料、15 …タール、16…減圧装置、17…気液分離器、18…改質ガス、19…改質油、20…改質油タンク、21…改質油ポンプ、22…ガスタービン、22b…燃焼器、23…発電機、24…タールタンク、25…タールポンプ、26…タール焚き燃焼炉、27…循環ブロワ、28…空気供給ブロワ、29…燃焼ガス、29a、29b、29c、29d…配管、30…重質油流量調整バルブ、31…水流量調整バルブ、32…重質油予熱器燃焼ガス流量調整バルブ、33…水予熱器燃焼ガス流量調整バルブ、 34 …改質予熱器燃焼ガス流量調整バルブ、35…改質器燃焼ガス流量調整バルブ、 36…バイパスガス流量調整バルブ、37…再循環ブロワ燃焼ガス流量調整バルブ、38a、38b、38c、38d…電気ヒータ、39…排熱回収ボイラ、40…蒸気ドラム、41…蒸気、41a、44a、45a…配管、42…復水器、43…給水ポンプ、44…蒸気、45…高圧水ポンプ、46…重質油予熱器蒸気流量調整バルブ、47…改質予熱器蒸気流量調整バルブ、50…制御装置、51…温度検出器。
Claims (18)
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して該重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、改質燃料を生成する改質器を備え、前記改質器で生成した改質流体を燃料として供給する重質油の改質装置において、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油の流量を制御する第1の制御弁を夫々配設し、前記複数の改質燃料系統に水を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁を夫々配設し、各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記第1の制御弁及び第2の制御弁を制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置。
- 請求項1の重質油の改質装置において、前記第1の制御弁及び第2の制御弁の制御は、各改質器の上流側の前記改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の混合比を保持した状態で夫々の弁開度を制御することを特徴とする重質油の改質装置。
- 請求項1の重質油の改質装置において、前記各改質燃料系統の改質器の上流側には重質油と水との混合流体を改質反応に良好な温度まで昇温させる改質予熱器と、重質油と前記水とを混合する気液混合器とを配設し、前記気液混合器に供給される重質油供給系統には重質油を昇温する重質油予熱器を、前記気液混合器に供給される水供給系統には水を昇温する水予熱器を夫々配置するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置。
- 請求項3の重質油の改質装置において、前記各改質燃料系統の改質器で生成したタールを燃料として燃焼させるタール焚き燃焼炉を備え、前記タール焚き燃焼炉で発生する燃焼ガスを前記改質器、改質予熱器、重質油予熱器、及び水予熱器の少なくとも1個の機器に加熱媒体として供給する配管系統を配設したことを特徴とする重質油の改質装置。
- 請求項3又は請求項4の重質油の改質装置において、前記改質器、改質予熱器、重質油予熱器、及び水予熱器の少なくとも1個の機器に、加熱源として電気ヒータを配設したことを特徴とする重質油の改質装置。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して該重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、改質燃料を生成する改質器を備え、前記改質器で生成した改質流体を燃料としてガスタービンの燃焼器に供給する重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統の各改質器で生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に供給する改質燃料供給系統を配設し、前記複数の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統と、該重質油供給系統に位置して重質油の流量を制御する第1の制御弁を夫々配設し、前記複数系統の改質燃料系統に水を供給する水供給系統と、該水供給系統に位置して水の流量を制御する第2の制御弁を夫々配設し、各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記第1の制御弁及び第2の制御弁を制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項6の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記第1の制御弁及び第2の制御弁の制御は、各改質器の上流側の前記改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の混合比を保持した状態で夫々の弁の開度を制御することを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項6の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記各改質燃料系統の改質器の上流側には重質油と水との混合流体を改質反応に良好な温度と圧力となるように加熱・加圧させる改質予熱器と、重質油と前記水とを混合する気液混合器とを夫々配設し、前記気液混合器に供給される重質油供給系統には重質油を昇温する重質油予熱器を、前記気液混合器に供給される水供給系統には水を昇温する水予熱器を夫々配置するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項8の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記各改質燃料系統の改質器で生成したタールを燃料として燃焼させるタール焚き燃焼炉を設け、前記タール焚き燃焼炉で発生する燃焼ガスを前記改質器、改質予熱器、重質油予熱器、及び水予熱器の少なくとも1個の機器に加熱媒体として供給する配管系統を配設したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項8又は請求項9の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質器、改質予熱器、重質油予熱器、及び水予熱器の少なくとも1個の機器に、加熱源として電気ヒータを設けたことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して該重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、改質燃料を生成する改質器を備え、前記改質器で生成した改質流体を燃料としてガスタービンの燃焼器に供給する重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統の各改質器で生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に供給する改質燃料供給系統を配設し、前記各改質燃料系統の改質器の上流側には重質油と水との混合流体を改質反応に良好な温度に昇温させる改質予熱器と、重質油と前記水とを混合する気液混合器とを配設し、前記気液混合器に供給される重質油供給系統には重質油を昇温する重質油予熱器を、前記気液混合器に供給される水供給系統には水を昇温する水予熱器を夫々配置するように構成し、前記複数の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統には重質油の流量を制御する制御弁を設置し、ガスタービンから排出される燃焼排ガス系統には排熱回収ボイラを設置して、該排熱回収ボイラで燃焼排ガスから熱を回収して生成した高温の蒸気を重質油と混合する混合流体を生成する蒸気として供給する配管を配設し、前記排熱回収ボイラで発生した蒸気の一部を前記改質器、改質予熱器、及び重質油予熱器の少なくとも1個の機器に加熱媒体として供給するように配管を配設し、更に、前記各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記各重質油供給系統に配設した制御弁を制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービンプラント。
- 請求項11の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記重質油予熱器、改質予熱器、改質器の少なくとも1個以上の機器に電気ヒータを設置して加熱することを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービンプラント。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して該重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、改質燃料を生成する改質器を備え、前記改質器で生成した改質流体を燃料としてガスタービンの燃焼器に供給する重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を複数系統配設し、前記複数の改質燃料系統の各改質器で生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に供給する改質燃料供給系統を配設し、前記各改質燃料系統の改質器の上流側には重質油と水との混合流体を改質反応に良好な温度に昇温させる改質予熱器と、重質油と前記水とを混合する気液混合器とを配設し、前記気液混合器に供給される重質油供給系統には重質油を昇温する重質油予熱器を、前記気液混合器に供給される水供給系統には水を昇温する水予熱器を夫々配置するように構成し、前記複数の改質燃料系統に重質油を供給する重質油供給系統には重質油の流量を制御する制御弁を設置し、ガスタービンから排出される燃焼排ガス系統には排熱回収ボイラを設置して、該排熱回収ボイラで燃焼排ガスから熱を回収して生成した高温の蒸気を重質油と混合する混合流体を生成する蒸気として供給する配管を配設し、前記重質油予熱器、改質予熱器、改質器の機器に電気ヒータを夫々設置して加熱するように構成し、更に、前記各改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記各改質燃料系統に配設した制御弁を制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービンプラント。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して該重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、改質燃料を生成する改質器を備え、前記改質器で生成した改質流体を燃料としてガスタービンの燃焼器に供給する重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、重質油と水との混合流体を加熱・加圧して改質反応させて改質燃料を生成する前記改質器を備えた改質燃料系統を配設し、前記改質燃料系統の改質器で生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に供給する改質燃料供給系統を配設し、前記改質燃料系統の改質器の上流側には重質油と水との混合流体を改質反応に良好な温度と圧力となるように加熱・加圧させる改質予熱器と、重質油と前記水とを混合する気液混合器とを夫々配設し、前記改質器及び改質予熱器の内、少なくとも改質器に加熱源として電気ヒータを設け、前記改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記電気ヒータの加熱温度を制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項14の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記改質器及び改質予熱器の双方に加熱源として電気ヒータを夫々設け、前記改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記電気ヒータの加熱温度を夫々制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 請求項14の重質油の改質装置を備えたガスタービンにおいて、前記気液混合器に供給される重質油供給系統に重質油を昇温する重質油予熱器を、前記気液混合器に供給される水供給系統に水を昇温する水予熱器を夫々配置し、前記改質器、改質予熱器、重質油予熱器、及び水予熱器の全てに加熱源として電気ヒータを夫々設け、前記改質器の上流側の改質燃料系統を流れる重質油と水の混合流体の温度に基づいて前記各電気ヒータの加熱温度を夫々制御するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービン。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して改質燃料系統に備えられた改質器にて前記重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、生成した改質燃料を燃料として供給するものにおいて、改質反応させる重質油と水との混合流体を複数の改質燃料系統に分けて流下させて各改質燃料系統に設置された各改質器に供給するようにし、前記各改質器の上流側で各改質燃料系統を流れる前記混合流体の温度を検出して、この検出された夫々の各混合流体の温度に基づいて前記各改質燃料系統に供給される重質油及び水の供給量を夫々制御して前記各改質器にて改質反応させ、改質燃料を生成することを特徴とする重質油の改質方法。
- 重質油と水を高温・高圧に加熱・加圧して改質燃料系統に備えられた改質器にて前記重質油を高温高圧水と接触させて改質反応させ、生成した改質燃料を燃料としてガスタービンの燃焼器に供給するものにおいて、改質反応させる重質油と水との混合流体を複数の改質燃料系統に分けて流下させて各改質燃料系統に設置された各改質器に供給するようにし、前記各改質器の上流側で各改質燃料系統を流れる前記混合流体の温度を検出して、この検出された夫々の各混合流体の温度に基づいて前記各改質燃料系統に供給される重質油及び水の供給量を夫々制御して前記各改質器にて改質反応させて改質燃料を生成し、この生成した改質燃料をガスタービンの燃焼器に燃料として供給することを特徴とする重質油の改質装置を備えたガスタービンの重質油改質方法。
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