JP2007186310A - 搬送穀粒分離装置および搬送穀粒分離方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状のタンク部17の上部に縦状の流入筒19を設け、該流入筒19には、送風装置2の吸気部3に接続して吸引搬送風により搬送対象物Tを搬送する搬送筒1のうちの搬送物搬送筒1Aを接続し、前記タンク部17の上部側面にはタンク部17内の搬送風を排気する排気口20を形成し、排気口20には搬送筒1のうちの排気用筒1Bを接続し、前記流入筒19の下端は、前記排気口20より所定間隔をおいた下方で下向き開口させた搬送物分離装置。
【選択図】図1
Description
また、タンク中心に上昇する渦流が発生するため、タンク内は送風機が作動している間前記渦流が常時上方に吸引するように作用し、搬送対象物の全てが排出されずにタンク内に浮遊し、残留物となる「浮遊残留現象」と当業者が呼ぶ残留物が発生する課題もある。
本願は、搬送風の流れを鋭意研究した結果、タンクの内面に穀粒を摺接させずに、穀粒と搬送風とを分離できるように工夫し、搬送対象物の損傷および「浮遊残留現象」を防止したものである。
本発明は、前記流入筒19は、穀粒搬送筒1Aの内径に対して略2倍以上の大径に形成した搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記流入筒19の下端と排気口20との間の前記所定間隔は、排気口20からの排気により流入筒19の下端から落下する穀粒Tが吸引されない間隔に設定した搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記流入筒19はタンク部17の天板18の中心付近に縦状に取付けた搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記排気口20は前記タンク部17の中心に向かって開口させた搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記搬送穀粒分離装置16は、下部に落下口25を形成し、落下口25には該落下口25を開閉する開閉変形バルブ27を設け、開閉変形バルブ27はゴムや合成樹脂等の弾性部材により弾性変形して開閉するように形成した搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記開閉変形バルブ27は、その上部はタンク部17の落下口25に接続する接続部28に形成し、接続部28の下方には相対峙するように開閉弾性片29を設け、開閉弾性片29はタンク部17内が吸引されると、互いの開閉弾性片29の内面が接着して閉塞状態となり、タンク部17内の吸引が停止すると、タンク部17内の穀粒Tの自重で互いの開閉弾性片29が離れて開放状態となり、穀粒Tを落下させるように構成した搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、前記タンク部17の下部は、次第に細くなる漏斗部23に形成して構成し、漏斗部23それ自体合成樹脂等により衝撃を吸収しうるように構成するか、または、漏斗部23の内面に衝撃吸収部材24を設けた搬送穀粒分離装置としたものである。
本発明は、筒状のタンク部17の上部の流入筒19から送風装置2による吸引搬送風により搬送した穀粒Tを流入させ、流入筒19下端より所定間隔上方に設けたタンク部17の側方の排気口20から送風装置2の吸気部3に吸引排気し、タンク部17内に該タンク部17の縦軸心を中心とする渦流の発生を抑制しつつ搬送風と穀粒Tとを分離する搬送穀粒分離方法としたものである。
請求項2の発明では、前記の効果を奏する外に、穀粒Tを流入筒19の部分から搬送風と分離でき、一層、穀粒Tが排気と共に排出するのを防止できる。
請求項3の発明では、前記の効果を奏する外に、穀粒Tの流入筒19の下端から下方への落下を確実にし、穀粒Tが排気と共に排出するのを防止できる。
請求項4の発明では、前記の効果を奏する外に、流入筒19の下端から吹き出す搬送風がタンク部17の縦軸心を中心とする渦流になるのを抑制できる。
請求項5の発明では、前記の効果を奏する外に、タンク部17内の縦軸心の渦流発生を抑制しつつ、タンク部17内を均等に排気でき、排気による穀粒Tの排出の防止を一層確実にできる。
請求項6の発明では、前記の効果を奏する外に、吸引搬送の開始および停止させる開閉変形バルブ27を、簡単に安価に製造・組立できる。
請求項7の発明では、前記の効果を奏する外に、送風装置2および搬送筒1による吸引搬送の開始および停止を、確実にできる。
請求項8の発明では、前記の効果を奏する外に、衝撃を吸収しうる合成樹脂等により形成した漏斗部23または、漏斗部23の内面の衝撃吸収部材24により穀粒Tの損傷を防止できる。
請求項9の発明では、搬送風を渦流にしなくても、搬送風の圧力を減少させることができ、そのため、穀粒Tのタンク部17の内周との摺接を防止でき、摺接に伴う穀粒Tの損傷を防止でき、また、タンク部17内に縦の渦流ができないので、穀粒Tの排出も良好にできる。
送風装置2は公知のものであり、ファン(図示省略)を回転させて、送風装置2の一方側から吸引して他方に排気するように構成する。送風装置2の吸気部3には、前記搬送筒1の一端を接続して吸引搬送風路4に形成する(図3)。5は送風装置2の排気口であり、排気口5から排気する。
送風装置2により吸引される吸引搬送風は、送風装置2で圧縮されて排気口5より排気される高圧排気風に比し温度が低いため、張り込みホッパー10から搬送筒1内の搬送風により空気搬送するに際して穀粒Tの温度の上昇を抑制または防止して、穀粒Tの変質を防止する。
即ち、張り込みホッパー10から送風装置2までの搬送筒1内には、送風装置2で吸引された吸引風が流れ、張り込みホッパー10から搬送筒1に張り込まれた搬送穀粒は、吸引風により搬送穀粒分離装置16まで搬送され、搬送穀粒分離装置16で空気と分離されて貯留タンク15内に入る。
搬送穀粒分離装置16は、筒形状のタンク部17の天板18に流入筒19を設け、少なくとも、タンク部17内の流入筒19の流入部19Aは縦状に形成し、タンク部17の外の流入筒19の接続部19Bには吸引搬送風路4を形成する搬送筒1のうちの穀粒搬送筒1Aを接続する。
この場合、図2のように、流入筒19は、正面視において、上面側を円弧面19Cに、下面側19Dを直線状に形成すると、穀粒搬送筒1Aからの穀粒Tの流入が円滑になり、好適である。
この場合、タンク部17は、流入筒19の流入部19Aに対して相対的に大径に形成し、流入部19Aから吹き出す搬送風の物体に与える圧力である風圧(風力)を減少させるように、構成する。
即ち、ベルヌーイの法則等により、風力は風路の面積が狭くなると強く、面積が広くなると弱くなるから、タンク部17を流入筒19の流入部19Aに対して相対的に大径に形成することにより、タンク部17の容積を穀粒搬送筒1Aに対して所定容積とするように形成し、一旦、流入筒19の流入部19Aから吹き出す搬送風の風圧を減少させて搬送風と穀粒Tとを分離し、分離した搬送風を排気口20から吸引排気するとき、流入筒19の下端を排気口20より所定間隔を離すことにより、流入筒19の下端から落下する穀粒Tが排気口20より吸引されないように構成する。
したがって、流入筒19の下端と排気口20との間の前記所定間隔は、排気口20からの吸引排気の影響受けずに、流入筒19の下端から穀粒Tが略垂直落下しうる間隔に設定する。
この場合、図2、図7、図10の実施例では、穀粒搬送筒1Aの内径W(排気口20)は約72mm、円弧面19Cは直径Rが約300mmの円弧、流入部19Aの内径Yは約200mm、タンク部17の内径Zは約400mmに設定しているので、穀粒搬送筒1Aから接続部19Bに搬送風が流入するときから、搬送風は拡散して搬送風の圧力の減圧作用を奏して、搬送風と穀粒Tとの分離を開始できて、好適である。
即ち、穀粒搬送筒1Aの内径に対して流入部19Aの内径を、2倍以上の大径に形成するとよい(図10)。
また、流入筒19の流入部19Aは天板18の中心付近に取付け、排気口20はタンク部17の正面中央に設けると、流入筒19からの吹き込むときおよび搬送風が排気口20から排気されるとき、タンク部17内のタンク部17の縦軸心を中心とする空気の渦流の発生を最小限に抑制でき、好適である。
即ち、排気口20は平面視タンク部17の接線に対して略直交するように開口させる。
また、同様に、貯留タンク15の下部の漏斗部23Aもそれ自体合成樹脂等により衝撃を吸収しうるように構成するか、また、漏斗部23Aの内面に合成樹脂等により形成した衝撃吸収部材(図示省略)をコーティング等の任意の手段により設けると、穀粒Tの損傷を抑制し、好適である。
しかして、タンク部17の下部には落下口25を設け、落下口25には開閉機構26を設ける。
開閉機構26は落下口25を閉塞することにより、タンク部17内を含めて搬送筒1全体を送風装置2で吸引できるようにする。
即ち、開閉機構26は落下口25を閉塞すると、タンク部17内を含めて搬送筒1全体が吸引され、張り込みホッパー10から搬送穀粒分離装置16のタンク部17へ穀粒Tが搬送され、搬送穀粒分離装置16により搬送風と穀粒Tとを分離させ、タンク部17内に所定量の穀粒Tが貯留すると、開閉機構26は落下口25を開放して穀粒Tが貯留タンク15へ供給されるようにし、次に、タンク部17内の穀粒Tが貯留タンク15へ供給されると、再び、開閉機構26は落下口25を閉塞して穀粒Tを搬送穀粒分離装置16に搬送し、この作業を反復して、張り込みホッパー10から貯留タンク15へ穀粒Tを搬送する。
接続部28の下方には相対峙するように開閉弾性片29を設け、開閉弾性片29はタンク部17内が吸引されると、互いの開閉弾性片29の内面が接着して閉塞状態となり、タンク部17内の吸引が停止すると、穀粒Tの自重で互いの開閉弾性片29が離間して開放状態となり、穀粒Tを落下させる。
即ち、開閉変形バルブ27は、開閉弾性片29が弾性変形することにより、あたかも、喉(スロート)が開閉するように開閉するのであり、そのため、特別な開閉の操作機構を必要せず、頗る安価に形成しながら、タンク部17内の負圧と穀粒Tの重量で開閉するため、正確に作動させることができる。
なお、開閉変形バルブ27に変えて板部材を摺動させる開閉シャッタや、あるいは、ロータリーバルブにより開閉機構26を構成してもよい。
空気通路開閉用バルブ35の下手側の排気用筒1Bには、ダスト用サイクロン(エアクリーナー)37を設ける。ダスト用サイクロン37は、公知のものであり、搬送風(吸引風)に混入した塵埃を分離除去するものであればよく、詳細は省略する。ダスト用サイクロン37の下手側の排気用筒1Bは、送風装置2の吸気部3に接続する。
張り込みホッパー10の張り込みシャッター12を閉じて張り込みホッパー10に穀粒Tを張り込み、次に、空気通路開閉用バルブ35を閉状態にして送風装置2に通電し、送風装置2に通電後空気通路開閉用バルブ35を開くと、搬送筒1内の空気が送風装置2により吸引され、これにより、搬送穀粒分離装置16のタンク部17内が負圧になり、開閉機構26の開閉変形バルブ27の一対の開閉弾性片29は互いに吸着されて閉状態になる。
この状態で、張り込みホッパー10の張り込みシャッター12を開くと、張り込みホッパー10内の穀粒Tは搬送筒1内に吸引され、搬送筒1内を流れる吸引風により穀粒搬送筒1Aと搬送穀粒分離装置16との接続部の流入筒19に至る。
この場合、タンク部17は、流入筒19の流入部19Aに対して相対的に大径に形成しているから、流入部19Aから吹き出す搬送風の風圧はタンク部17内に入ることにより減圧され、搬送風と穀粒Tとが分離され、穀粒Tはそのままタンク部17内に落下し、分離した搬送風は排気口20から吸引排気され、このとき、流入筒19の下端が排気口20より所定間隔を離されていることにより、流入筒19の下端から落下する穀粒Tが排気口20より直接吸引されることはない。
したがって、吸引搬送風路4により搬送された穀粒Tは、搬送穀粒分離装置16内のタンク部17に垂直落下するのみで搬送風と分離され、流入筒19の下端から落下した穀粒Tがタンク部17内の底部に落下するときの衝撃は、従来のサイクロンのようにサイクロン内壁に直接摺接回転するのに比し、遥かに小さく、穀粒Tが損傷するのを防止する。
この場合、図2、図7、図10の実施例では、穀粒搬送筒1Aの内径は約72mm、円弧面19Cは直径約300mmの円弧、流入部19Aの内径は約200mm、タンク部17の内径は約400mmに設定し、穀粒搬送筒1Aの内径に対して流入部19Aの内径を、略2倍以上の大径に形成しているから、穀粒搬送筒1Aから流入部19へ吹き出す搬送風の風圧はタンク部17内に入る前の流入部19から減圧され、搬送風と穀粒Tとの分離が一層良好に行われて、穀粒Tはタンク部17内に落下する。
また、流入部19の上面側は円弧面19Cに形成しているので、穀粒搬送筒1Aから流入部19への搬送も円滑になって、穀粒Tの損傷を防止する。
また、流入筒19は天板18の中心付近に取付けると、流入筒19の下端から吹き出す搬送風は、排気口20に向かって均等に流すことができ、一層、タンク部17内の穀粒Tの吸引排出を防止できて好適である。
同様に、排気口20はタンク部17の正面中央に設けると、流入筒19の下端から排気口20へ向かう搬送風の流れを均等にして、穀粒Tの排気に伴う吸引排出を防止できて好適である。
しかして、タンク部17の下部の落下口25は開閉機構26により開閉するように構成され、開閉機構26は落下口25を閉塞することにより、タンク部17内を含めて搬送筒1全体を送風装置2で吸引できるようにしているから、張り込みホッパー10から搬送穀粒分離装置16のタンク部17へ穀粒Tを搬送して搬送風と分離させ、タンク部17内に所定量の穀粒Tが貯留すると、開閉機構26により落下口25を開放して貯留タンク15へ供給し、次に、再び、落下口25を開閉機構26により閉塞して穀粒Tを搬送穀粒分離装置16に搬送し、この作業を反復して、張り込みホッパー10から貯留タンク15へ穀粒Tを搬送する。
したがって、開閉変形バルブ27は、電気やバネ等を用いることなく、特別な開閉のための操作機構を不要としながら、タンク部17内の負圧と穀粒Tの重量で開閉するため、正確に作動させることができ、更に、ゴムや合成樹脂等の弾性部材により筒状に開閉弾性片29が相対峙するように形成すればよいので、頗る安価に形成でき、製造取付(組立)も容易である。
したがって、張り込みホッパー10の張り込みシャッター12の開放時間に合わせて、所定時間経過させる等によりタンク部17内に一定量の穀粒Tが貯留したときに、空気通路開閉用バルブ35を閉じれば、開閉変形バルブ27は開いてタンク部17内の穀粒Tを貯留タンク15に流入させる。
しかして、タンク部17で穀粒Tから分離した搬送風は排気口20から排気用筒1Bに入り、ダスト用サイクロン37で搬送風(吸引風)に混入した塵埃を分離除去して送風装置2の吸気部3に至り、排気口5から排気される。
即ち、本願の搬送穀粒分離装置16は、従来のサイクロンと相違して上昇方向の渦流が発生しないので、従来のようなタンク内で穀粒が浮遊することがなく、それゆえ、「浮遊残留現象」の発生も防止でき、その結果、送風装置2を停止させなくても、タンク部17内の穀粒Tを全部排出させることができる。
そのため、作業効率が向上し、また、異種残留物の混入を防止する。
Claims (9)
- 筒状のタンク部17の上部に縦状の流入筒19を設け、該流入筒19には、送風装置2の吸気部3に接続して吸引搬送風により搬送対象物Tを搬送する搬送筒1のうちの搬送物搬送筒1Aを接続し、前記タンク部17の上部側面にはタンク部17内の搬送風を排気する排気口20を形成し、該排気口20には搬送筒1のうちの排気用筒1Bを接続し、前記流入筒19の下端は、前記排気口20より所定間隔をおいた下方で下向き開口させた搬送物分離装置。
- 請求項1において、前記流入筒19は、搬送物搬送筒1Aの内径に対して略2倍以上の大径に形成した搬送物分離装置。
- 請求項1または請求項2において、前記流入筒19の下端と排気口20との間の前記所定間隔は、排気口20からの排気により流入筒19の下端から落下する搬送対象物Tが吸引されない間隔に設定した搬送物分離装置。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記流入筒19はタンク部17の天板18の中心付近に縦状に取付けた搬送物分離装置。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記排気口20は前記タンク部17の中心に向かって開口させた搬送物分離装置。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5において、前記搬送物分離装置16は、下部に落下口25を形成し、落下口25には該落下口25を開閉する開閉変形バルブ27を設け、開閉変形バルブ27はゴムや合成樹脂等の弾性部材により弾性変形して開閉するように形成した搬送物分離装置。
- 請求項6において、前記開閉変形バルブ27は、その上部はタンク部17の落下口25に接続する接続部28に形成し、接続部28の下方には相対峙するように開閉弾性片29を設け、開閉弾性片29はタンク部17内が吸引されると、互いの開閉弾性片29の内面が接着して閉塞状態となり、タンク部17内の吸引が停止すると、タンク部17内の搬送対象物Tの自重で互いの開閉弾性片29が離れて開放状態となり、搬送対象物Tを落下させるように構成した搬送物分離装置。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7において、前記タンク部17の下部は、次第に細くなる漏斗部23に形成して構成し、漏斗部23それ自体合成樹脂等により衝撃を吸収しうるように構成するか、または、漏斗部23の内面に衝撃吸収部材24を設けた搬送物分離装置。
- 筒状のタンク部17の上部の流入筒19から送風装置2による吸引搬送風により搬送した搬送対象物Tを流入させ、流入筒19下端より所定間隔上方に設けたタンク部17の側方の排気口20から送風装置2の吸気部3に吸引排気し、タンク部17内に該タンク部17の縦軸心を中心とする渦流の発生を抑制しつつ搬送風と搬送対象物Tとを分離する搬送物分離方法。
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