JP2007182929A - 配管の補修方法 - Google Patents

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嘉英 石山
Kazunari Uchida
一成 内田
Kyoji Obata
亨司 小畠
Haruo Fujimori
治男 藤森
Shigeo Hattori
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Abstract

【課題】溶接等の補修作業が困難である場所に生じた配管の漏れを閉塞による効率低下を招くことなく補修する。
【解決手段】 補修する対象の配管1の内径に応じた外径を持つ円筒状の形状記憶合金補修管3を配管1内に挿入し、漏れが生じている位置に設置後形状回復させ、配管内周面に密着させることにより漏れを物理的に封止する。前記形状記憶合金補修管3は、補修対象の配管1の内径より大きい外径を持つ円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で、補修対象配管の内径より小さい外径になるよう加工される。前記加工を受けた形状記憶合金補修管3は、前記補修対象の配管1内に挿入されて配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向して位置決めされ、形状回復温度(As点)以上に加熱して形状回復させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体の流路や熱交換に使用される配管の補修方法に係り、特に、配管からの流体の漏れが生じた部分あるいは漏れを生じる惧れがある部分の配管の補修方法に関する。
配管からの流体の漏れが生じた部分あるいは漏れを生じる惧れがある部分の配管の補修方法としては、従来、溶接により漏れ部を塞ぐ方法や漏れが生じた配管を取替える方法等がある。しかし、これらの方法では、配管が狭隘な場所に設置されている場合や密集して設置されている場合、溶接等の作業を実施するスペースが無く、補修困難な場合がある。このような場合の対処法の一つとして、漏れが生じた配管あるいは漏れを生じる惧れがある配管に栓をして閉塞し、配管内への流体の流通を停止することにより対処する方法がある。
原子力プラントを例にあげると、加圧水型炉(PWR)では炉心部で加熱された1次系の水を熱交換器である蒸気発生器の加熱流体側流路に流して被加熱流体側流路を流れる2次系の水を加熱して蒸気を発生し、発生した蒸気によりタービンを回し発電している。この蒸気発生器の加熱流体側流路は1次系の水が流れる多数の伝熱管の集合体で構成されており、前記伝熱管に割れ等の欠陥が生じると放射性物質を含む1次系の水が2次系の水に混入する可能性が生じる。このため、欠陥が生じる可能性のある配管については補修する必要があるが、伝熱管が多数集合した構造になっていることおよび狭隘な場所で作業が困難であることから、欠陥が生じる可能性のある伝熱管に栓をして閉塞することにより漏れを防止している。
非特許文献1には、形状記憶合金で作ったスリーブ継手を用いて配管の接続を行う例が示されているが、補修については、なにも示されていない。
金属材料活用辞典(産業調査会)2000年1月p564.
しかし、配管を栓により閉塞してしまうと熱交換に供される伝熱管が少なくなるため、効率が落ちることになる。同様な構造のものとしては火力発電所の熱交換器があり、同じ課題を抱えている。
本発明の課題は、溶接等の補修作業が困難である場所において漏れを生じた配管あるいは漏れの惧れがある配管を、閉塞等による効率低下を招くことなく補修することである。
上記の課題を解決するために、本発明では以下に述べるような方法を用いる。すなわち、配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向して形状記憶合金を位置させ、該形状記憶合金を形状回復させることにより、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分の配管壁面を封止する。
配管内部へのアクセスが困難な場合、配管の漏れが発生している部位の外側に円筒状の形状記憶合金を嵌めこみ、形状回復させて配管外周面に密着させることにより漏れを物理的に封止する。この場合、前記形状記憶合金は、補修対象配管の外径より小さい内径を持つ円筒状でかつその壁面に軸方向に延在する切れ目を有するように形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものとし、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、前記切れ目の間隔が補修対象配管の外径より大きくなるように曲げ加工されたのち、補修対象配管の外側から、該配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向するように嵌めこまれる。
配管内部へのアクセスが可能な場合、補修する対象の配管の内径に応じた外径を持つ円筒状の形状記憶合金を当該配管内に挿入し、漏れが生じている位置に設置後形状回復させ、配管内周面に密着させることにより漏れを物理的に封止する。前記形状記憶合金は、補修対象配管の内径より大きい外径を持つ円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、補修対象配管の内径より小さい外径になるよう加工されたのち、補修対象配管内に挿入されて配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向して位置決めされる。
漏れが、管板と管の溶接部やその近傍で生じている場合、軸方向一方の端部にラッパ状に拡大された折り返し部を備えた円筒状の形状記憶合金を当該配管内に挿入し、漏れが生じている位置に設置後形状回復させ、円筒状の部分を配管内周面に密着させるとともに、ラッパ状の部分を管板面に直接あるいはガスケットを介して密着させることにより漏れを物理的に封止する。この場合、前記形状記憶合金は軸方向一方の端部にラッパ状に形成された折り返し部を備えた円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、円筒状部分の外径を縮小するとともに前記折り返し部を円筒状部分の軸線に直交する面となるように加工する。前記加工後、補修対象配管内に挿入し、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が前記円筒状部分に対向し、前記折り返し部と管板の間隔が所定の間隔となるように前記形状記憶合金を位置決めしたのち、前記形状記憶合金を形状回復させる。形状回復により、前記折り返し部の端部を前記管板に直接若しくはガスケットを介して当接、密着させるとともに、前記円筒状部分の外周面を補修対象配管の内面に当接、密着させる。
円筒状の形状記憶合金の軸方向一方の端部にラッパ状の部分を形成する代わりにフランジを形成し、円筒状の部分の径を縮小加工するとともに軸方向に引き伸ばす加工を行っておき、補修位置に挿入した後形状回復させ、円筒状の部分の外周を配管内周面に密着させるとともに、フランジ部分を管板面に密着させることにより漏れを物理的に封止するようにしてもよい。
また、形状記憶合金の円筒状部分を補修対象の配管内に挿入する場合、前記形状記憶合金のマルテンサイト変態点以下の温度で外径を縮小する手順ののち、外径を縮小した円筒状部分に、外周面に円周に沿って環状に形成された複数の突条を備えたスリーブを嵌め込んで補修対象配管内に挿入するようにしてもよい。この場合、前記形状記憶合金の補修対象配管内での位置決めは、前記スリーブの前記複数の突条の間に前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が対向するように、若しくは前記突条と前記折り返し部またはフランジ部の間に前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が位置するように位置決めする。位置決め後、前記形状記憶合金を形状回復させ、形状記憶合金の形状回復により前記スリーブを拡径させて前記突条を補修対象配管内面に当接させ、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分を封止する。前記スリーブの材質としては、金属のほか、ゴム、樹脂等の軟質材料が適用可能である。
形状記憶効果が生じる機構を図1および図2の模式図により示す。図1は、通常の金属材料のすべり変形の場合であるが、通常の金属材料に負荷が加わると特定の結晶面ですべりが生じせん断ひずみが生じる。このとき原子は原子相互間の結合の切断と再結合を繰り返して、すなわちポテンシャルの山を越えて次の安定な位置に移動するため、変形後加熱しても元の状態に戻ることはない。また、すべり変形では結晶構造は変わらない。一方、図2に示す形状記憶合金では、図2のaに示す母相が変態温度(マルテンサイト変態点)以下の温度に冷却されると、図2のbに示すようなマルテンサイトに結晶構造が変化する。この状態で負荷を受けると、図2のcに示すようにせん断変形を生じる。このとき、すべり変形のときのような原子結合の切断は生じず、また結晶構造はマルテンサイトのままである。これを逆変態温度(形状回復温度)以上に加熱すると、全てのマルテンサイト相は母相に逆変態し、このとき形状記憶合金は図2のaのように、負荷を受ける前の状態に戻る。
本発明では、このような形状回復を示す形状記憶合金を用いて、以下のような手順で配管1のき裂2の補修を行う。まず、補修対象の配管の形状に基づいて成形した管状の形状記憶合金補修管3を準備し、変態温度以下の温度で補修対象の配管1の内部に挿入可能な径に縮径加工する。前記縮径加工した形状記憶合金補修管3を補修位置まで挿入し、位置決めする。位置決めを行ったのち、逆変態温度以上の温度に加熱することにより形状を回復させ、配管1内周面に密着させる。(図3、図4、図5)。補修対象の配管1の内部に補修用の形状記憶合金補修管3を挿入できない場合もしくは配管外部からの作業が容易な場合は、配管1の補修位置外周に補修用の形状記憶合金補修管3を被せ、逆変態温度以上の温度に加熱することにより形状を回復させ、配管外周面に密着させる(図6、図7、図8)。なお、このとき生じる密着力も、補修用の形状記憶合金補修管の径と配管の径の差の大きさにより設定可能である。
本発明によれば、配管が狭隘な場所に設置されているために溶接等の作業を実施するスペースがなく補修困難な配管に対し、配管の閉塞を行うことなく、漏れ防止の補修を行うことができる。このことにより、プラント等の効率の低下を防ぐとともに、補修作業の簡素化、プラントの信頼性確保や寿命の延長等の効果がある。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態は、図9に示すように、熱交換器の管板4に溶接部5により取り付けられた伝熱管である配管1について、溶接5近傍に生じたき裂2より発生した漏れを形状記憶合金補修管3により補修する例である。形状記憶合金補修管3の材質は、機械的性質、耐食性等よりNi-Ti-Nb系を用いた。
形状記憶合金補修管3は、図10に示す手順で作成した。圧延により作製した形状記憶合金板7を、補修対象の配管の内径を考慮して該内径より大きい径となる程度の曲率に曲げて、形状記憶熱処理を施した。その後、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で、外径が補修対象配管の内部に挿入可能な径になるように円筒形に加工し、形状記憶合金補修管3とした。形状記憶合金補修管3は、次の手順で作成してもよい。まず、形状記憶合金板7で外径を補修対象配管の内径に合わせた円筒形の形状記憶合金管を作製する。次いで、図10の断面図に示すような切れ込みを入れ、形状回復後の径を考慮して補修対象配管の内径よりもある程度大きくなるように広げる。その後形状記憶熱処理を施し、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で補修対象配管内に挿入できる程度の外径にまるめ、形状記憶合金補修管3とする。この際、形状回復温度(As点)が室温以上(この場合は、常温保管を可能とするとともに施工時の取り扱い性を考慮して50℃以上とする)になるよう、組成成分および曲げ加工率を設定する。
作製した形状記憶合金補修管3を管板4の開口部から補修対象の配管1に挿入し、形状記憶合金補修管3の長手方向中央部がき裂発生部にくるよう位置決めした。長手方向に切れ目を入れた形状記憶合金補修管3を用いる場合は、切れ目がき裂発生部と反対側になるように位置決めする。その後、形状記憶合金補修管3をAs点以上の温度に加熱し形状を回復させることにより拡管し、配管内面に密着させてき裂を封止した。
通常運転で蒸気や温水等を流す装置の配管の場合は、その温度に合わせて形状回復温度を設定すれば、装置の運転を開始することによって配管が加熱され形状回復するから、加熱による形状を回復させる工程は不必要となる。このときの密着力は、形状記憶熱処理時の形状記憶合金補修管3の外径と補修対象配管の内径の差により設定することができる。施工後、漏れ試験により補修が良好になされていることを確認する。以上のフローを図11に示す。
本実施の形態によれば、熱交換器の場合、管板4の開口部から形状記憶合金補修管3を伝熱管である配管1内に挿入し、温度をAs点以上の温度に加熱し形状を回復させることにより拡管し、配管内面に密着させてき裂を封止することが可能となり、配管自体を管板4位置で閉塞しなくてよいので、伝熱管の本数を減らさなくて済み、プラントの効率低下の惧れがなくなる。
(実施の形態2)
本実施の形態が前記実施の形態1と異なるのは、形状記憶合金補修管3の外周側に、外周に突条9を持つ円筒状のスリーブ6が嵌めこまれている点である。他の構成は前記実施の形態1と同じなので説明を省略する。
前記実施の形態1と同じ手順で作製した形状記憶合金補修管3の外側に、図12に示すような、円筒状の金属製のスリーブ6を取付ける。スリーブ6の外周面には、該外周面と同心に、周方向に連続する環状の突条9が、スリーブ6の軸方向両端にそれぞれ複数本(本実施の形態では2本)形成されている。スリーブ6の内径は形状記憶合金補修管3の外周にはめ込むことができる大きさで、スリーブ6の前記突条9の外径は、補修対象の配管内に挿入可能なできるだけ大きい径にしてある。
スリーブ6を嵌め込んだ形状記憶合金補修管3を、補修対象の配管1に挿入して、前記き裂2がスリーブ6の軸方向両端の突条9の間にくるよう位置決めした。その後、形状記憶合金補修管3をAs点以上の温度に加熱し形状を回復させることにより拡管した。形状記憶合金補修管3の拡管により、スリーブ6が拡管し、スリーブ6外周の突条9を配管1内面にくい込ませた。これにより、高い締結力を持ちまた高い気密性を持ってき裂を封止することができた。
通常運転で蒸気や温水等を当該配管に流す場合は、その温度に合わせて形状回復温度を設定しておけば、運転を開始することによって形状記憶合金補修管3が加熱され、形状回復するから、加熱により形状を回復させる工程は不必要となる。このときの密着力は、形状記憶熱処理時の形状記憶合金補修管3の外径と前記スリーブ6の内径の差及び補修対象配管の内径とスリーブ6の突条9の外径の差により設定することができる。施工後、漏れ試験により補修が良好になされていることを確認する。以上のフローを図13に示す。
形状記憶合金補修管3の形状記憶熱処理時の外径は、組み合わせるスリーブの内径と突条の外径、及び補修対象配管の内径を考慮して決め、形状記憶合金補修管3の変態点(Ms点)以下の温度での加工は、外径がスリーブ6の内径未満となるように行った。
本実施の形態によっても、前記実施の形態1と同様の効果が得られ、外周に突条を持つスリーブ6を補修対象配管内面と形状記憶合金補修管3の外周面の間に介在させることで、高い締結力と高い気密性を実現できる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、図14に示すように、熱交換器の管板4に拡管で取り付けられ、シール溶接された内径2rの伝熱管である配管1を補修対象とする。配管1において、シール溶接部5に生じたき裂2もしくは管板4に配管1を取り付ける際拡管による湾曲した部分において生じたき裂2より発生した漏れを形状記憶合金補修管3により補修する場合の例である。
形状記憶合金補修管3の材料は、機械的性質、耐食性等よりNi-Ti-Nb系形状記憶合金とした。研削加工等により、断面が図14に示すような、軸方向一方の端部に片方がラッパ状に開いた折り返し部を備えた、外径2rの円筒状の形状記憶合金補修管3を作製し、形状記憶熱処理を施した。一方、形状記憶合金補修管3の外周面と配管1内周面の間に介在させる内径2r’(r>r’)の金属製のスリーブ6を用意した。スリーブ6の外周面には、スリーブ6の外周面と同心に、環状に連続する複数本(本実施の形態では3本)の突条9が軸方向に間隔をおいて形成されている。突条9の外径は、スリーブ6を配管1内部に挿入できる程度に、配管1の内径よりも小さくしてある。
その後、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で形状記憶合金補修管3の円筒状部分(図15のa部)を圧縮等により外径を2rから2r’に収縮させる。また、折り返し部(図15のb部)については、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で、図15に示すように、曲げを伸ばす方向、つまり管板4面に平行する面になるように変形させる。なお、形状回復温度(As点)が室温以上(この場合は、常温保管、および施工時の取り扱い性より50℃以上とする)になるよう、組成成分および曲げ、収縮加工率を設定する。
外径を収縮させた形状記憶合金補修管3にスリーブ6及び環状のガスケット10を嵌め込み、スリーブ6を嵌め込んだ形状記憶合金補修管3を配管1内に挿入する。このとき、き裂2がスリーブ6の突条9と管板4の間になり、かつ、折り返し部が管板4にガスケット10を介して当接するよう位置決めする。
形状記憶合金補修管3位置決め後、蒸気等によりまず形状記憶合金補修管3のa部をAs点以上の温度に加熱し形状を回復させる。形状記憶合金補修管3のa部は、形状回復により外径が拡大され、形状記憶合金補修管3の外径拡大により、スリーブ6の外径も拡大される。スリーブ6の外径拡大によりスリーブ6外周の突条9は配管1の内周面に食い込み、スリーブ6及び形状記憶合金補修管3は配管1に強固に固定される。
次に、形状記憶合金補修管3の折り返し部(図15のb部)をAs点以上の温度に加熱することにより形状回復させる。折り返し部は形状回復によりその先端部を折れ曲がらせてガスケット10を管板4に密着させ、配管1の内周面に食い込んだ前記突条9とともに、漏れ発生部(本実施の形態ではき裂)を、配管1内部に対してシールする。
本方法により、配管1に生じたき裂だけでなく、管板4と配管1の溶接部5のき裂に対しても、同様に対応して漏れをシールすることが可能となる。また、き裂が前記溶接部5に発生している場合は、配管径等により、より厚い形状記憶合金管が必要な場合でも、折れ曲がり部に半径方向にスリットを入れた形状のものを作製することにより、変形を容易にできる。施工後、漏れ試験により補修が良好になされていることを確認する。以上のフローを図16に示す。
本実施の形態によれば、前記実施の形態2の効果に加え、管板4と配管1の溶接部5のき裂に対しても漏れをシールすることが可能となる。
本実施の形態では、外周に突条を備えたスリーブを形状記憶合金補修管3の円筒状部に嵌めこんで用いたが、スリーブは必ずしも用いなくともよい。
(実施の形態4)
本実施の形態が前記実施の形態3と異なるのは、形状記憶合金補修管3の一方の端部の折り返し部がフランジ状に形成され、他方の端部にスリーブ6の肉厚よりも小さい幅のフランジが形成されている点と、ガスケット10が用いられていない点である。他の構成は前記実施の形態3と同じなので説明を省略する。
まず、研削加工等により、配管1の内径に合わせて断面が図17に示すような、軸方向一方の端部3aがフランジ状に形成されているとともに他方の端部3bにフランジが形成された形状の形状記憶合金補修管3を作製した。円筒部の長さは、管板4の端面4aからき裂2までの距離、使用するスリーブ6の軸方向長さを考慮し、形状記憶合金補修管3を配管1の補修位置に位置決めしたとき、き裂2がスリーブ6と端部3aの間にくるような長さとした。また、円筒部の外径は、スリーブ6の突条を含む厚さをtとしたとき、配管1の内径から2tを引いた値よりも大きい値とした。作成した形状記憶合金補修管3に形状記憶熱処理を施した。
また、配管1の内径に合わせて、金属製のスリーブ6を作成した。スリーブ6の外周には、スリーブ6の外周面と同心に、環状に連続する複数本(本実施の形態では2本)の突条9が軸方向に間隔をおいて形成されている。突条9の外径は、スリーブ6を配管1内部に挿入できる程度に、配管1の内径よりも小さくしてある。
その後、マルテンサイト変態点(Ms点)以下で形状記憶合金補修管3の長さを伸ばす方向に変形させることにより、径を小さくした。このとき、適切な締結力が得られるよう形状回復量や配管の径を考慮して変形させた。なお、端部3bのフランジの径は、形状記憶合金補修管3を径が小さくなるように変形したとき、スリーブ6の内径よりも小さくなる大きさとしてある。また、形状回復温度(As点)が室温以上(この場合は、常温保管、および施工時の取り扱い性を考慮して50℃以上とした)になるよう、組成成分および変形量を設定した。
前記スリーブ6を、図17に示すように、変形させた形状記憶合金補修管3の端部3bに嵌め込み、スリーブ6を嵌め込んだ形状記憶合金補修管3を配管1内に挿入し、端部3aのフランジ部を管板に押し付けるようにしながら、き裂がスリーブ6と端部3aの間になるように位置決めする。
その後、蒸気等により形状記憶合金補修管3をAs点以上の温度に加熱し、形状を回復させる。形状回復により形状記憶合金補修管3の径が大きくなり、それとともにスリーブ6が形状記憶合金補修管3によって拡径される。スリーブ6の拡径により、スリーブ6の突条9が配管1の内周面に食い込み、スリーブ6が配管1に強固に固定されるとともに漏れが封止される。同時に形状記憶合金補修管3の長さが形状回復により縮むが、端部3b側は、円筒部外周面が形状回復によりスリーブ6の内周面に押し付けられているとともに、端部3bのフランジがスリーブ6の肉厚面に当接して軸方向端部3a側に移動しないようになっているにことにより、端部3aのフランジ部が管板4に押し付けられ、管板4に密着する。
このように、形状記憶合金補修管3の端部3aのフランジ部が管板4に密着し、形状記憶合金補修管3の端部3a側のスリーブ6の突条9が配管1の内周面に食い込んでおり、スリーブ6の内周面と形状記憶合金補修管3の外周面が密着することにより、配管1内の流体の配管1外への流出、あるいは配管1外の流体の配管1内への流入が封止される。
なお、端部3aのフランジ部の管板4に対向する面に、配管1と同心状に環状の突条を設け、この突条を管板面に当接させてシールするようにしてもよいし、前記実施の形態3に示すように、端部3aのフランジ部と管板4の間にガスケット10を介在させるようにしてもよい。
以上のように、ワンステップの加熱により、配管のみではなく管板との溶接部のき裂に対しても、同時に簡便に補修可能となる。施工後、漏れ試験により補修が良好になされていることを確認する。以上のフローを図18に示す。
上記各実施の形態では、スリーブ6として金属製のスリーブを用いたが、金属以外に、ゴム、樹脂等の軟質材料を用いてもよい。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴムが適用可能であり、樹脂としては、例えば、ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニール樹脂、軟質フッ素樹脂等が適用可能である。
上記各実施の形態では、形状記憶合金補修管3を補修対象の配管1内に挿入し、形状回復により形状記憶合金補修管3の径を拡大させることでき裂を封止するが、先に図6〜図8を参照して説明したように、補修対象の配管1外周側に形状記憶合金補修管3を嵌め込み、As点以上の温度に加熱し、形状を回復させるようにしてもよい。
この場合、まず、圧延により作製した形状記憶合金板を、補修対象の配管の外径より小さい径となる程度の曲率に曲げ、筒状に成形する。このとき、断面が完全な円形でなく、一部が欠けた円形、つまり、壁面に軸方向に延びる継ぎ目がくっついてなくて隙間(切れ目)がある円筒でもよいが、隙間が円周の180度未満であることが必要である。この状態で形状記憶熱処理を施し、形状記憶合金補修管3とする。その後、マルテンサイト変態点(Ms点)以下の温度で、前記継ぎ目の隙間が配管1の外径より大きくなるように、つまり曲率が大きくなるように曲げ加工する。
軸方向の継ぎ目が開いた形状記憶合金補修管3を、補修対象の配管1の外側に嵌め込み、き裂2の位置に前記継ぎ目の周方向反対側がくるように位置決めする。軸方向の継ぎ目が狭まるように形状記憶合金補修管3を曲げて配管1を挟み込み、As点以上の温度に加熱し、形状を回復させる。形状回復により形状記憶合金補修管3の径が小さくなり、形状記憶合金補修管3の内周面が配管1の外周面に密着して、き裂2からの漏れが封止される。
通常の金属材料のすべり変形における原子の移動と試料形状変形を示す模式図である。 形状記憶合金材料の変形における原子の移動と試料形状変形を示す模式図である。 き裂が生じた配管内に形状記憶合金補修管を挿入して補修するときの、挿入前を示す模式図である。 き裂が生じた配管内に形状記憶合金補修管を挿入して補修するときの、補修後の状態を示す模式図である。 き裂が生じた配管内に形状記憶合金補修管を挿入して補修するときの、形状記憶合金補修管の形状回復によるき裂の封止を示す断面模式図である。 き裂が生じた配管外側に形状記憶合金補修管を被せて補修するときの、被せる前を示す模式図である。 き裂が生じた配管外側に形状記憶合金補修管を被せて補修するときの、補修後の状態を示す模式図である。 き裂が生じた配管外側に形状記憶合金補修管を被せて補修するときの、形状記憶合金補修管の形状回復によるき裂の封止を示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る形状記憶合金補修管の成形手順の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る補修手順を示す手順図である。 本発明の実施の形態2を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る補修手順を示す手順図である。 本発明の実施の形態3を示す模式図である。 本発明の実施の形態3に係る形状記憶合金補修管およびスリーブの形成順序を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る補修手順を示す手順図である。 本発明の実施の形態4を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係る補修手順を示す手順図である。
符号の説明
1 配管
2 き裂
3 形状記憶合金補修管
4 管板
5 溶接部
6 スリーブ
7 形状記憶合金板
9 突条
10 ガスケット

Claims (7)

  1. 配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向して形状記憶合金を位置させる手順と、該形状記憶合金を形状回復させることにより、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分の配管壁面を封止する手順とを有してなる配管の補修方法。
  2. 請求項1に記載の配管の補修方法において、前記形状記憶合金は、補修対象配管の外径より小さい内径を持つ円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、その壁面に軸方向に延在する切れ目を有し、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、前記切れ目の間隔が補修対象配管の外径より大きくなるように曲げ加工されたのち、補修対象配管の外側から、該配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向するように嵌めこまれることを特徴とする配管の補修方法。
  3. 請求項1に記載の配管の補修方法において、前記形状記憶合金は、補修対象配管の内径より大きい外径を持つ円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、補修対象配管の内径より小さい外径になるよう加工されたのち、補修対象配管内に挿入されて配管の漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分に対向して位置されることを特徴とする配管の補修方法。
  4. 請求項1に記載の配管の補修方法において、前記配管が管板に一端を固着させて開口する配管であり、前記形状記憶合金は軸方向一方の端部にラッパ状に形成された折り返し部を備えた円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、円筒状部分の外径を縮小するとともに前記折り返し部を円筒状部分の軸線に直交する面となるように加工する手順と、前記加工後、補修対象配管内に挿入し、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が前記円筒状部分に対向し、前記折り返し部と管板の間隔が所定の間隔となるように前記形状記憶合金を位置決めする手順と、前記形状記憶合金を形状回復させ、前記折り返し部を前記管板に当接させるとともに、前記円筒状部分の外周面を補修対象配管の内面に当接させる手順とを有してなることを特徴とする配管の補修方法。
  5. 請求項1に記載の配管の補修方法において、前記配管が管板に一端を固着させて開口する配管であり、前記形状記憶合金は軸方向一方の端部に円板状に形成されたフランジ部を備えた円筒状に形成されたのち形状記憶熱処理を受けたものであって、形状記憶熱処理後、マルテンサイト変態点以下の温度で、円筒状部分の外径を縮小するとともに円筒状部分の長さを長くする加工手順と、前記加工後、補修対象配管内に挿入し、前記フランジ部が前記管板に当接するように前記形状記憶合金を位置決めする手順と、前記形状記憶合金を形状回復させ、前記フランジ部を前記管板に密着させるとともに、前記円筒状部分の外周面を補修対象配管の内面に密着させる手順とを有してなることを特徴とする配管の補修方法。
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載の配管の補修方法において、前記形状記憶合金のマルテンサイト変態点以下の温度で外径を縮小する手順ののち、外径を縮小した円筒状部分に、外周面に円周に沿って環状に形成された複数の突条を備えたスリーブを嵌め込んで補修対象配管内に挿入する手順と、前記形状記憶合金の補修対象配管内での位置決めは、前記スリーブの前記複数の突条の間に前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が対向するように、若しくは前記突条と前記折り返し部またはフランジ部の間に前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分が位置するように、スリーブを位置決めする手順と、前記形状記憶合金を形状回復させ、形状記憶合金の形状回復により前記スリーブを拡径させて前記突条を補修対象配管内面に当接させ、前記漏れを生じた部分若しくは漏れの惧れがある部分を封止する手順と、を有してなることを特徴とする配管の補修方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の配管の補修方法において、形状記憶合金は、形状回復する逆変態温度が室温よりも高い形状記憶合金であることを特徴とする配管の補修方法。
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