JP2007182153A - チップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート - Google Patents

チップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート Download PDF

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Abstract

【課題】シートクッションの上段跳上げ状態をチップアップロックの施錠で保ってリクライニングロックを開錠し、シートクッションが中段跳上げ状態にある時に、リクライニング用の作動レバーが誤り操作されても、リクライニングロックが開錠しない。
【解決手段】シートクッションの上段跳上げ時に、作動レバー7の引張り操作により、リンクプレート73をワイヤ止着ピン76で上方に旋回させてリクライニングロックを開錠可能にし、一方、リンクプレート82が開口穴83による誘導ピン72との当接逃げで上方に旋回せずにチップアップロックの開錠を空振り可能に構成し、また、シートクッションの中段跳上げ時に、作動レバー7の引張り操作により、ワイヤ止着ピン76を制御穴79の逃げ穴79bに移動させてリクライニングロックの開錠を空振り可能に構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートバックを着座姿勢に保ち、また、角度調整し乃至はシートクッション側まで前倒しするに施錠,開錠可能なリクライニングロック機構を備えると共に、シートクッションをシートバック側まで跳ね上げるに施錠,開錠可能なチップアップロック機構を備え、更に、シート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に構成するチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシートに関するものである。
従来、シートクッションをシートバック側まで跳上げ可能なチップアップロック機構を備え、シートクッションの跳上げ状態からチップアップロック機構を施錠状態に保ってシート全体を車体フロアの上段側より下段側にダイブダウン収納可能で、ダイブダウン収納状態からチップアップロック機構を開錠状態に保ってシート全体を元の着座姿勢に戻せるよう使い勝手のよいものに構成するチップアップ・ダイブダウン式自動車用シートが知られている(特許文献1)。
そのチップアップ・ダイブダウン式自動車用シートは、リクライニングロック機構を備えず、ラッチをシートバックの片側部に取り付けると共に、ストライカを車体のサイドパネルに取り付け、ラッチをストライカに係合させてシートバックを着座姿勢に保つよう構成されている。
そのチップアップ・ダイブダウン式自動車用シートをリクライニングシートとして構成するには、チップアップロック機構をリクライニングロック機構と別に操作可能に構成することは勿論、リクライニングロック機構を開錠すると、チップアップロック機構も開錠できてシート全体をダイブダウン収納でき、また、両機構を開錠状態に保ってダイブダウン収納状態からシート全体を元の着座姿勢に戻せるよう構成し、更に、シートクッションの跳上げ姿勢をチップアップロック機構の施錠で保ってリクライニングロック機構を開錠することからシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に構成するとよい。
リクライニングロック機構の有無とは別に、上述した自動車用シートにおいてはシートクッションを着座位置よりシートバックと相対する上段位置まで一段に跳ね上げて施錠可能なチップアップロック機構が備え付けられている。
そのシートクッションの上段位置跳上げに加えて、シートクッションを着座位置より中段の跳上げ位置でもチップアップロック機構で施錠可能に構成すれば、例えば縦長な荷物を車体フロアに載置と共に、小さい荷物を中段位置まで跳ね上げたシートクッションとシートバックとの間に載置する如き荷物の載置形態が取れる。
そのシートクッションの中段跳上げ位置でもチップアップロック機構で施錠可能に構成には、一方で、シートクッションが中段位置跳上げ状態にある時に、リクライニングロックを開錠する作動レバーが誤り操作されても、リクライニングロックが開錠しないよう構成する必要がある。
特開2005‐212554
本発明が解決しようとする課題は、リクライニングロック機構をチップアップロック機構と共に備え、チップアップロック機構をリクライニングロック機構と別に操作可能に構成する。また、リクライニングロック機構を開錠すると、チップアップロック機構も開錠できてシート全体をダイブダウン収納でき、一方、両機構を開錠状態に保ってダイブダウン収納状態からシート全体を元の着座姿勢に戻せるよう構成する。
それに加えて、シートクッションを着座位置より中段跳上げ位置,上段跳上げ位置と数段に切り換えて跳上げ可能に構成すると共に、シートクッションの上段跳上げ状態をチップアップロック機構の施錠で保ってリクライニングロック機構を開錠することから、シート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に構成し、且つまた、シートクッションが中段跳上げ状態にある時に、リクライニングロックを開錠する作動レバーが誤り操作されても、リクライニングロックが開錠しないよう構成するところにある。
その他に、シートクッションを跳上げ姿勢に確実に施錠可能で、また、シートクッションの跳上げ時に確実に開錠可能なチップアップロック機構を備えるところにある。
更に、車体フロアの下段側に立脚するスタンド脚部をクッションブラケットの前部側に備え、このスタンド脚部をシートクッションの跳上げまたはシート全体のダイブダウンに連動させて収納可能で、シートクッションまたはシート全体の着座戻しに連動させて立脚出し可能に備え付けるところにある。
本願の請求項1に係る発明は、シート全体の設置基となるベースブラケットを車体フロアの上段側に設け、作動軸の回動で開錠乃至は回動戻りで施錠可能なリクライニングロック機構をベースブラケットとバックブラケットとの相対間に備え、シートバックをリクライニングロックの施錠で着座姿勢に保持し、リクライニングロックの開錠で角度調整可能に構成し、
クッションブラケットの上方に湾曲する後部側を枢軸でバックブラケットの下部寄りに枢着し、車体フロアの下段側に立脚するスタンド脚部をクッションブラケットの前部側に設け、チップアップロック機構をクッションブラケットの後部側とバックブラケットの板面との間に備え、クッションブラケットの枢軸を支点としてシートクッションをチップアップロックの開錠で着座位置より上方の中段位置,シートバックと相対する上段位置と跳上げ可能で、シートクッションの跳上げ姿勢をチップアップロックの施錠で保持可能に構成し、
更に、着座姿勢にあるシートバックをリクライニングロックの開錠で前倒しさせてシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に、或いは、シートクッションの上段跳上げ状態にあるシート全体をリクライニングロックの開錠で車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に構成する一方、シートクッションの中段跳上げ状態にあるシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納不能に構成するチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシートにおいて、
枢軸を中心として後部側の上縁辺を略半円弧形に形成し、枢軸の上方で板面より側方に突出するストッパピンを設けたクッションブラケットを備え、
リクライニングロック開錠機構は、シートバックの背側上部に配設した引張り操作用の作動レバーと、下端側をリクライニングロック機構の作動軸に連結した屈伸可能なリンクバーと、中腹部をリンクバーの上端側に支軸で装着し、下部側をストッパピンと当接可能に配置した揺動可能な第1の制動リンクと、後部側をバックブラケットの板面に支軸で装着した旋回可能なリクライニング用のリンクプレートと、中腹部をリンクプレートの板面に支軸で装着し、伸長バーを上部側に支軸で軸承連結し、下部側を第1の制動リンクと逆側よりストッパピンと当接可能に配置した揺動可能な第2の制動リンクと備え、
第1の制動リンクの誘導ピンを上部側より側方に突出させて設け、該制動リンクの支軸を中心とする円弧状のガイド穴をリンクプレートの板面に設けて誘導ピンを挿通し、ワイヤ止着ピンを伸長バーの自由端側より側方に突出させて設け、ガイド穴の前穴端に位置する係合穴縁から上方に伸びる逃げ穴縁に連続する略L字状の制御穴をリンクプレートの板面に設け、ワイヤ止着ピンを制御穴に挿通させて引張り操作用の作動レバーとケーブルワイヤで連結し、
シート全体の着座姿勢時には、第1の制動リンクを下部側でストッパピンに当接させて誘導ピンをガイド穴の後穴縁に位置し、且つ、第2の制動リンクを下部側でストッパピンに当接させてワイヤ止着ピンを誘導穴の係合穴縁に位置し、シートクッションの中段位置跳上げにより、ストッパピンを第1の制動リンクから離脱させて誘導ピンを第1の制動リンクの自重による揺動下がりでガイド穴の前穴縁まで移動し、且つ、第2の制動リンクを下部側よりストッパピンで蹴り上げてワイヤ止着ピンを伸長バーで制御穴のL字基部まで移動し、シートクッションの上段位置跳上げにより、ストッパピンを第2の制動リンクから離脱させて止着ピンを第2の制動リンクの自重による揺動下がりで制御穴の係合穴縁に移動可能に組み立ててなり、
チップアップロック機構は、クッションブラケットの略半円弧形を呈する上縁辺と後部側を相対位置し、前部側をバックブラケットの板面に支軸で装着した揺動可能なラッチと、ラッチの係止用としてリクライニング用のリンクプレートの支軸と同軸上に装着した揺動可能なカムとを備え、
略半円弧形の後部側,中腹部,前部側の順で並ぶシートクッションの着座時用,中段跳上げ時用,上段跳上げ時用の各切欠歯をクッションブラケットの後部側上縁辺に設けると共に、クッションブラケットの切欠歯と択一に噛合乃至は離脱可能な突起歯をラッチの後部寄り下辺に設けてなり、
チップアップロック開錠機構は、シートクッションの前側下部に配設した引張り操作用の作動レバーと、リクライニング用のリンクプレートの支軸と同軸でカムと一体に装着した旋回可能なチップアップ用のリンクプレートとを備え、
引張り操作用の作動レバーをチップアップ用のリンクプレートとケーブルワイヤで連結し、下部側を受け止めてカムの揺動を規制する係止段部と、係止段部の段部縁より少なくとも切欠歯と突起歯との噛合代分だけ深くてカムの揺動を許容する窪み部とをラッチの後部寄り上辺に設け、更に、ガイド穴の後穴縁と重なり合って誘導ピンと係合可能な中段穴縁と、ガイド穴より下方に延びて誘導ピンより当接逃げ可能な下段穴縁と、ガイド穴より上方に延びて誘導ピンを逃がし移動可能な上段穴縁とに連続する開口穴をチップアップ用のリンクプレートに設けてなり、
シート全体が着座姿勢にある時、シートバックを角度調整しまたはシートバックを前倒しさせてシート全体をダイブダウン収納するに、リクライニング用の作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置する止着ピンで上方に旋回させると共に、チップアップ用のリンクプレートがガイド穴の後穴縁と重なり合う開口穴の中段穴縁に係合する誘導ピンで上方に旋回し、第1の制動リンクよりリンクバーを上方に引張り移動させてリクライニングロックを開錠し、且つ、ラッチの係止段部から窪み部に揺動移動するカムによりラッチをクッションブラケットから揺動離間させてチップアップロックを開錠可能とし、
シート全体が着座姿勢にある時、シートクッションをチップアップするに、チップアップ用の作動レバーを引張り操作すると、チップアップ用のリンクプレートが上方に旋回し、ラッチの係止段部から窪み部に揺動移動するカムによりラッチをクッションブラケットから揺動離間させてチップアップロックを開錠可能とし、一方、リクライニング用のリンクプレートが開口穴の下段穴縁による誘導ピンの当接逃げで上方に旋回せずにリクライニングロックを開錠不能に空振り可能とし、
シートクッションの上段跳上げ状態にあるシート全体をダイブダウン収納するに、リクライニング用の作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置する止着ピンで上方に旋回し、制動リンクよりリンクバーをガイド穴の前穴縁に位置する誘導ピンで上方に引張り移動させてリクライニングロックを開錠可能とし、一方、チップアップ用のリンクプレートが開口穴の下段穴縁から上段穴縁に向う誘導ピンの当接逃げで上方に旋回せず、チップアップロックを開錠不能に空振り可能とし、
シートクッションが中段跳上げ状態にある時に、シートバックの背側上部に配設した作動レバーを引張り操作すると、制御穴のL字基部に位置するワイヤ止着ピンが逃げ穴縁に入り込んでリクライニング用のリンクプレートを上方に旋回させず、リクライニングロックを開錠させないでダイブダウン収納不能に空振り可能とし、
シートバックの角度調整後、または、シートクッションの中段位置,上段位置跳上げ後に、作動レバーの引張りを解除すると、機構全体が自重による復帰でリクライニングロック,チップアップロックを共に施錠可能とし、一方、シート全体のダイブダウン収納時に、機構全体が自重による復帰不能でリクライニングロック,チップアップロックを共に開錠状態に保てるリクライニングロック開錠機構,チップアップロック開錠機構を備え付けたことを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、ラッチの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線を基準に、カムの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線で描く角度の鋭角に相応させてカムの角度向きを設定し、ラッチの突起歯とクッションブラケットの切欠歯との噛合状態を該カムの角度向きで保つチップアップロック機構を備えてなることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、下部側を半楕円状に形成したカムを備え、カムの下部側が当接する略J字状を呈する係止段部に加え、該係止段部の段部縁より切欠歯と突起歯との噛合代分より深くてカムの下部側と整合する略U字状を呈する窪み部をラッチの揺動許容兼掛上げ用としてラッチの後部側上辺に設けたチップアップロック開錠機構を備えてなることを特徴とする。
本願の請求項4に係る発明は、上端寄りをクッションブラケットの前寄り下部に支軸で枢着したスタンド脚部を備え、そのスタンド脚部をバネでシートクッションの下部側に対する収納方向に付勢支持すると共に、片ワイヤ端を支軸によるスタンド脚部の枢着位置よりも上端側に連結し、他ワイヤ端をシートバック側に連結し、通常時はスタンド脚部をバネに抗して立脚方向に引張り、シートバックの前倒し途上またはシートクッションの跳上げ途上でスタンド脚部の引張り力を強から弱に、シートバックの戻し途上またはシートクッションの戻し途上でスタンド脚部の引張り力を弱から強に変換可能なケーブルワイヤで引張支持してなることを特徴とする。
本願の請求項1に係る発明では、シート全体が着座姿勢にあってリクライニングロック機構,チップアップロック機構が施錠状態にある時は、第1の制動リンクの下端側がクッションブラケットのストッパピンで係止されているため、誘導ピンがリクライニング用のリンクプレートに設けられたガイド穴の後穴端に位置する。これにより、シート全体の着座位置が定められる。
その第1の制動リンクに対し、第2の制動リンクは下端側がクッションブラケットのストッパピンに近接位置するが、ストッパピンとの当接による力的作用を受けずに自重で下がっていることから、伸長バーが第2の制動リンクと屈曲状態にあり、ワイヤ止着ピンがリクライニング用のリンクプレートに設けられた制御穴の係合穴縁に位置する。
そのシート全体が着座姿勢にある時に、シートバックの背側上部に配設した(以下、「バック背側上部」という。)作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置するワイヤ止着ピンで引っ張られて支軸を支点に上方に旋回する。これに伴っては、誘導ピンがガイド穴の後穴端に位置すると共に、チップアップ用のリンクプレートに設けられた開口穴の中段穴縁と係合しているため、チップアップ用のリンクプレートも支軸を支点に上方に旋回する。
リクライニング用のリンクプレートが上方に揺動すると、誘導ピンがガイド穴で上方に引き上げられ、リクライニングロック機構の作動軸と下端側で連結された屈伸可能なリンクバーが上方に引き上げられるため、リクライニングロック機構が作動軸の回動で開錠する。これと共に、上述したようにチップアップ用のリンクプレートも上方に旋回することから、カムも一体に揺動し、カムの下部側がラッチの係止段部より窪み部に移動し、ラッチの突起歯がクッションブラケットの切欠歯より噛合状態を解除されるため、チップアップロック機構も開錠する。
リクライニングロック機構,チップアップロック機構の開錠によっては、シートバックを角度調整するようにできる。そのシートバックの角度調整後に、リクライニング用の作動レバーの引張りを解除すると、リクライニング用のリンクプレート,制動リンク,リンクバーの機構全体、並びに、チップアップ用のリンクプレート,カム,ラッチの機構全体が自重で下り復帰することから、両機構を施錠できてシート全体を着座姿勢に保てる。
また、両機構の開錠により、シートバックを前倒しさせてシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納するようにもできる。そのダイブダウン収納状態では、リクライニング用のリンクプレート,制動リンク,リンクバーの機構全体、並びに、チップアップ用のリンクプレート,カム,ラッチの機構全体が自重で下り復帰できないことから、リクライニングロック,チップアップロックの両機構は開錠状態に保たれる。
そのシート全体のダイブダウン収納にあたっては、作業者がバック背側上部の作動レバーを手で持ってシート全体をある程度まで前倒ししたならば、クッション前側下部の作動レバーに持ち代え、シート全体を車体フロアの下段部まで持ち下げればよい。
ダイブダウン収納したシート全体を着座姿勢に戻す時には、上述したようにリクライニングロック機構,チップアップロック機構が開錠状態に保たれているから、作業者がバック背側上部の作動レバーを手で持ってシートバックを持ち上げれば、シートバックからシートクッションまでを着座姿勢に容易に戻せる。
上述したと同様に、シート全体の着座姿勢からシートクッションの前側下部に配設された(以下、「クッション前側下部」という。)作動レバーを引張り操作すると、チップアップ用のリンクプレートがワイヤケーブルで引っ張られて支軸を支点に上方に旋回すると共に、カムも一体に揺動するため、カムの下部側がラッチの係止段部より窪み部に移動し、ラッチの突起歯がクッションブラケットの切欠歯より噛合状態を解除する。これにより、クッションブラケットの枢軸を支点としてシートクッションを中段位置,上段位置のいずれにも跳ね上げられる。
そのチップアップロックの開錠操作時には、上方に旋回するチップアップ用のリンクプレートが開口穴の下段穴縁で誘導ピンより当接逃げし、誘導ピンが上方に引き上げられず、リクライニング用のリンクプレートが上方に旋回しないため、リクライニングロック機構は開錠しない。
シートクッションを中段位置,上段位置のいずれかに跳ね上げてクッション前側下部の作動レバーから引張りを解除すると、チップアップ用のリンクプレート,カム,ラッチの機構全体が自重で下り復帰し、カムの下部側がラッチの係止段部で受け止められることから、ラッチの突起歯がクッションブラケットの切欠歯と噛合する。これにより、シートクッションはチップアップロック機構の施錠で跳上げ姿勢に保たれる。
それとは逆に、シートクッションを跳上げ状態から着座戻しする時はクッション前側下部の作動レバーを引張り操作すれば、上述したと同様にチップアップロック機構を開錠できるため、シートクッションを着座位置まで前倒しさせて着座戻しすることができる。
シートクッションが上段位置で跳上げ状態に施錠されている時には、クッションブラケットのストッパピンが第1の制動リンク,第2の制動リンクのいずれの下部側より離れ、第1の制動リンク,第2の制動リンクが自重で下がる。これにより、誘導ピンがリクライニング用のリンクプレートに設けたガイド穴の前穴端に移動する。一方、ワイヤ止着ピンはリクライニング用のリンクプレートに設けた制御穴の係合穴縁に移動する。
そのシートクッションの上段跳上げ状態から、シートバックと共に前倒しさせてダイブダウン収納するようバック背側上部の作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置するワイヤ止着ピンで引っ張られて上方に旋回するため、上述したようにリクライニングロック機構を開錠できる。
そのリクライニングロック機構の開錠操作に伴っては、誘導ピンがリクライニング用のリンクプレートに設けたガイド穴の前穴端に位置すると共に、チップアップ用のリンクプレートに設けられた開口穴の当接逃がし可能な上段穴縁に移動することから、チップアップ用のリンクプレートが旋回せず、チップアップロック機構が施錠状態に保たれる。これにより、シートクッションが倒れ出ずにシートバックと一体に前倒しさせてシート全体をダイブダウン収納するようにできる。
そのシート全体のダイブダウン収納にあたっては、上述したと同様に作業員がバック背側上部の作動レバーを手で持ってシート全体をある程度まで前倒ししたならば、クッション前側下部の作動レバーに持ち代え、車体フロアの下段部まで持ち下げればよい。これにより、リクライニングロック機構と共に、チップアップロック機構も開錠させてシート全体をダイブダウン収納するようにできる。
シートクッションが中段位置の跳上げ状態にある時には、第2の制動リンクがストッパピンで蹴り上げられることから、伸長バーが伸び、ワイヤ止着ピンが制御穴の折曲り基部まで移動している。そのシートクッションの中段跳上げ状態で、バック背側上部作動レバーが誤り操作されても、ワイヤ止着ピンが制御穴の折曲り基部から上方に伸びる逃げ穴縁に移動するため、リクライニングロックを開錠しないよう空振り操作となる。これにより、シートクッションが前倒れしないようリクライニングロックを施錠状態に保てる。
本願の請求項2に係る発明では、カムの角度向きがラッチの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線を基準に、カムの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線で描く鋭角に設定されていることから、カムがラッチの係止段部に対するつかい棒的作用を発揮し、ラッチが揺動不能にカムで押え込まれるため、シートクッションを跳ね上げても、ラッチの突起歯とクッションブラケットの切欠歯との噛合状態を確実に保てる。
本願の請求項3に係る発明では、カムの半楕円状に形成した下部側が当接する略J字状を呈する係止段部に加え、係止段部の段部縁より切欠歯と突起歯との噛合代分より深くてカムの下部側と整合する略U字状を呈する窪み部をラッチの後部側上辺に設けることから、レバーの引張り操作によりカムをラッチの窪み部に移動すると、カムの下部側がラッチの窪み部と嵌り合い、カムがラッチを大幅に掛け上げるため、レバーの引張り操作によりラッチの突起歯をクッションブラケットの切欠歯との噛合状態から確実に解除できる。
本発明の請求項4に係る発明では、スタンド脚部をバネでシートクッションの下部側に対する収納方向に付勢支持すると共に、片ワイヤ端を支軸によるスタンド脚部の枢着位置よりも上端側に連結し、他ワイヤ端をシートバック側に連結する引張り力の強弱変換可能なケーブルワイヤで引張支持することから、スタンド脚部をシートクッションの跳上げまたはシート全体のダイブダウンに連動させて収納可能で、シートクッションまたはシート全体の着座戻しに連動させて立脚出し可能に備え付けられる。
図示実施の形態は、図1で示すようにシートバック1のサイドフレームとなるバックブラケットの下部側と車体フロアFの上段側fに立設したベースブラケット2の間に備えるリクライニングロック機構3により、シートバック1を車体フロアFの上段側fに立付け支持するよう構成されている。このリクライニングロック機構としては、作動軸4の回動で開錠乃至は回動戻りで施錠可能な公知のリクライニングロック機構(例えば、特開2004−173922参照)を備え付けられる。
シートクッション5は、サイドフレームとなるクッションブラケットの後部側を枢軸50でバックブラケットの下部寄りに枢着すると共に、上端寄りをクッションブラケットの前寄り下部に支軸6aで枢着したスタンド脚部6を備え、スタンド脚部6の下端部を車体フロアFの下段側fで後部寄りに設置した受け座6bに係合させて斜めに立脚することから着座姿勢に保つよう構成されている。
その自動車用リクライニングシートにおいては、リクライニングロック機構3の開錠機構がシートバック1の背側上部に配設された引張り用の作動レバー7で操作可能に組み付けられている。この引張り操作用の作動レバー7によると、乗員が手を掛けてリクライニングロック開錠機構を操作すると共に、シートバック自体を持てるから、シートバックの角度調整乃至は前倒し操作をワンモーションで行える。
また、後述するようにチップアップロック機構も組み付けられ、そのチップアップロック機構の開錠機構がシートクッション5の前側下部に配設された引張り用の作動レバー8で操作可能に組み付けられている。この作動レバー8によっても、乗員が手を掛けてチップアップロックの開錠機構を操作すると共に、シートクッション自体を持てるから、シートクッション5の跳上げ操作をワンモーションで行える。
リクライニングロック開錠機構,チップアップロック機構,チップアップロック開錠機構は、いずれも、図2で示すように枢軸50を中心として後部側の上縁辺を略半円弧形に形成し、枢軸50の上方で板面より側方に突出するストッパピン51を設けたクッションブラケット5’をベースに組み付けられている。
そのクッションブラケット5’には、略半円弧形の後部側,中腹部,前部側の順で並ぶシートクッションの着座時用,中段跳上げ時用,上段跳上げ時用の各切欠歯52a〜52cがチップアップロック機構を構成するよう後部側の上縁辺に設けられている。着座時用の切欠歯52aは、後述するラッチの突起歯をシートクッションの着座戻り位置で受け入れると共に、シートクッションを後方に角度調整可能な逃げ代Xを有する切欠で形成されている。
図3並びに図4を主に参照し、各機構の構成を説明すると、リクライニングロック開錠機構は二本繋ぎの屈伸可能なリンクバー70と、リンクバー70の上端側に装着する第1の制動リンク71と、第1の制動リンク71の上端側より側方に突出する誘導ピン72と、リクライニング用のリンクプレート73と、リンクプレート73の板面に装着する第2の制動リンク74と、第2の制動リンク74の上端側より屈伸可能に伸びる伸長バー75と、伸長バー75の上端側より側方に突出するワイヤ止着ピン76とを備えて構成されている。
リンクバー70は、下部バー70aの上端側と上部バー70bの下端側とを支軸70cで軸承することから屈伸可能に連結されている。このリンクバー70のうち、下部バー70aは下端側がリクライニングロック機構3の作動軸4に連結されている。上部バー70bは、第1の制動リンク71に向けて上方に延在するよう配置されている。
第1の制動リンク71は、図5で示すように中腹部を上部バー70bの上端側に支軸70dで軸承し、誘導ピン72の突出する上部側を上方に向け、下部側をクッションブラケット5’のストッパピン51に向けて揺動可能に装着されている。
リクライニング用のリンクプレート73は、図6で示すように下部側を重点とした略三角形状を呈し、後部側をバックブラケット1’の板面に支軸77で軸承することから旋回可能に装着されている。そのリンクプレート73の板面には、第1の制動リンク71の支軸70dを中心とする円弧状のガイド穴78が誘導ピン72を挿通するよう設けられている。また、ガイド穴78の前穴端より下方に位置する係合穴縁79aから折曲り基部を経て上方に伸びる逃げ穴縁79bと連続する略L字状の制御穴79がワイヤ止着ピン76を挿通するよう設けられている。
第2の制動リンク74は、中腹部をリンクプレート73の板面に支軸74aで装着し、伸長バー75を上部側に支軸74bで軸承連結し、下部側を第1の制動リンク71と逆側よりストッパピン51と当接可能に下方に向けて配置されている。この構成中、伸長バー75の上端側より側方に突出するワイヤ止着ピン76には作動レバー7が金属ワイヤ7aをケーブルチューブ7bに挿通したワイヤケーブルで連結されている。
そのリクライニングロック開錠機構は、作動レバー7の引張り操作により、リンクプレート73,第1の制動リンク71,リンクバー70の機構全体を制御穴79の係合穴縁79aに係合するワイヤ止着ピン76で引き上げて作動軸4を回動することによりリクライニングロック機構3を開錠する。また、作動レバー7の引張りを解除すると、機構全体が自重で降下することから、作動軸4を回動戻しさせてリクライニングロック機構3を施錠するよう組み付けられている。
チップアップロック機構は、クッションブラケット5’の略半円弧形を呈する上縁辺と後部側を相対位置し、前部側をバックブラケット1’の板面に支軸80aで装着した揺動可能なラッチ80と、リクライニング用のリンクプレート73を軸承する支軸77と同軸上に装着した揺動可能なラッチ係止用のカム81とを備えて構成されている。
ラッチ80には、図7で示すように上述したシートクッションの着座時用,中段跳上げ時用,上段跳上げ時用の切欠歯52a〜52cと択一に噛合乃至は離脱可能な突起歯80bが後部側の下辺に設けられている。突起歯80bは、跳上げ位置用の切欠歯52b,52cと確実な噛合いを保てるよう前後二つの突起で形成されている。
カム81は、リクライニング用のリンクプレート73をバックブラケット1’の板面に軸承する支軸77と同じ支軸により上部側を軸支すると共に、ラッチ80を係止するよう下部側をラッチ80の後部側上辺に向けて揺動可能に取り付けられている。
ラッチ80には、カム81の下部側を受け止める係止段部80cが後部側の上辺に設けられている。そのカム81の下部側がラッチ80の係止段部80cで受け止められることから、カム81がつかい棒としてラッチ80を押え込む。この
ため、ラッチ80の突起歯80bをクッションブラケット5’の切欠歯52a〜52cと確実に噛合状態に保てる。
そのカム81の角度向きはラッチ80の係止段部80cとの関係から、図8で示すようにラッチ80の支軸中心Oとカム81の当接点Pとを結ぶ線Lを基準に、カム81の支軸中心Oとカム81の当接点Pとを結ぶ線Lで描かれる角度θが鋭角に設定されている。この構成中、基準線Lは係止段部80cの底面を突起歯80bに近づかせて形成することから、ラッチ80の支軸中心Oより後方に向って下り勾配の斜線となるよう設定するとよい。
カム81としては、下部側を半楕円形に形成したものが備え付けられている。そのカム81の下部形状から、ラッチ80の係止段部80cはカム81の下部側と整合する略J字状を呈するよう形成されている。この略J字の底面は、カム81の下部側を少なくとも半分以上受けられる弯曲面に形成することから、カム81の下部側をラッチ80の係止段部80cで安定よく受け止められる。
チップアップロック開錠機構は、カム81の揺動を許容する窪み部80d(図7参照)をラッチ80の後部側上辺に設けると共に、リクライニング用のリンクプレート73をバックブラケット1’の板面に軸承する支軸77と同じ支軸により、チップアップ用のリンクプレート82をカム81と一体に旋回可能にバックブラケット1’に装着することから構成されている。チップアップ用のリンクプレート82には、作動レバー8が金属ワイヤ8aをケーブルチューブ8bに挿通したワイヤケーブルで直接連結されている。
ラッチ80の窪み部80dは、突起歯80bがクッションブラケット5’の切欠歯52a〜52cから外れる逃げ空間を保つよう係止段部80cの段部縁より少なくとも各歯52a〜52c、80bの噛合代分だけ深く窪ませて設ければよい。図示実施の形態では、ラッチ80の窪み部80dが係止段部80cの段部縁より切欠歯52a〜52cと突起歯80bとの噛合代分より深くてカム81の下部側と整合する略U字状を呈するよう形成されている。
そのラッチ80の窪み部80dは、カム81がラッチ80の係止段部80cより外れて揺動することを許容すると共に、カム81の下部側が嵌り込んでラッチ80をクッションブラケット5’の後部側から上方に掛上げ揺動可能に形成されている。このカム81の揺動により、ラッチ80の突起歯80bが切欠歯52a〜52cとの噛合状態から確実に解除するまでラッチ80を引き上げられる。なお、ラッチ80はクッションブラケット5’の枢軸50とラッチ80の支軸80aとで保持した押えプレート90(図4参照)で安定よく揺動可能に支持されている。
リクライニング用のリンクプレート73と、チップアップ用のリンクプレート82とは、リクライニング用のリンクプレート73を軸承する支軸77の同軸上で個別に旋回可能に取り付けられている。これは、カム81,チップアップ用のリンクプレート82を支軸77の同軸上に固定すると共に、支軸77をバックブラケット5’の板面で挿通保持すれば、チップアップ用のリンクプレート82をカム81とを一体に旋回可能に取り付けられる。
チップアップ用のリンクプレート82には、開口穴83が板面を刳り抜いて設けられている。その開口穴83は、図9で示す如くリクライニング用のリンクプレート(図示せず)に設けたガイド穴78の後穴縁と重なり合って誘導ピン72と係合可能な中段穴縁83aと、ガイド穴78の後穴端より下方に向って誘導ピン72より当接逃げ可能な下段穴縁83bと、ガイド穴78の前穴端より上方に伸びて誘導ピン72を逃がし移動可能な上段穴縁83cとに連続するよう形成されている。
そのチップアップロック開錠機構は、バック背側上部の作動レバー8の引張り操作により、リンクプレート82を上方に旋回させると共に、カム81を一体に揺動し、ラッチ80をカム81でクッションブラケット5’より引き上げることからチップアップロック機構を開錠する。また、作動レバー8の引張りを解除すると、リンクプレート82,カム81,ラッチ80の機構全体が自重で降下することから、チップアップロック機構を施錠するよう組み付けられている。
シートクッション5のスタンド脚部6は、図10で示すように片バネ端を支軸6aによる枢着位置よりも上端側に連結し、他バネ端をクッションブラケット(図示せず)の前方側に連結するコイルバネまたは捩りコイルバネでなる引張バネ10により、シートクッションの下部を収納方向として引張支持されている。このスタンド脚部6は、片ワイヤ端11aを支軸6aによる枢着位置よりも上端側に連結し、シートクッション側の後方に伸びるワイヤケーブル11でシートバック側と連結されている。
シートバック側では、図11aで示すように他ワイヤ端11bがバックフレームの適宜個所に立設する掛止め片12で挿通支持されている。このシートバック側のワイヤ端11bは球状のエンドストップとして形成し、ワイヤ軸線を掛止め片12の板面に挿通させて掛止め片12より突出し方向にズレ動き可能に取り付けられている。なお、ケーブルチューブ11cとしては全長がコンペセータで伸び縮み可能なものが組み付けられている。
そのワイヤケーブル11は、図11aで示すシートクッションの着座状態にある時のワイヤ端12bを起点に、図11bで示すシートクッションの跳上げ途上直前位置まで引張バネ10に抗してスタンド脚部6を立脚方向に引張り、一方、図11cで示すシートクッションの跳上げ途上から上方の跳上げ位置まででスタンド脚部6の引張りを解除するよう引張り力を強弱変換可能に配線されている。
そのケーブルワイヤ11により、スタンド脚部6はシートクッションの跳上げまたはシート全体のダイブダウンに連動させてシークッションの下部側に収納可能で、一方、シートクッションまたはシート全体の着座戻しに連動させて車体フロアFの下段側fに設置した受け座6bと係合するよう立脚出し可能に備え付けられている。
このように構成するチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシートでは、シート全体が着座姿勢(図1参照)にあり、リクライニングロック機構,チップアップロック機構が施錠状態(図3参照)にある時は、第1の制動リンク71の下端側がクッションブラケット5’のストッパピン51で係止されているため、誘導ピン72がリクライニング用のリンクプレート73に設けられたガイド穴78の後穴端に位置する。これにより、シート全体の着座位置が定められている。
その第1の制動リンク71に対し、第2の制動リンク74は下端側がクッションブラケット5’のストッパピン51に近接位置するが、ストッパピン51との当接による力的作用を受けずに自重で下がっている。このため、伸長バー75が第2の制動リンク74と屈曲状態にあり、ワイヤ止着ピン76がリクライニング用のリンクプレート73に設けられた制御穴79の係合穴縁79aに位置する。
そのシート全体が着座姿勢にある時に、リクライニングロック機構を開錠するに、作業員がバック背部上側の作動レバー7を引張り操作すると、図12で示すようにリワイヤ止着ピン76が制御穴79の係合穴縁79aに位置するため、クライニング用のリンクプレート73がワイヤ止着ピン76で引っ張られる。また、誘導ピン72がガイド穴78の後穴端に位置すると共に、開口穴83の中段穴縁83aと係合していることから、チップアップ用のリンクプレート82も誘導ピン72で引っ張られる。
リクライニング用のリンクプレート73が支軸77を支点に上方に旋回すると、図13で示すように誘導ピン72がガイド穴78で上方に引き上げられ、リクライニングロック機構の作動軸4と下端側で連結された屈伸可能なリンクバー70が第1の制動リンク71を介して上方に引き上げられる。これにより、リクライニングロック機構が開錠する。
また、リクライニング用のリンクプレート73が上方に旋回すると、チップアップ用のリンクプレート82も上方に旋回することから、カム81が一体に揺動し、カム81の下部側がラッチ80の係止段部80cより窪み部80dに移動し、ラッチ80がカム81で上方に掛け上げられる。これにより、ラッチ80の突起歯80bがクッションブラケット5’の切欠歯52aより噛合解除されるため、チップアップロック機構も開錠する。
そのカム81によるラッチ80の掛上げは、図14で示すようにラッチ80の窪み部80dが係止段部80cの段部縁より切欠歯52aとの噛合代分より深くて設けることから、カム81がラッチ80をクッションブラケット5’の上縁辺より上方に大きく揺動するよう行なわれる。このため、ラッチ80の突起歯80bをクッションブラケット5’の切欠歯52aとの噛合状態から確実に解除できる。
そのリクライニングロック機構,チップアップロック機構の開錠により、図15で示すようにシートバック1を逃げ代X(図2参照)だけ後倒しに角度調整するようにできる。このシートバック1の角度調整後に、バック背側上部の作動レバー7の引張りを解除すると、リクライニング用のリンクプレート73,第1の制動リンク71,リンクバー70の機構全体、並びに、チップアップ用のリンクプレート82,カム81,ラッチ80の機構全体が自重で下り復帰し、リクライニングロック機構,チップアップロック機構を施錠できることから、シート全体を着座姿勢に保てる。
また、リクライニングロック機構,チップアップロック機構の開錠により、図16a,図16bで示すようにシートバック1を前倒しさせてシート全体を車体フロアFの下段側fにダイブダウン収納するようにもできる。この場合には、図17a,図17bで示すようにリクライニング用のリンクプレート73,第1の制動リンク71,リンクバー70の機構全体、並びに、チップアップ用のリンクプレート82,カム81,ラッチ80の機構全体が自重で下り復帰できないことから、リクライニングロック機構,チップアップロック機構は開錠状態に保たれる。
そのシート全体のダイブダウン収納にあたっては、作業者がバック背側上部の作動レバー7を手で持ってシート全体をある程度まで前倒ししたならば、クッション前側下部の作動レバー8に持ち代え、車体フロアFの下段部fまで持ち下げるようにするとよい。
ダイブダウン収納したシート全体を着座姿勢に戻す時には、リクライニングロック機構,チップアップロック機構が開錠状態にあることから、作業者が背側上部の作動レバー7を手で持ってシートバック1を持ち上げれば、図18a,図18bで示すようにシートバック1からシートクッション5を着座姿勢(図1参照)まで容易に戻せる。
上述したと同様に、シート全体の着座姿勢からシートクッション1をチップアップする時は、図19で示すようにクッション前部下側の作動レバー8を引張り操作すると、上述したと同様にチップアップ用のリンクプレート82が支軸77を支点に上方に揺動すると共に、カム81も一体に揺動し、カム81の下部側がラッチ80の窪み部80dと嵌り合ってラッチ80を掛け上げるため、チップアップロック機構が開錠する(図14参照)。
そのチップアップロック開錠機構の操作時には、図20で示すようにチップアップ用のリンクプレート82が誘導ピン72と開口穴83の下段穴縁83bで当接逃げする。このため、誘導ピン72がチップアップ用のリンクプレート82で上方に引き上げられないから、リクライニングロック機構は開錠しない。
そのチップアップロックの開錠状態から、作業員が手をクッション前側下部の作動レバー8に掛けたままでシートクッション5を前部側より上方に持ち上げると、ラッチ80の突起歯80bがクッションブラケット5’の切欠歯52aより離脱状態に保たれるため、クッションブラケット5’の枢軸50を支点とし、シートクッション5を着座位置より中段位置(図20参照)、または、図21で示すようにシートクッション5をシートバック1の相対側の上段位置まで跳ね上げられる。
シートクッション5の跳上げ状態から、クッション前側下部の作動レバー8から引張りを解除すると、図22で示す(上段跳上げ)ようにチップアップ用のリンクプレート82,カム81,ラッチ80の機構全体が自重で下り復帰し、カム81の下部側がラッチ80の係止段部80cに受け止められると共に、ラッチ80の突起歯80bがクッションブラケット5’の切欠歯52cと噛合状態に保たれる。これにより、シートクッション5はチップアップロック機構の施錠で上段跳上げ姿勢に保たれる。
シートクッション5を中段または上段跳上げ状態から着座戻しする時は、上述したと同様にクッション前側下部の作動レバー8を引張り操作すれば、チップアップロック機構を開錠できるため、シートクッション5を着座位置まで前倒しすることから戻せる。
シートクッション5が上段位置で跳上げ状態に施錠されている時(図22参照)には、クッションブラケット5’のストッパピン51が第1の制動リンク71,第2の制動リンク74のいずれの下部側より離れ、第1の制動リンク71,第2の制動リンク74が自重で下がる。これにより、第1の制動リンク71の誘導ピン72はリクライニング用のリンクプレート73に設けたガイド穴78の前端側に移動する。一方、ワイヤ止着ピン76は伸長バー75の屈曲戻りで制御穴79の係合穴縁79aに移動する。
そのシートクッション5の上段跳上げ状態から、シートバック1と共に前倒しさせてダイブダウン収納するようクッション背側上部の作動レバー7を引張り操作すると、図23で示すようにリクライニング用のリンクプレート73が上方に揺動し、ガイド穴78の前端側に位置する第1の制動リンク71の誘導ピン72がリクライニング用のリンクプレート73で上方に引き上げられるため、上述したようにリクライニングロック機構を開錠できる。
そのリクライニングロック機構の開錠操作に伴っては、誘導ピン72がリクライニング用のリンクプレート73に設けたガイド穴78の前穴端に位置すると共に、チップアップ用のリンクプレート82に設けられた開口穴83の当接逃がし可能な上段穴縁83cに移動することから、チップアップ用のリンクプレート82が旋回せず、チップアップロック機構が施錠状態に保たれる。
そのチップアップロック機構が施錠状態に保たれることから、図24aで示すようにシートクッション5が倒れ出さないでシートバック1と一体に前倒しでき、図24bで示すようにチップアップロック機構が施錠状態に保ったままで、シート全体をダイブダウン収納するようにできる。
そのシート全体のダイブダウン収納にあたっては、作業者が上述したと同様にリクライニング用の作動レバー7を手で持ってシート全体をある程度まで前倒ししたならば、チップアップ用の作動レバー8に持ち代え、車体フロアFの下段部fまで持ち下げればよい。これにより、チップアップロック機構も開錠させてシート全体をダイブダウン収納するようにできる。
上述したようにリクライニングロック機構を作動レバー7の引張り操作で開錠しても、チップアップロック機構が施錠状態に保たれるため、図25で示すようにシート全体をシートクッション5の上段跳上げ状態で遊び代X(図2参照)だけ後倒しに角度調整することもできる。
シートクッション5が中段位置で跳上げ状態に施錠されている時には、図26で示すように第2の制動リンク74がストッパピン51で蹴り上げられている。これに伴って、伸長バー75が第2の制動リンク74より伸び、ワイヤ止着ピン76が制御穴79の屈曲基部まで移動している。
そのシートクッション5が中段跳上げ状態で、バック背側上部の作動レバー7が誤り操作されても、図27aで示すようにワイヤ止着ピン76が制御穴79の屈曲基部から逃げ穴縁79b(図6参照)に移動するところから、リクライニングロックを開錠しないよう空振り操作となる。これにより、図27bで示すようにシートクッション5が前倒れしないようリクライニングロックを施錠状態に保てる。
上述したシート全体の姿勢変え中には、またはシート全体のダイブダウンまたはシートクッション5の跳上げに連動させてスタンド脚部6をシートクッション5の下部側に収納できる。また、シート全体の跳上げ状態から着座戻しまたはシートクッション5の着座戻しに連動させてスタンド脚部6を車体フロアFの下部側fに立脚出しさせることができる。
上述した各機構は片側のクッションブラケット,バックブラケットに備えるものに基づいて説明したが、各機構は両側のクッションブラケット,バックブラケットに夫々備え付けられる。両側の各機構は、リクライニング用の作動レバー,チップアップ用の作動レバーから分岐する各二本のワイヤケーブルで同期させて開錠動きさせるよう構成できる。
本発明に係るチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシートを示す側面図である。 図1の自動車用リクライニングシートに備えられるクッションブラケットの部分側面図である。 図1の自動車用リクライニングシートに備えられるリクライニングロック機構、リクライニングロック開錠機構、チップアップロック機構、チップアップロック開錠機構を示す側面図である。 図3の各機構を示す正面図である。 図3のリクライニングロック開錠機構に組み付けられるリンクバー,第1の制動リンク,誘導ピンを示す側面図である。 図3のリクライニングロック開錠機構に組み付けられるリクライニング用のリンクプレート,第2の制動リンク,伸長バー,ワイヤ止着ピンを示す側面図である。 図3のチップアップロック機構に組み付けられるラッチを示す側面図である。 図3のチップアップロック機構による施錠状態を原理的に示す説明図である。 図3のチップアップロック開錠機構に組み付けられるリンクプレートを示す側面図である。 図1の自動車用リクライニングシートに備えられるスタンド脚部を示す側面図である。 図10のワイヤケーブルによるスタンド脚部の引張状態をシートバック側で示す説明図である。 図10のワイヤケーブルによるスタンド脚部の引張解除途上状態をシートバック側で示す説明図である。 図10のワイヤケーブルによるスタンド脚部の引張解除状態をシートバック側で示す説明図である。 図3のリクライニングロック機構の開錠操作状態を示す説明図である。 図12の操作によるリクライニングロック機構,チップアップロック機構の開錠状態を示す説明図である。 図12の操作によるチップアップロック機構の開錠状態を示す説明図である。 図1の自動車用リクライニングシートをシートバックの後倒しによる角度調整状態で示す側面図である。 図1の自動車用リクライニングシートをダイブダウン収納途上で示す側面図である。 図1の自動車用リクライニングシートをダイブダウン収納状態で示す側面図である。 図16aのダイブダウン収納途上にある自動車用リクライニングシートのリクライニングロック開錠機構,チップアップロック開錠機構を示す説明図である。 図16bのダイブダウン収納状態にある自動車用リクライニングシートのリクライニングロック開錠機構,チップアップロック開錠機構を示す説明図である。 図16bのダイブダウン収納状態にある自動車用リクライニングシートの着座戻し初期手順を示す説明図である。 図18aの自動車用リクライニングシートを着座戻し途上で示す説明図である。 図3のチップアップロック機構の開錠操作状態を示す説明図である。 図19のチップアップロック機構の開錠によるシートクッションの跳上げ途上状態を示す説明図である。 図20のシートクッションの上段跳上げ状態を示す説明図である。 図21のチップアップロック機構の施錠戻り状態を示す説明図である。 上段跳上げ状態のシート全体をダイブダウンさせる際のリクライニングロック機構の開錠操作状態を示す説明図である。 図23の操作によるシート全体のダイブダウン途上状態を示す側面図である。 図23の操作によるシート全体のダイブダウン最終直前にあたるリクライニングロック機構の開錠状態を示す説明図である。 図21のシートクッションを跳ね上げたシート全体の後倒しによる角度調整状態で示す側面図である。 シートクッションの中段跳上げ状態にあたるリクライニングロック機構、リクライニングロック開錠機構、チップアップロック機構、チップアップロック開錠機構を示す側面図である。 図26のリクライニングロック機構を誤操作状態で示す説明図である。 図27aの誤操作によるシート全体を示す側面図である。
符号の説明
1 シートバック
1’ バックブラケット
2 ベースブラケット
3 リクライニングロック機構
4 リクライニングロック機構の作動軸
5 シートクッション
5’ クッションブラケット
50 クッションブラケットの枢軸
51 ストッパピン
52a〜52c 切欠歯
6 スタンド脚部
7 リクライニング用の作動レバー
7a,7b リクライニング用のワイヤケーブル
70 リンクバー
71 第1の制動リンク
72 誘導ピン
73 リクライニング用のリンクプレート
74 第2の制動リンク
75 伸長バー
76 ワイヤ止着ピン
77 リクライニング用リンクプレートの支軸
78 ガイド穴
79 制御穴
8 チップアップ用の作動レバー
8a,8b チップアップ用のワイヤケーブル
80 ラッチ
80a ラッチの支軸
80b ラッチの突起歯
80c ラッチの係止段部
80d ラッチの窪み部
81 カム
82 チップアップ用のリンクプレート
10 スタンド脚部の引張バネ
11 スタンド脚部のワイヤケーブル
ラッチの支軸中心
カムの支軸中心
P カムの当接点
ラッチの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線
カムの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線

Claims (4)

  1. シート全体の設置基となるベースブラケットを車体フロアの上段側に設け、作動軸の回動で開錠乃至は回動戻りで施錠可能なリクライニングロック機構をベースブラケットとバックブラケットとの相対間に備え、シートバックをリクライニングロックの施錠で着座姿勢に保持し、リクライニングロックの開錠で角度調整可能に構成し、
    クッションブラケットの上方に湾曲する後部側を枢軸でバックブラケットの下部寄りに枢着し、車体フロアの下段側に立脚するスタンド脚部をクッションブラケットの前部側に設け、チップアップロック機構をクッションブラケットの後部側とバックブラケットの板面との間に備え、クッションブラケットの枢軸を支点としてシートクッションをチップアップロックの開錠で着座位置より上方の中段位置,シートバックと相対する上段位置と跳上げ可能で、シートクッションの跳上げ姿勢をチップアップロックの施錠で保持可能に構成し、
    更に、着座姿勢にあるシートバックをリクライニングロックの開錠で前倒しさせてシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に、或いは、シートクッションの上段跳上げ状態にあるシート全体をリクライニングロックの開錠で車体フロアの下段側にダイブダウン収納可能に構成する一方、シートクッションの中段跳上げ状態にあるシート全体を車体フロアの下段側にダイブダウン収納不能に構成するチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシートにおいて、
    枢軸を中心として後部側の上縁辺を略半円弧形に形成し、枢軸の上方で板面より側方に突出するストッパピンを設けたクッションブラケットを備え、
    リクライニングロック開錠機構は、シートバックの背側上部に配設した引張り操作用の作動レバーと、下端側をリクライニングロック機構の作動軸に連結した屈伸可能なリンクバーと、中腹部をリンクバーの上端側に支軸で装着し、下部側をストッパピンと当接可能に配置した揺動可能な第1の制動リンクと、後部側をバックブラケットの板面に支軸で装着した旋回可能なリクライニング用のリンクプレートと、中腹部をリンクプレートの板面に支軸で装着し、伸長バーを上部側に支軸で軸承連結し、下部側を第1の制動リンクと逆側よりストッパピンと当接可能に配置した揺動可能な第2の制動リンクと備え、
    第1の制動リンクの誘導ピンを上部側より側方に突出させて設け、該制動リンクの支軸を中心とする円弧状のガイド穴をリンクプレートの板面に設けて誘導ピンを挿通し、ワイヤ止着ピンを伸長バーの自由端側より側方に突出させて設け、ガイド穴の前穴端に位置する係合穴縁から上方に伸びる逃げ穴縁に連続する略L字状の制御穴をリンクプレートの板面に設け、ワイヤ止着ピンを制御穴に挿通させて引張り操作用の作動レバーとケーブルワイヤで連結し、
    シート全体の着座姿勢時には、第1の制動リンクを下部側でストッパピンに当接させて誘導ピンをガイド穴の後穴縁に位置し、且つ、第2の制動リンクを下部側でストッパピンに当接させてワイヤ止着ピンを誘導穴の係合穴縁に位置し、シートクッションの中段位置跳上げにより、ストッパピンを第1の制動リンクから離脱させて誘導ピンを第1の制動リンクの自重による揺動下がりでガイド穴の前穴縁まで移動し、且つ、第2の制動リンクを下部側よりストッパピンで蹴り上げてワイヤ止着ピンを伸長バーで制御穴のL字基部まで移動し、シートクッションの上段位置跳上げにより、ストッパピンを第2の制動リンクから離脱させて止着ピンを第2の制動リンクの自重による揺動下がりで制御穴の係合穴縁に移動可能に組み立ててなり、
    チップアップロック機構は、クッションブラケットの略半円弧形を呈する上縁辺と後部側を相対位置し、前部側をバックブラケットの板面に支軸で装着した揺動可能なラッチと、ラッチの係止用としてリクライニング用のリンクプレートの支軸と同軸上に装着した揺動可能なカムとを備え、
    略半円弧形の後部側,中腹部,前部側の順で並ぶシートクッションの着座時用,中段跳上げ時用,上段跳上げ時用の各切欠歯をクッションブラケットの後部側上縁辺に設けると共に、クッションブラケットの切欠歯と択一に噛合乃至は離脱可能な突起歯をラッチの後部寄り下辺に設けてなり、
    チップアップロック開錠機構は、シートクッションの前側下部に配設した引張り操作用の作動レバーと、リクライニング用のリンクプレートの支軸と同軸でカムと一体に装着した旋回可能なチップアップ用のリンクプレートとを備え、
    引張り操作用の作動レバーをチップアップ用のリンクプレートとケーブルワイヤで連結し、下部側を受け止めてカムの揺動を規制する係止段部と、係止段部の段部縁より少なくとも切欠歯と突起歯との噛合代分だけ深くてカムの揺動を許容する窪み部とをラッチの後部寄り上辺に設け、更に、ガイド穴の後穴縁と重なり合って誘導ピンと係合可能な中段穴縁と、ガイド穴より下方に延びて誘導ピンより当接逃げ可能な下段穴縁と、ガイド穴より上方に延びて誘導ピンを逃がし移動可能な上段穴縁とに連続する開口穴をチップアップ用のリンクプレートに設けてなり、
    シート全体が着座姿勢にある時、シートバックを角度調整しまたはシートバックを前倒しさせてシート全体をダイブダウン収納するに、リクライニング用の作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置する止着ピンで上方に旋回させると共に、チップアップ用のリンクプレートがガイド穴の後穴縁と重なり合う開口穴の中段穴縁に係合する誘導ピンで上方に旋回し、第1の制動リンクよりリンクバーを上方に引張り移動させてリクライニングロックを開錠し、且つ、ラッチの係止段部から窪み部に揺動移動するカムによりラッチをクッションブラケットから揺動離間させてチップアップロックを開錠可能とし、
    シート全体が着座姿勢にある時、シートクッションをチップアップするに、チップアップ用の作動レバーを引張り操作すると、チップアップ用のリンクプレートが上方に旋回し、ラッチの係止段部から窪み部に揺動移動するカムによりラッチをクッションブラケットから揺動離間させてチップアップロックを開錠可能とし、一方、リクライニング用のリンクプレートが開口穴の下段穴縁による誘導ピンの当接逃げで上方に旋回せずにリクライニングロックを開錠不能に空振り可能とし、
    シートクッションの上段跳上げ状態にあるシート全体をダイブダウン収納するに、リクライニング用の作動レバーを引張り操作すると、リクライニング用のリンクプレートが制御穴の係合穴縁に位置する止着ピンで上方に旋回し、制動リンクよりリンクバーをガイド穴の前穴縁に位置する誘導ピンで上方に引張り移動させてリクライニングロックを開錠可能とし、一方、チップアップ用のリンクプレートが開口穴の下段穴縁から上段穴縁に向う誘導ピンの当接逃げで上方に旋回せず、チップアップロックを開錠不能に空振り可能とし、
    シートクッションが中段跳上げ状態にある時に、シートバックの背側上部に配設した作動レバーを引張り操作すると、制御穴のL字基部に位置するワイヤ止着ピンが逃げ穴縁に入り込んでリクライニング用のリンクプレートを上方に旋回させず、リクライニングロックを開錠させないでダイブダウン収納不能に空振り可能とし、
    シートバックの角度調整後、または、シートクッションの中段位置,上段位置跳上げ後に、作動レバーの引張りを解除すると、機構全体が自重による復帰でリクライニングロック,チップアップロックを共に施錠可能とし、一方、シート全体のダイブダウン収納時に、機構全体が自重による復帰不能でリクライニングロック,チップアップロックを共に開錠状態に保てるリクライニングロック開錠機構,チップアップロック開錠機構を備え付けたことを特徴とするチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート。
  2. ラッチの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線を基準に、カムの支軸中心とカムの当接点とを結ぶ線で描く角度の鋭角に相応させてカムの角度向きを設定し、ラッチの突起歯とクッションブラケットの切欠歯との噛合状態を該カムの角度向きで保つチップアップロック機構を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート。
  3. 下部側を半楕円状に形成したカムを備え、カムの下部側が当接する略J字状を呈する係止段部に加え、該係止段部の段部縁より切欠歯と突起歯との噛合代分より深くてカムの下部側と整合する略U字状を呈する窪み部をラッチの揺動許容兼掛上げ用としてラッチの後部側上辺に設けたチップアップロック開錠機構を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載のチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート。
  4. 上端寄りをクッションブラケットの前寄り下部に支軸で枢着したスタンド脚部を備え、そのスタンド脚部をバネでシートクッションの下部側に対する収納方向に付勢支持すると共に、片ワイヤ端を支軸によるスタンド脚部の枢着位置よりも上端側に連結し、他ワイヤ端をシートバック側に連結し、通常時はスタンド脚部をバネに抗して立脚方向に引張り、シートバックの前倒し途上またはシートクッションの跳上げ途上でスタンド脚部の引張り力を強から弱に、シートバックの戻し途上またはシートクッションの戻し途上でスタンド脚部の引張り力を弱から強に変換可能なケーブルワイヤで引張支持してなることを特徴とする請求項1に記載のチップアップ・ダイブダウン式自動車用リクライニングシート。

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