JP2007181609A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】針の停止位置の調節を簡単に行う。
【解決手段】主軸モータ3と、基準信号発生手段7と、エンコーダ7と、針位置信号出力手段11と、糸切りアクチュエータ9と、糸切り機構8と、制御手段11と、を備えたミシン1において、糸切り停止位置を予め記憶する記憶手段113と、糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置を計測する糸切り停止位置計測手段11と、糸切り停止位置計測手段11により計測された実際の糸切り停止位置に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置が記憶手段113に記憶された糸切り停止位置に近づくように上位置信号に対応する計数値を自動補正して上位置信号を補正する上位置自動補正手段11と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミシンに関する。
縫製終了後に針に挿通された糸の糸切りを行う糸切り装置を備えたミシンが知られている。このようなミシンにおいて、糸切りは、ミシンモータにブレーキをかけて低速域まで減速させ、ミシンモータからの駆動が伝達される下軸を糸切りカムに噛み合わせる。そして、低速で回転する主軸の駆動が糸切りカムに伝達されることにより、糸切り装置が駆動して糸切りが行われる。
また、糸切りを行った後、針を上死点よりも若干下降した所定の糸切り停止位置で停止させるために、上位置検出用のセンサが設けられており、このセンサが針の上位置を検出するとミシンモータにブレーキをかけて針を停止させるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−276580号公報
しかしながら、ミシンモータと糸切り機構との間には、種々の機構が介在しており、ミシン毎に摩擦力や慣性力のバラツキが大きく、上位置を検出するセンサに基づいて同じ主軸角度でミシンモータの制動を開始しても糸切り後の針停止位置(糸切り停止位置)がミシン毎に異なってしまう現象が発生する。この糸切り後の針停止位置がずれてしまうと、糸切り後に糸を払うワイパーと針が干渉する等の問題が発生する。
そこで、従来は、ミシン毎に糸切り動作を行って上位置を検出するためのセンサの取付位置(主軸の回転角に対する取付角度)を変更して上位置の検出角度を調整する必要があった。しかも、糸切り機構を駆動するため大きく主軸モータにかかった負荷が糸切り停止直前に一気に解放されるため、停止直前のミシンモータの回転速度が不安定となり、同一のミシンでも糸切り後の針の停止位置を常に同一とすることはできなかった。そのため、従来は、複数回の糸切り動作を行った上で糸切り停止位置の中心値を把握してからセンサの取付位置を変更するという煩わしい調整作業をミシン毎に行う必要があった。なお、最近では、上位置を検出するための主軸角度等を操作パネルにより設定し、実際にセンサの取付位置を変更しなくても上位置の調整を行うことも行われている。しかし、調整時は繰り返しの糸切りと同時に操作パネルの操作を合わせて行わればならず、調整作業はやはり煩雑な作業を強いられていた。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、針の停止位置の調節を簡単に行うことができるミシンを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、針を支持する針棒を上下動させるミシン主軸及びミシン主軸に連結される下軸を駆動する主軸モータと、ミシン主軸1回転毎に基準信号を発生する基準信号発生手段と、ミシン主軸1回転毎に複数のパルス信号を出力するエンコーダと、前記基準信号を基準として前記パルス信号を計数して前記針の上位置及び下位置にそれぞれ対応して設定される計数値に達する毎に上位置信号及び下位置信号を出力する針位置信号出力手段と、糸切りを行う際の駆動源となる糸切りアクチュエータと、前記糸切りアクチュエータにより駆動されて前記下軸に嵌合する糸切りカムを有し、該糸切りカムを介して前記主軸モータの駆動力により駆動されて前記針に挿通される糸を切断する糸切り機構と、前記糸切り機構を作動させ前記糸を切断する糸切り動作と、前記糸を切断後、前記針位置信号出力手段から出力される前記上位置信号の出力開始に基づいて前記主軸モータの制動を開始させて前記針の先端を被縫製物の上方の所定の糸切り停止位置に停止させる停止動作とからなる糸切り処理が行われるように、前記糸切りアクチュエータ及び前記主軸を制御する制御手段と、を備えたミシンにおいて、前記糸切り停止位置を予め記憶する記憶手段と、前記糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置を計測する糸切り停止位置計測手段と、前記糸切り停止位置計測手段により計測された実際の糸切り停止位置に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置が前記記憶手段に記憶された糸切り停止位置に近づくように前記上位置信号に対応する計数値を自動補正して前記上位置信号を補正する上位置自動補正手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、糸切り機構を作動させ糸を切断する糸切り動作と、糸を切断後、針位置信号出力手段から出力される上位置信号の出力開始に基づいて主軸モータの制動を開始させて針の先端を被縫製物の上方の所定の糸切り停止位置に停止させる停止動作とからなる糸切り処理が行われるように、糸切りアクチュエータ及び主軸を制御する。
糸切り処理実行後、糸切り停止位置計測手段は、実際の糸切り停止位置を計測する。そして、上位置自動補正手段は、糸切り停止位置計測手段により計測された実際の糸切り停止位置に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置が記憶手段に記憶された所定の糸切り停止位置に近づくように上位置信号に対応する計数値を自動補正する。
これにより、ユーザが上位置を検出するセンサの取り付け位置を適宜調節し、針が適切な位置で停止するように調節作業を行わなくても、上位置自動補正手段が自動的に針の停止位置(糸切り停止位置)を自動的に補正するので、針の停止位置の調節を簡単に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記記憶手段に記憶された糸切り停止位置と前記上位置自動補正手段により自動補正された上位置信号に基づく前記糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置との偏差を算出する偏差算出手段と、前記偏差算出手段により算出された偏差が所定範囲内であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記偏差が所定範囲内であると判別されると、前記補正された計数値を基準としてさらに複数回の実際の糸切り停止位置の計測を繰り返し、その複数の計測値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段により算出された平均値に基づいて、前記補正された計数値をさらに補正する平均値補正手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、偏差算出手段は、記憶手段に記憶された糸切り停止位置と上位置自動補正手段により自動補正された上位置信号に基づく糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置との偏差を算出し、判別手段は、偏差算出手段により算出された偏差が所定範囲内であるか否かを判別する。そして、平均値算出手段は、判別手段により偏差が所定範囲内であると判別されると、補正された計数値を基準としてさらに複数回の実際の糸切り停止位置の計測を繰り返し、その複数の計測値の平均値を算出する。そして、平均値補正手段は、平均値算出手段により算出された平均値に基づいて、補正された計数値をさらに補正する。
これにより、複数の計数値を計測し、これらの値を平均値算出手段により算出した平均値を用いて計数値を更に補正することができるので、針の停止位置の補正精度をより高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、前記平均値補正手段の糸切り停止位置の計測の繰り返し回数を設定する繰り返し回数設定手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、繰り返し回数設定手段により平均値補正手段の糸切り停止位置の計測の繰り返し回数を設定することで、針の停止位置のバラツキが大きいときは、繰り返し回数を増やすなど、針の停止位置のバラツキの程度に対応した調整作業が可能となり、針の停止位置の補正精度をより高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のミシンにおいて、前記繰り返し回数の計測後、再度、前記平均値補正手段による補正の実行を指示する再設定手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、再設定手段を設けることにより、補正の精度が低い場合には、再度平均値補正手段による補正の実行を指示することができるので、所望する針の停止位置まで繰り返して補正することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、前記判別手段により前記偏差が所定範囲外であると判別されると、エラーを報知するエラー報知手段を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、エラー報知手段により偏差が所定範囲外である旨のエラーが報知されるので、ユーザはミシンに何らかの異常があるものと判断し、そのエラーにすぐに対処することができるようになり、作業効率を向上させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、ユーザが上位置を検出するセンサの取り付け位置を適宜調節し、針が適切な位置で停止するように調節作業を行わなくても、上位置自動補正手段が自動的に針の停止位置(糸切り停止位置)を自動的に補正するので、針の停止位置の調節を簡単に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数の計数値を計測し、これらの値を平均値算出手段により算出した平均値を用いて計数値を更に補正することができるので、針の停止位置の補正精度をより高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、繰り返し回数設定手段により平均値補正手段の糸切り停止位置の計測の繰り返し回数を設定することで、針の停止位置のバラツキが大きいときは、繰り返し回数を増やすなど、針の停止位置のバラツキの程度に対応した調整作業が可能となり、針の停止位置の補正精度をより高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、所望する針の停止位置まで繰り返して補正することができるようになる。
請求項5に記載の発明によれば、ユーザはミシンに何らかの異常があるものと判断し、そのエラーにすぐに対処することができるようになり、作業効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。
<ミシンの構成>
図1に示すように、ミシン1は、被縫製物が載置されるミシンテーブルT上に設けられ、針を支持する針棒を上下動させるミシン主軸(以下、主軸という)を駆動する主軸モータとしてのミシンモータ2と、ミシンモータ2により回転駆動される主軸3と、主軸3の回転駆動により上下動する針棒4と、針棒4に交換可能に備えられる針5と、ミシン1に対する操作入力を行うための操作パネル6等を備えている。
また、図2に示すように、ミシン1は、ミシンモータ2に備えられてミシンモータ2の回転数を検出するエンコーダ7と、上糸や下糸などの糸を切断する糸切り機構8と、糸切り機構8を駆動させる駆動源となる糸切りアクチュエータ9と、ユーザに作業のエラーを報知するアラーム12と、上記各部の動作を制御する制御装置11等を備えている。
(針の駆動機構)
ミシンモータ2は、ミシンペダル(図示略)の操作に基づいて、制御装置11から駆動回路を介して送られる駆動制御信号に基づき、主軸3を回転させる。
主軸3は、ミシンモータ2に直接又はベルトを介して接続され(図1においては直接接続)、このミシンモータ2により主軸3に回転力が付与される。また、主軸3には、下軸S(図3参照)が縦軸(図示略)を介して連結されており、主軸3が回動すると、その主軸3の動力が縦軸を介して下軸S側へ伝達され、下軸Sが回転するようになっている。
主軸3の先端には、リンク機構3a(図1参照)を介して針棒4が連結されており、その針棒4の下端には針5が設けられている。また、下軸(図示略)の前端には、釜(図示略)が設けられている。
すなわち、ミシンモータ2が駆動することにより、主軸3及び下軸Sが回転し、主軸3の回転により針棒4を上下動させる。一方、主軸3とともに下軸が回動すると、針5と釜との協働により、糸供給源から供給されて針5に挿通される上糸と、釜を介し供給される下糸とにより、被縫製物に縫い目が形成されるようになっている。
(操作パネル)
操作パネル6は、LCD等の表示装置とその表示装置の画面に設けられたタッチパネルとを有する。
操作パネル6は、種々の縫製情報や、各種スイッチ(設定スイッチ、入力スイッチ)等を表示する。操作パネル6の画面からタッチパネルで入力された設定値や操作指示は制御装置11に送信される。
具体的には、操作パネル6は、糸切り機構8により糸切りが行われたときの針の停止位置(糸切り停止位置)の計測回数を設定する繰り返し回数設定手段として機能する。ここで設定される計測回数は一回であってもよいし、複数回であってもよい。
また、操作パネル6は、糸切り停止位置の計測回数だけ計測した後に、再度、針5の停止位置を補正する旨の指示を行う再設定手段として機能する。
(エンコーダ)
エンコーダ7は、主軸3が1回転する毎に基準信号を発生する基準信号発生手段として機能する。具体的には、主軸3が0°、換言すれば、針5が上死点に来たときに基準信号を発生し、制御装置11に送信するようになっている。
また、エンコーダ7は、主軸3が1回転する毎に複数のパルス信号を出力する。具体的には、エンコーダ7は、一定の角度毎(例えば、1°)に1パルスずつパルス信号を出力し、出力されたパルス信号は制御装置11に送信される。
従って、制御装置11は、エンコーダ7から発信された基準信号を受信して針5が上死点にきたことを認識してから、それ以降に受信するパルス信号の数を計数することにより、主軸3が0°の位置から何度回転したかを算出することができる。
(糸切り機構)
図3に示すように、糸切り機構8は、糸切りアクチュエータ9としてのソレノイド9に連結され、ソレノイド9のピストンロッド9aの進退により下軸Sの駆動力が付与され、糸を切断するように構成されている。
糸切り機構8は、ソレノイド9のピストンロッド9aの先端にリンク81の一端が連結されている。リンク81の途中には、リンク82の一端が連結され、リンク82の他端がミシンフレームに固定された支持台(図示略)に回動自在に固定されている。リンク81の他端は、L字状に形成されたリンク83の途中に連結されている。L字状に形成されたリンク83の屈曲部Rはミシンフレームに固定された支持台に回動自在に連結されている。リンク83の一端には複数のリンクを介して糸掛け(図示略)が連結されている。
リンク83の他端には、リンク83の図示上方に下軸Sの軸線に略直交する方向に延びる回動軸85が連結されている。回動軸85は、リンク83の回動により自身の軸線方向に沿って移動可能となっている。回動軸85には、当該回動軸85の軸線方向に沿って延びる突起86が連結されている。この突起86は、下軸Sに略平行に延びる支持板87に連結されている。支持板87は、その長手方向に沿って移動可能とされている。突起86は、回動軸85自身の軸線方向に沿って移動することで、下軸Sに軸支された糸切りカム88の溝88aに係合するように構成されている。ここで、糸切りカム88の溝88aは、波状に形成されており、糸切りカム88が回転することにより、糸切りカム88の溝88aに係合された突起86が下軸Sの軸線方向に揺動するようになっている。すなわち、下軸Sは主軸3を介してミシンモータ2に連結されていることから、糸切り機構8はミシンモータ2の駆動力により駆動されて針5に挿通された糸を切断する。
支持板87の一端には、突起89が形成されている。この突起89には、一端が二股に形成された略く字状の駆動板90が係合されている。駆動板90は、その屈曲部Tで支持台(図示略)に回動自在に固定され、駆動板90の他端には、固定メス91の下面に配置され、駆動板90の駆動により糸を固定メス91との間で挟み込んで切断する可動メス92が当該可動メス92に形成された突起92aを介して係合されている。
(糸切り機構の動作)
ソレノイド9を駆動させたときの糸切り機構8の動作について説明する。
後述するCPU111が、エンコーダ7により検出される所定の主軸3の角度(下位置)でソレノイド9を駆動させてピストンロッド9aを引く(縮める)と、リンク81はソレノイド9に向けて移動する。リンク81が移動すると、リンク83は屈曲部Rを支点に時計回りに回動し、リンク83に連結された回動軸85はリンク83の他端とともに図3における矢印方向Fに移動する。回動軸85の移動により、回動軸85に連結された突起86も同方向に移動し、糸切りカム88の溝88aに噛み合う。ここで、下軸Sが回転することにより糸切りカム88も回転し、溝88aが波状に形成されていることから、糸切りカム88の回転に伴って突起86は下軸Sの軸線方向に沿って揺動する。突起86の揺動により、突起86に連結された支持板87も揺動し、支持板87の揺動により駆動板90は突起89の揺動に伴って屈曲部Tを中心に回動し、突起92aを介して可動メス92を揺動させる駆動力を付与する。この可動メス92の揺動により、固定メス91とで糸を挟み込んで糸を切断する。
(制御装置)
図2に示すように、制御装置11は、縫製や糸切り等に関する処理プログラムに従って各処理を実行するCPU111と、CPU111の作業エリアとなるRAM112と、各処理を実行するための処理プログラムや処理データ等が記憶されるROM113と、を備えている。
制御装置11は、CPU111がROM113内に記憶された所定のプログラムを実行することにより、エンコーダ7から発信された基準信号を基準として、同じくエンコーダ7から出力されたパルス信号を計数して針5の上位置(糸切り後に針の上下動を停止させる制動信号をミシンモータ2に送信するときの針の位置)及び下位置(糸切りを開始するためにソレノイド9を駆動させるときの針の位置)にそれぞれ対応して設定される計数値に達する毎に上位置信号及び下位置信号を出力する針位置信号出力手段として機能する。
制御装置11は、CPU111がROM113内に記憶された所定のプログラムを実行することにより、糸切り機構8を作動させ糸を切断する糸切り動作と、糸を切断後、出力される上位置信号の出力開始に基づいてミシンモータ2の制動を開始させて針5の先端が被縫製物の上方の糸切り停止位置に停止させる停止動作とからなる糸切り処理が行われるように、ソレノイド9及び主軸3を制御する制御手段として機能する。
制御装置11のROM113には、糸切り機構8による糸切り後に針5を停止させるために、糸切り後にミシンモータ2の制動を開始させるための上述した上位置に対応する主軸3の角度である上位置角度と、針5を停止させる糸切り停止角度の目標となる目標停止角度とが予め記憶され、ROM113は記憶手段として機能する。すなわち、制御装置11は、ROM113に記憶された糸切り停止角度に対応する停止位置に針5が停止するようにミシンモータ2や主軸3の駆動を制御する。
制御装置11は、糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置を計測する糸切り停止位置計測手段として機能する。具体的には、エンコーダ7から出力されたパルス数を計数することで糸切り停止位置を算出することができる。また、具体的に、糸切り停止位置とは、針5が上死点にあるときの主軸3に対して、糸切りが終了して針5が停止したときの主軸3が何度回転しているかを表す糸切り停止角度を指すものである。
制御装置11は、計測された実際の糸切り停止位置(糸切り停止角度)に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置(糸切り停止角度)がROM113に記憶された糸切り停止位置(糸切り停止角度)に近づくように上位置信号に対応する計数値を自動補正して上位置信号を補正する上位置自動補正手段として機能する。
制御装置11は、ROM113に記憶された糸切り停止位置と自動補正された上位置信号に基づく糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置との偏差を算出する偏差算出手段として機能する。
制御装置11は、算出された偏差が所定範囲内であるか否かを判別する判別手段として機能する。
制御装置11は、偏差が所定範囲内であると判別されると、補正された上位置信号に基づいてさらに複数回の実際の糸切り停止位置の計測を繰り返し、その複数の計測値の平均値を算出する平均値算出手段として機能する。
制御装置11は、算出された平均値に基づいて、補正された計数値をさらに補正する平均値補正手段として機能する。
また、制御装置11には、算出された偏差が所定範囲外であると判別されると、エラーを報知するエラー報知手段としてのアラーム10が接続されている。すなわち、実際に計測された糸切り停止位置とROM113に記憶された糸切り停止位置とのずれが許容可能な範囲外である場合にエラーが報知される。
<糸切り停止位置の自動補正方法>
図4に示すように、制御装置11は、糸の切断後にミシンモータ2の制動を開始させる角度である上位置角度に対応する計数値を記憶手段としてのROM113から読み込む(ステップS1)。なお、初回においては、ROM113に記憶された経験に基づく妥当なデフォルト値を読み込む。ここでの計数値は、針5が上位置(往復動作経路における上死点)にあるときの主軸3に対して、何度回転しているかを指すものである。
次いで、制御装置11は、縫製を開始させる設定スイッチがONになったか否かを判断する(ステップS2)。ここで、制御装置11が、縫製を開始する起動スイッチがONになったと判断すると(ステップS2:YES)、制御装置11はミシンモータ2に駆動信号を送信してミシンモータ2を駆動させ、主軸3を回転させることにより縫製を行う(ステップS3)。一方、制御装置11が、起動スイッチがONになっていないと判断すると(ステップS2:NO)、制御装置11はステップS2の処理を繰り返す。
そして、制御装置11は、糸切り停止位置を自動縫製するための所定針数の運針が終了すると、ミシンモータ2に対して減速指令を出力する。次いで、制御装置11は、主軸3が所定の低速(例えば、200rpm)まで減速されたか否かをエンコーダ7から出力信号に基づいて判断し、主軸3が所定の低速まで減速されたと判断すると、下位置信号の出力の出力後にソレノイド9に、糸切り信号を出力することにより糸切りカム88を介して可動メス92を動作させて糸切り動作を行わせる。
次いで、制御装置11は、エンコーダ7より入力される基準信号から計数してパルス信号が上位置角度に相当する分だけ計数されたか否かを判断する。そして、制御装置11が上位置角度を検出したと判断すると、制御装置11は、制御手段として機能し、上位置信号を出力するとともに上位置信号の出力開始に基づいて低速域で駆動するミシンモータ2を停止させる停止信号(制動信号)をミシンモータ2に送信してミシンモータ2に制動を開始させ、主軸3に連結された針棒4に設けられた針5の上下動を停止させる(ステップS4)。
次いで、制御装置11は、糸切り停止位置計測手段として機能し、実際に停止させた針5の糸切り停止位置を計測する(ステップS5)。糸切り停止位置の計測に当たっては、制御装置11が針5の上死点角度を検出してからのエンコーダ7のパルス信号を計数することにより行う。
次いで、制御装置11は、判別手段として機能し、実際に計測された糸切り停止角度と目標停止角度(例えば、50°)とが一致するか否かを判断する(ステップS6)。なお、このステップS6での判断においては、実際に計測された糸切り停止角度と目標停止角度とが一致する場合に限らず、両者の角度差が一定の許容範囲内(例えば、±50°)であるか否かを判断するものであってもよい。
ここで、制御装置11が、糸切り停止角度と目標停止角度とが一致しないと判断した場合(ステップS6:NO)、制御装置11は、さらに判別手段として機能し、その糸切り停止角度が異常値、すなわち、あまりにも糸切り停止角度が目標停止角度からあまりにもかけ離れている角度(例えば、60°以上又は40°以下)か否かについて判断する(ステップS7)。ここで、制御装置11が、糸切り停止角度が異常値であると判断した場合(ステップS7:YES)、制御装置11は、エラー報知手段としてのアラーム10に駆動信号を送信し、アラーム10は警告音等によりユーザに針5の停止位置が異常である旨の警報を行う(ステップS8)。一方、制御装置11が、糸切り停止角度が異常値ではないと判断した場合(ステップS7:NO)、制御装置11は、偏差算出手段として機能し、目標停止角度と糸切り停止角度との角度差(偏差)を算出する(ステップS9)。このステップS9で算出される角度差が糸切り停止角度を補正する補正角度となる。
次いで、制御装置11は、上位置自動補正手段として機能し、ROM113から読み込んだ上位置角度にステップS9にて算出された補正角度を足し(ステップS10)、これにより算出される角度を新たな上位置角度としてRAM112に記憶させ(ステップS11)、ステップS3の処理に戻る。
ステップS6において、制御装置11が、糸切り停止角度と目標停止角度とが一致すると判断した場合(ステップS6:YES)、制御装置11は、糸切り停止角度の計測の繰り返し回数Nを初期化し(ステップS13)、繰り返し回数が事前に操作パネル6にて設定された繰り返し回数であるか否かを判断する(ステップS14)。ここで、制御装置11が、繰り返し回数が設定された回数に到達していないと判断した場合(ステップS14:NO)、制御装置11は、繰り返し回数Nのカウントを一つ増やし(ステップS15)、制御装置11はミシンモータ2に駆動信号を送信してミシンモータ2を駆動させ(例えば、5000rpm)、主軸3を回転させることにより縫製を行う(ステップS16)。
そして、制御装置11が、ステップS54と同様に、下位置信号に基づいてミシンモータ2及びソレノイド9に出力すると、糸切りカム88の溝88aに突起86が係合されて可動メス92が動作して糸切り動作が行われる。
次いで、制御装置11は、エンコーダ7より入力される基準信号から計数してパルス信号が上位置角度に相当する分だけ計数されたか否かを判断する。そして、制御装置11が上位置角度を検出したと判断すると、制御装置11は、低速域で駆動するミシンモータ2を停止させる停止信号をミシンモータ2に送信し、主軸3に連結された針棒4に設けられた針5の上下動を停止させる(ステップS17)。
次いで、制御装置11は、糸切り停止位置計測手段として機能し、実際に停止させた針5の糸切り停止位置を計測する(ステップS18)。なお、糸切り停止角度は、繰り返し回数毎に分けてRAM112に記憶される。
次いで、制御装置11は、判断手段として機能し、その糸切り停止角度が異常値(例えば、60°以上又は40°以下)であるか否かについて判断する(ステップS19)。ここで、制御装置11が、糸切り停止角度が異常値であると判断した場合(ステップS19:YES)、制御装置11は、ステップS8の処理に戻り、アラーム10に駆動信号を送信し、アラーム10は警告音等によりユーザに針5の停止位置が異常である旨の警報を行う。一方、制御装置11が、糸切り停止角度が異常値ではないと判断した場合(ステップS19:NO)、制御装置11は、ステップS14の処理に戻り、繰り返し回数が事前に操作パネル6にて設定された回数(N回目)であるか否かを判断する。
ステップS14において、制御装置11が操作パネル6により設定した繰り返し回数に到達したと判断した場合(ステップS14:YES)、制御装置11は、平均値算出手段として機能し、RAM112に記憶された繰り返し回数(N回)分の糸切り停止角度の平均値を算出する(ステップS21)。
次いで、制御装置11は、目標停止角度と糸切り停止角度の平均値との角度差を算出する(ステップS22)。このステップS22で算出される角度差が糸切り停止角度を補正する補正角度となる。
次いで、制御装置11は、平均値補正手段として機能し、ROM113から読み込んだ上位置角度にステップS22にて算出された補正角度を足し(ステップS23)、これにより算出される角度を新たな上位置角度としてRAM112に記憶させ(ステップS24)、繰り返し回数Nのカウントを0にリセットする(ステップS25)。
次いで、制御装置11は、上位置角度の補正処理が終了したか否かを判断する(ステップS26)。ここで、制御装置11が、上位置角度の補正処理が終了したと判断した場合(ステップS26:YES)、制御装置11は本処理を終了させる。一方、制御装置11が、上位置角度の補正処理が終了していないと判断した場合(ステップS26:NO)、制御装置11は、ステップS16の処理に戻る。なお、この判断においては、繰り返し回数だけ計測が行われて補正処理が終了した後に、ユーザが再度補正の実行を指示した場合にステップS16に戻るようにしてもよいし、事前に条件設定をして自動的に行うようにしてもよい。
<作用効果>
ミシン1によれば、制御装置11は、糸切り機構8を作動させ糸を切断する糸切り動作と、糸を切断後、出力される上位置信号の出力開始に基づいてミシンモータ3の制動を開始させて針5の先端が被縫製物の上方の糸切り停止位置に停止させる停止動作とからなる糸切り処理が行われるように、ソレノイド9及び主軸3の駆動を制御する。
糸切り処理実行後、制御装置11は、実際の糸切り停止位置を計測する。そして、制御装置11は、計測された実際の糸切り停止位置に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置がROM113に記憶された糸切り停止位置に近づくように上位置信号に対応する計数値を自動補正する。
これにより、従来のミシンのようにユーザが上位置を検出するセンサの取り付け位置を適宜調節し、針5が適切な位置で停止するように調節作業を行わなくても、制御装置11が自動的に針5の停止位置を自動的に補正するので、針5の停止位置の調節を簡単に行うことができる。
また、制御装置11は、自動補正された糸切り停止位置と糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置との偏差を算出し、算出された偏差が所定範囲内であるか否かを判別する。そして、制御装置11は、偏差が所定範囲内であると判別されると、補正された上位置信号に対応する計数値を基準としてさらに複数回の実際の糸切り停止位置の計測を繰り返し、その複数の計測値の平均値を算出する。そして、制御装置11は、算出された平均値に基づいて、補正された計数値をさらに補正する。
これにより、制御装置11は、複数の計数値を計測し、これらの値を算出した平均値を用いて補正された計数値を更に補正することができるので、針の停止位置の補正精度をより高めることができる。
また、操作パネル6により糸切り停止位置の計測の繰り返し回数を設定することで、糸切り停止位置のバラツキに対応して針5の糸切り停止位置の補正をすることができる。
また、補正の精度が低い場合には、操作パネル6から補正の実行を指示することができるので、所望する針5の停止位置まで繰り返して補正することができるようになる。
また、アラーム10により偏差が所定範囲外である旨のエラーが報知されるので、ユーザはそのエラーにすぐに対処することができるようになり、作業効率を向上させることができる。
<その他>
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではない。例えば、ROMに記憶された各プログラムを、一つのプログラムとしてもよいし、より細分化してもよい。また、上記実施形態においては、プログラムのようなソフトウェアで処理しているが、これらに限らず、ハードウェアで処理するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、糸切り停止角度の補正にあたって、所定の運針数の縫製実行後に自動的に糸切り動作を行うようにしているが、作業者により操作される糸切りスイッチからの糸切り指令信号により糸切り動作を行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、通常の縫製動作とは異なる自動補正モードで糸切り停止角度を調整するための糸切り処理を実行させているが、上述のように糸切りスイッチからの糸切り指令信号により糸切り動作を行う場合は、特別な自動補正用モードを設けることなく通常の縫製動作中常時糸切り停止位置の自動補正を行うようにしても良い。このように縫製中常時自動補正することで、ミシンの摩擦抵抗の変動やミシンモータ2を駆動する電源電圧の変動に対して常に糸切り停止位置を適正に保つことができる。
その他、発明の範囲内において、自由に設計変更が可能である。
ミシンの概要図。 ミシンの構成を示すブロック図。 糸切り機構の動作原理を示す模式図。 糸切り停止位置の自動補正処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 ミシン
2 ミシンモータ(主軸モータ)
3 主軸(ミシン主軸)
4 針棒
5 針
6 操作パネル(繰り返し回数設定手段、再設定手段)
7 エンコーダ(基準信号発生手段)
8 糸切り機構
9 ソレノイド(糸切りアクチュエータ)
10 アラーム(エラー報知手段)
11 制御装置(針位置信号出力手段、制御手段、記憶手段、糸切り停止位置計測手段、上位置自動補正手段、偏差算出手段、判別手段、平均値算出手段、平均値補正手段)

Claims (5)

  1. 針を支持する針棒を上下動させるミシン主軸及びミシン主軸に連結される下軸を駆動する主軸モータと、
    ミシン主軸1回転毎に基準信号を発生する基準信号発生手段と、
    ミシン主軸1回転毎に複数のパルス信号を出力するエンコーダと、
    前記基準信号を基準として前記パルス信号を計数して前記針の上位置及び下位置にそれぞれ対応して設定される計数値に達する毎に上位置信号及び下位置信号を出力する針位置信号出力手段と、
    糸切りを行う際の駆動源となる糸切りアクチュエータと、
    前記糸切りアクチュエータにより駆動されて前記下軸に嵌合する糸切りカムを有し、該糸切りカムを介して前記主軸モータの駆動力により駆動されて前記針に挿通される糸を切断する糸切り機構と、
    前記糸切り機構を作動させ前記糸を切断する糸切り動作と、前記糸を切断後、前記針位置信号出力手段から出力される前記上位置信号の出力開始に基づいて前記主軸モータの制動を開始させて前記針の先端を被縫製物の上方の所定の糸切り停止位置に停止させる停止動作とからなる糸切り処理が行われるように、前記糸切りアクチュエータ及び前記主軸を制御する制御手段と、を備えたミシンにおいて、
    前記糸切り停止位置を予め記憶する記憶手段と、
    前記糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置を計測する糸切り停止位置計測手段と、
    前記糸切り停止位置計測手段により計測された実際の糸切り停止位置に基づいて、糸切り処理後の実際の糸切り停止位置が前記記憶手段に記憶された糸切り停止位置に近づくように前記上位置信号に対応する計数値を自動補正して前記上位置信号を補正する上位置自動補正手段と、
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記記憶手段に記憶された糸切り停止位置と前記上位置自動補正手段により自動補正された上位置信号に基づく前記糸切り処理実行後の実際の糸切り停止位置との偏差を算出する偏差算出手段と、
    前記偏差算出手段により算出された偏差が所定範囲内であるか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により前記偏差が所定範囲内であると判別されると、前記補正された計数値を基準としてさらに複数回の実際の糸切り停止位置の計測を繰り返し、その複数の計測値の平均値を算出する平均値算出手段と、
    前記平均値算出手段により算出された平均値に基づいて、前記補正された計数値をさらに補正する平均値補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記平均値補正手段の糸切り停止位置の計測の繰り返し回数を設定する繰り返し回数設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記繰り返し回数の計測後、再度、前記平均値補正手段による補正の実行を指示する再設定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  5. 前記判別手段により前記偏差が所定範囲外であると判別されると、エラーを報知するエラー報知手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
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