JP2007181373A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単純な形状のマグネットでモータを構成することで磁気特性の優れたマグネットを利用可能とし、小型且つ高出力を実現可能とした駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置は、地板1、ステッピングモータM、直進部材2、第1の案内部材3、第2の案内部材4を備える。ステッピングモータMは、マグネットM1、ロータM2等を備える。マグネットM1は、中空円筒形状に構成され、周方向に異なる極に交互に着磁される。ロータM2は、軟磁性材料から形成され且つ中空円筒形状に構成され、内周面にねじ部M21を備える。直進部材2は、ステッピングモータMの回転軸方向に移動可能に構成され、ロータM2のねじ部M21に嵌合する駆動ピン24を備える。ステッピングモータMの回転に伴い、直進部材2の駆動ピン24とロータM2のねじ部M21との作用により、直進部材2は軸方向に移動する。
【選択図】図1
【解決手段】駆動装置は、地板1、ステッピングモータM、直進部材2、第1の案内部材3、第2の案内部材4を備える。ステッピングモータMは、マグネットM1、ロータM2等を備える。マグネットM1は、中空円筒形状に構成され、周方向に異なる極に交互に着磁される。ロータM2は、軟磁性材料から形成され且つ中空円筒形状に構成され、内周面にねじ部M21を備える。直進部材2は、ステッピングモータMの回転軸方向に移動可能に構成され、ロータM2のねじ部M21に嵌合する駆動ピン24を備える。ステッピングモータMの回転に伴い、直進部材2の駆動ピン24とロータM2のねじ部M21との作用により、直進部材2は軸方向に移動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、中空構造のステッピングモータの駆動力により被駆動体を回転軸方向に移動させる駆動装置に関する。
従来、撮像装置(スチルカメラ、ビデオカメラ等)のレンズを駆動する駆動装置として、小型のステッピングモータをレンズに対し並列に配置し、リードスクリュー等の機構を介してレンズを駆動するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。しかし、この種の駆動装置に用いられるステッピングモータは、開口部を有しない中実円柱形状(中央部に貫通部分がなく構成部材が存在する形状)であるため、光路との干渉を避けるために、ステッピングモータをレンズの外側に配置する必要があった。そのため、駆動装置全体の小径化が困難であった。
上記の問題に鑑み、駆動装置の駆動源として中空円筒形状のステッピングモータを用い、中央部の貫通部分をレンズの光軸として利用することで、半径方向の寸法を小さくした駆動装置が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。以下、第1の従来例(特許文献2)及び第2の従来例(特許文献3)について説明する。
図8は、第1の従来例(特許文献2)に係るレンズ鏡筒駆動装置の構成を示す斜視図である。図9は、レンズ鏡筒駆動装置を構成するステッピングモータの磁束を説明する図である。
図8及び図9において、特許文献2記載のレンズ鏡筒駆動装置では、ステッピングモータを構成する周方向に多極に着磁された円筒形状のマグネットA6に、カム溝A6aを設け、カム溝A6aの作用によりレンズ鏡筒A2を軸方向に移動可能としている。このような構成をとることで、駆動装置の小径化を達成している。図中、A4はレンズ鏡筒A2に付設された駆動ピン、A10及びA14はステータ、A10a1〜A10b2及びA14a1〜A14b2はステータ歯、A12及びA16はコイルである。
しかし、特許文献2記載のレンズ鏡筒駆動装置では、マグネットA6はカム溝A6aを有するという複雑な形状になるため、加工性は良いものの磁気特性の劣るプラスチックマグネットを用いなければ成形することができなかった。そのため、ステッピングモータの十分なトルクを出すには、コイルに印加する電圧を高める、コイルの巻線数を増加するなどの対策が必要であり、省電力化や小型化に難があった。
更に、特許文献2記載のレンズ鏡筒駆動装置では、コイルへの通電により発生する磁束は、図9に示すように主としてステータ歯A10a1(A14a1)の端面とステータ歯A10b1(A14b1)の端面との間を通過する(図9の矢印参照)。そのため、マグネットA6には磁束が効果的に作用せず、ステッピングモータの出力が高くならないという問題があった。
図10は、第2の従来例(特許文献3)に係るレンズ鏡筒駆動装置の構成を示す断面図である。
図10において、特許文献3記載のレンズ鏡筒駆動装置では、上記特許文献2記載のレンズ鏡筒駆動装置の問題を以下のように解決している。B1は外周面が周方向に分割され多極に着磁された円筒形状のマグネット、B2は第1のコイル、B3は第2のコイル、B4は第1の外側磁極部、B5は第1の内側磁極部、B6は第2の外側磁極部、B7は第2の内側磁極部であり、ステッピングモータを構成する。また、B8はレンズ、B9はヘリコイドである。
このような構成をとることで、コイルB2、B3への通電により発生する磁束は、内側磁極部B5(B7)から外側磁極部B4(B6)へ通り、その間にあるマグネットB1に効果的に作用する。これにより、ステッピングモータのトルクを高めることができ、効率の良いレンズ鏡筒駆動装置を実現している。
実開平2−71155号公報
USP4605286
特開2002−051524号公報
しかしながら、上記特許文献3記載のレンズ鏡筒駆動装置では、ステッピングモータのロータとなるマグネットB1が磁極部に囲まれる構成であった。このため、出力を取り出すにはマグネットB1にピンを取り付けることが必要であり、部品点数が増加するという問題があった。この対策として、プラスチックマグネットを用いてマグネットとピンを一体に成形するという方法があるが、磁気特性が劣るためトルクが下がる、部品構成が複雑になり小径化しにくくなる、という問題があった。
また、上記特許文献3記載のレンズ鏡筒駆動装置では、マグネットB1と内側磁極部B5(B7)の間に空隙を設ける必要があった。このため、駆動装置の径方向の寸法が空隙の分だけ大きくなってしまうため、上記同様に駆動装置の小径化が難しい、という問題があった。
本発明の目的は、単純な形状のマグネットでモータを構成することで磁気特性の優れたマグネットを利用可能とし、小型且つ高出力を実現可能とした駆動装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の駆動装置は、周方向に異なる極に着磁された中空円筒形状のマグネットと、前記マグネットの内周部に同心に固定され前記マグネットと共に回転部を構成するロータと、前記マグネットの着磁面と対向する状態に配置される第1及び第2の磁極部と、前記第1及び第2の磁極部をそれぞれ励磁する第1及び第2のコイルとを有するモータと、前記モータの回転駆動力により前記モータの回転軸方向に移動される直進部材と、前記直進部材を前記回転軸方向へ移動可能に案内する案内部材とを備え、前記モータの回転運動を前記直進部材の前記回転軸方向への移動に変換する変換手段を、前記ロータに設け、前記ロータは、軟磁性材料から形成され、前記第1及び第2のコイルへの通電により形成される磁束を伝達する磁路を兼ねたことを特徴とする。
本発明によれば、マグネットを単純な中空円筒形状に構成しているため、複雑な形状を成形できるが磁気特性が劣るプラスチックマグネットを用いる必要がなく、磁気特性の優れた焼結マグネットを用いることができる。これにより、小型で高出力な駆動装置を実現することが可能となる。
また、モータの回転運動を直進部材のモータ回転軸方向への移動に変換する変換手段をロータに設けているため、回転運動を回転軸方向への移動に変換する移動変換部材を新たに設ける必要がない。これにより、駆動装置の部品点数及びコストを削減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動装置の構成部品を示す分解斜視図である。図2は、組立後の駆動装置の構造を示す断面図である。尚、図2では、ステッピングモータの回転軸を通る軸方向断面を図示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動装置の構成部品を示す分解斜視図である。図2は、組立後の駆動装置の構造を示す断面図である。尚、図2では、ステッピングモータの回転軸を通る軸方向断面を図示している。
図1及び図2において、駆動装置は、地板1、ステッピングモータM、直進部材2、第1の案内部材3、第2の案内部材4を備えている。駆動装置は、ステッピングモータMを駆動源として駆動対象(被駆動体)を回転軸方向に駆動するものである。本実施の形態では、駆動装置の駆動対象として、撮像装置(デジタルカメラ、ビデオカメラ等)に搭載されるレンズ鏡筒内のレンズ(フォーカシング用の可動レンズ、ズーミング用の可動レンズ)等の光学部品を例に挙げ説明する。
地板1は、非磁性材料から形成されると共に、中空円筒形状に構成されている。地板1の内側には、ステッピングモータM、直進部材2、第1の案内部材3、第2の案内部材4が配置される。これにより、駆動装置が構成される。ステッピングモータM及び駆動装置の組立については後述する。
ステッピングモータMは、その中央部の軸方向に貫通部分を有するいわゆる中空構造(中空円筒形状)に構成されており、回転部及び固定部を備えている。即ち、ステッピングモータMは、マグネットM1、ロータM2、第1のコイルM3、第1のボビンM4、第2のコイルM5、第2のボビンM6、第1の固定ヨークM7、第2の固定ヨークM8、位置決めリングM9、第1の軸受部M10、第2の軸受部M11を備えている。ステッピングモータMの詳細構成については後述する。
直進部材2は、ステッピングモータMの回転軸方向に移動可能な部材であり、レンズ保持部21、スリーブ部22、回転規制部23、駆動ピン24から構成されている。レンズ保持部21は、円盤形状に構成されており、中央に開口部(穴部)を有する。レンズ保持部21は、開口部にレンズ等の光学部品を保持することができると共に、開口部を光軸として利用することができる。スリーブ部22は、ステッピングモータMの回転軸方向に延出された筒状に構成されており、筒内部に第1の案内部材3が嵌合される。
回転規制部23は、U字型の切り欠きとして構成されており、その切り欠きに第2の案内部材4が嵌合される。駆動ピン24は、レンズ保持部21の外周部に配設されており、その先端が概略円錐形状に構成されると共に、その中心軸がステッピングモータMの回転軸に対して直交している。駆動ピン24は、後述のロータM2のねじ部M21に嵌合される。
第1の案内部材3は、ステッピングモータMの回転軸方向に延びる棒状の部材である。第1の案内部材3は、直進部材2のスリーブ部22に嵌合され、直進部材2を軸方向に移動可能に支持(案内)する。第1の案内部材3は、不図示の箇所で地板1に対して一体に固定されている。
第2の案内部材4は、ステッピングモータMの回転軸方向に延びる棒状の部材である。第2の案内部材4は、直進部材2の回転規制部23に嵌合され、直進部材2が地板1に対して回転することを規制する。第2の案内部材4は、第1の案内部材3に対して平行に配設されると共に、不図示の箇所で地板1に対して一体に固定されている。
次に、上記ステッピングモータMの詳細構成について説明する。
ステッピングモータMの回転部は、マグネットM1とロータM2から構成される。
マグネットM1は、中空円筒形状に構成された永久磁石である。マグネットM1の外周面は、周方向にn分割された着磁部として構成されている。マグネットM1の各着磁部は、周方向にS極及びN極に交互に着磁されたものである。本実施の形態では、n=30に設定されている。一方、マグネット1の内周面は、外周面に比べ弱い着磁分布を持つか、或いは全く着磁されていないか、或いは外周面と逆の極性に着磁されているかの何れかに構成されている。
ロータM2は、軟磁性材料から形成されると共に、中空円筒形状に構成されている。ロータM2の内周面には、ねじ部M21が形成されている。ロータM2は、ねじ部M21が、第1の固定ヨークM7の第1の磁極部、第2の固定ヨークM8の第2の磁極部に対して同軸(同心)上に且つ径方向に所定間隔を置いて重ねた位置(径方向内側)に配置される。ロータM2の外径は、マグネットM1の内径にほぼ等しい大きさに構成されている。ロータM2は、マグネットM1の内周部に対してマグネットM1と同心に固定される。尚、駆動装置の駆動対象がレンズ等の光学部品である場合、ロータM2の内周面はめっき処理などにより表面反射を抑えておくことが望ましい。
ステッピングモータMの固定部は、第1のコイルM3、第1のボビンM4、第2のコイルM5、第2のボビンM6、第1の固定ヨークM7、第2の固定ヨークM8、位置決めリングM9、第1の軸受部M10、第2の軸受部M11から構成される。
第1のコイルM3は、円環形状の第1のボビンM4の外周部に巻き付けられており、その回転中心はマグネットM1の中心軸と同軸である。第1のコイルM3の外径は、マグネットM1の外径よりもわずかに大きく構成され、第1のコイルM3の内径は、マグネットM1の内径よりもわずかに大きく構成されている。第1のコイルM3は、電圧の印加(通電)により第1の固定ヨークM7の第1の磁極部M71を励磁する。
第2のコイルM5は、円環形状の第2のボビンM6の外周部に巻き付けられており、その回転中心はマグネットM1の中心軸と同軸である。第2のコイルM5は、第1のコイルM3と同形状に構成されている。第2のコイルM5は、電圧の印加(通電)により第2の固定ヨークM8の第2の磁極部M81を励磁する。
第1の固定ヨークM7は、軟磁性材料から形成されており、第1の磁極部M71(M71−1、M71−2、・・・M71−n/2)、天板部M72を備えている。第1の固定ヨークM7は、マグネットM1の外周側に配置される。第1の磁極部M71(第1の磁極部群)は、マグネットM1の着磁面に対して平行で且つ軸方向に沿って延出されたいわゆる櫛歯形状に形成されている。第1の磁極部M71の櫛歯形状は、円筒形状の軟磁性材料を周方向に所定間隔で切り欠くことで形成される。第1の磁極部M71の本数は、1〜n/2の範囲内の任意の本数に設定される。本実施の形態では、15(=30/2)本である。
また、第1の磁極部M71の各々は、周方向に720/n°またはその整数倍の間隔を置いて所定の歯幅で形成されている。本実施の形態では、24°(=720/30°)の間隔を置いて形成されている。第1の磁極部M71の内径は、第1のコイルM3の外径とほぼ同じであり、マグネットM1の外径よりわずかに大きく構成されている。
天板部M72は、薄いリング形状に構成されており、外径部で第1の磁極部M71と一体につながっている。天板部M72の内径は、ロータM2の外径よりもわずかに大きく構成され、天板部M72の厚さは、第1の磁極部M71の厚さとほぼ同じに構成されている。
ステッピングモータMの組立時(後述)には、第1の固定ヨークM7の内周部に第1のコイルM3を組み込む。第1のコイルM3への通電により、第1の固定ヨークM7の第1の磁極部M71を励磁することができるようになる。
第2の固定ヨークM8は、軟磁性材料から形成されており、第2の磁極部M81(M81−1、M81−2、・・・M81−n/2)、天板部M82を備えている。第2の固定ヨークM8は、マグネットM1の外周側に配置される。第2の固定ヨークM8は、第1の固定ヨークM7と同形状に構成されている。即ち、第2の磁極部M81(第2の磁極部群)は、上記第1の磁極部M71と同じ構造を有し、天板部M82は、上記天板部M72と同じ構造を有する。
ステッピングモータMの組立時(後述)には、第2の固定ヨークM8の内周部に第2のコイルM5を組み込む。第2のコイルM5への通電により、第2の固定ヨークM8の第2の磁極部を励磁することができるようになる。
位置決めリングM9は、非磁性材料から形成されており、第1の位置決め部M91、第2の位置決め部M92、リング部M93を備えている。リング部M93は、リング形状に構成されており、その外径は第1の磁極部M71の外径とほぼ等しく、その内径はマグネットM1の外径よりもわずかに大きく構成されている。第1の位置決め部M91、第2の位置決め部M92は、それぞれ、リング部M93の外周部から反対側の軸方向に延出された鍔形状に構成されている。第1の位置決め部M91と第2の位置決め部M92とは、リング部M93の周方向に若干の位相差をもって形成されている。
ステッピングモータMの組立時において、第1の位置決め部M91に第1の固定ヨークM7を嵌合させ、第2の位置決め部M92に第2の固定ヨークM8を嵌合させる。これにより、第1の固定ヨークM7と第2の固定ヨークM8の位置関係を、回転方向に所定の角度に、軸方向に所定の距離に設定することができる。
第1の軸受部M10及び第2の軸受部M11は、摺動性の良い同じ材料から形成されている。第1の軸受部M10及び第2の軸受部M11は、地板1の内周部に固定され、ロータM1を回転可能に支持することができる。
本実施の形態におけるステッピングモータM及び駆動装置の組み立ては以下のように行う。
先ず、地板1に、第1の軸受部M10、第1の固定ヨークM7、第1のコイルM3、第1のボビンM4を組み込む。次に、地板1に、マグネットM1及びロータM2から構成された回転部を組み込む。最後に、地板1に、第2のコイルM3、第2のボビンM4、第2の固定ヨークM8、第2の軸受部M11を組み込む。これにより、ステッピングモータMを組み立てることができる。
更に、上記組立後のステッピングモータMを構成するロータM2の内周部に形成されたねじ部M21に、直進部材2の外周部に配設された駆動ピン24を嵌合させることにより、駆動装置を組み立てることができる。
次に、上記構成を有する本実施の形態の駆動装置の動作について図3乃至図6を参照しながら詳細に説明する。
図3乃至図6は、ステッピングモータMの回転時における第1の固定ヨークM7と第2の固定ヨークM8の磁極部の極性と、マグネットM1の回転位置を示す図である。尚、図3乃至図6の(a)は、図1の矢視A−A線を通る、図3乃至図6の(b)は、図1の矢視B−B線を通る、ステッピングモータMの回転軸に垂直な断面で切断したものである。また、説明の簡略化のため地板1は図示していない。
先ず、駆動装置を構成するステッピングモータMの回転動作について説明する。
図3は、第1のコイルM3に正方向の通電(正通電)を行い、第2のコイルM5に逆方向の通電(逆通電)を行った状態を示している。第1のコイルM3に正通電を行うことにより、第1の固定ヨークM7はN極に励磁される(図3(b))。また、第2のコイルM5に逆通電を行うことにより、第2の固定ヨークM8はS極に励磁される(図3(a))。このときの第1のコイルM3、第2のコイルM5の作る磁路は、第1の固定ヨークM7の天板部M72、第2の固定ヨークM8の天板部M82から、第1の磁極部M71、マグネットM1、ロータM2へと伝わっていく。
ロータM2の外周部における、第1の磁極部M71、第2の磁極部M81に対向する部分は、磁極部とは逆の極性に励磁される。即ち、ロータM2を磁路として利用することができ、ステッピングモータMのトルクを大きくすることができる。ロータM2は軟磁性材料から形成されているため、磁路として利用するのに好適である。マグネットM1は、第1の磁極部M71、第2の磁極部M81それぞれとの磁気的な吸引力により回転トルクを受け、図3に示す角度位置(本実施の形態では3.0°)において安定する。
図4は、第1のコイルM3に逆通電を行うことで第1の固定ヨークM7をS極に励磁し、第2のコイルM5に逆通電を行うことで第2の固定ヨークM8をS極に励磁した状態を示している。マグネットM1の安定する角度位置は、図3に示す角度位置から1×180/n°(本実施の形態では図3に示す角度位置から+6°)進んだ状態(9.0°)となる。
図5は、第1のコイルM3に逆通電を行うことで第1の固定ヨークM7をS極に励磁し、第2のコイルM5に正通電を行うことで第2の固定ヨークM8をN極に励磁した状態を示している。マグネットM1の安定する角度位置は、図3に示す角度位置から2×180/n°(本実施の形態では図3に示す角度位置から+12°)進んだ状態(15.0°)となる。
図6は、第1のコイルM3に正通電を行うことで第1の固定ヨークM7をN極に励磁し、第2のコイルM5に正通電を行うことで第2の固定ヨークM8をN極に励磁した状態を示している。マグネットM1の安定する角度位置は、図3に示す角度位置から3×180/n°(本実施の形態では図3に示す角度位置から+18°)進んだ状態(21.0°)となる。
このように、第1のコイルM3と第2のコイルM4に対する通電の方向を順次切り替えることで、マグネットM1の安定する角度位置を順次切り替えることができる。これにより、ステッピングモータMの回転部(マグネットM1、ロータM2)を回転させることができる。
次に、駆動装置を構成するステッピングモータMの回転に伴って、直進部材2がステッピングモータMの回転軸方向に移動する動作について説明する。
ステッピングモータMの回転部(マグネットM1、ロータM2)が回転すると、ロータM2のねじ部M21も回転する。直進部材2は第1の案内部材3と第2の案内部材4に支持されているため、軸方向にのみ移動可能となっている。そして、直進部材2に一体に形成された駆動ピン24とロータM2のねじ部M21との作用により、ねじ部M21の回転に伴って直進部材2は軸方向に移動する。
尚、本実施の形態では、駆動ピン24を直進部材2と一体に構成しているが、これに限定されるものではない。駆動ピン24を直進部材2と別体に構成し、直進部材2により駆動ピン24をバネを介して弾性支持することで駆動ピン24に付勢力を与え、駆動ピン24とねじ部M21の間のガタをなくすことも有効である。
また、本実施の形態では、直進部材2を軸方向に移動可能に案内する部材として、2本の棒状の第1の案内部材3及び第2の案内部材4を用いているが、これに限定されるものではない。棒状の案内部材を用いる代わりに、スリットを有する円筒形状の部材などを案内部材として用いても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ステッピングモータMを中央部の軸方向に貫通部分を有する中空構造に構成している。即ち、ステッピングモータMのマグネットM2を中空円筒形状という単純な形状に構成している。従って、複雑な形状を成形できるが磁気特性が劣り結合材として用いる樹脂の割合の高いプラスチックマグネットを用いる必要がなく、磁気特性の優れたマグネット(例えば焼結により製造するマグネット)を用いることができる。その結果、ステッピングモータMのトルクを上げることができる。これにより、従来(特許文献2)の駆動装置に比べてコイルやマグネットの体積を小さくすることができ、小型で省電力且つ高出力な駆動装置を実現することが可能となる。
また、本実施の形態では、軟磁性材料から形成されたロータM2の内周面にねじ部M21を設け、ねじ部M21に直進部材2の駆動ピン24を嵌合させる構成としている。即ち、ロータM2は、第1及び第2のコイルへの通電により形成される磁束を伝達し(磁路として利用され)、ステッピングモータMの出力を高める機能と、ステッピングモータMの回転運動を直進部材2の軸方向の移動に変換する機能を有する。従って、回転運動を回転軸方向の移動に変換する移動変換部材を新たに設ける必要がない。これにより、駆動装置の高出力化と部品点数の削減が可能となり、駆動装置の低コスト化及びコンパクト化に有利となる。
また、本実施の形態では、マグネットM1の内周部にロータM2を固定し、マグネットM1及びロータM2によりステッピングモータMの回転部を構成している。従って、マグネットM1とロータM2の間には空隙がない構造となる。これにより、従来(特許文献3)の駆動装置のような外側磁極部の他に内側磁極部を有する構造と比較し、マグネットと内側磁極部との間の空隙の分を省略できるだけ、駆動装置を小径化することが可能となる。
また、本実施の形態では、ロータM2のねじ部M21を、第1の固定ヨークM7の第1の磁極部、第2の固定ヨークM8の第2の磁極部に対して同心に且つ径方向に所定間隔を置いて重ねた位置(径方向内側)に配置する構成としている。これにより、駆動装置の軸方向の寸法を小さくすることができる。特に、直進部材2の移動量がステッピングモータMの軸方向の寸法に比べて大きいときは、駆動装置全体の寸法を概略(直進部材の移動量)+(ねじ部と駆動ピンのかみしろ)とすることができる。これにより、軸方向にコンパクトな駆動装置を実現することが可能となる。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る組立後の駆動装置の構造を示す断面図である。尚、図7では、ステッピングモータの回転軸を通る軸方向断面を図示している。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る組立後の駆動装置の構造を示す断面図である。尚、図7では、ステッピングモータの回転軸を通る軸方向断面を図示している。
図7において、駆動装置は、地板(不図示)、ステッピングモータM、直進部材2、第1の案内部材3、第2の案内部材4を備えている。駆動装置は、ステッピングモータMを駆動源として駆動対象(被駆動体)を回転軸方向に駆動するものである。
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対して、駆動装置が図7に示す構成を有する点において相違する。本実施の形態における上述した第1の実施の形態(図1)と同じ部品については同一符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態では、ステッピングモータMのロータM2’のねじ部M21’を、第1のヨークM7と軸方向に並べた位置に配置する構成としている。このような構成をとることで、上記第1の実施の形態と比較し、軸方向の長さは長くなってしまうものの、ロータM2’の厚さを薄くすることができ、駆動装置を小径化することができる。即ち、直進部材2の移動量が小さく、駆動装置の径方向の小型化の要求が高い場合に有利となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ロータMのねじ部M21’を、第1のヨークM7と軸方向に並べた位置に配置する構成としているため、ロータM2の厚さを薄くすることができる。これにより、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏すると共に、駆動装置を更に小径化することが可能となる。
[他の実施の形態]
上記第1及び第2の実施の形態では、ロータの内周部に変換手段としてのねじ部を設けることで、ステッピングモータの回転を直進部材の軸方向の移動に変換することを実現しているが、これに限定されるものではない。例えば、ロータの外周部に変換手段としてのおねじ部を設け、直進部材側に前記おねじ部と嵌合するめねじ部を設ける構成としてもよい。この場合も上記第1及び第2の実施の形態と同じ機能を実現することができる。
上記第1及び第2の実施の形態では、ロータの内周部に変換手段としてのねじ部を設けることで、ステッピングモータの回転を直進部材の軸方向の移動に変換することを実現しているが、これに限定されるものではない。例えば、ロータの外周部に変換手段としてのおねじ部を設け、直進部材側に前記おねじ部と嵌合するめねじ部を設ける構成としてもよい。この場合も上記第1及び第2の実施の形態と同じ機能を実現することができる。
上記第1及び第2の実施の形態では、ロータの内周部に変換手段としてのねじ部を設けることで、ステッピングモータの回転を直進部材の軸方向の移動に変換することを実現しているが、これに限定されるものではない。例えば、直進部材にカム溝を設け、ロータの一部に変換手段としてのフォロワを設ける構成としてもよい。この場合も上記第1及び第2の実施の形態と同じ機能を実現することができる。
上記第1及び第2の実施の形態では、駆動装置の駆動対象として、撮像装置(デジタルカメラ、ビデオカメラ等)に搭載されるレンズ鏡筒内のレンズ(フォーカシング用の可動レンズ、ズーミング用の可動レンズ)を例に挙げたが、これに限定されるものではない。駆動装置の駆動対象としては、レンズ以外の部品にも適用することが可能である。
1 地板
2 直進部材
3 第1の案内部材
4 第2の案内部材
21 レンズ保持部(保持部)
24 駆動ピン(突起部)
M ステッピングモータ
M1 マグネット
M2 ロータ
M21、M21’ ねじ部(変換手段)
M3 第1のコイル
M5 第2のコイル
M7 第1の固定ヨーク
M8 第2の固定ヨーク
M71−1〜M71−15 第1の磁極部
M81−1〜M81−15 第2の磁極部
2 直進部材
3 第1の案内部材
4 第2の案内部材
21 レンズ保持部(保持部)
24 駆動ピン(突起部)
M ステッピングモータ
M1 マグネット
M2 ロータ
M21、M21’ ねじ部(変換手段)
M3 第1のコイル
M5 第2のコイル
M7 第1の固定ヨーク
M8 第2の固定ヨーク
M71−1〜M71−15 第1の磁極部
M81−1〜M81−15 第2の磁極部
Claims (7)
- 周方向に異なる極に着磁された中空円筒形状のマグネットと、前記マグネットの内周部に同心に固定され前記マグネットと共に回転部を構成するロータと、前記マグネットの着磁面と対向する状態に配置される第1及び第2の磁極部と、前記第1及び第2の磁極部をそれぞれ励磁する第1及び第2のコイルとを有するモータと、
前記モータの回転駆動力により前記モータの回転軸方向に移動される直進部材と、
前記直進部材を前記回転軸方向へ移動可能に案内する案内部材とを備え、
前記モータの回転運動を前記直進部材の前記回転軸方向への移動に変換する変換手段を、前記ロータに設け、前記ロータは、軟磁性材料から形成され、前記第1及び第2のコイルへの通電により形成される磁束を伝達する磁路を兼ねたことを特徴とする駆動装置。 - 前記変換手段を、中空円筒形状を有する前記ロータの内周部に設けたことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記直進部材は、前記ロータの内周側に配置されると共に外側に突起部を備え、
前記変換手段は、前記直進部材の前記突起部に嵌合するねじ部であり、前記マグネットの外周側に配置される前記第1及び第2の磁極部に対して同心に且つ径方向内側に配置されることを特徴とする請求項2記載の駆動装置。 - 前記変換手段を、前記ロータの外周部に設けたことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記直進部材は、めねじ部を備え、
前記変換手段は、前記直進部材の前記めねじ部に嵌合するおねじ部であることを特徴とする請求項4記載の駆動装置。 - 前記直進部材は、カム溝を備え、
前記変換手段は、前記直進部材の前記カム溝に嵌合するフォロワであることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。 - 前記直進部材は、前記駆動装置の駆動対象を保持する保持部を備え、
前記駆動対象は、光学部品を含む群から選択されることを特徴とする請求項1、3、5、6の何れかに記載の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005379868A JP2007181373A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005379868A JP2007181373A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007181373A true JP2007181373A (ja) | 2007-07-12 |
Family
ID=38305945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005379868A Pending JP2007181373A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007181373A (ja) |
-
2005
- 2005-12-28 JP JP2005379868A patent/JP2007181373A/ja active Pending
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