JP2007180337A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、比抵抗が低く、かつ、高温無負荷時の漏れ電流を改善した電解液に関するものである。
一般に、電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔との間にセパレータを挿入し巻回して得られたコンデンサ素子に電解液を含浸した後、金属製の筒状ケースに収納し、しかる後に、開口部を弾性ゴムにより封口し、封口した部位を絞り加工することにより構成される。
陽極箔は、高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させた後、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液等の化成液中で化成処理を行ってエッチング箔表面に酸化皮膜を形成したものである。
陰極箔は、アルミニウム箔や各種合金箔に対して電気化学的なエッチング処理を施して表面積を拡大させたものである。
陽極箔は、高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させた後、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液等の化成液中で化成処理を行ってエッチング箔表面に酸化皮膜を形成したものである。
陰極箔は、アルミニウム箔や各種合金箔に対して電気化学的なエッチング処理を施して表面積を拡大させたものである。
近年、電子部品のデジタル化が進む中で、電解コンデンサの低損失、低インピーダンス化への要求が高まっており、電解コンデンサに使用する電解液に対しては、高電導度(低比抵抗)化に向けて開発が進められている。
従来、定格電圧が100V以下の低圧用電解コンデンサに用いられる電解液としては、エチレングリコールを主溶媒とし、アジピン酸、安息香酸等のアンモニウム塩を溶質とするものが使用されてきたが、近年では、電解液中の水分配合量を増大させて電解液の比抵抗を低減した電解液が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許第3366267号公報(第1−10頁)
特許第3366268号公報(第1−21頁)
しかしながら、電解液中の水分配合量を増大させた場合、アルミニウム電極箔が水和反応を起こし、高温無負荷条件下での漏れ電流が増大するなど、電解コンデンサの電気特性を著しく低下させるという問題がある。
そこで、マンニトール等の多価アルコールの添加により水和反応を抑制する方法が検討されている。しかしながら、水和反応は、電解液中の水分配合量の増大に伴って顕著となるため、水分配合量が極めて多い電解液においては、多価アルコールを添加しても十分な信頼性を確保することができないという問題点がある。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、水を配合して低比抵抗化を図った場合でも、アルミニウム電極と水分との水和反応を確実に抑制することにより、電解コンデンサの信頼性を確保することができる電解液を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、種々検討した結果、見出されたものであり、分子中にホスホン酸を有する有機化合物に着目し、その特性を電解液に適用しようとするものである。
すなわち、本発明では、水を含む溶媒に1種以上の有機カルボン酸またはその塩が配合された電解コンデンサの駆動用電解液において、さらに、以下の化学式で示されるグリセロリン酸が配合されていることを特徴とする。
本発明に係る電解液では、水分を配合する一方、グリセロリン酸を配合したため、比抵抗を低くした場合でも、アルミニウム電極と水分との水和反応を抑えることができる。
すなわち、水分を含む電解液において、マンニット等の多価アルコールを添加したときの効果は、多価アルコールがアルミニウムへの吸着性が高い水酸基を多数有するからと考えられるが、本発明では、アルミニウムへの吸着性が水酸基よりも高いリン酸基をその構造中に有するグリセロリン酸を配合したため、アルミニウム電極と水分子との接触をより効率よく抑制し、アルミニウム電極箔の水和反応を確実に防止できたと考えられる。
すなわち、水分を含む電解液において、マンニット等の多価アルコールを添加したときの効果は、多価アルコールがアルミニウムへの吸着性が高い水酸基を多数有するからと考えられるが、本発明では、アルミニウムへの吸着性が水酸基よりも高いリン酸基をその構造中に有するグリセロリン酸を配合したため、アルミニウム電極と水分子との接触をより効率よく抑制し、アルミニウム電極箔の水和反応を確実に防止できたと考えられる。
本発明において、水の配合量は、電解液全体に対して30〜80重量%であることが好ましい。
本発明において、グリセロリン酸の配合量は、電解液全体に対して0.1〜1.5重量%であることが好ましい。
本発明においては、さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類またはケイ素化合物からなる群より選ばれた1種以上の添加剤が配合されていることが好ましい。
本発明では、水分を配合する一方、グリセロリン酸を配合したため、比抵抗を低くした場合でも、アルミニウム電極と水分との水和反応を抑えることができる。それ故、高周波領域でのインピーダンスが低く、かつ、信頼性の高い電解コンデンサを実現できる。
本発明に係る電解コンデンサの駆動用電解液は、水を含む溶媒に1種以上の有機カルボン酸またはその塩が配合され、かつ、上記の化学式で示されるグリセロリン酸が配合されていることを特徴とする。ここで、溶媒は、水の他の、エチレングリコール、その他の溶媒を含んでいる。
本発明において、水の配合量は、例えば、電解液全体に対して30〜80重量%であり、グリセロリン酸の配合量は、電解液全体に対して0.1〜1.5重量%であることが好ましい。本発明では、さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類およびケイ素化合物からなる群より選ばれた1種以上の添加剤が配合されていることが好ましい。
本発明において、前記有機カルボン酸の例としては、ギ酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸等が挙げられる。より顕著な効果を得るために2種またはそれ以上の有機カルボン酸を混合して用いてもよい。
また、前記有機カルボン酸の塩としては、アンモニウム塩、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン等の二級アミン塩、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の三級アミン塩、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩等を例示することができる。
溶媒として、水とともに配合されるのは、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ヘキシトール等である。
本発明においては、各種添加剤が配合される場合がある。このような添加剤を配合する目的は多岐にわたるが、例えば、熱安定性の向上、水和等による電極劣化の抑制、耐電圧の向上、ガス発生の抑制、ハロゲン化物に対する耐性の付与等が挙げられる。
添加剤の配合量は特に制限はないが、0.01〜20重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10重量%の範囲である。
添加剤の配合量は特に制限はないが、0.01〜20重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10重量%の範囲である。
このような添加剤の例として、p−ニトロフェノール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロクレゾール、p−ニトロトルエン等のニトロ化合物、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸イソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル等のリン酸化合物、ホウ酸およびその錯化合物等のホウ酸化合物、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、シリコーン化合物(例えば、反応性シリコーンであるヒドロキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等)やシランカップリング剤(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)等のケイ素化合物が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。まず、表1に示す電解液を使用して、定格6.3V−6800μF(φ16×25mmL)の電解コンデンサを各10個作製し、Cap(静電容量)、tanδ(損失)、L.C.(漏れ電流)について初期特性を測定した後、高温無負荷試験(105℃、1000時間放置)を行い、再度、Cap、tanδ、L.C.を測定した。その結果を表1に示す。
表1において、従来例1〜3と実施例2、4〜6、8、10、11とを比較すると分かるように、水分量30〜80重量%の組成において、グリセロリン酸を添加した実施例では、L.C.の上昇が抑制され、信頼性が向上することが認められる。
また、実施例1、2、4、8、9を比較すると分かるように、グリセロリン酸の配合量が0.05重量%では(実施例1)、L.C.上昇の抑制効果が小さく、また、グリセロリン酸の配合量が2.0重量%では(実施例9)では、弁作動が発生した。従って、グリセロリン酸の配合量は、電解液全体に対して0.1〜1.5重量%であることが望ましい。
また、上記実施例の他、各種組成を評価した結果、水の配合量は、電解液全体に対して30〜80重量%であることが好ましく、水の配合量が30重量%未満では、比抵抗を十分低減することができず(実施例3)、かつ、水の配合量が80重量%を超えると(実施例7)、グリセロリン酸を添加しても高温無負荷試験でのL.C.の増大を確実に防止できず、十分な信頼性を得ることができなくなる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、先に例示した各種溶質を単独または複数溶解した電解液や、電解コンデンサの駆動用電解液に使用される一般的な添加剤を加えた電解液についても上記実施例と同等の効果があった。
Claims (4)
- 水の配合量が電解液全体に対して30〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- グリセロリン酸の配合量が電解液全体に対して0.1〜1.5重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
- さらに、ニトロ化合物、リン酸化合物、ホウ酸化合物、多価アルコール類またはケイ素化合物からなる群より選ばれた1種以上の添加剤が配合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
Priority Applications (1)
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JP2005378152A JP2007180337A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
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Citations (2)
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JPH0261561A (ja) * | 1988-08-26 | 1990-03-01 | Dai Ichi Pure Chem Co Ltd | 免疫反応の測定方法 |
JP2005303062A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Rubycon Corp | 電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ |
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