JP2007180096A - 薄膜抵抗素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造工数(製造時間)の飛躍的な低減を実現し、量産性及び低コスト性を高めるとともに、薄膜抵抗素子に対する精密化及びサイズダウンなどが要求される場合であっても容易に適用可能にして汎用性及び発展性を高める。
【解決手段】 一又は二以上の基板B…の表面に所定の成膜装置Mにより薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roから複数の薄膜抵抗素子を形成するに際し、予め、成膜装置Mにより基板Bの表面に薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roの抵抗値分布Rfを求めるとともに、求めた抵抗値分布Rfと正規の抵抗値分布Rsの偏差から補正データLnを求め、この補正データLnに基づき薄膜抵抗素子を製造する際の寸法データを補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】 一又は二以上の基板B…の表面に所定の成膜装置Mにより薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roから複数の薄膜抵抗素子を形成するに際し、予め、成膜装置Mにより基板Bの表面に薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roの抵抗値分布Rfを求めるとともに、求めた抵抗値分布Rfと正規の抵抗値分布Rsの偏差から補正データLnを求め、この補正データLnに基づき薄膜抵抗素子を製造する際の寸法データを補正する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板の表面に所定の成膜装置により成膜させた薄膜抵抗層から所定の薄膜抵抗素子を形成する際に用いて好適な薄膜抵抗素子の製造方法に関する。
一般に、所定の成膜装置により基板の表面に薄膜抵抗層を成膜させ、この薄膜抵抗層から所定の薄膜抵抗素子を形成する薄膜抵抗素子の製造方法は知られている(例えば、特開2005−123481号公報等参照)。
ところで、光デバイス用パッケージの内部に実装されるサブマウント(半導体レーザ(LD)や受光素子(PD)等を搭載する小型回路基板)を製作する場合、初期段階では、伝熱性及び放熱性の高い窒化アルミニウム基板の表面に、スパッタリング装置により薄膜抵抗層(窒化タンタル等)を成膜させ、この薄膜抵抗層からフォトリソグラフ技術などを用いて目的の薄膜抵抗素子を形成している。この場合、スパッタリング装置では、基板を一定速度で回転(自転及び公転)させ、薄膜抵抗層を基板の表面全体に対して、できるだけ均一に成膜させるようにしているが、薄膜抵抗素子は、多数取りするサブマウントと同数(通常、数百〜数千)だけ基板上に配列形成されるため、各薄膜抵抗素子毎の抵抗値のバラつきは避けられず、通常、レーザトリミング法などを用いて、基板に形成された各薄膜抵抗素子(面積)の一部を切削して抵抗値を調整している(例えば、特開平5−235278号公報等参照)。
一方、このようなレーザトリミング法は、サブマウントの小型化により調整精度に限界があり、また、基板表面を痛める問題があることから、レーザトリミング法を使用しない製造方法も、特開平9−7809号公報で提案されている。同公報で開示される製造方法は、基板の表面に離間された一対の電極を設け、この電極の間の抵抗値を測定しつつ当該電極に跨がるように抵抗層を蒸着又はスパッタリングによる形成を開始し、両電極間の抵抗値が所定値になるように蒸着を終了するようにしたものである。
特開2005−123481号
特開平5−235278号
特開平9−7809号
しかし、上述した従来の製造方法、特に、レーザトリミング法を使用しない製造方法は、次のような問題点があった。
第一に、基本的には各薄膜抵抗素子毎の製作になるため、製造工程が複雑かつ面倒になり、たとえ自動化された製造工程により製造されるとしても製造工数(製造時間)の増加を招き、量産性及び低コスト性に劣る。
第二に、製造工程が複雑かつ面倒になることから、基板の小型化や回路の複雑化により薄膜抵抗素子に対する精密化やサイズダウンなどが要求された場合、微小範囲の蒸着処理やスパッタリング処理には限界があり、汎用性及び発展性に劣る。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した薄膜抵抗素子の製造方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る薄膜抵抗素子の製造方法は、上述した課題を解決するため、一又は二以上の基板B…の表面に所定の成膜装置Mにより薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roから複数の薄膜抵抗素子を形成するに際し、予め、成膜装置Mにより基板Bの表面に薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roの抵抗値分布Rfを求めるとともに、求めた抵抗値分布Rfと正規の抵抗値分布Rsの偏差から補正データLnを求め、この補正データLnに基づき薄膜抵抗素子を製造する際の寸法データ(抵抗パターンの寸法データ)を補正するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、成膜装置Mは、ターゲット材料10をスパッタリングして基板Bに薄膜抵抗層Roを成膜させるスパッタリング装置Msを用いることができる。また、薄膜抵抗素子は、スパッタリング装置Msにおいて使用する窒素ガスG1の供給量を制御して製造することができる。一方、抵抗値分布Rfは、薄膜抵抗層Roを複数のエリアA1,A2,A3…に区画し、各エリアA1…に抵抗測定用素子Rm…をそれぞれ形成するとともに、各抵抗測定用素子Rm…の抵抗値Xを測定することにより求めることができる。また、寸法データの補正は、補正データLnにより薄膜抵抗素子を形成するフォトマスクパターンの寸法データに適用できる。なお、基板B…は、サブマウントに用いる基板に用いて好適である。
このような手法による本発明に係る薄膜抵抗素子の製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 基板Bの全面に成膜される薄膜抵抗層Roに基づく補正のため、薄膜抵抗層Roにより形成される数百〜数千の薄膜抵抗素子を一括して補正できる。したがって、製造工程の簡易化及び容易化を図ることにより、製造工数(製造時間)の飛躍的な低減を実現でき、量産性及び低コスト性を高めることができる。
(2) 設計段階で補正を加えるため、個々の薄膜抵抗素子に対する製作処理には影響しない。したがって、基板Bの小型化や回路の複雑化により薄膜抵抗素子に対する精密化及びサイズダウンなどが要求される場合であっても容易に適用することができ、汎用性及び発展性を高めることができる。
(3) 好適な態様により、成膜装置Mとして、ターゲット材料10をスパッタリングして基板Bに薄膜抵抗層Roを成膜させるスパッタリング装置Msを用いれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により確実に実施できる。
(4) 好適な態様により、薄膜抵抗層Roを複数のエリアA1…に区画し、各エリアA1…に抵抗測定用素子Rm…をそれぞれ形成するとともに、各抵抗測定用素子Rm…の抵抗値Xを測定することにより抵抗値分布Rfを求めれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により容易に実施できる。
(5) 好適な態様により、補正データLnにより薄膜抵抗素子を形成するフォトマスクパターンの寸法データを補正するようにすれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により容易かつ確実に実施できる。
(6) 好適な態様により、基板B…として、サブマウントに用いる基板を適用すれば、小型化の要求されるサブマウントにとっての最適な製造方法として実施できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る製造方法に用いるスパッタリング装置Msの構成について、図3及び図4を参照して説明する。
スパッタリング装置Msは、図3に示すように、スパッタリング処理を行う処理室11を備える。この処理室11の側面には、処理室11内を吸気する不図示の真空ポンプを接続する吸引口12を有するとともに、窒素(N2)ガスG1及びアルゴン(Ar)ガスG2を処理室11に供給する供給口13を有する。したがって、真空ポンプにより処理室11の真空吸引を行うことができるとともに、処理室11に対して窒素ガスG1及びアルゴンガスG2を供給することができ、この供給量は任意に調整(制御)可能である。
また、処理室11の天面における中央位置には、不図示の公転駆動部により回転する回転軸14が支持されるとともに、この回転軸14の下端に支持盤15の中心位置が支持される。さらに、支持盤15の外周には一定間隔置きに、支軸17…を介して計十二の自転駆動部16…が吊り下げられるとともに、この自転駆動部16…によりホルダ18…が支持される。基板B…は、各ホルダ18…の下面にセットすることができる。図4は、底面側から見たホルダ18…の配列を示している。これにより、支持盤15は、回転軸14を支点として不図示の公転駆動部により所定の回転速度で回転するとともに、各自転駆動部16…は、支軸17…を支点として所定の回転速度で回転する。したがって、ホルダ18…に支持される各基板B…は、回転軸14を支点に公転し、かつ支軸17…を支点に自転する。一方、処理室11の底面には、タンタル(Ta)を用いたターゲット材料10をセットする。なお、20は基板Bのクリーニングを行うイオン銃,21はターゲット材料10と基板B間に配したシャッタをそれぞれ示す。
次に、本実施形態に係る薄膜抵抗素子の製造方法について、図3〜図16を参照しつつ図1及び図2に示すフローチャートに従って説明する。
最初に、スパッタリング装置Ms(成膜装置M)により基板Bの表面に薄膜抵抗層Roを成膜させ、この薄膜抵抗層Roの抵抗値分布Rfを求めるための評価基板Bsを製作する(ステップS1)。図2に評価基板Bsの製作工程(手順)を示す。
まず、スパッタリング装置Msでは、窒素ガスG1を使用するため、この窒素ガスG1の供給量(流量Q)を設定する(ステップS21)。窒素ガスG1の流量Qは、使用するスパッタリング装置Msの定格流量(又は最大流量)を、例えば、10段階に分け、各段階(0,1,2…10)における流量Qをパラメータとして設定する。したがって、10段階目が定格流量(又は最大流量)となる。
一方、スパッタリング装置Msの各ホルダ18…には基板B…をセットする(ステップS22)。基板Bは、窒化アルミニウム(AlN)を用いた単板である。そして、スパッタリング装置Msを作動させ、基板Bの全面に窒化タンタル(TaNx)による薄膜抵抗層Roを成膜させる(ステップS23)。この場合、スパッタリング装置Msでは、処理室11が真空ポンプにより真空吸引され、さらに供給口13から窒素ガスG1及びアルゴンガスG2が供給される。また、基板B…は、回転軸14を支点に公転し、かつ支軸17…を支点に自転する。この際、基板Bとターゲット材料10間には高電圧が付加され、アルゴンガスG2がイオン化されてターゲット材料10に衝突する。これにより、ターゲット物質であるTa粒子がはじき飛ばされ、飛び出したTa粒子は、処理室11内の窒素ガスG1と反応することにより、窒化タンタル(TaNx)として基板Bに成膜される反応性スパッタリングが行われる。
図5(ao)は、基板Bの全面に薄膜抵抗層Roが成膜された状態を示すとともに、点線K…は、薄膜抵抗層Roを複数のエリアA1,A2,A3…に区画するための区画線を示す。これにより、薄膜抵抗層Roは、5×5程度の数に区画される。図5(a)及び(b)は、一つのエリアA1を抽出して示している。なお、図5〜図10において、(a)は平面図、(b)は中央断面図をそれぞれ示す。
このように、成膜装置Mとして、ターゲット材料10をスパッタリングして基板Bに薄膜抵抗層Roを成膜させるスパッタリング装置Msを用いれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により確実に実施できる利点がある。また、得られた薄膜抵抗層Roを複数のエリアA1…に区画し、各エリアA1…に抵抗測定用素子Rm…をそれぞれ形成するとともに、各抵抗測定用素子Rm…の抵抗値Xを測定することにより抵抗値分布Rfを求めれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により容易に実施できる利点がある。
次いで、薄膜抵抗層Roの上に、フォトリソグラフィーにより素子用レジストXa…を塗布する(ステップS24)。この場合、薄膜抵抗層Roの上にレジストを塗布(貼布)し、素子用レジストXa…の形状を有するフォトマスクを用いて露光及び現像を行い、図6(a)及び(b)に示す素子用レジストXaを形成する。なお、図6(a)及び(b)は、一つのエリアA1に一つの素子用レジストXaを塗布した状態を示しているが、基板B全体では、各エリアA1…と同数或いは後述する抵抗値分布Rfを求めるのに必要な予め設定したエリアA1…に対応する数だけ素子用レジストXa…が設けられる。
この後、各エリアA1…に、図7(a)及び(b)に示す抵抗測定用素子Rm…を形成する(ステップS25)。この場合、各抵抗測定用素子Rm…は、不要な薄膜抵抗層Roを切削するドライエッチング法により形成することができる。
次いで、抵抗測定用素子Rm…及び薄膜抵抗層Roの上に、図8(a)及び(b)に示す電極用レジストXb…を塗布(形成)する(ステップS26)。この場合、電極用レジストXb…は、抵抗測定用素子Rm…及び薄膜抵抗層Roの上面にレジストを塗布(貼布)し、電極用レジストXb…の形状を有するフォトマスクを用いて露光及び現像を行うフォトリソグラフィーにより形成することができる。
この後、電極用レジストXb…及び抵抗測定用素子Rm…の上に、チタン(Ti),金(Au)等の導電材により、図9(a)及び(b)に示す電極膜Eを成膜させる(ステップS27)。この電極膜Eは、DCスパッタ装置を用いて成膜させることができる。
次いで、リフトオフ法により図10(a)及び(b)に示す電極パターンEc…を形成する(ステップS28)。なお、リフトオフ法(リフトオフ加工)は、電極パターンEc…に対して逆パターンをフォトレジストを形成し、電極パターンEc…部分を蒸着後、不要部分を除去する手法である。
以上の製作工程により、窒素ガスG1に対して設定された所定の流量Q下における抵抗測定用素子Rm…を有する評価基板Bsの製作が終了する。したがって、同様の手順により窒素ガスG1に対して設定された全ての流量Q下における抵抗測定用素子Rm…を有する評価基板Bsを製作する(ステップS29,S21…)。
他方、全ての評価基板Bs…の製作が終了したなら、各評価基板Bsにおける抵抗測定用素子Rm…の抵抗値X…を測定する(ステップS2)。具体的には、抵抗測定用素子Rmに設けた一対の電極パターンEcとEc間の抵抗値Xを測定する。図11は、各抵抗測定用素子Rm…の抵抗値X…を三次元の座標軸で表した抵抗値分布Rfを示す。薄膜抵抗層Roの多点における抵抗測定用素子Rm…の抵抗値X…を得ることにより、全体の抵抗値分布Rfをコンピュータグラフィックにより容易にシュミレーションすることができ、後述する補正データに反映させることができる。図11に例示する抵抗値分布Rfは、設計抵抗値が25〔Ω〕の場合であり、測定した抵抗値X…は、評価基板Bs(薄膜抵抗層Ro)の中心側では小さくなるとともに、周辺側では大きくなっている。
このような抵抗値分布Rfのバラツキに対して最も大きく影響しているのはスパッタリング装置Msである。したがって、この抵抗値分布Rfは、いわばスパッタリング装置Msの固有の特性(癖)として捕らえることができる。なお、図12は、薄膜抵抗層Roの厚さ〔Å〕の分布(膜厚分布)Dfを三次元の座標軸を用いてコンピュータグラフィックによりシュミレーションしたものであり、図11に示した抵抗値分布Rfに対して相反する形状、即ち、評価基板Bsの中心側では厚くなり、周辺側では薄くなっている。
一方、抵抗値分布Rfが得られたなら、抵抗値分布Rfと正規の抵抗値分布Rsの偏差から補正データLnを求める(ステップS3)。正規の抵抗値分布Rsとは、薄膜抵抗層Roの全エリアA1…における抵抗測定用素子Rm…の抵抗値が一定分布となることを意味し、例示の場合、図13に示すように、抵抗値が25〔Ω〕となり、その抵抗値分布Rsは平坦となる。
したがって、補正データ(補正値)Lnは、図11に示した抵抗値分布Rfのバラツキを相殺するデータとなる。即ち、補正データLnは、抵抗値X…を増減(補正)することにより、補正後の抵抗値による抵抗値分布を、図13に示すような平坦な抵抗値分布Rsにするためのデータであり、具体的には、薄膜抵抗素子(抵抗測定用素子Rm…)を形成するフォトマスクパターンの寸法データとなる。この場合、薄膜抵抗素子(抵抗測定用素子Rm)の面積及び膜厚は既知のため、補正データLnは、フォトマスクパターンの寸法データとして容易に求めることができる(ステップS4)。図14に、求めた補正データ(補正値)Ln〔mm〕を三次元の座標軸により示す。また、求めた補正データLnは登録し、フォトマスクパターンの設計時に反映させることができる(ステップS5)。
なお、図15及び図16は、補正データ(補正値)Lnの傾向を示したものであり、図15は、前述した評価基板Bsにおける各エリアA1…の位置について、中心をa、周辺をc、中心aと周辺cの中間をbとして示すとともに、中心aからの放射方向における向きを(1)〜(8)で示し、さらに、図16は、図15に対応した位置における補正値(補正データ)Lnをグラフにより示している。
他方、薄膜抵抗素子を製造する際には、各薄膜抵抗素子の位置に対して対応する補正データ(補正値)Lnを反映させてフォトマスクパターンの設計を行う。即ち、基準の寸法データに対して補正データLnにより増減する補正を行い、補正された寸法データによりフォトマスクパターンの設計を行うとともに、このフォトマスクパターンを反映させて薄膜抵抗素子の製造を行う(ステップS6)。
このように、補正データLnにより薄膜抵抗素子を形成するフォトマスクパターンの寸法データを補正すれば、本発明に係る製造方法を最適な態様により容易かつ確実に実施できる利点がある。これにより、実際に製造される薄膜抵抗素子の抵抗値は、図13に示すように、一定に分布し、抵抗値分布は平坦となる。即ち、前述した抵抗値分布Rfのバラツキが相殺された精度の高い薄膜抵抗素子が得られ、例示の態様では、抵抗値のバラツキを±5〔%〕以内に抑えることができた。
このような本実施形態に係る薄膜抵抗素子の製造方法によれば、基板Bの全面に成膜される薄膜抵抗層Roに基づく補正のため、薄膜抵抗層Roにより形成される数百〜数千の薄膜抵抗素子を一括して補正できる。したがって、製造工程の簡易化及び容易化を図ることにより、製造工数(製造時間)の飛躍的な低減を実現でき、量産性及び低コスト性を高めることができる。また、設計段階で補正を加えるため、個々の薄膜抵抗素子に対する製作処理には影響しない。したがって、基板Bの小型化や回路の複雑化により薄膜抵抗素子に対する精密化及びサイズダウンなどが要求される場合であっても容易に適用することができ、汎用性及び発展性を高めることができる。特に、本実施形態に係る薄膜抵抗素子の製造方法は、基板Bとして、サブマウントに用いる基板に適用することにより、小型化の要求されるサブマウントにとっての最適な製造方法として実施できる利点がある。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,手法,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、補正データLnは、直接的な寸法データとして求めてもよいし、或いは係数データとして求め、製造する薄膜抵抗素子のフォトマスクパターン設計時に寸法データに変換するなどしてもよく、直接的な補正データであるか間接的な補正データであるかは問わない。また、測定データから直接得る補正データであるか測定データ間から得る予測(シュミレーション)による補正データであるかは問わない。さらに、成膜装置Mとして、スパッタリング装置Msを例示したが、材料を蒸発させて基板Bに薄膜抵抗層Roを蒸着させる蒸着装置であってもよいし、或いは他の型式に基づく成膜装置であってもよい。なお、基板Bとして、サブマウントに用いる基板を例示したが、他の各種基板Bにも同様に適用することができる。
B… 基板
M 成膜装置
Ms スパッタリング装置
Ro 薄膜抵抗層
Rf 抵抗値分布
Rs 正規の抵抗値分布
Rm… 抵抗測定用素子
Ln 補正データ
10 ターゲット材料
A1… 薄膜抵抗層のエリア
X 抵抗値
G1 窒素ガス
M 成膜装置
Ms スパッタリング装置
Ro 薄膜抵抗層
Rf 抵抗値分布
Rs 正規の抵抗値分布
Rm… 抵抗測定用素子
Ln 補正データ
10 ターゲット材料
A1… 薄膜抵抗層のエリア
X 抵抗値
G1 窒素ガス
Claims (6)
- 一又は二以上の基板の表面に所定の成膜装置により薄膜抵抗層を成膜させ、この薄膜抵抗層から複数の薄膜抵抗素子を形成する薄膜抵抗素子の製造方法において、予め、前記成膜装置により基板の表面に薄膜抵抗層を成膜させ、この薄膜抵抗層の抵抗値分布を求めるとともに、求めた抵抗値分布と正規の抵抗値分布の偏差から補正データを求め、この補正データに基づき前記薄膜抵抗素子を製造する際の寸法データを補正することを特徴とする薄膜抵抗素子の製造方法。
- 前記成膜装置は、ターゲット材料をスパッタリングして前記基板に薄膜抵抗層を成膜させるスパッタリング装置を用いることを特徴とする請求項1記載の薄膜抵抗素子の製造方法。
- 前記薄膜抵抗素子は、前記スパッタリング装置において使用する窒素ガスの供給量を制御して製造することを特徴とする請求項1記載の薄膜抵抗素子の製造方法。
- 前記薄膜抵抗層を複数のエリアに区画し、各エリアに抵抗測定用素子をそれぞれ形成するとともに、各抵抗測定用素子の抵抗値を測定することにより前記抵抗値分布を求めることを特徴とする請求項1記載の薄膜抵抗素子の製造方法。
- 前記補正データにより前記薄膜抵抗素子を形成するフォトマスクパターンの寸法データを補正することを特徴とする請求項1記載の薄膜抵抗素子の製造方法。
- 前記基板は、サブマウントに用いる基板であることを特徴とする請求項1記載の薄膜抵抗素子の製造方法。
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