JP2007177300A - 耐食性および脆性亀裂停止特性に優れた船舶用鋼材 - Google Patents

耐食性および脆性亀裂停止特性に優れた船舶用鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装や電気防食を施さなくても実用化できるように耐食性に優れており、しかも発生した脆性亀裂の伝播を停止させ、亀裂が伝播し難い船舶用鋼材を提供する。
【解決手段】本発明の船舶用鋼材は、C:0.01〜0.2%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.01〜1%、Mn:0.01〜2%、Al:0.005〜0.1%を夫々含有する他、Co:0.010〜1%およびMg:0.0005〜0.02%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材であり、該鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下であるものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、原油タンカー、貨物船、貨客船、客船、軍艦等の船舶において、主要な構造材として用いられる船舶用耐食鋼に関するものであり、特に海水による塩分や恒温多湿に曝される環境下における耐食性に優れた船舶用鋼材に関するものである。
上記各種船舶において主要な構造材(例えば、外板、バラストタンク、原油タンク等)として用いられている鋼材は、海水による塩分や恒温多湿に曝されることから腐食損傷を受けることが多い。こうした腐食は、浸水や沈没などの海難事故を招く恐れがあることから、鋼材には何らかの防食手段を施す必要がある。これまで行われている防食手段としては、(A)塗装や(B)電気防食等が従来からよく知られている。
(A)このうち重塗装に代表される塗装では、塗膜欠陥が存在する可能性が高く、また製造工程における衝突等によって塗膜に傷が付く場合があり、素地鋼材が露出してしまうことが多い。このように素地鋼材が露出した部分は、局部的にかつ集中的に鋼材が腐食してしまい、内容されている石油系液体燃料の早期漏洩に繋がることになる。
(B)一方、電気防食においては、海水中に完全に浸漬された部位における防食に対しては非常に有効であるが、大気中で海水飛沫を受ける部位などでは防食に必要な電気回路が形成されず、防食効果が充分に発揮されないことがある。また、防食用の流電陽極が異常消耗したり、脱落して消失した場合には、直ちに激しい腐食が進行することがある。
上記技術の他、鋼材自体の耐食性を向上させるものとして例えば特許文献1の技術も提案されている。この技術では、鋼材の化学成分組成を適切に調整することによって、耐食性を優れたものとしており、この文献には無塗装であっても使用できる造船用耐食鋼が開示されている。また特許文献2には、鋼材の化学成分組成を適切なものとすることによって、塗膜寿命性を向上させた船舶用鋼材について開示されている。これらの技術では、従来に比べてある程度の耐食性は確保できるようになったといえる。
しかしながら、より厳しい腐食環境下での耐食性については依然として十分なものとはいえず、更なる耐食性向上が要求されることになる。特に、異物と鋼材との接触部分、構造的な理由や防食塗膜の損傷部分等で形成される「すきま」部分における腐食(以下、「すきま腐食」ということがある)が顕著になり、寿命を低下させる場合があるが、これまで提案されている技術ではこうした部分における耐食性が不十分である。
特開2000−17381号公報(特許請求の範囲等) 特開2002−266052号公報(特許請求の範囲等)
ところで船舶用鋼材としては、厳しい使用環境下においても船体の安全性を確保するために、脆性亀裂が発生してもその伝播領域を最小限に抑えることが望まれる。発生した脆性亀裂が広範囲に亘って伝播すれば、船体自体の破壊につながるからである。ところが発生した脆性亀裂の伝播を抑制しつつ上記耐食性をも向上させた船舶用鋼材は知られていない。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、塗装や電気防食を施さなくても実用化できるように耐食性に優れており、しかも発生した脆性亀裂の伝播を停止させ、亀裂が伝播し難い船舶用鋼材を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐食性の中でも、特にすきま腐食に対する耐久性の向上を図ると共に、海水に起因する塩分付着と湿潤環境による腐食に対しても優れた耐久性を発揮する船舶用鋼材を提供することにある。
本発明者らは、船舶用鋼板として一般的に使用されている鋼材について、塗装や電気防食を施さなくても実用化できるように耐食性を一層向上させると共に、発生した脆性亀裂が伝播し難い鋼材を提供すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、鋼材の耐食性を向上させるには、鋼材に所定量のCoとMgを併用して含有させると共に、鋼材の化学成分組成を適切に調整すればよく、また発生した脆性亀裂の伝播を停止(以下、脆性亀裂停止特性ということがある)するには、鋼材の金属組織を適切に制御すればよいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決することのできた本発明に係る船舶用鋼材とは、C:0.01〜0.2%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.01〜1%、Mn:0.01〜2%、Al:0.005〜0.1%を夫々含有する他、Co:0.010〜1%およびMg:0.0005〜0.02%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材であり、該鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下である点に要旨を有するものである。但し、tは鋼材の厚み(mm)を意味する。
本発明の船舶用鋼材においては、上記Coの含有量[Co]と上記Mgの含有量[Mg]の比の値([Co]/[Mg])を2〜350の範囲に調整することが好ましい。
また、本発明の船舶用鋼材においては、必要に応じて、更に他の元素として、(a)Cu:1.5%以下(0%を含まない)、Cr:1%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素、(b)Ca:0.02%以下(0%を含まない)、(c)Mo:0.5%以下(0%を含まない)および/またはW:0.3%以下(0%を含まない)、或いは(d)B:0.01%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)およびNb:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素、等を含有させることも有効である。含有させる成分の種類に応じて船舶用鋼材の特性が更に改善されるからである。
本発明の船舶用鋼材においては、鋼材に所定量のCoとMgを併用させて含有させると共に、鋼材の化学成分組成を適切に調整することによって、塗装および電気防食を施さなくても実用化できるように耐食性を向上させることができ、しかも鋼材の金属組織を最適化することによって、脆性亀裂が発生しても伝播を確実に停止できる。特に本発明によれば、耐食性の中でも、すきま腐食に対する耐久性の向上を図ることができると共に、海水に起因する塩分付着と湿潤環境による腐食に対しても優れた耐久性を発揮する船舶用鋼材を実現できる。こうした本発明の船舶用鋼材は、原油タンカー、貨物船、貨客船、客船、軍艦等の船舶における外板、バラストタンク、原油タンク等の素材として有用に使用される。
本発明の鋼材においては、耐食性を向上させるために、CoとMgを併用して含有させることが重要であり、これらの成分のいずれを欠いても、本発明の目的を達成することができない。これらの成分における各作用効果は後述するが、これらの元素を併用することによって、耐食性が向上した理由は次のように考えることができる。
Mgは、腐食部分におけるpH低下を抑制して腐食反応を抑制することにより耐食性を向上させる作用を発揮する元素である。こうした作用は通常の鋼材(例えば、Si−Mn鋼材)の成分系においては、生成する錆がポーラスであるので溶解したMgは鋼板表面近傍にとどまることなく直ちに外部(例えば、海水中)に拡散してしまうことになる。従って、Mgを単独で含有させたのでは、耐食性の向上効果は小さいものとなる。しかしながら、Mgと共にCoを含有させることによって、微細な表面錆皮膜が形成されることになり、Mgの外部への拡散が抑制されるのである。また、溶解したCoの加水分解平衡反応との相乗効果によって、耐食性を大幅に向上させることができるものと考えられる。
こうした効果は、鋼材に含まれるCoとMoの含有量を後述する適切な範囲に制御することによって発揮されるのであるが、これらの元素の含有比の値([Co]/[Mg]:質量比)も適切に制御することが好ましい。即ち、この値([Co]/[Mg])が2未満であると局部腐食の抑制が不十分となりやすく、350を超えると全面腐食の抑制が不十分となりやすい。従って[Co]/[Mg]の値は、2〜350であるのが好ましく、より好ましい下限は10、更に好ましい下限は20であり、より好ましい上限は100、更に好ましい上限は95、特に好ましい上限は80、最も好ましくは60である。
上述したように、本発明の鋼材においては、耐食性を向上させるためにCoとMgを併用するものであるが、CoとMgを併用しても発生した脆性亀裂の伝播を停止することはできない。
そこで本発明者らは、CoとMgを併用することによって向上させた耐食性を劣化させることなく、脆性亀裂停止特性を改善するために検討した。その結果、鋼材[厚みt(mm)]の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下であれば、鋼材の脆性亀裂停止特性を改善することができ、上記耐食性も劣化させないことが明らかになった。
即ち、このことは後述する実施例から明らかであり、特に図4には、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径と脆性亀裂停止特性(0℃でのKca値)との関係を示している。この図4によれば、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が小さくなるほど脆性破壊停止特性が改善(数値が大きく)されていることが分かる。
このようにフェライト粒の平均粒径を小さくすれば脆性破壊停止特性が改善できる理由については次のように考えられる。即ち、脆性破壊では、結晶粒と結晶粒の境界(結晶粒界)が亀裂伝播の抵抗となるため、結晶粒界が密に存在していれば、脆性破壊自体が発生し難くなるし、微小な脆性亀裂が発生したとしても亀裂が伝播する方向に結晶粒界が密に存在すれば伝播を防止できると考えられる。そのためフェライト粒を微細化すれば、結晶粒界の密度が大きくなるため、脆性亀裂が発生したとしてもその伝播を停止できる。そして上記平均粒径を25μm以下にすれば、脆性破壊伝播停止試験(詳細については実施例参照)において0℃でのKca:5900N/mm1.5以上を確保することができ、脆性亀裂停止特性を改善できる。上記フェライト粒の平均粒径は、20μm以下であることが好ましい。
上記フェライト粒の平均粒径は、例えば次に示す手順で算出できる。まず、鋼材のおもて面と裏面を含むと共に、圧延方向に平行で且つ鋼材表面(鋼材のおもて面)に対して垂直な面が露出するようにサンプルを切り出し、この露出面を研磨して鏡面仕上げする。
露出面の研磨方法は特に限定されず、例えば、#150〜#1000までの湿式エメリー研磨紙を用いて研磨するか、それと同等の機能を有する研磨方法を用いて研磨すればよい。また、鏡面仕上げを行なう際には、ダイヤモンドスラリーなどの研磨剤を用いればよい。
鏡面仕上げしたサンプルは3%ナイタール溶液を用いて腐食し、フェライト組織の結晶粒界を現出させた後、鋼材表面からt/100位置までの領域を、倍率100倍または400倍として写真撮影する。撮影された写真を画像解析し、観察視野内に認められるフェライト粒の板厚方向の長さを測定し、これを平均したものをフェライト粒の平均粒径とする。
なお、上記フェライト粒の平均粒径は、鋼材表面からt/100位置までの領域において観察する。鋼板表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の粒径が適切に制御されていれば、鋼板表面部のみならず、鋼板全体の脆性亀裂停止特性が向上することが本発明者らの検討により明らかになったからである。
鋼材表面からt/100位置までの領域における金属組織は、フェライトを主体とする。フェライト主体とは、フェライトの分率が50体積%以上であることを意味し、金属組織を観察したときに、フェライトの面積率が50%以上であればよい。フェライトの面積率は、好ましくは55%以上であり、より好ましくは60%以上である。
上記金属組織の残部は、第二相として、パーライトやベイナイト、マルテンサイト等が生成していればよく、その種類は特に限定されない。第二相の面積率は50%未満であればよく、好ましくは45%未満、より好ましくは40%未満である。
次に、本発明の船舶用鋼材の化学成分組成について説明する。本発明の鋼材では、その鋼材としての基本的特性を満足させるために、C,Si,Mn,Al等の基本成分も適切に調整する必要がある。これらの成分の範囲限定理由について、上記CoとMgの各元素による作用効果と合わせて以下に説明する。
C:0.01〜0.2%
Cは、材料の強度を確保するために必要な元素である。船舶の構造部材として要求される最低強度(使用する鋼材の肉厚にもよるが、概ね400MPa程度)を得るためには、0.01%以上含有させる必要がある。C含有量の好ましい下限は0.02%であり、より好ましくは0.04%以上とする。しかし0.2%を超えて過剰に含有させると靱性や溶接性が劣化する。こうしたことから、C含有量の上限は0.2%とした。C含有量の好ましい上限は0.18%であり、より好ましくは0.16%以下とする。
Si:0.01〜1%
Siは、脱酸作用を有する他、強度を確保するためにも必要な元素であり、0.01%に満たないと構造部材としての最低強度を確保できない。従ってSiは0.01%以上とする。Si含有量の好ましい下限は0.02%であり、より好ましくは0.05%以上とする。しかし1%を超えて過剰に含有させると溶接性やHAZ靭性が劣化する。従ってSiは1%以下とする。Si含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.6%以下とする。
Mn:0.01〜2%
MnもSiと同様に脱酸作用を有する他、強度を確保するために必要な元素であり、0.01%に満たないと構造部材としての最低強度を確保できない。従ってMnは0.01%以上とする。Mn含有量の好ましい下限は0.05%であり、より好ましくは0.10%以上とする。しかし2%を超えて過剰に含有させると靱性が劣化する。従ってMnは2%以下とする。Mn含有量の好ましい上限は1.80%であり、より好ましくは1.60%以下とする。
Al:0.005〜0.1%
AlもSi、Mnと同様に脱酸および強度確保のために必要であり、0.005%に満たないと脱酸効果が得られない。従ってAlは0.005%以上とする。Al含有量の好ましい下限は0.010%であり、より好ましくは0.015%以上とする。しかし0.1%を超えて添加すると溶接性やHAZ靭性を害するため、Al添加量の上限は0.1%とした。Al含有量の好ましい上限は0.09%であり、より好ましくは0.08%以下とする。
Co:0.01〜1%
Coは、高塩分環境において鋼材の耐食性向上に大きく寄与する緻密な表面錆皮膜を形成するのに必要不可欠な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Co含有量は0.01%以上とすることが必要である。Co含有量の好ましい下限は0.015%であり、より好ましくは0.020%以上とする。しかし1%を超えて過剰に含有させると溶接性やHAZ靭性が劣化する。こうしたことからCo含有量の上限は1%とした。Co含有量の好ましい上限は0.8%であり、より好ましくは0.6%以下とするのが良い。
Mg:0.0005〜0.02%
Mgは、溶解することによってpH上昇作用を示すことから、鉄の溶解が起こっている局部アノードにおける加水分解反応によるpH低下を抑制して、腐食反応を抑制し、耐食性を向上させる作用を有する。こうした効果を発揮させるためには、Mgは0.0005%以上含有させることが必要である。Mg含有量の好ましい下限は0.0007%であり、より好ましくは0.0010%以上含有させるのが良い。しかし0.02%を超えて含有させると加工性や溶接性を劣化させる。こうしたことからMg含有量の上限は0.02%とした。Mg含有量の好ましい上限は0.018%であり、より好ましくは0.015%以下とするのが良い。
本発明の船舶用鋼材における基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物(例えば、P,S,O等)からなるものであるが、これら以外にも鋼材の特性を阻害しない程度の成分(例えば、Zr,N等)も許容できる。但し、これら許容成分は、その量が過剰になると靭性が劣化するので、0.1%程度以下に抑えるべきである。
また、本発明の船舶用鋼材には、上記成分の他に、必要によって、(a)Cu,Cr,NiおよびTiよりなる群から選ばれる1種以上の元素、(b)Ca、(c)Moおよび/またはW、(d)B,VおよびNbよりなる群から選ばれる1種以上の元素、等を含有させることも有効であり、含有させる成分の種類に応じて船舶用鋼材の特性が更に改善されることになる。これらの成分の範囲限定理由について以下に説明する。
Cu:1.5%以下(0%を含まない)、Cr:1%以下(0%を含まない)、Ni:2%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素
Cu,Cr,NiおよびTiは、いずれも耐食性向上に有効な元素である。
このうちCuとCrは、上記Coと同様に、耐食性向上に大きく寄与する緻密な表面錆被膜を形成するのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、いずれも0.01%以上含有させることが好ましい。CuとCrを夫々単独で、或いは併用して含有する場合における夫々のより好ましい下限は0.05%である。しかし過剰に含有させると溶接性やHAZ靭性、熱間加工性が劣化するため、Cuは1.5%以下、Crは1%以下とすることが好ましい。Cu含有量のより好ましい上限は1.0%であり、Cr含有量のより好ましい上限は0.8%である。
Niは、耐食性向上に大きく寄与する緻密な表面錆被膜を安定化させるのに有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには0.01%以上含有させることが好ましい。Niを含有させるときのより好ましい下限は0.05%である。しかしNi含有量が過剰になると溶接性や熱間加工性が劣化する。また、過剰な添加は、大幅なコスト高となる。従ってNiは2%以下であることが好ましい。Niを含有させるときのより好ましい上限は1.5%である。
Tiは、耐食性向上に大きく寄与する表面錆被膜を緻密化してその環境遮断性を向上させると共に、すきま内部における腐食を抑制して、耐すきま腐食性も向上させる元素である。こうした環境下で要求される耐食性を確保するためには、0.005%以上含有させることが好ましい。Tiを含有させるときのより好ましい下限は0.008%である。しかし0.1%を超えて過剰に含有させると加工性や溶接性、HAZ靭性を劣化させることになる。従ってTiは0.1%以下であることが好ましい。Tiを含有させるときのより好ましい上限は0.05%である。
Ca:0.02%以下(0%を含まない)
Caは、Mgと同様に、溶解することによってpH上昇作用を示し、鉄の溶解が起こっている局部アノードにおける加水分解反応によるpH低下を抑制して腐食反応を抑制し、耐食性向上に有効な元素である。Caによるこうした効果は0.0005%以上含有させることによって有効に発揮される。Caを含有させるときのより好ましい下限は0.0010%である。しかし0.02%を超えて過剰に含有させると、加工性や溶接性を劣化させることになる。従ってCaは0.02%以下であることが好ましい。Caを含有させるときのより好ましい上限は0.015%である。
Mo:0.5%以下(0%を含まない)および/またはW:0.3%以下(0%を含まない)
MoとWは、腐食の均一性を高めて局部腐食による穴あきを抑制する作用がある。これらの元素は、特にCoと同時に含有させることによって、顕著な均一腐食性向上作用が発揮される。こうした効果を発揮させるためには、いずれの元素も0.01%以上含有させることが好ましい。Moを含有させるときのより好ましい下限は0.02%であり、Wを含有させるときのより好ましい下限は0.02%である。しかし過剰に含有させると溶接性やHAZ靭性が劣化する上、大幅なコスト高となる。従ってMoについては0.5%以下、Wについては0.3%以下とすることが好ましい。Moを含有させるときのより好ましい上限は0.3%であり、Wを含有させるときのより好ましい上限は0.2%である。
B:0.01%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)およびNb:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素
船舶用鋼材では、適用する部位によってはより高強度化が必要な場合があるが、B,VおよびNbはこうした強度向上に必要な元素である。
このうちBは、焼入性を向上し、強度向上に有効に作用する元素であり、0.0001%以上含有させることが好ましい。より好ましい下限は0.0003%である。しかし0.01%を超えて過剰に含有させると母材靭性やHAZ靭性が劣化するため好ましくない。従ってBは0.01%以下であることが好ましい。より好ましい上限は0.0090%である。
Vは、強度向上に有効に作用する元素であり、0.003%以上含有させることが好ましい。より好ましい下限は0.005%である。しかし0.1%を超えて過剰に含有させると鋼材やHAZの靭性劣化を招くことになるので好ましくない。従ってVは0.1%以下であることが好ましい。より好ましくは0.07%以下とする。
Nbは、強度向上に有効に作用する元素であり、0.003%以上含有させることが好ましい。より好ましい下限は0.005%である。しかし0.05%を超えて過剰に含有させると鋼材の靭性劣化やHAZ靭性の劣化を招くことになる。従ってNbは0.05%以下であることが好ましい。より好ましくは0.03%以下とする。
本発明に係る船舶用鋼材は、上記要件を満足するものであり、その製造方法は特に限定されないが、例えば以下に示す方法を採用すれば、上記要件を満足する船舶用鋼材を製造することができる。
即ち、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径を25μm以下にするには、鋳造して得られたスラブを加熱して粗圧延した後、空冷あるいは強制冷却し、次いでオーステナイト再結晶温度域、オーステナイト未再結晶温度域または2相温度域で真ひずみ量0.5以上として仕上げ圧延すればよい。
仕上げ圧延の温度域を、適切な温度域とすることで、フェライト粒を微細化できるからである。即ち、温度管理せずに常法に従って圧延した後、空冷または強制冷却して得られる金属組織は、平均粒径がせいぜい約35μm以上のフェライト組織であるため、脆性亀裂停止特性は充分に改善できない。これに対し、適切な温度域で仕上げ圧延してやれば、フェライト粒を一段と微細化できる。特に、2相温度域で仕上げ圧延すれば、フェライト粒を直接変形させることができるため、真ひずみが大きく導入され、フェライト粒を一層微細化できる。
この仕上げ圧延では、真ひずみ量を0.5以上とするのがよい。真ひずみ量が0.5未満では、フェライト粒の微細化が不充分になることがあり、脆性亀裂停止特性を充分に改善できないことがあるからである。真ひずみ量は多くするほど好ましく、多くすればフェライト粒が小さくなる。
なお、上記仕上げ圧延を行なう温度域は鋼材の化学成分組成によって多少変化する。そこで本発明では、鋼材の表面温度が900℃以下の領域で導入する真ひずみ量を0.5以上として仕上げ圧延する。但し、仕上げ圧延の温度域が低くなり過ぎると、フェライト組織の加工脆化が著しくなり、脆性亀裂停止特性が低下する傾向がある。従って仕上げ圧延終了温度は、「Ar3変態点−40℃」以上とするのがよい。Ar3変態点の温度は、鋼材に含まれる化学成分の含有量に基づいて下記(1)式で算出できる。
Ar3変態点(℃)=868−369×[C]+24.6×[Si]−68.1×[Mn]−36.1×[Ni]−20.7×[Cu]−24.8×[Cr]+29.6×[Mo]+190×[V] …(1)
但し、[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示している。
上記真ひずみ量は、鋼材の表面温度が900℃での鋼片厚みをt、仕上げ圧延終了温度での鋼片厚みをtとしたとき、下記(2)式で算出できる。
真ひずみ=ln(t/t) …(2)
但し、仕上げ圧延開始温度が900℃を下回る場合には、仕上げ圧延開始時における鋼材厚みをtとして上記真ひずみを算出する。なお、仕上げ圧延開始温度が900℃を超える場合には、鋼材の表面温度が900℃での鋼片厚みをtとする。
仕上げ圧延終了後は、常法に従って冷却すればよい。冷却方法は特に限定されず、空冷してもよいし、強制冷却してもよい。
本発明の造船用鋼材は、基本的には塗装を施さなくても鋼材自体が優れた耐食性を発揮するものであるが、必要によって、後記実施例に示すタールエポキシ樹脂塗料、或はそれ以外の代表される重防食塗装、ジンクリッチペイント、ショッププライマー、電気防食などの他の防食方法と併用することも可能である。こうした防食塗装を施した場合には、後記実施例に示すように塗装膜自体の耐食性(塗装耐食性)も良好なものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含されるものである。
下記表1−1または表1−2に示す化学成分組成の鋼(残部はFeおよび不可避不純物)を転炉で溶製し、連続鋳造してスラブを得た。得られたスラブを後述する条件で熱間圧延して各種鋼板を製作した。なお、表1−1および表1−2には、鋼板に含まれるCoとMoの含有量の比の値([Co]/[Mg]:質量比)を算出し、併せて示した。また、鋼板に含まれる化学成分の含有量に基づいて、上記(1)式からAr3変態点の温度を算出し、その値も併せて示した。
得られたスラブは、加熱した後、粗圧延した。粗圧延終了後、空冷または強制水冷し、次いで仕上げ圧延を行なった。仕上げ圧延終了後は、表2−1または表2−2に示す条件で冷却した。なお、表2−1または表2−2に示した冷却速度は、冷却開始温度から500℃までの平均値である。
表2−1と表2−2に仕上げ圧延の条件として、仕上げ圧延終了温度(表面温度)を示した。また、上記(2)式から鋼材の表面温度が900℃以下の領域で導入した真ひずみ量を算出し、結果を下記表2−1と表2−2に示した。なお、表面温度とは、圧延ライン上に設置された放射型温度計を用いて測定した実測値である。
次に、得られた鋼板について下記手順でフェライト粒の平均粒径を算出した。結果を下記表2−1と表2−2に示す。
[平均粒径の測定手順]
鋼板のおもて面と裏面を含むと共に、圧延方向に平行で且つ鋼材表面(鋼材のおもて面)に対して垂直な面が露出するようにサンプルを切り出し、この露出面を研磨して鏡面仕上げした。露出面の研磨には#150〜#1000までの湿式エメリー研磨紙を用いて研磨した後、研磨剤としてダイヤモンドスラリー用いて鏡面仕上げした。
鏡面仕上げしたサンプルは3%ナイタール溶液を用いて腐食し、フェライト組織の結晶粒界を現出させた後、鋼材表面からt/100位置までの領域を、倍率100倍または400倍で撮影し、6cm×8cmの写真とした(即ち、100倍では600μm×800μm、400倍では150μm×200μmに相当する)。写真の6cmの辺は板厚方向に対応し、8cmの辺は圧延方向に対応している。撮影された写真を画像解析し、観察視野内に認められるフェライト粒の板厚方向の長さを測定し、これを平均したものをフェライト粒の平均粒径とする。
また、フェライト粒の平均粒径を算出する際に、鋼材表面からt/100位置までの領域における金属組織を観察し、フェライト面積率も同時に測定した。その結果、金属組織に占めるフェライトの面積率は50%以上であった。
なお、倍率が100倍の場合は、観察視野数を少なくとも6枚とし、400倍の場合は、観察視野数を少なくとも35枚とした。
次に、得られた鋼板について下記手順で耐食性と脆性亀裂停止特性を調べた。
<耐食性について>
得られた鋼板を切断および表面研削を行って、最終的に100×100×25(mm)の大きさの試験片を作製した(試験片A)。試験片Aの外観形状を図1に示す。
また、図2に示すように20×20×5(mm)の小試験片4個を、100×100×25(mm)の大試験片(前記試験片Aと同じもの)に接触させて、すきま部を形成した試験片Bを作製した。すきま形成用の小試験片と大試験片とは同じ化学成分組成の鋼材として、表面仕上げも前記試験片Aと同じ表面研削とした。そして小試験片の中心に5mmφの孔を、基材側(大試験片側)にねじ孔を開けて、M4プラスチック製ねじで固定した。
更に、平均厚さ250μmのタールエポキシ樹脂塗装(下塗り:ジンクリッチプライマー)を全面に施した試験片C(図3)も用いた。そして防食のための塗膜に傷が付いて素地の鋼材が露出した場合の腐食進展度合いを調べるために、試験片Cの片面には素地まで達するカット傷(長さ:100mm、幅:約0.5mm)をカッターナイフで形成した。
前記表1に示した各化学成分組成の供試材について、試験片A、試験片Bおよび試験片Cを夫々5個ずつ用い腐食試験に供した。このときの腐食試験方法は次の通りである。
[腐食試験方法]
まず海洋環境を模擬して、海水噴霧試験と恒温恒湿試験の繰り返しによる複合サイクル腐食試験を行った。
海水噴霧試験では、水平から60°の角度で傾けて供試材(各試験片A〜C)を試験槽内に設置し、35℃の人工海水(塩水)を霧状に噴霧させた。塩水の噴霧は常時連続して行った。このとき試験槽内において、水平に設置した面積80cmの円形皿に1時間当たりに1.5±0.3mLの人工海水が任意の位置で採取されるような噴霧量に予め調整した。
恒温恒湿試験では、温度を60℃、湿度を95%に調整した試験槽内に、供試材(各試験片A〜C)を水平から60°の角度で傾けて設置して行った。
海水噴霧試験を4時間と、恒温恒湿試験を4時間を1サイクルとして、これらを交互に行って、供試材を腐食させた。トータルの試験時間は6ヶ月間とした。
(1)試験片Aについては、試験前後の質量変化を平均板厚減少量D−ave(mm)に換算し、試験片5個の平均値を算出して、各供試材の耐全面腐食性を評価した。また、触針式三次元形状測定装置を用いて試験片Aの最大侵食深さD−max(mm)を求め、平均板厚減少量[D−ave(mm)]で規格化して(即ち、D−max/D−aveを算出して)、腐食均一性を評価した。尚、試験後の質量測定および板厚測定は、クエン酸水素二アンモニウム水溶液中での陰極電解法[JIS K8284]により鉄錆等の腐食生成物を除去してから行った。
(2)試験片Bについては、すきま部(接触面)の目視観察を行ってすきま腐食発生の有無を調べ、すきま腐食が認められる場合には、上記陰極電解法により腐食生成物を除去し、触針式三次元形状測定装置を用いて最大すきま腐食深さD−crev(mm)を測定した。
(3)塗装処理を施した試験片C(カット傷付き)については、試験後にカット傷を形成した面における塗膜膨れ面積の比率(膨れ面積率)を測定した。膨れ面積率は格子点法(格子間隔1mm)によって求めた。即ち、膨れの認められた格子点の数を全格子点数で除したものを膨れ面積率と定義して、試験片5個の平均値を求めた。また、カット傷に垂直方向の塗膜膨れ幅をノギスで測定し、試験片5個の最大値を最大膨れ幅と定義した。
上記耐全面腐食性(D−ave)、腐食均一性(D−max/D−ave)、耐すきま腐食性(D−crev)、塗装耐食性(膨れ面積率および最大膨れ幅)の評価基準は下記表3に示す通りである。腐食試験結果を下記表4−1と表4−2に示す。
<脆性亀裂停止特性について>
脆性亀裂停止特性は、社団法人日本溶接協会(WES)発行の鋼種認定試験方法(2000年3月31日制定)で規定される脆性破壊伝播停止試験に準じ、温度範囲を変えて4試験体分行った。その結果を1/T−Kcaのグラフ(X軸は1/T、Y軸はKca)にプロットし、4点の近似曲線と273Kとの交点を0℃でのKcaとした。なお、Tは脆性破壊停止温度(単位はK)を意味する。
算出結果を下記表4−1と表4−2に示す。また、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径と脆性亀裂停止特性との関係を図4に示す。なお、本発明では、0℃でのKcaが5900N/mm1.5以上の場合を合格とする。
これらの結果から次のように考察できる。CoまたはMgのどちらかを含有しないNo.2,3のもの、CoまたはMgの含有量が本発明で規定する下限値に満たないNo.4、5のものは、CoまたはMgの添加効果によって、従来鋼(No.1)に比べて耐全面腐食性はやや改善している。しかしCoが含有されていないNo.2のものおよびCo量が不足しているNo.4のものでは、腐食均一性と膨れ面積率で改善効果が認められない。またMgが含有されていないNo.3のものおよびMg量が不足しているNo.5のものでは、耐すきま腐食性と最大膨れ幅で改善効果が認められず、船舶用鋼材の耐食性としては不十分である。
これに対して、CoおよびMgを併用して適性量含有させたもの(No.6〜55)はこれらの元素の添加による相乗効果でいずれの耐食性も従来鋼(No.1)より優れており、造船用耐食鋼として好ましいことがわかる。
特に、CoおよびMgの併用に加えて、更にCu,Cr,Ni,Ti,Ca,MoおよびW等の耐食性向上元素を含有させることによって、鋼材の耐食性が更に向上していることが分かる。
このうちCu,Cr,NiまたはTiを添加した供試材では、特に塗装供試材の最大膨れ幅を低減させる効果が認められ(No.13〜17,20〜54等)、これらの元素の錆緻密化がカット部の錆安定化に作用して腐食進展を抑制したものと推察される。
また、Caは耐すきま腐食性を高める効果が認められ(No.18〜19,25〜29,32〜40,43〜44,49〜54等)、Caがすきま内のpH低下抑制を更に強化して腐食を低減したものと考えられる。
更に、MoやWの添加は、腐食均一性や塗装膨れ性の向上に非常に効果のあることが分かる(No.45〜52等)。
ところがCoおよびMgを併用して適性量含有させたもの(No.6〜55)の中でも、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μmを超える例は、脆性亀裂停止特性に劣っている。
これに対し、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下を満足する例は、脆性亀裂停止特性にも優れていることが分かる。
図1は、耐食性試験に用いた試験片Aの外観形状を示す説明図である。 図2は、耐食性試験に用いた試験片Bの外観形状を示す説明図である。 図3は、耐食性試験に用いた試験片Cの外観形状を示す説明図である。 図4は、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径と脆性亀裂停止特性との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. C :0.01〜0.2%(質量%の意味、以下同じ)、
    Si:0.01〜1%、
    Mn:0.01〜2%、
    Al:0.005〜0.1%を夫々含有する他、
    Co:0.010〜1%および
    Mg:0.0005〜0.02%を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材であり、
    該鋼材の金属組織を観察したときに、
    鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下であることを特徴とする耐食性および脆性亀裂停止特性に優れた船舶用鋼材。
    但し、tは鋼材の厚み(mm)を意味する。
  2. 前記Coの含有量[Co]と前記Mgの含有量[Mg]の比の値([Co]/[Mg])が2〜350である請求項1に記載の船舶用鋼材。
  3. 更に他の元素として、
    Cu:1.5%以下(0%を含まない)、
    Cr:1%以下(0%を含まない)、
    Ni:2%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1または2に記載の船舶用鋼材。
  4. 更に他の元素として、
    Ca:0.02%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の船舶用鋼材。
  5. 更に他の元素として、
    Mo:0.5%以下(0%を含まない)および/または
    W:0.3%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の船舶用鋼材。
  6. 更に他の元素として、
    B :0.01%以下(0%を含まない)、
    V :0.1%以下(0%を含まない)および
    Nb:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の船舶用鋼材。
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