JP2007177239A - インクジェット記録用インク組成物、及びカラーフィルター基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐性を維持しつつ低粘度であり、更に経時粘度安定性及び吐出安定性が良好なインクジェット記録用インク組成物、及びカラーフィルター基板を提供する。
【解決手段】インク組成物は、一般式(1):
(HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R (1)
〔式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、Rはモノアルコール残基であり、Rはラクトン残基であり、mは2又は3であり、nは1〜50の整数であり、そしてtは(4−m)である〕
で表される樹脂型分散剤、顔料、熱反応性化合物、及び有機溶剤を含む。カラーフィルター基板は、前記インクジェット記録用インク組成物による印刷層を担持する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物、及びカラーフィルター基板に関する。本発明のインクジェット記録用インク組成物は、例えば、液晶ディスプレイパネルのカラーフィルター基板の製造に好適に用いることができる。
薄型テレビジョンなどに利用されている液晶ディスプレイパネルには、主要な構成要素として、カラーフィルター基板と、液晶セル基板と、バックライトユニットとが含まれている。バックライトユニットは、液晶セル基板の裏面に設けた光源である。液晶セル基板の液晶は、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板とカラーフィルター基板との間に充填されている。カラーフィルター基板には、3原色(赤・青・緑;RGB)の繰り返しパターンが、TFTアレイ基板の各画素に対向する位置に形成されている。カラーフィルター基板の全面には透明電極が設けられており、TFTアレイ基板の画素電極との電圧によって液晶の方向が制御され、透過する光量がコントロールされる。
前記カラーフィルター基板は、具体的には、ガラス等の透明な基板の表面に3種以上の異なる色相の微細なストライプ状のフィルターセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なモザイク状のフィルターセグメントを縦横一定の配列に配置したものからなっている。そして、フィルターセグメント間には、カラーフィルター基板の表示コントラストを高めるために、一定の幅を持つ遮光領域(ブラックマトリックス)が設けられる。カラーフィルター基板を構成するストライプの幅及びモザイクの一辺の長さは、約70μmと微細であり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列されている。また、通常のカラーフィルター基板の膜厚は0.8〜1.5μmであり、顔料がフィルターセグメント中の25〜45重量%を占めている。
従来、カラーフィルター基板の製造は、顔料が分散されたフォトレジスト液を透明基板上に塗布してから、乾燥、露光、現像、及び硬化などの工程を繰り返すことによって行われていた。そのため、生産性が低く、コスト低減の要求が高くなっている。特に、液晶ディスプレイパネルの大型化に伴って、フォトレジストに替わる技術が求められてきた。
こうした要求に従い、製造方法や製造設備の見直しが行われ、インクジェット法によるカラーフィルター基板の製造が注目されている。インクジェット法は、特に製造装置の小型化が容易で、生産性の高い点で有利である。更に、近年は、プリンタヘッドやインクに関する技術の進歩により、インクジェット法にも顔料系インクが使用され始め、その結果、耐光性や堅牢性も改良されている。この点からも、カラーフィルター基板用途にインクジェット法を適用することが有利である、種々の提案が行われている(例えば、特許文献1〜3)。
特開平1−217302号公報 特開平7−174915号公報 特開平8−75916号公報
インクジェット法によるフィルターセグメントの形成は、予め透明基板上にブラックマトリックスを設け、ブラックマトリックスで区分けされた領域内にインクジェット法によりインクを充填することによって実施する。しかしながら、従来の一般的なインクジェットインクは、吐出安定性などを確保する目的で低粘度にする必要があるため、顔料の含有量が5重量%前後と少ない。このようなインクを用いて、カラーフィルター基板の通常の膜厚のフィルターセグメントを形成しても、カラーフィルター基板として必要な濃度を提供することはできない。
一方、所望の濃度のフィルターセグメントを形成するためには、ブラックマトリックスで区分けされた領域内に充填するインク量を増やす方法や、インクジェットインクの顔料含有量を多くする方法がある。しかしながら、ブラックマトリックスで区分けされた領域内に充填するインク量を増やすと、ブラックマトリックスを超えてインクが溢れて、隣接する領域にインクが混入し、フィルターセグメントの色相を損なうことがある。また、インクジェットインクの顔料含有量を多くすると、インクの粘度が高くなりすぎ、インクジェットインクとして吐出させることが困難になる。
従って、本発明の課題は、顔料を高濃度で分散して含有すると同時に、インクジェット法により基板上の所望の位置に安定して吐出させることのできる物性を有するインク組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、上記インクを用いてインクジェット法により形成されるカラーフィルター基板を提供することにある。
前記の課題は、本発明により、一般式(1):
(HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R (1)
〔式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、Rはモノアルコール残基であり、Rはラクトン残基であり、mは2又は3であり、nは1〜50の整数であり、そしてtは(4−m)である〕
で表される樹脂型分散剤、顔料、熱反応性化合物、及び有機溶剤を含むことを特徴とする、インクジェット記録用インク組成物によって解決することができる。
本発明によるインク組成物の好ましい態様においては、前記樹脂型分散剤として、Rが、芳香族環1つ又は2つ以上を有するテトラカルボン酸化合物残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する。
本発明によるインク組成物の別の好ましい態様においては、前記樹脂型分散剤として、Rが、直鎖又は分岐脂肪族モノアルコール残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記樹脂型分散剤として、Rが、エチレン性不飽和二重結合1つ又は2つ以上を有するモノアルコール残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記樹脂型分散剤として、Rが、片末端をエーテル化又はエステル化したポリオキシアルキレン基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記樹脂型分散剤として、nとtとの少なくとも一方が2以上であり、複数のRが、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、及びアルキル置換されたヘキサメチレン基からなる群から選択され、相互に同じか異なる基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記熱反応性化合物が、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、エポキシ化合物、フェノール化合物、ブロック化イソシアネート化合物、アクリレート系モノマー、及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる化合物1種若しくは2種以上である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、バインダー樹脂を更に含み、特には、前記バインダー樹脂が、熱可塑性樹脂である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、顔料誘導体を更に含み、特には、前記顔料誘導体が、一般式(2):
G−(E)q (2)
(式中、Gは、色素原型化合物残基であり、Eは、塩基性置換基、酸性置換基、又は中性置換基であり、qは、1〜4の整数である)
で表される化合物である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、固形分含有量が、インク組成物全重量に対して、3〜60重量%である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記顔料の含有量が、インク組成物全重量に対して、1〜30重量%である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、前記顔料と前記樹脂型分散剤との重量比が、100:3〜100:60である。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、25℃における粘度が、2〜40mPa・sである。
本発明によるインク組成物の更に別の好ましい態様においては、カラーフィルター基板用である。
また、本発明は、前記インクジェット記録用インク組成物による印刷層を担持するカラーフィルター基板にも関する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有しているので、顔料含有量が高いにもかかわらず、優れた吐出安定性を示す。従って、本発明のインクジェット記録用インク組成物を利用してカラーフィルター基板を製造する場合に、充インクジェットによって充分な濃度の印刷層を提供することができる。
(1)樹脂型分散剤
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有している。
本発明で用いることのできる前記樹脂型分散剤は、前記一般式(1)で表される構造を有する限り、その化学構造及び製造方法は特に限定されるものではない。その製造方法は、例えば、モノアルコールを開始剤として、ラクトンを開環重合して片末端に水酸基を有するポリエステルを製造する第一の工程と、該片末端に水酸基を有するポリエステルと、テトラカルボン酸二無水物を反応させる第二の工程とからなる方法であることが好ましい。
前記樹脂型分散剤の製造に用いることのできるモノアルコールとしては、水酸基を一つ有する化合物であれば、特に限定されない。脂肪族モノアルコールとしては、例えば、好ましくは炭素原子数1〜30(より好ましくは炭素原子数1〜25)の直鎖状若しくは分岐状の置換若しくは非置換の飽和脂肪族モノアルコール、あるいは炭素原子数1〜30(より好ましくは炭素原子数1〜25)の置換若しくは非置換の飽和脂環式モノアルコールを挙げることができる。飽和脂肪族モノアルコール又は飽和脂環式モノアルコールの置換基としては、例えば、カルボキシル基を挙げることができる。
脂肪族モノアルコールを例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、イソペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、イソノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−ミリスチルアルコール、セチルアルコール、1−ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、又はオレイルアルコールなどを挙げることができる。脂環式モノアルコールとしては、例えば、シクロヘキサノールなどを挙げることができる。
脂肪族モノアルコールとしては、分岐脂肪族モノアルコールが好ましく、例えば、2−エチルヘキサノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、又は2−ヘキシルデカノールなどの炭素原子数8〜20のものが好ましい。
前記モノアルコールとしては、炭素原子数6〜30(より好ましくは炭素原子数6〜25)の置換若しくは非置換の芳香族モノアルコール、例えば、フェノール又はクミルフェノールを用いることもできる。また、炭素原子数1〜6の脂肪族基部分を有し、炭素原子数6〜10の芳香族基で置換された飽和脂肪族モノアルコール、例えば、ベンジルアルコールを用いることもできる。
更に、前記モノアルコールとして、片末端に水酸基を有するモノアルキレングリコールモノエーテル又は片末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールモノエーテルを用いることもできる。これらのモノアルキレングリコールモノエーテル又はポリアルキレングリコールモノエーテルとしては、好ましくは、モノ若しくはポリエチレングリコール又はモノ若しくはポリプロピレングリコールの炭素原子数1〜8のアルキルモノエーテルを挙げることができ、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。
更に、前記樹脂型分散剤の製造に用いることのできるモノアルコールとしては、エチレン性不飽和二重結合1つ又はそれ以上を有するモノアルコールを挙げることができる。前記エチレン性不飽和二重結合の例としては、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を挙げることができ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。これらは、1つの化合物中に異なる種類の二重結合を有する化合物であることができる。
前記のエチレン性不飽和二重結合を有するモノアルコールとしては、例えば、エチレン性不飽和二重結合1つ、2つ、又は3つ以上を有する不飽和モノアルコール化合物を用いることができる。エチレン性不飽和二重結合の数が1つのモノアルコールとしては、(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜8のヒドロキシアルキルエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、又は1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エチレン性不飽和二重結合の数が2つのモノアルコールとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、又はグリセリンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。エチレン性不飽和二重結合の数が3つのモノアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレン性不飽和二重結合の数が5つのモノアルコールとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを挙げることができる。
前記で例示した脂肪族モノアルコール、芳香族モノアルコール、及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノアルコールの水酸基を開始基として、アルキレンオキサイドを付加重合して得られるアルコール、すなわち、片末端をエーテル化又はエステル化したポリアルキレングリコールも、記樹脂型分散剤の製造に用いることができる。付加重合に用いるアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又は1,2−、1,4−、2,3−若しくは1,3−ブチレンオキサイド、あるいはこれらの2種以上の混合物を用いることができる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。アルキレンオキサイドの付加数は、一分子中、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは5〜100である。
アルキレンオキサイドの付加は、公知方法、例えばアルカリ触媒の存在下、100〜200℃の温度で行うことができる。こうして得られる付加重合生成物の市販品としては、日本油脂社製ユニオックスシリーズ、又は日本油脂社製ブレンマーシリーズなどがある。
具体的に例示すると、ユニオックスM−400、M−550、M−2000、ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350、AE−90、AE−200、AE−400、PP−1000、PP−500、PP−800、AP−150、AP−400、AP−550、AP−800、50PEP−300、70PEP−350B、AEPシリーズ、55PET−400、30PET−800、55PET−800、AETシリーズ、30PPT−800、50PPT−800、70PPT−800、APTシリーズ、10PPB−500B、又は10APB−500Bなどがある。
前記樹脂型分散剤の製造に用いることができるモノアルコールは、上記例示に限定されることなく、水酸基を一つ有する化合物であればいかなる化合物も用いることができ、また単独で用いても、2種類以上を併用することもできる。
上記のモノアルコールのうち、例えば4−メチル−2−ペンタノール、イソペンタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、又は2−ヘキシルデカノールなどの分岐脂肪族モノアルコール、又は片末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを用いることで、結晶性が低下し、室温で液状になる場合があるので、作業性の点と、他の樹脂との相溶性の点で好ましい。
前記モノアルコールを開始剤として、ラクトンを開環重合することによって、片末端に水酸基を有し、前記樹脂型分散剤の製造に用いることができるポリエステルを得ることができる。前記開環重合に用いることができるラクトンは、好ましくは4員環〜10員環、より好ましくは5員環〜7員環のラクトンであり、環構成炭素原子は、置換されているかあるいは非置換であることができる。環構成炭素原子の置換基としては、炭素原子数1〜4のアルキル基を挙げることができる。また、環内にエチレン結合1つ又はそれ以上を含む不飽和ラクトン、又は芳香族化合物(例えば、ベンゼン)との縮合ラクトンも用いることができる。
好適なラクトンとして、具体的には、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、又はアルキル置換されたε−カプロラクトンを挙げることができ、このうちδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、又はアルキル置換されたε−カプロラクトンを使用するのが開環重合性の点で好ましい。アルキル置換基としては、例えば、炭素原子数1〜4のアルキル基、特には、メチル基又はエチル基を挙げることができ、これらのアルキル置換基1つ又はそれ以上で置換されていることができる。
前記ラクトンは、上記例示に限定されることなく用いることができ、また単独で用いても、2種類以上を併用することもできる。2種類以上を併用することで結晶性が低下し、室温で液状になる場合があるので、作業性の点と、他の樹脂との相溶性の点で好ましい。
前記モノアルコールと前記ラクトンとの開環重合は、公知方法、例えば、脱水管及びコンデンサを接続した反応器に、前記モノアルコール、前記ラクトン、及び重合触媒を仕込み、窒素気流下で行うことができる。前記モノアルコールとして低沸点のモノアルコールを用いる場合には、オートクレーブを用いて加圧下で反応させることができる。また、前記モノアルコールとしてエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を使用する場合は、重合禁止剤を添加し、乾燥空気流下で反応を行うことが好ましい。
前記モノアルコール1モルに対する前記ラクトンの付加モル数は、1〜50モル、好ましくは、3〜20モル、最も好ましくは4〜16モルである。付加モル数が、1モルより少ないと、分散剤としての効果を得ることができず、50モルより大きいと分散剤の分子量が大きくなりすぎ、分散性や流動性の低下を招く。
前記開環重合用の重合触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、又はベンジルトリメチルアンモニウムヨードなどの四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、又はテトラフェニルホスホニウムヨードなどの四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルフォスフィンなどのリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、又は安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、又はカリウムアルコラートなどのアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、又は塩化亜鉛などの亜鉛化合物等を挙げることができる。触媒の使用量は0.1ppm〜3000ppm、好ましくは1ppm〜1000ppmである。触媒量が3000ppm以上となると、前記樹脂型分散剤の着色が激しくなり、製品の安定性に悪影響を与える。逆に、触媒の使用量が0.1ppm以下では環状エステルの開環重合速度が極めて遅くなるので好ましくない。
前記開環重合反応は、無溶剤で実施するか、又は適当な脱水有機溶媒を使用することもできる。前記開環重合反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのままインクジェット記録用インク組成物の一部として使用することもできる。
前記開環重合反応は、好ましくは100℃から220℃、より好ましくは110℃〜210℃の範囲で行う。反応温度が100℃未満では反応速度がきわめて遅く、210℃を超えるとラクトンの付加反応以外の副反応、例えばラクトン付加体のラクトンモノマーへの分解、環状のラクトンダイマーやトリマーの生成等が起こりやすい。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノアルコールを使用する場合に使用される重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、又はフェノチアジン等が好ましく、これらを単独で用いるかあるいは併用することができ、使用量は、好ましくは0.01%〜6%、より好ましくは0.05%〜1.0%の範囲である。
本発明で用いる前記樹脂型分散剤は、前記の第一の工程で得られた片末端に水酸基を有するポリエステルの水酸基と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる(第二の工程)ことにより得ることが好ましい。
第二の工程で使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物、複素環式テトラカルボン酸二無水物、又は多環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
具体的には、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物、あるいは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、又はビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂環式テトラカルボン酸二無水物、あるいは2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、又は5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物などの複素環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
更に、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、又は9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、あるいは3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物などの多環式テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に、芳香族環2つ以上を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、特には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、又は9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物が好ましい。
前記樹脂型分散剤の製造に用いることができるテトラカルボン酸二無水物は、上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物を二つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。更に、前記樹脂型分散剤の製造に好適に用いることができるテトラカルボン酸二無水物は、顔料分散体の低粘度化の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、更に好ましくは芳香族環2つ以上(特には2〜4)を有するテトラカルボン酸二無水物である。
第二の工程での反応比率は、片末端に水酸基を有するポリエステルの水酸基のモル数〈H〉に対する、テトラカルボン酸無水物の無水環のモル数〈N〉の比率〔〈H〉/〈N〉〕が、好ましくは0.5<〈H〉/〈N〉<1.2、更に好ましくは0.7<〈H〉/〈N〉<1.1、最も好ましくは〈H〉/〈N〉=1である。〈H〉/〈N〉<1で反応させる場合は、残存する酸無水物を必要量の水で加水分解して使用してもよい。
第二の工程には触媒を用いてもかまわない。触媒としては、3級アミン系化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等を挙げることができる。
第一の工程、第二の工程ともに無溶剤で行ってもよいし、適当な脱水有機溶媒を使用してもよい。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用することもできる。
反応温度は80℃〜180℃、好ましくは、90℃〜160℃の範囲で行う。反応温度が80℃以下では反応速度が遅く、180℃以上ではハーフエステル化したものが、再度環状無水物を生成し、反応が終了しにくくなる場合がある。
前記一般式(1)において、nは好ましくは1〜30の整数、より好ましくは2〜20の整数である。前記一般式(1)において、nとtとの少なくとも一方が2以上である場合には、前記一般式(1)に存在する複数のRは、全てが同じ基であるか、複数種の基を含むことができる。
前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤として好ましい化合物は、Rが下記一般式:
Figure 2007177239
Figure 2007177239
又は
Figure 2007177239
(式中、Aは、直接結合、−O−、−CO−、−COOCHCHOCO−、−SO−、−C(CH−、−C(CF−、
Figure 2007177239
又は
Figure 2007177239
である)
で示されるものであり、Rが炭素原子数8〜20の脂肪族アルキル基、又は分子量200〜1500の末端エーテル若しくはエステルポリオキシアルキレン(アルキレン部分の炭素原子数が2〜4)基であり、Rがヘキサメチレン基、ペンタメチレン基、又はアルキル置換されたヘキサメチレン基であり、mは2又は3であり、nが3〜20の整数であり、そしてtが(4−m)である一般式(1)で表される樹脂型分散剤である。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤1種又はそれ以上を含有していることができる。本発明のインクジェット記録用インク組成物において、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤は、組成物全体の重量に対して、好ましくは0.02〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の量で含有されていることが好ましい。前記樹脂型分散剤の含有量が0.02重量%未満になるとインク組成物の粘度が低くならず、20重量%を超えると、インクの造膜性が低下することがある。
(2)顔料
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、顔料を含有している。
顔料としては、有機顔料、無機顔料、又はアセチレンブラック、チャンネルブラック、若しくはファーネスブラック等のカーボンブラックを用いることができ、顔料は2種以上を混合して用いてもよい。
有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、若しくはポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、若しくは無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、若しくはビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、又は金属錯体系顔料等を挙げることができる。
無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、又はコバルトバイオレット等を挙げることができる。
また、以下に、本発明によるインク組成物に使用可能な顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。
赤色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、及び/又はオレンジ顔料を併用することができる。
イエロー色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料を用いることができる。
オレンジ色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment orange 36、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。
緑色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
青色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記顔料を、1種単独で含有するか、あるいは2種以上を混合して含有することができる。
顔料の粒子径は、可視光の吸収係数(スペクトルの適正さ)及び透明性の点から、可視光の波長に対して充分小さいことが好ましい。すなわち、顔料は、平均一次粒子径が0.01μm以上0.3μm以下、特に0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましい。なお、一次粒子径とは、最小単位の顔料粒子の直径をいい、電子顕微鏡で測定される。顔料の一次粒子径は、サンドミル、ニーダー、又は2本ロール等の既知の分散装置を用いて適正な範囲内に制御することができる。
本発明のインクジェット記録用インク組成物において、前記顔料は、組成物全体の重量に対して、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは3〜25重量%の量で含有されていることが好ましい。前記顔料の含有量が1重量%未満になるとインク皮膜の濃度が不足し、30重量%を超えると、粘度が上昇したり、経時安定性が低下することがある。また、前記顔料と前記樹脂型分散剤との重量比は、好ましくは100:3〜100:60、より好ましくは100:5〜100:30である。前記重量比が100:3未満になると、インク組成物の粘度が十分に低くならないことがあり、100:60を超えると、インクの造膜性が低下することがある。
(3)熱反応性化合物
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、熱反応性化合物を含有している。本発明のインク組成物に用いることのできる前記熱反応性化合物は、常温下では非反応性であるが、例えば、100℃以上(好ましくは150℃以上)の温度で、架橋反応、重合反応、重縮合反応、又は重付加反応を示す化合物である。本発明のインク組成物に用いることのできる前記熱反応性化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜2000、より好ましくは100〜1000である。
前記熱反応性化合物としては、例えば、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、エポキシ化合物、フェノール化合物、ブロック化イソシアネート化合物、アクリレート系モノマー、又はシランカップリング剤を用いることができる。
メラミン化合物又はベンゾグアナミン化合物としては、例えば、イミノ基、メチロール基、及び/又はアルコキシメチル基を有するものが挙げられる。その中でも、アルコキシアルキル基を含有するメラミン化合物又はベンゾグアナミン化合物が好ましい。アルコキシアルキル基を含有するメラミン化合物又はベンゾグアナミン化合物を用いた場合、本発明の着色樹脂組成物を含有する塗料又はインクの保存安定性が著しく向上する。
アルコキシアルキル基を含有するメラミン化合物又はベンゾグアナミン化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサブトキシメチロールメラミン、テトラメトキシメチロールベンゾグアナミン、テトラブトキシメチロールベンゾグアナミン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
メラミン化合物の市販品の具体例としては以下のものが挙げられる。但し、必ずしもこれらに限定されるものではない。
三和ケミカル社製ニカラックMW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MS−001、MX−002、MX−730、MX750、MX−708、MX−706、MX−042、MX−035、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−417、MX−410、MX−302、日本サイテックスインダストリー社製サイメル300、301、303、350、370、325、327、703、712、701、285、232、235、236、238、211、254、204、202、207、マイコート506、508、212、715などが挙げられる。
その中でも好適なのは、アルコキシアルキル基含有のメラミン化合物である、三和ケミカル社製ニカラックMW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−302、日本サイテックスインダストリー社製サイメル300、301、303、350、285、232、235、236、238、マイコート506、508である。
ベンゾグアナミン化合物の市販品の具体例としては、例えば、三和ケミカル社製ニカラックBX−4000、SB−401、BX−37、SB−355、SB−303、SB301、BL−60、SB−255、SB−203、SB−201、日本サイテックスインダストリー社製サイメル1123、マイコート105、106、1128などが挙げられる。
その中でも好適なのは、アルコキシアルキル基含有のベンゾグアナミン化合物である、三和ケミカル社製ニカラックBX−4000、SB−401、日本サイテックスインダストリー社製サイメル1123である。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルo−フタレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリオールのグリシジルエーテル、ポリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類を酸性触媒下で反応させたノボラック型フェノール化合物、塩基性触媒下で反応させたレゾール型フェノール化合物どちらも用いることができる。フェノール類としては、例えば、オルトクレゾール、パラクレゾール、パラフェニルフェノール、パラノニルフェノール、2,3−キシレノール、フェノール、メタクレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールH、ビスフェノールS等を挙げることができる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを挙げることができる。フェノール類とアルデヒド類は、それぞれ1種を単独で、又は2種以上を混合して用いられる。
ブロック化イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート、これらジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト型、ビウレット型、イソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)及びイソシアネート残基を有するウレトジオン等を挙げることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
ブロック剤としては、例えば、フェノール(解離温度180℃以上)、ε−カプロラクタム(解離温度160〜180℃)、オキシム(解離温度130〜160℃)、又は活性メチレン(100〜120℃)等を挙げることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、1種を単独で、あるいは2種以上を併用して用いられる。
アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
アクリレートモノマーを用いる場合には、更に硬化性を向上させる目的で、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、加熱時に硬化性を向上させる目的で熱重合開始剤を用いてもよい。熱重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等を挙げることができる。
これらの熱反応性化合物のうち、メラミン化合物又はベンゾグアナミン化合物は、本発明のインク組成物中に1重量%〜40重量%の量で含有されていることが好ましい。また、エポキシ化合物、フェノール化合物、ブロック化イソシアネート化合物、又はアクリレートモノマー類などについては本発明のインク組成物中に1重量%〜40重量%の量で含有されていることが好ましい。また、シランカップリング剤は本発明のインク組成物中に0.1重量%〜40重量%の量で含有されていることが好ましい。含有量が不足すると、耐熱性、又は耐薬品性に劣る場合がある。また、含有量が40%より多くなると、粘度の増加、又は保存安定性の低下が生じる場合がある。
(4)有機溶剤
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、有機溶剤を含有している。
本発明では、インクジェット記録用インク組成物において通常使用されている有機溶剤を用いることができる。一般に、インクジェット記録用インク組成物に用いられる有機溶剤は、樹脂に対して高い溶解性を有するとともに、インクジェットプリンタからインクを吐出する際に、インクと接するプリンタ部材に対して膨潤作用が少なく、溶剤の粘度がなるべく低いものが好ましい。有機溶剤は、樹脂に対する溶解性、及びプリンタ部材に対する膨潤作用、粘度、及びノズルにおけるインクの乾燥性の点から選択され、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤、及び/又はケトン系溶剤等の1種類を単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、又はアミルアルコール等を挙げることができる。
グリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1−ブトキシエトキシプロパノール、又は1−メトキシ−2−プロピルアセテート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、乳酸エチル、乳酸プロパン、又は乳酸ブチル等を挙げることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、イソホロン、メチルシクロヘキサノン、又はアセトフェノン等を挙げることができる。
(5)顔料誘導体
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、更に顔料誘導体を含有することができる。
顔料誘導体としては、例えば、一般式(2):
G−(E)q (2)
(式中、Gは、色素原型化合物残基であり、Eは、塩基性置換基、酸性置換基、又は中性置換基であり、qは、1〜4の整数である)
で表される化合物を用いることができる。
基Eの塩基性置換基としては、例えば、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、及び一般式(6)で示される置換基を挙げることができる。
一般式(3):
Figure 2007177239
:−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−又は直接結合を表す。
p:1〜10の整数を表す。
33、R34:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はR33とR34とで一緒になって更なる窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
一般式(4):
Figure 2007177239
、R:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はRとRとで一緒になって更なる窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
一般式(5):
Figure 2007177239
:−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−又は直接結合を表す。
:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
、R、R10、R11:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
一般式(6):
Figure 2007177239
:−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−又は直接結合を表す。
Y:−NR12−Z−NR13−又は直接結合を表す。
12、R13:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、又は置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキレン基及びアルケニレン基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:下記一般式(7)で示される置換基又は下記一般式(8)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、前記一般式(4)で示される置換基又は前記一般式(5)で示される置換基を表す。
一般式(7):
Figure 2007177239
r:1〜10の整数を表す。
14、R15:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はR14とR15とで一緒になって更なる窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
一般式(8):
Figure 2007177239
16:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
17、R18、R19、R20:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
基Eの酸性置換基又は中性置換基としては、例えば、下記一般式(9)、一般式(10)及び一般式(11)で示される置換基を挙げることができる。
一般式(9):
−SOM/l (9)
M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子、又はアルミニウム原子を表す。
l:Mの価数
一般式(10):
Figure 2007177239
21、R22、R23、R24:水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す(但し全てが水素原子である場合は除く)。
一般式(11):
Figure 2007177239
:水素原子、ハロゲン原子、−NO、−NH又はSOHを表す。
k:1〜4の整数を表す。
色素原型化合物残基Gとしては、例えば、ジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、若しくはポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、又は金属錯体系色素、あるいはアントラキノン残基、又はトリアジン残基などを挙げることができる。
また、アントラキノン誘導体としては、上記塩基性置換基、酸性置換基又は中性置換基を有するアントラキノンを用いることができる。また、トリアジン誘導体としては、メチル基、若しくはエチル基等のアルキル基、又はアミノ基又はジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、若しくはジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基、又はニトロ基又は水酸基又はメトキシ基、エトキシ基、若しくはブトキシ基等のアルコキシ基又は塩素等のハロゲン又はメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基、又はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、若しくは水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンに、上記塩基性置換基、酸性置換基又は中性置換基を導入した誘導体を用いることができる。
中でもトリアジン環、アントラキノン基を含有する顔料誘導体がより好ましい。トリアジン環、アントラキノン基構造を有する顔料誘導体は、顔料に対しより高い吸着性を示し、高い分散性が得られると同時に、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物の硬化反応をより効果的に引き起こし、耐性の更なる向上を期待することができる。
(6)バインダー樹脂
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、更にバインダー樹脂を含有することができる。バインダー樹脂は、前記熱反応性化合物の反応温度においても、非反応性の樹脂であり、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂の例としては、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、又はブチラール樹脂などを用いることができる。
バインダー樹脂として、架橋可能な官能基を有するものを用いることもできる。架橋可能な官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はアルコキシル基等を挙げることができる。
架橋可能な官能基を有する樹脂としては、エステル化反応により樹脂が緩やかに架橋するため、水酸基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂が好ましい。
水酸基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂は、水酸基を有するモノマー又はカルボキシル基を有するモノマーと、水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとを共重合することにより得られる樹脂である。
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(n=2〜50)、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(カプロラクトンの繰り返し数=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレートなどを挙げることができる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては,アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸などを挙げることができる。
水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとしては、下記一般式(21)で示されるモノマーを用いてもよい。
一般式(21):
Figure 2007177239
43:炭素数1〜30のアルキル基、−CH−CH=CH、置換基されていてもよいフェニル基又はC=0−C(R51)=CHを表す。
41及びR51:水素原子又はメチル基を表す。
42:炭素数1〜4アルキレン基を表す。
s:1〜100の整数を表す。
一般式(21)で示されるモノマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジアクリレート等を挙げることができる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
一般式(21)で示されるモノマー以外の、水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等を挙げることができる。また、アルキル基の水素原子の一部又は全部が芳香環,複素環,ハロゲン原子などで置換されているアルキル(メタ)アクリレートなど、一般にアクリル樹脂の合成に用いられるモノマーを用いることができる。
また、架橋可能な官能基を有する樹脂としては、顔料の分散性及び経時での安定性が向上し、更にインクジェット記録用インク組成物が低粘度となるため、リン酸基又はスルホン酸基を有する樹脂が好ましい。
リン酸基及びスルホン酸基は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の多価金属、アンモニア、又はエチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン等の有機アミンと塩を形成していてもよい。
リン酸基を有する樹脂に含まれるリン酸基は、式(22)で示される1価のリン酸基であっても式(23)で示される2価のリン酸基であってもよい。
式(22):
Figure 2007177239
式(23):
Figure 2007177239
リン酸基を有する樹脂としては、例えば、エチレングリコールメタクリレートフォスフェート、プロピレングリコールメタクリレートフォスフェート、エチレングリコールアクリレートフォスフェート、プロピレングリコールアクリレートフォスフェートに代表されるような下記一般式(24)で示されるモノマーを重合成分として含有するビニル系重合体を挙げることができる。
一般式(24):
Figure 2007177239
44:水素又はメチル基を表す。
45:アルキレン基を表す。
u:1〜20の整数を表す。
リン酸基を有するモノマーの具体例を以下に示すが、これに限るものではない。
Figure 2007177239
これらのリン酸基を有するモノマーは、特公昭50−22536、特開昭58−128393に記載の方法で製造することができる。市販品としては、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH(以上ユニケミカル社製)、ライトエステルP−1M(以上共栄社化学社製)、JAMP−514(以上城北化学工業社製)、KAYAMER PM−2、KAYAMER PM−21(以上日本化薬社製)等がある。
これらのリン酸基を有するモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体におけるリン酸基を有するモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜30重量部以下であることが好ましく、0.1〜5重量部以下であることが更に好ましい。
スルホン酸基を有する樹脂としては、例えば、スルホン酸基を有するモノマーを重合成分として含有するビニル系重合体を挙げることができる。
スルホン酸基を有するモノマーとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、4−スルホブチルメタクリレート等を挙げることができる。
これらのスルホン酸基を有するモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体におけるスルホン酸基を有するモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることが更に好ましい。
リン酸基又はスルホン酸基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000〜50000であり、更に好ましくは2000〜30000である。
リン酸基を有する樹脂は、リン酸基を有するモノマーとリン酸基を有しないモノマーとをラジカル重合することにより得ることができる。また、スルホン酸基を有する樹脂は、スルホン酸基を有するモノマーとスルホン酸基を有しないモノマーとをラジカル重合することにより得ることができる。リン酸基を有しないモノマー及びスルホン酸基を有しないモノマーとしては、先に例示した水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基及びカルボキシル基を有しないモノマーを用いることができる。
水酸基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂、リン酸基又はスルホン酸基を有する樹脂の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて溶剤の存在下で行っても差し支えない。開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を挙げることができる。開始剤は、モノマー100重量部に対して好ましくは1〜20重量部使用される。
スルホン酸基を有する樹脂の合成時に用いられる溶剤としては、水及び/又は水混和性有機溶剤を用いることが好ましい。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコール又はジエチレングリコールのモノ又はジアルキルエーテル等を挙げることができる。
また、スルホン酸基以外の官能基を有する樹脂の合成時に用いられる溶剤としては、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル系溶剤や、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。
また、樹脂としては、下記一般式(25)又は一般式(26)で示されるモノマーを重合成分として含有する樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、顔料の分散性及び経時での安定性が向上し、更にインクジェットインクが低粘度となるためである。
式(25)
Figure 2007177239
式(26)
Figure 2007177239
前記一般式(25)及び一般式(26)中、R46及びR48は水素原子又はメチル基を表し、R47及びR49は炭素原子数1〜4アルキレン基を表し、v及びwは1〜100の整数を表す。
前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーとしては、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドエチレンオキサイド(ブロックタイプ)変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート等を挙げることができる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましい。
前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーを重合成分として含有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは10000〜50000である。
前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーを重合成分として含有する樹脂は、前記一般式(25)及び一般式(26)で示されるモノマーと他のモノマーとを、水酸基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂と同様にして、ラジカル重合することにより得ることができる。他のモノマーとしては、先に例示した水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基及びカルボキシル基を有しないモノマー、リン酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマーを用いることができる。
(7)顔料の被覆処理
顔料の被覆処理は、前記顔料、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤、前記有機溶剤、前記顔料誘導体、及び前記バインダー樹脂等が均一になるように予め混合してから、分散機を用いて混練することにより行うことができる。溶剤の配合量は、混合物の機械特性に応じて調節することが好ましい。顔料の被覆処理に用いる分散機としては、ニーダー、ロールミル、ボールミル、バンバリーミキサー、ローラーミル、石臼式ミル等が挙げられるが、2本ロールミルは一つの装置で混合及び混練ができるので好ましい。
顔料を被覆処理する際の原料の配合量は、顔料100重量部に対して、顔料誘導体1〜30重量部、前記樹脂型分散剤及び前記バインダー樹脂(以下、樹脂成分)20〜200重量部、及び溶剤4〜200重量部の範囲であることが好ましい。顔料誘導体の配合量が1重量部未満の場合は、アンカー効果が少ないためインクを低粘度化させる効果が小さく、30重量部を超える場合は、顔料誘導体が過剰となり未吸着の顔料誘導体同士が凝集するためインクが増粘する。また、樹脂成分の配合量が20重量部未満の場合は、充分に顔料表面を被覆できず、顔料の分散安定性が低くなり、200重量部を超える場合は、顔料に吸着しない遊離の樹脂成分によりインクの粘度が上昇する。また、溶剤の配合量が4重量部未満の場合は、顔料誘導体及び樹脂成分の顔料に対する初期の塗れが不充分で充分に顔料を被覆しないため、インクの粘度が安定しないことがあり、200重量部を超える場合は、顔料の被覆処理が困難となる。
顔料の被覆処理は、具体的には、下記の2段階の工程により行われる。
第1工程は、顔料、樹脂成分、及び溶剤等を含む組成物を20回程度2本ロールに通すことにより顔料への樹脂成分の濡れと吸着を進行させるチップ化工程である。この工程で、配合した溶剤のうち約80重量%程度が揮発する。
第2工程は、チップ化により前記樹脂成分が顔料に吸着した混練物の加熱、混練を続けて顔料粒子表面に被覆層を形成する被覆処理工程である。混練物の粘度が高く、機械上、混練できない場合は、適量の溶剤を追加し、混練を助ける。
樹脂成分が架橋可能な官能基を有する場合には、被覆処理工程で樹脂成分の架橋が生じ、一部に樹脂切断も見られる。この反応は、過度な機械的な加圧と磨砕、更には加熱の結果によるものでメカノケミカルな反応であり、顔料と樹脂成分のみでは樹脂成分の架橋反応は生じにくい。顔料と樹脂成分とを混練する際に顔料誘導体を用いることにより、顔料誘導体と樹脂成分とが顔料表面に強固に吸着し、更に加熱と加圧混練を行うことにより樹脂成分の架橋が生じると推定される。加熱温度は80℃〜120℃の範囲であることが好ましい。80℃未満の温度では樹脂成分が十分に架橋しない場合があり、120℃を超える温度では、樹脂成分の劣化が生じる場合がある。
顔料表面に吸着しなかった余剰の樹脂成分は、インクの粘度等の物性に影響を及ぼす場合には、洗浄やろ過等により除去することが好ましい。また、被覆処理顔料は、乾燥しても凝集しない場合には、洗浄後に乾燥しても良いが、被覆処理時に用いた溶剤がインクジェットインクの液状媒体として使用可能な溶剤であればあえて乾燥する必要がない。
(8)物性など
本発明のインクジェット記録用インク組成物において、固形分含有量は、インク組成物全重量に対して、好ましくは3〜60重量%、より好ましくは4〜40重量%である。固形分含有量が、3重量%未満になるとインク皮膜の濃度や耐性が不足し、60重量%を超えるとインクの粘度が上昇し、経時安定性が低下することがある。
本発明のインクジェット記録用インク組成物の粘度としては、2mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、3mPa・s以上30mPa・s以下、更には4mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。粘度が大きすぎると、連続して吐出する場合に、安定した吐出ができない。
本発明のインクジェット記録用インク組成物の平均分散粒子径としては、5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上150nm以下がより好ましい。平均分散粒子径が大きすぎるとヘッドが目詰まりを起こしやすく、安定した吐出ができない。また平均分散粒子径が小さすぎると、再凝集を引き起こし易くなり、経時安定性が悪化する。
本発明のインクジェット記録用インク組成物の表面張力としては、20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、24mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。表面張力が高すぎるとヘッドからインクが安定して吐出することができず、逆に表面張力が低すぎるとヘッドから吐出後インクが液滴を形成することができなくなる。
本発明のインクジェット記録用インク組成物の製造は、前記一般式(1)で表される樹脂型分散剤、前記顔料、前記熱反応性化合物、及び前記有機溶剤、並びに必要に応じて前記バインダー樹脂及び/又は顔料誘導体を通常の分散機に投入し、所望の平均粒子径・粒度分布になるまで分散することにより行うことができる。インク組成物の原料は、一括して混合・分散してもよいし、それぞれの原料の特性や経済性を考慮して別々に混合・分散してもよい。インク組成物の粘度が高過ぎ、希釈が必要な場合には、インク原液に希釈用の液状媒体を加えて均一に攪拌し、インク組成物を調製することもできる。
分散機としては、サンドミル、ビーズミル、アジテータミル、ダイノミル、又はコボルミルなどが好適である。それぞれの分散機において、顔料分散に適切な粘度領域がある場合には、各種樹脂成分と顔料との比率を変えて粘度を調整することができる。インクジェット記録用インク組成物は、分散機で分散後に、粗大粒子や異物除去を目的にフィルターや遠心法により濾過することが好ましい。
インクジェット記録用インク組成物を製造する際には、更に、界面活性剤型分散剤や、アントラキノン誘導体、及び/又はトリアジン誘導体を用いることができる。界面活性剤型顔料分散剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、又はステアリルアミンアセテート等を挙げることができる。
インクジェット記録用インク組成物には、インク組成物の粘度が25℃で3〜50mPa・sとなる範囲で、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、インクの基板への濡れ性を制御するために、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤を選択する際には、その他のインク構成成分との相溶性を考慮する必要がある。界面活性剤には、アニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性のものがあり、好適なものを選択すればよい。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、高い顔料濃度でありながら低粘度であるため吐出安定性に優れ、顔料含有量が通常のインクジェットインクに比べ多いために吐出量を少なくすることができることから、カラーフィルター基板用をはじめ、高い印字濃度が望まれている印刷物の生産性及び品位を向上させることができる。特に、本発明のインクジェット記録用インク組成物は、高い生産性及び品位が求められるカラーフィルター基板の製造に好適である。
また、本発明のインクジェット記録用インク組成物は、顔料が高濃度に分散されているので、インク組成物が深さ方向に浸透する紙や横方向への濡れ広がるプラスティック、ガラス及び金属であっても、印字濃度を高くできる。更に、吐出量を抑えることができるので、受容層のインク受容量を超えるためインクが流出して混色したり、ドット形状が真円とならなかったことも回避することができるので、従来のインクジェット印刷では制限された用途にも用いることができる。
(9)カラーフィルター基板
本発明のインクジェット記録用インク組成物を用いて、インクジェット法により、カラーフィルター基板を製造することができる。カラーフィルター基板は、例えば、薄型テレビジョンなどに利用されている液晶ディスプレイパネルに利用することができる。
カラーフィルター基板は所望の色相のフィルターセグメントを具備するものであり、フィルターセグメントは、ブラックマトリックスが形成された基板のブラックマトリックスで区分けされた領域内に、インクジェット法によりカラーフィルター用インクジェットインクを吐出することに形成される。
基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板を用いることができる。ブラックマトリックスは、例えば、ラジカル重合型のブラックレジストを塗布し、露光、そして現像してパターニングするフォトリソグラフィー法、黒色インクを印刷する印刷法、又は金属を蒸着したのちエッチングする蒸着法等により基板上に形成することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例及び比較例中、部及び%は、重量部及び重量%を表す。また、樹脂の重量平均分子量は、GPCを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた。
実施例及び比較例で用いた顔料、顔料誘導体、溶剤及び樹脂溶液を以下に示す。また、実施例及び比較例における最終的なインク組成を表1に示す。
(1)顔料
レッド顔料:C.I.Pigment Red 254(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガフォー RED B−CF」)
グリーン顔料:C.I.Pigment Green 36(東洋インク製造社製「リオノールグリーン6YK」)
ブルー顔料:C.I.Pigment Blue 15:6(東洋インク製造社製「リオノールブルーE」)
イエロー顔料:C.I.Pigment Yellow 138(東洋インク製造社製「リオノゲン イエロー 1010」
マゼンタ顔料:C.I.Pigment Red 122(東洋インク製造社製「リオノゲン マゼンタ 5750」)
シアン顔料:C.I.Pigment Blue 15:3(東洋インク製造社製「リオノールブルー FG−7351」)
(2)顔料誘導体:
顔料誘導体〔1〕(レッド用)
Figure 2007177239
顔料誘導体〔2〕(グリーン用、ブルー用、シアン用)
Figure 2007177239
顔料誘導体〔3〕(イエロー用)
Figure 2007177239
顔料誘導体〔4〕(マゼンタ用)
Figure 2007177239
(3)溶剤
CBAc:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
BuCBAc:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
(4)バインダー樹脂
《バインダー樹脂〔R1〕の製造例》
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、及び撹拌装置を取り付けて、溶剤(CBAc)100部を仕込み、100℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より下記の原料を添加し、5時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)20,000のアクリル樹脂の溶液(固形分50%)を得た。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は、GPCを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた。こうして得られた樹脂溶液を、バインダー樹脂〔R1〕として用いた。
メタクリル酸 20部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20部
n−ブチルメタクリレート 57部
ホスマーM 3部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4部
《樹脂型分散剤(S1)の製造例1》
ガス導入管、温度計、コンデンサ、及び攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、及び触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸36.6部を加え、120℃で2時間反応させ樹脂型分散剤(S1)を得た。得られた樹脂型分散剤(S1)は、常温で白色ワックス状固体であった。
《樹脂型分散剤(S2)及び(S3)の製造例》
樹脂型分散剤(S1)の製造例1と同様の装置、及び触媒、反応操作にて、モノアルコール、ラクトン、及びテトラカルボン酸二無水物を表1に記載の組成で反応させて樹脂型分散剤(S2)及び樹脂型分散剤(S3)を得た。
Figure 2007177239
表1中の略称は以下の意味である。
メトキシPEG400・・・片末端メトキシ化ポリエチレングリコール(分子量400)
PMA・・・無水ピロメリット酸
BPDA・・・3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
TMEG・・・エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル(新日本理化株式会社製:商品名リカシッドTMEG−100)
DMBA・・・ジメチルベンジルアミン
(5)メラミン化合物
アルコキシアルキル基含有メラミン化合物(ニカラックMX−43:三和ケミカル社製)
イミノ・メチロール基含有メラミン化合物(ニカラックMS−001:三和ケミカル社製)
(6)ベンゾグアナミン化合物
アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物(ニカラックSB−401:三和ケミカル社製)
イミノ・メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物(ニカラックBL−60:三和ケミカル社製)
《実施例1》
レッド顔料90部、顔料誘導体〔1〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、樹脂型分散剤(S1)20部及びCBAc430部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(CBAc)86部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例2》
レッド顔料90部、顔料誘導体〔1〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、樹脂型分散剤(S1)20部及びCBAc430部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及びエポキシ化合物(EPPN−201:日本化薬社製)20部、及び溶剤(CBAc)66部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例1》
レッド顔料90部、顔料誘導体〔1〕10部、バインダー樹脂〔R1〕133部及びCBAc410部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(CBAc)86部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例3》
グリーン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕60部、及び樹脂型分散剤(S2)20部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料150部、及び溶剤(CBAc)250部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(CBAc)116部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度18%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例4》
実施例3において、メラミン化合物MX−43の40部をベンゾグアナミン化合物(ニカラックSB−401)の40部に代えること以外は、実施例3と同様にして、顔料濃度18%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例2》
実施例3において、バインダー樹脂〔R1〕60部及び樹脂型分散剤(S2)20部をバインダー樹脂〔R1〕100部に代えて分散すること以外は、実施例3と同様にして、顔料濃度18%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例5》
イエロー顔料90部、顔料誘導体〔3〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、及び樹脂型分散剤(S2)20部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、前記混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料167部、及び溶剤(CBAc)267部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(CBAc)53部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度19%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例3》
実施例5において、バインダー樹脂〔R1〕93部及び樹脂型分散剤(S2)20部をバインダー樹脂〔R1〕133部に代えて分散すること以外は、実施例5と同様にして、顔料濃度19%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例6》
ブルー顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕103部、及び樹脂型分散剤(S3)15部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、前記混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料167部、及び溶剤(CBAc)552部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、溶剤(CBAc)60部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度12%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例7》
ブルー顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕103部、及び樹脂型分散剤(S3)15部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、前記混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料167部、及び溶剤(CBAc)532部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、アクリルモノマー(カラヤッドTPA−330;日本化薬製)20部、及び溶剤(CBAc)60部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度12%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例4》
実施例6において、バインダー樹脂〔R1〕103部及び樹脂型分散剤(S3)15部をバインダー樹脂〔R1〕133部に代えて分散すること以外は、実施例6と同様にして、顔料濃度12%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例8》
シアン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕103部、樹脂型分散剤(S3)15部及びBuCBAc355部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(BuCBAc)54部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例5》
シアン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕133部及びBuCBAc340部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(BuCBAc)54部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例9》
マゼンタ顔料90部、顔料誘導体〔4〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、樹脂型分散剤(S1)20部及びBuCBAc314部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(BuCBAc)100部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例6》
マゼンタ顔料90部、顔料誘導体〔4〕10部、バインダー樹脂〔R1〕133部及びBuCBAc294部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MX−43の40部、及び溶剤(BuCBAc)100部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例10》
レッド顔料90部、顔料誘導体〔1〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、樹脂型分散剤(S1)20部及びCBAc430部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(BuCBAc)86部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例7》
レッド顔料90部、顔料誘導体〔1〕10部、バインダー樹脂〔R1〕133部及びCBAc410部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物メラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(BuCBAc)86部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例11》
グリーン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕60部、及び樹脂型分散剤(S2)20部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料150部、及び溶剤(CBAc)250部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(CBAc)43部、溶剤(BuCBAc)73部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度18%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例8》
実施例11において、バインダー樹脂〔R1〕60部及び樹脂型分散剤(S2)20部をバインダー樹脂〔R1〕100部に代えて分散すること以外は、実施例3と同様にして、顔料濃度18%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例12》
イエロー顔料90部、顔料誘導体〔3〕10部、バインダー樹脂〔R1〕93部、及び樹脂型分散剤(S2)20部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、前記混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料167部、及び溶剤(CBAc)267部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にメラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(BuCBAc)53部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度19%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例9》
実施例12において、バインダー樹脂〔R1〕93部及び樹脂型分散剤(S2)20部をバインダー樹脂〔R1〕133部に代えて分散すること以外は、実施例5と同様にして、顔料濃度19%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例13》
ブルー顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R1〕103部、及び樹脂型分散剤(S3)15部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、前記混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。更に、溶剤(PGMAc)50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料167部、及び溶剤(CBAc)552部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、更にベンゾグアナミン化合物BL−60の40部、溶剤(BuCBAc)60部を加え混合した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度12%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例10》
実施例13において、バインダー樹脂〔R1〕103部及び樹脂型分散剤(S3)15部をバインダー樹脂〔R1〕133部に代えて分散すること以外は、実施例6と同様にして、顔料濃度12%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例14》
シアン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R2〕103部、樹脂型分散剤(S3)15部及び溶剤(CBAc)180部、溶剤(BuCBAc)175部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にベンゾグアナミン化合物BL−60の40部、及び溶剤(BuCBAc)54部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例11》
シアン顔料90部、顔料誘導体〔2〕10部、バインダー樹脂〔R2〕133部及び溶剤(CBAc)165部、溶剤(BuCBAc)175部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にベンゾグアナミン化合物BL−60の40部、及び溶剤(BuCBAc)54部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《実施例15》
マゼンタ顔料90部、顔料誘導体〔4〕10部、バインダー樹脂〔R2〕93部、樹脂型分散剤(S1)20部及び溶剤(CBAc)184部、溶剤(BuCBAc)130部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(BuCBAc)100部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
《比較例12》
マゼンタ顔料90部、顔料誘導体〔4〕10部、バインダー樹脂〔R1〕133部及び溶剤(CBAc)164部、溶剤(BuCBAc)130部をサンドミルに入れて4時間分散を行い、更にメラミン化合物MS−001の40部、及び溶剤(BuCBAc)100部をミキサーに入れて混合し、メンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度(PC)15%のインクジェット記録用インク組成物を得た。
実施例1〜15で用いた配合成分及び配合量を表2及び3にまとめた。また、比較例1〜12で用いた配合成分及び配合量を表4及び5にまとめた。
〔物性評価〕
実施例1〜15及び比較例1〜12で得られたインクジェット記録用インク組成物の粘度、流動性、及び保存安定性を下記の方法で評価した。また、実施例1〜15及び比較例1〜12で得られたインク組成物を、4〜10KHzの周波数変化が可能なピエゾヘッドを有するインクジェットプリンタで吐出し、下記の方法で吐出安定性を評価した。結果を表6及び7(実施例1〜15)及び表8及び9(比較例1〜12)に示す。
(1)粘度
動的粘弾性測定装置により、ずり速度100(1/s)の粘度(η:mPa・s)を測定した。
(2)流動性
動的粘弾性測定装置により、ずり速度10(1/s)の粘度(ηa:mPa・s)を測定し、先に測定したずり速度100(1/s)の粘度(η:mPa・s)との比ηa/ηを求め、下記の基準で流動性を評価した。
○:0.9≦ηa/η<1.3
×:1.3≦ηa/η
(3)保存安定性
45℃のオーブンで、7日間加熱後、前項(1)と同様に粘度を測定した。
○:加熱前の粘度と比して増粘率5%以内
×:加熱前の粘度と比して増粘率5%以上
(4)吐出安定性
印字状態を目視で観察し、下記の基準で吐出安定性を評価した。
○:間欠15分後ノズル抜けが5%以下である。
△:間欠15分後ノズル抜けが5%を超え、10%以下である。
×:間欠15分後ノズル抜けが10%以上である。
Figure 2007177239
注1:表2の数値は、固形分を示す。
注2:表2の数値は、生成されたインク組成物中での含有量を示す。
Figure 2007177239
注1:表3の数値は、固形分を示す。
注2:表3の数値は、生成されたインク組成物中での含有量を示す。
Figure 2007177239
注1:表4の数値は、固形分を示す。
注2:表4の数値は、生成されたインク組成物中での含有量を示す。
Figure 2007177239
注1:表5の数値は、固形分を示す。
注2:表5の数値は、生成されたインク組成物中での含有量を示す。
Figure 2007177239
Figure 2007177239
Figure 2007177239
Figure 2007177239
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、耐薬品性が良好で、更に顔料濃度が高いにもかかわらず、インクジェット記録用として使用した場合に、耐性を維持しつつ低粘度であり、更に経時粘度安定性及び吐出安定性が良好である。また、本発明のインクジェット記録用インク組成物を用いることにより、従来法と比較して、はるかに効率よく、高性能なカラーフィルター基板、パッケージ、又は屋外看板などを生産することができる。

Claims (17)

  1. 一般式(1):
    (HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R (1)
    〔式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基であり、Rはモノアルコール残基であり、Rはラクトン残基であり、mは2又は3であり、nは1〜50の整数であり、そしてtは(4−m)である〕
    で表される樹脂型分散剤、顔料、熱反応性化合物、及び有機溶剤を含むことを特徴とする、インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記樹脂型分散剤として、Rが、芳香族環1つ又は2つ以上を有するテトラカルボン酸化合物残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する、請求項1記載のインク組成物。
  3. 前記樹脂型分散剤として、Rが、直鎖又は分岐脂肪族モノアルコール残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する、請求項1又は2記載のインク組成物。
  4. 前記樹脂型分散剤として、Rが、エチレン性不飽和二重結合1つ又は2つ以上を有するモノアルコール残基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する、請求項1又は2記載のインク組成物。
  5. 前記樹脂型分散剤として、Rが、片末端をエーテル化又はエステル化したポリオキシアルキレン基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記樹脂型分散剤として、nとtとの少なくとも一方が2以上であり、複数のRが、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、及びアルキル置換されたヘキサメチレン基からなる群から選択され、相互に同じか異なる基である一般式(1)で表される樹脂型分散剤を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記熱反応性化合物が、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、エポキシ化合物、フェノール化合物、ブロック化イソシアネート化合物、アクリレート系モノマー、及びシランカップリング剤からなる群から選ばれる化合物1種若しくは2種以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. バインダー樹脂を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記バインダー樹脂が、熱可塑性樹脂である、請求項8記載のインク組成物。
  10. 顔料誘導体を更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 前記顔料誘導体が、一般式(2):
    G−(E)q (2)
    (式中、Gは、色素原型化合物残基であり、Eは、塩基性置換基、酸性置換基、又は中性置換基であり、qは、1〜4の整数である)
    で表される化合物である、請求項10記載のインク組成物。
  12. 固形分含有量が、インク組成物全重量に対して、3〜60重量%である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 前記顔料の含有量が、インク組成物全重量に対して、1〜30重量%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインク組成物。
  14. 前記顔料と前記樹脂型分散剤との重量比が、100:3〜100:60である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物。
  15. 25℃における粘度が、2〜40mPa・sである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のインク組成物。
  16. カラーフィルター基板用である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のインク組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物による印刷層を担持するカラーフィルター基板。
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