JP2007177167A - 金属加工用潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉱油及び/又は合成油からなる基油に、下記の一般式(1)
R1−OCO−R3−COO−R2 ・・・・・(1)
(式中、R1、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を示し、R3は、炭素数7又は8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)
で表されるジエステル化合物を配合してなる金属加工用潤滑油組成物である。
【選択図】 なし
Description
また一方、アルミニウム又はアルミニウム合金の箔圧延においては、ロールコーティングムラが発生し、それが原因で圧延後のアルミ箔に表面ムラが発生し、表面品質の低下をもたらす。
特許文献1は、ポリエチレングリコール等グリコール類を配合した組成物、特許文献2は、多価アルコール部分脂肪酸エステルを配合した組成物、特許文献3は、ソルビトールのプロピレンオキサイド付加物等の含酸素化合物を配合した組成物、特許文献4は、アルコールとグリコールを配合した組成物、特許文献5は、多価アルコール部分脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物を配合した組成物である。
しかしながら、これらの提案された金属加工油であっても必ずしも満足できるものではなく、更に改良の余地があった。
また、金属摩耗粉の発生を抑制できるとともに、静電気の発生による危険性を低減することも必要であり、さらに圧延性能等の金属加工性能をさらに高めことも必要である。
すなわち、本発明は、
1.(A)鉱油及び/又は合成油からなる基油に、(B)下記の一般式(1)
R1−OCO−R3−COO−R2 ・・・・・(1)
(式中、R1、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を示し、R3は、炭素数7又は8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)
で表されるジエステル化合物を配合してなる金属加工用潤滑油組成物、
2.一般式(1)のR1、R2が共にメチル基である前記1に記載の金属加工用潤滑油組成物、
3.さらに(C)ジアルキルスルホコハク酸金属塩を配合してなる前記1又は2に記載の金属加工用潤滑油組成物、
4.さらに(D)炭素数6〜20の直鎖オレフィンを配合してなる前記1〜3のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物、
5.金属加工がアルミニウム又はアルミニウム合金の冷間圧延である前記1〜4のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物、
を提供するものである。
また、本発明の金属加工用潤滑油組成物は、体積抵抗率が低く、金属加工時における静電気による危険性を防止できる。
このうち鉱油としては、種々のものを挙げることができる。例えば、パラフィン基系原油,中間基系原油あるいはナフテン基系原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化脱ろう、水素化精製、白土処理等を行って精製したもの、あるいはワックスを異性化して得られた鉱油等を挙げることができる。
本発明においては、これらの鉱油及び合成油を1種使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
R1−OCO−R3−COO−R2 ・・・・・(1)
一方、R3は、炭素数7又は8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。R3の炭素数が6以下では、金属加工時に、ジエステルが気化・飛散し、作業環境を悪化させる恐れがある。また、R3の炭素数が9以上であれば、焼鈍性が低下し、被加工材の表面品質を悪化させることがある。
一方、炭素数が1〜4の一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、直鎖状または分岐状のプロパノール、直鎖状または分岐状のブタノールおよびこれらの混合物が挙げられる。特に好ましくはメチルアルコールである。
ジアルキルスルホコハク酸金属塩としては、例えば下記の一般式(2−1)及び/又は(2−2)で表されるジアルキルスルホコハク酸金属塩を配合する。
ジアルキルスルホコハク酸金属塩の具体例としては、例えば、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ジパミチルスルホコハク酸ナトリウム、ジステアリルスルホコハク酸ナトリウム、ジオレイルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記ジアルキルスルホコハク酸金属塩化合物を配合することによって、摩耗粉の発生をさらに抑制し加工表面の表面品質をさらに向上することができる。また、それとともに組成物の体積低効率を小さくし、静電気による危険性を低減する効果もある。
本発明の金属加工用潤滑油組成物においては、通常これらのジアルキルスルホコハク酸金属塩を組成物全体の0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%配合する。
直鎖オレフィンは、上述の如く、炭素数6〜20のものが好ましい。炭素数が6未満のものは、引火点が低いため適当でない。また炭素数が20を超えるものは、固体状となるため使用が困難であり、しかも鉱油,合成油や他の添加剤などとの混合、溶解が困難となることがあり不適当である。この直鎖オレフィンのうち、分子内に二重結合を1個有し、炭素数が6〜20の化合物が好ましく、特に炭素数が12〜20の1−オレフィン(即ち、直鎖1−オレフィン)が好適である。これらの直鎖オレフィンの具体例としては、1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセンあるいはこれらの混合物などを挙げることができる。これらの直鎖オレフィンは、様々な製法によって得たものを用いることができるが、例えばエチレンを通常の手段で重合させて得たエチレンオリゴマーを使用することができる
ここで、各種の添加剤としては、酸化防止剤,粘度指数向上剤,防錆剤,腐食防止剤,消泡剤などが挙げられる。
圧延材
高純度アルミニウム(3N)(板厚1.0mm,板幅60mm,コイル)
圧延条件
1)圧延機:ワークロール径135mmの4段圧延機を用いて
2)圧延条件
圧延速度:100m/分
前方張力:11.2N,後方張力:5.6N
圧下率 :60%(1.0→0.4mm)
圧延距離:150m
給油温度:40℃
圧延油量:30kg
給油量 :13L/分
(a)圧延荷重
圧延時の圧延荷重を測定した。
(b)油中摩耗粉量
圧延後の圧延油をフィルターでろ過し、フィルター捕捉物を塩酸にて溶解して、アルミニウム含有量をICPによって測定し、試料油中のアルミニウム濃度(mg/L)を求めた。
(c)板上摩耗粉量
ヘキサンを含浸させたガーゼで圧延材を拭き取り、それを塩酸で溶解してアルミニウム含有量をCIPによって測定し、圧延材に付着していたアルミニウム粉の量を(mg/m2)を求めた。
(d)焼鈍性
圧延後のアルミニウム板を長さ10cmの短尺に切り、数十枚重ね合わせた後、厚鋼板で固定し、小型焼鈍炉にて焼鈍した。焼鈍炉の加熱条件は、空気雰囲気中で昇温速度5℃/分にて330℃まで加熱し、30分保持後、放冷した。加熱終了後焼鈍板上の焼鈍ステイン発生度合いを目視にて判定し、焼鈍性を評価した。
(2)体積抵抗率
JIS C 2101に準拠して測定した。
測定条件は、25℃、250V,1分で行った。
第1表に示す配合割合で各成分を配合し、各組成物を調製し、体積抵抗率の測定及び圧延実験を行った。その結果を第1表に示す。
1)鉱油、40℃動粘度=4.3mm2/s,硫黄分=1質量ppm以下、芳香族分0.1%(JIS K2536 FIA法)、蒸留初留点=275℃、蒸留終点=293.5℃
したがって、本発明の金属加工用潤滑油組成物は、各種金属、特に、非鉄金属又はその合金の圧延をはじめとする金属加工の際の金属加工用潤滑油剤として幅広く、かつ有効に利用できる。
Claims (5)
- (A)鉱油及び/又は合成油からなる基油に、(B)下記の一般式(1)
R1−OCO−R3−COO−R2 ・・・・・(1)
(式中、R1、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を示し、R3は、炭素数7又は8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)
で表されるジエステル化合物を配合してなる金属加工用潤滑油組成物。 - 一般式(1)のR1、R2が共にメチル基である請求項1に記載の金属加工用潤滑油組成物。
- さらに(C)ジアルキルスルホコハク酸金属塩を配合してなる請求項1又は2に記載の金属加工用潤滑油組成物。
- さらに(D)炭素数6〜20の直鎖オレフィンを配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
- 金属加工がアルミニウム又はアルミニウム合金の冷間圧延である請求項1〜4のいずれかに記載の金属加工用潤滑油組成物。
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