JP2007177114A - 難燃性ポリエステル樹脂、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた難燃性を有しながらも、ブリードアウトが少なく、ハンダ加工性などの高温での加工性にも優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体の提供。
【解決手段】トリアジン構造を有する炭化水素基を側鎖に有する特定の含窒素化合物を、組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で含有させ、かつガラス転移点を100℃以上であるポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲンフリーでありながら難燃性に優れたポリエステル樹脂組成物とその製造方法、およびこれを用いた成形体に関する。
ポリエステル樹脂は、その優れた電気絶縁性や耐水性などの特微を生かして電気部品などの成形用材料として利用されている。これらの樹脂の難燃化は、従来からハロゲン系の難燃剤を添加する等の方法により行われてきた。しかし、ハロゲン系の難燃剤を含有する樹脂は燃焼時にダイオキシンを発生する等の理由で、環境を配慮した難燃剤が望まれている。
ポリエステル樹脂に用いられるノンハロゲンの難燃剤としては、リン酸エステル等のリン系難燃剤、ハイドロタルサイト類(特開2001−214047号公報:特許文献1)等が挙げられる。しかしながら、これらの添加型の難燃剤は、難燃性を発現させるために大量の難燃剤を添加する必要があり、得られる材料の機械物性の低下を招いたり、樹脂中からブリードアウトする等の問題がある。
また、熱可塑性樹脂を素材とするフレキシブルプリントサーキット等の電気部材用途では、はんだ付け工程など高温での熱処理を経るため、例えばはんだに接する際の成形品の変形を小さくすることが求められていた。
特開2001−214047号公報
本発明の課題は、優れた難燃性を有しながらも、ブリードアウトが少なく、ハンダ加工性などの高温での加工性にも優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決しようと鋭意研究した結果、下記一般式(I)で表される特定の含窒素化合物をポリエステルに含有させることにより達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、下記一般式(I)で表される含窒素化合物を、組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で含有し、ガラス転移点が100℃以上であるポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体が提供される。
Figure 2007177114
(上記一般式(I)中、Rはそれぞれ窒素原子を有する炭化水素基を示す。)
また、本発明によれば、本発明のポリエステル樹脂組成物の好ましい態様として、UL−94規格に定める消炎時間が2秒以内で、かつ130℃で50時間処理した際のIV保持率が60%以上を示すこと、上記一般式(I)におけるRが、ピペリジン構造を有すること、上記一般式(I)におけるRが、下記一般式(II)
Figure 2007177114
で表されるトリアジン構造を有する炭化水素基であること、ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレートであることの少なくともいずれかを具備するポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体も提供される。
また、本発明によれば、ポリエステル樹脂の重合工程もしくは重合されたポリエステル樹脂の溶融混錬工程において、
上記一般式(I)で表される含窒素化合物を、得られる樹脂組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で添加し、かつ得られる樹脂組成物のガラス転移点を100℃以上とするポリエステル樹脂組成物の製造方法も提供される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、優れた難燃性を有しながらも、難燃剤のブリードアウトが少なく、ハンダ加工性などの高温での加工性や耐湿熱性にも優れていることから、さまざまな成形品の材料として好適に利用できる。特にヤング率などの機械的特性、高温での加工処理が必要とされるフィルムなどに有用である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記一般式(I)で表される含窒素化合物を含有することが、難燃効果を高度に発現させながら、ポリエステル樹脂の機械的特性を維持しつつ耐湿熱性を向上させ、かつブリードアウトを抑制できることから必要である。上記一般式(I)で表される含窒素化合物の式中にあるRは、トリアジン構造を有する炭化水素基である必要がある。Rがトリアジン構造を含有しない炭化水素基では、難燃性の向上効果が得られない。Rとしては、よりブリードアウトを抑えつつ、難燃性および耐湿熱性などを上げやすいことから、ピペリジン構造を有することが好ましく、特にヒンダードアミン構造を有することが好ましく、最も好ましいのはRが上記一般式(II)であるものが好ましい。上記一般式(I)中のRは、それぞれ互いに同一の基であっても異なる基であってもよい。本発明で用いる難燃剤は少量でも難燃効果が高く、ポリエステル樹脂と共重合もしていないことから、機械的特性をより高度に維持することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記一般式(I)で表される含窒素化合物の含有量が、ポリエステル樹脂組成物の全重量を基準として、0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは0.7〜12重量%の範囲にあることが優れた難燃性などを得るために好ましい。含有量が下限未満となると十分な難燃効果が得られず、また上限を越えるとポリエステル合成の反応速度がいちじるしく劣ったり、押出時の粘度低下や着色が激しくなったり、得られる樹脂組成物の機械的特性が損なわれたりする。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、UL−94規格に定める消炎時間が2秒以内で、かつ130℃で50時間処理した際のIV保持率が60%以上であることが、フレキシブルプリントサーキット等の電気部材用途などに用いる上で好ましい。これらは使用する難燃剤およびポリエステル樹脂として本発明で例示したものを選択し、かつその量によって調整できる。
本発明における、ポリエステルは、上記一般式(I)で示される含窒素化合物を含有した状態で、ガラス転移点が100℃以上であれば、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレートにナフタレンジカルボン酸やビスフェノキシエトキシフルオレンなどを共重合してガラス転移点を100℃以上にしたものやガラス転移点が117℃近傍のポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられ、特に成形性などの観点からポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。好ましいガラス転移温度は、110℃以上、さらに115℃以上の範囲であり、ガラス転移温度が下限以上であることで、ハンダ加工などの高温での加工性に優れ、かつブリードアウトなども抑制することができる。ガラス転移温度の上限は特に制限されないが、通常ホモポリエチレン−2,6−ナフタレートで120℃程度であることから、125℃以下が好ましい。
本発明におけるポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、テレフタル酸(ポリエチレンテレフタレート以外の場合)、ナフタレンジカルボン酸(ポリエチレン−2,6−ナフタレート以外の場合)、オルソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、グルコン酸、マレイン酸、フマル酸、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、オキサアルカンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサジオール、水素化ビスフェノールAなどを共重合してもよい。
本発明において、ポリエステルそれ自体は、従来から公知の方法で製造することができ、例えば、ナフタレンジカルボン酸もしくはナフタレンジカルボン酸ジメチルと、エチレングリコールとを、エステル化反応またはエステル交換反応を不活性気体雰囲気中で無触媒又は触媒の存在下で経て、その後減圧下で目的の重合度となるまで重縮合反応を行うことにより得ることができ、必要であれば、さらに固相重合を行ってもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は、ポリエステルの重合工程もしくは得られたポリエステル樹脂の溶融混錬工程において、前述の一般式(I)で表される含窒素化合物を、組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で添加することが必要である。
まず、ポリエステルの重合工程とは、エステル化反応もしくはエステル交換反応と、重縮合反応とからなり、重縮合反応が終了して反応系から取り出す前の任意の段階で前述の一般式(I)で表される含窒素化合物を添加すればよく、重縮合反応前、重縮合中、重縮合完了時のいずれの時期においても行うことができる。一方、溶融工程とは、得られたポリエステル樹脂を溶融混練機に供給し、溶融、混練、押出しを行う工程であり、その任意の段階で含窒素化合物を添加すればよい。溶融混錬の押出温度は240〜330℃の範囲であることが好ましく、本発明の効果の点から、混練機はスクリューが一軸のものより、スクリューが二軸の二軸押出機を用いるのが好ましい。
上記一般式(I)で表される含窒素化合物の添加量は、上記含有量で説明したのと同様なことが言える。添加量が下限未満となると十分な難燃効果が得られず、また上限を越えるとポリエステル合成の反応速度がいちじるしく劣ったり、押出時の粘度低下や着色が激しくなったり、得られる樹脂組成物の機械的特性が損なわれたりする。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、それ自体公知の他の難燃剤、硬化剤、硬化促進剤、低収縮剤、充填材、着色剤、離型剤、増粘剤及び補強材等を含むこともできる。他の難燃剤としては、水和金属酸化物、リン系難燃剤等が挙げられる。具体的な水和金属酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ジルコニウム、ドーソナイト、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、五酸化アンチモン、塩基性炭酸亜鉛、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、ホウ砂等が挙げられる。また具体的なリン系難燃剤としては、溶出するリン酸分があまり間題とならない分野への利用では、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸クレジルフェニル、リン酸オクチルジフェニル、ジエチレンリン酸エチルエステル、ジヒドロキシプロピレンリン酸ブチルエステル、エチレンリン酸ジナトリウムエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチル−プロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジエチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等のリン酸系難燃剤、リン酸メラミン、リン酸グアニル尿素、ポリリン酸メラミン、赤リン、各種の被覆赤リン等を用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、優れた難燃性を有しながらも、機械的特性の低下やブリードアウトが少なく、ハンダなどの高温での加工性や耐湿熱性に優れることから、高温での熱処理が繰り返されるフィルムなどの原料として極めて好適であり、特にはんだ付け工程などの高温での熱処理を受けるフレキシブルプリントサーキット等の電気部材用のフィルムなどに好適である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明のポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたシートの評価は、下記の方法により行った。
(1)固有粘度(IV):
フェノール/トリクロロエタン=6/4(重量比)を溶媒に用いて35℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg):
TA インスツルメント社製DSC2000型のDSCで昇温速度20℃/分で測定した。
(3)難燃性:
得られたポリエステル樹脂組成物を300℃でダイ型より押し出し、厚さ3mmの注型板を得た。これらの注型板から長さ125mm×幅13mm×厚さ3mmの試験板を切り出し、UL94に分類した材料の垂直燃焼試験(94V−0、94V−1及び94V−2)に従って試験した。また、消炎に要する時間(秒)も合わせて測定した。
(4)ハンダ加工性:
得られたポリエステル樹脂組成物を300℃でダイ型より押し出し、厚さ3mmの注型板を得た。これらの注型板から長さ125mm×幅13mm×厚さ3mmの試験板を切り出し、温度を260℃にしたはんだを1mmの円状に無加圧で5秒接触させ、下記の基準に従って評価した。○と△が合格である。
○: 凹深が0.2mm以下
△: 凹深が0.2mm超0.5mm以下
×: 凹深が0.5mm超
(5)ヤング率:
各実施例で得られたポリエステル樹脂組成物をペレット状とし、それを170℃で5時間乾燥した後、1軸の溶融混練押出機に供給し、300℃まで加熱して溶融状態でダイから回転冷却ドラムの上に、シート状に押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを150℃で製膜方向に3.1倍、それと直交する幅方向に3.4倍に二軸延伸し、厚さ75μm二軸配向フィルムを得た。
そして、東洋ボールドウイン(株)の引張試験機「テンシロン」を用いて、温度20℃、湿度50%に調節された室内において、フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分で引張り、得られる荷重―伸び曲線の立ち上り部の接線よりヤング率を計算した。なお、測定は製膜方向と幅方向とについて、それぞれ5回行い、それらの平均値をヤング率とした。
(6)ブリードアウト性
上記ヤング率の測定で作成した二軸配向フィルムを、130℃に飽和湿熱保持したエスペック(株)製プレッシャクッカーTPC−412Mに仕込み、50時間処理したのち、フィルムサンプルを取り出し、試験片表面をクロロホルムで洗浄し、洗浄液中に含まれる含窒素化合物量を定量し、樹脂組成物の重量を基準として、ブリードアウト量とした。なお、測定値が0.01重量%より小さいものは、0.01重量%未満と表示した。
[参考例1]ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂の合成
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下NDCMという)100モル(24.4kg)、エチレングリコール(以下、EGという)180モル(11.2kg)、NDCM100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モル、窒素雰囲気下で240℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、NDCM100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.02モルを添加し、260℃で30分間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に300℃、0.1kPa以下で重合を行い、固有粘度(IV)0.63のポリエチレン−2,6−ナフタレートを作成した。
[実施例1]
日本製鋼製ベント付2軸押出機TEX44XSSTに、参考例1で得たポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂を95kg/h、含窒素化合物(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、FLAMESTAB NOR116FF)を5kg/hで供給し、250℃、200rpmで混練押し出し、ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
帝人ファイバー(株)製ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂(商品名:FQ−QBA)を90kg/h、含窒素化合物(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、FLAMESTAB NOR116FF)を10kg/hで供給した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、含窒素化合物を添加しなかった以外は同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂およびそれを用いたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
日本製鋼製ベント付2軸押出機TEX44XSSTに、帝人ファイバー製ポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名:FK−OM)を95kg/h、含窒素化合物(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製FLAMESTAB NOR116FF)を5kg/hで供給し、250℃、200rpmで混練押し出し、ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下NDCMという)100モル(24.4kg)、エチレングリコール(以下、EGという)180モル(11.2kg)、NDCM100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モル、窒素雰囲気下で240℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、NDCM100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.02モルを添加し、260℃で30分間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に300℃、0.1kPa以下で重合を行った。固有粘度IV0.63到達時点で含窒素化合物(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製FLAMESTAB NOR116FF)を7.3kg投入し、10分間、真空0.1kPaで減圧反応させ、固有粘度IV0.63のポリエチレンナフタレート樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
難燃剤として、2−ジフェニルホスフェニルハイドロキノン(北興化学製)を使用する以外は実施例3と同様な操作を繰り返した。得られたポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2007177114
表1中の、難燃剤の種類Aは、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製FLAMESTAB NOR116FF、難燃剤の種類Aは2−ジフェニルホスフェニルハイドロキノンを示す。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、優れた難燃性と高いガラス転移温度を有し、難燃性が要求される成形品の材料として好適に利用でき、特に高温での熱処理が比較的多く受けるフィルム、その中でもハンダ加工などを経るフレキシブルプリント基板用のフィルムとして好適に利用できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される含窒素化合物を、組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で含有し、ガラス転移点が100℃以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
    Figure 2007177114
    (上記一般式(I)中、Rはそれぞれトリアジン構造を有する炭化水素基を示す。)
  2. UL−94規格に定める消炎時間が2秒以内で、かつ130℃で50時間処理した際のIV保持率が60%以上を示す請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 上記一般式(I)におけるRが、ピペリジン構造を有する請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 上記一般式(I)におけるRが、下記一般式(II)で表される窒素原子を有する炭化水素基である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
    Figure 2007177114
  5. ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレートである請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
  7. ポリエステル樹脂の重合工程もしくは重合されたポリエステル樹脂の溶融混錬工程において、
    下記一般式(I)で表される含窒素化合物を、得られる樹脂組成物の全重量を基準として0.1〜25重量%の範囲で添加し、かつ得られる樹脂組成物のガラス転移点を100℃以上とすることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2007177114
    (上記一般式(I)中、Rはそれぞれ窒素原子を有する炭化水素基を示す。)
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