JP2007176127A - 枝葉木粉砕機 - Google Patents

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【課題】手間をかけることなく引込ローラにばねの弾性力を作用させることが可能であるとともに、引込ローラのメンテナンスを容易に行える枝葉木粉砕機を提供する。
【解決手段】引込ローラは、両端が一対の支持部材58に軸支され、切欠部57Bに上方から落とし込まれて配置される。カバー61の裏面には、貫通孔81を備えた突出片80が設けられ、貫通孔81には、支持部材58Aに回動自在に係止され、ばね90を備えたロッド70が挿通されている。従って、ばね90を取り外す手間をかけることなく、カバー61全閉状態からカバー61を開いていくだけで、自動的に支持部材58にかかっていたばね90の弾性力による作用がなくなる。そして、支持部材58を引き起こすことがこのような簡単な動作で可能になる。さらに、カバー61を閉めていくという簡単な動作のみで、自動的に引込ローラにばね90の弾性力を作用させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、枝葉木粉砕機に関する。
一般に、剪定した樹木の枝葉木を粉砕処理する枝葉木粉砕機が知られている。このような枝葉木粉砕機は、枝葉木を投入する投入ホッパと、投入ホッパに投入された枝葉木を粉砕機本体に引き込む枝葉木引込部と、引き込まれた枝葉木を粉砕する粉砕部とを備えている。
前記枝葉木引込部は、枝葉木を載置されて送り込む投入台と、投入台の上方に配置されてローラの周方向に鋸刃が個設された引込ローラとを備え、投入ホッパに投入された枝葉木は、この鋸刃を有する引込ローラの回転によって投入台と引込ローラとの隙間に引き込まれて粉砕部へと強制的に送られる。
ところで、通常枝葉木の太さは均一ではないので、従来では、引込ローラにはばねが装着され、送られてくる枝葉木の太さに応じて引込ローラと投入台との隙間が変動するようになっていた。つまり、例えばばねの引張り力を利用する場合には、引込ローラと投入台との間にバネが架設されており、太い枝葉木が送られてくると引込ローラがばねの引張りに抗して上動して投入台との隙間が広がり、細い枝葉木が送られてくると引込ローラがばねの引張り力で投入台側に引張られて隙間が狭められるようになっていた。(例えば特許文献1)
特開2005−88369号公報(第2〜7頁)
しかしながら、そのような枝葉木粉砕機では、引込ローラと投入台との間に枝葉木が挟まって詰まってしまうことがあり、そのような時には枝葉木を取り除くためにカバーを外し、引張り力のかかったばねを取外してからさらに引込ローラを投入台から引き離さなければならず、引込ローラのメンテナンスに手間がかかるという問題があった。
本発明の目的は、手間をかけることなく引込ローラにばねの弾性力を作用させることが可能であるとともに、引込ローラのメンテナンスを容易に行える枝葉木粉砕機を提供することにある。
本発明の請求項1に係る枝葉木粉砕機は、上方に開口した一対の切欠部を有する粉砕機フレームと、この粉砕機フレームの前記切欠部間に架設されるように上方から落とし込まれる枝葉木引込用の引込ローラと、一端側に引込ローラが軸支され、他端側が回動自在に粉砕機フレームに支持される支持部材と、前記切欠部に位置する前記引込ローラおよび前記支持部材を上方から覆い、かつ前記支持部材の他端側と対向する側で前記粉砕機フレームに開閉自在に支持されるカバーと、基端側が前記支持部材の一端側に回動自在に取り付けられ、かつ先端側が前記カバーの開閉に伴って当該カバーの裏面に設けられた突出片に係脱するロッドと、ロッドに挿通され、かつ前記突出片に係合された状態の当該ロッドの基端側と前記突出片との間で圧縮されるばねとを備え、前記ロッドは、前記カバーの開き動作中に前記突出片との係合が外れるとともに、閉め動作中に係合し、前記引込ローラは、前記カバーが開放された状態において、前記支持部材の一方側への回動動作により前記粉砕機フレームの切欠部から外れて持ち上げられるとともに、他方側への回動操作により前記切欠部間に落とし込まれることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、カバーの開き動作中にロッドは突出片との係合が外れるとともに、カバーが開放された状態において、引込ローラを軸止する支持部材を持ち上げることができる。そのため、従来のようにばねを取り外す手間をかけることなく、引込ローラと粉砕機との間に詰まった挟まった材を取り除くことや、引込ローラのメンテナンスをすることができる。
そのうえ、カバーの閉め動作中にロッドが系止部に係合するので、ばねを所定の部位間に架設する必要がなく、簡単な動作のみでばねの弾性力を作用させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る枝葉木粉砕機1を斜め上方から示す全体斜視図、図2は、枝葉木粉砕機1の側面図である。
図1、図2において、枝葉木粉砕機1は、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に配置されたエンジンルーム3と、エンジンルーム3の後方側(図中の右側)に配置された操作レバーユニット4と、エンジンルーム3の右前方(図中の左側)に配置された粉砕機本体5とを備えている。
下部走行体2は、エンジンルーム3内のエンジン31でベルト駆動されるプーリ21を備え、プーリ21の回転がトランスミッションを介して左右のスプロケット22に伝達され、このスプロケット22、前方のアイドラー23、およびスプロケット22近傍のキャリアローラ24に巻回されたクローラ25が回転する。また、これらのプーリ21、トランスミッション、アイドラー23、キャリアローラ24等は、平面枠状に組まれた金属製の下部フレーム26に取り付けられている。
エンジンルーム3は、内部に配置されたエンジン31を覆う金属製のカバー等で構成されており、エンジン31メンテナンス用の複数のハッチ32を備えている。エンジン31の出力軸33は、粉砕機本体5との間の隙間に突出し、この出力軸33には複数溝のプーリ34が設けられている。このプーリ34の1つの溝と前記下部走行体2のプーリ21とにはベルト35が巻回され、前述したようにエンジン31の動力が伝達される。また、プーリ34の他の溝と粉砕機本体5に設けられたプーリ51とに巻回されたベルト36により、エンジン31の動力が粉砕機本体5に伝達される。
操作レバーユニット4は複数の操作レバー41を備えている。操作レバー41としては、下部走行体2のトランスミッションの切替操作により、前進、後退、その場旋回を行う走行レバー、粉砕機本体5への動力伝達・遮断を行う図示しない破砕クラッチ操作用のクラッチレバー、および下部走行体2の不意な後退を止めるバックストップレバー等が設けられている。
図3は、粉砕機本体5の要部を示す側断面図である。
図3において、粉砕機本体5は、金属板からなる箱状の粉砕機フレーム52を備えている。粉砕機フレーム52の後方側には、剪定された枝葉木を投入する投入ホッパ53が設けられ、粉砕機フレーム52の内部には、投入ホッパ53に投入された枝葉木を回転ロータ54側に引き込む引込ローラ56、および粉砕刃を供えて引き込まれた枝葉木を粉砕する回転ロータ54等が設けられている。粉砕機フレーム52の前方側には、枝葉木の粉砕片を下方に排出して地上等に堆積させるシュータ55が設けられている。
以下には、本実施形態での特徴的な構成について詳説する。
図4は、粉砕機本体5の要部を示す内部構造図、図5は、側壁部57に支持された回転ロータ54と引込ローラ56とを示す左側面図、図6は、支持部材58Aの右側面図である。
図4および図5に示されるように、回転軸60を備えた回転ロータ54は、粉砕機フレーム52を構成する一対の側壁部57に形成された切欠部57Aに上方から落とし込まれて配置されている。回転ロータ54の回転軸60には、ベアリング59が挿入されており、ベアリング59は、ボルト66によって側壁部57に固定されるベアリング受67によって支持されている。このような回転ロータ54は、図4中右側端部に固定される前記プーリ51を介して回転駆動される。
引込ローラ56は、両端が前記ベアリング受67に回動自在に嵌着された一対の支持部材58(58A,58B)の一端側にベアリング590を介して軸支されている。この支持部材58A,58Bに支持された引込ローラ56は、切欠部57Aに配置される回転ロータ54を中心とした円弧状で、かつ開口部が上向きに形成された切欠部57Bに上方から落とし込まれて配置される。つまり、引込ローラ56は回転ロータ54の回転軸60を中心として回動自在に配置されている。この際、引込ローラ56は、支持部材58と、高さ位置を調整する調整ボルト69とが当接して粉砕機本体5からの高さ位置が調節される。
図6に示されるように、支持部材58A側で支持された回転ロータ54の端部には、スプロケット62が固定されている。このスプロケット62と、支持部材58Aの略中央に取り付けられた大小一対のスプロケット63と、引込ローラ56端部に取り付けられたスプロケット64とにチェーン623,634が巻き回されて、回転ロータ54の回転が引込ローラ56に伝達される。そして、本実施形態では、回転ロータ54の回転を引込ローラ56に伝える回転伝達機構は、これらのスプロケット62,63,64、およびチェーン623,624によって構成されている。
図7は、カバー61を閉めた状態の粉砕機本体5の要部を示す右側面図である。
図7に示されるように、粉砕機フレーム52は上部にカバー61を備えている。このカバー61は、一端側(図中左側)を軸にして回動自在に設けられており、回転ロータ54の回転軸60を中心とした引込ローラ56の回動方向と逆方向(反回動方向)に開閉する。
カバー61の裏面の両側方には、下方に向かって逆L字状に形成された突出片80が設けられている。突出片80は先端から折曲部分にまで形成された支持部82と、折曲部分に設けられた貫通孔81と、折曲部分から基端部に形成された係止部83とを備えている。そして、貫通孔81には、支持部材58A(58B)の引込ローラ56側端部に回動自在に係止されたロッド70の先端側が挿通されている。なお、説明の簡略化のため、支持部材58A側のみを図示し、説明する。
ロッド70の外周には、ばね90が挿通されている。このばね90下端は、ロッド70に設けられた鍔部71で支持され、ばね90の上端は、係止部83上の貫通孔81近辺に係止された押さえ部材73によって押さえつけられている。また、このロッド70の先端には、押さえ部材73およびばね90が飛び出るのを防ぐピン72が挿通されている。
このように、ばね90の弾性力が支持部材58A、58Bに作用することで、引込ローラ56が下方に押圧されているため、太い枝葉木が送られてきた場合に、引込ローラ56は、切欠部57Bに沿って回動方向上側に逃げながらも、枝葉木に喰い込むようになり、枝葉木を確実に引き込むことが可能である。
図8は、カバー61が開かれていく時の様子を示す右側面図である。図9は、カバー61が完全に開かれた様子を示す右側面図である。図10は、引込ローラ56メンテナンス時の状態を示す右側面図である。
図8に示されるように、カバー61が開かれていくに従って、ロッド70の先端部は突出片80の貫通孔81から徐々に外れていく。それととともに、係止部83上で係止されていた押さえ部材73によるばね90への押さえも徐々に弱まっていく。そして、ロッド70の先端部が貫通孔81から外れると、ばね90の弾性力による支持部材58A,58Bへの作用はなくなる。
図9に示されるように、カバー61が完全に開かれると、支持部材58A,58Bを回動させても、ロッド70が突出片80に引っかからない位置となる。従って、図10に示されるように、支持部材58A,58Bを粉砕機フレーム52の前方側に当接する位置にまで引き起こすことが可能となり、引込ローラ56が持ち上げられて、粉砕機本体5との間に挟まった材を取り除くことや、引込ローラ56のメンテナンスをすることが可能になる。
また、カバー61を開いた状態から、前述した図7に示されるような所定の配置にするには、図9に示されるように、ロッド70をカバー61の裏面側に倒してカバー61を閉めていけばよい。そうすれば、支持部82に支持されながらロッド70の先端部は貫通孔81に挿通されていくとともに、ばね90を押さえる押さえ部材73は係止部83上の貫通孔81周辺部に係止されるので、ばね90は徐々に圧縮されていき、カバー61全閉時には、ばね90の弾性力による回動方向下向きの力が支持部材58A,58B、ひいては引込ローラ56に作用する。
このように本実施形態では、ばね90を取り外す手間をかけることなくカバー61全閉状態からカバー61を開いていくだけで、自動的に支持部材58A,58Bにかかっていたばね90の弾性力による作用がなくなる。そして、カバー61全開時には、ロッド70が突出片80に引っかかることなく支持部材58A,58Bを引き起こすことが可能になるので、引込ローラ56が持ち上げられて粉砕機本体5との間に挟まった材を取り除くことや、引込ローラ56のメンテナンスをすることがこのような簡単な動作で行える。
さらに、引込ローラ56のメンテナンス後においては、ばね90を所定の部位間に架設する必要がなく、ロッド70をカバー61の裏面側に倒してカバー61を閉めていくという簡単な動作のみで、自動的に引込ローラ56にばね90の弾性力を作用させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成要件等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態の枝葉木粉砕機1は自走式であったが、これに限定されず、定置式の粉砕機に本発明を適用してもよい。
本発明は、剪定された枝葉気を粉砕する枝葉木粉砕機に利用できる。
本発明の一実施形態に係る枝葉木粉砕機を斜め上方から示す全体斜視図。 枝葉木粉砕機の側面図。 枝葉木粉砕機の側断面図。 粉砕機本体の要部を示す内部構造図。 側壁部に支持された回転ローラと引込ローラとを示す左側面図。 支持部材の右側面図。 カバーを閉めた状態の粉砕機本体の要部を示す右側面図。 カバーが開かれていく時の様子を示す右側面図。 カバーが完全に開かれた様子を示す右側面図。 引込ローラメンテナンス時の状態を示す右側面図。
符号の説明
1…枝葉木粉砕機、52…粉砕機フレーム、56…引込ローラ、57…切欠部、58…支持部材、61…カバー、70…ロッド、80…突出片、90…ばね。

Claims (1)

  1. 上方に開口した一対の切欠部を有する粉砕機フレームと、
    この粉砕機フレームの前記切欠部間に架設されるように上方から落とし込まれる枝葉木引込用の引込ローラと、
    一端側に引込ローラが軸支され、他端側が回動自在に粉砕機フレームに支持される支持部材と、
    前記切欠部に位置する前記引込ローラおよび前記支持部材を上方から覆い、かつ前記支持部材の他端側と対向する側で前記粉砕機フレームに開閉自在に支持されるカバーと、
    基端側が前記支持部材の一端側に回動自在に取り付けられ、かつ先端側が前記カバーの開閉に伴って当該カバーの裏面に設けられた突出片に係脱するロッドと、
    ロッドに挿通され、かつ前記突出片に係合された状態の当該ロッドの基端側と前記突出片との間で圧縮されるばねとを備え、
    前記ロッドは、前記カバーの開き動作中に前記突出片との係合が外れるとともに、閉め動作中に係合し、
    前記引込ローラは、前記カバーが開放された状態において、前記支持部材の一方側への回動動作により前記粉砕機フレームの切欠部から外れて持ち上げられるとともに、他方側への回動操作により前記切欠部間に落とし込まれる
    ことを特徴とする枝葉木粉砕機。
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