JP2007175710A - 薄鋼板の高速tig溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速溶接においてもハンピング現象やスパッタの発生がなく、さらにビードの幅が比較的広く、狙い位置管理も容易な薄鋼板の高速TIG溶接方法を提案する。
【解決手段】3本の電極の先端が三角形を形成するように配置し、該3本の電極と被溶接材との間に発生する3つのアークのうち、少なくとも2つ以上のアークが、電磁力の作用によりお互いに引き合って、一体のアークを形成するように、各電極の間隔を近接させて、1つの溶融池を保った状態で溶接することを特徴とする薄鋼板のTIG溶接方法。

【選択図】図1

Description

本発明は、ハンピング現象が発生しにくく、高速溶接が可能な薄鋼板のTIG溶接方法に関するものである。
従来、薄鋼板の溶接、とくに自動車の足回り部品などの溶接においては、炭酸ガスアーク溶接が用いられていた。炭酸ガスアーク溶接は、溶接速度がアーク溶接のなかでは、比較的速く、1〜1.5m/分であり、また炭酸ガスが安価であるため、低コストで高生産性の溶接として用いられていた。
しかしながら、炭酸ガスアーク溶接は消耗電極溶接であり、炭酸ガスがアーク力を強めるため、スパッタが極めて多く発生する。スパッタが被溶接材に付着すると部品の動作不良、塗装不良などの問題をひき起こすため、溶接後にスパッタを除去する工程が必要となる。このため、スパッタが発生しない非消耗式電極の溶接方法を薄鋼板の溶接に適用する動きが出てきた。
特許文献1にはプラズマ溶接による薄鋼板の突合せ溶接方法が、開示されている。プラズマ溶接は非消耗型電極アークを用いるため、スパッタの発生がほとんどなく、またエネルギー密度が高く、高速で溶接することが可能である。
しかし、プラズマ溶接は、エネルギー密度が高いため、深い溶け込みが得られるものの、ビード幅が狭く、狙い位置の管理を厳密にしなければならない。また、プラズマ溶接では、アークの圧力が高いため、溶融池の形状の安定を保ちにくく、高速で溶接すると溶融池が振動して、周期的にビードに激しい凹凸が生じるハンピング現象を避けにくい。さらには、エネルギー密度が高いため、薄鋼板では、溶け落ちが生じやすい問題もある。
したがって、プラズマ溶接を、薄鋼板の重ね隅肉溶接あるいは突合せ溶接に適用する場合には、狙い位置の余裕が少なく、溶け落ちが生じやすいなどの問題がある。
一方、同じ非消耗型電極アーク溶接であるTIG溶接は、溶接速度が極めて遅く、0.5m/分以下程度である。TIG溶接も高速で溶接するとハンピング現象が生じる。
高速溶接でのハンピング現象を抑制する技術としては、複数の電極を直線上に配置したタンデム溶接があるが、このような溶接方法では、アークの熱が同一線上に投入されるため溶け込みが深くなり、ビードの幅は投入熱量のわりには広くならない。

特開2003−94170号公報
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明はスパッタの発生がなく、また、高速溶接においてもハンピング現象がなく、さらにビードの幅が比較的広く、狙い位置管理も容易な薄鋼板の高速TIG溶接方法を提案することを課題とする。
本発明は上記の課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下の通りである。
1.第一の発明は、3本の電極の先端が三角形を形成するように配置し、該3本の電極と被溶接材との間に発生する3つのアークのうち、少なくとも2つ以上のアークが、電磁力の作用によりお互いに引き合って、一体のアークを形成するように、各電極の間隔を近接させて、1つの溶融池を保った状態で溶接することを特徴とする薄鋼板のTIG溶接方法である。
2.第二の発明は、3本の電極のうち、2本の電極が先行電極、1本の電極が後行電極、または1本の電極が先行電極、2本の電極が後行電極と、なるように配置したことを特徴とする第一の発明に記載の薄鋼板のTIG溶接方法である。
3.第三の発明は、被溶接材の継手形式が、重ね隅肉継手または突合せ継手であることを特徴とする第一の発明または第二の発明に記載の薄鋼板のTIG溶接方法である。
本発明は、3本の電極が三角形を形成するように配置し、それぞれの電極と被溶接材との間に発生するアークを一体となるようにしたので、ハンピング現象が発生しにくく、高速溶接が可能な薄鋼板のTIG溶接方法が得られる。
以下に本発明の詳細について説明する。
本発明は、図1に示すように、3本のTIG溶接電極(タングステン電極)の先端が三角形を形成するように配置する。このとき、各電極の距離がお互いに十分近接していると、各電極と被溶接材との間に発生するアークは、電流方向が同じであれば電磁力の作用によりお互いに引き合い、一体のアークを形成する。
本発明者は、三角形状に配置した3本の電極から発生するアークの合成条件と溶接ビード性状について鋭意検討した。その結果、ハンピング現象のない良好なビードを得るためには、必ずしも3つのアークが全て一体となる必要はなく、溶接中に形成される溶融池が1つの状態を保ちつつ、少なくとも2つのアークが一体化できる程度に各電極が近接していれば良いことが分かった。
このようにアークを発生させると、アークが空間的に広がって発生するためにアークによるプラズマ気流の発生が弱まり、アークによる溶融池の押し下げ力が小さくなる。この効果に加え、各タングステン電極の電流配分を調節することで高速溶接でのハンピングの発生を抑制できる。また、アーク熱が広い範囲に加えられるとともにエネルギー密度も小さいため、ビード幅は広くなる。
重ね隅肉溶接における継手の疲労特性はビードの止端形状の影響が大きいが、本発明によればビード幅が大きいためビード止端角は小さくなり、その結果、疲労特性も良好なものとなる。
またTIG溶接は非消耗型電極による溶接であるためスパッタの発生はほとんどなく、不活性ガスをシールドガスに用いるためビードの酸化も少なく、ビード外観は極めて良好である。
さらに、必要に応じてフィラーワイヤーを添加することができるが、本発明はアークの広がりが大きいためフィラーワイヤー供給位置の余裕が大きく、フィラーの添加が容易である。
図2は本発明の3電極TIG溶接方法を示す概要図である。図2において、3本のTIG溶接電極(タングステン電極)は、その先端が三角形を形成し、お互いに十分近接するように配置する。これらの電極2、3、4は、それぞれの溶接電源に接続されている。なお、各電極の配置と溶接方向との関係については、本発明である「2本の電極を先行電極とし1本の電極を後行電極となるような配置、および1本の電極を先行電極とし2本の電極を後行電極となるような配置」とともに、その他の配置についても比較例として実施した。なお、シールドガスにはアルゴンを使用した。
表1は、被溶接材の継手形式を重ね隅肉継手とした場合の、本発明の実施例と比較例を示したものである。被溶接材には板厚1.2mmの冷延鋼板を用いた。図3に重ね隅肉継手の模式図を示す。
Figure 2007175710
比較例No.1-1は、1本のTIG溶接電極を適用した場合で、ハンピング現象が発生するとともにビード幅も極めて細く、良好な溶接継手を得ることは困難である。比較例No.1-2は、溶接方向に対して2本のTIG溶接電極を並列に配置した場合で、ビードの幅は広がるもののハンピングの発生を抑制することはできない。比較例No.1-3 およびNo.1-4は、溶接方向に対して2本あるいは3本のTIG溶接電極を直線上に配置した場合で、ハンピング現象の発生は抑制できるもののビード幅は小さい。このため、溶接狙い位置の僅かなズレによって溶接欠陥が発生するため、狙い精度に対する余裕が小さく実用上好ましくない。さらにビード幅が小さい継手の場合、ビード止端角が大きいため継手の疲労特性も悪くなる。
これに対して、本発明例No.1-5〜No.1-7では、3本のTIG溶接電極の先端が三角形を形成するように配置して3電極TIG溶接を行った場合で、溶接速度が1m/分を超える高速溶接でも、ハンピングの発生が抑制された極めて良好な溶接継手を得ることができる。さらに、ビード幅も大きいため、溶接狙い位置の精度に対する余裕も大きい。
表2は、被溶接材の継手形式を突合せ継手とした場合の本発明による実施例と比較例を示したものである。被溶接材には板厚が0.8、1.6mmの冷延鋼板を用い、突合せの板厚条件は同じ板厚同士(0.8/0.8、1.6/1.6)および異なる板厚同士(0.8/1.6)の組合せとした。図4に突合せ継手の模式図を示す。
Figure 2007175710
比較例No.2-1およびNo.2-4は、1本のTIG溶接電極を適用した場合で、ハンピング現象が発生するとともにビード幅も極めて細く、良好な溶接継手を得ることは困難である。比較例No.2-5は、溶接方向に対して2本のTIG溶接電極を並列に配置した場合で、ビードの幅は広がるもののハンピング現象の発生を抑制することはできない。比較例No.2-2 およびNo.2-7は、溶接方向に対して2本あるいは3本のTIG溶接電極を直線上に配置した場合で、ハンピング現象の発生は抑制できるもののビード幅は小さい。このため、溶接狙い位置の僅かなズレによって溶接欠陥が発生するため、狙い精度に対する余裕が小さく実用上好ましくない。
これに対して、本発明例No.2-3、No.2-6、No.2-8では、3本のTIG溶接電極の先端が三角形を形成するように配置して3電極TIG溶接を行った場合で、溶接速度が1m/分を超える高速溶接でも、ハンピングの発生が抑制された極めて良好な溶接継手を得ることができる。さらに、ビード幅も大きいため、溶接狙い位置の精度に対する余裕も大きい。
本発明によれば、薄鋼板の重ね隅肉溶接または突合せ溶接において、溶接速度が1m/分を超える高速でもノンスパッタでビードハンピングも発生せず、またビード幅が広く溶接狙い位置管理も容易な溶接が可能となるので、TIG溶接の応用範囲が拡大する。
3本のTIG溶接電極配置を示した説明図である。 3電極TIG溶接方法を示す概略図である。 重ね隅肉継手を示す模式図である。 突合せ継手を示す模式図である。
符号の説明
1 タングステン電極
2 電極A
3 電極B
4 電極C
5 電源A
6 電源B
7 電源C
8 被溶接材
9 鋼板
10 表面ビード幅

Claims (3)

  1. 3本の電極の先端が三角形を形成するように配置し、該3本の電極と被溶接材との間に発生する3つのアークのうち、少なくとも2つ以上のアークが、電磁力の作用によりお互いに引き合って、一体のアークを形成するように、各電極の間隔を近接させて、1つの溶融池を保った状態で溶接することを特徴とする薄鋼板のTIG溶接方法。
  2. 3本の電極のうち、2本の電極が先行電極、1本の電極が後行電極、または1本の電極が先行電極、2本の電極が後行電極と、なるように配置したことを特徴とする請求項1記載の薄鋼板のTIG溶接方法。
  3. 被溶接材の継手形式が、重ね隅肉継手または突合せ継手であることを特徴とする請求項1または2記載の薄鋼板のTIG溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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