JP2007175440A - カテーテルおよびその加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接着剤領域が小さい場合でも、接着剤を均一に分布し、接着剤量の偏りを無くして接合するチューブ同士の同軸性を保つと共に、接合部に段差を生じないカテーテルおよびその加工方法を提供することである。
【解決手段】 可撓性材料からなる第一管状部材1と第二管状部材2とを接着剤3を用いて接合すると共に、接合部5において一方の部材を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部材とし、他方の大径部材と嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで接着剤3を拡散する構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 可撓性材料からなる第一管状部材1と第二管状部材2とを接着剤3を用いて接合すると共に、接合部5において一方の部材を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部材とし、他方の大径部材と嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで接着剤3を拡散する構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、血管内において狭窄あるいは閉塞した体内管腔の治療を行う際に使用するカテーテルおよびその加工方法に関する。
従来、血管内の狭窄あるいは閉塞した体内管腔の治療として、血管形成術が臨床で多用されている。前記血管形成術とは、前もって挿入されたガイドワイヤーに沿ってカテーテルを目的部位まで到達させ、カテーテルの先端側に取り付けられたバルーンを用いて狭窄あるいは閉塞した体内管腔を拡張することにより、狭窄あるいは閉塞した体内管腔の末梢部における血流量の改善を図る治療である。
また、血管形成術を行ったあと吸引カテーテルを用いることで、血栓等の末梢への飛散を防ぐことが可能となる。
血管形成術に用いられるバルーンカテーテルおよび血栓吸引カテーテルは、体内において高度に屈曲、あるいは狭窄した部位を通過する必要があるため、屈曲に対する柔軟性、カテーテル操作時に加えた力の先端側への伝達性、よじれに対する抵抗性が必要となる。
また、血管形成術を行ったあと吸引カテーテルを用いることで、血栓等の末梢への飛散を防ぐことが可能となる。
血管形成術に用いられるバルーンカテーテルおよび血栓吸引カテーテルは、体内において高度に屈曲、あるいは狭窄した部位を通過する必要があるため、屈曲に対する柔軟性、カテーテル操作時に加えた力の先端側への伝達性、よじれに対する抵抗性が必要となる。
屈曲に対する柔軟性およびカテーテル操作時に加えた力の先端側への良好な伝達性を得るためには、カテーテルの基端部から先端部へかけて曲げ剛性が適切に変化することが求められる。
曲げ剛性を変化させるためには、従来、基端部より柔軟な高分子材料を基端側シャフトと接合することで解決している。また、カテーテルチューブ同士を接合する際には、一般に熱融着を利用している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、基端側シャフトは曲げ剛性の高い材料、例えば金属等を用いることが多い。また、金属等は、高分子材料との相溶性が極めて低いために専ら、接着剤を使用して接合する技術が用いられている。
また、カテーテルチューブ同士、カテーテルチューブとカテーテルハブとを接着剤を用いて接合することも既に出願されている(例えば、特許文献2参照)。
曲げ剛性を変化させるためには、従来、基端部より柔軟な高分子材料を基端側シャフトと接合することで解決している。また、カテーテルチューブ同士を接合する際には、一般に熱融着を利用している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、基端側シャフトは曲げ剛性の高い材料、例えば金属等を用いることが多い。また、金属等は、高分子材料との相溶性が極めて低いために専ら、接着剤を使用して接合する技術が用いられている。
また、カテーテルチューブ同士、カテーテルチューブとカテーテルハブとを接着剤を用いて接合することも既に出願されている(例えば、特許文献2参照)。
基端側シャフトと先端側シャフトとの接合部においても、剛性変化を極端に変化させないなどという観点から、接着剤を流し込む領域は極めて小さい隙間であることが求められる。しかし、接着剤領域が極めて小さい場合において接着剤を用いる際は、接合工程に多大な時間と労力を要するという問題がある。
また、接着剤の表面張力等により接合部の断面において、接着剤量の偏りが大きくなるため、基端側シャフトと先端側シャフトとの同軸性を保つことが困難となる。同軸性を保てないことは、接合部の先端側もしくは基端側の段差を大きく生じさせることを意味し、結果として手技の際に、血管内腔もしくは他のデバイスに損傷を与えることが懸念される。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、接着剤領域が小さい場合でも、接着剤を均一に分布し、接着剤量の偏りを無くして接合するチューブ同士の同軸性を保つと共に、接合部に段差を生じないカテーテルおよびその加工方法を提供することである。
また、接着剤の表面張力等により接合部の断面において、接着剤量の偏りが大きくなるため、基端側シャフトと先端側シャフトとの同軸性を保つことが困難となる。同軸性を保てないことは、接合部の先端側もしくは基端側の段差を大きく生じさせることを意味し、結果として手技の際に、血管内腔もしくは他のデバイスに損傷を与えることが懸念される。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、接着剤領域が小さい場合でも、接着剤を均一に分布し、接着剤量の偏りを無くして接合するチューブ同士の同軸性を保つと共に、接合部に段差を生じないカテーテルおよびその加工方法を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、複数の管状部材を軸方向に接合して製造されるカテーテルチューブを備えるカテーテルの加工方法であって、可撓性材料からなる第一管状部材と第二管状部材とを接着剤を用いて接合すると共に、接合部において一方の部材端部を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部とし、他方の大径部端部に嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで前記接着剤を拡散し、硬化することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、接着剤塗布領域が小さくても、予め所望される接着範囲まで容易に拡散することができ、接合工程を確実に行うことができる。また、接着剤を用いているので異種のチューブでも接合容易であると共に、接合するチューブの同軸性を保ち、接着剤厚みを均一にした接合部を形成するカテーテルの加工方法を得ることができる。
請求項2に係る発明は、外側から均一な圧力を付加しながら所定の接着範囲まで前記接着剤を拡散しつつ順次硬化することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、接着剤拡散工程と接着剤硬化工程とを並行して行うことができるので、接合時間を短縮すると共に接合工程を簡略化することができる。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、接着剤拡散工程と接着剤硬化工程とを並行して行うことができるので、接合時間を短縮すると共に接合工程を簡略化することができる。
請求項3に係る発明は、前記均一な圧力付加により、前記接合部の外周角部を押圧して丸めることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、外周部に段差のない滑らかな接合部を形成することができる。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、外周部に段差のない滑らかな接合部を形成することができる。
請求項4に係る発明は、前記第一管状部材が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマーまたはそれらの組み合わせからなることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、外側管状部材として必要な可撓性を有する管状部材を成形することができる。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、外側管状部材として必要な可撓性を有する管状部材を成形することができる。
請求項5に係る発明は、前記第二管状部材が、金属またはポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンまたはそれらの組み合わせからなることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、可撓性を有する管状部材を連続して接合することで、インターベンショナルカテーテルを形成する管状部材を成形することができる。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、可撓性を有する管状部材を連続して接合することで、インターベンショナルカテーテルを形成する管状部材を成形することができる。
請求項6に係る発明は、前記第二管状部材が、その内周部に金属製補強体であるブレードを有するブレードチューブであって、前記ブレードの内層・外層となる部分が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン、フッ素樹脂またはそれらの組み合わせからなることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、ガイディングカテーテルとして使用可能なブレードチューブに、可撓性を有する管状部材を段差なく均一に接合することができる。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、ガイディングカテーテルとして使用可能なブレードチューブに、可撓性を有する管状部材を段差なく均一に接合することができる。
請求項7に係る発明は、前記圧力が、形状記憶合金による収縮力であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項7に係る発明によれば、接合する管状部材の使用温度範囲内で前記接合部に係合して管の端面を接合方向に押圧する形状に復元する形状記憶合金製のスリーブやコイルバネ等により、接着剤を均一に拡げることも、また、外周角部を丸めることもできる。
上記の構成を有する請求項7に係る発明によれば、接合する管状部材の使用温度範囲内で前記接合部に係合して管の端面を接合方向に押圧する形状に復元する形状記憶合金製のスリーブやコイルバネ等により、接着剤を均一に拡げることも、また、外周角部を丸めることもできる。
請求項8に係る発明は、前記圧力が、熱収縮チューブによる収縮力であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項8に係る発明によれば、接合部に熱収縮チューブを被覆して加熱することで、接合部を均一に押圧することができ、接着剤を均一に拡げて硬化することも、また、加熱して角部を軟化させた状態で押圧するので、外周角部を丸めることもできる。
上記の構成を有する請求項8に係る発明によれば、接合部に熱収縮チューブを被覆して加熱することで、接合部を均一に押圧することができ、接着剤を均一に拡げて硬化することも、また、加熱して角部を軟化させた状態で押圧するので、外周角部を丸めることもできる。
請求項9に係る発明は、前記圧力が、前記接合部の上下に対向して設けると共に、加熱面となる二つ割状の円弧状溝部をそれぞれ有する上金型と下金型とからなる金型を押圧することで生じる圧力であることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項9に係る発明によれば、接合部の上下に対向して配設する加熱用の金型を押圧することで、接着剤を均一に拡げて硬化することができる。
上記の構成を有する請求項9に係る発明によれば、接合部の上下に対向して配設する加熱用の金型を押圧することで、接着剤を均一に拡げて硬化することができる。
請求項10に係る発明は、前記金型の加熱面を、テーパー状として、前記大径部材の外周角部を強く押圧する構成としていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項10に係る発明によれば、テーパー状の加熱面を押圧していくことで、接着剤を拡散しながら徐々に硬化していくことができ、さらに、外周角部を軟化しながら押圧することで、段差なく丸めていくことができる。
上記の構成を有する請求項10に係る発明によれば、テーパー状の加熱面を押圧していくことで、接着剤を拡散しながら徐々に硬化していくことができ、さらに、外周角部を軟化しながら押圧することで、段差なく丸めていくことができる。
請求項11に係る発明は、請求項1から10のいずれかに記載のカテーテル加工方法により接合されたカテーテルチューブを備え、外周に段差のない接合部を有しているカテーテルであることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項11に係る発明によれば、接着剤を用いているので異種のチューブでも接合容易であり、また、接合するチューブの同軸性を保ち、外周に段差のない滑らかな接合部を有するカテーテルを得ることができる。
上記の構成を有する請求項11に係る発明によれば、接着剤を用いているので異種のチューブでも接合容易であり、また、接合するチューブの同軸性を保ち、外周に段差のない滑らかな接合部を有するカテーテルを得ることができる。
本発明によれば、可撓性材料からなる第一管状部材と第二管状部材とを接着剤を用いて接合すると共に、接合部において一方の部材を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部材とし、他方の大径部材に嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで接着剤を拡散する構成としたので、異種のチューブでも接合容易であり、接合工程を簡略化することができる。また、接合部の細径化が可能であり、接合するチューブの同軸性を保つことができるので、接合部付近の曲げ剛性の極端な変化が生じない。さらに、接合部に段差を生じないので、血管内腔もしくは他のデバイスに損傷を与えないカテーテルおよびその加工方法を得ることができる。
以下、本発明に係るカテーテルおよびその加工方法の実施の形態について、図1から図5に基づいて詳細に説明する。
図1には本発明に係るカテーテルの加工方法の一例を示しており、(a)は管状部材同士を嵌め込み構成とし、外側から圧力を付加するところを示す断面図であり、(b)は加圧硬化した後の接合部の一例を示す断面図である。図2は、加圧と加熱を行う金型の概略説明図であり、(a)は側面図を示し、(b)は正面図を示している。図3にはカテーテルの一例を示す全体概略図である。図4はカテーテルの別実施例を示す全体概略図である。図5は接合部の別実施例の断面図である。
図1には本発明に係るカテーテルの加工方法の一例を示しており、(a)は管状部材同士を嵌め込み構成とし、外側から圧力を付加するところを示す断面図であり、(b)は加圧硬化した後の接合部の一例を示す断面図である。図2は、加圧と加熱を行う金型の概略説明図であり、(a)は側面図を示し、(b)は正面図を示している。図3にはカテーテルの一例を示す全体概略図である。図4はカテーテルの別実施例を示す全体概略図である。図5は接合部の別実施例の断面図である。
本発明に係るカテーテルの加工方法は、可撓性材料からなる第一管状部材1と第二管状部材2とを接着剤3を用いて接合すると共に、接合部において一方の部材を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部材とし、他方の大径部材と嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤3を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加し、所定の接着範囲まで前記接着剤3を拡散して硬化する構成としている。そのために、図1(a)に示すように、可撓性材料からなる大径部材の第一管状部材1に、より小径部材な第二管状部材2を嵌め込む構成とし、接合部に接着剤3を塗布した後で、圧力付加と加熱を行う金型4を用いて押圧して所定の接着範囲まで接着剤3を拡散させ、硬化する構成としている。また、その接合部を押圧するので、図1(b)に示すように接合部内に接着剤3が薄く広がると共に、外周角部1aが押圧されて塑性変形し段差のない滑らかな外周部となる接合部を形成することができる。
接着剤3を塗布した後で徐々に押圧しながら拡散して硬化する構成としているので、塗布する接着剤領域が小さい場合でも、接着剤3を予め所望される所定の接着範囲まで均一に拡散し、接着剤量の偏りを無くして接合するチューブ同士の同軸性を保つことが可能となる。
接着剤3を塗布した後で徐々に押圧しながら拡散して硬化する構成としているので、塗布する接着剤領域が小さい場合でも、接着剤3を予め所望される所定の接着範囲まで均一に拡散し、接着剤量の偏りを無くして接合するチューブ同士の同軸性を保つことが可能となる。
接着剤厚みを均一にするには、接合部の外側全体を均一に押圧することが肝要であって、形状記憶合金による収縮力や熱収縮チューブによる収縮力を利用することができる。また、二つ割状の円弧状溝部をそれぞれ有する上金型と下金型とを前記接合部の上下に対向して設けて、上下一対の金型の一方、もしくは両方を移動して金型を押圧することで生じる圧力を用いてもよい。
形状記憶合金による収縮力を利用する際には、接合する管状部材の使用温度範囲内で前記接合部に係合して管の端面を接合方向に押圧する形状に復元する形状記憶合金製のスリーブやコイルバネ等を用いて、接着剤を均一に拡散することも、また、外周角部を丸めることもできる。
熱収縮チューブによる収縮力を利用する際には、接合部に熱収縮チューブを被覆して加熱することで、接合部を均一に押圧することができ、接着剤を均一に拡散して硬化することも、また、外周角部を丸めることもできる。
いずれの方法であっても、外周角部1aを昇温しながら押圧するので、角部を軟化しながら押し込んでいく構成となり、角部を塑性変形し丸めていくことができる。
形状記憶合金による収縮力を利用する際には、接合する管状部材の使用温度範囲内で前記接合部に係合して管の端面を接合方向に押圧する形状に復元する形状記憶合金製のスリーブやコイルバネ等を用いて、接着剤を均一に拡散することも、また、外周角部を丸めることもできる。
熱収縮チューブによる収縮力を利用する際には、接合部に熱収縮チューブを被覆して加熱することで、接合部を均一に押圧することができ、接着剤を均一に拡散して硬化することも、また、外周角部を丸めることもできる。
いずれの方法であっても、外周角部1aを昇温しながら押圧するので、角部を軟化しながら押し込んでいく構成となり、角部を塑性変形し丸めていくことができる。
図2には圧力付加と加熱を行う金型4の一例を示している。図2(a)に示すように、上金型4Aは加熱面となる溝部4aを有しており、下金型4Bは加熱面となる溝部4bを有している。前記溝部4a、4bは共に装着する管状部材を嵌め込み可能な程度の大きさである。上下の金型をそれぞれ平行に配設して、接合部を平行に押圧する構成であっても、塗布した接着剤を接合部内に拡散して硬化させることができるが、それぞれの溝部を僅かにテーパー状とすれば、徐々に拡散しながら徐々に硬化させていくことが可能となりさらに好ましい。
また、テーパー状の溝部4a、4bを押圧していくことで、接合する大径部材の外周角部を強く押圧して丸めることができる。さらに、図2(b)に示すように、複数の管状部材を同時に接合するために、複数の溝部を備える構成としている。つまり、例えば上金型4Aは、溝部4aa、4ab、4ac、4adを備え、下金型4Bは、溝部4ba、4bb、4bc、4bdを備えている。
また、テーパー状の溝部4a、4bを押圧していくことで、接合する大径部材の外周角部を強く押圧して丸めることができる。さらに、図2(b)に示すように、複数の管状部材を同時に接合するために、複数の溝部を備える構成としている。つまり、例えば上金型4Aは、溝部4aa、4ab、4ac、4adを備え、下金型4Bは、溝部4ba、4bb、4bc、4bdを備えている。
上記の構成であれば、僅かにテーパー状の溝部4a、4bを図中の矢印A、A´方向に徐々に移動していくと、管状部材同士の接合部を徐々に加熱しながら押圧するので、始めに外周角部に当接して押圧し、さらに徐々に押圧していく構成となり、外周角部を丸めていきながら接着剤を徐々に押し広げる作用を発揮する。つまり、接着剤3を図中の矢印B方向に(角部方向から内側に向けて)拡散し、接合部の全体に均一に拡散することができる。
もちろん、押し広げられる接着剤3が管内部に流入しないように、予めその塗布量を加減しておくことは当然である。また、予め接着剤を拡散させたい領域を設定しておき、その前端部分の小さな領域に接着剤を塗布し、その後、押圧しながら徐々に接着剤を目的位置まで拡散していくことができる。
もちろん、押し広げられる接着剤3が管内部に流入しないように、予めその塗布量を加減しておくことは当然である。また、予め接着剤を拡散させたい領域を設定しておき、その前端部分の小さな領域に接着剤を塗布し、その後、押圧しながら徐々に接着剤を目的位置まで拡散していくことができる。
さらに、接合部を押圧する僅かにテーパー状の溝部4a、4bが加熱面であるので、接着剤が角部から内側に向けて(矢印B方向に)、徐々に拡散しながら順次硬化させていくこともできる。
そのために、本発明に係るカテーテルの加工方法によれば、接着剤厚みを均一にすることが可能であり、接合するチューブの同軸性を保つことが可能となる。また、接着剤を用いているので異種のチューブでも接合容易であり、種々のカテーテルチューブ同士を接合可能なカテーテルの加工方法となる。
また、接合部の外側全体を均一に押圧するための収縮力として、前述した形状記憶合金による収縮力や熱収縮チューブによる収縮力を利用することもできる。いずれの方法であっても、接合部を外側から均一に押圧することで、接着剤を押し広げて接着剤厚みを均一に薄くすることができる。また、接合部の外周角部を丸めることもできる。
上記したように本発明によれば、管状部材の接合部を、その外周角部を丸めた状態で接続することができるので、体内に挿通する医療用チューブ、特に血管内に挿通するカテーテルの加工方法として好適である。
次に、図3および図4により本発明に係るカテーテルについて説明する。
そのために、本発明に係るカテーテルの加工方法によれば、接着剤厚みを均一にすることが可能であり、接合するチューブの同軸性を保つことが可能となる。また、接着剤を用いているので異種のチューブでも接合容易であり、種々のカテーテルチューブ同士を接合可能なカテーテルの加工方法となる。
また、接合部の外側全体を均一に押圧するための収縮力として、前述した形状記憶合金による収縮力や熱収縮チューブによる収縮力を利用することもできる。いずれの方法であっても、接合部を外側から均一に押圧することで、接着剤を押し広げて接着剤厚みを均一に薄くすることができる。また、接合部の外周角部を丸めることもできる。
上記したように本発明によれば、管状部材の接合部を、その外周角部を丸めた状態で接続することができるので、体内に挿通する医療用チューブ、特に血管内に挿通するカテーテルの加工方法として好適である。
次に、図3および図4により本発明に係るカテーテルについて説明する。
図3に示すカテーテルは、血管内に挿通するために可撓性を有する外側管状部材となる第一管状部材1と、該第一管状部材1の内側に配設され内側管状部材となるカテーテル管CTを有する医療用チューブである。
前記カテーテル管CTは、先端部7と基端部8を備えるバルーン6を備えており、第一管状部材1に設ける開口部12からガイドワイヤー11を挿通自在とされている。
前記第一管状部材1は接合部5を介して第二管状部材2と接続されており、前記管状部材2の基端部にはコネクター9が連結されている。また、前記コネクター9には、バルーン6を膨張する圧力を入力可能な開口部10が設けられている。
接合部5は、前述した加工方法によって段差がなく滑らかな接合部となっているので、体内や血管内に挿通する際の抵抗とはならず、人体や血管内腔を損傷しない。
前記カテーテル管CTは、先端部7と基端部8を備えるバルーン6を備えており、第一管状部材1に設ける開口部12からガイドワイヤー11を挿通自在とされている。
前記第一管状部材1は接合部5を介して第二管状部材2と接続されており、前記管状部材2の基端部にはコネクター9が連結されている。また、前記コネクター9には、バルーン6を膨張する圧力を入力可能な開口部10が設けられている。
接合部5は、前述した加工方法によって段差がなく滑らかな接合部となっているので、体内や血管内に挿通する際の抵抗とはならず、人体や血管内腔を損傷しない。
前記第一管状部材1は、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマーを素材として成形することができる。またはそれらを組み合わせた素材から成形してもよい。前記第二管状部材は、金属またはポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンまたはそれらの組み合わせからなっている。
上記のような素材を用いて可撓性を有する管状部材とし、それらを連続して接合することで、長寸のインターベンショナルカテーテルを形成する管状部材とすることができる。
また、前記第二管状部材2として、その内周部に金属製補強体であるブレードを有するブレードチューブであり、前記ブレードの内層・外層となる部分が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン、フッ素樹脂またはそれらの組み合わせからなるものを使用することもできる。
上記の構成を有する第二管状部材2であれば、ガイディングカテーテルとして使用可能なブレードチューブに、可撓性を有する管状部材を段差なく滑らかに接合することができる。
上記のような素材を用いて可撓性を有する管状部材とし、それらを連続して接合することで、長寸のインターベンショナルカテーテルを形成する管状部材とすることができる。
また、前記第二管状部材2として、その内周部に金属製補強体であるブレードを有するブレードチューブであり、前記ブレードの内層・外層となる部分が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン、フッ素樹脂またはそれらの組み合わせからなるものを使用することもできる。
上記の構成を有する第二管状部材2であれば、ガイディングカテーテルとして使用可能なブレードチューブに、可撓性を有する管状部材を段差なく滑らかに接合することができる。
図4に示すカテーテルは、コネクター9の別に設ける開口部13からガイドワイヤー11を挿通可能とした例であって、前記開口部13から挿入されたガイドワイヤー11は、第二管状部材2から第一管状部材1を経由し、先端側のバルーン6まで挿通し摺動可能となっている。
図5には接合部の別実施例の断面図を示しているが、管状部材1Aに別の管状部材2Aの先端側を細経部2Aaとし、嵌め込み構成としたものである。この場合でも、その嵌め込み部に接着剤3を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加しながら硬化することで、接着剤を均一に拡げて同軸性を保持して接合することができる。また、管状部材1Aの角部1Aaと管状部材2Aの角部2Aaを丸めることもでき、接合部の外表面を略同じ径で滑らかな面とすることができる。
前述した接合部はいずれも接着構成であり、その接着剤としては、所定の流動性を備えるアクリレート系接着剤やウレタン系接着剤からなる紫外線硬化性樹脂が好適に適用される。また、紫外線硬化性樹脂の代わりに、シアノアクリレート系接着剤やブチルゴム系接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤なども使用可能であり、外側から圧力を付加することで薄く延びると共に、所定の温度まで加熱することや紫外線を照射するなどの条件を付与することで徐々に硬化する接着剤が好ましい。
前述した接合部はいずれも接着構成であり、その接着剤としては、所定の流動性を備えるアクリレート系接着剤やウレタン系接着剤からなる紫外線硬化性樹脂が好適に適用される。また、紫外線硬化性樹脂の代わりに、シアノアクリレート系接着剤やブチルゴム系接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤なども使用可能であり、外側から圧力を付加することで薄く延びると共に、所定の温度まで加熱することや紫外線を照射するなどの条件を付与することで徐々に硬化する接着剤が好ましい。
上記したように、本発明に係るカテーテルの加工方法によれば、管状部材同士を接合する際の接合部において、一方の部材端部を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部とし、他方の大径部端部に嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで接着剤を拡散する構成としたので、接着剤領域が小さい場合でも、接着剤を均一に拡散し、接着剤量の偏りを無くして接合することが可能となり、異種のチューブでも接合容易であり、接合するチューブの同軸性を保つことができる。また、一方の管状部材の先端部(接合部付近)がスリットや螺旋といった形状を有する場合においても、管内部に接着剤を流入させることなく目的位置でのみ接着可能となる。
さらに、管状部材同士を嵌め込んで接着構成とするだけなので、接合部の細径化が可能であり、接合工程を簡略化することができる。また、接合するチューブの同軸性を保つことができるので、接合部付近の曲げ剛性の極端な変化が生じない。さらに、接合部に段差を生じないので、血管内腔もしくは他のデバイスに損傷を与えないカテーテルの加工方法となる。
上記した本発明に係る加工方法により成形されるカテーテルは、滑らかな表面を備える長寸のカテーテルチューブを有しているので、血管内において狭窄あるいは閉塞した体内管腔の治療を行う際に使用するインターベンショナルカテーテルとして好適に適用可能となる。
上記した本発明に係る加工方法により成形されるカテーテルは、滑らかな表面を備える長寸のカテーテルチューブを有しているので、血管内において狭窄あるいは閉塞した体内管腔の治療を行う際に使用するインターベンショナルカテーテルとして好適に適用可能となる。
1 第一管状部材
1a 角部
2 第二管状部材
3 接着剤
4 金型
5 接合部
1a 角部
2 第二管状部材
3 接着剤
4 金型
5 接合部
Claims (11)
- 複数の管状部材を軸方向に接合して製造されるカテーテルチューブを備えるカテーテルの加工方法であって、
可撓性材料からなる第一管状部材と第二管状部材とを接着剤を用いて接合すると共に、接合部において一方の部材端部を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部とし、他方の大径部端部に嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで前記接着剤を拡散し、硬化することを特徴とするカテーテルの加工方法。 - 外側から均一な圧力を付加しながら所定の接着範囲まで前記接着剤を拡散しつつ順次硬化することを特徴とする請求項1に記載のカテーテルの加工方法。
- 前記均一な圧力付加により、前記接合部の外周角部を押圧して丸めることを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテルの加工方法。
- 前記第一管状部材が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマーまたはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記第二管状部材が、金属またはポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンまたはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記第二管状部材が、その内周部に金属製補強体であるブレードを有するブレードチューブであって、前記ブレードの内層・外層となる部分が、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィン、フッ素樹脂またはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記圧力が、形状記憶合金による収縮力であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記圧力が、熱収縮チューブによる収縮力であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記圧力が、前記接合部の上下に対向して設けると共に、加熱面となる二つ割状の円弧状溝部をそれぞれ有する上金型と下金型とからなる金型を押圧することで生じる圧力であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカテーテルの加工方法。
- 前記加熱面を、テーパー状として、前記外周角部を強く押圧する構成としていることを特徴とする請求項9に記載のカテーテルの加工方法。
- 請求項1から10のいずれかに記載のカテーテルの加工方法により接合されたカテーテルチューブを備え、外周に段差のない接合部を有していることを特徴とするカテーテル。
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