JP2007171118A - ガスセンサおよびそれを備えた自動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐熱衝撃性と低い熱伝導率を有する基板を備え、低コストで製造できるガスセンサおよびそれを備えた自動車両を提供することにある。
【解決手段】本発明によるガスセンサは、ガスセンサ部12と、ガスセンサ部12を支持する基板11とを備えている。基板11は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、このセラミックス基板11は、ムライト相を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサに関する。また、本発明は、ガスセンサを備えた自動車両にも関する。
環境問題やエネルギー問題の観点から、内燃機関の燃費を向上させたり、内燃機関の排気ガス中に含まれる規制物質(NOxなど)の排出量を低減したりすることが求められている。このためには、常に最適な条件で燃料の燃焼が行えるよう、燃焼状態に応じて燃料と空気との比率を適切に制御する必要がある。空気と燃料との比率は空燃比(A/F)と呼ばれ、三元触媒を用いる場合、最適な空燃比は、理論空燃比である。理論空燃比とは、空気と燃料とが過不足なく燃焼する空燃比である。
理論空燃比で燃料が燃焼している場合、排気ガス中には一定の酸素が含まれる。空燃比が理論空燃比よりも小さい場合、つまり、燃料の濃度が高い場合には、排気ガス中の酸素量が、理論空燃比の場合の酸素量に比べて減少する。一方、空燃比が理論空燃比よりも大きい(燃料の濃度が低い)場合には、排気ガス中の酸素量は増加する。このため、排気ガス中の酸素量あるいは酸素濃度を計測することによって、空燃比が理論空燃比からどの程度ずれているかを推定し、空燃比を調節して最適な条件で燃料が燃焼するように制御することが可能となる。
排気ガス中の酸素濃度を計測するためには、酸素センサが用いられる。酸素センサを好適に動作させるためには、500℃以上の高温が必要であるため、酸素センサにはヒータが設けられている。ヒータを備えた酸素センサは、例えば特許文献1に開示されている。
ヒータを備えた酸素センサの一例を図8に示す。なお、図8では、わかりやすさのために酸素センサ510を分解して示している。
酸素センサ510は、アルミナなどの絶縁体から形成された基板511と、基板511の主面511a上に設けられたガスセンサ部512とを備えている。
基板511の裏面511b側には、センサ部512に対応する位置にヒータ513が配置されている。ヒータ513は、抵抗体に電流を通したときの抵抗損失を利用して加熱を行う抵抗加熱型の加熱素子である。ヒータ513から引き延ばされた電極514に所定の電圧を印加すると、所定の形状に形成された抵抗体に電流が流れて抵抗体が発熱し、そのことによって加熱が行われる。抵抗体は、例えば金属材料から形成されている。このヒータ513によってセンサ部512を昇温させ、センサ部512を速やかに活性化させることにより、内燃機関の始動時における検出精度を向上させることができる。
上述したように高温化で使用される酸素センサ510は、急激な温度変化に晒されることがある。例えば、運転中に排気管から入り込んだ水滴が酸素センサ10に付着し、それによって急激に冷却されてしまうことがある。そのため、酸素センサ510の基板511には、高い耐熱性に加えて高い耐熱衝撃性が要求される。
特に、自動二輪車では、排気管の末端から酸素センサ510の取り付け位置までの距離が短いので、酸素センサ510に水滴が付着しやすい。そのため、基板511には特に高い耐熱衝撃性が要求される。
特許文献2には、ジルコン粉末とコージェライト粉末との混合物からセラミックス製品を形成することにより、セラミックス製品の耐熱衝撃性および強度が向上することが開示されている。セラミックス製品の具体例としては、酸素センサ用の断熱絶縁ブッシュやバーナーノズルが記載されている。
また、特許文献3には、酸素センサの材料として部分安定化ジルコニア焼結体を用いることにより、高い機械的強度と耐熱衝撃性とを両立し得ることが開示されている。
さらに、特許文献4、5および6には、酸素センサ用基板の構造を工夫することにより、耐熱衝撃性を向上させる手法が開示されている。例えば特許文献5および6には、水滴がセラミックス基板に直接付着することを防止するために、セラミックス基板の外側に多孔質保護層を設けた構成が記載されている。
特許第3523937号公報 特許第3359242号公報 特開平10−87366号公報 特開2000−131271号公報 特開2001−281210号公報 特開2003−322632号公報
しかしながら、たとえ特許文献2や特許文献3に開示されている材料を用いて酸素センサ用の基板を作成したとしても、その耐熱衝撃性は十分ではなく、ヒータによる加熱温度(つまり酸素センサが好適に動作する温度)から被水によって冷却が行われると、クラックが発生してしまう。
このように基板の耐熱衝撃性が十分ではないため、従来は、水滴の付着が予想される環境下においてはヒータによる加熱温度が通常よりも低く設定されるような制御系を設けることが行われていた。しかしながら、このような制御系をわざわざ設けることは、製造コストの増加を招いてしまう。また、本来の動作温度よりも低い温度で酸素センサを使用することになるので、検出精度が低下してしまう。
また、特許文献4、5および6のように特殊な構造の基板を用いることも、製造コストを増加させてしまう。
さらに、従来用いられてきた基板材料は、その熱伝導率が高いので、ヒータで発生した熱が、周辺の部材に伝播しやすい。そのため、耐熱性の高い部材を用いたり、基板と耐熱性の低い部材との距離を長くしたりする必要があり、製造コストの増加や、酸素センサの大型化を招いていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐熱衝撃性と低い熱伝導率を有する基板を備え、低コストで製造できるガスセンサおよびそれを備えた自動車両を提供することにある。
本発明によるガスセンサは、ガスセンサ部と、前記ガスセンサ部を支持する基板とを備えたガスセンサであって、前記基板は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、前記セラミックス基板は、ムライト相を含み、そのことによって上記目的が達成される。
あるいは、本発明によるガスセンサは、ガスセンサ部と、前記ガスセンサ部を支持する基板とを備えたガスセンサであって、前記基板は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、前記セラミックス基板は、アルミナおよびシリカを添加剤として含み、そのことによって上記目的が達成される。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス基板は、2.20g/cm3以上2.40g/cm3以下の密度を有する。
ある好適な実施形態において、前記セラミックス基板は、2.33g/cm3以上2.40g/cm3以下の密度を有する。
ある好適な実施形態において、前記ガスセンサ部を昇温させるヒータをさらに備える。
ある好適な実施形態において、本発明によるガスセンサは酸素センサである。
本発明による自動車両は、上記構成を有するガスセンサを備えており、そのことによって上記目的が達成される。
ある好適な実施形態において、本発明による自動車両は、自動二輪車である。
本発明によるガスセンサが備える基板は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、さらに、ムライト(3Al23・2SiO2)相を含んでいる。
コージェライトは熱膨張率が低いので、コージェライトを主成分とするセラミックス基板は、高い耐熱衝撃性を有している。また、コージェライトは熱伝導率が低いので、コージェライトを主成分とするセラミックス基板は、低い熱伝導率を有している。
コージェライトそのものはポーラスであるために強度が低いので、被水による急激な冷却時にクラックが発生することがあり、耐熱衝撃性が必ずしも十分ではない。しかしながら、本発明によるガスセンサのセラミックス基板は、ムライト相を含んでいるので、通常のコージェライトよりも緻密であり、強度が高い。そのため、被水時の熱衝撃によるクラックが発生しにくく、十分に高い耐熱衝撃性を有している。
上述したように、本発明によるガスセンサでは、基板が高い耐熱衝撃性を有しているので、被水が予想される環境下においても高温で動作させることができ、検出精度が向上する。また、基板に特殊な構造を採用する必要がないので、本発明によるガスセンサは低コストで製造することができる。さらに、特別な制御系を設ける必要もないので、自動車両の製造コストを低減することもできる。また、本発明によるガスセンサでは、基板が低い熱伝導率を有しているので、ハウジングなどの基板周辺の部材への熱の伝播を抑制することができる。そのため、耐熱性の低い安価な部材を使用することが可能になり、製造コストの低減を図ることができる。また、基板と耐熱性の低い部材との距離を短くすることができるので、ガスセンサの小型化を図ることもできる。
本願発明者は、酸素センサ用の基板材料としてコージェライト(2MgO・2Al23・5SiO2)に着目し、種々の検討を重ねた。その結果、コージェライトを主成分とするセラミックス基板がムライト(3Al23・2SiO2)相を含むと、耐熱衝撃性が格段に向上するという刮目すべき現象を発見した。
本発明は、上記知見に基づいて想到されたものである。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本実施形態における酸素センサ10の構造を説明する。図1は、酸素センサ10を模式的に示す分解斜視図である。
酸素センサ10は、図1に示すように、ガスセンサ部12と、ガスセンサ部12を支持する基板11とを備えている。
基板11は、互いに対向する主面11aおよび裏面11bを有している。基板11の先端部の主面11a上にガスセンサ部12が設けられている。また、基板11の基端部は、後述するように、酸素センサ10を排気管に固定するための部材(例えばハウジング)によって保持される。
ガスセンサ部12は、ガスセンサ部12に接する雰囲気ガス中に含まれる所定のガスの濃度や量を検出する。ガスセンサ部12としては、公知の種々のタイプの素子を用いることができ、例えば、特開平8−114571号公報に開示されているような固体電解質層を備えた素子を用いることができる。
基板11の裏面11b側には、ガスセンサ部12を昇温させるためのヒータ13が設けられている。本実施形態におけるヒータ13は、抵抗体に電流を通したときの抵抗損失を利用して加熱を行う抵抗加熱型の加熱素子である。ヒータ13は、典型的には、白金やタングステンなどの金属材料から形成されている。
ヒータ13は、線状に延びるヒータパターン13pを含んでいる。ヒータパターン13pは、ガスセンサ部12を均一に昇温させることができるように、複数回折り返され、蛇行するように形成されている。典型的には、ヒータパターン13pは、一定の幅(同じ幅)で形成されている。
ヒータ13は、一対の電極14に接続されている。電極14間に電圧が印加されると、抵抗体であるヒータパターン13pが発熱し、そのことによって加熱が行われる。ヒータ13によってセンサ部12を昇温させ、センサ部12を速やかに活性化させることにより、内燃機関の始動時における検出精度を向上させることができる。
本実施形態における酸素センサ10の基板11は、コージェライト(2MgO・2Al23・5SiO2)を主成分とするセラミックス基板である。さらに、このセラミックス基板11は、ムライト(3Al23・2SiO2)相を含んでいる。
コージェライトは、酸素センサ用の一般的な基板材料に比べて熱膨張率が低い。例えば、従来酸素センサ用の基板材料として多く用いられてきたアルミナの熱膨張率が8×10-6/K程度であるのに対し、コージェライトの熱膨張率は2×10-6/K程度である。そのため、コージェライトを主成分とするセラミックス基板11は、高い耐熱衝撃性を有している。
また、コージェライトは、酸素センサ用の一般的な基板材料に比べて熱伝導率も低い。具体的には、アルミナの熱伝導率が20W/m・K程度であるのに対して、コージェライトの熱伝導率は2W/m・K程度である。したがって、コージェライトを主成分とするセラミックス基板11は、低い熱伝導率を有している。
ただし、一般的には、コージェライトそのものは、ポーラスであるために強度が低いので、被水による急激な冷却時にクラックが発生することがあり、耐熱衝撃性が必ずしも十分ではない。しかしながら、本実施形態におけるセラミックス基板11は、ムライト相を含んでいるので、後に詳しく説明するように通常のコージェライトよりも緻密であり、強度が高い。そのため、被水時の熱衝撃によるクラックが発生しにくく、十分に高い耐熱衝撃性を有している。
上述したように、本発明による酸素センサ10では、基板11が高い耐熱衝撃性を有しているので、被水が予想される環境下においても高温で動作させることができ、検出精度が向上する。また、特許文献4、5および6に開示されているような特殊な構造を採用する必要がないので、本発明による酸素センサ10は低コストで製造することができる。さらに、特別な制御系を設ける必要もないので、自動車両の製造コストを低減することもできる。
また、本発明による酸素センサ10では、基板11が低い熱伝導率を有しているので、ハウジングなどの基板11周辺の部材への熱の伝播を抑制することができる。そのため、耐熱性の低い安価な部材を使用することが可能になり、製造コストの低減を図ることができる。また、基板11と耐熱性の低い部材との距離を短くすることができるので、酸素センサ10の小型化を図ることもできる。
コージェライトを主成分とし、ムライト相を含むセラミックス基板11は、コージェライト材料にアルミナ(Al23)およびシリカ(SiO2)を添加することによって得られる。添加剤として導入されたアルミナおよびシリカが焼成されることにより、コージェライトのマトリクス中にムライト(3Al23・2SiO2)相が形成される。
本実施形態におけるセラミックス基板11を実際に試作し、その耐熱衝撃性を検証した結果を下記表1に示す。なお、表1には、比較のために、ムライト相を含まないコージェライト基板およびアルミナ基板についての検証結果も併せて示している。
なお、耐熱衝撃性の評価は、図2に示すように、ガスバーナーによって基板を所定の温度に加熱した後、基板に水滴を滴下し、クラックの発生の有無を確認することによって行った。表1中の「耐熱衝撃性」の欄に記載されている温度は、その温度に加熱された基板に水滴を滴下しても、クラックが発生しなかったことを意味している(この温度を以下では単に「許容温度」とも呼ぶ。)。評価に用いた基板は、いずれも厚さが0.635mm、幅が5mm、長さが5mmのものである。滴下される水滴の直径は4.2mmであり、滴下数は1である。温度の測定は、放射温度計を用いて行った。また、表1中の「焼結具合」の欄に記載されている「未焼結」、「半焼結」、「焼結」は、それぞれ「約1200℃」、「約1300℃」、「約1400℃」で焼成を行ったことを意味している。
表1に示すように、ムライト相を含まない未焼結コージェライト基板(比較例1)の許容温度は300℃であり、ムライト相を含まない焼結コージェライト基板(比較例2)の許容温度は400℃であった。このように、ムライト相を含まないコージェライト基板は、耐熱衝撃性が十分ではなかった。また、焼結アルミナ基板(比較例3)の許容温度は300℃であり、アルミナ基板も耐熱衝撃性が低かった。
これに対し、アルミナおよびシリカを添加剤として含む未焼結コージェライト基板(実施例1)の許容温度は500℃であり、実施例1の基板は、比較例1、2および3の基板よりも耐熱衝撃性が高かった。実施例1の基板の許容温度は、ガスセンサ部12が活性化する最低温度とほぼ一致していた。
また、アルミナおよびシリカを添加剤として含む半焼結コージェライト基板(実施例2)および焼結コージェライト基板(実施例3)の許容温度はそれぞれ700℃、900℃であり、実施例2および3の基板の耐熱衝撃性はさらに高かった。
このように、本発明による酸素センサ10の基板11の耐熱衝撃性が高いことが確認された。図3(a)、(b)および(c)に、実施例3、比較例2および比較例3の基板のSEM(走査電子顕微鏡)写真を示す。
図3(a)と、図3(b)および(c)とを比較すればわかるように、実施例3の基板は、比較例2の基板や比較例3の基板に比べて空孔が少なく、より緻密である。なお、実施例3の基板が比較例2の基板よりも緻密であることは、表1中に示した密度の値からもわかる。本発明による酸素センサ10のセラミックス基板11は、このように緻密であるために、従来に比べて強度および耐熱衝撃性が向上している。
アルミナおよびシリカを添加することによりコージェライト中の空孔が少なくなる理由は、アルミナおよびシリカを焼成することによって形成されるムライト相が、空孔を埋めるように作用するからであると考えられる。コージェライト中においてムライト相がこのような特異な作用を示すのは、ムライト相の組成とコージェライトの組成との近似性に由来していると推測される。つまり、ムライト相の成分(具体的にはAl23とSiO2)が、コージェライトの成分の一部と共通しているために、空孔を埋めるように好適に作用すると考えられる。なお、本願発明者は、アルミナおよびシリカを添加剤として含むコージェライト基板中にムライト相が形成されていることを、X線回折測定によって確認した。
本実施形態における酸素センサ10は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、コージェライトを主成分とし、ムライト相を含むセラミックス基板11を用意する。このセラミックス基板11は、既に述べたように、コージェライト材料(典型的には粉末材料)にアルミナおよびシリカを添加剤として加えた材料を用いて形成することができる。
表1からもわかるように、ほとんど熱処理されていない未焼結基板(実施例1)であっても耐熱衝撃性は従来の基板より向上するが、より高い耐熱衝撃性を実現する観点からは、十分に焼成を行うことが好ましい。具体的には、実施例2のような半焼結基板であることが好ましく、実施例3のような焼結基板であることがさらに好ましい。
また、表1からもわかるように、セラミックス基板11の密度は、2.20g/cm3以上2.40g/cm3以下であることが好ましく、2.33g/cm3以上2.40g/cm3以下であることがさらに好ましい。十分に高い耐熱衝撃性を実現するためには、セラミックス基板11の熱膨張率は、5×10-6/K以下であることが好ましい。また、周辺部材への熱の伝播を抑制する観点からは、セラミックス基板11の熱伝導率は4W/m・K以下であることが好ましい。セラミックス基板11の厚さは、典型的には0.3mm〜1.0mm程度であり、好ましくは0.5mm〜0.7mm程度である。
次に、基板11の主面11a上にガスセンサ部12を設ける。ガスセンサ部12は、公知の種々のタイプの素子を用いることができる。例えば、既に述べたように、特開平8−114571号公報に開示されているような固体電解質層を備えた素子を用いることができる。
基板11の主面11a上にセンサ部12を設けるのとは別途に、基板11の裏面11b上に、ヒータ13を形成する。ヒータ13の材料としては、白金、白金ロジウム合金、モリブデン、タングステンなどの金属材料を用いることができる。また、非金属材料を用いることもでき、例えば、酸化レニウムなどの良導体酸化物を用いることができる。
ヒータ13を形成する方法としては、簡便に厚膜を形成することができ、また、設備コストも低いという観点から、スクリーン印刷法が好適に用いられる。あるいは、薄膜法やエッチング法を用いてもよい。典型的には、ヒータ13を形成する工程において、電極14も同時に形成される。
このようにして、酸素センサ10を製造することができる。なお、ヒータ13をスクリーン印刷法を用いて形成する場合には、本実施形態のようにヒータパターン13pの幅が実質的に同じであることが好ましい。スクリーン印刷の最適条件は、形成されるパターンの幅に応じて決まるので、ヒータパターン13pを一定の幅(同じ幅)で形成することにより、最適な条件で印刷を行うことができ、厚さのばらつきや、印刷のにじみ・かすれの発生を防止できる。
また、本実施形態では、基板11の裏面11bにヒータ13を形成する場合を例示したが、ヒータ13は、必ずしもガスセンサ部12を設ける基板11上に直接形成されている必要はない。例えば、別の基板上に形成されたヒータを、基板11の裏面11b側に配置してもよい。
次に、図4を参照しながら、酸素センサ10を実際に内燃機関の排気管に取り付けるための構成を説明する。
酸素センサ10は、図4に示すように、ハウジング20によって保持されており、このハウジング20ごと排気管内に固定される。ハウジング20は、例えば、セラミックスから形成されたセラミックスガイドや金属から形成された金属ケースを含んでいる。
酸素センサ10の露出した部分を覆うように保護キャップ(例えば金属キャップ)23が設けられる。保護キャップ23には、複数の開口部23aが形成されており、開口部23aから流入した排気ガスが酸素センサ10に接触することにより、排気ガス中の酸素の検出が行われる。酸素センサ10による検出結果は、検出線24を介して制御系に出力される。検出線24を含む種々の配線は、制御系に接続されたハーネス26に内蔵されている。
本発明による酸素センサ10では、基板11の熱伝導率が低いので、ヒータ13近傍からハーネス26などへの熱の伝播を抑制することができる。そのため、耐熱性の低い安価なハーネス26を使用することが可能になり、製造コストの低減を図ることができる。また、基板11とハーネス26との距離を短くすることができるので、酸素センサ10およびハウジング20を含む素子全体の小型化を図ることもできる。
なお、本実施形態では酸素センサを例示したが、本発明は、酸素センサに限定されず、種々のガスを検出するためのセンサに用いられる。例えば、特開2003−262599号公報に開示されているような、水素ガスセンサ、NOx、炭化水素、有機化合物センサにも好適に用いられる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で説明したガスセンサを備え、内燃機関を駆動源とする車両を説明する。図5は、本実施形態による自動二輪車の模式図である。自動二輪車300は、本体フレーム301と内燃機関としてのエンジン100とを備える。本体フレーム301の前端にヘッドパイプ302が設けられている。ヘッドパイプ302にはフロントフォーク303が左右方向に揺動可能に設けられている。また、フロントフォーク303の下端に前輪304が回転可能に支持されている。ヘッドパイプ302の上端にはハンドル305が取り付けられている。
本体フレーム301の後端上部から後方に伸びるようにシートレール306が取り付けられている。本体フレーム301の上部には燃料タンク307が設けられ、シートレール306上にメインシート308aおよびタンデムシート308bが設けられている。また、本体フレーム301の後端に後方へ伸びるリアアーム309が取り付けられている。リアアーム309の後端に後輪310が回転可能に支持されている。
本体フレーム301の中央部にはエンジン100が保持されている。エンジン100の前部にはラジエター311が取り付けられている。エンジン100の排気ポートには排気管312が接続されている。以下において詳細に説明するように、排気管にはエンジン100に近い順に酸素センサ10、三元系触媒104および消音器106が設けられている。酸素センサ10には、第1の実施形態で説明した酸素センサ10が用いられる。酸素センサ10のガスセンサ部12の表面は排気管312の排気ガスが通過する通路内に露出しており、排気ガス中の酸素を検出する。酸素センサ10には、図1に示したヒータ13が取り付けられており、エンジン100の始動時にはヒータ13によりガスセンサ部12が昇温されることによって、ガスセンサ部12の検出感度が高められる。
エンジン100には、変速機315が連結されており、変速機315の出力軸316は駆動スプロケット317に取り付けられている。駆動スプロケット317はチェーン318を介して後輪310の後輪スプロケット319に連結されている。
図6は、エンジン100の制御系の主要な構成を示している。エンジン100のシリンダ101には吸気弁110、排気弁106および点火プラグ108が設けられている。またエンジンを冷却する冷却水の水温を計測する水温センサ116が設けられている。吸気弁110は、空気吸入口をもつ吸気管122に接続されている。吸気管にはエアーフローメータ112、スロットルバルブのスロットルセンサ114および燃料噴射装置111が設けられている。
エアーフローメータ112、スロットルセンサ114、燃料噴射装置111、水温センサ116、点火プラグ108および酸素センサ10は、制御部であるコンピュータ118に接続されている。コンピュータ118には自動二輪車300の速度を示す車速信号120も入力される。
図示しないセルモータによって、ライダーがエンジン100を始動させると、コンピュータ118はエアーフローメータ112、スロットルセンサ114および水温センサ116から得られる検出信号および車速信号120に基づき、最適な燃料量を計算し、計算結果に基づいて、燃料噴射装置111へ制御信号を出力する。燃料噴射装置111から噴射される燃料は、吸気管122から供給される空気と混合され、適切なタイミングで開閉される吸気バルブ110を介してシリンダ101へ噴出される。シリンダ101において噴出された燃料は燃焼し、排気ガスとなって排気弁106を介して排気管312へ導かれる。
酸素センサ10は排気ガス中の酸素を検出し、検出信号をコンピュータ118へ出力する。コンピュータ118は、酸素センサ10からの信号に基づき、空燃比が理想空燃比からどの程度ずれているかを判断する。そして、フローメター112およびスロットルセンサ114から得られる信号によって定まる空気量に対して、理想空燃比となるように燃料噴射装置111から噴出する燃料量を制御する。このように、酸素センサ10と、酸素センサ10に接続されたコンピュータ(制御部)118とを含む空燃比制御装置によって、内燃機関の空燃比が適切に制御される。
図7に、酸素センサ10のヒータ13の制御フローを示す。エンジン100が始動され、メインスイッチがオン状態になる(ステップS1)と、ヒータ13への通電が開始される(ステップS2)。次に、ヒータ13の温度が検出され(ステップS3)、ヒータ13の温度が設定温度よりも低いか否かが判定される(ステップS4)。ヒータ13の温度の検出は、ヒータ13の抵抗値が温度に依存して変化することを利用し、ヒータ13に流れる電流を検出することによって行うことができる。ヒータ13の温度が設定温度よりも低い場合には、引き続いてヒータ13への通電が行われる(ステップS2)。一方、ヒータ13の温度が設定温度以上である場合には、ヒータ13への通電を一定時間停止し(ステップS5)、再びヒータ13への通電が開始された(ステップS2)後、ヒータ13の温度の検出が行われる(ステップS3)。このような制御フローにより、ヒータ13の温度が一定に保たれる。
本実施形態の自動二輪車では、酸素センサ10の基板11が高い耐熱衝撃性を有しているので、被水が予想される環境下においても、酸素センサ10を高温で動作させることができ、検出精度が向上する。そのため、そのような環境下においても、適切な空燃比で燃料および空気を混合し、最適な条件で燃料を燃焼させることができ、排気ガス中のNOxをはじめ規制物質の濃度を低減することができる。また、被水が予想される環境下ではヒータ13の加熱温度を低くするような特別な制御系を設ける必要もないので、製造コストが低減される。
なお、本実施形態では、自動二輪車を例示して説明を行ったが、本発明の車両は四輪自動車などの他の自動車両であってもよい。ただし、自動二輪車では、排気管の末端から酸素センサの取り付け位置までの距離が短く、酸素センサに水滴が付着しやすいので、本発明は、自動二輪車に特に好適に用いられる。また、内燃機関はガソリンエンジンに限られず、ディーゼルエンジンであってもよい。
本発明によると、高い耐熱衝撃性と低い熱伝導率を有する基板を備え、低コストで製造できるガスセンサが提供される。本発明によるガスセンサは、種々の自動車両に好適に用いられ、特に自動二輪車に好適に用いられる。
本発明の好適な実施形態における酸素センサ10を模式的に示す分解斜視図である。 基板の耐熱衝撃性を評価するための検証実験の様子を模式的に示す図である。 (a)、(b)および(c)は基板のSEM(走査電子顕微鏡)写真であり、(a)は本発明の実施例3の基板、(b)は比較例2の基板、(c)は比較例3の基板を示している。 酸素センサ10を排気管に固定するための構成を模式的に示す断面図である。 本発明の好適な実施形態における自動二輪車の例を模式的に示す図である。 図5に示す自動二輪車におけるエンジンの制御系を模式的に示す図である。 酸素センサ10の制御フローの一例を示すフローチャートである。 従来の酸素センサ510を模式的に示す分解斜視図である。
符号の説明
10 酸素センサ(ガスセンサ)
11 基材
12 ガスセンサ部
13 ヒータ
13p ヒータパターン
14 電極
20 ハウジング
23 保護キャップ
24 検出線
26 ハーネス
100 エンジン
300 自動二輪車

Claims (8)

  1. ガスセンサ部と、
    前記ガスセンサ部を支持する基板と、を備えたガスセンサであって、
    前記基板は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、
    前記セラミックス基板は、ムライト相を含むガスセンサ。
  2. ガスセンサ部と、
    前記ガスセンサ部を支持する基板と、を備えたガスセンサであって、
    前記基板は、コージェライトを主成分とするセラミックス基板であり、
    前記セラミックス基板は、アルミナおよびシリカを添加剤として含むガスセンサ。
  3. 前記セラミックス基板は、2.20g/cm3以上2.40g/cm3以下の密度を有する請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. 前記セラミックス基板は、2.33g/cm3以上2.40g/cm3以下の密度を有する請求項1または2に記載のガスセンサ。
  5. 前記ガスセンサ部を昇温させるヒータをさらに備える請求項1から4のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 酸素センサである請求項1から5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のガスセンサを備えた自動車両。
  8. 自動二輪車である請求項7に記載の自動車両。
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WO2017029347A1 (de) * 2015-08-20 2017-02-23 Robert Bosch Gmbh Sensorelement zur erfassung mindestens einer eigenschaft eines messgases in einem messgasraum mit einer glaskeramischen dichtung
JP2017053786A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 富士電機株式会社 ガス検知装置

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