JP2007170229A - 交換型オイルフィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】樹脂製キャップの緩みを防止することが可能な交換型オイルフィルタを提供する。
【解決手段】交換型オイルフィルタ１は、ケーシング２０と、ケーシング２０に螺合する樹脂製キャップ６０と、樹脂製キャップ６０を締め付ける方向に樹脂製キャップ６０を付勢する回り止め部材２０２とを備える。
【選択図】図１

Description

この発明は交換型オイルフィルタに関し、より特定的には、車両に搭載される交換型オイルフィルタに関するものである。

従来、交換型オイルフィルタは、たとえば特許第３６５６３５１号公報（特許文献１）に開示されている。
特許第３６５６３５１号公報

従来の分割型のケーシングの両方に設けたねじ部を螺合させて結合する交換型オイルフィルタでは、ケーシングを樹脂製とした場合に、樹脂の経時変化に伴い螺合に緩みが生じるという問題があった。

そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、緩みの生じることを防止する交換型オイルフィルタに関するものである。

この発明に従った交換型オイルフィルタは、ケーシングと、ケーシングに螺合する樹脂製キャップと、樹脂製キャップを締め付ける方向に樹脂製キャップを付勢する回り止め部材とを備える。

このように構成された交換型オイルフィルタでは、回り止め部材により、螺合に緩みが生じることを防止することができる。

好ましくはケーシングと樹脂製キャップの外周に突出部が形成され、それらの突出部に回り止め部材が係合してキャップを締め付ける方向に付勢する。

好ましくはケーシングと樹脂製キャップのいずれか一方に回り止め部材を挿入する穴部が形成され、他方に突出部が形成され、回り止め部材の一端が穴部に挿入され、他端が突出部に係合して樹脂製キャップを締め付ける方向に付勢する。

好ましくは、ケーシングと樹脂製キャップのいずれか一方に回り止め部材が係合するボス部が形成され、他方に突出部が形成され、回り止め部材の一端がボス部に係合し、他端が突出部に係合して樹脂製キャップを締め付ける方向に付勢する。

この発明に従えば、緩みを防止することができる交換型のオイルフィルタを提供することができる。

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。

（実施の形態１）
図１は、この発明の実施の形態１に従った交換型オイルフィルタの断面図である。エレメントを交換可能な交換型オイルフィルタ１はケーシング２０、押え板３０、ナット部材４０、フィルタエレメント５０、樹脂製キャップ６０およびドレンボルト７０で構成される。

エンジンから送られてくるオイルは、入口１１からオイルフィルタ内部に流入する。オイルはケーシング２０および押え板３０に設けられた貫通孔２４，３３を通過した後に、フィルタエレメント５０により濾過され、中央空間５９から接続管１４を通って、再びエンジンに送り出される構成とされている。

エンジンのシリンダブロックには、交換型オイルフィルタ１を固定するためのブラケット１０が設けられている。このブラケット１０において、ブラケット１０の上部端面１８は、交換型オイルフィルタ１を設置するための取付け座となっている。また、ブラケット１０はオイルをシリンダブロックから導入するための入口１１と、濾過されたオイルをシリンダブロックへ送出するための出口１２を有する。ブラケット１０のオイルの出口１２には雌ねじが加工されており、接続管１４の一端の雄ねじが締め付け固定されている。

交換型オイルフィルタ１の組立ての第１段階として、ケーシング２０の下部端面２１がブラケット１０の上部端面１８に上から突き当てられ、ケーシング２０がブラケット１０の所定位置に配置される。ケーシング２０はほぼ円筒形状であり、ブラケット１０の上部端面１８近辺も円筒形状であるため、ケーシング２０がブラケット１０に配置されると、各円筒形状が中心軸を共通にして接続された構造となる。

交換型オイルフィルタ１の組立ての第２段階として、押え板３０の中央穴部３５に形成された雌ねじが、接続管１４上端の雄ねじに締め付けられる。これにより、円盤形状の押え板３０の周縁である押圧部３２がケーシング底面２５の円筒外周２７付近をブラケット１０方向に押え付けて、ケーシング２０をブラケット１０に固定する。

なお、押え板３０を設けなくても、ケーシング底面２５の中央に雌ねじを設けて、その雌ねじを接続管１４上端の雄ねじに締め付ければ、ケーシング２０をブラケット１０に固定することができる。

交換型オイルフィルタ１の製造の第３段階として、ほぼ円筒形状のナット部材４０の中央穴部４４に形成された雌ねじが、接続管１４上端の雄ねじに締め付けられる。これにより、ナット部材４０の下面４２が押え板３０の上面３４を下方に押え付け、押え板３０のねじ締結の緩みを防止することができる。

その後の交換型オイルフィルタ１の製造段階では、濾紙を折曲げて円筒状に形成されたフィルタエレメント５０がケーシング２０内に取付けられる。さらに、円筒状の樹脂製キャップ６０において外周面下部に形成された雄ねじ６１が、ケーシング２０内周面上部に形成された雄ねじ２３に締め付けられ、樹脂製キャップ６０がケーシング２０に固定される。その後、ドレンボルト７０が樹脂製キャップ６０上部のドレン穴６３にねじ締結される。なお、フィルタエレメント５０の交換時には、樹脂製キャップ６０とケーシング２０のねじ締結を緩めることにより樹脂製キャップ６０がケーシング２０から外され、汚れたフィルタエレメントが新しいフィルタエレメントに取換えられる。

ケーシング２０および樹脂製キャップ６０には、それぞれリブ形状の突出部２０１，６０１が設けられる。突出部２０１，６０１には樹脂製キャップ６０の緩みを防止するための回り止め部材２０２が係合している。回り止め部材２０２の一端２０２１はケーシング２０の突出部２０１に係合し、他端２０２２は樹脂製キャップ６０の突出部６０１に係合している。

樹脂製キャップ６０は樹脂で構成されているためクリープにより残留トルクが低下する。これにより、樹脂製キャップ６０が振動で回り始める場合がある。これを防止するために樹脂製キャップ６０の残留トルクが低下しても樹脂製キャップ６０の回転を防止するためのストッパ機構としての回り止め部材２０２を設置し、樹脂製キャップ６０がケーシング２０に対して回転することを防止している。

樹脂製キャップ６０側に支点を設置し、作用点をケーシング２０側に設けている。回り止め部材２０２の材質は特に限定されるものではないが、弾性変形可能なばね鋼を用いることができる。

図２は、図１中の矢印ＩＩで示す方向から見た交換型オイルフィルタの斜視図である。図２を参照して、リブ形状の突出部２０１，６０１は軸方向に延びるように形成されている。なお、必ずしも突出部２０１，６０１を設ける必要はなく、この部分が大きく凹んでおり、この凹みに一端２０２１または他端２０２２が係合するような形状とされていてもよい。

また、突出部２０１，６０１は図２ではそれぞれ１つずつ設けられているが、これに限られるものではなく、突出部２０１，６０１の個数は特に制限されるものではない。

このように構成された実施の形態１に従った交換型オイルフィルタ１はケーシング２０と、ケーシング２０に螺合する樹脂製キャップ６０と、樹脂製キャップ６０を締め付ける方向に樹脂製キャップ６０を付勢する回り止め部材２０２とを備える。ケーシング２０と樹脂製キャップ６０の外周に突出部が形成され、それらの突出部２０１，６０１に回り止め部材２０２が係合して樹脂製キャップ６０を締め付ける方向に付勢する。

なお、樹脂製キャップ６０はケーシング２０に対して左ねじおよび右ねじのいずれにおいても螺合していてよい。

このような実施の形態１に従った交換型オイルフィルタ１では、樹脂の経年変化が生じても、回り止め部材２０２により螺合の緩みを最小限に抑えることができる。

（実施の形態２）
図３は、この発明の実施の形態２に従った交換型オイルフィルタの斜視図である。図３を参照して、この発明の実施の形態２に従った交換型オイルフィルタ１では、ケーシング２０側に穴部２０３が設けられ、穴部２０３に回り止め部材２０２の一端２０２１が挿入されている。すなわち、ブラケットに回り止め部材２０２を構成するピンを止めるための袋としての穴部２０３を作り、回り止め部材２０２の他端２０２２に凸部を形成し、樹脂製キャップ６０の突出部６０１に当てることでストッパとなり、樹脂製キャップ６０が緩むことを防止している。

なお、この実施の形態ではケーシング２０側に穴部２０３を設けているが、これに限られるものではなく、樹脂製キャップ６０側に穴部を設けてもよい。

すなわち、実施の形態２に従った交換型オイルフィルタ１では、ケーシング２０と樹脂製キャップ６０のいずれか一方に回り止め部材２０２を挿入するための穴部２０３が設けられ、他方に突出部６０１が形成され、回り止め部材２０２の一端２０２１が穴部２０３に挿入され、他端が突出部６０１に係合して樹脂製キャップ６０を締め付ける方向に付勢している。

このように構成された実施の形態２に従った交換型オイルフィルタ１でも、実施の形態１に従った交換型オイルフィルタ１と同様の効果がある。

（実施の形態３）
図４は、この発明の実施の形態３に従った交換型オイルフィルタの斜視図である。図４を参照して、この発明の実施の形態３に従った交換型オイルフィルタ１では、回り止め部材２０２を固定するためのボス部２０９がケーシング２０側に２箇所設けられている点で、実施の形態１および２に従った交換型オイルフィルタ１と異なる。ボス部２０９は回り止め部材２０２の延びる方向に沿って複数箇所設けられており、ボス部２０９に回り止め部材２０２の一端２０２１が保持されている。ボス部２０９により保持された回り止め部材２０２の他端２０２２は樹脂製キャップ６０の突出部６０１と係合して樹脂製キャップ６０の緩みを防止する。

図５は、図４中のＶ−Ｖ線に沿った断面図である。図６は、図５中の矢印ＶＩで示す方向から見た交換型オイルフィルタの正面図である。図５および図６を参照して、一方向に延びるように構成された回り止め部材２０２の一端２０２１側をボス部２０９が保持しており、ボス部２０９は複数個設けられる。なお、ボス部２０９の個数は複数に限られず、単一であってもよい。図５で示す状態では、回り止め部材２０２の他端２０２２が突出部６０１に係合している。図５で示す方向から他端２０２２を弾性変形させて他端２０２２を突出部６０１から遠ざかる方向に弾性変形させることにより係合が解除される。この状態で樹脂製キャップ６０を自由に回転させることが可能である。

このように構成された実施の形態３に従った交換型オイルフィルタ１でも、実施の形態１に従った交換型オイルフィルタ１と同様の効果がある。

すなわち、実施の形態３に従った交換型オイルフィルタ１は、ケーシング２０と樹脂製キャップ６０のいずれか一方に回り止め部材２０２が係合するボス部２０９が形成され、他方に突出部６０１が形成され、回り止め部材２０２の一端２０２１がボス部２０９に係合し、他端２０２２が突出部６０１に係合して樹脂製キャップ６０を締め付ける方向に付勢する。すなわち、この実施の形態では、ケーシング２０側にボス部２０９を設けたが、これに限られるものではなく、樹脂製キャップ６０側にボス部を設け、ケーシング２０側に突出部を設けてもよい。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

この発明は、車両に搭載される交換型のオイルフィルタの分野において用いることができる。

この発明の実施の形態１に従った交換型オイルフィルタの断面図である。 図１中の矢印ＩＩで示す方向から見た交換型オイルフィルタの斜視図である。 この発明の実施の形態２に従った交換型オイルフィルタの斜視図である。 この発明の実施の形態３に従った交換型オイルフィルタの斜視図である。 図４中のＶ−Ｖ線に沿った断面図である。 図５中のＶＩで示す方向から見た交換型オイルフィルタの正面図である。

符号の説明

１ 交換型オイルフィルタ、２０ ケーシング、３０ 押え板、４０ ナット部材、５０ フィルタエレメント、６０ 樹脂製キャップ、７０ ドレンボルト、２０１，６０１ 突出部、２０２ 回り止め部材、２０２１ 一端、２０２２ 他端。

Claims (4)

1. ケーシングと、
   前記ケーシングに螺合する樹脂製キャップと、
   前記樹脂製キャップを締め付ける方向に前記樹脂製キャップを付勢する回り止め部材とを備えた、交換型オイルフィルタ。
2. 前記ケーシングと前記樹脂製キャップの外周に突出部が形成され、それらの突出部に前記回り止め部材が係合して前記キャップを締め付ける方向に付勢する、請求項１に記載の交換型オイルフィルタ。
3. 前記ケーシングと前記樹脂製キャップのいずれか一方に前記回り止め部材を挿入する穴部が形成され、他方に突出部が形成され、前記回り止め部材の一端が前記穴部に挿入され、他端が前記突出部に係合して前記樹脂製キャップを締め付ける方向に付勢する、請求項１に記載の交換型オイルフィルタ。
4. 前記ケーシングと前記樹脂製キャップのいずれか一方に前記回り止め部材が係合するボス部が形成され、他方に突出部が形成され、前記回り止め部材の一端が前記ボス部に係合し、他端が前記突出部に係合して前記樹脂製キャップを締め付ける方向に付勢する、請求項１に記載の交換型オイルフィルタ。

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