JP2007170145A - 積みブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート硬化後の壁体の安定性を向上し、且つ作業性に優れた積みブロックを提供する。
【解決手段】壁体Wの正面を形成する板状の正面壁部B1と、正面壁部B1と略同一高さ寸法を有し且つ正面壁部B1から後方に向かって延出する一対の控え壁部B2と、これら控え壁部B2の下端部位同士を連結する連結部B3とを備えたものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば宅地造成地の擁壁や河川の護岸等の壁体を構築し得る積みブロックに関するものである。
従来より、積みブロックを複数段積み上げて擁壁等の壁体を構築する態様として、積みブロックの背後に砂利等を堆積した空積み構造が一般的であったが、積上可能な高さに限度があるという不具合があった。そこで、積みブロックの背後にコンクリートを打設し、積みブロックとコンクリートとを一体化してなる練積み構造が普及している。このような練積み構造に適用される積みブロックとして、壁体の正面を形成する板状の正面壁部と、正面壁部の後面部から後方に向かって延出する一対の控え壁部とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−306922号公報(図1〜図3等)
しかしながら、前記特許文献に示すような従来品は、一対の控え壁部がコンクリート内に埋め込まれる態様、すなわち正面壁部の長手方向に対して略直交する方向に延びる部位のみがコンクリート内に埋め込まれる態様であるため、背面土砂(以下「背土」と称す)の土圧によって、積みブロック自体の前方への位置ずれ又は抜け落ち等の不具合が生じる虞があり、コンクリート硬化後の壁体の安定性に劣るものである。また、積みブロックの背後にコンクリートを打設する際に、コンクリート打設用の型枠を枠組みする必要があるため、施工に手間が掛かり、コストも嵩むといった不具合もあった。なお、アンカーとして機能する鋼材等の線材を、その一端部を正面壁部に固定するとともに他端部を背土内に埋め込んで固定する態様も考えられるが、部品点数及び作業工程数の増加を招来し、やはり作業性に劣るという不具合が生じる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、コンクリート硬化後の壁体の安定性を向上し、且つ作業性に優れた積みブロックを提供することにある。
すなわち、本発明の積みブロックは、複数段積み上げることにより擁壁等の壁体を構築し得るものであって、前記壁体の正面を形成する板状の正面壁部と、当該正面壁部と略同一高さ寸法を有し且つ正面壁部から後方に向かって延出する一対の控え壁部と、これら控え壁部の下端部位同士を連結する連結部とを具備していることを特徴とする。
このようなものであれば、控え壁部に加えて連結部もコンクリート内に埋め込まれる態様、すなわち正面壁部の長手方向に対して略直交する方向に延びる部位(控え壁部)のみならず、正面壁部の長手方向に対して略平行に延びる部位(連結部)がコンクリート内に埋め込まれる態様であるため、背土の土圧によって積みブロック自体が前方へ位置ずれ又は抜け落ちるといった不具合が生じ難く、コンクリート硬化後の壁体の安定性を有効に向上させることができる。また、連結部が控え壁部の下端部位同士を連結するものであるため、連結部が控え壁部の上端部から下端部に亘る部位を連結する場合と比較してコンクリートの打設作業を容易且つスムーズに行うことができ、施工効率の向上に資する。さらに、連結部がコンクリートを打設する際にコンクリート用の型枠としても機能するため、別途にコンクリート打設用の型枠を枠組みする必要がなく、作業時間を短縮することができ、コストも低減することが可能である。
特に、前記一対の控え壁部が、それぞれ厚み方向に貫通する貫通孔を有するものであり、巾方向に複数並べた状態で符合する各貫通孔に共通の鋼材を挿入可能にしていれば、控え壁部がコンクリートの閉塞部となることを防止して、スムーズな打設作業を確保することができる。また、各貫通孔に共通の鋼材を挿入可能にしているため、巾方向に並設する積みブロックの一体性をも有効に向上させることができる。
積みブロックの積み上げ作業を容易且つ的確に行えるようにするには、前記一対の控え壁部の上端部又は下端部の何れか一方に、係合突部を設け、他方に当該係合突部が係合可能な係合凹部を設ければよい。
さらに、積み姿勢で自立可能なものであれば、積み作業時に、積みブロックを例えば後方からサポートするサポート部材を別途に用意する必要がなく、作業をスムーズに進めることができる上、不要な部材(サポート部材)を現場に搬入・搬出する手間を省き、工期短縮化をも有効に図ることができる。
好適な実施様態としては、前記正面壁部が、少なくとも前板部と後板部とを厚み方向に重合させ、前記前板部と前記後板部とを高さ方向又は巾方向の何れか一方或いは両方に沿って所定寸法ずらしたものが挙げられる。ここで、正面壁部の態様としては、前板部と後板部とを、1)高さ方向にのみ所定寸法ずらした態様、2)巾方向にのみ所定寸法ずらした態様、3)高さ方向及び巾方向に所定寸法ずらした態様が挙げられる。前記1)又は3)の態様であれば、積みブロックを複数段積み上げた状態において、下段側に配した正面壁部と上段側に配した正面壁部とが相互に凹凸係合し、前記2)又は3)の態様であれば、積みブロックを巾方向に並設した状態において、隣接する正面壁部同士が相互に凹凸係合する。このように正面壁部を構成する2枚の板部材を相互にずらした状態で重合することにより、いわゆる正面壁部がオスメス継ぎ手として機能し、隣接する積みブロック同士の密着度を高め、コンクリート打設時にコンクリートが隣接する積みブロック間から流れ出すことを有効に防止することができるとともに、隣接する積みブロックの組付強度をも有効に向上させて、積みブロックに作用する背土からの圧力やコンクリート打設時の圧力に十分に耐え得ることが可能である。
以上説明したように本発明によれば、控え壁部のみのならず、連結部もコンクリート内に埋め込まれる態様であるため、積みブロック自体の前方への位置ずれ又は抜け落ち等を防止し、コンクリート硬化後の壁体の安定性を有効に向上させることができる。加えて、連結部が控え壁部の下端部位同士を連結するものであるため、連結部が控え壁部の上端部から下端部に亘る部位を連結する場合と比較してスムーズな打設作業を確保することができ、作業効率の向上に資する。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る積みブロックBは、図1及び図2(図1(a)、(b)は、それぞれ積みブロックBの全体斜視図、(a)におけるX−X線断面図であり、図2は壁体Wの断面を模式的に示す図である)等に示すように、複数段積み上げることにより擁壁等の壁体Wを構築し得るものであり、壁体Wの正面を形成する板状の正面壁部B1と、正面壁部B1から後方に向かって延出する一対の控え壁部B2と、これら控え壁部B2の下端部位同士を連結する連結部B3とを備えている。本実施形態に係る積みブロックBは、例えば巾寸法2500mm、高さ寸法750mmの比較的大型なものである。なお、積みブロックBの巾寸法を、運搬トラックの巾寸法より若干小さく設定することにより、運搬効率・積載効率の向上を図っている。
正面壁部B1は、共に正面視概略矩形状をなす同一形状の前板部B11と後板部B12とを用いてなり、これら前板部B11及び後板部B12を高さ方向及び巾方向に所定寸法ずらした状態で厚み方向に重合させたものであり、本実施形態では、前板部B11の上端部を後板部B12の上端部よりも上方に位置付けている。前板部B11及び後板部B12の上下端部及び両側端部はそれぞれ略フラット状をなす。そして、積みブロックBを複数段積み上げた状態において下段側に配した正面壁部B1と上段側に配した正面壁部B1とが相互に凹凸係合するとともに、巾方向に並設した状態において隣接する正面壁部B1同士が相互に凹凸係合するようにしている。つまり、本実施形態における正面壁部B1は、いわゆるオスメス継ぎ手として機能するものである。
控え壁部B2は、正面壁部B1と略同一高さ寸法を有し且つ正面壁部B1の後板部B12から正面壁部B1の長手方向に略直交する方向に延出するものであり、略フラット状の上端部及び下端部を、それぞれ正面壁部B1の後板部B12の上端部及び下端部と略一致させたものである。各控え壁部B2に、積みブロックBの長手方向に沿って相互に符合する部位に、厚み方向に貫通する貫通孔B2aを形成している。また、図3(同図(a)、(b)、(c)は、それぞれ図1におけるY−Y線断面図、図3(a)の仮想円1の拡大図、同仮想円2の拡大図である)に示すように、各控え壁部B2の上端部にインサートナットB2bを埋設し、このインサートナットB2bに概略棒状の係合突部たるガイドキーB2cを螺合可能にするとともに、下端部に、積みブロックBを複数段積み上げた状態において下段側に配した控え壁部B2のインサートナットB2bに螺合したガイドキーB2cが係合可能な係合凹部B2dを設けている。
連結部B3は、各控え壁部B2の内面部間に設けられ控え壁部B2より小さい高さ寸法を有するものである。なお、控え壁部B2に形成した貫通孔B2aの下縁部を、連結部B3の上端部よりも上方に設定している。
また、図1(b)及び図2に示すように、正面壁部B1のうち、後打ちのコンクリートCの打設仕上げ面Caと略同じ高さ位置に、他の部位より後方に窪ませてなる薄肉部B1aを設けている。本実施形態では、この薄肉部B1aを、正面壁部B1のうち、少なくとも一対の控え壁部B2間に相当する部位に設けている。
本実施形態に係る積みブロックBは、積み姿勢、すなわち起立させた姿勢において自立可能に設定している。この場合、正面壁部B1の下面部、控え壁部B2の下面部、及び連結部B3の下面部の全部、又は一部が接地することにより自立し得るようにしている。
次に、このような積みブロックBを用いて壁体Wを構築する手順及び作用について、図2等を参照しながら説明する。
先ず、背土Gを転圧し、積みブロックBの基礎となる基礎ブロックFを埋設する。次いで、壁体Wの最下段を形成する複数の積みブロックBを、隣接する正面壁部B1同士を凹凸係合させながら転圧した背土Gの前方に巾方向に沿って並設する。この状態において、背土Gの転圧後の高さ寸法(以下、「転圧高さ寸法」と称す)が積みブロックBの高さ寸法より小さくなるように、予め背土Gの転圧高さ寸法を設定しておく。本実施形態では、背土Gの転圧高さ寸法を、積みブロックBの高さ寸法の略3分の2に設定している。また、本実施形態に係る積みブロックBは、積み姿勢(起立姿勢)で自立するため、別途に専用のサポート部材を積みブロックBに添設させる必要がなく、単に基礎となる地盤に載置するだけでよく、施工効率を高めることができる。
そして、巾方向に連通する各控え壁部B2の貫通孔B2aに図示しない共通の鋼材を挿入する。鋼材としては、例えばH鋼やI鋼が挙げられる。なお、鋼材を貫通孔B2aに挿入した状態において、貫通孔B2aは鋼材によって完全に閉塞されていない。
次に、積みブロックBの背後にコンクリートCを打設する。これにより、控え壁部B2及び連結部B3がコンクリートC内に埋め込まれるとともに、コンクリートCは控え壁部B2の貫通孔B2aを介して隣接する積みブロックBに向かって順次流れ込む。そして積みブロックBと背土Gとの間にも流れ込んだコンクリートCの打設仕上げ面Caを、転圧した背土Gの上面部Gaに略一致させる。すなわち、コンクリートCの打設仕上げ面Caを積みブロックBの上端部Baより低く設定している。これによりコンクリートCが積みブロックBの目地から漏れないようにしている。
次いで、新たに背土Gを転圧する。新たに転圧する背土Gの転圧高さ寸法を、単一の積みブロックBの高さ寸法に略同一に設定し、壁体Wの2段目を形成する複数の積みブロックBを壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBに積み重ねる。その結果、新たに転圧した背土Gの上面部Gaが、壁体Wの2段目を形成する複数の積みブロックBの上端部Baより低くなる。なお、積みブロックBを積み重ねる際に、壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBの控え壁部B2のインサートナットB2bに螺合したガイドキーB2cに、壁体Wの2段目を形成する積みブロックBの控え壁部B2に形成した係合凹部B2dを係合させるとともに、高さ方向に重合する正面壁部B1同士を係合させる。また、本実施形態では、壁体Wの2段目を形成する複数の積みブロックBを壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBに積み重ねる前に、壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBの控え壁部B2の上面部にライナープレート等の目地材Lを載置し、積みブロックBの目地角度を調整するようにしている。なお、目地材Lの所定部位に形成した挿入孔LaにガイドキーB2cを挿入することにより、目地材Lが積みブロックBから不意に抜け落ちないようにしている。
引き続き、壁体Wの2段目を形成する複数の積みブロックBの背後にコンクリートCを打設し、このコンクリートCの打設仕上げ面Caを背土Gの上面部Gaに一致させる。なお、図2からも明らかなように、このコンクリートCの一部が、壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBの背後にも流れ込み、コンクリートCを、壁体Wの2段目を形成する複数の積みブロックBのみならず、壁体Wの最下段を形成する各積みブロックBにも一体化させるようにしている。このように、最下段の積みブロックBに対して打設するコンクリートCの打設仕上げ面Caを最下段の積みブロックBの上端部Baより低く設定することにより、2段目以上の積みブロックBに対して打設するコンクリートCが、当該積みブロックBに加えて、当該積みブロックBの下方に位置する積みブロックBにも流れ込んで一体化し、壁体Wの強度及び安定性を高めている。
以上の手順、すなわち、(i)背土Gの転圧→(ii)積みブロックBの積み重ね→(iii)コンクリートCの打設、を複数回繰り返すことにより所定の高さ寸法を有する壁体Wを構築することができる。なお、壁体Wの最上段を形成する積みブロックBBの高さ寸法を、壁体Wの他段を形成する積みブロックBよりも小さく設定し、背土Gの上面部Gaと積みブロックBBの上端部BBaとが一致するようにしている。
このように本実施形態に係る積みブロックBは、壁体Wの正面を形成する板状の正面壁部B1と、正面壁部B1と略同一高さ寸法を有し且つ正面壁部B1から後方に向かって延出する一対の控え壁部B2と、これら控え壁部B2の下端部位同士を連結する連結部B3とを備えたものであるため、控え壁部B2のみのならず、連結部B3もコンクリートC内に埋め込まれる態様、すなわち正面壁部B1の長手方向に対して略直交する方向に延びる部位と、正面壁部B1の長手方向に対して略平行に延びる部位がコンクリートC内に埋め込まれる態様であるため、背土Gの土圧によって積みブロックB自体が前方へ位置ずれする又は抜け落ちる等の不具合が生じ難く、コンクリートC硬化後の壁体Wの安定性を有効に向上させることができる。加えて、連結部B3が控え壁部B2の下端部位同士を連結するものであるため、連結部B3が控え壁部B2の上端部から下端部に亘る部位を連結する場合と比較してコンクリートCの打設作業をスムーズに行うことができ、作業効率の向上に資する。また、連結部B3がコンクリートCを打設する際にコンクリートの型枠としても機能するため、別途にコンクリート打設用の型枠を枠組みする必要がなく、作業時間を短縮することができ、コストも低減することができる。さらに、本実施形態では、コンクリートCの打設仕上げ面Caを積みブロックBの上端部Baよりも低く設定しているため、略フラット状をなす控え壁部B2の上端部がプレキャスト化した基礎面として機能し、積み上げた積みブロックBの安定性を確保できる。殊に、本実施形態では、大型の積みブロックBを適用しているため、積み上げ個数を抑えることができるとともに、それに伴い背土Gを転圧する回数及びコンクリートCの打設回数を抑えることができ、現場における作業時間、工程日数及び作業員数を少なくすることが可能となり、コストダウンを図り、作業環境を改善した積みブロックBを提供することができる。
特に、一対の控え壁部B2が、それぞれ厚み方向に貫通する貫通孔B2aを有するものであるため、控え壁部B2がコンクリートCの流通を閉塞する閉塞部となることを防止し、コンクリートCの流通を確保することができるとともに、積みブロックBとコンクリートCとの一体性を有効に高めることができる。しかも、積みブロックBを巾方向に複数並べた状態で連通する各貫通孔B2aに共通の鋼材を挿入可能にしているため、巾方向に並設する積みブロックBの一体性をも有効に向上させることができる。
さらに、一対の控え壁部B2の上端部に、係合突部たるガイドキーB2cを設け、下端部にガイドキーB2cが係合可能な係合凹部B2dを設けているため、積みブロックBの積み上げ作業を正確且つスムーズに行うことができる。加えて、このガイドキーB2cを固定点として目地材Lを取付可能にしているため、この目地材L専用の固定部材を別途設ける必要もなく、部品点数の削減に資する。また、本実施様態のように大型の積みブロックBを適用する場合に、たとえ積みブロックBの大型化により壁体Wの傾斜角度を調整できる目地が少ない場合であっても、目地材Lにより、壁体Wの傾斜角度を容易且つ好適に調整することができる。
また、巾方向及び高さ方向に隣接する積みブロックBが、各正面壁部B1を構成する前板部B11及び後板部B12を凹凸係合させて相互に接合する態様であるため、コンクリートCが積みブロックBの目地から漏れないようにすることができる。また、積みブロックBの目地とコンクリートCの打設仕上げ面Caが同一面とならないようにしているため、積みブロックBの目地とコンクリートCの打設仕上げ面Caが同一面である場合と比較して、コンクリートCの打設仕上げ面Caが次に積み上げる積みブロックBの基礎面として機能しないため、大きな面積を有するコンクリートCの打設仕上げ面Caを人的に平滑に仕上げる必要がなく、作業をよりスムーズに行うことができる。
加えて、正面壁部B1のうち、コンクリートCの打設仕上げ面Caと略同じ高さ位置に薄肉部B1aを形成し、この薄肉部B1aを適宜の手段で破って正面壁部B1にコンクリートCの打設仕上げ面Caと連通する開口部を形成可能にしているため、コンクリートCのブリーディングによる水や表面処理水の排水を、開口部を利用して好適に行うことができる。また、この開口部に別途排水用パイプを設けることにより、上記処理水等を簡単に誘導排水することが可能である。さらに、開口部に一端部を固定した線状の鋼材(ワイヤ等)を、その他端部を背土G内に埋め込んでアンカーとして機能させることも可能であるため、直立又は直立に近い角度で積みブロックBを高く積み重ねることができる。
さらに、積み姿勢で自立可能なものであるため、積み作業時に、積みブロックBを例えば後方からサポートする専用のサポート部材を別途に用意する必要がなく、積み作業をスムーズに進めることができるとともに、不要な部材(サポート部材)を現場に搬入・搬出する手間を省くことができ、工期短縮化をも有効に図ることができる。
殊に、正面壁部B1が、前板部B11と後板部B12とを厚み方向に重合してなり、前板部B11と後板部B12とを高さ方向及び巾方向に沿って所定寸法ずらしたものであるため、積みブロックBを複数段積み上げた状態において下段側に配した正面壁部B1と上段側に配した正面壁部B1とが相互に凹凸係合するとともに、積みブロックBを巾方向に複数並設した状態において隣接する正面壁部B1同士が相互に凹凸係合するため、隣接する積みブロックB同士の密着度が向上し、コンクリートCの打設時にコンクリートCが隣接する積みブロックB間から流出することを有効に防止することができる。また、この積みブロックBを複数段積んだ場合には、前記凹凸係合により隣接する積みブロックBの組付強度も向上するため、積みブロックBに作用する背土Gからの圧力やコンクリートCの圧力に十分に耐え得ることができ、実用性に優れたものとなる。特に、本実施形態では、図3(a)に示すように、前板部B11の上端部が後板部B12の上端部より上方に位置するように前板部B11と後板部B12とを重合させているため、相対的に上段側に位置する積みブロックBの後板部B12の前方に、相対的に下段側に位置する積みブロックBの前板部B11が位置付けられることとなり、上段側の積みブロックBが前記圧力により前方に滑り落ちる又は抜け落ちることを防止することができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、打設するコンクリートの流通を確保する手段として、控え壁部に、貫通孔ではなく、切欠を形成し、この切欠により、控え壁部がコンクリートの閉塞部となることを防止するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、係合突部の一態様として、控え壁部に埋設したインサートナットに螺合したガイドキーを示したが、これに限らず、例えば、控え壁部にインサートナットを設けず、ガイドキーを控え壁部に直接取り付けた態様や、ガイドキー等の係合突部を控壁部に一体に設けた態様を採用してもよい。また、係合突部の個数や形状は適宜変更してもよく、この場合、係合突部に対応させて係合凹部の個数や形状を適宜変更すればよい。なお、係合突部を控え壁部の下端部に設けるとともに、係合凹部を控え壁部の上端部に設けるようにしても構わない。
また、正面壁部の態様としては、前記実施形態では、前板部と後板部とを高さ方向及び巾方向に所定寸法ずらしたものを例示したが、これに限らず、前板部と後板部とを高さ方向にのみ所定寸法ずらしたもの、又は、前板部と後板部とを巾方向にのみ所定寸法ずらしたものであっても構わない。このようなものであっても正面壁部をオスメス継ぎ手として機能させることができる。
また、正面壁部は、少なくとも前板部と後板部とを重合させたものであればよく、前板部と後板部との間に中間板部が存在するものであっても構わない。
さらに、積みブロックの搬入時に所定の重機等によって吊り上げ可能な吊り部を、積みブロックに一体又は一体的に設けてもよい。
また、積みブロックを用いて、河川の護岸や道路の盛土、あるいは切土斜面の壁体を構築するようにしても勿論構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る積みブロックを示す図。 同実施形態に係る積みブロックを用いて構築した壁体を模式的に示す図。 図1におけるY−Y線断面を模式的に示す図。
符号の説明
B…積みブロック
B1…正面壁部
B2…控え壁部
B2a…貫通孔
B2c…係合突部(ガイドキー)
B2d…係合凹部
B3…連結部
W…壁体

Claims (5)

  1. 複数段積み上げることにより擁壁等の壁体を構築し得る積みブロックであって、
    前記壁体の正面を形成する板状の正面壁部と、当該正面壁部と略同一高さ寸法を有し且つ正面壁部から後方に向かって延出する一対の控え壁部と、これら控え壁部の下端部位同士を連結する連結部とを具備していることを特徴とする積みブロック。
  2. 前記一対の控え壁部が、それぞれ厚み方向に貫通する貫通孔を有するものであり、
    巾方向に複数並べた状態で符合する各貫通孔に共通の鋼材を挿入可能にしている請求項1記載の積みブロック。
  3. 前記一対の控え壁部の上端部又は下端部の何れか一方に、係合突部を設け、他方に当該係合突部が係合可能な係合凹部を設けている請求項1又は2記載の積みブロック。
  4. 積み姿勢で自立可能なものである請求項1、2又は3記載の積みブロック。
  5. 前記正面壁部が、少なくとも前板部と後板部とを重合させ、前記前板部と前記後板部とを高さ方向又は巾方向の何れか一方或いは両方に沿って所定寸法ずらしたものである請求項1、2、3又は4記載の積みブロック。

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