JP2003293363A - 土留め壁の構築方法 - Google Patents
土留め壁の構築方法Info
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Abstract
構造物を解体して新たに新設地下構造物を構築するにあ
たって、土留め壁を構築する前段階で、土圧を負担させ
るための埋め戻しを行う必要のない土留め壁の構築方法
を提供する。 【解決手段】 地下構造物1が構築されている部分に当
該地下構造物1を解体して新たに新設地下構造物2を構
築すべく、土留め壁3を構築するに際して、まず、上記
地下構造物1を、少なくとも土圧を負担させるのに必要
な部分、例えば地下外壁6や地中梁7を土圧負担部分5
として残しながら解体する解体作業を実施し、この解体
作業により作業用空間Sを作成し、次に、上記作業用空
間Sを利用して、少なくとも上記土圧負担部分5、例え
ば地中梁7の下に土留め壁3を構築する。
Description
されている部分に当該地下構造物を解体して新たに新設
地下構造物を構築するにあたって、土留め壁を構築する
前段階で、土圧を負担させるための埋め戻しを行う必要
のない土留め壁の構築方法に関する。
は、現在建っている建物を解体しなければならない。特
に、地下階などの地下構造物を備えている建物では、当
該地下構造物も解体する必要がある。そして、地下構造
物も含めて建物全体を撤去した後に、新たな建物を、新
たな地下構造物も含めて構築する。地下構造物を新設す
る際には、よく知られているように、周辺地盤からの土
圧を支持する土留め壁を予め構築した上で、この土留め
壁の内側に、順打ちや逆打ちなどの周知の工法を利用し
て地下構造物を構築する。
は、地下外壁、そしてこれを支える柱や梁、さらには耐
震壁、地中梁、基礎などが周辺地盤の土圧を負担してい
て、地下構造物を単に解体すると地山の崩落や地盤変位
などを招き、隣接地域に多大な影響を与えるおそれがあ
る。
を解体するときには、土留め壁を構築する前の準備作業
として、当該地下構造物の内部に土砂を搬入して埋め戻
しを行い、この埋め戻しに利用した土砂によって土圧を
負担させるようにした上で、地下構造物を解体するよう
にしていた。またこの土砂によって作業地盤を確保し、
解体作業に用いる重機の重量を支えるようにしていた。
そして埋め戻しを行った部分に対してその表面から削孔
を形成し、この削孔を利用してソイル柱列壁などの各種
形式の土留め壁を構築するようにしていた。土留め壁の
構築後は、この土留め壁によって土圧を負担させること
になる。
造物が構築されている部分に当該地下構造物を解体して
新たに新設地下構造物を構築するにあたり、土留め壁を
構築する前の準備段階で埋め戻しをした土砂は結局、そ
の後に新設の地下構造物を構築するときには排出しなけ
ればならないものであり、埋め戻しのために搬入されそ
してまたその後に排出される土砂量は莫大であって、そ
の取り扱いに要する作業量は膨大なものであった。また
埋め戻した土砂中に埋まった地下構造物は、ロックオー
ガーなどの大型重機で解体する必要があり、この作業も
きわめて煩雑であるという課題があった。
先立って、地下構造物の柱や梁に、土圧を負担させるた
めの専用の補強構造、例えば壁などを増設し、この補強
構造で補強した部分を残してそれ以外の部分に埋め戻し
を行い、この埋め戻し部分に対しては上記と同様にして
解体作業を進めることが考えられる。しかしながらこの
方法では、土砂量を減らすことはできるものの、補強構
造の増設が必要であるとともに、解体作業を十分に軽減
することもできない。
れたものであって、地下構造物が構築されている部分に
当該地下構造物を解体して新たに新設地下構造物を構築
するにあたって、土留め壁を構築する前段階で、土圧を
負担させるための埋め戻しを行う必要のない土留め壁の
構築方法を提供することを目的とする。
の構築方法は、地下構造物が構築されている部分に当該
地下構造物を解体して新たに新設地下構造物を構築すべ
く、土留め壁を構築するに際して、まず、上記地下構造
物を、少なくとも土圧を負担させるのに必要な部分を土
圧負担部分として残しながら解体する解体作業を実施
し、この解体作業により作業用空間を作成し、次に、上
記作業用空間を利用して、少なくとも上記土圧負担部分
の下に土留め壁を構築することを特徴とする。
該地中梁を跨いで前記土留め壁を構築することを特徴と
する。
地中梁の直下を掘削して、上記土留め壁を構築するため
の削孔を形成することを特徴とする。
ことを特徴とする。
の構築方法の好適な一実施形態を、添付図面を参照して
詳細に説明する。図1にはこれから解体しようとする建
物の地下構造物1が実線で示されているとともに、図2
には新たに構築した新設の地下構造物2が実線で示され
ている。新設の地下構造物2は、事前に土留め壁3を構
築しておき、この土留め壁3で周辺地盤からの土圧を負
担させた状態で、その内側に順打ちや逆打ちなどの周知
の工法で構築される。
と、図1に示したように、まず建物の地上部分4を解体
し、その後地下構造物1を解体する。この地下構造物1
を解体する際には、一挙にすべて解体するのではなく、
少なくとも当該地下構造物1に作用する土圧を負担させ
るのに必要な部分を土圧負担部分5として残すようにす
る。例えば、地下構造物1の地下外壁6や地中梁7を残
す一方で、床スラブや耐圧盤は解体する。またこれら床
スラブや耐圧盤、さらに地下階の梁などは、必要に応じ
て解体するもので、場合によってはこれらを残してもよ
いし、またすべて解体するのではなく、一部を解体する
ようにしてもよい。また、柱8や梁9、耐震壁10など
は必要に応じて残したり撤去したりする。基礎11につ
いても、土留め壁3の内側に位置する基礎11は土留め
壁3の構築後に適宜に解体・撤去すればよく、土留め壁
3の外側に位置する基礎11は土圧負担に寄与させるた
めに残す。換言すれば、この段階での解体では、土圧の
支持に有効な部分を残す一方で、その後に実施される土
留め壁3の構築作業に邪魔になる部分は撤去するように
する。
物1によって土圧を負担させることができ、従来のよう
に土砂を埋め戻すことによって地下構造物1の解体に伴
う土圧を負担させる必要がなくなる。そしてまた埋め戻
しを行わないことから、この解体作業によって撤去した
部分を含め、解体する地下構造物1内の空間を、土留め
壁3を構築する際の作業用空間Sとして利用することが
できるとともに、解体作業もロックオーガーなどを用い
ることなく容易に行うことができる。
構築される地下構造物2に対して必要となる、土圧支持
用の土留め壁3の構築作業を実施する。土留め壁3の構
築は、従来公知のSMW工法やSG工法を利用すること
ができる。この際、削孔12を形成する地盤基準位置L
は、地下構造物1内に埋め戻し土砂を搬入しないことか
ら、土圧負担部分5として解体されずに残されている地
下外壁6や地中梁7のうち、最深部の地中梁7の位置と
なり、少なくともこの土圧負担部分5の下に土留め壁3
が構築される。削孔12を形成したり土留め壁3を構築
するための各種重機13は、地表面Gに支持させて仮設
の作業用地盤14を構築して、これに支持させるように
する。そして各種重機13を用いて、地下外壁6を含む
土圧負担部分5に連続させて必要な深さで土留め壁3を
構築すれば、それにより土留め壁3の内側に図2に示す
ように新たな地下構造物2を構築することができる。
土圧負担部分5の上方から土留め壁3を構築する場合を
含むものである。土留め壁3の上端位置を高く設定した
い場合には、そのために地下構造物1内に土砂を搬入し
て埋め戻しを行い、この埋め戻し表面を地盤基準位置L
として削孔12を形成するようにすればよい。
一例を、図3〜図5を用いてさらに詳細に説明すると、
地下構造物1を解体するにあたり、土留め壁3を構築す
る箇所の耐圧盤を解体・撤去して、地下外壁6や地中梁
7などに土圧を負担させながら、この耐圧盤を取り去っ
た部分を作業用空間Sとする。そして地中梁7の直下に
これを幅方向に跨ぐ形態で土留め壁3を構築する。土留
め壁3の構築は、地上1階の床スラブも解体して、各種
重機13による作業を、耐圧盤を撤去した作業用空間S
を利用して実施できるようにする。
め壁3を構築する際には、地中梁7の側方を土留め壁3
の構築深度まで、ケリーなどを用いて掘削する([a]参
照)とともにクラムシェル15などで土砂を排出する
([b]参照)。このようにして地中梁7を挟んでその両
側に先行削孔12aを形成する。次いで、左右方向に首
振り可能に構成された、先行削孔12aの拡幅用のハイ
ドロフレーズ掘削機16などを用いて、先行削孔12a
を地中梁7下に拡幅する作業([c],[e]参照)と、この
拡幅作業に伴う堆積土のクラムシェル15による排出作
業([d],[f]参照)とを繰り返して、地中梁7の両側と
その直下に亘る土留め壁3を構築するための削孔12を
完成する。
部材としてH形鋼17や鉄筋篭などを挿入する。H形鋼
17の場合は複数のH形鋼17を一対のセット18に組
み、各セット18を地中梁7の両側からそれぞれ挿入す
る。各セット18は、地中梁7下に挿入される短寸のH
形鋼17と、地中梁7の側方に挿入される長寸のH形鋼
17とで構成する。そして各セット18を地中梁7の側
方から削孔12内に挿入した後、削孔12内を地中梁7
の幅方向に移動させて、短寸ものが地中梁7の直下に位
置するように配置する([g]参照)。その後、トレミー
管19を削孔12内に挿入し流動化ソイル20を充填し
て([h]参照)硬化させることで、地中梁7の幅方向両
側に亘って当該地中梁7を跨ぐ形態で土留め壁3を構築
する。流動化ソイル20に代えて、コンクリートを打設
するようにしてもよいことはもちろんである。
壁3は先行パネル21をなし、一対の先行パネル21間
に作業用空間Sを利用して後行パネル22を打ち継いで
構築して、土留め壁3を地中連続壁として構築する。後
行パネル22は通常の方法、すなわち先行パネル21の
端部を削り取りながら掘り下げて削孔12を形成し、こ
の削孔12内に応力を負担する部材を挿入した後、流動
化ソイル20を充填し硬化させることで構築する。この
土留め壁3は、必要に応じて外側の地下外壁6などと接
合するようにしてもよい。そして土留め壁3の構築が完
了したならば、その後当該土留め壁3の内側を掘削する
ことで、逆打ち工法や順打ち工法によって新設の地下構
造物2を構築することができる。
留め壁の構築方法にあっては、少なくとも土圧を負担さ
せるのに必要な地下外壁6および地中梁7などを残して
耐圧盤などを解体し、この解体作業によって撤去した耐
圧盤部分などを土留め壁3の構築用の作業用空間Sとし
て利用して当該地中梁7の下に土留め壁3を構築するよ
うにしたので、土砂の埋め戻しや埋め戻しを行ったため
に必要となるロックオーガー等を利用した煩雑な地下構
造物1の解体作業、そしてさらに、新設地下構造物2の
構築に際しての埋め戻し土の搬出作業を不要とすること
ができ、土留め壁3、ひいては新設地下構造物2を短工
期で経済的に構築することができるようになる。もちろ
ん、解体作業に先立って補強構造の増設を行う必要もな
い。
3を構築するための作業用空間Sを確保できるので、地
上部分に作業用地盤14を構築することで、敢えて土砂
の埋め戻しによって作業用地盤を設定しなくとも、適切
に土留め壁3の構築作業を行うことができる。また、地
中梁7の下に土留め壁3を構築するようにしていて、従
来のように埋め戻しをして埋め戻した地表面部分から新
たに土留め壁を所定深度まで構築する場合に比べて、解
体にかかる地下構造物1の土圧負担部分5である地下外
壁6や地中梁7を、新設の地下構造物2の構造に合理的
に組み込んで、土留め壁3の施工量を少なくすることが
でき、この面からも土留め壁3を短工期で経済的に構築
することができる。
するようにしたので、土留め壁3の構築作業中も土圧負
担部分5に何らの影響を与えることなく確実に土圧を負
担させた状態で、土留め壁3を構築することができると
ともに、土留め壁3を連続壁として構築することが可能
となる。
用の削孔12を形成するにあたり、地中梁7の側方を掘
削した後に地中梁7の直下を掘削するようにしたので、
従来公知の掘削機を用いて地中梁7を迂回する形態の削
孔12を適切に形成することができる。
で、その内側に構築される新設の地下構造物2に対する
土圧負担や漏水防止を確実に確保することができる。
構築方法によれば、土砂の埋め戻しや埋め戻しを行った
ために必要となるロックオーガー等を利用した煩雑な地
下構造物の解体作業、そしてさらに、新設地下構造物の
構築に際しての埋め戻し土の搬出作業を不要とすること
ができ、土留め壁を短工期で経済的に構築することがで
きる。また、解体にかかる地下構造物の土圧負担部分で
ある地下外壁や地中梁を、新設の地下構造物の構造に合
理的に組み込んで、土留め壁の施工量を少なくすること
ができ、この面からも土留め壁を短工期で経済的に構築
することができる。
ようにしたので、土留め壁の構築作業中も土圧負担部分
に何らの影響を与えることなく確実に土圧を負担させた
状態で、土留め壁を構築することができる。
孔を形成するにあたり、地中梁の側方を掘削した後に地
中梁の直下を掘削するようにしたので、従来公知の掘削
機を用いて地中梁を迂回する形態の削孔を適切に形成す
ることができる。
その内側に構築される新設の地下構造物に対する土圧負
担や漏水防止を確実に確保することができる。
実施形態を示す土留め壁構築前の状態を示す側面図であ
る。
実施形態を示す土留め壁構築後の新設地下構造物の構築
完了状態を示す側面図である。
実施形態を示す地下外壁、地中梁、作業用空間および土
留め壁の状態を示す平面図である。
る地中梁下への土留め壁の構築手順を示す説明図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 地下構造物が構築されている部分に当該
地下構造物を解体して新たに新設地下構造物を構築すべ
く、土留め壁を構築するに際して、 まず、上記地下構造物を、少なくとも土圧を負担させる
のに必要な部分を土圧負担部分として残しながら解体す
る解体作業を実施し、この解体作業により作業用空間を
作成し、 次に、上記作業用空間を利用して、少なくとも上記土圧
負担部分の下に土留め壁を構築することを特徴とする土
留め壁の構築方法。 - 【請求項2】 前記土圧負担部分が地中梁を含み、該地
中梁を跨いで前記土留め壁を構築することを特徴とする
請求項1に記載の土留め壁の構築方法。 - 【請求項3】 前記地中梁の側方を掘削した後に該地中
梁の直下を掘削して、上記土留め壁を構築するための削
孔を形成することを特徴とする請求項2に記載の土留め
壁の構築方法。 - 【請求項4】 前記土留め壁が地中連続壁であることを
特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の土留め壁
の構築方法。
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---|---|---|---|
JP2002095910A JP4243069B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 土留め壁の構築方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005307688A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Nippon Steel Corp | 新設地下躯体用の山留壁の構築方法およびその方法を利用した新設躯体の構築方法 |
JP2010281038A (ja) * | 2009-06-02 | 2010-12-16 | Kajima Corp | 山留め工法 |
JP2018066220A (ja) * | 2016-10-20 | 2018-04-26 | 株式会社竹中工務店 | 地下躯体の改築方法 |
JP2020118033A (ja) * | 2020-05-12 | 2020-08-06 | 大成建設株式会社 | 既存の地下外壁を有する建替え建物 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002095910A patent/JP4243069B2/ja not_active Expired - Fee Related
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