JP2020186618A - 壁状構造物及び壁状構造物の構築方法 - Google Patents

壁状構造物及び壁状構造物の構築方法 Download PDF

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【課題】施工性の向上と設計の合理化を図りつつ、地中連続壁と芯材を備えた基礎杭とを一体に構築することの可能な、壁状構造物及び、壁状構造物の構築方法を提供する。【解決手段】地盤中に構築される壁状構造物であって、立設状態の芯材が収納された円柱状の芯材収納体と、該芯材収納体と一体に設けられた壁状体と、を備え、前記芯材収納体は、断面径が前記壁状体の壁幅より大きく形成されるとともに、該壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より外側に、一部分が突出するように配置され、前記芯材は、前記壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より内側に、一部分が入り込むように配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、地盤中に構築される芯材を備える壁状構造物及び、壁状構造物の構築方法に関する。
従来より、地下空間の大規模化が進む中、工期短縮及び周辺環境への配慮等から、地下階を有する構造物の施工に逆打ち工法を採用する場合が多い。逆打ち工法とは、建物本体の床梁を切梁支保工として使用しながら、地盤の掘削と地下躯体の構築を順次繰り返して、地下階を上階から下階へ構築していく工法であり、地盤の掘削を開始する前に、床梁を支持する逆打ち支柱を地中に埋設する。
例えば特許文献1には、図10(a)の平面図で示すように、拡底部151を有する一対の円柱体15を、円柱体15の直径と同じ大きさの壁幅を有する壁状体16で連結したコンクリート杭17を構築し、図10(b)で示すように、この壁状のコンクリート杭17で、逆打ち支柱として用いる鉄骨柱18を支持させる方法が開示されている。
図10(b)は、上記の方法を、建物の内側における本設柱の構築位置に逆打ち支柱を設ける場合に適用したものである。しかし、逆打ち支柱を、建物の外壁側における本設柱の構築位置に配置しようとすると、逆打ち支柱を支持するコンクリート杭を地中連続壁に近接して構築しなければならず、施工方法に様々な工夫を要する。
例えば、逆打ち支柱を支持するコンクリート杭と地中連続壁とを同時に構築する方法として、特許文献2には、地下連続壁191を構築するための掘削溝と、外周柱20を埋設する地下外周柱192を構築するための矩形孔を連続して構築し、鉄筋かごと外周柱20とを挿入したのち、コンクリートを打設する。これにより、図11で示すような、地下連続壁191と地下外周柱192が一体となったT型RC連壁19を構築している。
また、逆打ち支柱を支持するコンクリート杭と地中連続壁とを別工程で構築する方法としては、地盤中に地中連続壁を構築し所定の期間養生した後、地中連続壁に近接して地中孔を削孔し、該地中孔に逆打ち支柱を建て込む。そして、逆打ち支柱の下部近傍を埋設する高さまでコンクリートを打設し、所定の養生時間を設けた後、コンクリートの上方であって地中孔と逆打ち支柱のとの隙間を掘削排土等で埋め戻す。
特許文献2のような、T型RC連壁19を構築する方法は、地下連続壁191を構築するための掘削溝に連続して、地下外周柱192を構築するための矩形孔を別途掘削しなければならず、施工が煩雑である。また、外周柱20が上端まで、コンクリートに埋設されることから、地下階を構築する際には外周柱20をコンクリートから斫り出す作業が必要となる。このため、多大な手間を要することとなり、作業時間及びコストの面で不利となりやすい。
また、建物Bの内部空間は、少なくとも外周柱20の断面と地中連続壁の壁幅を足し合わせた分だけ、敷地境界線Lから内側に形成されることとなり、建物の建設予定敷地を有効に活用することが困難となりやすい。
一方、逆打ち支柱を支持するコンクリート杭と地中連続壁とを別工程で構築する方法では、地下階を構築する際に逆打ち支柱をコンクリートから斫り出す作業が不要となるものの、別工程となる分だけ作業日数が増大し、これに伴うコスト増を招くこととなる。
特開2008−150944号公報 特開2000−54409号公報
上記のとおり、逆打ち支柱を地中連続壁に近接して配置しようとすると、いずれの方法も作業性及び経済性に劣るとともに、建設予定敷地の有効活用が困難であることから、逆打ち支柱を地中連続壁で囲まれた領域の内側に配置せず、地中連続壁の壁内に収める方法も採用されている。
これにより、作業性は向上するものの、逆打ち支柱の断面径に対応して地中連続壁の壁幅を調整する必要が生じる。また近年では、超高層の鉄筋コンクリート建物に対するニーズが高まっており、大きな軸力を支持するべく、これらを支持する逆打ち支柱の部材断面も大型化している。すると、部材断面が大型化した逆打ち支柱を地中連続壁の壁幅に収めるためには、地中連続壁の壁幅をさらに増厚せざるをえず、コストが大幅に増大するとともに、地下躯体の内部空間を狭めることから、設計上も不利となる。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、施工性の向上と設計の合理化を図りつつ、地中連続壁と芯材を備えた基礎杭とを一体に構築することの可能な、壁状構造物及び、壁状構造物の構築方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の壁状構造物は、地盤中に構築される壁状構造物であって、立設状態の芯材が収納された円柱状の芯材収納体と、該芯材収納体と一体に設けられた壁状体と、を備え、前記芯材収納体は、断面径が前記壁状体の壁幅より大きく形成されるとともに、該壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より外側に、一部分が突出するように配置され、前記芯材は、前記壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より内側に、一部分が入り込むように配置されていることを特徴とする。
また、本発明の壁状構造物は、前記芯材が、逆打ち支柱であることを特徴とする。
本発明の壁状構造物によれば、壁状体に対して円柱状の芯材収納体を一体に設け、壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より外側に一部分が突出するように配置する。これにより、芯材収納体の先端部を支持層に到達させ基礎杭として機能させることにより、基礎杭が一体となった地中連続壁を構築することが可能となる。
したがって、建物の外壁側における基礎杭の構築位置に、芯材収納体の軸心と壁状体の壁芯を合致させて壁状構造物を構築すれば、壁状構造物を用いた連壁杭を建物の直下に構築でき、構造設計上高い優位性を確保することが可能となる。その一方で、芯材収納体の軸心と壁状体の壁芯を偏心させて壁状構造物を構築すれば、基礎杭が一体に設けられた山留め壁と地下外壁を兼用する本設併用の地中連続壁を構築することも可能となる。
また、芯材収納体が、壁状構造物の壁幅より大きく形成されることから、建物荷重が大荷重となりやすい鉄筋コンクリート構造の超高層建物の施工に逆打ち工法を採用するべく、大断面の逆打ち支柱を芯材として用いる場合にも、壁状体を必要最小限の壁幅に設定することができ、設計の合理化を図ることができ、材料費を大幅に削減することも可能となる。
さらに、芯材は、壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より内側に、一部分が入り込むように配置されている。これにより、壁状体の壁面から突出する芯材収納体の突出量を小さくして、建物内側の内部空間を大きく確保することが可能となる。また、逆打ち支柱を芯材として用いる際、芯材を介して押込み力や引抜き力をスムーズに壁状構造物全体に作用させることができる。
したがって、逆打ち支柱を介して壁状構造物に伝達される建物荷重が大荷重となっても、壁状体の周面摩擦力と芯材収納体の周面摩擦力及び先端支持力で効率よく支持することができる。
このとき、芯材収納体に設ける拡径部を先端部だけでなく、支持力が期待できる地盤に接する高さ位置等に複数設けると、支持力を確保しつつ壁状構造物を深さ方向に短小化することもでき、材料費をさらに削減できるとともに施工性を向上することが可能となる。
本発明の壁状構造物の構築方法は、地盤中の、前記芯材収納体の配置予定位置に地中孔を掘削し、前記壁状体の配置予定位置に掘削溝を掘削し、該掘削溝と前記地中孔とが連続する連続孔を設けたのち、該連続孔に、前記地中孔と前記掘削溝とに連続する鉄筋かごを挿入するとともに、該鉄筋かごの内方であって前記地中孔内に前記芯材を建て込み、前記連続孔にセメント系硬化材を充填して、前記壁状体と前記芯材収納体を同時に構築することを特徴とする。
本発明の壁状構造物の構築方法によれば、地盤中にコンクリート構造物を構築する際に、煩雑な作業や特殊な作業を取り入れることなく、従来よりコンクリート杭や地中連続壁を構築する際に一般に採用されている施工方法を適用できるため、施工性を大幅に向上できるとともに、工費削減及び工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
本発明によれば、芯材収納体を円柱状に形成し、一部分が壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より外側に突出するように配置するとともに、芯材を、一部分が壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より内側に入り込むように配置することで、施工性の向上と設計の合理化を図りつつ、地中連続壁と芯材を備えた基礎杭とを一体に構築することが可能となる。
本発明の実施の形態における壁状構造物を複数連結して構築した地中連続壁を示す図である。 本発明の実施の形態における壁状構造物の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態における壁状構造物の全体を示す図である。 本発明の実施の形態における壁状構造物を利用して逆打ち工法により建物を構築した事例を示す図である。 本発明の実施の形態における壁状構造物の構築方法を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態における壁状構造物の構築方法を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態における壁状構造物の構築方法を示す図である(その3)。 本発明の実施の形態における壁状構造物を打ち継いで地中連続壁を構築する方法を示す図である。 本発明の実施の形態における壁状構造物の他の事例を示す図である。 従来技術における建物の内側における本設柱の構築位置に構築した逆打ち支柱を支持するコンクリート杭を示す図である。 従来技術における建物の外壁側における本設柱の構築位置に構築した逆打ち支柱を支持するコンクリート杭を示す図である。
本発明は、基礎杭として機能させることの可能な芯材収納体と山留め壁として機能させることの可能な壁状体とを一体に設けたものであり、特に逆打ち工法を採用して構築する建物の基礎に用いる際に適した構造物である。以下に、地中連続壁で囲繞した領域に、逆打ち工法を採用して地下階を有する建物を構築する場合を事例に挙げ、その詳細を説明する。
≪壁状構造物≫
壁状構造物1は、図1で示すように、地下階Uを有する建物Bを構築する予定の敷地を囲繞するようにして複数を打ち継ぐことにより、地中連続壁100を構築することができるものであり、図2(a)で示すように、壁状体2と芯材収納体3とにより構成されている。そして、芯材収納体3には、芯材である逆打ち支柱4が収納されている。
逆打ち支柱4は、例えば図4(a)で示すように、地下階Uを有する建物Bを逆打ち工法を採用して構築する際に用いられ、少なくとも建物Bの1階床梁が接続されるとともに、構築後は、建物Bの外壁側の本設柱として機能する鉄骨部材である。
本実施の形態では逆打ち支柱4に、図2(a)で示すような、H形鋼を十字に組合せた断面十字形の鋼材(いわゆる、クロスH鋼材)を採用しているが、一般に逆打ち工法で採用されている芯材であれば、いずれを採用してもよい。なお、逆打ち支柱4の先端部には、図4(a)で示すように、所定の範囲にスタッドボルト41が固着されている。なお、コンクリートFとの付着性を高めるシアコネクタとして用いられる部材であれば、必ずしもスタッドボルト41に限定されるものではない。
芯材収納体3は、図2(a)及び図3(a)で示すように、壁状体2が貫通されたかのような状態で地盤中に配置される、略円柱状の鉄筋コンクリート造柱体であり、軸心どうしが同軸となるように逆打ち支柱4が挿入されている。そして、図3(a)で示すように、芯材収納体3の支持層201に達する先端部には、一般部33より拡径された拡径部、つまり拡底部31が設けられている。
壁状体2は、図2(a)で示すように、平面視上の一方の壁面21及び他方の壁面22に突状の曲面部を有する壁体であり、この曲面部が芯材収納体3の側周面を兼ねている。つまり、壁状体2と一体に構築される芯材収納体3は、断面径が壁状体2の壁幅より大きく形成されており、壁状体2の一方の壁面21及び他方の壁面22の各々より外側に、一部分が突出するように配置されている。
このように、壁状体2と芯材収納体3とが一体となっている壁状構造物1では、鉄筋かご5が、縦筋51及び横筋52と、図6(b)で示すような、深さ方向に間隔を設けて配置される複数の補強枠6とにより構成され、平面視で壁状体2の一方の壁面21及び他方の壁面22各々に沿う直線部と、芯材収納体3の側周面に沿って突出する曲面部とを有している。
なお、補強枠6は帯状鋼板よりなり、図2(a)で示すように、鉄筋かご5に対して横筋52と平行に配置される環状枠体61と、環状枠体61の内方に配置され、壁状体2の壁幅方向に延在し、壁状体2の壁長方向に間隔を設けて配置される複数の枠板62とにより構成されている。
上記の構造を有する壁状構造物1は、図3(a)で示すように、壁状体2の壁芯Cと芯材収納体3の軸心O、つまり逆打ち支柱4の軸心とが合致するように配置されている。これにより、建物Bを支持する壁杭として機能させることができ、また、これらを複数打ち継いで地中連続壁100を構築すると、建物Bを支持するとともに山留め壁と地下外壁を兼用する本設併用の連壁杭とすることができるため、構造設計上高い優位性を確保することが可能となる。
つまり、建物Bから作用する荷重は、逆打ち支柱4を介して壁状体2及び芯材収納体3の両者にスムーズに伝達され、押込み力が作用した場合には、芯材収納体3に設けた拡底部31の先端支持力と、地盤と壁状体2の壁面及び芯材収納体3の一般部33との周面摩擦力、でこれに抵抗できる。一方、建物Bから逆打ち支柱4を介して引抜き力が作用した場合には、芯材収納体3に設けた拡底部31の引抜き抵抗力と、地盤と壁状体2の壁面及び芯材収納体3の一般部33との周面摩擦力で、これに抵抗できる。
また、図3(b)で示すように、支持層201に達するまでの深さ位置に硬質な地層203が存在する場合には、一般部33における硬質な地層203の高さ範囲に拡径部32を設けてもよい。こうすると、建物Bから押込み力もしくは引抜き力が作用した際に、拡径部32の鉛直支持力もしくは引抜き抵抗力でさらに、これに抵抗することができるため、支持力を確保しつつ壁状構造物1を深さ方向に短小化することもでき、材料費を削減できるとともに施工性を向上することが可能となる。
さらに、建物Bが、大荷重となるような超高層の鉄筋コンクリート造であるため逆打ち支柱4を大断面化した場合にも、逆打ち支柱4は断面径が壁状体2の壁幅より大きい芯材収納体3に収納されており、壁状体2の壁厚に影響を与えることがない。このため、壁状構造物1の設計時に、逆打ち支柱4の断面の大きさを考慮することなく、壁状体2を必要最小限の壁幅に設定することができ、設計の合理化を図ることが可能になるとともに、材料費を大幅に削減することも可能となる。
このように、逆打ち工法を採用して構築する建物Bが、大きい引抜力を生じるアスペクト比の高い建物であったり、鉄筋コンクリート造であることにより建物荷重が大荷重となる建物てあっても、壁状体2の壁幅や深さ方向の長さ、芯材収納体3の断面径や深さ方向の長さ、拡径部32の数等を適宜調整することができ、無駄の少ない合理的かつ経済的な設計を行うことが可能となる。
なお、拡径部32の構築位置は、硬質な地層203の高さ範囲に限定されるものでなく、例えば、建物Bから作用される押込み力が大きい場合には、拡径部32を硬質な地層203の直上に配置し、建物Bから作用される引抜き力が大きい場合には、拡径部32を硬質な地層203の直下に配置してもよい。またその数量もなんら限定されるものではない。
また、壁状構造物1は、逆打ち支柱4の一部分が、壁状体2の内側に入り込むようにして、芯材収納体3を壁状体2に一体化している。このため、壁状構造物1を用いて構築される地中連続壁100は、壁状体2から突出する曲面部、つまり芯材収納体3の突出量が小さい。このため、図11で示すような従来技術と比較して、建物Bの内部空間を大きく確保できるだけでなく、図4(a)で示すように、地中連続壁100を敷地境界線Lに寄せて配置すると、建物B内の空間をさらに大きく確保することが可能となる。
その一方で、図4(b)で示すように、必要な内部空間を確保可能な位置に地中連続壁100を配置すると、地中連続壁100と敷地境界線Lとの離間距離を大きく取ることができる。これにより、敷地外の既設構造物Eに対する近接施工を緩和することが可能となるとともに、地中連続壁100の施工に起因して近隣の既設構造物Eへ悪影響を及ぼすことを防止するべく、地中連続壁100と敷地境界線Lとの間に地盤改良体を築造するなどして、防護スペースを設けることも可能となる。
なお、図2(a)では、芯材収納体3の軸心Oを壁状体2の壁芯Cに合致させたが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、芯材収納体3の軸心Oと壁状体2の壁芯Cがともに鉛直方向に延在した状態で、壁状構造物1に作用する押込み力や引抜き力が、壁状体2と芯材収納体3との間でスムーズに伝達可能なズレ量であれば、図2(b)(c)で示すように、芯材の軸心O’と壁状体2の壁芯C’をずらしてもよい。図2(b)では、芯材収納体3を、一部分が壁状体2の他方の壁面22より外側に突出するように配置し、逆打ち支柱4を、一部分が壁状体2の他方の壁面22より内側に入り込むように配置している。また、図2(c)では、芯材収納体3を、壁状体2の一方の壁面21及び他方の壁面22より外側に異なる突出量で突出するように配置し、逆打ち支柱4も、一部分が壁状体2の一方の壁面21及び他方の壁面22より内側に入り込むように配置されている。
このような壁状構造物1を、図1で示すように、地中連続壁100の敷地境界線Lに沿う部分に採用すると、地中連続壁100をさらに敷地境界線Lに近接させることが可能となる。なお、芯材の軸心O’と壁状体2の壁芯C’のズレ量を大きく取った場合であっても、壁状構造物1を用いて、コンクリート杭として機能する芯材収納体3が一体に設けられた、山留め壁と地下外壁を兼用する本設併用の地中連続壁100を構築することが可能となる。
≪壁状構造物の構築方法≫
以下に、上記の壁状構造物1の構築方法と併せて、壁状構造物1を用いた地中連続壁100の構築方法を説明する。
<連続孔の掘削>
まず、図5(a)で示すように、芯材収納体3を構築するための地中孔13を、先端部が支持層201に到達するまで掘削する。
地中孔13は、芯材収納体3の配置予定位置にバケット式掘削機7を据え付けたのち、ケリーバー71の先端に取り付けたバケット72を鉛直方向の軸周りに回転させることにより地盤を掘削して形成する。掘削土砂は、バケット72内に収納されることから、適宜バケット72を地盤から引き上げて排土する作業と、バケット72を地盤中に回転圧入し掘削する作業を繰り返す。なお、地中孔13の掘削作業中は、常時安定液Wが供給されている。
次に、図5(b)で示すように、芯材収納体3と一部分が重複するように壁状体2を構築するための掘削溝12を、地中孔13を挟んで一方側の掘削溝121、他方側の掘削溝122の順に、先端部が不透水層202に到達するまで掘削する。
まず、地中孔13を挟んで一方側の壁状体2を構築する位置に水平多軸式掘削機8を吊り下げ状態で据え付け、安定液Wを供給しつつ水平多軸式掘削機8により地盤を掘削し、一方側の掘削溝121を構築する。
水平多軸式掘削機8は、先端に取り付けた一対のカッタードラム81を水平方向の軸周りに回転させることにより地盤を掘削し、掘削土砂は、水平多軸式掘削機8に内装されている揚泥ホース(図示せず)を介して、安定液Wとともに地上に吸い上げられる。
吸い上げられた土砂混じりに安定液Wは、地上で土砂分離等の処理を経た後、安定液Wを再び一方側の掘削溝121に戻して循環使用する。一方側の掘削溝121が構築されたのち、地中孔13を挟んで他方側の壁状体2を構築する位置に水平多軸式掘削機8を吊り下げ状態で据え付け、同様の手順で、安定液Wを供給しつつ水平多軸式掘削機8により地盤を掘削し、他方側の掘削溝122を構築する。
平行に並ぶ一方側の掘削溝121及び他方側の掘削溝122は、対向する端部がともに地中孔13に重複することで、地中孔13を介して連続する1つの掘削溝12となり、これにより、地中孔13と掘削溝12よりなる連続孔11が形成される。
<拡径孔及び拡底部の掘削>
図5(c)で示すように、芯材収納体3の先端部に拡底部31を設けるための拡底孔131と、芯材収納体3の一般部33に拡径部32を設けるための拡径孔132を、連続孔11を構成する地中孔13の所定高さ位置に構築する。
拡底孔131及び拡径孔132は、芯材収納体3の配置予定位置に節部専用掘削機9を据え付けたのち地中孔13に吊り下ろして、地中孔13の孔壁を形成している地盤を掘削することにより構築される。節部専用掘削機9は、ロッド91の先端に取り付けた拡径翼付きバケット92を鉛直方向の軸周りに回転させつつ拡径翼を張り出させることで、地中孔13の孔壁を形成している地盤を掘削する。
掘削土砂は、地中孔13の孔底に落下するものの、一部は拡径翼付きバケット92内に収納されることから、適宜、拡径翼を縮径したのち拡径翼付きバケット92を地盤から引き上げて排土する作業と、拡径翼付きバケット92を地中孔13に吊り降ろし、拡径翼を張り出させて地中孔13の孔壁を形成する地盤を掘削する作業を繰り返す。
この作業を、拡底孔131及び拡径孔132の数だけ繰り返して行い、最後に孔底に貯留した土砂を拡径翼付きバケット92に収納して底浚いを行い地上に排土する。
<鉄筋かご5及び建込み支柱の建て込み>
図6(a)で示すように、スライム除去装置14を用いて孔壁に付着したスライムを除去するスライム除去処理を行って再度底浚いを行うとともに、安定液Wを良液に置換する処理を行ったのち、図6(b)及び図7(a)で示すように、鉄筋かご5及び逆打ち支柱4の建て込みを行う。
鉄筋かご5は、工場等において全体を、一方側の掘削溝121、他方側の掘削溝122、及び地中孔13の各々に配置される部分に分割して製作しておき、施工現場において連続孔11に吊り下ろしながら連結するものであってもよいし、現場で製作しながら、連続孔11に建て込んむものであってもよい。
鉄筋かご5を建て込んだのち、鉄筋かご5の内方であって地中孔13に逆打ち支柱4を吊り下ろし挿入する。逆打ち支柱4は、先端部近傍に設けたシアコネクタ41が、構築予定の建物Bにおける基礎底盤の構築位置以深に到達するまで地中孔13に挿入する。こののち、地中孔13の軸心と逆打ち支柱4の軸心が合致するよう調整し、逆打ち支柱4の建て込みを終了する。
<壁状構造物および地中連続壁の構築>
最後に、図7(b)で示すように、連続孔11の所定位置にトレミー管10を挿入し、連続孔11を満たす安定液Wに替えてコンクリートFを打設し、鉄筋かご5および逆打ち支柱4を埋設する。なお、トレミー管10は、コンクリートFが連続孔11内の隅々まで充填されるよう、掘削溝12および地中孔13の所定位置に複数挿入するとよい。こののち、所定の養生期間を経てコンクリートFが硬化すると、地盤中に逆打ち支柱4が収納された芯材収納体3と壁状体2とが同時に構築されて、壁状構造物1となる。
そして、上記の手順にて構築される壁状構造物1を順次打ち継いでいくと、図1で示すような、超高層の建物Bを構築する予定の敷地を囲繞する地中連続壁100を構築することができる。このとき、設計上で逆打ち支柱4の配置間隔が大きい場合には、隣り合う壁状構造物1の間に、壁状体2のみを構築して打継ぎ、逆打ち支柱4の配置間隔を調整してもよい。
なお、壁状構造物1を連続して構築する場合、および壁状構造物1と壁状体2を隣り合わせて構築する場合のいずれも、先行して構築された壁状体2と後行して構築予定の壁状体2の打継部における付着性能を高めるべく、図8で示すように、水平多軸式掘削機8にて、先行して構築された壁状体2の端部をはつり、目荒らしを行いながら掘削溝12を掘削するとよい。
また、芯材収納体3における逆打ち支柱4が埋設されている深さ範囲には、建物Bの地下階Uにおける床梁の取り合いに、これら床梁の主筋と接続することの可能な金物(図示せず)を埋設しておくとよい。こうすると、地盤を掘削しながら地下階Uを上階から下階へ構築していく際に、逆打ち支柱4をはつり出すことなく、芯材収納体3から上記の金物をはつり出すことにより、この金物を用いて地下階Uの床梁を、芯材収納体3及び逆打ち支柱4で支持することが可能となる。
上記のとおり、壁状構造物1の構築方法は、地盤中にコンクリート構造物を構築する際に従来より採用されている施工方法を適用できるため、煩雑な作業や特殊な作業を取り入れる必要がなく、施工性の向上を図ることが可能となる。
特に、逆打ち支柱4を収納する芯材収納体3を円柱状とすることにより、バケット式掘削機7を用いたアースドリル工法のような、場所打ちコンクリート杭を構築する際の一般的な構築方法を、芯材収納体に採用することが可能となるため、従来の施工方法と比較して、工期短縮、工費削減に大きく寄与することが可能となる。
本発明の壁状構造物1及び壁状構造物1の構築方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、図3(a)(b)で示すように、壁状体2と芯材収納体3の深さ方向の長さを変えて構築し、壁状体2を不透水層202に到達するまで、芯材収納体3を支持層201に到達するまで構築したが、例えば、図9で示すように、両者を支持層201に到達するまで構築してもよい。
また、芯材収納体3を、平面視で壁状体2の壁長方向の中央部に配置したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、芯材収納体3を、壁状体2の側端部に設ける構成としてもよい。
1 壁状構造物
2 壁状体
3 芯材収納体
31 拡底部(拡径部)
32 拡径部
33 一般部
4 逆打ち支柱(芯材)
41 スタッドボルト
5 鉄筋かご
51 縦筋
52 横筋
6 補強枠
61 環状枠体
62 枠板
7 バケット式掘削機
71 ケリーバー
72 バケット
8 水平多軸式掘削機
81 カッタードラム
9 節部専用掘削機
91 ロッド
92 拡径翼付きバケット
10 トレミー管
11 連続孔
12 掘削溝
121 一方側の掘削溝
122 他方側の掘削溝
13 地中孔
131 拡底孔
132 拡径孔
14 スライム除去装置
15 円柱体
151 拡底部
16 壁状体
17 コンクリート杭
18 鉄骨柱
19 T型RC連壁
191 地下連続壁
192 地下外周柱
20 外周柱
100 地中連続壁
201 支持層
202 不透水層
203 硬質な地層
B 建物
U 地下階
E 既設構造物
O 軸心
C 壁芯
W 安定液W
F コンクリート(セメント系硬化材)

Claims (3)

  1. 地盤中に構築される壁状構造物であって、
    立設状態の芯材が収納された円柱状の芯材収納体と、
    該芯材収納体と一体に設けられた壁状体と、を備え、
    前記芯材収納体は、
    断面径が前記壁状体の壁幅より大きく形成されるとともに、該壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より外側に、一部分が突出するように配置され、
    前記芯材は、
    前記壁状体の少なくともいずれか一方の壁面より内側に、一部分が入り込むように配置されていることを特徴とする壁状構造物。
  2. 請求項1に記載の壁状構造物において、
    前記芯材が、逆打ち支柱であることを特徴とする壁状構造物。
  3. 請求項1または2に記載の壁状構造物の構築方法であって、
    地盤中の、前記芯材収納体の配置予定位置に地中孔を掘削し、前記壁状体の配置予定位置に掘削溝を掘削し、該掘削溝と前記地中孔とが連続する連続孔を設けたのち、
    該連続孔に、前記地中孔と前記掘削溝とに連続する鉄筋かごを挿入するとともに、該鉄筋かごの内方であって、前記地中孔内に前記芯材を建て込み、
    前記連続孔にセメント系硬化材を充填して、前記壁状体と前記芯材収納体を同時に構築することを特徴とする壁状構造物の構築方法
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