JP2007170027A - 舗装構造及び舗装シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 路面に敷設される舗装シートのすべり抵抗を増大し、車両が繰り返し走行したときにも大きな滑り抵抗を維持すること、及びこれに加えて路面付近の弾性を長く維持することができる舗装構造及び路面に貼着して用いられる舗装シートを提供する。
【解決手段】 布状体11を基材とし、この布状体11を構成する繊維間に弾性材料が介在され、表面には粒状の骨材21を含むすべり抵抗層20が形成されている舗装シート5をアスファルト混合物層又はコンクリート層の上に接着することにより、高いすべり抵抗を有するとともに繰り返し走行車両による荷重が作用しても舗装シートの弾性が長く維持される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アスファルト混合物やコンクリート等の舗装の上面に弾性を有する舗装シートを貼着した舗装構造及び路面に貼着して用いられる舗装シートに関する。
積雪時において、道路を走行する多くの車両はタイヤチェーンを装着する。タイヤチェーンを装着することによって積雪のある路面でもスリップが有効に防止され、安全な走行に大きな効果を有している。しかし、例えばトンネル等積雪のない部分を走行するときには、アスファルト混合物またはコンクリートで舗装されている路面にタイヤチェーンが直接にたたきつけられ、さらにタイヤによって路面に強くこすりつけられる。このためタイヤチェーンが破損し易くなるとともに、路面が削られてわだち掘れを生じたり、舗装の劣化が著しくなる。
このような問題を解決するための衝撃吸収舗装が、特許文献1に提案されている。この衝撃吸収舗装は、アスファルト混合物層又はコンクリート層からなる路面上に、布状体の基材に天然ゴム、高分子物質等の弾性材料をエマルジョンとして含浸させた舗装シートを貼着したものである。上記舗装シートは、弾性に優れており、トンネル内等の積雪のない状態でタイヤチェーンを装着した車両が走行しても、タイヤチェーンがたたきつけられる衝撃を吸収するとともに、タイヤチェーンがタイヤと路面との間に挟み込まれるときに、舗装シートが弾性変形してタイヤチェーンが強く路面にこすりつけられるのが回避される。したがって、タイヤチェーンの破損が防止されるとともに、わだち掘れ等の舗装の劣化を低減することができる。
また、舗装シートは弾性を有しているので通常のタイヤで走行するときにも騒音や振動を低減させることができる。したがって、積雪の多い地域の道路に限らず、路面上に上記舗装シートを使用しても、騒音や振動を有効に低減する効果が期待できる。
特開2001−49610号公報
しかしながら、特許文献1に記載の衝撃吸収舗装では、次のような解決が望まれる課題がある。
上記舗装シートの表面は、車両の走行が繰り返されるのにしたがって摩耗し、すべり抵抗が低下する。基材の布状体は繊維の集合によって形成されているため、弾性材料を繊維間に介在させても表面は粗面となり、当初はある程度のすべり抵抗を有するものであるが、弾性材料は車両が繰り返し走行することよって摩耗し易く、表面が平滑な状態に変化する。このような状態になると路面がすべり易くなり、車両が安全に走行するために必要なすべり抵抗が維持できなくなるおそれが生じる。また、表面付近には弾性材料を多く供給して表面付近に弾性材料の層を形成して、表面を粗な状態とすることもできるが、摩耗に対する耐性は大きくは改善されない。
また、車両の荷重が繰り返し作用することにより、弾性材料を含む布状体の圧縮変形が回復しにくくなり、舗装シートの厚さが減少して弾性変形量が小さくなる。このため、タイヤチェーンによる衝撃を吸収する機能や、タイヤチェーンがタイヤと路面との間で強く路面にこすりつけられるのを緩和する機能が減退する。
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、路面に敷設される舗装シートのすべり抵抗を増大し、車両が繰り返し走行したときにも大きな滑り抵抗を維持すること、及びこれに加えて路面付近の弾性を長く維持することができる舗装構造及び路面に貼着して用いられる舗装シートを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、アスファルト混合物層又はコンクリート層の上に、布状体を基材とする舗装シートを接着した舗装構造であって、 前記舗装シートは、前記布状体を構成する繊維間に弾性材料が介在され、表面には粒状の骨材を含むすべり抵抗層が形成されていることを特徴とする舗装構造を提供する。
この舗装構造では、舗装シートの基材である布状体の繊維間に弾性材料が介在されているので、車両が路面上を走行するときに舗装シートが弾性変形する。これにより、タイヤチェーンを装着した車両の走行によってタイヤチェーンが路面にたたきつけられるときの衝撃を吸収することができ、タイヤチェーンの破損が減少する。また、タイヤチェーンが押し付けられた部分で舗装シートが弾性変形し、タイヤが路面と広い範囲で接触して安定した走行が可能となる。したがって、タイヤチェーンが強く路面にこすりつけられて路面を削ることもなくなる。また、タイヤチェーンを装着していない車両が走行するときにも、舗装シートが柔軟に変形するので騒音及び振動の発生が抑えられる。
また、舗装シートの表面には、骨材を含んだすべり抵抗層を有していることから、路面は粗な状態が長く維持され、繰り返し車両が走行してもすべり抵抗の低下が少なく、車両の安全な走行が維持される。
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の舗装構造において、前記舗装シートは、不織布を基材とし、 前記弾性材料は、合成ゴム又は合成樹脂のエマルジョンを前記不織布に含浸させることによって、該不織布の繊維を被覆するとともに繊維間を連結するように介在されたものであり、 前記すべり抵抗層は、前記合成ゴム又は前記合成樹脂より耐摩耗性の高い合成樹脂が、前記不織布の表面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されているものとする。
この舗装構造では、基材である不織布の繊維が合成ゴム又は合成樹脂によって被覆されるとともに互いに結合されているので、充分な弾性を有するとともに、繰り返し圧縮荷重が作用しても回復しない変形が生じにくく、耐久性を有するものとなる。また、不織布の表面は、繊維が弾性材料によって被覆された状態にはなるが多数の繊維が突き出した状態となり、これらの繊維を埋め込むように耐摩耗性の高い合成樹脂からなるすべり抵抗層が形成される。これにより、すべり抵抗層は基材である不織布と強固に接合されて一体となる。したがって、繰り返し車両が走行してタイヤとの間に大きな摩擦力が生じたり、舗装シートが繰り返し変形しても、すべり抵抗層が不織布から剥離することが抑制される。そして、このすべり抵抗層を形成する合成樹脂に保持された粒状の骨材により、表面は粗な状態が維持され、大きなすべり抵抗が維持される。
請求項3に係る発明は、 請求項1又は請求項2に記載の舗装構造において、前記すべり抵抗層には、日射反射率(JIS A 5759)が15%以上であって、CIE1976L***色空間におけるL*値が30以下の顔料が添加されているものとする。
このすべり抵抗層では、顔料の添加によって路面は白く反射することがなく、車両の運転者にとって目の負担が軽減される。その一方で、日射エネルギーの反射率が大きくなっているので、日射が強く気温が高い場合であっても路面が高温になることを抑制できる。特に、橋梁等における鋼床版上に舗装が施された道路では、強い日射や気温の上昇に伴い路面温度の上昇が顕著となるが、上記効果とともに不織布の繊維間に空隙を有していることによる高い断熱性能を有しており、路面の温度の上昇を大きく抑制することができる。
請求項4に係る発明は、 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の舗装構造において、 前記すべり抵抗層に含まれる骨材の全部又は一部がセラミックバルーンであるものとする。
このすべり抵抗層に含まれるセラミック中空微粒子は、中空であることによって高い断熱性を有する。したがって、すべり抵抗層の断熱性が向上し、路面温度の上昇及び寒冷地における路面の凍結を防止する効果を有するものとなる。
請求項5に係る発明は、 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の舗装構造において、前記舗装シートは、最下層として厚さが3mm以上で8mm以下のゴムアスファルトコンパウンド層を有し、該ゴムアスファルトコンパウンド層が前記アスファルト混合物層又はコンクリート層の上に接着されているものとする。
この舗装構造では、舗装シートの最下層としてゴムアスファルトコンパウンド層が形成され、この層が弾性的に変形する。このゴムアスファルトコンパウンド層が一定の厚さを有していることにより、車両の通行量が多く舗装シートを構成する布状体に回復しない変形(へたり)が生じても、舗装シート全体では充分な弾性が維持される。つまり、ゴムアスファルトコンパウンド層の3mmの厚さは、鉛直方向の荷重に対して長期にわたって弾性変形が確保できる最低の厚さである。また、ゴムアスファルトコンパウンド層の厚さが大きくなると、車両の制動力等が路面に作用したときに、舗装シートが水平方向に変形しやすくなり、ゴムアスファルトコンパウンド層の8mmの厚さは水平方向の変形量を許容する限度となる。
請求項6に係る発明は、 車両が走行する路面に接着される舗装シートであって、 不織布を基材とし、該不織布を構成する繊維間に弾性材料が介在され、 表面には粒状の骨材を含むすべり抵抗層が形成されていることを特徴とする舗装シートを提供する。
この舗装シートは、基材である不織布の繊維が弾性材料で被覆されるとともに、繊維間が弾性材料で連結されているので、走行車両の荷重に対して弾性的に変形する。そして、この不織布の表面に形成されているすべり抵抗層には、粒状の骨材が含まれているので、高いすべり抵抗が維持される。
この舗装シートを、アスファルト混合物による舗装、又はコンクリート舗装の表面に貼り付けることによって、積雪地域においてタイヤチェーンを装着した車両が直接に走行しても、タイヤチェーンの破損が防止されるともに、路面のわだち掘れ等の損傷が防止される。また、凍結を防止する効果も高い。さらに、寒冷地以外の地域で使用しても、騒音、振動の防止、路面温度上昇の抑制等の効果を奏するものである。
請求項7に係る発明は、 請求項6に記載の舗装シートにおいて、前記弾性材料は、合成ゴム又は合成樹脂のエマルジョンを前記不織布に含浸させることによって、該不織布の繊維を被覆するとともに繊維間を連結するように介在されたものであり、 前記すべり抵抗層は、前記合成ゴム又は前記合成樹脂より耐摩耗性の高い合成樹脂の層が、前記不織布の表面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されているものとする。
この舗装シートは、基材である不織布の繊維が合成ゴム又は合成樹脂によって被覆されるとともに互いに結合されているので、高い弾性を有し、走行車両による荷重が繰り返し作用しても弾性が維持される。また、不織布の表面付近は、弾性材料で被覆された上記繊維間に存在する間隙に耐摩耗性の高い合成樹脂が入り込み、繊維を埋め込んで強固に結合されており、この合成樹脂がすべり抵抗層となっている。したがって、すべり抵抗層は不織布と強固に接着されて一体として形成される。これにより、すべり抵抗層が不織布から剥離するのを防止することができる。さらに、合成樹脂が強固に粒状の骨材を保持し、すべり抵抗が高い状態を長く保持することができる。これにより、車両のスリップを防止でき、タイヤチェーンを装着していない車両も安全な走行が可能な状態が、長く維持される。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の舗装シートにおいて、厚さが3mm以上で8mm以下のゴムアスファルトコンパウンド層が最下層として形成され、 該ゴムアスファルトコンパウンド層は、前記不織布の下面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されているものとする。
この舗装シートでは、ゴムアスファルトコンパウンド層が、不織布の下面の繊維を埋め込むようにして一体として形成されているので、ゴムアスファルトコンパウンド層が舗装シートの基体である不織布から剥離するのが防止される。また、ゴムアスファルトコンパウンド層が3mm以上で8mm以下の厚さに形成されているので、充分な弾性が永く維持される。
さらに、舗装シートの下面にゴムアスファルトコンパウンド層が一体として形成されているので、該舗装シートを路面に容易に接着することができる。これにより、通常の道路を弾性を有する低騒音、低振動の舗装に改良することもできる。
また、仮設道路や工事中の道路に用いられる鋼製の覆工版の上面や、橋梁等の伸縮継ぎ手上に貼り付けて、騒音及び振動を低減することもできる。
以上説明したように、本願発明に係る舗装構造は、アスファルト混合物層またはコンクリート層からなる舗装体の上に積層された弾性を有する舗装シートが、高いすべり抵抗を有するともに、すべり抵抗が高い状態が永く維持される。また、繰り返し走行車両による荷重が作用しても舗装シートの充分な弾性が永く維持される。
また、本願発明に係る舗装シートは、路面に貼り付けて使用したときに、高いすべり抵抗と充分な弾性が永く維持される。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。また、図2は、本願発明の一実施形態である舗装シートの概略断面図である。
このような舗装構造は、一般に寒冷地の一般道路や高速道路等に用いられるものであり、特にトンネル内及びトンネルの出入り口付近の積雪しにくい個所に用いられる。
この舗装構造は、切り込み砂利、砂等からなる下層路盤1上に粒度調整された砕石からなる上層路盤2が積層され、この上にアスファルト混合物からなる基層3及び表層4とが順次に積層されている。この表層の上にはプライマー及びアスファルトからなる塗膜防水層が順に塗布されて下地層を形成している。そして、この塗膜防水層の上に、舗装シート5が接着されている。
なお、本願発明の舗装構造は、上記路盤に代えてトンネル内のコンクリート版、橋梁のコンクリート床版、鋼床版の上に舗装を施し、その上に上記舗装シート5を接着するものであってもよい。また、アスファルト舗装に代えてコンクリート舗装を採用するものであってもよい。
前記舗装シート5は、基材である不織布11の繊維間に弾性材料を介在させた弾性層10と、この弾性層51の表面に強固に接合されているすべり抵抗層20と、弾性層10の下面に接合されているゴムアスファルトコンパウンド層30とを含むものである。また、このすべり抵抗層20には、粒状の骨材21が添加されており、骨材によって表面に多数の凸状部が形成され、表面を粗い状態にしている。
前記舗装シート5の基材である不織布11は、繊維の直径が10〜2000μm程度のものを使用でき、本実施例では20〜1000μmのものを使用している。この不織布11の厚さは7mm〜12mm程度が適当であり、本実施例では9mmの厚さとしている。また、不織布の繊維密度は低いと強度が弱くなり、一方、繊維密度が高いと弾性材料が繊維間に介在する量が減少し耐久性及び弾性係数を低下させることになる。したがって、繊維密度は0.01〜0.5g/m3が望ましく、本実施例では0.1g/m3としている。
なお、不織布を構成する繊維は、天然繊維、合成繊維、金属繊維もしくはこれらの混合繊維等を用いることができる。これらの選択にあたり、繊維の材質に応じて繊維の太さ及び繊維密度等を適宜に選択する必要がある。また、不織布に代えて、厚く織った織布を用いることもできる。
上記不織布11に介在させる弾性材料としては、合成ゴム、合成樹脂、天然ゴム等を用いることができ、これらの弾性材料をエマルジョンとして含浸させることによって不織布の繊維間に介在させたものである。弾性材料を繊維間に介在させる工程は、合成ゴム等のエマルジョンの中に不織布を浸した後に引き上げ、媒体を散逸させる工程を数回繰り返すことにより、不織布の繊維に合成ゴム等を被覆させるとともに互いに繊維間を連結させるものである。本実施例では、厚さ9mmの不織布11の繊維間に4.0kg/m2のエマルジョンを含浸させ、媒体の散逸によって2.0kg/m2の合成ゴムを介在させたものである。
前記すべり抵抗層20は、上記不織布11の繊維間に介在された弾性材料より耐摩耗性の高い合成樹脂22に粒状の骨材21を添加したものである。合成樹脂22は、例えばメチルメタクリレート(MMA)樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができ、耐摩耗性が大きいことにより、車両の走行に対する耐久性が高いものとしている。また、これらの樹脂は弾性材料より引張強度、圧縮強度、骨材に対する付着強度が大きいものとなっており、すべり抵抗層の割れや骨材の散逸が抑制されている。この実施形態ではMMA樹脂を用いている。
上記すべり抵抗層20を構成する合成樹脂22は、不織布11の表面付近の繊維間に入り込み、弾性材料で被覆された繊維を埋め込んで層状に形成されている。そして、厚さは1mm〜3mm程度となっており、この厚さの1/2程度が繊維間の間隙に入り込んだ層となる。この実施形態では、すべり抵抗層20の厚さが2mmであり、約1mmが不織布の繊維間に入り込んでいる。骨材21はこの合成樹脂層内に完全に埋めまれ、又は表面に一部を露出して保持される。これにより、すべり抵抗層20は不織布11と強固に接合されるともに、骨材21との強い付着力によって骨材21を強く保持するものとなっている。
すべり抵抗層20に含まれる骨材21は、硬質骨材であるのが望ましく、本実施例ではセラミックの粒状材を用いており、その他衝撃によって粉砕されにくい材料を選択するのが望ましい。この骨材は粒径が0.1mm〜2.0mm程度のものを使用することができる。この実施例では、MMA樹脂の層内に粒径が0.5mm〜1.5mmの骨材を埋め込み、表面には粒径0.1mm〜1.0mm程度の骨材を散布して付着させた2層仕上げとしている。
また、上記骨材に加えて、又は上記骨材に代えてセラミックの中空微粒子を用いることもできる。中空微粒子は内部が空隙になっていることから、これを使用することによって断熱性を向上させることができる。
また、上記すべり抵抗層20を構成する合成樹脂22中には、遮熱剤を添加することができる。遮熱材は、遮熱性又は断熱性のあるものを用いることができ、例えば、日射反射率(JIS A 5759)が15%以上であって、CIE1976L***色空間におけるL*値が30以下の顔料を添加することができる。このような顔料がすべり抵抗層に添加されていることにより、路面で日射が反射され、路面の温度上昇が抑えられる。また、L*値が小さくなっていることにより可視領域での反射光が抑制され、車両の運転者がまぶしく感じることが少なくなる。一方、遮熱材としてセラミックバルーンを合成樹脂に混合して用いることもできる。
前記ゴムアスファルトコンパウンド層30は、ゴムとアスファルトの混合物からなり、厚さ3mm以上で8mm以下に形成されている。そして、表層4と舗装シート5を強固に接着している。このゴムアスファルトコンパウンド層53の厚さは1mm程度でも強い接着力を発揮する。しかし、本実施例では、約3mmの厚さに形成することにより、接着剤としての作用に加えて、繰り返し荷重の載荷によって舗装シート5の不織布に回復しない変形が生じても、このゴムアスファルトコンパウンド層53によって充分な弾性が維持される。
また、このゴムアスファルトコンパウンド層の厚さ3mmの内、約1mmは不織布11の繊維間に入り込み、繊維を埋め込んだ状態となっている。これによりゴムアスファルトコンパウンド層30が弾性層10と一体となり、弾性層10の剥離が防止される。
次に、上記舗装シートの製造方法を説明する。
厚さ9mmの不織布をゴムエマルジョンに浸して含浸させた後、乾燥させて媒体を散逸させる。この工程を数回繰り返す。これにより、不織布の繊維に合成ゴムの被覆が形成されるとともに繊維間を結合させることができる。また、この工程を数回繰り返すことにより、ゴムエマルジョンの含浸量を調整することができる。本実施例では厚さ9mmの不織布に4.00kg/m2のエマルジョンを含浸させ、繊維間に合成ゴムを介在させるものとしている。
その後、厚さが2mmのすべり抵抗層52を不織布51aの表面に形成する。不織布の表面に液状にしたMMA樹脂を散布又は塗布し、その上に粒径が0.5mm〜1.5mmの骨材を散布する。その後、再度MMA樹脂を散布又は塗布し、表面に粒径0.1mm〜1.0mm程度の骨材を散布して付着させる。これにより一層目の骨材はMMA樹脂内に埋め込まれ、表面に凹凸を形成する。また、二層目の骨材は、一部がMMA樹脂内に埋め込まれ、一部はMMA樹脂層の表面に付着してすべり抵抗層の表面を粗い状態とする。
つぎに、このすべり抵抗層が一体として形成された不織布の上下を逆にし、不織布の下面が上になるようにして、上から高温に加熱したゴムアスファルトコンパウンドを堆積させる。高温に加熱されたゴムアスファルトコンパウンドは溶融しており、ゴムで被覆された不織布の繊維の間隙に入り込み、繊維を埋め込むようにしてゴムアスファルトコンパウンドを不織布と一体とする。そして、ゴムアスファルトコンパウンド層が3mmとなるように、均して冷却する。これにより、すべり抵抗層とゴムアスファルトコンパウンド層とが基材である不織布と一体に形成された舗装シートとなる。
上記のように形成された舗装シートの敷設は次のように行う。
路面状にプライマーを塗布し、さらに加熱アスファルトを塗布して塗膜防水層を形成する。そして、この塗膜防水層の上に、舗装シート5を敷設することにより、最下層のゴムアスファルトコンパウンド層は路面に密着され、強固に接着される。
このようにして形成された舗装シートは、既設のアスファルト舗装、コンクリート舗装の上に敷設して用いることができ、さらに、鋼からなる床版又はコンクリート床版上に直接敷設することもできる。また、鋼からなる覆工版や橋梁等における伸縮継ぎ手(エキスパンションジョイント)等の上を被覆するように接着して用いても良い。このように上記舗装シートを用いることにより、積雪地域における舗装のわだち掘れ等の損傷を抑制するだけではなく、走行車両による騒音及び振動を低減する効果を有することになる。また、舗装シートの断熱効果、遮熱効果によって、路面温度の低下による凍結を防止する効果、日射等による路面温度の上昇を抑える効果等を有する。特に鋼床版を用いた橋梁では路面が凍結しやすいが、これを抑制する効果が有る。これは、路面の冷却を抑制する効果と、車両の走行によって弾性層が変形して表面付近の雪氷を破砕・剥離して凍結を抑制するものである。また、覆工版や伸縮継ぎ手など車両の走行によって大きな騒音を発生する部分に用いることによって顕著な騒音防止効果を得ることができる。
本願発明の一実施形態である舗装構造を示す概略断面図である。 図1の舗装構造で使用される舗装シートを示す概略断面図である。
符号の説明
1:下層路盤、 2:上層路盤、 3:舗装の基層、 4:舗装の表層、
5:舗装シート、
10:弾性層、 11:不織布、 20:すべり抵抗層、 21:骨材、 22:すべり抵抗層を形成する合成樹脂、 30:ゴムアスファルトコンパウンド層、

Claims (8)

  1. アスファルト混合物層又はコンクリート層の上に、布状体を基材とする舗装シートを接着した舗装構造であって、
    前記舗装シートは、前記布状体を構成する繊維間に弾性材料が介在され、表面には粒状の骨材を含むすべり抵抗層が形成されていることを特徴とする舗装構造。
  2. 前記舗装シートは、不織布を基材とし、
    前記弾性材料は、合成ゴム又は合成樹脂のエマルジョンを前記不織布に含浸させることによって、該不織布の繊維を被覆するとともに繊維間を連結するように介在されたものであり、
    前記すべり抵抗層は、前記合成ゴム又は前記合成樹脂より耐摩耗性の高い合成樹脂が、前記不織布の表面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造。
  3. 前記すべり抵抗層には、日射反射率(JIS A 5759)が15%以上であって、CIE1976L***色空間におけるL*値が30以下の顔料が添加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の舗装構造。
  4. 前記すべり抵抗層に含まれる骨材の全部又は一部がセラミックバルーンであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の舗装構造。
  5. 前記舗装シートは、最下層として厚さが3mm以上で8mm以下のゴムアスファルトコンパウンド層を有し、該ゴムアスファルトコンパウンド層が前記アスファルト混合物層又はコンクリート層の上に接着されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の舗装構造。
  6. 車両が走行する路面に接着される舗装シートであって、
    不織布を基材とし、該不織布を構成する繊維間に弾性材料が介在され、
    表面には粒状の骨材を含むすべり抵抗層が形成されていることを特徴とする舗装シート。
  7. 前記弾性材料は、合成ゴム又は合成樹脂のエマルジョンを前記不織布に含浸させることによって、該不織布の繊維を被覆するとともに繊維間を連結するように介在されたものであり、
    前記すべり抵抗層は、前記合成ゴム又は前記合成樹脂より耐摩耗性の高い合成樹脂の層が、前記不織布の表面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の舗装シート。
  8. 厚さが3mm以上で8mm以下のゴムアスファルトコンパウンド層が最下層として形成され、
    該ゴムアスファルトコンパウンド層は、前記不織布の下面付近の繊維間に入り込み、前記弾性材料で被覆された繊維を埋め込むように形成されていることを特徴とする請求項7に記載の舗装シート。
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