JP2007169098A - 光学ガラス素子成形用型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学ガラス素子成形型からのガラス離型性が良好で、種々の成形型基材とコーティング層との密着強度が高く、高寿命で成形性に優れた光学ガラス素子成形型を提供すること。
【解決手段】 耐熱性があり緻密で熱伝導性の高い光学ガラス素子成形用型基材の光学ガラス素子成形面に、(i)クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の中の少なくとも1種のVIa族金属と、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)の中の少なくとも1種の貴金属との合金からなる第1のコーティング層、及び(ii)ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる第2のコーティング層をこの順に積層する。
【選択図】 図1

Description

本発明は表面が高硬度で、耐熱、耐酸化性、及びガラスとの離形性に優れた高寿命の光学ガラス素子成形用型(以下、単に「ガラス成形用型」ともいう)に関する。
近年、光学ガラス素子の製造は、その量産性などから、ガラスのプレス成形後にそれ以上研磨などを必要としない直接プレス成形法が多用されている。精密な光学ガラス素子を直接プレス成形で得るためには、その成形型のガラスプレス面が高温のガラスと不活性で、金型とガラスとの密着性が低く成形型からのガラス離型性が良好であること、耐熱性があり緻密で熱伝導性の高い成形型であること、高寿命であること等が要求される。
このような成形型としては、WC−Co、WC−Niなどの超硬合金、サーメット材、炭化クロム(CrC)等からなる離型膜をコーティングした金型がガラス成形用型として利用されている。
しかしながら、MoやCrからなる保護膜は耐酸化性、耐薬品性、耐熱性に優れ、ガラス離型性にも優れているものの膜硬度が比較的低く、キズ等が発生し易い難点がある。また、CrN、TiNからなる保護膜は硬度が十分ではなく、かつ、ガラスと反応して劣化が起こるため、精密レンズン等の光学製品の成形用としては好ましくない。
また、光学ガラス素子のプレス成形用型として白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)等の貴金属からなる保護膜を、金型基材の成形面にTiN、炭化珪素(SiC)等の中間層を介してコーティングを施した光学ガラス素子のプレス成形用型(特許文献1)や、金型基材のガラス成形面にMo、Ir、Pt−ロジウム(Rh)の3成分からなるコーティング層を施したもの(特許文献2)等が知られている。
さらにまた、ガラス成形面を構成するコーティング層と成形型基材の密着強度を上げる方法としては、ガラス成形面を構成するコーティング層とガラス成形型基材の間に中間層を設ける方法が知られている(特許文献3等参照)。
しかしながら、貴金属系保護膜を用いたものはガラスとの反応性が低く、耐酸化性には優れるものの膜の硬度が低く傷つきやすいため寿命が短い欠点があった。また、特許文献1や特許文献3に記載のガラス成形用型のように中間層を設ける手法は金型の製作が煩雑であり、経済的に不利である。
特公昭62−28093号公報 特開2005−41739号公報 特開平10−231129号公報
本発明は上記の問題点に鑑み、ガラス素子成形用型からのガラス離型性が良好で、高硬度保護膜であるために取り扱い上等でのキズ欠陥の発生を抑制し、さらに、DLCの剥離、グラファイト化が生じても離型性が損なわれず、高寿命で成形性に優れたガラス成形用型を提供することを目的とする。
本発明者等は、ガラス成形用型基材のガラス成形面に種々の被覆材をコートした場合の該ガラス成形用型のガラス離型性をはじめとする諸特性に対する影響について鋭意検討を重ねた結果、該ガラス成形用型基材のガラス成形面にMo等の特定の周期律表のVIa族金属と貴金属とを含む合金を下地層(保護膜)とし、該下地層の上にダイヤモンドライクカーボン(DLC)の膜をコーティングした光学ガラス素子成形用型とすることによって、最表面に形成されるDLC被膜が部分的に剥離したり、グラファイト化してもガラスの離型性が損なわれることなく、前記目的が達成されることを見いだし本発明に到った。
すなわち本発明の光学ガラス素子成形用型は、耐熱性があり緻密で熱伝導性の高い光学ガラス素子成形用型基材の光学ガラス素子成形面に、(i)クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の中の少なくとも1種のVIa族金属と、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)の中の少なくとも1種の貴金属との合金からなる第1のコーティング層、及び(ii)ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる第2のコーティング層をこの順に積層してなることを特徴とする。
本発明の光学ガラス素子成形用型は、前記第1のコーティング層4を形成する合金が(i)クロム(Cr)又はモリブデン(Mo)のVIa族金属と、(ii)イリジウム(Ir)、レニウム(Re)及び白金(Pt)の中のいずれかの貴金属とからなる合金を用いるのが好ましい。
本発明の光学ガラス素子成形用型は、前記第1のコーティング層中の前記貴金属の含有量が40〜80重量%であることが好ましく、更に40〜70重量%であることがより好ましい。
また本発明の光学ガラス素子成形用型は、前記第1のコーティング層の厚みが0.1〜10μmの範囲にあることが好ましく、更に0.2〜0.5μmであることがより好ましい。
さらに本発明の光学ガラス素子成形用型は、前記第2のコーティング層の厚みが0.1〜3μmの範囲にあることが好ましく、更に0.1〜1μmであることがより好ましい。
本発明の光学ガラス素子成形用型は、(a)表面にDLC膜を被覆したので光学ガラス素子成形面を高硬度に保つことができる、(b)貴金属元素を含む合金が離型膜と下地の両方の機能を有するため、SiC等の炭化物膜の下地を必要とせず、DLC薄膜との密着性が良く、良好な面粗度が得られる、(c)表面のDLC膜は耐熱性が弱いものの下地に離型膜を備えているため、窒素雰囲気下で600℃程度まで耐熱、耐酸化性があるので、温度環境耐性に優れる、基材表面のDLC膜が部分的に剥離や焼失しても被成形ガラスの付着や金型劣化が起きない、等の効果を奏する。
そのため、ガラス成形用型使用中にDLC膜が局所的に剥離したり劣化しても下地層として形成されている保護膜(第1のコーティング層)が離型性に優れているためにガラス素子成形用型のガラス成形面にガラスが付着し難い。
以下、本発明のガラス成形用型について図面を例示して説明する。
図1は本発明のガラス成形用型の一例を模式的に示す断面図である。図1において、2と3はそれぞれ成形用型基材、4は第1のコーティング層、5は第2のコーティング層である。
本発明のガラス成形用型1は、耐熱性があり緻密で熱伝導性の高いガラス成形用型基材2、3のガラス成形面に、Cr、Mo及びWの中の少なくとも1種の周期律表VIa族の金属とIr、Re、Pt、Au、Pd及びRhから選ばれる少なくとも1種の金属との合金からなる第1のコーティング層4と、DLC膜からなる第2のコーティング層5とをこの順に積層してなる。すなわち、ガラス成形用型基材2、3の光学ガラス成形面に第1のコーテング層4をコートし、その上にさらにDLC膜からなる第2のコーティング層5をコートして、第1のコーティング層4と第2のコーティング層5とがこの順に積層されている。
本発明においてガラス成形用型基材2、3は、耐熱性があり緻密で熱伝導性の高い材料であり、好適な素材として具体的には、例えば、サーメット(TiC−Ni系合金)、シリコンナイトライド(Si34)、超硬合金(WC−Co、W−Ni等)、酸化アルミニウム、サーメット、炭化ケイ素などが挙げられる。超硬合金は炭化ケイ素(SiC)と比較して加工性が高い特徴を有するが、多少酸化に弱い欠点がある。SiCは硬度が非常に高く、加工性が悪い欠点があるが酸化に強く高寿命である特徴がある。酸化アルミニウム、サーメットはその中間にあたる。これらガラス成形用型基材の種類は、生産するロット数やガラスの種類によって適宜選択されることが望ましい。
また、本発明のガラス成形用型のガラス成形面(すなわち、ガラス成形用型基材2、3の表面)に形成される第1のコーティング層4は、W、Cr及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属とIr、Re、Pt、Au、Pd及びRhの貴金属から選ばれる少なくとも1種の金属との合金層からなり、この第1のコーティング層4が下地層を形成する。
第1のコーティング層4は、ガラス成形用型基材2、3のガラス成形面に、W、Cr及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属の粉末と、Ir、Re、Pt、Au、Pd及びRhから選ばれる少なくとも1種の貴金属の粉末を焼結して、これをターゲットとしてスパッタリングするか、前記各金属のターゲット上に他の成分チップを配置し、スパッタリングでコーティングする。なお、コーティング成分の割合はターゲットを構成する金属粉の割合やチップの大きさ、数量により調整され、スパッタリング以外に蒸着法、イオンプレーティング法などの公知の方法によってもコーティングすることが可能である。
第1のコーティング層4を形成する合金素材としては、前記金属の中でも(i)クロム(Cr)又はモリブデン(Mo)のVIa族金属と、(ii)イリジウム(Ir)、レニウム(Re)及び白金(Pt)の中のいずれかの貴金属との合金を用いるのが特に好ましい。
第1のコーティング層4を構成する合金中のIr、Re、Pt、Au、Pd及びRhから選ばれる少なくとも1種の貴金属の割合は、好ましくは第1のコーティング層4全体の40〜80重量%、さらに好ましくは40〜70重量%重量%である。
なお、第1のコーティング層4の厚みは0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmとするのがよい。第1のコーティング層4の厚みが0.1μmよりも薄いと引っかき傷等の取り扱い上のダメージを受け易く、10μmよりも厚いと経済的でないためである。
本発明において第1のコーティング層4を形成する前記の各合金の薄膜は、超硬合金、酸化アルミニウム、サーメット、炭化ケイ素の等いずれとも密着強度が高い。このため第1のコーティング層4と成形用型基材2、3との間に、接合強度を上げるための中間層を必要とせず、耐久性に優れた成形用型を構成することができる。
本発明のガラス成形用型は、前記のようにしてガラス成形用型基材2、3の表面に第1のコーティング層4を形成した後、さらにその表面にDLC膜からなる第2のコーティング層5が設けられ、この第2のコーティング層5がガラス成形面となる。
第2のコーティング層5は、例えばプラズマCVD法により、向かい合う二つの電極間にCH4、C66等の炭素含有ガスを導入して、この二つの電極間に高周波電力を加えることにより、二つの電極間に生じたグロー放電によって炭素含有ガスを分解させ、カソード電極にセットした第1のコーティング層4が被覆されているガラス成形用型基材2、3の表面にDLC膜を堆積させることによって、ガラス成形用型基材2、3表面に形成された第1のコーティング層4の上に、さらにDLC膜からなる第2のコーティング層5が形成される。
このようにW、Cr及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属とIr、Re、Pt、Au、Pd及びRhの貴金属から選ばれる少なくとも1種の金属との合金層からなる第1のコーティング層4とDLC薄膜からなる第2のコーティング層5とをこの順にガラス成形型基材2、3の表面に積層することにより、第2のコーティング層である表面のDLC層がたとえ部分的に剥離しても、第1のコーテイング層である前記合金層によりガラスの離型性が保たれる特徴を有する。
第2のコーティング層5は、前記のプラズマCVD法と呼ばれる方法以外にも、アーク式イオンブレーティング法、イオン化蒸着法等の従来から一般に行われているコーティング法により、第1のコーティング層4が形成されたガラス成形用型基材2、3の表面にDLC膜をコーティングすることによって形成することができる。
第2のコーティング層5であるDLC膜の膜厚はおよそ0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜1μmとする。
前記のDLC膜のコーティング方法の中、プラズマCVD法は、成膜出来る面積が広いため、量産性に優れており、電気的に絶縁性であるセラミックスのような基材上にも簡単にコーティングできる点と、より平滑な表面をもったDLC膜を形成できる点において優れている。また、イオン化蒸着法やアーク式イオンブレーティング法で成膜されたDLC膜は、含有する水素量が少ないかほとんど含有しないため、硬度の高いDLC膜を製造することが可能である。
ガラス成形用型基材2、3の表面に第1コーティング層4を形成し、その上にさらにDLC膜からなる第2コーティング層5を積層してガラス成形面をDLC膜としておくことによって、ガラス成形用型基材のガラス成形面を、高硬度で、良好な表面粗度に保ち、ガラスとの反応成が低く、また、ガラスの剥離性に優れるためにガラス成形用型として優れる。
しかも、熱によるDLC膜のグラファイト化により表面のDLC被膜(第2のコーティング層5)が部分的に焼失しても、その下層に存在する第1のコーティング層4のためにガラスの付着やガラス成形用型基材の劣化は発生し難く、部分的に焼失しても全体を除去することなく長期にわたって繰り返し使用が可能な長寿命のガラス成形用型とすることができる。
本発明のガラス成形用型は、リン酸塩ガラスのほか、ホウ珪酸系ガラス、ホウ酸ランタン系ガラス、ホウ酸亜鉛系ガラス等のガラスの成形にも好適に用いることができる。
次に実施例により本発明を説明する。なお、本発明は下記実施例中に記述した材料、組成、および作製方法に何等限定されるものではない。
〔実施例1〕
直径12mmの超硬合金(WC99wt%、残りCo及び不可避成分からなるガラス成形用型基材を、それぞれ曲率半径10mm(ガラス成形用型基材3)および20mm(ガラス成形用型基材2)の凹面に加工し、0.5μm粒度のダイヤモンドペーストにより研磨し、成形面を鏡面とした。これにより上下一対のガラス成形用型基材2、3を作製した。
上記のようにして作製した上下一対のガラス成形用型基材2、3をスパッタ装置にセットし、ガラス成形用型基材2、3のそれぞれの成形面に下記の表1に示した各構成成分からなる合金薄膜を1μmの厚みにコーティングして第1のコーティング層4を施した。
次いで、第1のコーティング層4がコーティングされたガラス成形用型基材2、3をそれぞれアーク式イオンプレーティング装置にセットし、第1のコーティング層3のそれぞれにDLCの薄膜を0.5μmの厚みにコーティングして、図1に例示するような実施例1のガラス成形用型を作製した。
次に前記のようにして作製した実施例1のガラス成形用型を用いて図2に例示する成形機を使用し、以下のようにしてガラス素子の反復成形試験を行った。
図2は本発明の実施例及び比較例において使用した成形機の概要を模式的に例示する断面図であり、図2において10はチャンバー、11はヒータ、12は下軸、13は上軸、14はエアーシリンダーである。
硼酸系ガラスである、K−CSK120(商品名、住田光学製、nd:1.5870、νd:59.6、転移点Tg:498℃、屈伏点At:536℃)のガラスを直径7mmのボールプリフォームに加工した後、チャンバー10内に前記のようにして作製したガラス成形用型を装填し、上型ガラス成形用型の基材2と下型ガラス成形用型の基材3の間のガラス成形面に前記ボールプリフォームを配置し、窒素雰囲気中でヒータ11により軟化温度+30℃に加熱し、エアーシリンダー14により下軸12及び上軸13を介して3000Nの荷重でプレス成形し、プレス終了後に200℃の温度まで冷却して、その後レンズの取り出しを行った。
この操作を100回行った後の金型のガラス成形面(第2のコーティング層5)への成形用ガラスの付着の有無、及び第2のコーティング層5であるDLC薄膜の付着の有無を観察した。金型のガラス成形面(第2のコーティング層5)への成形用ガラスの付着の程度は、付着がほとんど認められなかったものを○(特に良)、やや付着が認められたものを△(良)、ガラスの付着が顕著に認められたものを×(不良)とする、目視観察により3段階で評価した。また、第1のコーティング層(合金被覆層)からの2のコーティング層(DLC層)の剥離の程度は、ガラスの付着の程度の評価と同様に、ほとんど剥離しなかったものを○(特に良)、やや剥離が認められたものを△(良)、剥離が顕著に認められたものを×(不良)とする、目視観察により3段階で評価した。
得られた結果をガラス成形用型における第1のコーティング層4を構成する合金の組成とともに表1に示す。
〔実施例2〜12〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成をそれぞれ表1に示した組成とした以外は実施例1のガラス成形用型と同様にして実施例2〜12のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、それぞれ得られた実施例2〜12の各ガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、これら各ガラス成形用型について100回の光学ガラス素子の反復成形試験を行った。
得られた結果を各ガラス成形用型における第1のコーティング層を構成する合金の組成とともに表1に示す。
〔比較例1〕
第1のコーティング層4を設けないで、ガラス成形用型基材2及び3のガラス素子成形面に直に実施例1のガラス成形用型における第2のコーティング層と同じ層厚のDLC薄膜(すなわち、第2のコーティング層5)をコーティングした以外は実施例1と同様にして、比較例1のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた比較例1のガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、比較例1のガラス成形用型について100回のガラス素子の反復成形試験を行った。得られた結果を表1に示す。
〔比較例2、3〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成を表1に示した組成とした以外は実施例1のガラス成形用型と同様にして比較例2及び3のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた比較例2及び3のガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、比較例2及び3のガラス成形用型について100回のガラス素子の反復成形試験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2007169098
〔実施例13〜24〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成をそれぞれ表2に示した組成とした以外は実施例1の光学ガラス素子成形用型と同様にして実施例13〜24のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた実施例13〜24の各ガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、これら各ガラス成形用型について100回の光学ガラス素子の反復成形試験を行った。
得られた結果を各ガラス成形用型における第1のコーティング層を構成する合金の組成とともに表2に示す。
Figure 2007169098
〔比較例4〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成を表2に示した組成とした以外は実施例1のガラス成形用型と同様にして比較例4のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた比較例4のガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、比較例4のガラス成形用型について100回のガラス素子の反復成形試験を行った。得られた結果を表2に示す。
〔実施例25〜36〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成をそれぞれ表3に示した組成とした以外は実施例1のガラス成形用型と同様にして実施例25〜36のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた実施例25〜36の各ガラス成形用型を用いて実施例1のガラス成形用型と同様にして、これら各ガラス成形用型について100回の光学ガラス素子の反復成形試験を行った。
得られた結果を各ガラス成形用型における第1のコーティング層を構成する合金の組成とともに表3に示す。
〔比較例5〕
第1のコーティング層4を構成する合金の組成を表3に示した組成とした以外は実施例1のガラス成形用型と同様にして比較例5のガラス成形用型を作製した。
次に、実施例1のガラス成形用型に代えて、得られた比較例5のガラス成形用型を用いて実施例1と同様にして、比較例5のガラス成形用型について100回のガラス素子の反復成形試験を行った。得られた結果を表3に示す
Figure 2007169098
表1〜表3からわかるように、ガラス成形用型基材のガラス成形面に、Cr、Mo及びWの中の少なくとも1種のVIa族金属と、Ir、Re、Pt、Au、Pd及びRhの中の少なくとも1種の貴金属との合金からなる第1のコーティング層の上にさらにDLC膜の層からなる第2のコーティング層をこの順に積層してなるガラス成形用型(実施例1〜37)では、ガラス成形用型基材のガラス成形面に前記第1のコーティング層を設けることなく、直にDLC薄膜からなる第2のコーティング層のみをコーティングしてなるガラス成形用型(比較例1)に認められる、ガラス成形を一定の回数反復した場合の成形ガラスの付着、またはガラス成形面の剥離の程度
が改善され、もしくはガラスの付着や第2のコーティング層の剥離が認められなくなる。
特に、DLC膜の層(第2のコーティング層)の下地層を形成している第1のコーティング層を構成する合金組成がMo又はCrと、Ir、Re又はPtである場合(実施例6〜8、18〜、30〜32等)には、DLC膜の層(第2のコーティング層)の剥離が若干認められるものの、ガラス成形面へのガラスの付着は認められない。また、貴金属の含有割合が20〜70重量である第1のコーティング層をガラス成形面の上に積層したガラス成形用型では、ガラス成形面へのガラスの付着も、ガラス成形面のDLC膜の層(第2のコーティング層)の剥離もほとんど認められない。
本発明の成形型を模式的に示す断面図である。 実施例で用いた光学素子のプレス成形装置を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 光学ガラス素子成形用型
2、3 ガラス成形用型基材
4 第1のコーティング層
5 第1のコーティング層
10 チャンバー
11 ヒータ
12 下軸
13 上軸
14 エアーシリンダー

Claims (5)

  1. 耐熱性があり緻密で熱伝導性の高い光学ガラス素子成形用型基材の光学ガラス素子成形面に、(i)クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)の中の少なくとも1種のVIa族金属と、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)及びロジウム(Rh)の中の少なくとも1種の貴金属との合金からなる第1のコーティング層、及び(ii)ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる第2のコーティング層をこの順に積層してなることを特徴とする光学ガラス素子成形用型。
  2. 前記合金が(i)クロム(Cr)又はモリブデン(Mo)のVIa族金属と、(ii)イリジウム(Ir)、レニウム(Re)及び白金(Pt)の中のいずれかの貴金属との合金からなることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス素子成形用型。
  3. 前記第1のコーティング層中の前記貴金属の含有量が40〜80重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス素子成形用型。
  4. 前記第1のコーティング層の厚みが0.1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス素子成形用型。
  5. 前記第2のコーティング層の厚みが0.1〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス素子成形用型。

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