以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る印刷処理システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
この印刷処理システムは、ホスト端末10とプリンタ30を通信ネットワーク50を介して接続して構成される。
ホスト端末10は、例えば、パーソナル・コンピュータ(PC)を用いて実現される文書処理装置であり、キーボードやマウス等の入力デバイスから成る入力/操作部11、各種情報の表示を行う表示部12、各種情報を記憶する記憶部13、装置全体の制御を行う制御部14、通信ネットワーク50とのインタフェースを司るネットワーク・インタフェース(NW I/F)部15を備えて構成される。
制御部14には、アプリケーションを起動して文書を作成する文書作成処理、及び、作成された文書情報に対してアプリケーションにより印刷指示が与えられると、該文書情報を印刷するための印刷ジョブを生成してプリンタ30に送付する印刷指示処理を実現するための制御機能が備わる。
特に、本発明に係わるホスト端末(ホストPC)10の制御部14には、上述した文書情報の印刷指示に際し、プリンタ30で印刷実行中に発生する可能性のある、例えば、トナー切れ、用紙切れ、排紙ビンの満杯(排紙容量超過)等の各種の事象と該事象が発生した時に適用する適用動作の関係を指定する事象/動作指定処理部141と、印刷指示された文書情報に基づく印刷データと、事象/動作指定処理部141により指定された事象と適用動作の関係を示す制御データとを組み合わせた印刷ジョブを生成し、NW I/F部15を通じてプリンタ30に送出する印刷ジョブ生成部143が設けられる。
一方、プリンタ30は、通信ネットワーク50とのインタフェースを司るネットワーク・インタフェース(NW I/F)部31、ホスト端末10から送信され、NW I/F31を通じて受信される上記印刷ジョブ中の印刷データの解析、ビットマップ展開等の画像処理を行う画像処理部32、画像処理部32の画像処理により生成された画像データ(ビットマップデータ)に基づき記録用紙上に画像を形成(印刷)する画像形成部33、タッチパネル等から成る操作/表示部34、印刷処理プログラム等の各種情報を記憶する記憶部35、印刷処理プログラムに従い、上記画像データ(ビットマップデータ)に基づく画像形成部33での文書情報の印刷をはじめとする装置全体の制御を行う制御部36を備えて構成される。
プリンタ30において、画像形成部33は、例えば、電子写真プロセスにより記録用紙上に画像を印刷するものであり、感光体ドラムの周辺に、画像データによって変調したレーザ光を用いた露光走査によって該画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム上に形成する露光部、黒,イエロー,マゼンタ,シアン等の各色のトナー供給部から各色のカラートナーを供給して静電潜像をトナー像化(現像)する現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を記録用紙に転写する転写部を備えると共に、転写部の下流側には、記録用紙に転写されたトナー像を加熱定着する定着部を備える。
更に、プリンタ30には、紙質やサイズ等が異なる複数種類の記録用紙を各々収容する複数の給紙トレイ、印刷(トナー像加熱定着)後の記録用紙を排出する複数の排紙ビン、各給紙トレイから収容されている各用紙を1枚ずつ繰出して転写部まで搬送すると共に、該転写部でトナー像が転写された記録用紙を定着部を通過搬送させて加熱定着した後、更に、該加熱定着後の記録用紙を上記複数の排紙ビンのいずれかに選択的に排出せしめるべく搬送する用紙搬送機構等が備わる。
また、このプリンタ30の制御部36は、ホスト端末10からNW I/F部31を通じて印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブに含まれる印刷データを基に画像処理部32で画像データを生成させたうえで、該生成された画像データに基づき露光部での露光走査により感光体ドラム上に該画像データに応じた静電潜像を形成させ、現像部で各色のトナー供給部から各色のトナーを供給して該静電潜像をトナー像化する一方で、該印刷データに適合する記録用紙種別を特定して該種別の記録用紙を該当する給紙トレイから1枚ずつ繰出して転写部の転写位置まで搬送し、該転写位置に記録用紙が到達した際に、感光体ドラム上のトナー像を該記録用紙上に転写させ、更に、該記録用紙を下流側の定着部まで搬送して該定着部により転写トナー像を加熱定着した後、当該印刷データの特性に対応する排紙ビンを選択して該排紙ビンに排出するという流れの印刷処理を制御する機能を有する。
特に、本発明特有の構成として、プリンタ30の制御部36には、ホスト端末10からNW I/F部31を通じて受信される印刷ジョブ(印刷データと制御データから成る)中の印刷データと制御データを分別識別するデータ識別部361と、データ識別部361により印刷データと分別識別された制御データを、プリンタ30での印刷中に該制御データ中の事象が発生した時に当該制御データ中の事象に対応付けられている適用動作を適用させる制御を実施するための事象/動作制御データ351として、例えば、記憶部35に登録(保持)する制御データ登録処理部362が設けられる。
また、この制御部36には、ホスト端末10から受信した印刷ジョブに含まれる印刷データを画像処理部32に渡して画像データ(ビットマップデータ)を生成させ、該画像データに基づき画像形成部33により画像(文書情報)を印刷させる基本印刷処理機能に加えて、該印刷処理の実行中、プリンタ30の記憶部35に登録済の事象/動作制御データ351に基づき、該プリンタ30で該事象/動作制御データ351中の該当する事象が発生した場合、該事象に関連付けて当該事象/動作制御データ351に登録されている適用動作を適用させて上記印刷処理を行わせるプリント制御部363が設けられる。
以下、本発明に係わる印刷処理システムのホスト端末10及びプリンタ30の処理動作について説明する。
図2は、本発明に係わる印刷処理システムのホスト端末10における印刷ジョブ配布処理を示すフローチャートである。
この印刷ジョブ配布処理において、ホスト端末10は、例えば、自装置で生成した文書情報のリストを表示部12に表示して、その中から、印刷を希望する文書情報を選択した後(ステップS101)、事象/動作指定処理(ステップS102)を行う。
この事象/動作指定処理を開始するには、操作者は、例えば、入力/操作部11での所定の事象/動作指定開始操作を行う。これにより、事象/動作指定処理部14h、表示部12に、例えば、図3に示すような事象/適用動作指定画面120を表示させる。
この事象/適用動作指定画面120は、プリンタ30で印刷中に発生する可能性のある事象を指定する事象指定ツール121と、事象指定ツール121で指定した事象がプリンタ30で印刷中に発生した場合に該プリンタ30に適用する適用動作を該事象に対応付けて指定する適用動作指定ツール122と、事象指定ツール121を用いて指定した事象と、適用動作指定ツール122を用いて指定した適用動作の対応関係を各組毎に表示する指定内容表示欄123と、「指定」ボタン124及び「指定完了」ボタン125を表示して成る。
この事象/適用動作指定画面120において、事象指定ツール121は、プリンタ30で文書情報の印刷中に発生する可能性のある事象として、例えば、当該文書情報を印刷すべき色のトナーがなくなったことを意味する“トナー切れ”、当該文書情報を印刷すべき記録用紙がなくなったことを意味する“用紙切れ”、当該文書情報印刷後の記録用紙を排出する排紙ビンの排紙容量が超過したこと(満杯になったこと)を意味する“排紙容量超過”等の各事象を選択的に指定できる構成となっている。
また、この事象/適用動作指定画面120上の適用動作指定ツール122は、上記事象指定ツール121を用いて直前に指定した各事象(トナー切れ、用紙切れ、排紙容量超過)に対して、それぞれ、当該印刷ジョブをアボートすることを意味する“アボート”、当該印刷ジョブを代わりの媒体(代替トナー、代替記録用紙、代替排紙ビン)を用いて続行することを意味する“印刷継続”、当該印刷ジョブを停止することを意味する“印刷停止”等の適用動作を選択的に指定できる構成となっている。
操作者は、この事象/適用動作指定画面120を用い、例えば、事象指定ツール121で所望の事象を指定し、次いで、適用動作指定ツール122で該事象に関係付ける適用動作を指定した後、「指定」ボタン124を押下することにより、指定内容表示欄123の1つの欄に、直前に指定された事象と適用動作の対応関係が指定内容として表示される。
同様の操作を複数回繰り返すことで、操作者は、事象と適用動作の対応関係を複数組指定することができ、その指定内容は、指定内容表示欄123の各欄に指定順に表示される。
一方、ホスト端末10には、例えば、記憶部13の所定エリアに、上記事象指定ツール121により指定可能な各事象(トナー切れ、用紙切れ、排紙容量超過)と、上記適用動作指定ツール122により指定可能な各適用動作(アボート、印刷停止、印刷継続)の対応関係を定義した幾つかの定義ファイルが格納されている。
図4は、ホスト端末10に格納される、事象と該事象発生時に適用する適用動作の対応関係を定義した定義ファイルの一例を示す表図である。
この例では、番号(NO.)1〜9までの9個の定義ファイルが格納されている。
この中で、番号1の定義ファイルは、印刷に用いるトナーがなくなった(切れた)場合(“IMISMATCH”)に当該印刷ジョブをアボート(“ABORT”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号2の定義ファイルは、同じく、印刷に用いるトナーが切れた場合(“IMISMATCH”)に代わりのトナーを用いて当該印刷ジョブを続行し(“CONTINUE”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号3の定義ファイルは、同じく、印刷に用いるトナーが切れた場合(“IMISMATCH”)に当該印刷ジョブを停止し(“STOP”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
また、番号4の定義ファイルは、印刷に用いる記録用紙がなくなった(切れた)場合(“PEMPTY”)に該印刷ジョブをアボート(“ABORT”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号5の定義ファイルは、同じく、印刷に用いる記録用紙が切れた場合(“PEMPTY”)に代わりの記録用紙を用いて当該印刷ジョブを続行し(“SUBSTITUTE”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号6の定義ファイルは、同じく、印刷に用いる記録用紙が切れた場合(“PEMPTY”)に当該印刷ジョブを停止し(“STOP”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号7の定義ファイルは、印刷後の記録用紙を排出する排紙ビンが満杯(排紙容量超過)になった場合(“BINFULL”)に当該印刷ジョブをアボート(“ABORT”)し、その旨を通知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号8の定義ファイルは、同じく、印刷後の記録用紙を排出する排紙ビンが満杯になった場合(“BINFULL”)に代わりの排紙ビンを自動選択して当該印刷ジョブを続行し(“AUTOSWITCH”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
番号9の定義ファイルは、同じく、印刷後の記録用紙を排出する排紙ビンが満杯になった場合(“BINFULL”)に当該印刷ジョブを停止し(“STOP”)し、その旨を報知する(“COPIES=1 END”)ことを定義付けた内容となっている。
かかる構成において、操作者が、事象/適用動作指定画面120上で、事象指定ツール121、適用動作指定ツール122及び「指定」ボタン124を用いて複数組みの事象/適用動作を指定した後、「指定完了」ボタン125を押下すると、事象/動作指定処理部141は、事象/適用動作指定が終了したと認識し(ステップS103YES)、その時点における指定内容(指定内容表示欄123に表示された各組の事象/適用動作の関係付け)を確定し、該指定内容を印刷ジョブ生成部143に通知する。
一方、印刷ジョブ生成部143は、上記事象/適用動作指定画面120を用いた事象/適用動作指定操作の終了(ステップS103YES)後、印刷ジョブの生成処理(ステップS104〜S106)を実行する。
この印刷ジョブ生成処理において、印刷ジョブ生成部143は、まず、ステップS101で印刷対象として選択されている文書情報に基づき印刷データを作成する(ステップS104)。
次いで、印刷ジョブ生成部143は、この印刷データに付加する制御データを生成する。この制御データの生成処理では、例えば、事象/適用動作指定操作の終了(ステップS103YES)時点で、事象/動作指定処理部141によって確定された指定内容(事象と適用動作の関係)を基に該指定内容に対応する定義ファイルを記憶部13から読出し、該読み出した定義ファイルを基に上記印刷データに付加する制御データを生成する(ステップS105)。
この処理においては、例えば、事象/適用動作指定画面120で、事象=“トナー切れ”に対して適用動作=“アボート”が指定されている場合には、図4における番号1の定義ファイルが読み出される。
同様に、事象/適用動作指定画面120上で、事象=“トナー切れ”に対して適用動作=“印刷継続”が指定されている場合、適用動作=“印刷停止”が指定されている場合は、それぞれ、図4における番号2、番号3の定義ファイルが読み出される。
また、事象/適用動作指定画面120上で、事象=“用紙切れ”に対して適用動作=“アボート”が指定されている場合、適用動作=“印刷継続” が指定されている場合、適用動作=“印刷停止”が指定されている場合は、それぞれ、図4における番号4、番号5、番号6の定義ファイルが読み出される。
また、事象/適用動作指定画面120上で、事象=“排紙容量超過”に対して適用動作=“アボート”が指定されている場合、適用動作=“印刷継続” が指定されている場合、適用動作=“印刷停止”が指定されている場合は、それぞれ、図4における番号7、番号8、番号9の定義ファイルが読み出される。
このように、ステップS102での事象/適用動作指定での指定内容に応じた定義ファイルの読み込みによって制御データを生成(ステップS105)した後、更に、印刷ジョブ生成部143は、上記ステップS104で生成した印刷データと当該ステップS105で生成した制御データを組み合せた印刷ジョブを生成し(ステップS106)、該印刷ジョブをNW I/F部15から通信ネットワーク50を通じてプリンタ30に送出する(ステップS107)。
図5は、図2に示した一連の印刷ジョブ配布処理中、ステップS101で選択された文書情報に基づきステップS104で生成される印刷データ、ステップS102での事象/適用動作指定に基づきステップS105で読み出される定義ファイル、及び上記ステップS106で生成される印刷ジョブの各例を示す図である。
この例では、印刷対象の文書情報として、例えば、番号=000001〜000100で識別される100頁(100人分)にわたる給与明細データが選択され、印刷ジョブ生成部143は、該給与明細データを基に図5(a)に示す内容の印刷データを生成している。
この印刷データにおける先頭部の数値(「01」,「02」等)は画像の印刷色を指示するものであり、この例では、「01」は白黒画像として印刷することを示し、「02」はハイライトカラーとして赤色を用いて印刷することを示している。
また、この例では、上記文書情報(給与明細データ)に対して、操作者が、図3に示す事象/適用動作指定画面120上で、事象指定ツール121で事象=“トナー切れ”を指示し、かつ適用動作指定ツール122で適用動作=“アボート”を指定することにより、印刷ジョブ生成部143は、図5(b)に示すように、該印刷データの各頁の印刷中に該当する色のトナー切れが発生した場合に当該印刷ジョブをアボートしてその旨を通知することを意味する内容の定義ファイル(図4における番号1の定義ファイル)を読み出している。
そして、この例において、印刷ジョブ生成部143は、図5(a)に示す印刷データと、図5(b)に示す定義ファイルとから、図5(c)に示すように、上記定義ファイルの内容を基に生成された制御データ部分(レコード1及び2に該当する部分)と、上記印刷データに対応するデータ部分(レコード3〜レコード102に該当する部分)とを組み合わせた印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブをプリンタ30に送出している。
次に、プリンタ30における印刷ジョブの受信処理について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図6に示すように、プリンタ30は、待機中、ホスト端末10から印刷ジョブが受信されたか否かを監視している(ステップS201)。
ここで、ホスト端末10から送出された印刷ジョブがNW I/F部31を通じて受信されると(ステップS201YES)、制御部36は、該印刷ジョブをデータ識別部361に取り込む。これにより、データ識別部361は該印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別して識別する処理(ステップS202)を行う。
この識別処理を実現するためには、例えば、印刷データと制御データの識別情報として、特定のバイト列が制御データの開始〔例えば、図5(c)のレコード1に相当するバイト列〕/終了〔同、図5(c)のレコード2のバイト列〕を示すことを、事前に、送信側(ホスト端末10側)と受信側(プリンタ30側)との間で取り決めておく方法がある。
この取り決めが事前になされている前提の下で、データ識別部361は、受信した印刷ジョブ中の上記取り決めに基づく特定のバイト列の値をチェックして、「開始」と「終了」が記述されている場合にはこの間のデータが制御データである(制御データが付加されている)として印刷データと分別認識する(ステップS202)。
また、この時、制御データ登録処理部362は、データ識別部361による上記分別識別結果を基に、印刷ジョブが印刷データに制御データが付加されたものか否かをチェックする(ステップS203)。
ここで、印刷ジョブが制御データを付加したものでないと判断した場合(ステップS203NO)、プリント制御部363は、該印刷ジョブに含まれる印刷データを画像処理部32に渡して通常の印刷処理(上述した基本印刷処理機能による印刷処理)を実行する(ステップS204)。
これに対し、受信した印刷ジョブが印刷データと制御データから成るものであると判断した場合(ステップS203YES)、次いで、制御データ登録処理部362は、データ識別部361によって分別識別された制御データを、印刷中に該制御データ中の事象が発生した時に当該制御データ中の事象に対応付けられている適用動作を適用させる制御を実施するための事象/動作制御データ351として、記憶部35の所定エリアに登録する(ステップS205)。
図7は、ステップS205における事象/動作制御データの登録例を示す表図である。
図7(a)に示す例では、該当する色のトナーが切れている時には当該印刷ジョブをアボートし、その旨を報知することを意味する「IMISMATCH=ABORT COPIES:1」が事象/動作制御データ351aとして登録されている。
この他、ホスト端末10から送られてくる印刷ジョブ中の制御データの内容によっては、図7(b)に示すように、例えば、上述した「IMISMATCH=ABORT COPIES:1」に加えて、該当する記録用紙が切れている時には代替の記録用紙を選んで当該印刷ジョブを続行し、その旨を報知することを意味する「PEMPTY=SUBSTITUTE COPIES:1」や、該当する排紙ビンが満杯(排紙容量超過)の時には代わりの排紙ビンに自動的に切換えて当該印刷ジョブを続行し、その旨を報知することを意味する「BINFULL=AUTOSWITCH COPIES:1」等、複数組の事象/動作適用条件を含む事象/動作制御データ315bが登録される場合もある。
上記事象/動作制御データ315の登録後、プリント制御部363は、受信した印刷ジョブから印刷データ(制御データを除いたデータ部分)を取り出して画像処理部32に渡し、該印刷データの印刷開始を画像処理部32に指示する。
画像処理部32は、印刷開始の指示を受けると、受取った印刷データを頁順に印刷する準備として、まず、印刷対象頁を「1」にセットし(ステップS206)、該印刷データの該当頁(1頁目)を解析してビットマップ展開等の画像処理を施す(ステップS207)。
その際、プリント制御部363は、記憶部35に登録されている事象/動作制御データ351を基に監視対象の事象〔図7(a)の例では、IMISMATCH(トナー切れ)〕を特定し、画像処理部32における当該頁の印刷データの解析結果(同、印刷する色)とも突合せながら、自装置において当該事象が発生したか否か(同、当該印刷色に対応するトナーがなくなっているか否か)をチェックする(ステップS208)。
ここで、監視対象の事象が発生していない(例えば、当該頁が白黒画像でかつ黒色トナーが装填されていることにより)と判定された場合(ステップS209NO)、プリント制御部363は、画像処理部32により生成された当該頁(1頁目)のビットマップデータを画像形成部33に転送して当該頁の画像を印刷出力させる(ステップS210)。
引き続き、プリント制御部363は、次の頁があるか否かをチェックし(ステップS215)、次の頁があれば(ステップS215YES)、ステップS206以降の処理〔ステップS206では印刷対象頁を「1」だけ加算した値にセットし、ステップS207では該印刷データの該当頁(2頁目)を解析してビットマップ展開等の画像処理を施す〕を続行し、次の頁がなければ(ステップS215NO)、印刷処理を終了する。
これに対し、上記ステップS209において、監視対象の事象が発生している(例えば、当該頁が赤色でハイライトカラー印刷する画像でかつ赤色を再現する色トナーが装填されていないことにより)と判定された場合(ステップS209YES)、プリント制御部363は、記憶部35に登録されている事象/動作制御データ351を参照し、該発生している事象に対応する適用動作が何であるかをチェックする(ステップS211)。
その際、例えば、図7(a)の例のように、発生している事象に対する適用動作が「ABORT」の場合(ステップS211でABORT)、プリント制御部363は、当該印刷ジョブをアボートするように制御する(ステップS212)。
更に、この例の場合、事象/動作制御データとして、「IMISMATCH=ABORT」に関連付けて「COPIES:1」も登録されていることから、当該印刷ジョブのアボートを実行した場合、その旨を示すメッセージを印刷出力して操作者に報知する処理も合わせて実施される。
また、発生している事象に対する適用動作が「STOP」の場合(ステップS211でSTOP)、プリント制御部363は、当該印刷ジョブの印刷処理を停止するように制御する(ステップS213)。
また、発生している事象に対する適用動作が印刷続行(CONTINUE)である場合(ステップS211でCONTINUE)、プリント制御部363は、画像処理部32により生成された当該頁のビットマップデータを画像形成部33に転送し、当該事象が発生していない時に用いる媒体(例えば、赤色のハイライトカラーを再現する色トナー)と同種の別の媒体(例えば、青色のハイライトカラーを再現する色トナー)を代替用として選択し、該代替用媒体を用いて(適用動作を適用して)当該頁の画像を印刷出力させる(ステップS214)。
そして、このステップS214における印刷出力の完了後、プリント制御部363は、ステップS215以降の処理を、全頁の印刷が完了する(ステップS215NO)まで続行する。
なお、図6では、受信した印刷ジョブから分別識別された制御データを基に、事象=IMISMATCH(トナー切れ)に関する事象/動作制御データ351が登録された場合の印刷処理動作を主体に説明したが、事象=PEMPTY(用紙切れ)、あるいは、事象=BINFULL(排紙容量超過)に関する事象/動作制御データ351が登録された場合も、該登録データに基づく事象/動作適用制御による印刷処理を実現できる。
例えば、受信した印刷ジョブから分別識別された制御データを基に、プリンタ30で用紙切れが発生した場合には、代替用紙を選択して当該印刷ジョブを続行し、その旨を報知することを意味する「PEMPTY=SUBSTITUTE COPIES:1」が事象/動作制御データ351として登録された場合の印刷処理においては、図6のステップS209で当該監視対象の事象(=用紙切れ)が発生すると、ステップS211で適用動作がSUBSTITUTE(代替印刷)であることが認識され、続くステップS214では、例えば、正規の記録用紙であるA4サイズの記録用紙に代えてB4サイズの記録用紙が該当する給紙トレイから給紙されることで印刷が続行される。
また、受信した印刷ジョブに含まれる制御データを基に、プリンタ30で排紙ビンが満杯になった場合には、別の排紙ビンに切換えて記録済用紙を排出し、その旨を報知することを意味する「BINFULL=AUTOSWITCH COPIES:1」が事象/動作制御データ351として登録された場合の印刷処理においては、図6のステップS209で当該監視対象の事象(=排紙容量超過)が発生すると、ステップS211で適用動作がAUTOSWITCH(自動切換)であることが認識され、続くステップS214では、記録済用紙の排出経路が、正規の排紙ビン1から代替用の排紙ビン2の自動的に切換えられて当該記録済用紙が排出されることで印刷が続行される。
次に、本発明に係わる印刷処理システムの印刷処理動作について、図8〜図10を参照し、具体例を挙げて説明する。
第1の例:
第1の例として、ホスト端末10の記憶部13に、例えば、頁数が100頁で、1〜90頁目までは白黒、91頁〜100頁目は、ハイライト色として「赤」が使用されている文書情報aが格納されており、該文書情報aを事象/動作指定付きでプリンタ30により印刷する場合について説明する。
この時、プリンタ30は、黒トナーは100頁印刷可能分存在するが、ハイライト色のカラートナーとしては青色トナー(青色を再現可能なトナー:青色再現トナー)のみが装填され、赤のハイライト色を使用できる状態にない(赤色再現トナー非装填)ものとする。
また、この時、ホスト端末10では、操作者が、文書情報aを印刷対象文書情報として選択した後、事象/動作指定において、ハイライト色のカラートナーがプリンタ30に装填されていない場合(事象=IMISMATCHの時)に当該印刷ジョブをアボートする(適用動作=ABORT)ことを意味する「IMISMATCH:ABORT」を指定したものとする。
図8は、この場合におけるホスト端末10側での印刷ジョブ生成処理〔同図(a)参照〕と、プリンタ30側における該印刷ジョブの受信に基づく印刷処理〔同図(b)参照〕の流れを示す概念図である。
図8(a)に示すように、ホスト端末10において、印刷ジョブ生成部143は、文書情報aを基に100頁分の印刷データを生成する一方で、上記事象/適用動作指定に従い、「IMISMATCH:ABORT」に対応する定義ファイルを読み出し、上記印刷データと上記定義ファイルに記述された「IMISMATCH:ABORT」を適宜に組み合わせた印刷ジョブを生成し、プリンタ30に送信する。
一方、プリンタ20では、図8(b)に示すように、ホスト端末10から印刷ジョブを受信すると、データ識別部361が、印刷ジョブ中から印刷データと制御データを分別識別し、制御データ登録処理部362が、該制御データを基に、「IMISMATCH=ABORT」という事象/動作制御データ351を記憶部35に登録する。
次いで、プリント制御部363は、登録された事象=IMISMATCHに基づいて、印刷頁の印刷色に対応するトナーが不足していないかについて印刷データを1頁目から順に解析しながら印刷を実行する。
この例の文書情報aを印刷する場合は、1頁目〜90頁目までは白黒画像データであるために、黒色トナーが存在する本ケースにあっては事象=IMISMATCHが検出されず、これら1頁目〜90頁目の画像データを用いて、1頁目〜90頁目までの90枚の印刷物が、順次、画像形成部33にて印刷出力される。
解析対象の印刷頁数が91頁目に達すると、当該頁を印刷する前に当該頁がハイライトカラー=赤の画像データであることが解析され、この時に赤色を再現できるトナーが存在しないことがチェックされる結果、事象=IMISMATCHが検出される。
これにより、プリント制御部363は、登録されている事象/動作制御データをチェックして事象=IMISMATCHに対する適用動作=ABORTを認識し、この適用動作を適用し、91頁目以降を印刷するプログラムをABORTする。
また、同じ印刷データを、事象=IMISMATCHに対して適用動作=CONTINUEを指定する制御データを組み合わせてホスト端末10から送信した場合には、プリンタ30では、事象/動作制御データ351として「IMISMATCH=CONTINUE」を登録し、プリント制御部363は、該制御データ351に基づき、91頁目を出力し始める際に、青色トナーがあり、かつ、置き換えて印刷する旨の適用動作=CONTINUEが登録されていることにより、91頁目以降を装填されているハイライト色である青に置き換えて印刷を自動継続する。
また、同じ印刷データを、事象=IMISMATCHに対して適用動作=STOPを指定する制御データを組み合わせてホスト端末10から送信した場合には、プリンタ30では、事象/動作制御データ351として「IMISMATCH=STOP」を登録し、プリント制御部363は、該制御データ351に基づき、91頁目を出力し始める際に、赤色再現トナーが装填されていないことを認識した時点で、印刷を停止し、オペレータに対して何等かの対処(トナーの交換、装填されているトナーを使って印刷を継続、印刷ジョブのアボート等)を要求する処理を行う。
第2の例:
第2の例として、ホスト端末10から上記文書情報aを事象/適用動作指定付きでプリンタ30により印刷させる場合、操作者は、印刷対象文書情報として文書情報aを選択した後の事象/適用動作指定において、該当する給紙トレイに記録用紙がなくなった場合(事象=PEMPTYの時)に対応する適用動作を指定することができる。
ここで、操作者が、給紙元の給紙トレイに記録用紙がなくなった場合(事象=PEMPTYの時)に、代替用紙に印刷する(適用動作=SUBSTITUTE)ことを意味する「PEMPTY=SUBSTITUTE」を指定し、この時に、プリンタ30側には、この時の文書情報aの頁サイズである例えばA4サイズの記録用紙を給紙する給紙トレイ中にA4サイズの記録用紙が50枚しか残っておらず、B4サイズの記録用紙には100枚以上の用紙残枚数があるものとする。
図9は、この場合におけるホスト端末10側での印刷ジョブ生成処理〔同図(a)参照〕と、プリンタ30側における該印刷ジョブの受信に基づく印刷処理〔同図(b)参照〕の流れを示す概念図である。
図9(a)に示すように、この場合、ホスト端末10において、印刷ジョブ生成部143は、文書情報aを基に100頁分の印刷データを生成する一方で、上記事象/動作指定内容に従い、「PEMPTY:SUBSTITUTE」に対応する定義ファイルを読み出し、上記印刷データと上記定義ファイルに記述された「PEMPTY:SUBSTITUTE」を適宜に組み合わせた印刷ジョブを生成し、プリンタ30に送信する。
一方、プリンタ30では、ホスト端末10から印刷ジョブを受信すると、図9(b)に示すように、データ識別部361が、印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別識別し、制御データ登録処理部362が、該制御データを基に「PEMPTY=SUBSTITUTE」という事象/動作制御データ351を記憶部35に登録する。
次いで、プリント制御部363は、登録された事象=PEMPTYに基づいて、文書情報aの印刷サイズに適合するサイズの記録用紙の給紙元給紙トレイを特定し、該給紙トレイが記録用紙切れになっていないかどうかについて印刷データを1頁目から順に解析しながら印刷を実行する。
この例では、文書情報aを記録開始する時点でA4サイズの記録用紙が50枚残っているため、50頁目までは規定の記録用紙(A4サイズの記録用紙)に対して各頁の画像データが印刷されていく。
解析対象の印刷頁数が51頁目に達すると、登録済の事象=PEMPTYであるとの解析のもとに、当該頁の印刷サイズであるA4サイズの記録用紙が該当給紙トレイ内からなくなったことがチェックされる結果、事象=PEMPTYが検出される。
これにより、プリント制御部363は、登録されている事象/動作制御データ351をチェックして事象=PEMPTYに対する適用動作=SUBSTITUTEを読出し、この適用動作を適用し、当該頁(51頁)以降の印刷を継続する。
特に、この例では、事象=PEMPTYに対して適用動作=SUBSTITUTEが指定されているため、規定サイズの記録用紙がなくなった51頁目以降は、代替用紙としてB4の記録用紙を該当給紙トレイから選択的に給紙しながら、100頁目までを順次、印刷出力して行き、100頁目の印刷完了時点で一連の印刷処理を終了する。
なお、この第2の例において、同じ印刷データ(文書情報a)を、事象=PEMPTYに対して適用動作=ABORTを指定する制御データを組み合わせて送信した場合には、プリンタ30のプリント制御部は、51頁目を出力し始める際に、規定の記録用紙がなくなり、かつ、ABORTすることを示す適用動作=ABORTが登録されていることにより、51頁目の印刷処理の前に当該印刷プログラムをアボートする。
また、同じ印刷データを、事象=PEMPTYに対して適用動作=STOPを指定する制御データを組み合わせて送信した場合には、プリンタ30のプリント制御部363は、51頁目を出力し始める際に、規定の記録用紙がなくなったことを認識した時点で、適用動作=STOPをチェックすることにより印刷を停止し、オペレータに対して何等かの対処(規定サイズの用紙の装填、装填されている代替用紙を使って印刷を継続、印刷ジョブの停止等)を要求する処理を行う。
第3の例:
第3の例として、ホスト端末10から上記文書情報aを事象/動作指定付きでプリンタ30により印刷させる場合、操作者は、文書情報aを印刷対象文書情報として選択した後の事象/動作指定において、排紙先として指定されている例えば排紙ビン1が満杯(排紙容量超過)の場合(事象=BINFULLの時)に対応する適用動作を指定することができる。
ここで、操作者が、指定されている排紙ビン1が満杯の場合(事象=BINFULLの時)に、排紙ビンを自動的に切換える(適用動作=AUTOSWITCH)ことを意味する「BINFULL:AUTOSWITCH」を指定したものとする。
一方で、プリンタ30は、排紙ビン1,排紙ビン2の2つの排紙ビンを備え、当該印刷ジョブの受信時、この時の印刷ジョブに含まれる文書情報aの印刷後排紙先である排紙ビン1の残り排紙枚数が50枚で、かつ、代替用として用い得る排紙ビン2の残り排紙枚数が50枚以上あるものとする。
図10は、この場合におけるホスト端末10側での印刷ジョブ生成処理〔同図(a)参照〕と、プリンタ30側における該印刷ジョブの受信に基づく印刷処理〔同図(b)参照〕の流れを示す概念図である。
図10(a)に示すように、この場合、ホスト端末10では、印刷ジョブ生成部143が、文書情報aを基に100頁分の印刷データを生成する一方で、上記事象/動作指定内容に従い、「BINFULL:AUTOSWITCH」に対応する定義ファイルを読み出し、上記印刷データと上記定義ファイルに記述された「BINFULL:AUTOSWITCH」を適宜に組み合わせた印刷ジョブを生成し、プリンタ30に送信する。
一方、プリンタ30では、ホスト端末10から印刷ジョブを受信すると、図10(b)に示すように、データ識別部361が、印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別識別し、制御データ登録処理部362が、該制御データを基に「BINFULL=AUTOSWITCH」という事象/動作制御データ351を記憶部35に登録する。
次いで、プリント制御部363は、登録された事象=BINFULLに基づいて、文書情報aの印刷後の排紙先を特定し、該排紙先である排紙ビン1が排紙可能枚数内にあるかどうかについて印刷データを1頁目から順に解析しながら印刷を実行する。
この例では、文書情報aを記録開始する時点で排紙ビン1の排紙可能枚数が50枚残っているため、50頁目までは各頁の画像データが順次印刷され、各頁の印刷済用紙は順次排紙ビン1に対して正常に排紙される。
解析対象の印刷頁数が51頁目に達すると、登録済の事象=BINFULLであるとの解析のもとに、当該頁の排出先である排紙ビン1が排紙可能枚数=0枚になったことがチェックされる結果、事象=BINFULLが検出される。
これにより、プリント制御部363は、登録されている事象/動作制御データをチェックして事象=BINFULLに対する適用動作=AUTOSWITCHを読出し、この適用動作を適用し、当該頁(51頁)以降の印刷を継続する。
特に、この例では、事象=BINFULLに対して適用動作=AUTOSWITCHが指定されているため、規定の排紙ビン1が排紙容量満杯になった51頁目以降、代替の排紙ビンとして排紙ビン2を選択したうえで、100頁目までを順次、印刷して、当該代替排紙ビン2の排紙して行き、100頁目の印刷完了時点で一連の印刷処理を終了する。
なお、この第3の例において、同じ印刷データ(文書情報a)を、事象=BINFULLに対して適用動作=ABORTを指定する制御データを組み合わせて送信した場合には、プリンタ30のプリント制御部363は、51頁目を出力し始める際に、規定の排紙ビン1の排紙容量が満杯となり、かつ、ABORTすることを示す適用動作=ABORTが登録されていることにより、51頁目の印刷処理の前に当該印刷プログラムをアボートする。
また、同じ印刷データを、事象=BINFULLに対して適用動作=STOPを指定する制御データを組み合わせて送信した場合には、プリンタ30のプリント制御部363は、51頁目を出力し始める際に、規定の排紙ビン1の排紙容量が満杯に達したことを認識した時点で、適用動作=STOPをチェックすることにより印刷を停止し、オペレータに対して何等かの対処(規定ビンの排紙の取り出し、代替の排紙ビンを使って印刷を継続、印刷ジョブの停止等)を要求する処理を行う。
このように、本発明では、ホスト端末10側では、プリンタ30で発生し得る事象と該事象発生時に適用する適用動作の関係を文書情報の印刷指示に合わせて指定し、該印刷指示された文書情報に基づく印刷データと、指定された事象と適用動作の関係を示す制御データとを組み合わせた印刷ジョブを作成してプリンタ30に送出する一方で、プリンタ30側では、ホスト端末10側から送られる上記印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別識別して該制御データ(事象/適用動作制御データ)を登録したうえで、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づき画像形成部により文書情報を印刷させ、該印刷制御の実行中、当該プリンタ30で事象/動作制御データに含まれる事象が発生した場合、該事象/動作制御データに当該事象に関連付け登録されている適用動作を適用して上記印刷制御を行うようにしたものである。
かかる印刷処理によれば、プリンタ30側で発生する用紙切れ、トナー切れ、あるいは排紙容量超過等の自動継続が可能な場合がある事象に関して、該事象が印刷データの印刷実行中に発生する際の適用動作を印刷ジョブの作成時点で指定することができるため、印刷ジョブの特質に応じた適用動作を行なわせることができ、複数の印刷ジョブの形態や順序性に対する必要性を満たす範囲内で高い稼働率を維持できるようになる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記実施例では、ホスト端末10とプリンタ30を別体で設けて通信ネットワーク50により接続したシステム構成の例を挙げたが、ホスト端末10における印刷ジョブ生成機能を有する印刷指示部と、プリンタ30と同等の印刷処理機能を有する印刷部とを備える1つの印刷処理装置として実現することも可能である。
この場合の印刷処理装置は、印刷部で印刷処理中に発生する事象と該事象に対する適用動作の対応関係を指定する事象/適用動作指定手段と、印刷指示された文書情報に基づく印刷データと、事象/適用動作指定手段により指定された前記事象と該事象に対する適用動作の対応関係を示す制御データとを組み合わせた印刷ジョブを生成して送出する印刷ジョブ作成手段と、印刷ジョブ作成手段により作成された印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別識別する識別手段と、識別手段により識別された制御データを登録する登録手段と、印刷ジョブ中の印刷データに基づく印刷処理の実行中、登録手段に登録されている制御データに基づき該制御データ中の事象の発生状況を監視し、該事象が印刷部で発生した場合、制御データ中の当該事象に対応する適用動作を適用して印刷ジョブの印刷処理を行う印刷制御手段を設けた構成とすれば良い。
また、この場合の印刷処理装置はコンピュータを用い、該コンピュータに印刷処理プログラムを実装することで印刷処理装置として機能させることができる。
この場合の印刷処理プログラムは、印刷部で印刷処理中に発生する事象と該事象に対する適用動作の対応関係を指定する事象/適用動作指定処理と、印刷指示された文書情報に基づく印刷データと、事象/適用動作指定処理により指定された事象と該事象に対する適用動作の対応関係を示す制御データとを組み合わせた印刷ジョブを生成して送出する印刷ジョブ作成処理と、印刷ジョブ作成処理により作成された印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブ中の印刷データと制御データを分別識別する識別処理と、識別処理により識別された制御データを登録する登録処理と、印刷ジョブ中の印刷データに基づく印刷処理の実行中、登録処理により登録されている制御データに基づき該制御データ中の事象の発生状況を監視し、該事象が印刷部で発生した場合、制御データ中の当該事象に対応する適用動作を適用して印刷ジョブの印刷を行う処理とを上記のコンピュータに実行させるものである。
10…ホスト端末(ホストPC)、11…入力/操作部、12…表示部、120…事象/適応動作指定画面、121…事象指定ツール、122…適用動作指定ツール、123…指示内容表示欄、124…「指定」ボタン、125…「指定完了」ボタン、13…記憶部、14…制御部、141…事象/動作指定処理部、143…印刷ジョブ生成部、15…ネットワーク(NW) インタフェース(I/F)部、30…プリンタ、31…ネットワーク(NW) インタフェース(I/F)部、32…画像処理部、33…画像形成部、34…操作/表示部、35…記憶部、351,351a,351b…事象/動作制御データ、36…制御部、361…データ識別部、362…制御データ登録処理部、363…プリント制御部、50…通信ネットワーク