JP2007168019A - 金属容器のヘアライン加工方法及び加工装置 - Google Patents

Abstract

【課題】目詰まりを防止し得る金属容器のヘアライン加工方法及び加工装置を提供する。
【解決手段】円筒状の容器胴部１１表面に弾性砥石２０によって多数の微細な凹凸線条１３を形成する金属容器のヘアライン加工方法において、弾性砥石２０の加工部に洗浄液を流し、弾性砥石２０による切粉を洗い流しながら加工することを特徴とする。また、洗浄液として界面活性剤の入った中性洗剤を用い、切粉と同時に成形工程での油分を含む潤滑剤も同時に洗い流すことを特徴とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、金属容器の容器胴部外周に微細な凹凸洗浄を形成するヘアライン加工方法及び加工装置に関する。

従来のこの種の金属容器のヘアライン加工方法は、たとえば、特許文献１に記載のように、容器胴部をマンドレルに保持し、容器胴部と平行に配置される砥石等の加工具を相対回転させて容器胴部に接触させ、容器胴部表面に微細な凹凸線条を形成するようになっている。

しかし、形成される凹凸線条は極めて細い溝であるために、切り粉によって加工具が目詰まりしやすく、凹凸線条の加工精度も悪くなるという問題があった。
特開２００４−３０７００２

本発明は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ヘアライン加工手段の目詰まりを防止し得る金属容器のヘアライン加工方法及び加工装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本請求項１に係る発明にあっては、円筒状の容器胴部表面にヘアライン加工手段によって容器胴部表面に多数の微細な凹凸線条を形成する金属容器のヘアライン加工方法において、前記ヘアライン加工手段の加工部に洗浄液を流し、ヘアライン加工手段による切粉を洗い流しながら加工することを特徴とする。
請求項２に係る発明は、成形工程での油分を含む潤滑剤が付着した状態でヘアライン加工を行う構成で、洗浄液として界面活性剤の入った中性洗剤を用い、切粉と同時に成形工程での油分を含む潤滑剤も同時に洗い流すことを特徴とする。
請求項３に係る発明は、円筒状の容器胴部表面にヘアライン加工手段によって容器胴部表面に多数の微細な凹凸線条を形成する金属容器のヘアライン加工装置において、ヘアライン加工手段の加工部に洗浄液を流す洗浄液供給手段を設けたことを特徴とする。

本発明によれば、洗浄液によって加工具に付着した切り粉が洗い流されるので、ヘアライン加工手段の目詰まりが防止される。
特に、請求項２に係る発明によれば、金属容器の成形工程で付着した潤滑剤についても、界面活性剤を含む中性洗浄剤によって洗浄するようになっているので、潤滑剤の洗浄工程を削減することができ、生産性向上を図ることができる。

以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
図１は本発明の金属容器のヘアライン加工装置の概念図である。
すなわち、このヘアライン加工装置は、ヘアライン加工手段としての弾性砥石２０と、弾性砥石２０に金属容器１０を搬送するターンテーブル３０と、を備え、容器胴部１１表面に弾性砥石２０によって多数の微細な凹凸線条１３を形成するようになっている。そして、弾性砥石２０による加工部に対して、洗浄液を流す洗浄液供給手段としての洗浄ノズル４０が設けられている。

金属容器１０は、この実施例では絞り，しごき加工によって成形されたＤＩ缶で、容器胴部１１と底部１２が一体となっており、絞り，しごき工程での油分を含む潤滑剤が付着した状態でヘアライン加工が行われる。金属容器の材質としては、アルミニウム系材料でもよいし、ブリキ等の鋼板製のものでもよい。
弾性砥石２０は、砥粒を結合する結合材として軟質樹脂を用いたものであるが、ヘアライン加工手段としては、硬質の砥石を用いてもよいし、研削ベルトのようなベルト状のものを用いてもよいし、ワイヤーブラシ等を用いてもよく、要するに容器胴部１１表面に微細な凹凸線条を形成できるような手段であればよい。

ターンテーブル３０には金属容器１０を支持するマンドレル３１が設けられている。マンドレル３１は円周方向に所定間隔でもって多数配置されており、絞り，しごき工程を経て成形された金属容器が、順次弾性砥石２０と対向する加工位置に送り込まれ、ヘアライン加工が終了した金属容器が順次後工程に搬送されるようになっている。もちろん、金属容器１０を搬送する手段としてはターンテーブルに限定されるものではなく、他の種々の搬送手段を用いることができる。
マンドレル３１は、不図示のモータによって回転駆動される。図示例では、マンドレル３１の回転方向Ｒ１０は、弾性砥石２０の回転方向Ｒ２０（図中、時計回り方向）とは反対方向（図中、反時計回り方向）で、周速差によって容器胴部１１に凹凸線条１３を形成する構成となっている。

洗浄ノズル４０は、不図示の洗浄液供給装置に接続され、所定圧で洗浄液を弾性砥石２０の加工部に噴射して切り粉を洗い流すようになっている。加工部とは弾性砥石２０と容器胴部１１の当接部である。洗浄ノズル４０の向きは、図１（Ａ）に示すように、容器胴部１１の側方から容器胴部１１の回転軸に対して直交する方向に噴射してもよいし、図１（Ｂ）に示すように、底部１２側から回転軸と平行方向に噴射するようにしてもよい。
洗浄液としては、界面活性剤の入った中性洗剤を用い、切粉と同時に成形工程での油分を含む潤滑剤も同時に洗い流すようになっている。従って、洗浄ノズル４０によって洗浄液を吹きかける領域は、金属容器１０の胴部１１から底部１２まで容器全体を洗浄するように設定される。

洗浄液に使用する中性洗剤としては、絞り，しごき成形時に使用された潤滑剤の種類に応じて、適切な洗剤が選択される。界面活性剤についても同様に、潤滑剤に含まれる油分の種類等に応じて適切なものが選択される。
なお、本発明が適用される金属容器としては、２ピース缶に限らず、３ピース缶でもよい。また、ＤＩ缶に限らず、インパクト缶、絞り缶（ＤＲ缶）、溶接缶等、種々の成形缶に適用可能である。

図１（Ａ）は本発明の実施例に係るヘアライン加工装置の概略構成と示す部分平面図、同図（Ｂ）は同図（Ａ）の概略側面図、同図（Ｃ）は金属容器の一例を示す正面図である。

符号の説明

１０ 金属容器
１１ 容器胴部
１２ 底部
１３ 凹凸線条
２０ 弾性砥石
３０ ターンテーブル
３１ マンドレル
４０ 洗浄ノズル

Claims (3)

1. 円筒状の容器胴部表面にヘアライン加工手段によって多数の微細な凹凸線条を形成する金属容器のヘアライン加工方法において、
   前記ヘアライン加工手段の加工部に洗浄液を流し、ヘアライン加工手段による切粉を洗い流しながら加工することを特徴とする金属容器のヘアライン加工方法。
2. 成形工程での油分を含む潤滑剤が付着した状態でヘアライン加工を行う構成で、洗浄液として界面活性剤の入った中性洗剤を用い、切粉と同時に成形工程での油分を含む潤滑剤も同時に洗い流すことを特徴とする請求項１に記載の金属容器のヘアライン加工方法。
3. 円筒状の容器胴部表面にヘアライン加工手段によって多数の微細な凹凸線条を形成する金属容器のヘアライン加工装置において、
   前記ヘアライン加工手段の加工部に洗浄液を流す洗浄液供給手段を設けたことを特徴とする金属容器のヘアライン加工装置。
   

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