JP2005271101A - 研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置 - Google Patents

研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パッドドレッサーの面積利用効率が高く、また、ウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げる研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨装置における研磨パッドのドレッシング装置に関する。表面に砥粒80Bが固定された円環状部材であるドレッサー22と、ドレッサーの内周側に配される、表面にブラシ23が植設された円盤状部材であるブラシプレート24と、これらを支持するドレッシング装置本体30Aと、ドレッサーの裏面を押圧する押圧手段と、ブラシプレートの裏面を押圧する押圧手段と、ドレッサー及び/又はブラシプレートを昇降させる昇降手段とを備える。ドレッサーの表面がブラシプレートのブラシ先端よりも突出している第1の状態と、ブラシプレートのブラシ先端がドレッサーの表面よりも突出している第2の状態とに切り換え可能とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置に係り、 特に、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing )に好適な研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置に関する。
CMPにおいては、研磨パッドの目詰まりが研磨レートの低下をもたらすとともに研磨の均一性を悪化させるため、研磨パッドのドレッシング(目立て)が必要不可欠である。研磨パッドのドレッシングとは、ダイヤモンド等の砥粒が付着されてなるドレッサーを研磨パッドに当接させ、研磨パッドの表面を削り取る又は研磨パッドの表面を粗らすなどして、スラリー(研磨材が分散された溶液)の保持性を回復させ、研磨能力を維持させる処理をいう。
このドレッサーとしては、従来よりダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサー等が用いられている。図4に従来のパッドドレッサー90を備えた研磨装置11を示す。このパッドドレッサー90は、下面にダイヤモンド砥粒80Bが電着されていたり、砥粒80Bを分散させたボンド層(メタルボンド、ビトリファイドボンド又はレジンボンド)より構成されていたりする。パッドドレッサー90は、軸92の回りに回転させられながら力Fで研磨定盤12上の研磨パッド20に押付けられて研磨パッド20をドレッシングする。
従来のこの研磨パッドのドレッシングでは、研磨パッド上面に外部から純水を供給しながら行い、研磨パッドの表面に付着していた研磨屑やドレッシングによって削られた研磨パッド屑を流すようにしていた。
ところが、この従来の純水供給のみの研磨パッド洗浄方法では、研磨パッドの溝に付着した研磨屑や研磨パッド屑を完全に研磨パッド表面から流し去ることができず、洗浄が不十分であった。このため、研磨パッドのドレッシング後に行うウエーハの研磨において、研磨パッド表面の残留屑や研磨パッドの溝から浮き出てきた残留屑によってウエーハが汚染されたり、ウエーハの研磨面にスクラッチが生じたりし、ウエーハを不良品にしてしまうという問題があった。
このような問題を解決し、均一かつ安定した研磨パッドのドレッシングが可能なドレッシング装置の提案が、本出願人によりなされている(特許文献1参照)。
この提案は、ウエーハと略同径の円盤状プレートと、この円盤状プレートの一方の面に設けられたブラシとから構成されている研磨パッドの洗浄プレートであり、従来のダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサー等と併用することにより、従来よりも優れたドレッシングの効果が得られることが確認されている。
特開2003−347256号公報
しかしながら、このような従来のパッドドレッサー、特にダイヤモンド砥粒が電着されて形成されているパッドドレッサーには、以下に説明する問題点がある。
パッドドレッサーによりドレッシングがなされる研磨パッドは、所定の弾性を有しており、円盤状のパッドドレッサーが押し付けられた場合には所定量撓んで変形する。そして、この撓み変形に対応する反力がパッドドレッサーの表面に作用することとなる。
この場合、パッドドレッサーのエッジ部、すなわちパッドドレッサーの周縁部に作用する反力の方が、パッドドレッサーの円周方向内部に作用する反力より大きくなる。したがって、パッドドレッサーの周縁部のダイヤモンド砥粒のドレッシングへの寄与が大きく、その分だけパッドドレッサーの周縁部のダイヤモンド砥粒の磨耗が速い。
このような場合、ダイヤモンド砥粒が電着されて形成されているパッドドレッサーのダイヤモンド砥粒の層は一層のみであり、周縁部のダイヤモンド砥粒が磨耗した時点で、このパッドドレッサーの寿命は尽きることとなる。そして、パッドドレッサーの円周方向内部のダイヤモンド砥粒は未だ磨耗してなく、無駄に廃棄することとなる。
したがって、このような無駄を生じないように、円環状のパッドドレッサー、たとえば、外周が100mmで円環の幅が10mmのドーナツ状のパッドドレッサーを使用しているユーザーもいる。ただし、この場合でもパッドドレッサーの有効面積が増える訳ではなく、ドレッシング性能は低く、改善が求められていた(以上、第1の問題点)。
また、特許文献1により効果が確認されているように、従来のダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサーのみでは、洗浄が不十分であり、ウエーハが汚染されたり、ウエーハの研磨面にスクラッチが生じたりし、ウエーハが不良品になるという問題があり、ブラシ等の他の手段との併用が望ましい。
ところが、従来のダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサーとブラシ等の他の手段をそれぞれ別体で設ける構成は、レイアウト上で複雑となる上、作業性も悪く、更に、コストの面でも不利である。このような点より、ウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げ、コンパクトで作業性が良く、低コストのドレッシング装置が求められていた(以上、第2の問題点)。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、パッドドレッサーの面積利用効率が高く、また、ウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げる研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、スラリーを供給しながらワークを研磨パッドに接触させて研磨する研磨装置における研磨パッドのドレッシング装置において、表面に砥粒が固定された円環状の部材であるドレッサーと、前記ドレッサーの内周側に配される、表面にブラシが植設された円盤状部材であるブラシプレートと、前記ドレッサーと前記ブラシプレートとを支持するドレッシング装置本体と、前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサーの裏面を押圧するドレッサー押圧手段と、前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ブラシプレートの裏面を押圧するブラシプレート押圧手段と、前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサー及び/又は前記ブラシプレートを昇降させる昇降手段と、を備え、前記ドレッサーの表面が前記ブラシプレートのブラシ先端よりも突出している第1の状態と、前記ブラシプレートのブラシ先端が前記ドレッサーの表面よりも突出している第2の状態と、に切り換え可能となっていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置を提供する。
本発明によれば、同一装置内に、表面に砥粒が固定されたドレッサーと、表面にブラシが植設されたブラシプレートとが設けられており、いずれかを突出させて研磨パッドのドレッシングを行える。この構成により、表面に砥粒が固定されたドレッサーによるドレッシング後の研磨パッド表面の残留屑や研磨パッドの溝から浮き出てきた残留屑を、表面にブラシが植設されたブラシプレートで除去できる。したがって、従来のダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサーのみでは、洗浄が不十分であり、ウエーハが汚染されたり、ウエーハの研磨面にスクラッチが生じたりし、ウエーハが不良品になるという問題が解消できる。
また、ドレッシングに寄与の少ない円盤状のパッドドレッサー(ダイヤモンド砥粒が電着されたドレッサー)の円周方向内部が取り除かれ、これに代えてブラシプレートが配されているので、コンパクトで作業性が良い。更に、一体物なので、低コストのドレッシング装置とすることができる。
また、昇降手段等により、ドレッサーの表面がブラシプレートのブラシ先端よりも突出している状態と、ブラシプレートのブラシ先端がドレッサーの表面よりも突出している状態とに切り換え可能となっているので、それぞれの機能を別個に発揮でき、ウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げる効果が大きい。
本発明において、前記ブラシプレートの一部に設けられた貫通孔より10〜30MPaに加圧された洗浄液が吐出可能な洗浄液供給手段を備えていることが好ましい。このように、高圧の洗浄液が吐出できるようになっていれば、ドレッシングの効果は更に大きい。
また、本発明は、スラリーを供給しながらワークを研磨パッドに接触させて研磨する研磨装置における研磨パッドのドレッシング装置において、表面に砥粒が固定された円環状の部材であるドレッサーと、前記ドレッサーを支持するドレッシング装置本体と、前記ドレッサーの裏面を押圧するドレッサー押圧手段と、前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサーの内周側より10〜30MPaに加圧された洗浄液が吐出可能な洗浄液供給手段と、を備えていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング装置及び該研磨パッドのドレッシング装置を有する研磨装置を提供する。
本発明によれば、同一装置内に、表面に砥粒が固定されたドレッサーと、高圧の洗浄液が吐出可能な洗浄液供給手段とを備えているので、ドレッサーの面積利用効率が高く、また、洗浄液供給手段によりウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げる。
すなわち、ドレッシングに寄与の少ない円盤状のパッドドレッサーの円周方向内部が取り除かれ、これに代えて洗浄液供給手段が配されているので、コンパクトで作業性が良く、低コストのドレッシング装置となっている。なお、この構成では、ブラシプレートが省略されているが、洗浄液供給手段のみでも従来のものより優れた効果が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、同一装置内に、表面に砥粒が固定されたドレッサーと、表面にブラシが植設されたブラシプレートとが設けられており、いずれかを突出させて研磨パッドのドレッシングを行える。したがって、ドレッサーの面積利用効率が高く、また、ブラシプレートによりウエーハの汚染や、ウエーハのスクラッチが防げる。
以下、添付図面に従って本発明に係る研磨パッドのドレッシング装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、研磨装置10の全体構成を示す斜視図である。図1に示されるように研磨装置10は、主として研磨定盤12と、ワークを保持する保持ヘッドであるウェーハ保持ヘッド14とで構成されている。
研磨定盤12は円盤状に形成され、その下面中央には回転軸16が連結されている。研磨定盤12は、この回転軸16に連結されたモータ18を駆動することにより矢印A方向に回転する。また、この研磨定盤12の上面には研磨パッド20が貼り付けられており、この研磨パッド20上に図示しないノズルからスラリー(研磨材が分散された溶液であり、多くの場合メカノケミカル研磨剤が使用される)が供給される。ウェーハ保持ヘッド14は、回転軸14Aを中心として、矢印B方向に回転する。
図2は、本発明に係る研磨パッドのドレッシング装置30の正断面図である。図2において、研磨パッドのドレッシング装置30は、表面に砥粒80Bが電着された円環状の金属板からなるドレッシング板(ドレッサー)22と、ドレッシング板22の内周側に配される、表面にブラシ23が植設された円盤状部材であるブラシプレート24と、ドレッシング板22とブラシプレート24とを支持するドレッシング装置本体30A等より構成される。
ドレッシング装置本体30Aは、金属製の円盤状部材であり、上面の中心部に駆動軸92が立設されている。この駆動軸92の下部には空洞部92Aが形成されている。また、ドレッシング装置本体30Aの下面には、外周側より、円環形平面状の凹陥部32と、円形平面状の凹陥部34が形成されている。この凹陥部32はドレッシング板22の上部を支持するものであり、凹陥部34はブラシプレート24の上部を支持するものである。
また、凹陥部32内には、円環形平面状のエアバッグ36が配されており、このエアバッグ36内に圧縮エアが供給されることにより、ドレッシング板22の裏面を押圧するドレッサー押圧手段が構成される。
同様に、凹陥部34内には、円環形平面状のエアバッグ38が配されており、このエアバッグ38内に圧縮エアが供給されることにより、ブラシプレート24の裏面を押圧するブラシプレート押圧手段が構成される。
ブラシプレート24は、表面にブラシ23が植設された円盤状部24Aと、この円盤状部24Aの裏面の中心より立設される軸部24Bと、軸部24Bの上端に形成されるフランジ部24Cとより構成される。
ドレッシング装置本体30Aの中央部には、貫通孔30Bが穿設されており、この貫通孔30Bにブラシプレート24の軸部24Bが嵌合されている。また、駆動軸92の空洞部92Aには、軸部24Bの上部が配される構造となっている。
更に、ブラシプレート24の軸部24Bの周囲には円筒状のコイルばね40が配されている。このコイルばね40の下端部はドレッシング装置本体30Aの上面に当接しており、このコイルばね40の上端部はブラシプレート24のフランジ部24Cに当接している。
したがって、これらの構成と、ブラシプレート24の軸部24Bの周囲に配され、ブラシプレート24の裏面を押圧するエアバッグ38とによりブラシプレート昇降手段が構成される。
次に、ドレッシング装置30を構成する各部材について説明する。
ドレッシング装置本体30Aは、ドレッシング板22及びブラシプレート24を保持し、軸92からの回転力の伝達及び押付け圧力Fの伝達が確実にできれば、他の部分の形状、材質等は問わないが、金属製とするのが一般的である。
ドレッシング板22は、図2の円(a)内が拡大表示されているように、表面に砥粒80Bが電着された金属板からなる。ドレッシング板22の表面に電着される砥粒80Bとしてはダイヤモンドが好ましいが、これ以外に、たとえば、CBN砥粒も使用できる。なお、電着とは、電解メッキ法を利用した研削・研磨工具の製造法であり、一般的にニッケルが使用される(切削・研削・研磨用語辞典:砥粒加工学会 編、参照)。
砥粒80Bの粒径、ドレッシング板22表面上での砥粒80Bの密度、砥粒80Bの材質、等は研磨パッド20の材質、等を考慮して適宜のものを選択すればよい。
ドレッシング板22の材質としては、電着の原理より導電性の金属材料であることが求められ、各種の材料が使用できるが、防錆性、耐食性、強度等の点でステンレス鋼が好ましい。ドレッシング板22の板厚は、ドレッシング装置30のサイズ(外径)、押付け圧力F、ドレッシング板22の材質等を考慮して最適値を選択することが望ましいが、たとえば、10mmとできる。
ドレッシング板22の上端には外周に向かって張り出したフランジ部22Aが形成されている。このフランジ部22Aが、ドレッシング装置本体30Aの凹陥部32の下端において、外周部より内周側に張り出した張り出し部32A、及び内周部より外周側に張り出した張り出し部32Bと係合する構成により、ドレッシング板22がドレッシング装置本体30Aから離脱することを防止できる。
ブラシプレート24は、既述したような形状であることより、機械加工がし易く、かつ、汚染源となりにくい材質で形成することが好ましい。このような材質としては、たとえば、アルミニューム等の金属材料、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料が使用できる。
ブラシプレート24の表面に植設するブラシ23の材質としては、ポリアセタール、ポリプロピレン等の樹脂材料や、獣毛等の天然材料等が使用できる。個々のブラシ23の径や長さは、研磨パッド20の材質やドレッシング条件等に応じて適宜の値が採用できる。また、ブラシ23の平面配置も、表面全面に植設する構成でもよく、間隔を設けて植設する構成、たとえば、所定幅の8個のブラシの束を放射状に等間隔で植設する構成でもよい。
ブラシプレート24の円盤状部24Aの上端には外周に向かって張り出したフランジ部24Dが形成されている。このフランジ部24Dが、ドレッシング装置本体30Aの凹陥部34の下端において、内周側に張り出した張り出し部34A、と係合する構成により、ブラシプレート24の下降端を規定する構成となっている。なお、ブラシプレート24のドレッシング装置本体30Aからの離脱防止は、既述のフランジ部24Cとコイルばね40の係合によりなされている。
更に、ブラシプレート24の中心部には、貫通孔24Eが穿設されており、この貫通孔24Eの内部に洗浄液供給配管50が挿入可能となっている。
既述の駆動軸92の中心部にも、貫通孔92Cが穿設されており、この貫通孔92Cの内部に洗浄液供給配管50が挿入可能となっている。この洗浄液供給配管50は、図示しないロータリージョイントを経てドレッシング装置30の外部に連続しており、基端部が洗浄液供給手段52に接続されている。
この洗浄液供給手段52は、洗浄用の液体を加圧しながら洗浄液供給配管50に供給するもので、洗浄用の液体を10〜30MPaに加圧できることが好ましい。このような洗浄液供給手段52としては、高圧プランジャポンプ、アブレイシブウオータージェット加工に使用されている高圧ポンプ、超高圧ポンプ等、公知の各種ポンプが採用できる。
なお、洗浄液供給配管50の先端には、必要に応じてスプレーノズル(図示略)を設けることができる。
既述のエアバッグ36及びエアバッグ38は、いずれも円環形平面状のもので、内部に圧縮エアが供給されることにより、ドレッシング板22の裏面及びブラシプレート24の裏面をそれぞれ押圧できる構造のものである。このようなエアバッグ36、38の材質としては、一般的にはゴム材料の中から選択できるが、樹脂材料等であってもよい。具体的にはたとえば、クロロプレンゴム、NBR(ニトリルブタジェンゴム)等が好適に使用できる。
エアバッグ36及びエアバッグ38には、流体圧を加える加圧手段が接続される。この加圧手段は、それぞれ、エア供給ライン60とエア供給源62、及びエア供給ライン64とエア供給源66により構成される。
すなわち、ドレッシング装置本体30Aを貫通してエア供給ライン60及び64が形成されており、エア供給ライン60の基端部は、エア供給源62に、エア供給ライン64の基端部は、エア供給源66に、それぞれ接続されている。
また、エア供給ライン60及び64の駆動軸92の部分には、図示しないロータリージョイントが設けられており、駆動軸92の回転中にもエア供給ライン60及び64にエアが供給できるようになっている。
以上の構成により、エアバッグ36及びエアバッグ38に加圧状態のエアを供給することができ、ドレッシング板22及びブラシプレート24の押圧力をそれぞれコントロールできる。
その他の構成として、ドレッシング装置本体30Aと軸92との連結手段は慣用の手段が採用できるが、ドレッシング装置30と研磨パッド20との接触状態が不均一となることを防ぐためには、フレキシブルジョイント(たとえば、ユニバーサルジョイント)を介して接続することもできる。
また、ドレッシング板22及びブラシプレート24は、ドレッシング装置本体30Aに対して相対回転が可能であるが、このような相対回転が好ましくない場合には、ピン状部材等により回り止めを図ればよい。
なお、ドレッシング装置30は、研磨装置10(図1参照)の脇に配置され、研磨作業の合間に研磨パッド20のドレッシングが行われたり、研磨作業の最中に研磨パッド20のドレッシングが行われたりする。
次に、以上で説明した構成よりなる図2のドレッシング装置30の運転方法について説明する。
研磨パッド20のドレッシングの際に、ドレッシング装置30は、軸92の回りに回転させられながら所定の力Fで研磨パッド20に押付けられて研磨パッド20をドレッシングする。
このドレッシングの前半においては、エアバッグ36に加圧状態のエアを供給して、ドレッシング板22を押圧し、エアバッグ38にはエアを供給しない。したがって、コイルばね40の作用により、ブラシプレート24は上昇した状態にある。これにより、ドレッシング板22の表面がブラシプレート24のブラシ先端よりも突出している第1の状態となる。その結果、ドレッシング板22により、均一かつ安定した研磨パッド20のドレッシングができる。
ドレッシングの後半においては、エアバッグ38に加圧状態のエアを供給して、ブラシプレート24を押圧し、一方、エアバッグ36に供給するエア圧を低下させる。したがって、コイルばね40の力に打ち勝って、ブラシプレート24は下降した状態にあり、ドレッシング板22への押圧力は低下する。これにより、ブラシプレート24のブラシ先端がドレッシング板22の表面よりも突出している第2の状態となる。その結果、ブラシプレート24により、研磨パッドの表面に付着していた研磨屑やドレッシングによって削られた研磨パッド屑を流し去り、均一かつ安定した研磨パッド20のドレッシングができる。
また、ドレッシングの前半及び/又は後半において、洗浄液供給配管50より高圧の洗浄液を供給するので、ドレッシングの効果が増大する。
次に、図3によって、本発明に係る研磨パッドのドレッシング装置の他の態様を説明する。なお、図2に示される研磨パッドのドレッシング装置30と同一、類似の部材については同一の符号を附し、その説明を省略する。
この態様において、研磨パッドのドレッシング装置130は、ブラシプレート24が省略され、これに代えて洗浄液供給手段が配されている。この洗浄液供給手段は、ドレッシング装置本体130A下面の円形平面状の凹陥部134内に設けられる。具体的には、複数のノズル70、70…と、このノズル70、70…を支持するとともに各ノズル70に洗浄液供給配管50から供給される洗浄液を振り分けるスプレー配管72と、スプレー配管72を凹陥部34内に支持するステー74、74とよりなる。
次に、以上で説明した構成よりなる図3のドレッシング装置130の運転方法について説明する。
研磨パッド20のドレッシングの際に、ドレッシング装置130は、軸92の回りに回転させられながら所定の力Fで研磨パッド20に押付けられて研磨パッド20をドレッシングする。
このドレッシングの前半においては、エアバッグ36に加圧状態のエアを供給して、ドレッシング板22を押圧する。これにより、ドレッシング板22により、均一かつ安定した研磨パッド20のドレッシングができる。
ドレッシングの後半においては、研磨パッド20に押付ける所定の力Fを減少させ、ドレッシング板22と研磨パッド20とが接触しない状態にする。この際、エアバッグ36に供給するエア圧を低下させることにより、同様の状態にしてもよい。そして、複数のノズル70、70…より洗浄液を噴出させる。これにより、研磨パッドの表面に付着していた研磨屑やドレッシングによって削られた研磨パッド屑を流し去り、均一かつ安定した研磨パッド20のドレッシングができる。
なお、ノズル70、70…の周囲には、これらを囲むようにドレッシング板22が配されているので、噴出させた洗浄液が霧状となって周囲を汚染させることが防止できる。
以上に説明した構成は、本発明の実施例であるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各種の構成が採り得る。
たとえば、図2に示されるドレッシング装置30において、押圧機構として、いわゆるエアバッグ方式が採用されているが、気体に限られる訳ではなく、液体による加圧も採用できる。
また、図2に示されるドレッシング装置30において、ドレッシング板22の表面がブラシプレート24のブラシ先端よりも突出している第1の状態と、ブラシプレート24のブラシ先端がドレッシング板22の表面よりも突出している第2の状態とを採るようになっているが、ドレッシング板22の表面とブラシプレート24のブラシ先端とが同時に研磨パッド20と接するような第3の状態を採るようにもできる。
更に、図3に示されるドレッシング装置130における、ノズル70、70…の配置、個数等は、これ以外の態様とすることもできる。
研磨装置の全体構造を示す斜視図 ドレッシング装置の構成例を示す正断面図 ドレッシング装置の他の構成例を示す正断面図 ドレッシング装置の全体構造を示す概略図
符号の説明
10…研磨装置、20…研磨パッド、22…ドレッシング板、23…ブラシ、24…ブラシプレート、30、130…ドレッシング装置、30A、130A…ドレッシング装置本体、36、38…エアバッグ

Claims (4)

  1. スラリーを供給しながらワークを研磨パッドに接触させて研磨する研磨装置における研磨パッドのドレッシング装置において、
    表面に砥粒が固定された円環状の部材であるドレッサーと、
    前記ドレッサーの内周側に配される、表面にブラシが植設された円盤状部材であるブラシプレートと、
    前記ドレッサーと前記ブラシプレートとを支持するドレッシング装置本体と、
    前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサーの裏面を押圧するドレッサー押圧手段と、
    前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ブラシプレートの裏面を押圧するブラシプレート押圧手段と、
    前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサー及び/又は前記ブラシプレートを昇降させる昇降手段と、を備え、
    前記ドレッサーの表面が前記ブラシプレートのブラシ先端よりも突出している第1の状態と、前記ブラシプレートのブラシ先端が前記ドレッサーの表面よりも突出している第2の状態と、に切り換え可能となっていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング装置。
  2. 前記ブラシプレートの一部に設けられた貫通孔より10〜30MPaに加圧された洗浄液が吐出可能な洗浄液供給手段を備えている請求項1に記載の研磨パッドのドレッシング装置。
  3. スラリーを供給しながらワークを研磨パッドに接触させて研磨する研磨装置における研磨パッドのドレッシング装置において、
    表面に砥粒が固定された円環状の部材であるドレッサーと、
    前記ドレッサーを支持するドレッシング装置本体と、
    前記ドレッサーの裏面を押圧するドレッサー押圧手段と、
    前記ドレッシング装置本体に設けられ、前記ドレッサーの内周側より10〜30MPaに加圧された洗浄液が吐出可能な洗浄液供給手段と、を備えていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング装置。
  4. 前記請求項1、2、又は3に記載の研磨パッドのドレッシング装置を有することを特徴とする研磨装置。
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