JP2007167818A - 排ガスの処理薬剤及び排ガスの処理方法 - Google Patents

排ガスの処理薬剤及び排ガスの処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性成分、集塵灰中の重金属類の除去、さらには排ガス中の重金属類やダイオキシン類の除去を同時に効率的に行う処理方法、さらに、炭酸水素ナトリウムの取り扱い上問題となっていた、炭酸水素ナトリウムの吸湿による流動性悪化を防止できる、排ガスの処理薬剤及び処理方法を提供する。
【解決手段】(ア)平均粒径が10〜100μmである炭酸水素ナトリウムと、(イ)平均粒径が1〜100μmのジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を含有する薬剤であって、炭酸水素ナトリウム100質量部に対してジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が0.1〜50質量部であり、吸湿度が80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤。この排ガス処理薬剤を使用した排ガス処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、都市ゴミ、産業廃棄物、下水汚泥等の廃棄物焼却炉(溶融炉を含む)や、亜鉛回収プロセス、アルミニウム精錬プロセス、鉄鋼精錬プロセスから排出される排ガスの処理薬剤及び排ガスの処理方法に関する。
都市ゴミ、産業廃棄物、下水汚泥等の廃棄物焼却炉(溶融炉を含む)や、亜鉛回収プロセス、アルミニウム精錬プロセス、鉄鋼精錬プロセスなどから排出される排ガスから集塵装置で分離される飛灰(集塵灰)には、鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、ひ素、セレンなどの重金属類が含有されている。集塵灰は特別管理一般廃棄物であり、薬剤処理などの中間処理が義務付けられている。このため、これら重金属類を固定化処理するのが一般的である。
集塵灰の重金属類の処理としては、薬剤を集塵灰に添加する薬剤処理法が普及している。例えば、特許文献1では、硫黄原子を含む塩形成性若しくは錯体形成性の官能基を有する化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩である薬剤を集塵灰に添加する方法が開示されている。集塵装置で分離した飛灰(集塵灰)の薬剤処理は、飛灰中の重金属類と薬剤を接触させ反応を促進するため、集塵灰に薬剤と加湿水(対集塵灰20〜40w/w%程度)を添加し混練機で十分に混練する必要がある。重金属処理薬剤を、集塵装置前段で飛灰を含む排ガスに吹き込むと薬剤がガス中で拡散するため、集塵装置では飛灰と薬剤が確実に混合された形で分離されることになる。従って、重金属処理薬剤を、集塵装置前段で排ガスに吹き込むことにより、混練機での混練不足に起因する重金属固定効果の不足などの問題を解決できる。
ところで、排ガスには水分が含まれている。また、排ガスには塩化水素、硫黄酸化物などの酸性成分が含まれている。排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性成分を除去するために、集塵装置前段に炭酸水素ナトリウムや消石灰などのアルカリ剤を吹き込み中和処理するのが一般的である。排ガス中の水分は、アルカリ剤と酸性成分との反応を促進し、酸性ガスを除去するのに有利に働くことが知られている。
しかし、従来の集塵灰の重金属処理薬剤は、特許文献1で開示されているように、硫黄原子を含む塩形成性若しくは錯体形成性の官能基を有する化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの親水性物質又は水溶性物質であるため、排ガス処理を目的に排ガスに添加しても、排ガス中の水分により加水分解を受け、十分な重金属固定効果が得られなかった。また、特許文献2では、反応性水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする乾燥粉末と硫黄含有物質の水溶性塩とからなる排ガスからの酸性ガス、重金属類等の有害物質の浄化剤が開示されている。特許文献2で開示されている浄化剤も、硫黄含有物質が水溶性であるため、高温である排ガス中の水分により加水分解を受け重金属固定効果が十分でなかった。
特に、排ガス中の酸性成分除去のために炭酸水素ナトリウムを排ガスに吹き込む場合、炭酸水素ナトリウムは下記の反応により水分を発生するため、前記従来の集塵灰の重金属処理薬剤を排ガスに添加したときは、重金属処理薬剤の分解が助長される。炭酸水素ナトリウムの排ガス中での挙動を以下に示す。炭酸水素ナトリウムは、140℃以上の排ガス中で式(1)により水分を放出し炭酸ナトリウムとなり多孔質化する。
2NaHCO → NaCO+CO+HO・・・式(1)。
多孔質の炭酸ナトリウムは、塩化水素や硫黄酸化物と式(2)、又は式(3)の反応により酸性成分を除去する。
塩化水素との反応:NaCO+2HCl→2NaCl+CO+HO‥‥式(2)、
硫黄酸化物との反応:NaCO+SO+1/2O→NaSO+CO‥‥式(3)。
炭酸水素ナトリウムは、多孔質化することにより酸性成分の吸着能力が向上する、また炭酸水素ナトリウムを排ガスに吹き込むことによって水分が発生し、この水分は排ガス中の水分と同様に酸性ガスとの反応性を高める働きをすることが知られている。
特開2003−117521号公報 特開平4−16235号公報
しかしながら、炭酸水素ナトリウムの取り扱い上の問題点として以下の点が挙げられる。炭酸水素ナトリウムと酸性ガスとの反応性を高めるには、炭酸水素ナトリウムの粒径を微細化した方が有利であるが、炭酸水素ナトリウムは吸湿性が高いため、微細化した粒子が凝集し、薬剤貯留槽でブリッジを発生するなどの流動性悪化が生じる。
これら問題点を解決する手段として、炭酸水素ナトリウムを排ガスに導入する直前に粉砕し微細化する処理方法が提案されているが、排ガス処理設備に粉砕機を設置する必要があり、装置が複雑化し、メンテナンスが複雑になるなどの問題があった。
本発明は、このような実情よりなされたものであり、排ガスに排ガス処理剤を吹き込むことにより、排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性成分、集塵灰中の重金属類の除去、さらには排ガス中の重金属類やダイオキシン類の除去を同時に効率的に行う処理方法を提供することを目的とするものである。さらに、炭酸水素ナトリウムの取り扱い上問題となっていた、炭酸水素ナトリウムの吸湿による流動性悪化を防止できる排ガスの処理薬剤及び処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が水に難溶性であるため、微細化した炭酸水素ナトリウムの粒子が凝集しブリッジを形成し流動性が悪化するのを防止すめために有効であることに着目した。さらに、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が高温で水分を含む排ガス中でも加水分解などの分解を受け難いことに着目した。特に、排ガス中の酸性成分除去のために、排ガスに炭酸水素ナトリウムが吹き込まれ、排ガス中の水分濃度が高くなる場合に、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が分解を受け難いことの特徴が生かされ、集塵灰中の重金属類の除去さらには排ガス中の重金属類やダイオキシン類の除去に有効であることに着目し本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記の手段により前記の課題を解決した。
(1)(ア)平均粒径が0〜100μmである炭酸水素ナトリウムと、(イ)平均粒径が1〜100μmのジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を含有する薬剤であって、炭酸水素ナトリウム100質量部に対してジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が0.1〜50質量部であり、吸湿度が80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤。
(2)(ア)炭酸水素ナトリウム100質量部に対して、(イ)ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を0.1〜50質量部添加した後、粉砕し平均粒径を10〜100μmに調整した混合物の吸湿度が、80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤。
(3)ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属の遷移金属が、鉄、亜鉛、コバルト、チタン、モリブデン、セリウム、バナジウム、タングステンから選ばれる1種以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の排ガス処理薬剤。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一項記載の排ガス処理薬剤を排ガスに添加することを特徴とする排ガス処理方法。
(5)前記(2)記載の排ガス処理薬剤を排ガスに添加する排ガス処理方法において、前記排ガス処理薬剤の粒径調整のための粉砕を排ガス添加の直前に行うことを特徴とする排ガス処理方法。
上記したとおり、本発明は、平均粒径が10〜100μmの水に易溶性であり吸湿性の高い炭酸水素ナトリウム100質量部に対して、平均粒径が1〜100μmの水に難溶性であるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を0.1〜50質量部配合し、処理薬剤全体の吸湿度を凝集防止に必要な値、すなわちJIS K6544に準じて測定した吸湿度を80mg/g未満に調整して、炭酸水素ナトリウムの吸湿による流動性悪化を防止した排ガス処理薬剤、及びこの処理薬剤を用いた排ガスの処理方法を骨子とするものである。
ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩は、排ガス中で水分を発生する炭酸水素ナトリウムと排ガス中で共存しても、水に難溶性であるため加水分解などの分解を受け難い。このため、本発明の薬剤は、集塵装置で捕集された飛灰と共に集塵灰に移行しても、重金属類固定化のための錯体形成や不溶化能力が損なわれない。また、重金属類固定化能力のあるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩は、排ガスに吹き込み添加することにより飛灰と均一に混合される。このため、集塵灰に重金属処理薬剤を添加し処理した際に発生しやすい、混練機での混練不足に起因する重金属固定効果の不足などの問題を解決できる。さらに、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩は、水分を含む排ガス中で分解を受け難いため、排ガス中の重金属類、特に揮発性の高い水銀の除去効果が得られる。さらに、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩は、排ガス中のダイオキシン類除去効果を有する。
本発明は、水に難溶性であるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩と、炭酸水素ナトリウムを含有することを特徴とする、排ガス処理薬剤及び排ガス処理方法に関するものである。ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩と炭酸水素ナトリウムとを必須成分とする本薬剤で排ガスを処理することにより、排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性ガス、集塵灰中の重金属類の除去、さらには排ガス中の重金属類やダイオキシン類の除去を同時に効率的に行うことができる。さらに、炭酸水素ナトリウムの取り扱い上問題となっていた、炭酸水素ナトリウムの吸湿による流動性悪化を防止できる。
ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩としては、具体的には常温で固体状態のジチオカルバミン酸誘導体の鉄、亜鉛、コバルト、チタン、モリブデン、セリウム、バナジウム、タングステン塩などの遷移金属塩が挙げられる。ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩としては、平均粒径が1〜100μmの粉体であり、水に対する溶解度(25℃)が0.1質量%以下、熱重量測定(TG)による分解開始温度が140℃以上であるものが好適である。また、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩の分子量は100〜5000、より好ましくは100〜1000である。
特開2003−117521号公報で開示されているように、従来の集塵灰の重金属処理薬剤は、錯体形成性の官能基を有する化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などであるため親水性又は水に溶解する性質を有していた。これに対し、本発明の処理薬剤の必須成分であるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩は、水に対する溶解度(25℃)が0.1質量%以下であり難溶性であるのに加え、分解温度が140℃以上であるため、一般的に集塵装置前段の排ガスは高温であり、水分を含む排ガス中でも分解を受けず所望する効果が得られる。
本発明においてダイオキシン類除去とは、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーPCB(co−PCB)の分解や発生抑制効果である。本薬剤の必須成分であるジチオカルバミン酸の遷移金属塩が持つ窒素原子や硫黄原子の不対電子は、ダイオキシン類やダイオキシン前駆物質に求核置換反応することにより、ダイオキシン類やその前駆物質を分解するものと考えられる。
本発明の薬剤は、ジチオカルバミン酸遷移金属塩と炭酸水素ナトリウムを含有させたものであるが、さらにナトリウム以外の炭酸水素塩、消石灰、ドロマイト、炭酸塩など、排ガス中の塩化水素や硫黄酸化物を中和するアルカリ剤を含有させてもよい。
本発明の薬剤の必須成分である炭酸水素ナトリウムは、消石灰やドロマイトと比較し排ガス中の塩化水素との反応効率が高い。
炭酸水素ナトリウムの粒径が大きいと反応効率が良くないため、粒径はできるだけ小さいことが好ましが、炭酸水素ナトリウムは吸湿性が高いため微粉化すると、微細粒子の会合、粗大粒子化が起こり、粉体の流動性が悪化し取り扱いが難しくなるという欠点を持つ。
ジチオカルバミン酸遷移金属塩と炭酸水素ナトリウムとを含有することを特徴とする本発明の薬剤は、水に難溶性の粉体であるジチオカルバミン酸遷移金属塩が、吸湿し易い炭酸水素ナトリウムの吸湿を抑制し、炭酸水素ナトリウムの微細粒子の会合、粗大粒子化が防止可能となる。つまり、流動性さらには貯蔵時の安定性が高まり、薬剤添加などの取り扱いが容易になり吸湿性へ許容度が高まる。このため炭酸水素ナトリウムを微粉末として用いることが可能となる。
本発明において、炭酸水素ナトリウムの平均粒径は10〜100μmが好ましい。10μm未満では薬剤が圧密し易くなり、薬剤貯留槽でブリッジを発生するなどの問題を生じる。一方、100μmより大きいと反応効率が低下し、酸性成分の除去効率が充分でなくなる。
本発明において、粉体であるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩の粒径は1〜100μmが好ましい。1μm未満では粉塵が発生し易くなり作業環境上好ましくないばかりか、排ガスの集塵装置がバグフィルター式である場合に、バグフィルターの目詰まりが発生し易くなる、薬剤貯留中に薬剤が圧密され固化するなどの問題が生じる。一方、100μm以上では炭酸水素ナトリウムの吸湿防止効果や重金属類の固定化効果が充分でない。
ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩の水に対する溶解度は0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。0.1質量%を超えると、排ガス中で加水分解を受け重金属類の固定化効果が低下し好ましくない。
本発明において、炭酸水素ナトリウム100質量部に対するジチオカルバミン酸誘導体の遷移金属塩の含有量は、0.1〜50質量部、より好ましくは10〜50質量部である。0.1質量部未満では炭酸水素ナトリウムの吸湿防止効果が充分でない。炭酸水素ナトリウムに対するジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩の含有量を高くすることにより吸湿防止効果は向上するが、50質量部を超えて含有させても吸湿防止効果は頭打ちとなるし、酸性成分の除去率が低下し実用的でない。
本発明の排ガス処理薬剤は、吸湿度が80mg/g未満であることを特徴とするが、その吸湿度はJIS K 6544に準拠して測定したものであるのがよい。吸湿度が80mg/g以上である場合、薬剤粒子が会合し粗大粒子化し、排ガス中での拡散が抑制され所望する効果が得られないばかりか、薬剤貯留槽でのブリッジの形成原因となる。
吸湿度とは、薬剤の単位質量当たり吸収される水蒸気の質量をいい、本発明では温度20±1℃、相対湿度52±1%で平衡に達した薬剤を同温度、相対湿度79±2%の大気中に移行し、平衡に達したときのその薬剤1g当たり質量増加(mg)をその薬剤の吸湿度と定める。
また、本発明においては、(ア)平均粒径が10〜100μmである炭酸水素ナトリウムと、(イ)平均粒径が1〜100μmのジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を含有する薬剤であって、炭酸水素ナトリウム100質量部に対してジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が0.1〜50質量部であり、吸湿度が80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤を使用することができる。炭酸水素ナトリウムは、微細粒子化のための粉砕後に会合し粗大粒子化し易いが、炭酸水素ナトリウムの粉砕時にジチオカルバミン酸誘導体の遷移金属塩を添加し、または添加した後、粒度調整することにより微細粒子の会合、粗大粒子化が防止可能となる。
このように、本発明の処理剤で処理することにより、流動性が高まり薬剤添加などの取り扱いが容易になるとともに、排ガス中での分散性が良くなり処理効率が向上する。
本発明においては、前記処理薬剤の調製を、薬剤を排ガスに添加する直前に行い排ガスを処理することもできる。
炭酸水素ナトリウムは、排ガス中の塩酸や硫黄酸化物などの酸性成分を除去する機能、さらに排ガス中の塩化水素を除去することによるダイオキシン類の生成抑制機能も持つ。本発明により炭酸水素ナトリウムを10〜100μmの微粉末として用いることが可能となる結果、排ガスとの接触面積が大きくなり酸性ガスの除去効率が高くなる。
本発明の薬剤は、消石灰などの酸性ガス除去剤と同じく、集塵装置前段に添加するのが一般的である。集塵装置としてバグフィルター式集塵装置(BF)が広く用いられている。バグフィルターは、飛灰や酸性ガス除去薬剤が目詰まりし易く、バグフィルターの寿命を短くする。
錯体形成性の官能基を有する化合物の遷移金属塩は水に難溶性であるため、水分を含む排ガス中においても粘着性がなく、飛灰の分散剤としても機能するため、バグフィルターの圧力損失を低減しバグフィルターの寿命を長くすることができる。この結果、バグフィルター交換のため炉の運転を停止する頻度を下げることができる。
一般的に炉の運転立ち上げ、停止時は、炉内温度が低下するためダイオキシン類が生成し易い。本発明の薬剤による排ガスの処理方法によりバグフィルターの寿命が延び、炉の運転を停止する頻度を下げることができる結果、炉停止に伴うダイオキシン類の発生も抑制できる。
本発明のジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩としては、具体的には常温で固体状態のジチオカルバミン酸誘導体の鉄、亜鉛、コバルト、チタン、モリブデン、セリウム、バナジウム、タングステン塩などの遷移金属塩が挙げられる。本発明におけるジチオカルバミン酸は、アミンと二硫化炭素を反応させることによって容易に得ることができるが、この反応で用いることのできるアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等の低分子量1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の低分子量2級アミン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン等の多価アミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミンなどの環状アミン等を挙げることができる。
さらに具体的に、本発明の排ガス処理薬剤として用いることのできるジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を例示すると、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸鉄などが挙げられる。
本発明では、ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩と炭酸水素ナトリウム、さらに活性炭、無機多孔性物質などの多孔性物質や、高温の排ガス中で多孔質となる物質(リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)など)を含有させることにより、ダイオキシン類を多孔性物質に吸着させ、排ガス中のダイオキシン類濃度をさらに低減させることができる。無機多孔性物質としては、ゼオライト、シリカ、酸性白土、活性白土、カオリン、ベントナイト、アロフェン、珪藻土等の粘土鉱物、珪酸、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン酸一水素マグネシウム(MHP)などが挙げられる。
100℃以上の排ガス中で多孔質化する物質として、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を用いても良い。リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)は、排ガス中で以下のように反応し、多孔質結晶のリン酸一水素マグネシウム(MAP)を形成する。
MgNHPO・6HO(MAP)→MgHPO(MHP)+6HO+NH
形成されたMgHPO(MHP)はダイオキシン類や酸性ガスの吸着作用に優れ、生成するアンモニアは排ガス中の窒素酸化物の脱硝作用やダイオキシン類抑制作用がある。特に、集塵装置後段に脱硝触媒が設置されている場合、窒素酸化物の脱硝作用に加えて、ダイオキシン類抑制作用が促進され易くなる。活性炭、無機多孔性物質などの多孔性物質や、100℃以上の排ガス中で多孔質化する物質は、炭酸水素ナトリウムに対して1〜100質量部であることが好ましい。
本発明によれば薬剤の流動性が高まり、薬剤の吸湿防止が可能で保存安定性が良好となる。この結果、排ガスに排ガス処理剤を吹き込むことによる排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物などの酸性ガス、集塵灰中の重金属類の除去、さらには排ガス中の重金属類やダイオキシン類の除去を同時に効率的に実施できる。また、排ガスの集塵装置がバグフィルター式である場合に、バグフィルターの目詰まりが発生し易くなる、薬剤貯留中に薬剤が圧密され固化するなどの問題を防止できる。
以下に本発明の処理方法の態様を、焼却排ガスの処理を例に図を用いて具体的に説明する。図2中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3はガス冷却塔から集塵装置への煙道、4は集塵装置、5は本発明に係わる薬剤を貯留するホッパ、6及び7は本薬剤の供給配管、8は焼却飛灰ホッパ、9は混練成形機、10は飛灰処理物、11は焼却炉からガス冷却塔への煙道である。焼却炉1から排出される排ガスは850〜1100℃と高温であるが、ガス冷却塔2により300℃以下に冷却される。冷却塔2で冷却された排ガスは、煙道3を通って集塵装置4に送られ、そこで集塵処理されて、焼却飛灰が排ガスから分離される。焼却飛灰ホッパ8に貯留された集塵灰(焼却飛灰)は、混練成形機9に送られ加湿水や必要に応じてセメントや重金属固定化薬剤が添加され混練、成形される。煙道3又は11に、本発明に係る薬剤を貯留するホッパが、配管6及び7を介して接続されており、所定量の薬剤が煙道3及び/又は11内に供給される。
排ガス中の塩化水素に対する炭酸水素ナトリウムの当量比[NaHCO/HCl(モル比)]が0.8〜5になるように本発明の薬剤を添加するのが好ましい。
本発明の薬剤は粉末状であっても良いし、粉末薬剤を分散剤により水中に分散させたものを噴霧しても良い。本発明の排ガス処理薬剤を焼却炉の排ガスに噴霧し添加する場合、焼却炉から排出された中温排ガス(一般に300〜500℃)に対して行ってもよく(例えば図2のA)、冷却装置で冷却した後の中〜低温排ガス(一般に140〜300℃)に対して(例えば図2のB)行うこともできる。本発明の排ガス処理薬剤の反応性、安定性を考慮すると140〜300℃の排ガスに添加するのが、より好ましい。
また、本発明の薬剤を添加した排ガスは、集塵装置に送られ、そこで集塵処理されて焼却飛灰が排ガスから分離される。本発明においては、排ガスに本薬剤を添加すると共に、この分離された焼却飛灰(集塵灰)にセメントや重金属処理薬剤を加湿水と共に添加し処理することもできる。この場合、重金属処理薬剤としては、特開2003−117521号公報で開示されているような、錯体形成性の官能基を有する化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩やリン酸、リン酸塩、鉄塩などを用いることができる。
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.吸湿性実験
(実験薬剤の原料)
炭酸水素ナトリウム:平均粒径40μm、純度99%以上
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛:ジチオカルバミン酸遷移金属塩粉体
純度99%以上、
溶解度0.002g/100g水(25℃)以下、
分解開始温度250℃以上(TG:熱重量測定)
活性炭:エバダイヤ5AP−2(荏原エンジニアリングサービス製)、粒径45μm以
下が90%以上
ケイ砂:平均粒子径40μm
注)本発明において、平均粒径(Dm)は、以下の関係により定義される。
Dm=ΣniDi/Σni
ただし、Di:直径
ni:直径Diを有する粒子の重量頻度
(実験1)
炭酸水素ナトリウム(平均粒径40μm、純度99%以上)100質量部に対して、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(平均粒径40μm)を所定量添加し、良く混合したものを試料とした。試料の吸湿度をJIS K 6544に準拠して測定した。吸湿度測定方法を以下に詳細に説明する。
本発明で定める吸湿度とは、薬剤の単位質量当たりに吸収される水蒸気の質量をいい、本発明では温度20±1℃、相対湿度52±1%で平衡に達した薬剤を同温度、相対湿度79±2%の大気中に移行し、平衡に達したときのその薬剤1g当たりの質量増加量(mg)である。結果を図1及び第1表に示す。
Figure 2007167818
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛の含有量が0.1質量部未満では、吸湿度は炭酸水素ナトリウムと等しく吸湿抑制効果は得られなかった。ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を50質量部以上含有させても、乾燥減量は頭打ちとなり吸湿抑制効果は向上しなかった。
(実験2)
炭酸水素ナトリウム(平均粒径40μm)100質量部に対して、平均粒径がそれぞれ40μm、80μm、150μmのジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を10質量部添加し、良く混合したものを試料とした。試料の吸湿度をJIS K 6544に準拠して測定した。結果を第2表に示す。
Figure 2007167818
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛の平均粒径が本発明の範囲内である40μmの場合と比較し、本発明の範囲外である150μmでは吸湿度が高く吸湿抑制効果が劣った。
(実験3)
炭酸水素ナトリウム(平均粒径40μm)100質量部に対して、平均粒径40μmのジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を所定量添加し、良く混合したものを試料とした。試料の吸湿度をJIS K 6544に準拠して測定した後、試料を目視で観察した。結果を第3表に示す。
Figure 2007167818
ジエチルジチルカルバミン酸亜鉛を0.05質量部配合した場合、吸湿度が90mg/gであり、炭酸水素ナトリウムと同様に凝集物が発生した。ジエチルジチルカルバミン酸亜鉛を0.1質量部配合した場合、吸湿度は75mg/gであり凝集物の発生は認められなかった。
(実験4)
炭酸水素ナトリウム(平均粒径40μm)100質量部に対して活性炭(粒径45μm以下が90%)またはケイ砂(平均粒径40μm)を10重量部添加し、よく混合したものを試料とした。試料の吸湿度をJIS K 6544に準拠して測定した。結果を第4表に示す。
活性炭およびケイ砂は、水に難溶解性であるが、炭酸水素ナトリウムの吸湿抑制効果は認められなかった。
Figure 2007167818
2.圧縮性評価
(実験薬剤の原料)
炭酸水素ナトリウム:純度99%以上
ジエチルジチルカルバミン酸亜鉛:ジチオカルバミン酸遷移金属塩粉体
純度99%以上、
溶解度0.002g/100g水(25℃)以下、
分解開始温度250℃以上(TG:熱重量測定)
(実験1)
炭酸水素ナトリウム(平均粒径80μm)100質量部に対して、平均粒径がそれぞれ0.5μm、20μmのジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を40質量部添加し、良く混合したものを試料とした。試料の圧縮度をパウダーテスターPT−R型(ホソカワミクロン(株)製)を使用し測定した。結果を第5表に示す。
Figure 2007167818
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛の平均粒径が本発明の範囲内である20μmの場合、混合物の圧縮度は炭酸水素ナトリウムと同等であったが、0.5μmでは圧縮度が炭酸水素ナトリウムと比較し67%高くなり圧密しやすくなった。
(実験2)
平均粒径がそれぞれ5μm、80μmの炭酸水素ナトリウム100質量部に対して、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(平均粒径20μm)を40質量部添加し、良く混合したものを試料とした。試料の圧縮度をパウダーテスターPT−R型(ホソカワミクロン(株)製)を使用し測定した。結果を第6表に示す。
Figure 2007167818
炭酸水素ナトリウムの平均粒径が本発明の範囲内である80μmの場合、混合物の圧縮度は炭酸水素ナトリウムと同等であったが、5μmでは圧縮度が炭酸水素ナトリウムと比較し13%高くなり圧密し易くなった。
3.燃焼排ガスの処理実験
図2に示す実験装置を用いて燃焼排ガスの処理実験を行った。焼却炉1からの排ガスをガス冷却塔2によって冷却し、煙道3に第7表に示す処理薬剤をホッパ5から配管6を通して排ガス中に吹き込んだ後、集塵装置4において集塵処理を行った。集塵装置としてはバグフィルターを用いた。集塵処理後(図2のC)の排ガス中の塩化水素濃度、水銀濃度、ダイオキシン類濃度を測定した。ダイオキシン類の濃度は、ガスクロマトグラフ質量分析法によってダイオキシン類(PCDDs,PCDFs Total)の濃度として測定し、国際毒性等価係数(I−TEF)を用いて算出したダイオキシン類毒性等量値(ng−TEQ/g)として示した。さらに集塵灰8については、環告13号法に準拠し溶出試験を実施し鉛の溶出濃度を測定した。排ガス量は100m(NTP)/hであり、バグフィルター入口温度は170℃であった。第7表に各実施例における薬剤成分を、第8表に試験結果をそれぞれ示す。
(1)実験薬剤
炭酸水素ナトリウム:純度99%以上
活性炭:エバダイヤ5AP−2(荏原エンジニアリングサービス製)、粒径45μm以下が90%以上
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛:ジチオカルバミン酸遷移金属塩粉体、
純度99%以上、
平均粒径40μm、
溶解度、0.002g/100g水(25℃)以下、
分解開始温度250℃以上(TG:熱重量測定)
ジエチルジチオカルバミン酸カリウム:ジチオカルバミン酸アルカリ金属塩、
純度98%以上、
平均粒径40μm、
溶解度30g/100g水(25℃)以上、
分解開始温度190℃以上(TG:熱重量測定)
MAP:リン酸マグネシウムアンモニウム、
純度95%以上、
平均粒径は50μm
Figure 2007167818
Figure 2007167818
ジチオカルバミン酸遷移金属塩単独で処理した比較例1、2では、ブランク及び水溶性のジチオカルバミン酸のアルカリ金属塩で処理したと比較例3と比較し、排ガス中のダイオキシン類、水銀濃度及び集塵灰の鉛の溶出が抑制された。
炭酸水素ナトリウムで処理した比較例4と比較し、炭酸水素ナトリウム/ジチオカルバミン酸の遷移金属塩の混合薬剤で処理した実施例1では、排ガス中のダイオキシン類、水銀濃度及び集塵灰の鉛溶出が抑制された。一方、炭酸水素ナトリウム/水溶性のジチオカルバミン酸のアルカリ金属塩で処理した比較例5では、比較例4と排ガス中のダイオキシン類、水銀濃度及び集塵灰の鉛の溶出濃度は同等であった。炭酸水素ナトリウム/ジチオカルバミン酸遷移金属塩/多孔性物質としてゼオライト、活性炭、MAPのいずれか一つの混合薬剤で処理した実施例2、3、4では、比較例4と比較し排ガス中のダイオキシン類濃度が大幅に抑制されたのに加え、排ガスの水銀濃度、集塵灰の鉛溶出濃度が抑制された。
4.物性試験及び経時性能試験
第7表の実施例16及び比較例4の薬剤の安息角(度)を、相対湿度84%、温度20℃に調整した恒温恒湿室に保管する前1週間並びに3ヶ月間保管後に測定した。測定結果を第9表に示す。炭酸水素ナトリウムである比較例4と比較し、炭酸水素ナトリウムにジチオカルバミン酸の遷移金属塩を配合した実施例16は、デシケーター保管前1週間、3ヶ月保管後いずれにおいても安息角(度)が比較例より低く、粉体の流動性が高いことが示唆された。
Figure 2007167818
次に、薬剤成分が第7表の実施例1と同一(炭酸水素ナトリウムにジチオカルバミン酸の遷移金属塩を配合)の薬剤を相対湿度84%、温度20℃に調整した恒温恒湿室に3ヶ月保管した薬剤(実施例17)を用いて、燃焼排ガスの処理実験を行った。実験は3項の燃焼排ガスの処理実験の実施例1と同様に行った。測定結果を第10表に示す。
Figure 2007167818
実施例17は、排ガス中の塩化水素、ダイオキシン類、水銀濃度および集塵灰中の鉛溶出濃度が実施例1と同程度であり、相対湿度84%の高湿度下に保管しても性能低下は認められなかった。
本発明の排ガスの処理薬剤は、薬剤の吸湿防止が可能であるためバグフィルターの目詰まりを防止できるために、高い集塵効果が要求される都市ゴミ等の廃棄物焼却炉、アルミニウムや鉄鋼の精練プロセスからの排ガスの処理分野に大きい用途が期待される。
ジエチルジチルカルバミン酸亜鉛の排ガス処理薬剤中の含有量と吸湿度の関係を示すグラフである。 本発明に係る排ガス処理設備の概略全体の構成図である。
符号の説明
1 焼却炉
2 ガス冷却塔
3 ガス冷却塔から集塵装置への煙道
4 集塵装置
5 処理剤を貯留するホッパ
6、7 処理材の供給配管
8 焼却飛灰ホッパ
9 混練成形機
10 飛灰処理物
11 煙道
A 排ガス処理薬剤を中温排ガスに対して噴霧する位置
B 排ガス処理薬剤を中温〜低温排ガスに対して噴霧する位置
C 集塵処理後の排ガスを採取、分析する位置

Claims (5)

  1. (ア)平均粒径が10〜100μmである炭酸水素ナトリウムと、(イ)平均粒径が1〜100μmのジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を含有する薬剤であって、炭酸水素ナトリウム100質量部に対してジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩が0.1〜50質量部であり、吸湿度が80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤。
  2. (ア)炭酸水素ナトリウム100質量部に対して、(イ)ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属塩を0.1〜50質量部添加した後、粉砕し平均粒径を10〜100μmに調整した混合物の吸湿度が、80mg/g未満であることを特徴とする排ガス処理薬剤。
  3. ジチオカルバミン酸誘導体遷移金属の遷移金属が、鉄、亜鉛、コバルト、チタン、モリブデン、セリウム、バナジウム、タングステンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排ガス処理薬剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の排ガス処理薬剤を排ガスに添加することを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 請求項2記載の排ガス処理薬剤を排ガスに添加する排ガス処理方法において、前記排ガス処理薬剤の粒径調整のための粉砕を排ガス添加の直前に行うことを特徴とする排ガス処理方法。
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