JP2005230657A - 焼却飛灰の処理方法及び処理薬剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重金属類含有灰が水を含んだときに、未固定の重金属類が溶出するのを抑制し、臭気の発生のない新規な焼却飛灰の処理方法を提供すること。
【解決手段】 焼却飛灰に重金属類固定化剤を添加する、焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤がリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、前記方法。

Description

発明の詳細な説明
発明の属する技術分野
本発明は、都市ゴミや産業廃棄物などの焼却プラントから排出される焼却飛灰を処理する技術に関する。
従来の技術
都市ゴミや産業廃棄物の焼却処理の際に発生する焼却飛灰は、最終的には埋め立て処理される。しかしこれら焼却飛灰が重金属類を含有する場合には、埋め立て処理された後に雨水などで重金属類が溶出するおそれがあるため、埋め立て前にこれを固定化する必要がある。
焼却飛灰中の重金属類の固定化処理は、セメント固化法、酸その他の溶媒による抽出法、溶融固定化、薬剤添加法のいずれかの処理を行うことが義務づけられている。このうち「薬剤添加法」は他の方法に比べて一般的に装置が単純で操作も容易であるため、種々検討されている。薬剤添加法とは、所定量の水と薬剤と焼却飛灰を混練して反応させ、有害な重金属類を固定化する方法全般をいうこの目的で用いられる薬剤として代表的なものは、重金属類とキレート化合物を形成して水に不溶性の安定な固定化物を作る有機液体キレート系重金属固定化剤である。有機液体キレート系重金属固定化剤としては、例えばジアルキルジチオカルバミン酸のアルカリ金属塩及び/又はジアルキルジチオカルバミン酸基を分子内に2個以上有する化合物のアルカリ金属塩、例えばジエチルジチオカルバミン酸のカリウム塩及び/又はN,N,N,N−テトラ(ジチオカルボキシ)テトラエチレンペンタミンのナトリウム塩及び/又はピペラジンビスジチオカルバミン酸のカリウム塩などが挙げられる。これらの有機液体キレート系重金属固定化剤を用いた場合、混練や成形工程でジチオカルバミン酸基が分解し、二硫化炭素やアミン類の臭気が発生し、環境・労働安全衛生の観点から問題であった。さらに重金属類は有機液体キレート系重金属固定化剤と反応し、水に不溶性の化合物を形成するが、有機物であるため、埋め立て後に分解して埋立浸出水に重金属などの分解物が溶出する等、環境への影響が懸念される。
また、排ガス処理として尿素水やアンモニア水を焼却炉に吹き込んで排ガス中に含有する窒素酸化物を低減させる場合があるが、この処理中に排ガス中の他の成分との反応生成物(例えば塩化アンモニウム)が粉体状で飛灰中に移行しうる。飛灰中には塩化水素の処理に用いられる消石灰が含まれることがあるが、重金属類処理のための薬剤(例えば有機液体キレート系重金属固定化剤)と水とを焼却飛灰に添加して混練すると、この消石灰の影響でpHがアルカリ性側に傾き、飛灰に移行した塩化アンモニウムからアンモニアが追出されることがある。従って、上記薬剤を用いる処理では、アンモニア臭気を抑制することができず、環境・労働安全衛生上問題となりうる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
従来技術の開示
特開2002−166247号 「飛灰対策−有害物質除去・無害化・再資源化技術」第37〜41ページ エヌ・ティー・エス発行
[発明が解決しようとする課題]
本発明は、上記の課題を考慮して重金属類含有灰が水を含んだときに、未固定の重金属類が溶出するのを抑制し、臭気の発生のない新規な焼却飛灰の処理方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明者らは鋭意検討の結果、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を焼却飛灰処理剤として用いることにより、焼却処理物からの重金属類の溶出を防ぎ、さらに臭気の漏洩をも抑制することができる点を見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、焼却飛灰に重金属類固定化剤を噴霧する、焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤がリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、前記方法である。
本発明のさらなる態様は、焼却炉排ガスに重金属類固定化剤を添加する、焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤がリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、前記方法である。
本発明のもう一つの態様は、上記焼却飛灰の処理方法であって、用いる重金属類固定化剤が粗粒状であり、前記粗粒状の薬剤をその場で粉砕し、焼却炉排ガスに噴霧することを特徴とする、前記いずれかの方法である。
本発明のさらなる態様は、噴霧する重金属類固定化剤の粒径が、100μm未満であることを特徴とする、前記いずれかの方法である。
本発明のもう一つの態様は、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、焼却飛灰に含まれる重金属類を固定化するための薬剤である。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施態様を説明するが、本発明は以下の記載に限定されない。
本発明において「焼却飛灰」とは、都市ゴミや産業廃棄物の焼却施設において排出されるいわゆる一般的な意味での焼却灰(バルク状の灰)の他、焼却炉排ガス中に含まれる焼却飛灰、ならびに焼却残査を総合的に指すものとする。焼却飛灰を、EP(電気集塵機)、BF(バグフィルタ)、マルチサイクロンなどで捕集したり、単に堆積させることにより、いわゆる焼却灰を得ることができる。本発明において「焼却飛灰に重金属類固定化剤を添加する」という場合、重金属類固定化剤をいわゆる一般的な意味での焼却灰や焼却残査に加えることのほか、焼却飛灰を含んだ焼却炉排ガスに吹きかけることも意味する。
重金属類固定化剤とは、焼却飛灰中に含まれうる重金属類を固定化し、これらが流出しないようにすることができる薬剤全般を指す。本発明の重金属固定化剤が焼却飛灰中の重金属類を固定化する仕組みは、後に詳しく説明するが、これに限定されない。本発明の方法によって処理すると、埋め立て処理された焼却飛灰から雨水などで重金属類が溶出することを防止することができる。
本発明の重金属類固定化剤は、以下に詳述するリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする。
リン酸マグネシウムアンモニウムとは、化学式Mg(NH)POで表される化合物であり、一般に一水塩と六水塩が知られている。本発明においては「リン酸マグネシウムアンモニウム化合物」として、リン酸マグネシウムアンモニウムそのものの他、一水塩、六水塩、さらに上記リン酸マグネシウムを主成分とする組成物も好適に用いることができる。一水塩及び六水塩を主成分とする組成物を特に好適に用いることができる。リン酸マグネシウムアンモニウム化合物は一般にMAPと呼ばれ、広く用いられる化合物である。リン酸マグネシウムアンモニウム化合物は、市販の化学製品をそのまま用いることが出来る。あるいは、排水処理時に発生する汚泥の嫌気性消化脱離液などから、リンやアンモニア性窒素をイオン反応による晶析反応を利用して除去する、いわゆるMAP造粒法によってこれを得ることもできる。リン酸、マグネシウム塩、及びアンモニウム塩を水中で混合し、反応させることで得ることも可能である。
かかる方法で得られるリン酸マグネシウムアンモニウム化合物は、必要であれば水分を除去し、適宜粉砕して本発明に用いることができる。
水分の除去は加熱乾燥により行うことが出来、粉砕時の摩擦熱を利用して行うこともできる。100℃以上で乾燥させると、結晶水も揮発しうる。排ガスに噴霧する場合には、高温環境下で水分が揮発する場合があるので、事前に乾燥させずにそのまま用いてもよい。
本発明で用いるリン酸マグネシウムアンモニウム化合物は、粒径5〜100μmのものを用いることが好ましく、特に100μm未満、さらには30μm未満のものを用いることが非常に好ましい。上記方法で得られるリン酸マグネシウムアンモニウム化合物が粗粒状、(粒径0.3〜2mm)である場合には、好ましい粒径になるように適宜粉砕して用いることができる。
本発明の好適な態様においては、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含む粗粒状の重金属類固定化剤をその場で(オンサイトで)粉砕し、焼却飛灰に噴霧することができる。リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含む重金属類固定化剤をその場で粉砕する場合には、リングロールミル、スタンプミル、ロッドミル、ボールミルなどの粉砕機を用いることができる。このように本発明の重金属類固定化剤をオンサイトで粉砕し、焼却飛灰に噴霧すると、焼却施設に持ち込むまでの工数を減らすことが出来るので、処理コストが低減できる。
重金属類固定化剤を焼却炉排ガスに噴霧する場合、焼却炉から排出されたばかりの高温排ガス(一般に約850〜1100℃)に対して行ってもよく(例えば図1のA)、冷却装置で冷却した後の中〜低温排ガス(一般に約150〜300℃)に対して行う(例えば図1のB)こともできる。重金属類固定化在中に含まれるリン酸マグネシウムアンモニウム化合物の熱安定性を考慮すると、300℃未満の排ガスに対して噴霧することが好ましい。
さらに本発明は、上述したリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含む、焼却飛灰の重金属類を固定化するための薬剤に関する。本発明の重金属類固定化剤は焼却飛灰の重金属類を固定化することができ、鉛などのカチオン系重金属類の他、ヒ素やセレンのようなアニオン形態で存在する金属も、固定化作用により安定化できる。さらにアンモニアやアミン類からなる臭気物質を吸着する機能を有する。本発明の重金属類固定化剤が焼却飛灰に添加されると、含まれるリン酸マグネシウムアンモニウムが以下のように反応して作用する。
Figure 2005230657
この反応により発生するリン酸一水素マグネシウムは、多孔質の結晶を形成する。この多孔質形態の中に、臭気物質及び重金属類が吸着され、固定化されると考えられる。
本発明において「リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含む薬剤」とは、上記のリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を主成分とした組成物全般をいい、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を10〜100重量%、好ましくは40〜100重量%含む。本発明の方法は、リン酸マグネシウム化合物自体を焼却飛灰に添加するほか、リン酸マグネシウム化合物を他の成分との組成物の形で添加する態様をも含む。
次に本発明の処理方法の態様を図を用いて具体的に説明する。
図1中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3はガス冷却塔から集塵装置への煙道、4は集塵装置、5は本発明にかかる重金属類固定化剤を貯留するホッパ、6及び9は重金属類固定化剤の供給配管、11は粉砕機、12は焼却飛灰ホッパ、13は混練成形機、14は飛灰処理物である。焼却炉1から900〜950℃の高温排ガスが排出され、ガス冷却塔2により約300℃以下に冷却される。ガス冷却塔2で冷却された排ガスは煙道3を通って集塵装置4に送られ、そこで集塵処理されて焼却飛灰が排ガスから分離される。焼却飛灰ホッパ12に貯留された焼却飛灰は混練成形機13に送られ、水と必要に応じて薬剤が添加され混練、成形される。
煙道3又は10で、本発明にかかる重金属類固定化剤を貯留するホッパが配管6及び9を介して接続され、所定量の重金属類固定化剤が煙道3及び/又は10内に供給される。煙道中に吹き込まれた重金属類固定化剤が加熱され、含有するリン酸マグネシウムアンモニウム化合物がアンモニアを放出し、リン酸一水素マグネシウムに変化する。このリン酸一水素マグネシウムの多孔質結晶内に、重金属類と臭気物質が吸着され固定化される。
本発明にかかる重金属類固定化剤の添加量は、焼却飛灰の重金属類含有量により変わりうるが、発生する焼却飛灰の重量に対して0.1重量%以上になるように吹き込むことが一般的である。より好ましくは、1〜30重量%で吹き込むことができる。
リン酸マグネシウムアンモニウム化合物が発生させるアンモニアは、排ガス中の窒素酸化物(NOx類)を窒素に還元する作用を有する。したがって、例えば尿素などを追加することなしに脱硝効果を得ることができる。
また、集塵装置4として、バグフィルタ、サイクロン、電気集塵機などの一般的な集塵装置を用いることができるが、特にバグフィルタなどの濾過装置を用いる場合には、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物が濾過助剤として機能する。すなわち一種の剥離剤のような役割を果たしてフィルタの通気抵抗を低減し、目詰まりを防止することができる。
本発明の処理方法は、従来の有機液体キレート系重金属固定剤、リン酸(塩)、珪酸(塩)、炭酸(塩)、重炭酸(塩)などの無機系重金属類固定化剤、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリ硫酸アルミニウム(PAS)などのアルミニウム系凝集剤、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などの鉄系凝集剤、樹脂酸などによる薬剤処理法と組み合わせて行うことができる。
さらに、飛灰の飛散防止を目的として、飛灰を固化するために添加するセメント、排ガス中のダイオキシン類の除去のために添加する活性炭、あるいは排ガス中の塩化物、特に塩化水素の除去のために添加する消石灰等、従来から使用される薬剤及びこれらの混合物と、本発明の重金属類固定化剤とを予め混合し、煙道に噴霧することも可能である。このようにすれば本発明の重金属類固定化剤専用の貯留用ホッパー、切り出し装置及び噴霧装置などを設置する必要がなくなる。
以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の好適な態様の例示であり、本発明を限定するものではない。
実験方法
(1)試料
都市ゴミ焼却炉のバグフィルタ飛灰(以下、BF灰という)を用いた。性状を表1に示す。
Figure 2005230657
(2)リン酸マグネシウムアンモニウム化合物の調製
5Lビーカーに純水500mL、85重量%正リン酸(14.9g)、98重量%塩化マグネシウム六水和物(26.8g)、および28重量%アンモニア水(7.9g)を採取し、純水で5Lにメスアップして各々0.026モル%になるように調製した。水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9になるように調整し、1時間撹拌後、24時間静置した。析出物を沈殿させ、5A濾紙で分離し、1週間風乾した。乾燥物をボールミルで粉砕した。得られた化合物のリン酸マグネシウムアンモニウム含有量は95%であった。
(3)リン酸マグネシウムアンモニウム化合物の煙道噴霧(模擬実験)
上記のように調製したリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を高温の煙道に噴霧する実機での使用を想定し、電気炉で各々所定温度条件で5分間加熱して試料とした。
(3)−1 重金属類溶出試験
飛灰試料100重量部に対し水30重量部を加え、さらに所定量の薬剤を添加して充分混練して一日間養生した。サンプルを5mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号試験法に基づいて重金属類の溶出試験を行った。
(3)−2 臭気試験
飛灰試料20gを1Lのテドラーバッグに入れ、水30重量部と所定量の薬剤を添加して充分混練した。さらに空気500mLを注入して、50℃で30分間加温した後、気相中のアンモニア及び二硫化炭素の濃度の測定を行った。
(3)−3 混練成形物の圧縮強度
飛灰試料100重量部に対し水30重量部を加え、さらに所定量の薬剤を添加して充分混練した。混練物を成形機で直径2.5cm、長さ5cmの円柱状に成形した。三日間養生した後、長軸方向の圧縮強度を測定した。
結果
重金属類溶出試験の結果を表2に、臭気試験及び混練物の圧縮強度測定の結果を表3に示す。
Figure 2005230657
Figure 2005230657
各実施例における鉛、ヒ素、セレンの溶出濃度の結果(表2)を見ると、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物で処理した実施例1〜15は、原灰(比較例4)、消石灰で処理(比較例1)、セメントで処理(比較例3)した場合と比べてこれら重金属類の溶出濃度が減少していることがわかる。実施例3,4,7,8,11,12,14,15では、埋立基準を満たしていた。すなわち、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含む本発明の重金属類固定化剤を用いて、焼却飛灰からの重金属類の溶出を効果的に抑制できることがわかった。
粒径が5〜50μmのリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を用いた例(実施例7)は、粒径が50〜150μmのものを用いた例(実施例13)と比較して鉛の溶出抑制効果に優れていた。
表3のアンモニア及び二硫化炭素発生量の結果を見ると、飛灰試料をリン酸マグネシウムアンモニウム化合物で処理した例(実施例16〜21)は、有機液体キレート系重金属固定化剤で処理した例(比較例6)と比べてかかる臭気物質の発生量が大幅に減少していることがわかる。
同じく表3の混練成形物の強度の結果を見ると、原灰(比較例8)、リン酸マグネシウムアンモニウム化合物で処理した例(実施例16〜21)は、有機液体キレート系重金属固定化剤で処理した例(比較例6)、消石灰で処理した例(比較例5)と比べて圧縮強度に優れることがわかった。
[発明の効果]
すなわち、本発明の重金属類固定化剤を用いた本発明の焼却飛灰処理方法によると、焼却飛灰中の重金属類を効果的に固定化することができるため、埋立処理等行った場合でも埋立物からの重金属類の溶出を抑制することができる。さらに従来重金属類固定化の目的でキレート剤を使用する場合に生じうる有害ガスの発生の問題をも同時に解決することが出来るため、環境・労働安全衛生の観点から非常に有利である。本発明の重金属類固定化剤を用いることにより排ガスの脱硝用尿素を使用する必要がなくなり、さらに焼却飛灰処理後に生成する混練成形物の強度を増すことができるため、混練成形物が崩壊粉化しにくくなり、混練成形物を輸送する際の粉塵の飛散や、埋立後の溶出を抑制できる。焼却炉の下流の集塵装置としてバグフィルタを使用する場合、バグフィルタの目詰まりを防止するという副次的な効果も有する。リン酸マグネシウムアンモニウム化合物自体は安定な無機化合物であり、有機液体キレート化合物を使用するよりも埋立後の安定性が高く、環境への負荷が小さくなる。
図1は、本発明の焼却飛灰処理方法を行うことができる焼却設備の例を示した模式図である。
符号の説明
1:焼却炉;2:ガス冷却塔;3:ガス冷却塔から集塵装置への煙道;4:集塵装置;5:重金属類固定化剤を貯留するホッパ;6及び9:重金属類固定化剤の供給配管;11:粉砕機;12:焼却飛灰ホッパ;13:混練成形機;14:飛灰処理物

Claims (5)

  1. 焼却飛灰に重金属類固定化剤を添加する、焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤がリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、前記方法。
  2. 焼却炉排ガスに重金属類固定化剤を噴霧する、焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤がリン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、前記方法。
  3. 請求項2に記載の焼却飛灰の処理方法であって、前記重金属類固定化剤が粗粒状であり、前記粗粒状の薬剤をその場で粉砕し、焼却炉排ガスに噴霧することを特徴とする、前記方法。
  4. 噴霧する重金属類固定化剤の粒径が、100μm未満であることを特徴とする、請求項1−3のいずれか1項に記載の方法。
  5. リン酸マグネシウムアンモニウム化合物を含むことを特徴とする、焼却飛灰に含まれる重金属類を固定化するための薬剤。
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