JP3866914B2 - 燃焼排ガスの処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼炉からの排ガスの処理装置に関し、詳しくは、ごみ焼却炉等の各種焼却炉やボイラなど燃焼炉から排出される飛灰及び焼却灰(以下、これらを併せて「焼却飛灰」と称する)を含む排ガス中に含有されるポリ−塩化−p−ジベンゾダイオキシン類(PCDD)やポリ塩化ジベンゾフラン類(PCDF)、コプラナーPCB(co−PCB)等の有機塩素化合物(以下、これらを併せて「ダイオキシン類」と称する)や重金属類などの有害物質を効率的に処理するための排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼炉から発生する排ガスには有害物質が含まれることが多い。特に、ごみ焼却炉等の焼却炉では、燃焼中にフェノール、ベンゼン等の有機化合物、クロロフェノール、クロロベンゼン等の塩素化芳香族化合物等のダイオキシン類前駆体が発生する。これらのダイオキシン類前駆体は、焼却飛灰が存在すると、その触媒作用によってダイオキシン類となって焼却飛灰中或いは排ガス中に存在する。
【0003】
従来、このようなダイオキシン類含有焼却飛灰の処理方法としては、次のような方法が提案されていた。
(1) ダイオキシン類含有焼却飛灰を、窒素ガス等の還元性雰囲気下で、320℃では2時間、340℃では1〜1.5時間保持することによりダイオキシン類を分解する方法(ハーゲンマイヤープロセス, Organohalogen Compound, 27, 147-152 (1996)、特開昭64−500320)。
【0004】
(2) ダイオキシン類含有焼却飛灰を、ダイオキシン類生成抑制剤(ピリジン)の存在下で、300〜500℃で熱処理する方法(特開平4−241880号公報)。
【0005】
ダイオキシン類は、従来より、300℃未満では熱分解しないとされており、上記の方法は、この定説通りに、300℃以上に加熱することによってダイオキシン類を分解するものであり、加熱処理中に、ダイオキシン前駆体からのダイオキシン類の生成を抑制するために、ダイオキシン類分解温度域でダイオキシン類生成抑制剤を焼却飛灰に添加している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の方法には、以下のような問題点があった。
(a) 処理温度が高く、処理時間も長いため、必要とするエネルギーが多く、処理コストも高くなる。
【0007】
(b) 冷却時にダイオキシン類が再合成する可能性がある。
(c) 窒素ガス等の還元性雰囲気下で処理する必要があるが、酸素を完全には遮断できないために、ダイオキシン類の分解率が低くなる。
【0008】
(d) 部分的に脱塩素反応が進行するため、より毒性の高いダイオキシン類が生成する。
本発明者は、これらの従来法の問題点を解決し、従来法ではダイオキシン類を分解できないと考えられていた低温度域でも、短時間でダイオキシン類を分解除去することができ、更には酸素の存在下においても、ダイオキシン類を効率よく分解することのできるダイオキシン類分解剤を考案し、特許出願を行った。
【0009】
これらの提案されたダイオキシン類分解剤は、次の化合物を含むものである。
次式I:
【0010】
【化7】
【0011】
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アルケニル基又はアリールアルケニル基を表す)
で示される化合物(特願平2000−62980号);
次式II:
【0012】
【化8】
【0013】
で示される化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩(特願平2000−112910号);
次式III:
【0014】
【化9】
【0015】
(式中、R3及びR4は、同一でも異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリールアルキル基を表し、又はR3とR4とで環を形成していてもよい)
で示される化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、亜鉛酸塩又はニッケル塩(特願平2000−112912号);
次式IV:
【0016】
【化10】
【0017】
(式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリールアルキル基を表し、又はR5とR6とで環を形成していてもよい)
で示される化合物(特願平2000−112913号);
次式V:
【0018】
【化11】
【0019】
(式中、Mはアンモニウム又は金属を表す)
で示される化合物(特願平2000−112914号);
次式VI:
【0020】
【化12】
【0021】
(式中、R7は、それぞれ独立して、水素、メチル基を表し;R8は、それぞれ独立して、R7が水素の場合には、水素、フェニル基を表し、R7がメチル基の場合には、水素、メチル基を表す)
で示される化合物(特願平2000−112916号)。
【0022】
上記式において、「アルキル」は、好ましくはC1〜C8アルキル、特にC1〜C4アルキルであり、具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が挙げられる。「アルコキシ」は、好ましくはC1〜C8アルコキシ、特にC1〜C4アルコキシであり、具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。「アリール」は、好ましくはC6〜C10アリールであり、具体例としては、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。「アルケニル」は、好ましくはC1〜C4アルケニル、特にC1〜C3アルケニルであり、具体例としてはビニル、アリル等などが挙げられる。また、アルキアルアミノ基の具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ等が挙げられ、ジアルキルアミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等が挙げられ、アリールアミノ基の具体例としては、アニリノ等が挙げられ、アリールアルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられ、アリールアルケニル基の具体例としては、スチリル等が挙げられる。また、「アルカリ金属塩」としては、例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩などが挙げられ、「アルカリ土類金属塩」としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられ、「アミン塩」としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミンなどのモノアルキルアミン塩;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミンなどのジアルキルアミン塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどのトリアルキルアミン塩;シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン塩;ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン塩;ベンジルアミン、フェネチルアミンなどのモノアラルキルアミン塩;ジベンジルアミン、ジフェネチルアミンなどのジアラルキルアミン塩;エタノールアミン、プロパノールアミンなどのアルカノールアミン塩;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミン塩;トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどのトリアルカノールアミン塩;ピロリジン、ピペリジン、ピペコリン、モロホリンなどの環状アミン塩;及びアニリン、トリイジン、キシリジンなどの芳香族アミン塩が挙げられる。
【0023】
なお、これらのダイオキシン類分解剤は、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、活性炭又は活性コークスから選択される担体に担持されていてもよい。
これらのダイオキシン類分解剤を用いてダイオキシン類と接触させることにより、ダイオキシン類を300℃以下、好ましくは250℃以下、更に好ましくは230℃以下、最も好ましくは200℃以下の温度で分解することができる。
【0024】
また、燃焼炉、特にごみ焼却炉等で発生する焼却飛灰には、鉛、カドミウム、クロム、水銀、亜鉛、銅等の人体に有害な重金属類が高濃度に含有されている。これらは雨水等の環境水と接触すると溶出を起こし、土壌や地下水、河川、海水等を汚染する。
【0025】
そのため、従来、焼却飛灰からの重金属類の処理法としては、次のような方法が提案されていた。
(1) 酸その他の溶媒によって重金属類を安定化する方法。
【0026】
(2) 重金属類を含む飛灰を溶融固化する方法。
(3) 重金属類を含む飛灰をセメントで固化する方法。
(4) 重金属類を含む飛灰を薬剤で処理する方法。
【0027】
しかしながら、上記の重金属類の溶出防止方法には、次のような問題点があった。
(a) 溶融固化法では、1200〜1400℃の処理温度を必要とするため、エネルギー量が大きく、処理コストも高くなる。
【0028】
(b) セメント固化法では、pH値が高いと鉛が溶出し易くなるので、溶出防止対策としては十分ではない。また、処理物の減容化も図れない。
(c) 重金属類を含む飛灰を薬剤で処理する方法では、この目的で用いられる液体キレート剤が高価で、高コストになる。
【0029】
よって、焼却飛灰中に含まれている重金属類の溶出を効率的に防止する方法を開発することもまた待望されていた。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に示す本発明者が提案したダイオキシン類分解剤を用いて焼却飛灰を含む燃焼炉排ガスに含まれるダイオキシン類を効率よく分解するための装置を提供するものである。即ち、本発明の第1の態様は、燃焼炉から排出される焼却飛灰とダイオキシン類分解剤とを混合してダイオキシン類の分解反応を行うダイオキシン類分解装置を具備することを特徴とする燃焼排ガスの処理装置に関する。また、他の形態では、本発明は、燃焼炉から排出される焼却飛灰を含む排ガスを所定温度に冷却するガス冷却装置;前記ガス冷却装置からの排出ガスを処理してその中に含まれる焼却飛灰を分離するための集塵装置;前記集塵装置から排出される焼却飛灰とダイオキシン類分解剤とを混合してダイオキシン類の分解反応を行うダイオキシン類分解装置;を具備することを特徴とする燃焼排ガスの処理装置に関する。また、本発明の第2の態様においては、ダイオキシン類分解装置に加えて、焼却飛灰からの重金属類の溶出を防止するための装置を更に具備する燃焼排ガスの処理装置が提供される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の態様に係る燃焼排ガス処理装置の具体的な一態様を説明する。図1は、本発明の一態様に係る燃焼排ガス処理装置の構成を示す概念図である。以下の説明は、図1に示す本発明の一態様に係る燃焼排ガス処理装置に関するもので、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
図1中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3は煙道、4は集塵装置、6は集塵焼却飛灰貯留槽、7はダイオキシン類分解剤供給装置、8は混合装置、9は混合焼却飛灰貯留槽である。焼却炉1から排出される排ガスは、900℃〜950℃の高温であるが、ガス冷却塔2により300℃以下の所定の温度に冷却される。ここでいう所定の温度とは、混合装置8においてダイオキシン類分解剤供給装置7から供給されるダイオキシン類分解剤と混合される集塵焼却飛灰が、ダイオキシン類分解反応の反応温度となるような温度であり、この反応温度はダイオキシン類の濃度や用いられるダイオキシン類分解剤の種類などによって変動するが、一般に、150℃以上、好ましくは180℃以上であって、300℃以下、好ましくは250℃以下、更に好ましくは230℃以下、最も好ましくは200℃以下の温度である。ガス冷却塔2を適宜制御することにより、所望の温度に排ガスを冷却することができる。なお、ガス冷却塔に代えて、排ガスを所望の温度に制御しながら冷却することのできる当該技術において公知の任意の冷却装置を用いることができる。冷却塔2で冷却された排ガスは、所望により設けられる煙道3を通って集塵装置4に送られ、ここで集塵処理されて、焼却飛灰が排ガスから分離される。集塵装置4に入る排ガスは、冷却塔2において300℃以下に冷却されたものであるので、バグフィルタや電気集塵器等、この温度範囲で当該技術において用いられている任意の集塵装置を用いることができる。
【0033】
集塵装置4で分離された焼却飛灰は、配管5を通して集塵焼却飛灰貯留槽6に送られる。次に焼却飛灰は混合装置8に送られ、ここでダイオキシン類分解剤供給装置7からのダイオキシン類分解剤と混合される。ダイオキシン類分解剤としては、上述した式I〜VIの化合物を含むダイオキシン類分解剤のいずれか、又はこれらを混合したものを用いることができる。これにより、焼却飛灰に含まれるダイオキシン類が、ダイオキシン類分解剤と反応して分解される。したがって、混合装置8を本発明の燃焼排ガス処理装置におけるダイオキシン類分解装置として用いることができる。この際、焼却飛灰の温度は前記ガス冷却塔2において、用いられるダイオキシン類分解剤によるダイオキシン類分解反応温度にされているので、ダイオキシン類が効率良く分解される。混合装置8での集塵焼却飛灰とダイオキシン類分解剤との混合時間は、一般に、5分〜30分が好ましい。
【0034】
本発明に係る装置においては、ダイオキシン類と、上記に示すようなダイオキシン類分解剤とを接触させることによって、ダイオキシン類中の塩素原子とダイオキシン類分解剤の化合物とが反応し、ダイオキシン類の脱塩素反応又は六員環(ベンゼン環)の開裂反応が迅速に進行して、ダイオキシン類が分解される。
【0035】
本発明に係るダイオキシン類分解剤は、上記に示すものの1種だけ用いてもよく、或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明に係るダイオキシン類分解剤は、担体に担持された形態であってもよい。用いることのできる担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、活性炭、活性コークスなどを挙げることができる。このような担体上に本発明に係るダイオキシン類分解剤を担持させることにより、かかる担体によるダイオキシン類分解の触媒効果も期待され、より効率よくダイオキシン類を分解することが可能になる。
【0036】
本発明によれば、ダイオキシン類中の塩素とダイオキシン類分解剤とが反応することにより、従来法ではダイオキシン類は分解しないとされていた300℃よりも低い温度で、ダイオキシン類の脱塩素反応或いは六員環(ベンゼン環)の開裂反応が迅速に進行して、ダイオキシン類が分解される。
【0037】
本発明において、ダイオキシン類分解剤の使用量は、集塵焼却飛灰に対して0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
なお、焼却飛灰は、焼却炉排ガス中のダイオキシン類の吸着除去剤として焼却炉の煙道に吹き込まれた粉末の活性炭を含むものであってもよい。
【0038】
本発明において、ダイオキシン類分解剤を、集塵焼却飛灰と接触させる際の形態は、粉体状又はガス状のいずれであってもよい。しかし、焼却飛灰を含む焼却炉排ガスを、ガス状の本発明に係るダイオキシン類分解剤と接触させた場合に最も効率よくダイオキシン類が分解されるので、ダイオキシン類分解剤として300℃よりも低い温度で十分に高い蒸気圧を有するものを用いることが好ましい。
【0039】
本発明において、焼却飛灰を含む焼却炉排ガスとダイオキシン類分解剤とを接触させる方法としては、以下のような方法を採用することができる。
A.ダイオキシン類分解剤を混合装置8においてダイオキシン類と接触させる。
【0040】
B.ダイオキシン類分解剤を、粉末活性炭、粉末活性コークス、シリカ、アルミナ、珪藻土又はゼオライト等の担体に担持させ、この担持型薬剤を混合装置8に供給して集塵焼却飛灰中のダイオキシン類と接触させる。
【0041】
C.ダイオキシン類分解剤を300℃以下の温度に加熱してガス化し、このガスを含む気流を混合装置8に供給して集塵焼却飛灰中のダイオキシン類と接触させる。
【0042】
ダイオキシン類分解剤と混合された集塵焼却飛灰は、次に所望により、混合焼却飛灰貯留槽9で一定時間保持される。この場合、貯留槽内の温度を、300℃以下のダイオキシン類分解反応温度に保つための加熱・保温装置を貯留槽9に取り付けることができる。貯留槽9で一定時間混合物を保持することによりダイオキシン類の分解がより十分に行われる。したがって、本発明の燃焼排ガス処理装置におけるダイオキシン類分解装置は、混合装置8と貯留槽9との組み合わせであってもよい。貯留槽9での保持時間は、焼却飛灰中のダイオキシン類の濃度、用いるダイオキシン類分解剤の種類、量、貯留槽9での温度等により変動するが、一般に、30分〜1時間が好ましい。
【0043】
次に、貯留槽9において所望により一定時間保持されてダイオキシン類が十分に分解された焼却飛灰は、排出管10を介して外部に廃棄することができる。
一方、図1に示す装置においては、集塵装置4において焼却飛灰が分離除去された排ガスは、IDF(Induced Draft Fan:誘引送風機)11及び煙突12を通して系外に放出される。
【0044】
上記に示すダイオキシン類分解剤は、ダイオキシン類と、還元性雰囲気下で接触させても、或いは酸素存在下、即ち大気中若しくは排ガス中で接触させても、ダイオキシン類を効率よく分解することができる。したがって、本発明に係る燃焼排ガス処理装置においては、ダイオキシン類分解剤とダイオキシン類とを接触させる雰囲気を調整するのための設備や作業は不要である。
【0045】
また、本発明に係る燃焼排ガス処理装置においては、上述のダイオキシン類分解工程を経た後の集塵飛灰を更に重金属溶出防止処理にかける機構を設けることができる。即ち、本発明の第2の態様は、上述のダイオキシン類分解工程を経た後の集塵飛灰に水及び/又は重金属溶出防止剤を加えて混練りするための混練り装置;を更に具備することを特徴とする燃焼排ガスの処理装置に関する。
【0046】
以下、図面を参照しながら、本発明の第2の態様に係る燃焼排ガスの処理装置の具体的な一態様を説明する。図2は、本発明の第2の態様に係る燃焼排ガスの処理装置の構成を示す概念図である。
【0047】
図2中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3は煙道、4は集塵装置、5は集塵焼却飛灰配管、6は集塵焼却飛灰貯留槽、7はダイオキシン類分解剤供給装置、8は混合装置、9は混合焼却飛灰貯留槽、10は焼却飛灰排出管、11は送風機、12は煙突である。これらの運転操作は図1と同様であるので、説明を省略する。
【0048】
図2に示す燃焼排ガス処理装置においては、混合焼却飛灰貯留槽9において所望により一定時間保持されてダイオキシン類が十分に分解された焼却飛灰は、次に、配管10を通って混練り機13に誘導され、ここで水及び/又は重金属溶出防止剤が配管14を通して加えられ、混練りされる。
【0049】
上述した本発明者が提案したダイオキシン類分解剤の中で、式VIで示される化合物を含むものは、低温度域でダイオキシン類を分解することができるのに加えて、それと同時に重金属類の溶出をも防止することができる(特願2000−112916号)。したがって、混合装置8に供給するダイオキシン類分解剤として、式VIで示される化合物を含むものを用いる場合には、混練り工程においては、水のみを加えることによって、重金属溶出防止を図ることができる。この場合、式VIの化合物によるダイオキシン類の分解反応によって生成する式VIの化合物に由来する化合物が重金属類捕捉成分として機能し、これが焼却飛灰中の重金属類と反応して、水に不溶性の化合物が生成する。これにより、焼却飛灰からの重金属類の溶出を防止することができる。
【0050】
一方、混合装置8において、式VIの化合物を含まないダイオキシン類分解剤を供給する場合には、配管14を通して水に代えて又は水に加えて、キレート薬剤のような重金属捕捉性能を有することが当該技術において公知の薬剤を必要量添加する。この目的で用いることのできる当該技術において公知の重金属捕捉性薬剤としては、ジチオカルバミン酸基を有する液体薬剤、含硫黄粉体系薬剤、セメントなどを挙げることができる。また、その使用量は、一般に、焼却飛灰の重量に対して、ジチオカルバミン酸基を有する液体薬剤にあっては1〜2%、含硫黄粉体系薬剤にあっては1〜5%、セメントにあっては5〜10%程度であってよい。
【0051】
また、混合装置8において式VIの化合物を含むダイオキシン類分解剤を供給する場合であっても、ここでは焼却飛灰中に含まれるダイオキシン類の量に依存してその分解に必要な量だけのダイオキシン類分解剤を供給し、生成する重金属類捕捉成分が焼却飛灰中に含まれる重金属類の溶出を防止するためには不足している場合には、配管14を通して、水に代えて又は水に加えて、上記に説明したような重金属捕捉性薬剤を必要量加えることができる。
【0052】
本発明の第2の態様において用いることのできる混練り機13としては、当該技術において周知の混練機、例えば、押出造粒機、転動造粒機などを用いることができる。混練りは、常温〜80℃程度の温度で、混合物が均一な状態に混合されるまで行うことが好ましい。なお、混練りにより、重金属捕捉成分と重金属類との発熱反応が起こるので、混練機に加熱手段を用いる必要性はない。
【0053】
混練り機13において混練りされて重金属類が水に不溶性の化合物に転化された焼却飛灰は、排出管15を介して外部に廃棄されるか、或いは、一定時間養生させた後、場外に排出される。
【0054】
以上は、本発明に係る装置を用いた集塵装置から排出される集塵飛灰中のダイオキシン類の除去処理に関する説明であるが、ダイオキシン類は、焼却飛灰中に含まれるのに加えて、燃焼排ガス中にもガス状若しくは粒子状の形態で浮遊して存在する。このようなダイオキシン類は、集塵装置からの排出ガスに含まれて放出されるので、集塵装置からの集塵飛灰のみならず、それからの排出ガスについてもダイオキシン類の分解除去処理を行わなければならない場合がある。本発明は、このような集塵装置からの排出ガス中のダイオキシン類の分解除去を行うための装置をも提供する。即ち、本発明の第3の態様は、燃焼炉から排出される飛灰及び焼却灰を含む排ガスを所定温度に冷却するガス冷却装置;前記ガス冷却装置からの排出ガスを処理してその中に含まれる飛灰及び焼却灰を分離するための集塵装置;を具備し、更に前記集塵装置から排出されるガスを誘導する排気路に、該排出ガスを通過させて、ガス中に含まれる有害物質を分解除去するための集塵装置排出ガス処理装置を具備することを特徴とする燃焼排ガスの処理装置に関する。
【0055】
このような集塵装置後段に設置する排出ガス処理装置としては、ペレット状や粒状の活性炭や活性コークスなどの炭素系吸着剤を充填した充填塔(吸着塔)などが提案されている。このような充填塔設備の形式としては、固定層方式若しくは使用済みの充填剤を定期的に一定量切出すことにより処理(吸着)帯を一定とする移動床方式が採用されており、いずれも排ガス中のダイオキシン類の良好な低減効果(除去率99%以上)が確認されている。しかしながら、これらの炭素系吸着剤によるダイオキシン類の除去機構は、吸着剤表面への単なる物理吸着であるため、ダイオキシン類が排出ガスから充填剤に移行するだけで、ダイオキシン類の総量としては変化がないばかりでなく、充填剤中にダイオキシン類が高濃度で濃縮されるので、使用済みの充填剤の再生及び処分には、還元(窒素)雰囲気下、300〜400℃で2時間程度の加熱処理が必要となるなど、高度な技術が要求される。更に活性コークスやピート、及び褐炭などの揮発分の高い石炭類を原料とした活性炭を用いた場合には、活性炭製品自体の揮発分が高い上に発火点が低く、更には吸着した低沸点化合物、揮発性化合物の影響やダスト中に存在する金属類の触媒作用により、使用済み活性炭の発火点が製品と比較して100℃以上降下することがある。このために使用済み活性炭の貯留時に着火(発火)する事故例が報告されており、安全性に問題があった。
【0056】
本発明の第3の態様においては、集塵装置排出ガス処理装置中に、上記に説明した式I〜式VIの化合物を含むダイオキシン類分解剤を有害物質分解剤として配置することができる。これにより、集塵装置の排出ガス中に含まれるダイオキシン類等の有害物質を、低温で効率的に分解除去することができる。
【0057】
集塵装置排出ガス処理装置中に配置する式I〜式VIの化合物を含む有害物質分解剤は、好ましくは、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、或いは活性コークス又は活性炭の炭素系吸着剤から選択される物質に担持された状態で用いることが好ましい。このように担体に式I〜式VIのダイオキシン類分解剤を担持させた担持型のダイオキシン類分解剤を用いることにより、排出ガス中のダイオキシン類をまず担体に吸着させ、この状態でダイオキシン類分解剤と反応させることができるので、ダイオキシン類分解剤とダイオキシン類との接触時間を長く取ることができ、ダイオキシン類の完全な分解除去が可能になる。
【0058】
なお、本発明に係る集塵装置排出ガス処理用の有害物質分解剤を、担持型で用いる場合には、有害物質分解剤の担持割合は、ダイオキシン類の分解効果と排出ガス処理装置での通気抵抗を考慮すると、担体に対して1〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることが更に好ましい。
【0059】
集塵装置排出ガス処理装置中に配置される有害物質分解剤は、ペレット状又は粒状の形態が好ましい。このような形態とすることにより、これをフィルターカラム内に充填して気体用フィルターとして集塵装置排出ガスの排気管に設置することができる。気体フィルター形式の集塵装置排出ガス処理装置の具体的な形態としては、使用済みの充填剤を定期的に抜き出し、抜き出された充填剤量に相当する未使用充填剤を補充する移動床式吸着塔(WKV方式)が好ましいが、通常の固定層式吸着塔などを用いることもできる。なお、「粒状」の形態としては、球状、破砕状のいずれの形態であってもよい。好ましい態様においては、本発明に係る有害物質分解剤は、ペレット状又は粒状の活性炭又は活性コークスなどの炭素系吸着剤或いはシリカ、アルミナ、ゼオライト又は珪藻土から選択される担体に式I〜式VIの化合物が担持されたものであることが好ましい。
【0060】
本発明の第3の態様に係る燃焼排ガス処理装置の一具体例を図3に示す。図3中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3は煙道、4は集塵装置、5は集塵焼却飛灰配管、11は送風機、12は煙突である。これらの運転操作は図1及び図2と同様である。また、21は、集塵装置排出ガス処理装置である。
【0061】
焼却炉1から排出される排ガスは、900℃〜950℃の高温であるが、ガス冷却塔2により300℃以下の温度に冷却され、集塵装置4で集塵処理にかけられる。集塵装置4から排出される排出ガスは、必要に応じて更に減温塔(図示せず)によって所定の温度まで減温せしめられた後、排気管に設置された排出ガス処理装置21を通過せしめられる。排出ガス処理装置21には、上記に説明したような有害物質分解剤が充填されている。ここでいう「所定の温度」とは、排出ガス処理装置21において用いられる式I〜式VIの有害物質分解剤によるダイオキシン類の好適な分解反応温度である。ここで、処理装置排出ガス中に含まれるダイオキシン類などの有害物質が、排出ガス処理装置21内に配置されている有害物質分解剤によって分解される。好ましい態様においては、排出ガス処理装置21内に配置されている有害物質分解剤は、式I〜式VIの化合物が活性炭等の担体に担持された形態であるので、排出ガス中に含まれるダイオキシン類などの有害物質は、担体に吸着され、担体上で有害物質分解剤と反応するので、有害物質分解剤とダイオキシン類などの有害物質との接触時間を大きく取ることができ、ダイオキシン類などの有害物質が十分に分解される。排出ガス処理装置21を通過してダイオキシン類などの有害物質が除去された排出ガスは、送風機11によって煙突12から放出される。
【0062】
集塵装置4から排出される集塵焼却飛灰5は、上記に説明したような本発明の第1の態様又は第2の態様に従って、ダイオキシン類の分解処理及び重金属類の溶出防止処理にかけることができる。また、本発明に係る方法に代えて或いはこれと組み合わせて、上述した従来技術において公知のダイオキシン類分解処理及び重金属類溶出防止処理を用いることもできる。
【0063】
排出ガス処理装置21において使用された有害物質分解剤においては、分解剤の働きによって吸着されているダイオキシン類は分解・無害化されているので、使用後の分解剤は、そのまま廃棄することもできるし、或いは、更に250℃程度の温度での加熱処理にかけることにより、微量残留するダイオキシン類を完全に分解し無害化して、廃棄するか又は再生品として再使用することができる。この場合、式I〜VIの化合物を含む分解剤は酸素の存在下でもダイオキシン類を分解することができるので、この無害化・再生工程を還元雰囲気で行う必要はない。
【0064】
【発明の効果】
本発明に係る燃焼排ガス処理装置によれば、本発明者が先に提案した低温活性のダイオキシン類分解剤を用いて、焼却炉から排出されるダイオキシン類を含む排ガスを極めて効率的に分解処理することができる。本発明に係る燃焼排ガス処理装置は、ダイオキシン類の処理雰囲気を還元性雰囲気とすることなしに、大気中又は排ガス中でダイオキシン類の分解除去を実施することができるので、処理設備が簡単で、容易に実施することができる。また、本発明の第2の態様によれば、更に、焼却飛灰からの重金属類の溶出を効果的に防止することができる。更には、本発明の第3の態様によれば、集塵装置排出ガス中のダイオキシン類などの有害物質を分解処理することができる。
【0065】
【実施例】
以下の参考例及び実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0066】
なお、以下の参考例及び実施例において、ダイオキシン類の濃度(ng/g)は、ガスクロマトグラフィー−質量分析法によってダイオキシン類(PCDDs・PCDFsの合計)の濃度として測定し、また、ダイオキシン類毒性等量値(ng−TEQ/g)は、国際毒性等価係数(I−TEF)を用いて算出した。
【0067】
参考例:各種ダイオキシン類分解剤の調製及び分解能の評価
参考例1
シリカに吸着させたニトロベンゼン5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、230℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0068】
参考例2
シリカに吸着させたニトロフェノール5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例1と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0069】
参考例3
p−ニトロトルエン5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例1と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0070】
参考例4
p−n−ブチルニトロベンゼン5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、200℃、300℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0071】
参考例5
p−メトキシニトロベンゼン5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例4と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0072】
参考例6
p−ニトロビフェニル5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例4と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0073】
参考例7
p−アリルニトロベンゼン5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例4と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0074】
参考例8
p−ジメチルアミノニトロベンゼン5gと飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)をよく混合し、参考例4と同様にダイオキシン類除去試験を行った。結果を表1に示す。
【0075】
比較例1
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃、230℃、300℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
参考例9
トリメルカプトトリアジンの1ナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0078】
参考例10
トリメルカプトトリアジンの2ナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0079】
参考例11
トリメルカプトトリアジンの3ナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0080】
参考例12
トリメルカプトトリアジンのカルシウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0081】
参考例13
トリメルカプトトリアジンのメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0082】
参考例14
トリメルカプトトリアジンのオクチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0083】
参考例15
トリメルカプトトリアジンのジメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0084】
参考例16
トリメルカプトトリアジンのトリメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0085】
参考例17
トリメルカプトトリアジンのシクロヘキシルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0086】
参考例18
トリメルカプトトリアジンのベンジルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0087】
参考例19
トリメルカプトトリアジンのジベンジルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0088】
参考例20
トリメルカプトトリアジンのエタノールアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0089】
参考例21
トリメルカプトトリアジンのメチルアミン塩5gにシリカ5gを混合したものと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0090】
参考例22
トリメルカプトトリアジンのモノピペリジン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0091】
比較例2
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考例9と同様に熱処理を行った。処理物のダイオキシン類濃度を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
参考例23
ジメチルジチオカルバミン酸のナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0094】
参考例24
ジオクチルジチオカルバミン酸のナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0095】
参考例25
ジベンジルジチオカルバミン酸のナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0096】
参考例26
ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸のナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0097】
参考例27
ジメチルジチオカルバミン酸のカルシウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0098】
参考例28
ジメチルジチオカルバミン酸のメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0099】
参考例29
ジメチルジチオカルバミン酸のオクチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0100】
参考例30
ジメチルジチオカルバミン酸のジメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0101】
参考例31
ジメチルジチオカルバミン酸のトリメチルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0102】
参考例32
ジメチルジチオカルバミン酸のシクロヘキシルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0103】
参考例33
ジメチルジチオカルバミン酸のベンジルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0104】
参考例34
ジメチルジチオカルバミン酸のジベンジルアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0105】
参考例35
ジメチルジチオカルバミン酸のエタノールアミン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0106】
参考例36
ジメチルジチオカルバミン酸のジメチルアミン塩5gにシリカ5gを混合したものと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0107】
参考例37
ペンタメチレンジチオカルバミン酸のピペリジン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0108】
比較例3
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考例23と同様に熱処理を行った。処理物のダイオキシン類濃度を表4に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
参考例38
テトラメチルチウラムジスルフィド5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0111】
参考例39
シリカに吸着させたテトラオクチルチウラムジスルフィド5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0112】
参考例40
テトラベンジルチウラムジスルフィド5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0113】
参考例41
テトラシクロヘキシルチウラムジスルフィド5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0114】
参考例42
ジペンタメチレンチウラムジスルフィド5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0115】
比較例4
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考例38と同様に熱処理を行った。処理物のダイオキシン類濃度を表5に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
参考例43
ペルオクソ二硫酸のアンモニウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表5に示す。
【0118】
参考例44
ペルオクソ二硫酸のナトリウム塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度を測定した。結果を表5に示す。
【0119】
比較例5
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考例43と同様に試験を実施した。処理物のダイオキシン類濃度を表5に示す。
【0120】
【表5】
【0121】
参考例45
ジチオカルバジン酸ヒドラジン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g、重金属類濃度は表6に示す)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度及び重金属類の溶出濃度を測定した。結果を表7に示す。
【0122】
参考例46
2−メチルジチオカルバジン酸メチルヒドラジン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g、重金属類濃度は表6に示す)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度及び重金属類の溶出濃度を測定した。結果を表7に示す。
【0123】
参考例47
3−フェニルジチオカルバジン酸フェニルヒドラジン塩5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/g、重金属類濃度は表6に示す)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、100℃、150℃の各温度で30分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度及び重金属類の溶出濃度を測定した。結果を表7に示す。
【0124】
比較例6
シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考例45と同様に試験を実施した。処理物のダイオキシン類濃度及び重金属類の溶出濃度を表7に示す。
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
表7より、比較例6では、飛灰を加熱するとダイオキシン類は増加し、室温〜200℃の温度域においては、ダイオキシン類は分解されずに、逆に生成していることが分かる。重金属類の溶出濃度も、鉛の溶出濃度はほとんど減少しておらず、溶出防止がなされていないことが分かる。一方、参考例45〜47においては、150℃以下の温度でダイオキシン類が効果的に分解されると同時に、鉛をはじめとする重金属類の溶出が防止されていることが分かる。
【0128】
実施例1
図1に示す燃焼排ガス処理装置を用いて実験を行った。焼却炉1からの排ガスをガス冷却塔2によって冷却し、集塵装置4において集塵処理を行い、排出された集塵焼却飛灰を集塵飛灰貯留槽6に受容した。ジチオカルバジン酸ヒドラジン塩からなるダイオキシン類分解剤を、ダイオキシン類分解剤供給装置7から混合装置8に供給し、集塵焼却飛灰を集塵飛灰貯留槽6から混合装置8に供給して、集塵飛灰中のダイオキシン類とダイオキシン類分解剤とを接触させた。ダイオキシン類分解剤の供給量は、集塵飛灰の5重量%であった。なお、集塵飛灰の温度は150℃であった。混合装置8において混合を15分間行った後に集塵飛灰を採取し、ダイオキシン類の濃度測定を行った。また、集塵飛灰貯留槽6において、ダイオキシン類分解剤と混合する前の集塵飛灰を採取し、ダイオキシン類の濃度測定を行った。結果を表8に示す。
【0129】
混合装置8で15分間混合された集塵飛灰を、次に貯留槽9に移した。貯留槽9には、ヒータジャケットが取り付けられていて、槽内の温度が150℃に保温されていた。集塵飛灰をこの貯留槽9内に30分保持してダイオキシン類の分解反応を促進させた。このとき、雰囲気の制御は行わなかった。その後、集塵飛灰を採取してダイオキシン類の濃度測定を行った。結果を表8に示す。
【0130】
【表8】
【0131】
表8のデータから、混合装置8でダイオキシン類分解剤と混合した後の焼却飛灰中のダイオキシン類濃度が、ダイオキシン類分解剤と混合する前の濃度と比較して著しく小さく、ダイオキシン類が極めて効率的に分解されたことが分かる。また、焼却飛灰を更に貯留槽9で保温保持することにより、焼却飛灰中のダイオキシン類が更に分解されたことが分かる。
【0132】
実施例2
図2に示す燃焼排ガス処理装置を用いて実験を行った。焼却炉1からの排ガスをガス冷却塔2によって冷却し、煙道3を通して集塵装置4に送り、そこで集塵処理を行い、排出された集塵焼却飛灰を集塵飛灰貯留槽6に受容した。ジチオカルバジン酸ヒドラジン塩からなる汚染媒体処理剤を、汚染媒体処理剤供給装置7から混合装置8に供給し、集塵焼却飛灰を集塵飛灰貯留槽6から混合装置8に供給して、集塵飛灰中のダイオキシン類と汚染媒体処理剤とを接触させた。汚染媒体処理剤の供給量は、集塵飛灰の5重量%であった。なお、集塵飛灰の温度は150℃であった。混合装置8において混合を15分間行った後、集塵飛灰を貯留槽9に移した。貯留槽9には、ヒータジャケットが取り付けられていて、槽内の温度が150℃に保温されていた。集塵飛灰をこの貯留槽9内に30分保持してダイオキシン類の分解反応を促進させた。このとき、雰囲気の制御は行わなかった。次に焼却飛灰を混練り機13に移し、水を30重量%添加し、押出造粒機によって混練り処理を行った。混練り処理後の処理物の重金属類の溶出濃度とpH値、ダイオキシン類の濃度測定を行った。結果を表9に示す。
【0133】
比較例7
実施例2と同一の燃焼排ガス処理装置において、集塵装置4から灰貯留槽6に払い落とされた焼却飛灰を採取し、重金属類の溶出濃度とpH値、ダイオキシン類の濃度測定を行った。結果を表9に示す。
【0134】
【表9】
【0135】
上記の結果から、本発明に係る燃焼排ガス処理装置によれば、ダイオキシン類が極めて効率的に分解され、且つ飛灰中の重金属類の溶出が効果的に防止されたことが分かる。
【0136】
実施例3〜8及び比較例8
図3に示す燃焼排ガス処理装置を用いて実験を行った。焼却炉1からの排ガスをガス冷却塔2によって冷却し、煙道3を通して集塵装置4に送り、そこで集塵処理を行い、排出された排出ガスを排出ガス処理装置21に通した。焼却炉1としては、流動床炉(焼却量2.5t/hr×2炉)を用い、24時間連続で焼却を行った。排ガス量は18,000m3(NTP)/hrであった。集塵装置4としてはバグフィルタを用いた。排出ガス処理装置21として、表10及び表11に示す所定の担体に所定の有害物質分解剤を所定割合で担持させたペレット状の充填剤を充填したWKV移動床式(クロスフロー方式)の吸着塔を用いた。吸着塔の入口におけるガス温度は150℃であった。
【0137】
排ガス中のダイオキシン類濃度、吸着塔の通気速度及び圧力損失、並びに、使用後の充填剤中に含まれるダイオキシン類の含有量をそれぞれ測定した。なお、比較用として、活性炭のみを充填剤として用いて同様に実験を行なった(比較例8)。結果を表10及び表11に示す。表中、TMTDSはテトラメチルチウラムジスルフィド、DMDTC-Naはジメチルジチオカルバミン酸のナトリウム塩、DTC-Hydはジチオカルバミン酸ヒドラジン塩をそれぞれ表す。
【0138】
【表10】
【0139】
【表11】
【0140】
表10及び11から、本発明に係る有害物質分解剤を用いて集塵装置排出ガスの処理を行うと、ガス中のダイオキシン類が極めて効率よく分解されると共に、使用後の分解剤に残留するダイオキシン類濃度も極めて低いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る燃焼排ガス処理装置の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の第2の態様に係る燃焼排ガス処理装置の構成を示す概念図である。
【図3】本発明の第3の態様に係る燃焼排ガス処理装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1 焼却炉;2 ガス冷却塔;3 煙道;4 集塵装置;6 集塵焼却飛灰貯留槽;7 ダイオキシン類分解剤供給装置;8 混合装置;9 混合焼却飛灰貯留槽;10 焼却飛灰排出管;11 送風機;12 煙突;13 混練り機;14水及び/又は重金属溶出防止剤供給配管;21 排出ガス処理装置。
Claims (8)
- 燃焼炉から排出される焼却飛灰と、
次式I:
次式II:
次式III:
次式IV:
次式V:
次式VI:
- 燃焼炉から排出される焼却飛灰を含む排ガスを所定温度に冷却するガス冷却装置;前記ガス冷却装置からの排出ガスを処理してその中に含まれる焼却飛灰を分離するための集塵装置;前記集塵装置から排出される焼却飛灰と請求項1に規定する式I〜式VIで示される化合物の何れか一つ以上から選ばれるダイオキシン類分解剤とを混合してダイオキシン類の分解反応を行うダイオキシン類分解装置;を具備することを特徴とする燃焼排ガスの処理装置。
- ダイオキシン類分解装置が、反応温度を300℃以下の温度で保持するための加熱・保温装置を具備する、請求項1又は2に記載の燃焼排ガスの処理装置。
- 請求項1において規定する式I〜式VIで示される化合物の何れか一つ以上から選ばれるダイオキシン分解剤が、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、活性炭又は活性コークスから選択される担体に担持されている請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理装置。
- 前記ダイオキシン類分解装置で処理された焼却飛灰に水及び/又は重金属溶出防止剤を加えて混練りするための混練り装置を更に具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理装置。
- 前記集塵装置から排出されるガスを誘導する排気路に、該排出ガスを通過させて、ガス中に含まれる有害物質を分解除去するための集塵装置排出ガス処理装置を更に具備する請求項1〜5のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理装置。
- 前記集塵装置排出ガス処理装置に、請求項1において規定する式I〜VIの化合物のいずれか一つ以上から選ばれる有害物質分解剤が配置されている請求項6に記載の燃焼排ガスの処理装置。
- 前記有害物質分解剤が、ペレット状又は粒状の、シリカ、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、或いは活性コークス又は活性炭の炭素系吸着剤から選択される物質に担持されている請求項7に記載の燃焼排ガスの処理装置。
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