JP2007167242A - 留置針装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、内針移動操作時の摺動性を十分に確保しながら、留置針装置の製造工程の簡略化が可能で、留置針内腔と内針のハブの外周とが形成する空間の液密性が、内針移動操作時によっても安全且つ確実に確保可能なシール材を備えた留置針装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明の留置針装置は、本発明の留置針装置は、上記課題を解決するために、前記ハブの外周部にシール材が設けられてなり、前記シール材は複数の環状凸部より構成され、前記環状凸部の先端部が前記本体部内腔面と摺動可能なように当接し、且つ前記ハブの外周部と前記本体部内腔部との間の液密性が確保できるよう構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明の留置針装置は、本発明の留置針装置は、上記課題を解決するために、前記ハブの外周部にシール材が設けられてなり、前記シール材は複数の環状凸部より構成され、前記環状凸部の先端部が前記本体部内腔面と摺動可能なように当接し、且つ前記ハブの外周部と前記本体部内腔部との間の液密性が確保できるよう構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内針と外針を備えた留置針装置であって、血管に穿刺した後、内針を装置本体内に引き込んで収納する誤穿刺防止機構を有する留置針装置の構造に関する。
医療現場における各種療法、例えば輸液、輸血、透析等の体外血液循環療法等において、患者の血管に穿刺し、針を留置させて血液の採取、あるいは薬剤の投与を行う医療器具として留置針装置がある。この留置針装置は、軟質の外針と外針内腔に挿入されてなる内針から構成されてなる。また、留置針装置は内針先端部が外針の先端開口部より突出しており、患者の血管に穿刺するとき、この内針先端部にて穿刺する。更に留置針装置は、内針先端部により血管を穿刺し、血管内に挿入した後、内針を後退させ外針のみを血管内に留置させて、流路を確保して使用する。
一方、医療現場においては注射針や穿刺針の誤穿刺による感染が問題となっている。そのため、操作時の穿刺事故、穿刺後の廃棄に伴う穿刺事故を防止するための誤穿刺防止機構が備えられた留置針装置が知られている。例えば、血管への穿刺の後、外針を血管に留置させて流路を形成した後、内針を留置針本体の後端に摺動後退させて収納する機構を設けたことにより、使用後の内針による医療従事者の針の誤穿刺事故の防止が可能となり、操作時に血液に接触することが無くなり、血液からの感染を防止することが可能な留置針装置が開示されている(特許文献1を参照)。
一方、医療現場においては注射針や穿刺針の誤穿刺による感染が問題となっている。そのため、操作時の穿刺事故、穿刺後の廃棄に伴う穿刺事故を防止するための誤穿刺防止機構が備えられた留置針装置が知られている。例えば、血管への穿刺の後、外針を血管に留置させて流路を形成した後、内針を留置針本体の後端に摺動後退させて収納する機構を設けたことにより、使用後の内針による医療従事者の針の誤穿刺事故の防止が可能となり、操作時に血液に接触することが無くなり、血液からの感染を防止することが可能な留置針装置が開示されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された留置針装置は、内針を収納する留置針本体の内腔と内針のハブの外周とが形成する空間にシール材を設け液密としたので、摺動の操作による使用中の液の漏れは生じない構造となっている。しかしながら、上記従来例の留置針装置は、ハブ外周に設けられたシール材がハブとは別個に設けられている(図5を参照)。この場合、留置針装置の製造する際に、ハブとシール材を組み合わせる工程が必要となる。留置針装置の場合、血液や薬剤を流通させるため、液漏れが生じると重大な事故に発生しかねないので、各部材の精緻な寸法精度が要求されるとともに、正確な組立工程が要求される。
また、前記シール材はハブ外周に外嵌するように設けられた構成となっている。
この留置針装置は、血管の穿刺時には内針が接続されたハブが留置針本体内腔の先端部に位置し、血管捕捉時にはハブが留置針本体内腔の後端部に位置するような構成となっている。即ち、ハブ外周に設けられたシール材は留置針本体内腔において、その軸方向に摺動するような構成となっている。このとき、シール材は留置針内腔と当接しつつ、その液密性を保持することが必要となる。
しかしながら、ハブの留置針内腔の軸方向の前後運動により、シール材はその都度過度な応力負荷を受けることになる。このようなシール材には、合成ゴムやシリコンゴムのような弾性体からなるOリングのような部材が用いられることが多い。このようなシール材は、ハブに外嵌して装着するような構成としているため、摺動操作時に留置針内腔との摩擦によって、シール材が捻じれたり、捲れたりする可能性がある。そのため、このような留置針において、Oリングのようなシール材を採用する場合、ハブに溝などの構造を設け、シール材が摺動による摩擦により、過度に変形したりするのを防止する機構が必要となる。
また、前記シール材はハブ外周に外嵌するように設けられた構成となっている。
この留置針装置は、血管の穿刺時には内針が接続されたハブが留置針本体内腔の先端部に位置し、血管捕捉時にはハブが留置針本体内腔の後端部に位置するような構成となっている。即ち、ハブ外周に設けられたシール材は留置針本体内腔において、その軸方向に摺動するような構成となっている。このとき、シール材は留置針内腔と当接しつつ、その液密性を保持することが必要となる。
しかしながら、ハブの留置針内腔の軸方向の前後運動により、シール材はその都度過度な応力負荷を受けることになる。このようなシール材には、合成ゴムやシリコンゴムのような弾性体からなるOリングのような部材が用いられることが多い。このようなシール材は、ハブに外嵌して装着するような構成としているため、摺動操作時に留置針内腔との摩擦によって、シール材が捻じれたり、捲れたりする可能性がある。そのため、このような留置針において、Oリングのようなシール材を採用する場合、ハブに溝などの構造を設け、シール材が摺動による摩擦により、過度に変形したりするのを防止する機構が必要となる。
本発明は、内針移動操作時の摺動性を十分に確保しながら、留置針装置の製造工程の簡略化が可能で、留置針内腔と内針のハブの外周とが形成する空間の液密性が、内針移動操作をおこなっても安全且つ確実に確保可能なシール材を備えた留置針装置を提供することを目的としている。
本発明の留置針装置は、略円筒状の本体部と、前記本体部の先端部に備えられた中空で管状の外針と、前記本体部の内腔に相対的に移動可能に備えられ、その後端部にはチューブ部材が接続されるハブと、前記ハブの先端部に備えられ、前記外針の内腔に挿入可能な内針とを備え、前記ハブが前記本体部の内腔先端部に位置するとき、前記内針先端部が前記外針の先端開口部より突出し、前記ハブが前記本体部の内腔後端部に移動させることにより、前記内針を前記本体部内腔に収納して、内針の針先を被覆して誤穿刺防止を図る留置針装置である。
また、本発明の留置針装置は、上記課題を解決するために、前記ハブの外周部にシール材が設けられてなり、前記シール材は複数の環状凸部より構成され、前記環状凸部の先端部が前記本体部内腔面と摺動可能なように当接し、且つ前記ハブの外周部と前記本体部内腔部との間の液密性が確保できる構造としたことを特徴とする。
尚、本明細書中において「先端」あるいは「後端」との語を使用しているが、「先端」とは本発明の留置針装置における内針、外針側、「後端」とは留置針装置におけるチューブ側とそれぞれ定義するものであり、各部材の位置関係や方向性を説明する際に「先端部」「後端部」との語を使用しているが、前記定義に基づく相対的な位置関係や方向性を示す語として使用している。
尚、本明細書中において「先端」あるいは「後端」との語を使用しているが、「先端」とは本発明の留置針装置における内針、外針側、「後端」とは留置針装置におけるチューブ側とそれぞれ定義するものであり、各部材の位置関係や方向性を説明する際に「先端部」「後端部」との語を使用しているが、前記定義に基づく相対的な位置関係や方向性を示す語として使用している。
上記構成によれば、ハブの外周部に設けたシール材を複数よりなる環状凸部とすることにより、内針移動操作時の摺動性を十分に確保しながら、ハブの外周部と本体部内腔部との間の液密性を安全且つ確実に確保できる。また、前記液密性を確保するためのシール材構造により、留置針装置の製造工程を簡略化することができる。
本発明の留置針装置において、前記シール材の前記環状凸部が二枚以上の複数よりなることが好ましい。
また、前記シール材の前記環状凸部の外径(R1)と前記本体部内腔部の内径(R2)がR1:R2=1:0.6から1:0.8の関係をなすことが好ましい。
また、前記シール材の前記環状凸部と環状凸部で形成された間隙が、0.2mmから1.5mmの範囲にあることが好ましい。
また、前記シール材がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂(アクリロ二トリル・ブタジエン・ スチレン共重合体)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)など熱可塑性樹脂からなる群よりいずれか1つを選択される材質より形成されることが好ましい。
また、前記シール材と前記ハブが一体化されてなることが好ましい。
また、前記シール材と前記ハブが射出成形によって成形されてなることが好ましい。
また、前記シール材の前記環状凸部の外径(R1)と前記本体部内腔部の内径(R2)がR1:R2=1:0.6から1:0.8の関係をなすことが好ましい。
また、前記シール材の前記環状凸部と環状凸部で形成された間隙が、0.2mmから1.5mmの範囲にあることが好ましい。
また、前記シール材がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂(アクリロ二トリル・ブタジエン・ スチレン共重合体)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)など熱可塑性樹脂からなる群よりいずれか1つを選択される材質より形成されることが好ましい。
また、前記シール材と前記ハブが一体化されてなることが好ましい。
また、前記シール材と前記ハブが射出成形によって成形されてなることが好ましい。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態における留置針装置の軸方向に沿った断面図である。合成樹脂製のハブ2の先端部には、金属製の内針1が固定されている。また、ハブ2の後端部にはチューブ4が接続されている。留置針本体部5の内腔には内針1及びハブ2が挿入されて、軸方向に移動可能である。前記ハブ2の外周部にはシール材3が設けられている。また、このシール材3は複数の環状凸部31より構成され、前記環状凸部の先端部が前記本体部5内腔面と摺動可能に当接するよう構成されている。留置針装置本体部5の先端部には合成樹脂製で中空の外針6が固定されている。外針6の内腔には前記内針1が挿入され、その先端部は外針6の先端開口部より突出している。外針6は可撓性を有する材料、例えばポリウレタン系の合成樹脂から構成されている。翼部7は留置針装置本体部5の外周部の両側部に設けられてなり、留置針装置5の軸を中心として互いに対称な形状を呈している。
尚、本発明の留置針装置は、図1に示した状態を通常初期状態として、使用に供される。
本発明の特徴であるハブ2及びシール材3について、図3を参照して具体的に説明する。図3は、本発明の留置針装置のハブ2及びシール材3の構造を示す拡大平面図である。ハブ2は、内針(図示せず)が固定される先端部(図面左方向)と、チューブ(図示せず)が接続される後端部(図面右方向)よりなる。また、ハブ2の外周部にはシール材3が設けられている。このシール材3はハブ2の中心軸より外方向に突出した環状凸部31より構成されている。また、前記環状凸部31は複数より構成されており、それぞれの環状凸部31はある特定の距離の間隙を挟んで隣接するように設けられている。また、環状凸部31はハブ2の中心軸より外方向に突出するよう構成されており、更に環状凸部31は薄膜の略円盤形状を呈している。これによって、本発明のシール材3の構造は、ハブ2の中心軸と同じ中心軸を有する薄膜の円盤形状の環状凸部がある特定の距離の間隙を介して複数枚連続して配置される構造をなしている。このような構成により、留置針本体部5内腔面とシール材3の接触面積を低減することができ、留置針本体部5内腔面とシール材3の摺動抵抗を減ずることができる。このため、ハブ2の軸方向の移動操作時の操作性が向上することができる。
また、上記シール材3をある特定の距離の間隙を介して複数枚連続して配置される構成にすることよって、留置針本体内腔部と外部との液密性を確実に確保可能となる。即ち、留置針本体内腔部に直近の環状凸部が仮に液漏れを生じたとしても、間隙を介して隣接する環状凸部が液密性を保持するよう作用する。本発明のシール材の構造は、この液密性を確保するための構成が複数設けられた多重防止構造を採用しているため、より確実な液密性を担保できるのである。
尚、本発明の留置針装置は、図1に示した状態を通常初期状態として、使用に供される。
本発明の特徴であるハブ2及びシール材3について、図3を参照して具体的に説明する。図3は、本発明の留置針装置のハブ2及びシール材3の構造を示す拡大平面図である。ハブ2は、内針(図示せず)が固定される先端部(図面左方向)と、チューブ(図示せず)が接続される後端部(図面右方向)よりなる。また、ハブ2の外周部にはシール材3が設けられている。このシール材3はハブ2の中心軸より外方向に突出した環状凸部31より構成されている。また、前記環状凸部31は複数より構成されており、それぞれの環状凸部31はある特定の距離の間隙を挟んで隣接するように設けられている。また、環状凸部31はハブ2の中心軸より外方向に突出するよう構成されており、更に環状凸部31は薄膜の略円盤形状を呈している。これによって、本発明のシール材3の構造は、ハブ2の中心軸と同じ中心軸を有する薄膜の円盤形状の環状凸部がある特定の距離の間隙を介して複数枚連続して配置される構造をなしている。このような構成により、留置針本体部5内腔面とシール材3の接触面積を低減することができ、留置針本体部5内腔面とシール材3の摺動抵抗を減ずることができる。このため、ハブ2の軸方向の移動操作時の操作性が向上することができる。
また、上記シール材3をある特定の距離の間隙を介して複数枚連続して配置される構成にすることよって、留置針本体内腔部と外部との液密性を確実に確保可能となる。即ち、留置針本体内腔部に直近の環状凸部が仮に液漏れを生じたとしても、間隙を介して隣接する環状凸部が液密性を保持するよう作用する。本発明のシール材の構造は、この液密性を確保するための構成が複数設けられた多重防止構造を採用しているため、より確実な液密性を担保できるのである。
また、本発明のシール材の環状凸部3の外径(R1)は、本体部内腔部の内径(R2)よりも大きい関係(R1>R2)であることが好ましい。上記構成であれば、環状凸部を弾性の有する材料にて形成した場合、本体部内腔部による応力負荷によって、環状凸部に反発力が発生し、本体部内腔面との液密性がより高まるためである。より好ましくはR1:R2=1:0.6から1:0.8の関係をなして構成されるのが好ましい態様である。上記関係にて形成されれば、本体部内腔と環状凸部の液密性を確保すると同時に、本体部内腔と環状凸部のより適度な摺動性を確保することができるからである。
前記シール材の前記環状凸部と環状凸部で形成された間隙が、0.2mmから1.5mmの範囲にあることが好ましい。上記構成であれば、その材質特性から比較的弾性を有するため、上記に記したような弾性変形による反発力を生じさせることができるため、本体部内腔面との液密性を確保することが可能となる。
また、ハブの軸方向の摺動運動によって、環状凸部に弾性変形が生じたとしても、本体部内腔面との当接が維持されるため、その液密性は確実に確保できるため、非常に有利である。また、その材質特性から材質そのものに撥水性を有するため、液密性確保に寄与できる材質であり、この点も有利である。
使用中の状態を示す図2で留置針本体5は金型の構造から開放部よりも後端内腔部の内径は小さめになる。使用時には後端へ摺動することで、さらに環状凸部は圧縮されて、液密性の確保は有利となる。本体部内腔と環状凸部で形成された間隙に経年による変形かじり等による摺動の抵抗の増大を減少させ、かつ液密性を向上させるためシリコンなど潤滑剤を塗布するとより液密性の効果は大きくなる。
また、本発明のハブ構造は、図3に示したようにハブ2とシール材3が一体化された構成となっている。このため、従前の留置針装置のようにハブとシール材を別個に構成し、留置針装置を製造する工程にて、これらを組合す必要がなくなるため、製造工程においてこの工程を省略化することが可能となる。
また、従前の留置針装置のようにハブとシール材を別個に構成したシール構造とした場合、シール材をハブ外周部に外嵌するためには、ハブに溝形状の凹部を設ける構造が必要となる。このような凹部を設けた構造にシール材を外嵌するような構造であれば、ハブを本体内腔内で軸方向に移動させると、シール材は摺動方向と逆方向に変形しようとするため、前記溝部が露出するようになる。このような場合、留置針内腔内に血液が流通されると、この溝部が露出した部分が段差となり、液体の滞留部となってしまい、血液凝固を生じてしまう可能性もある。
本発明の留置針装置のシール材はハブと一体化された構成であり、上記のように液体の滞留部となるような形状がないため、血液凝固を生じたりする可能性がない。また、本発明のハブ構造は、ハブとシール材が一体化された構成をなすため、例えば射出成形による一体化されたハブ構造の形成が可能となる。本構造部材が射出成形により形成可能となれば、短時間での大量生産が可能となり、留置針装置の構成部品を安価に製造することが可能になる。更には本構造部材を射出成形することにより、形成された部品の寸法誤差を極小化することが可能となり、安定した構成部品の供給を行うことも同時に可能となる。
前記シール材の前記環状凸部と環状凸部で形成された間隙が、0.2mmから1.5mmの範囲にあることが好ましい。上記構成であれば、その材質特性から比較的弾性を有するため、上記に記したような弾性変形による反発力を生じさせることができるため、本体部内腔面との液密性を確保することが可能となる。
また、ハブの軸方向の摺動運動によって、環状凸部に弾性変形が生じたとしても、本体部内腔面との当接が維持されるため、その液密性は確実に確保できるため、非常に有利である。また、その材質特性から材質そのものに撥水性を有するため、液密性確保に寄与できる材質であり、この点も有利である。
使用中の状態を示す図2で留置針本体5は金型の構造から開放部よりも後端内腔部の内径は小さめになる。使用時には後端へ摺動することで、さらに環状凸部は圧縮されて、液密性の確保は有利となる。本体部内腔と環状凸部で形成された間隙に経年による変形かじり等による摺動の抵抗の増大を減少させ、かつ液密性を向上させるためシリコンなど潤滑剤を塗布するとより液密性の効果は大きくなる。
また、本発明のハブ構造は、図3に示したようにハブ2とシール材3が一体化された構成となっている。このため、従前の留置針装置のようにハブとシール材を別個に構成し、留置針装置を製造する工程にて、これらを組合す必要がなくなるため、製造工程においてこの工程を省略化することが可能となる。
また、従前の留置針装置のようにハブとシール材を別個に構成したシール構造とした場合、シール材をハブ外周部に外嵌するためには、ハブに溝形状の凹部を設ける構造が必要となる。このような凹部を設けた構造にシール材を外嵌するような構造であれば、ハブを本体内腔内で軸方向に移動させると、シール材は摺動方向と逆方向に変形しようとするため、前記溝部が露出するようになる。このような場合、留置針内腔内に血液が流通されると、この溝部が露出した部分が段差となり、液体の滞留部となってしまい、血液凝固を生じてしまう可能性もある。
本発明の留置針装置のシール材はハブと一体化された構成であり、上記のように液体の滞留部となるような形状がないため、血液凝固を生じたりする可能性がない。また、本発明のハブ構造は、ハブとシール材が一体化された構成をなすため、例えば射出成形による一体化されたハブ構造の形成が可能となる。本構造部材が射出成形により形成可能となれば、短時間での大量生産が可能となり、留置針装置の構成部品を安価に製造することが可能になる。更には本構造部材を射出成形することにより、形成された部品の寸法誤差を極小化することが可能となり、安定した構成部品の供給を行うことも同時に可能となる。
次に本発明の留置針装置における一連の動作について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態を示す留置針装置の使用初期状態を示す断面図である。
本発明の留置針装置は通常図1に示したような状態、即ち金属製の内針1先端部が外針6先端開口部より突出した状態で使用に供される。
穿刺操作は、留置針装置本体部5の外周部の両側部に設けられ2つの翼7を本体部5の外表面に沿って上方に持ち上げ、両翼7を重ね合わせて把持することにより行う。両翼7を把持することで、その把持力が本体部5を介して、本体部5内腔に挿入された内針1に伝達される。これにより、本体部5内腔面と内針1との摩擦抵抗が増大し、結果として内針1の保持力が得られるため、穿刺操作を確実に行うことができる。
本発明の留置針装置は通常図1に示したような状態、即ち金属製の内針1先端部が外針6先端開口部より突出した状態で使用に供される。
穿刺操作は、留置針装置本体部5の外周部の両側部に設けられ2つの翼7を本体部5の外表面に沿って上方に持ち上げ、両翼7を重ね合わせて把持することにより行う。両翼7を把持することで、その把持力が本体部5を介して、本体部5内腔に挿入された内針1に伝達される。これにより、本体部5内腔面と内針1との摩擦抵抗が増大し、結果として内針1の保持力が得られるため、穿刺操作を確実に行うことができる。
図2は、本発明の実施形態を示す留置針装置の使用中及び廃棄の際の状態を示す断面図である。外針6先端開口部から突出した内針1先端部を血管に穿刺した後、外針6を血管内に留置する。この作業は内針1を穿刺後、チューブ4を介してハブ2を本体部5内腔の後端部に移動させて行う。これにより、内針1は血管から抜去され、外針6のみが血管に穿刺された状態で留置され、血管と留置針装置の連通構造が形成され、各種療法の使用に供される。このとき、金属製の内針1は本体部5内腔に収納され、外部に露出したりすることがない状態で使用されるため、操作時の誤穿刺防止効果が得られ、安全な操作が可能となる。また、図2に示したように、本体部5後端部に内腔内側に突出した係合凸部52が設けられ、更にハブ2後端部に係合凹部32が設けられてなる構成が好ましい。これにより、ハブ2を本体部5内腔の後端部に移動させた際に、係合凸部52と係合凹部32が係合し、軸方向の移動を制御することができる。
即ち、内針1を本体部5内腔に収納して、係合凸部52と係合凹部32の係合により、内針1が再突出することがないため、安全な使用が確保可能である。本発明の留置針装置を使用した後は、血管に留置させた外針6を抜去して、図2に示した状態のまま廃棄すればよい。廃棄する際には、金属製の内針1は本体部5内腔に収納された状態であり、前記係合凸部52と係合凹部32の係合により、内針1が再突出することがないため、安全な廃棄操作が可能となる。
即ち、内針1を本体部5内腔に収納して、係合凸部52と係合凹部32の係合により、内針1が再突出することがないため、安全な使用が確保可能である。本発明の留置針装置を使用した後は、血管に留置させた外針6を抜去して、図2に示した状態のまま廃棄すればよい。廃棄する際には、金属製の内針1は本体部5内腔に収納された状態であり、前記係合凸部52と係合凹部32の係合により、内針1が再突出することがないため、安全な廃棄操作が可能となる。
尚、本発明の留置針装置は、外針のみを血管内に留置して、内針を本体部内腔に収納して使用する留置針装置である。本発明の別の実施形態として、ハブ2の側部に、内針1とチューブ4を連通する流路に連通させるための横貫通路(図示せず)を設ける構成としてもよい。上記構成とすることで、内針1の内腔による流路に加え、ハブ2と本体部5内腔面とが形成する空間を流路とすることができるため、装置全体としてより大きな流量を確保できるため有利な態様である。
本発明の留置針装置は、内針と外針よりなり、内針を留置針装置本体内に収納して、外針を血管等に留置して使用する留置針装置であって、内針を本体内に収納するため安全に操作が可能である。また、内針収納操作において適度な摺動操作が可能であり、装置の液密性が安全且つ確実に確保可能な留置針装置である。そのため、輸液・輸血療法、体外血液循環療法に用いる留置針装置として好適である。
1 内針
2 ハブ
3 シール材
31 環状凸部
32 係止凹部
4 チューブ
5 留置針本体部
51 係止凸部
6 外針
7 翼部
2 ハブ
3 シール材
31 環状凸部
32 係止凹部
4 チューブ
5 留置針本体部
51 係止凸部
6 外針
7 翼部
Claims (7)
- 略円筒状の本体部と、
前記本体部の先端部に備えられた中空で管状の外針と、
前記本体部の内腔に相対的に移動可能なように備えられ、その後端部にはチューブ部材が接続されるハブと、
前記ハブの先端部に備えられ、前記外針の内腔に挿入可能な内針とを備え、
前記ハブが前記本体部の内腔先端部に位置するとき、前記内針先端部が前記外針の先端開口部より突出し、前記ハブが前記本体部の内腔後端部に移動させることにより、前記内針を前記本体部内腔に収納する留置針装置において、
前記ハブの外周部にシール材が設けられてなり、
前記シール材は複数の環状凸部より構成され、
前記環状凸部の先端部を前記本体部内腔面と摺動可能に当接し、
且つ前記ハブの外周部と前記本体部内腔部との間の液密性を確保する構造としたことを特徴とする留置針装置。 - 前記シール材の前記環状凸部が二枚以上の複数よりなることを特徴とする前記請求項1記載の留置針装置。
- 前記シール材の前記環状凸部の外径(R1)と前記本体部内腔部の内径(R2)がR1:R2=1:0.6から1:0.8の関係をなすことを特徴とする前記請求項1または2記載の留置針装置。
- 前記シール材の前記環状凸部と環状凸部で形成された間隙が、0.2mmから1.5mmの範囲にあることを特徴とする前記請求項1から3のいずれかの項記載の留置針装置。
- 前記シール材がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂(アクリロ二トリル・ブタジエン・ スチレン共重合体),PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)など熱可塑性の樹脂からなる群よりいずれか1つを選択される材質より形成されることを特徴とする前記請求項1から4のいずれかの項記載の留置針装置。
- 前記シール材と前記ハブが一体化されてなることを特徴とする前記請求項1から5のいずれかの項記載の留置針装置。
- 前記シール材と前記ハブが射出成形によって成形されてなることを特徴とする前記請求項1から6のいずれかの項記載の留置針装置。
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Cited By (2)
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WO2019019169A1 (zh) * | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 福建省百仕韦医用高分子股份有限公司 | 具有留置气腔的留置针 |
CN115869489A (zh) * | 2023-03-02 | 2023-03-31 | 四川省医学科学院·四川省人民医院 | 一种内镜下静脉注射针 |
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2005
- 2005-12-20 JP JP2005367222A patent/JP2007167242A/ja active Pending
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WO2019019169A1 (zh) * | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 福建省百仕韦医用高分子股份有限公司 | 具有留置气腔的留置针 |
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CN115869489B (zh) * | 2023-03-02 | 2023-08-25 | 四川省医学科学院·四川省人民医院 | 一种内镜下静脉注射针 |
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