<全体の構成>
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す斜視図である。
図1に示すスロットマシン100の本体201の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数(例えば21絵柄)印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。
前面扉102には絵柄表示窓113が設けられており、リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。
告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。
本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数や所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、遊技の開始操作として、各リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
貯留/精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿170に排出するための精算機能と、メダル投入口134に投入された4枚以降のメダルや入賞により獲得したメダルを最大50枚まで電子的に貯留する貯留機能と、を切換えるためのボタンである。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。なお、前記スタートレバー135、ストップボタン137乃至139、貯留/精算ボタン132は、遊技者の操作を受け付けるための手段を構成する。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿170は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿170は、本実施例では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプ170と呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ170は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、メダル受皿170には、着脱可能に構成した灰皿ユニット180が設けられている。
リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、本実施例では扉付きの液晶表示装置である。
<制御部>
次に、図3を参照してスロットマシンの制御部の構成について説明する。
本実施例における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、演出装置600を制御する液晶・扉制御部(図示省略)で構成されている。
<主制御部300>
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡が行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入口ブロック134の投入口から投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、ストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、及び、メダル投入ボタン130,131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323、精算ボタン132の押下に伴って動作する精算ボタンスイッチ324が接続されている。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
また、各リール110〜112の回転と停止を行うモーター(図示省略)を制御するモーター制御部330、及び、メダル払出装置(いわゆる、ホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部331が、入出力インターフェース332及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
演出用ランプ・表示器類340とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース342およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース440へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押されたストップボタン137〜139を示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ150、音声出力、演出装置600等による演出の内容)を規定したコマンド等がある。
<副制御部400>
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース440およびバス430を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
バックライト420は、リールの絵柄を照らすライトで、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用ランプ421は、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ(メダル受皿170に設置)をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト420および演出用ランプ421は、出力インターフェース422を介してバス430を経てSubCPU410と接続されている。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データを液晶・扉制御部(図示省略)へ送信する。この制御データに基づいて、液晶・扉制御部は、演出装置600を制御する。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカ(具体的には上部スピーカ及び中央スピーカ)462から音として出力される。
<遊技の基本的制御>
図4は、本実施例のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
先ず、S101では、メダル投入処理として、メダルの投入数に応じた入賞ライン表示ランプ120の点灯等を行う。なお、メダル投入ボタン130,131によるクレジットによる投入も、メダル投入口ブロック134の投入口から、実際のメダルを投入する場合も同等に処理する。
S102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。スタートレバー135が操作された場合、投入されたメダル枚数を確定する。次いで、S103では、確定されたメダル枚数に基づいて、有効な入賞ライン114を確定する。
S104では、乱数発生器311で発生させた乱数値を取得する。
S105では、ROM312に格納されている抽選データテーブルと、S104で取得した乱数値を用いて、入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を行う。なお、抽選データテーブルには、あらかじめ、BB、RB、小役等の抽選確率に応じたデータが格納されている。
S106では、例えば、演出装置600においてどのような演出を行うか決めたり、ゲームを盛り上げるためキャラクター等を登場させる、演出抽選処理を行う。
S107では、S104で取得した乱数値を用いて、リール停止制御テーブルを選択し、各リール110〜112の回転を開始させる。
S108では、ストップボタン137〜139の受付が可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S105で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、例えば「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば、ベル入賞と判定する。また、例えば「青7−青7−青7」が揃っていたならば、BB入賞と判定する。
S110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
S111では、遊技状態を制御する。例えば、BB入賞時には、次の遊技からBBゲームが開始されるように準備をし、BB終了時には、次の遊技から通常の遊技が開始されるように準備させる。
<本体内部構造>
次に、本実施例のスロットマシン100の内部構成について説明する。
図2は、スロットマシン100の内部構成を示す斜視図である。本体201は、キャビネット210内に、基板収納ケース500及びリールユニット220や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置、補助収納ケース、中央スピーカユニット、副制御基板、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
キャビネット210は、天板211、底板212、背板213、及び左右の側板214からなる木製の箱体である。背板213の上部には排気口210aが開設され、下部には吸気口210bが開設されている。また、キャビネット210内には、リールユニット220を設置するためのリールユニット載置台218が設けられている。
リールユニット220は、例えば図2や図16に示すように、樹脂製のケース221(リールフレーム221)内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。樹脂ケース221の傾斜上面には、他の制御部と接続するための中継機能を有するリール基板222と、リール基板カバー223が装着されている。そして、このリールユニット220は、リールフレーム221により3本のリールをユニット化し、キャビネット210に設けたリールユニット載置台218に対する着脱を容易に行えるように構成している。
基板収納ケース500は、キャビネット210を構成する背板213の上部に、後述するケース取付装置700を介して取り付けられている透明な樹脂ケースであって、内部空間にスロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板503を収納している。この基板収納ケース500の詳細については後述する。
図示を省略した電源ボックスは、キャビネット210の背板213の壁面に装着された金属製のケース内にスロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板(図示せず)を収納している。また、リールユニット載置台218には、図示していないが、スロットマシン100の電源スイッチと併せて設定値変更許可スイッチが、当該スイッチが操作し易いよう配慮して併設されている。
なお、設定値変更許可スイッチは、いわゆるキースイッチであり、キー孔に所定のキーを挿入して、時計回りに90度回転させるとオン状態となり、キーを戻して初期状態にするとオフ状態になる。電源スイッチは、つまみを上に向けると、オン状態になり、つまみを戻すとオフ状態になる。
また、諸装置の一つである図示していないメダル払出装置は、メダルを払い出すための装置(いわゆるホッパー)である。メダル払出装置は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すとともにメダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体と、払出装置本体にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するタンクとで構成されている。更に、メダル払出装置の横には、図示していないが補助収納ケースが置かれており、前記メダル払出装置がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、この補助収納ケース内に蓄積される。
図示を省略した背面スピーカユニットは、キャビネット210の背板213に設けられたスピーカと、スピーカからの効果音を前面扉102の音孔160まで案内するためのスピーカダクトとで構成されている。そして、スピーカから出力される中低音は、スロットマシン100の背面から出力されるとともにスピーカダクトを介して音孔160からも出力される。
図2において図示を省略した副制御基板は、キャビネット210の内側面に装着され、効果音、演出用ランプ、リールバックランプ、演出表示部等で実行される演出を制御する副制御部400を構成する電気部品を実装した制御基板である。副制御基板は、後述の基板収納ケース500に収納された主制御基板503の送信する制御コマンドに従って演出を制御する。
図示していないが外部中継端子板は、スロットマシン100から出力される遊技情報をホールコンピュータに送信するためのインターフェース基板である。そして、この外部中継端子板から出力される遊技情報は、ホールコンピュータに送られて集計される。
<基板収納ケース>
次に、本実施例のスロットマシン100の基板収納ケース500について説明する。
この実施例における基板収納ケース500は、内部の空間に回路基板(例えば、主制御基板503)を収納するための部材であって、例えば図5に示すように、第1のカバー部材510(以下、前部カバー部材510ということがある。)と、第2のカバー部材520(以下、後部カバー部材520ということがある。)とを組み合わせて構成する。これらの前部カバー部材510と後部カバー部材520とは、互いに分離可能であるが、後述する封印手段により、一旦封止したのちは、痕跡を残さずに分離できなくなるように構成してある。なお、前部カバー部材510及び後部カバー部材520は、透光性樹脂を用いて成形されており、内部に収納した主制御基板503を視認可能になっている。なお、この透光性樹脂は、前記したリールユニット220の樹脂ケース221と同じ材質である。
前部カバー部材510と後部カバー部材520とは、組み合せることによって前記回路基板である主制御基板503を収納するための空間を形成する箱体となり、前面部591と、この前面部に対向する背面部592と、前記前面部591と前記背面部との間に立設された側面部593とを備える。そして、前部カバー部材510及び後部カバー部材520のそれぞれには、後述するが両者を一体とするために必要な組付連結部531と組付係止部532とが形成されている。
そこで、前部カバー部材510は、ほゞ矩形に形成した基板部511の各側縁部分から前記側面部593となる起立片5931を立ち上げた部材である。また、図示の実施例では、基板部511に膨出部512を形成して内部空間を拡大している。このため、基板部511は、起立片5931が立ち上がる第1の基板部511aと、膨出部512の底或いは蓋となる第2の基板部511bとが存在し、前記第1の基板部511aと第2の基板部511bと間を側辺部511cがつなぎ、全体として内部に空間を有した部材となる。なお、前記第2の基板部511bと第1の基板部511aとは、基板収納ケース500の前面部591を形成する。
一方、後部カバー部材520は、ほゞ矩形に形成したベース部521の各側縁部分から立上り片5932を立ち上げたほゞ角皿状の部材である。なお、ベース部521は前記基板収納ケース500の背面部592を形成する。
前記組付連結部531は、前部カバー部材510側に設けられたフック部531aと後部カバー部材520側に設けられたヒンジ部531bとで構成されている。即ち、前部カバー部材510の下縁側(例えば図5において下側)の起立片5931の外端部分から突出状に設けたフック部531aと、後部カバー部材520の下縁側(例えば図5において下側)の立上り片5932の外端部分から係合空間を形成するように突設したヒンジ部531bとで、組付連結部531を構成している。
そこで、基板収納ケース500を組み立てる際には、先ず、これらのフック部531aとヒンジ部531bとを係合する。なお、この実施例では、前記組付連結部531は、前部カバー部材510及び後部カバー部材520の下縁側にそれぞれ2箇所形成されている(図5では一部隠れている)。
前記組付係止部532は、前部カバー部材510側に設けられた係止舌片部532aと後部カバー部材520側に設けられた舌片受部532bとで構成されている。即ち、組付係止部532は、前部カバー部材510の上縁側の起立片5931の先端部分から後部カバー部材520の立上り片5932に被さるように突設した係止孔を有するほゞコ字状の係止舌片部532aと、この係止舌片部532aの係止孔の縁に係止可能なように後部カバー部材520の立上り片5932の上面に突設した舌片受部532bとからなる。そして、この実施例では、前記組付係止部532は、前記組付連結部531の反対側である前部カバー部材510及び後部カバー部材520の上縁側にそれぞれ2箇所形成されている。
そこで、基板収納ケース500を組み立てる際には、組付連結部531を組み合せ、前部カバー部材510と後部カバー部材520とを合わせて、組付係止部532の係止舌片部532aを舌片受部532bに係止させることで一体化することができる。即ち、前部カバー部材510のフック部531aを、後部カバー部材520のヒンジ部531bに係止させることにより蝶番状に組付連結部531を組み合わせると共に、起立片5931の前端面と立上り片5932の前端面とが当接するように前部カバー部材510と後部カバー部材520とを組み合わせる。すると、前部カバー部材510の係止舌片部532aが後部カバー部材520の舌片受部532bに係止して、前部カバー部材510と後部カバー部材520が一体に組み合わされ、内部に空間部を有する基板収納ケース500となる。
なお、この実施例においては、前記したように、起立片5931の前端面と立上り片5932の前端面とが当接する部分に、環状の当接部が生じるが、この当接部は、前部カバー部材510の基板部511と、後部カバー部材520のベース部521とのほゞ中間に位置し、起立片5931と立上り片5932とが合わさって、基板収納ケース500の側面部593を形成することになる。
そして、前部カバー部材510及び後部カバー部材520には、両者を分離できないように封印するための封印手段と、基板収納ケース500をスロットマシン100のキャビネット210内に固定するためにケース固定手段と、が形成されている。なお、キャビネット210の所定の位置に、後述するケース取付装置700を設け、このケース取付装置700に対してケース固定手段によって、基板収納ケース500を固定する。
前部カバー部材510には、主制御基板503のコネクタ部504−1、504−2、504−3、504−4(以下、単にコネクタ部504ということがある。)が臨むコネクタ孔540−1、540−2、540−3、540−4(以下、単にコネクタ孔540ということがある。)が所定の位置にそれぞれ設けられている。そして、各コネクタ孔540から接続コネクタを主制御基板503のコネクタ部504に接続し、主制御基板503と外部機器との接続を図っている。
具体的には、例えば図5において、膨出部512の右側部分の第1基板部511aには、主制御基板503とモータ駆動基板(図示せず)とを接続するために主制御基板503に設けた第1のコネクタ部504−1が臨む第1のコネクタ孔540−1を開設している。一方、前部カバー部材510の第1基板部511aの膨出部512の左側部分には、主制御基板503と扉中継基板(図示せず)とを接続するために主制御基板503に設けた第2のコネクタ部504−2が臨む第2のコネクタ孔540−2、及び主制御基板503と副制御基板(図示せず)とを接続するために主制御基板503に設けた第3のコネクタ部504−3が臨む第3のコネクタ孔(図5では隠れている)を開設している。なお、膨出部512の上方部分に、第4のコネクタ孔540−4が開設され、第4のコネクタ部504−4が臨んでいるが、この第4のコネクタ部504−4は、試験装置を接続するときに利用する。
また、前部カバー部材510及び後部カバー部材520の内側には、主制御基板503を位置決めするための工夫がなされている。即ち、位置決め手段として、例えば図5に示す実施例では、矩形に形成されている主制御基板503の各縁部が係止して支持する段部を形成した係止リブ551が、後部カバー部材520の上下左右の各辺に沿ってベース部521と立上り片5932との間に、それぞれ適宜な間隔を開けて、下辺及び左右の側辺にはそれぞれ2箇所、及び上辺には3箇所に設けてある。また、後部カバー部材520のベース部521のほゞ四隅には、一部ネジ孔を備えるネジ筒部552が配設してあり、前記係止リブ551と共に、主制御基板503を支持する。更に、図示の実施例においては、主制御基板503に設けた通称ロム(ROM)505と呼ばれる遊技台において最も重要なIC(集積回路)を配置する部分に相当する箇所に、支持ピン553がベース部521から2本突設してあり、前記ロム505を主制御基板503に着脱する際に当該制御基板503が撓まないようになっている。
そして、前記したような係止リブ551を設けた後部カバー部材520によれば、主制御基板503を前記係止リブ551及びネジ筒部552に載せるだけで、当該主制御基板503を後部カバー部材520のベース部521及び立上り片5932から浮かせた状態で所定の位置に支持することができる。しかも、主制御基板503の四隅に設けた挿通孔506に、ネジを挿通し、このネジをネジ筒部552のネジ孔に螺合させれば、前部カバー部材510を装着しなくても主制御基板503を後部カバー部材520の所定に位置に固定することが可能である。従って、主制御基板503の試験・検査等の際に便利である。なお、ネジの挿通及び螺合は、仮止めであるから何れか1個所で行えば充分である。
また、この実施例においては、前部カバー部材510側にも位置決め手段を設けている。即ち、図5の円内に示すように、前部カバー部材510の内側に、位置決め固定ピン554を突設し、この位置決め固定ピン554を主制御基板503の四隅に開設した位置決め孔としての挿通孔506に嵌合させ、更に前記した後部カバー部材520に設けたネジ筒部552のネジ孔に嵌合するように構成している。従って、先に、主制御基板503を前部カバー部材510に対して位置決めしておくことができる。また、前記したように、位置決め孔として主制御基板503の四隅に開設した挿通孔506を利用して、主制御基板503を後部カバー部材520にネジを用いることなく固定可能である。
基板収納ケース500には、第1のカバー部材(前部カバー部材510)と、第2のカバー部材(後部カバー部材520)とを一体化したときに、両者を封止するための封止手段である後述する結合部材(セフティロックピン)620を挿通する案内孔650を形成するための案内部を設ける(案内孔651、652が互いに連通して一つの案内孔650となる。図7参照)。また、基板収納ケース500には、当該基板収納ケース500を後述するケース取付装置700に固定するケース固定手段を挿通する挿着孔630を開設するための案内部を設ける(挿着孔631、632が互いに連通して一つの挿着孔630となる。図7参照)。
即ち、前部カバー部材510の側縁に外側に向けて突出する第1案内部6011を設け、後部カバー部材520の側縁に前記第1案内部6011に対応する第2案内部6022を設ける。また、前部カバー部材510の側縁に外側に向けて突出する第3案内部6013を設け、後部カバー部材520の側縁に前記第3案内部6013に対応する第4案内部6024を設けるのである。
そこで、図示の実施例では、前部カバー部材510に、第1案内部6011及び第3案内部6013を兼ねる前部側案内部601を設け、後部カバー部材520に第2案内部6022及び第4案内部6024を兼ねる後部側案内部602を設けている。なお、以下の説明では、これらの第1案内部6011ないし第4案内部6024からなる前部側案内部601及び後部側案内部602を、単に案内部と称する。
具体的には、前部カバー部材510及び後部カバー部材520には、互いに一体化したときに形成される前部側の案内部601、後部側の案内部602をそれぞれに設けるのである。また、両者の各案内部601、602には、案内孔651、652をそれぞれに設ける。
そこで、例えば図5ないし図7に示す実施例では、前部カバー部材510の上縁部分、即ち上辺側の起立片5931に、上方へ膨出する案内部601を設け、この案内部601に横方向に案内孔651を並べて開設してある。一方、後部カバー部材520には、前記前部カバー部材510の案内部601に対応する位置に、即ち上辺側の立上り片5932に案内部602を膨出状に設けると共に、前記前部カバー部材510の案内孔651に対応して案内孔652が開設してある。
なお、この実施例では、案内孔651は、図6に示すように、案内部601に設けた保持部610の中に形成してあり、この保持部610により、連結部611を介して案内部601に連絡している。即ち、案内孔651を設けた保持部610が、案内部601に開設した開口部の中に、連結部611を除いて独立している。そして、後述するようにして一体化した前部カバー部材510と後部カバー部材520とを開く場合には、この連結部611を切断する。
そこで、前記したように、組付連結部531と組付係止部532とを利用して、前部カバー部材510と後部カバー部材520とを組み合わせると、各案内部601、602に設けた案内孔651、652が互いに連通して一つの案内孔650となる(図7参照)。
封印手段とケース固定手段とは、前部カバー部材510と後部カバー部材520とが一体化した時に形成され、前部カバー部材510と後部カバー部材520とにそれぞれ設けられ、両者を組み合わせたときに機能する。
そこで、一体化した各案内部601、602同士を分離不能に連結する結合部材620(以下、セフティロックピン620ということがある)を、案内孔651、652に装着することにより、封印手段を構成する。この結合部材620は、例えば図6に示すように、支持部621の上端に鍔部622を有すると共に、下端に係止部623を有している。また、支持部621の側面には中抜き部624が開設してある。更に、図6に示した実施例では、2つの結合部材620が連結部材625によって連結してある。
次に、この結合部材620を詳細に説明する。セフティロックピンである結合部材620は、支持部621と、該支持部621の一方の端に設けられた鍔部622と、前記支持部621の他方の端に設けられて案内部601、602に係止する係止部623とが合成樹脂により一体に成形され、前記したように他の結合部材620と連結部材625を介して一体に成形される。
支持部621は、断面形状が例えば角柱状であって、この角柱の上端に断面形状が例えば楕円形の鍔部622が連設してある。なお、鍔部622の上面には、ドライバ等の工具を挿入可能な工具挿入溝626が形成してある。
一方、支持部621の下端に形成する係止部623は、長手方向の両端部から、斜め上方に向けて一対延出している。この係止部623は、弾性変形が可能であって、前記した案内孔651、652に挿入した場合に、縮径して案内孔651、652を通過可能である。そして、案内孔651、652を通過した後は、元の形状に復帰して拡がり、案内孔651、652の縁に係止する(図7参照)。
そこで、セフティロックピンとしての結合部材620を案内孔651、652に装着して、前部カバー部材510と後部カバー部材520とを、一旦一体化すると、係止部623が案内孔652の縁に係止するために、結合部材620を引き抜くことができなくなり、封印手段として機能する。
前記した案内部601、602には、ケース固定手段を構成するかしめピン660を装着するために挿着孔630が設けてある。この挿着孔630は、前部カバー部材510と後部カバー部材520とを組み合わせて形成するものであり、例えば図7に示すように、後部カバー部材520側の挿着孔632と、前部カバー部材510側の挿着孔631とを、連通させて構成する。なお、この図7において、前記結合部材620を挿通する挿着孔650を設けた案内部と、かしめピン660を挿通する挿着孔630を設けた案内部とは、切断面が異なっている。即ち、実際には、結合部材620は上下方向に、かしめピン660は前後方向に挿通されている。
挿着孔630に装着するかしめピン660は、例えば図7に示すように、同図において下端側、実際には前後方向となるので後端側に形成した頭部661と、この頭部661の基端側に設けた小係止爪662と、この頭部661よりも小径に形成した首部663と、この首部663に連続して前記頭部661とほゞ同径に形成した胸部664と、この胸部664よりも小径で比較的長くに形成した腰部665と、この腰部665から延出する大係止爪666と、前記腰部665を支える小台座部667と、該小台座部667より大径に形成した大台座部668とを有している。
大台座部668には、ドライバ等の工具の先端を挿入する工具挿入溝669が設けてある。また、大台座部668には接続部材670の一端が設けてあり、隣接するかしめピン660同士が接続部材670を介して互いに接続してある。
図7に示した状態は、かしめピン660が後述するケース取付装置700の固定孔705に嵌入する前の状態であって、同図に示した状態から、かしめピン660を挿着孔630に押し込むと、大台座部668が挿着孔630の入口部に嵌入すると共に、先端の頭部661が挿着孔630から突出して、ケース取付装置700の固定孔705に嵌入することになる。このとき、小係止爪662及び大係止爪666がそれぞれ挿着孔630の段部633に係止するため、かしめピン660が抜けなくなる。なお、実際には、かしめピン660は、ケース取付装置700の固定孔705に、前方から嵌入することになる(例えば図5参照)。
前記したようなケース固定手段としてのかしめピン660は、本実施例では4箇所設けられている。ケース固定手段は、基板収納ケース500をキャビネット210に固定する際に1箇所使用される。従って、基板収納ケース500は、スロットマシン100のケース取付装置700に4回固定し直すことができることになる。そして、基板収納ケース500の取り外しは、正規に許可された場合にのみ可能であり、取り外した場合には、その痕跡が残り、取り外したことが一目瞭然となる。
<ケース取付装置>
ケース取付装置700は、前記したようにして組み合わせた基板収納ケース500を遊技台のキャビネット210に着脱可能に取り付けるためのベースとなる部材であって、透光性を有する合成樹脂によって一体成形してある。このケース取付装置700の概略は、遊技台本体の内壁面に固定される固定部及び所定形状の係止部を備えるケース取付本体部710と、該ケース取付本体部710に対して移動可能であって前記係止部に係止して前記ケース取付本体部710に取り付けた前記基板収納ケース500を拘止するカバー部720と、で構成されている。
図8に示したケース取付本体部710は、遊技台本体の内壁に固定するための固定部として固定具が挿通される取付固定孔701を開設した底面711と、この底面711からほぼ垂直に起立する起立面730と、この起立面730の上縁に沿って前記底面711にほゞ平行に延出する上縁面740と、この上縁面740の外縁辺から下向きに延出する立下がり面750と、を備えている。
底面711は、基板収納ケース500の外形とほゞ一致する共に、所定方向、例えば図9においては左右方向に基板収納ケース500がスライド可能な外形形状を備える平板状の部分である。なお、底面711の裏面側には補強用のリブ712が適宜位置に設けてある(図14参照)。
また、このケース取付装置700の底面711には、前記したように、当該ケース取付装置700を遊技台本体の内壁となるキャビネット210に固定するための固定具、例えば固定ネジ702を挿通する取付固定孔701が4箇所に設けてある。なお、この取付固定孔701は、固定ネジ702の頭部が貫入するように凹陥部701aが形成してあり、固定ネジ702の頭部が底面711から突出して基板収納ケース500のスライド移動を妨げることがないようになっている(図9参照)。
一方、底面711の裏側には、位置決めボス703が3箇所に突設してあり(図14参照)、これらのボス703をキャビネット210の背板213に設けた位置決め孔(図示せず)に嵌合させることにより、ケース取付装置700のキャビネット210に対する位置決めを行なっている。
更に、ケース取付装置700の底面711には、前記したケース固定手段を構成するかしめピン660を嵌入させるための固定孔705が、前記ケース固定手段に対応して4個、横方向に並べて開設してある。
底面711の周囲にほゞ垂直に起立して延出する起立面730は、基板収納ケース500の側面部593、即ち前部カバー部材510の起立片5931及び後部カバー部材520の立上り片5932の周囲を保護囲繞する部位であって、起立片5931及び立上り片5932と所定の間隔で対向する面である。例えば、基板収納ケース500の下辺側の面に対向する下側の起立面730が、底面711の下縁から起立している。また、基板収納ケース500の左側側面には左側の起立面730が、右側側面には右側の起立面730が、上辺側の面には上側の起立面730が、それぞれ底面711から起立している。
上側の起立面730は、基板収納ケース500の案内部601に対応して形成してあり、かしめピン660を挿着する挿着部に対応して、中央部分に挿着部起立面730が形成され、この挿着部起立面730の左右に、セフティロックピン620を挿着して封止する封止部に対応する封止部起立面730が形成されている。この封止部起立面730は、基板収納ケース500を取り付けた状態であっても、セフティロックピン620を挿着可能なように、封止部の上面との間に間隔を設けて形成してある。更に、基板収納ケース500の案内部の左右に形成された平坦部に対応する平坦部起立面730が前記封止部起立面730の左右に段差部を介して形成されている。
また、前記中央部分の挿着部起立面730は、封止部起立面730よりも若干凹陥して低くなっている。このため、封印シールを貼付した場合に見易くなると共に、基板収納ケース500を取り出し易くなっている。
そして、セフティロックピン620及びかしめピン660を挿通する案内部に対応する位置には、上縁面740が存在しない。また、各起立面730の上縁に沿って拡がる上縁面740と、底面711に装着した基板収納ケース500の前面部591とがほゞ面一になるように形成する。このため、基板収納ケース500とケース取付装置700とに掛けて貼付する封印シールが貼り易くなっている。
前記したように、ケース取付装置700に取り付けた基板収納ケース500の前面部591即ち第2の基板部511bと、起立面730から延出する上縁面740とが、ほゞ面一に揃うと言うことは、基板収納ケース500の起立片5931と立上り片5932との高さの合計が、ケース取付装置700の起立面730の高さに一致しているということである。このため、基板収納ケース500の側面部593において起立片5931と立上り片5932との当接部分、即ち前部カバー部材510と後部カバー部材520とが当接している接続部分が、起立面730の高さの範囲内に位置する。このため、前記接続部分が前記起立面730によって隠れるので、前記接続部分に側方からピアノ線等の不正部材を挿入することができなくなる。
なお、前部カバー部材510と後部カバー部材520との接続部分を、互いに嵌合する階段上に形成すれば、接続部分に挿入する不正部材の進路が途中で屈曲するので、不正部材の挿入がより難しくなり、不正遊技をより行ない難くなる。
そして、前記した接続部分は、基板収納ケース500を、前部カバー部材510と後部カバー部材520とに分離可能にする分離部となり、基板収納ケース500の側面部593に形成されている。
底面711から起立面730が起立するケース取付本体部710の角部には、所望の箇所に切欠が開設してある。即ち、下辺側の起立面730には、基板収納ケース500の下縁に設けた組付連結部531に対応する切欠751が、ケース取付装置700の上縁面740から起立面730に掛けて開設してある(例えば図8等参照)。この切欠751は、基板収納ケース500を装着する初期位置において、当該基板収納ケース500に突設した組付連結部531が、挿通可能な上縁面切欠と、この切欠に連通する起立面切欠とからなる。そして、この起立面切欠は、基板収納ケース500のスライド量に対応する幅で、スライド方向に沿って延長されている。このため、基板収納ケース500をスライド移動させても、基板収納ケース500から突出する組付連結部531が、切欠751の縁に係止してスライド移動が阻害されることがない。
ケース取付装置の起立面730の適所には、基板収納ケース500が係止するケース係止部760を設ける。このケース係止部760は、第1ケース係止部と第2ケース係止部とからなる。第1ケース係止部は、例えば基板収納ケース500の上側側面部分における前記案内部の右側部分に突設した係止突起部561に対応させて、ケース取付装置700の上縁右側における起立面730と上縁面740とに連なって開口する第1ケース係止孔761である。また、第2ケース係止部は、例えば基板収納ケース500の左側側面部分に突設した係止突起部562に対応させて、ケース取付装置700の左側における起立面730に開口する第2ケース係止孔762である。
第1ケース係止孔761は、基板収納ケース500をケース取付装置700に装着する初期位置において、係止突起部562を受け入れる横幅を有して案内部の右側に位置する上縁面740に開口すると共に、基板収納ケース500の左方向のスライド移動を許容する横幅を有して起立面730に開口している。従って、基板収納ケース500を左方向へスライド移動させる際には、上側側面の係止突起部562が案内部の右側に位置している上縁面740の裏面側に係止して、基板収納ケース500の飛び出しを防止している。言い換えると、底面711から上縁面740方向への基板収納ケース500の移動が制限されている。
一方、左側に位置する起立面730には、基板収納ケース500が係止するケース係止部760として、基板収納ケース500の左側側面に突設した2つの係止突起部562が係入する第2ケース係止孔762が上下2箇所に開口している。従って、基板収納ケース500を左方向へスライド移動させた場合に、縦方向に並べて開設した上下2箇所の第2係止孔762に、2つの係止突起部561がそれぞれ嵌入し、これらの係止孔762の前方側の縁、言い換えると上縁面740の裏面側に各係止突起部561がそれぞれ係止することになる。従って、基板収納ケース500の左側側面部分が前方(手前)へ飛び出すことを防止している。即ち、底面711から上縁面740方向への移動が制限されている。
そして、前記基板収納ケース500の係止突起部561を、第1ケース係止孔761に挿入して、基板収納ケース500を上縁面740から底面711に挿入移動させる。この状態を、基板収納ケース500が初期位置にあるという。一方、前記初期位置から基板収納ケース500をスライド移動させると、係止突起部562が第2ケース係止孔762に嵌入する。この状態を、基板収納ケース500が所定位置にあるという。
なお、基板収納ケース500に設ける各係止突起部561、562は、いずれも前部カバー部材510の起立片5931に突設してある。また、各係止突起部561、562は、適宜な厚みを備えるように外縁部分にリブが設けてあり、見掛け上の厚みを増している。
一方、図示の実施例では、前記したケース取付装置700の上縁面740の外縁辺から立下がり面750が底面711の方向に向けて延出してあり、起立面730の見掛け上の厚みを増している。そして、この立下がり面750の上縁から下縁までの距離は、起立面730の上縁から底面711までの距離より長く形成してある。言い換えると、立下がり面750の下縁が、底面711の下方に突出している。従って、ケース取付装置700をキャビネット210に固定したときに、立下がり面750の下縁がキャビネット210に当接するが、底面711はキャビネット210に接触することがない。
また、この立下がり面750の存在により、基板収納ケース500の側面部593の周囲に、起立面730と立下がり面750とが二重に存在する。従って、ケース取付装置700の外部から、二重に守られた基板収納ケース500の側面部593に対して不正行為を働くことは不可能である。更に、基板収納ケース500の背面部592の外側には、ケース取付装置700の底面711が存在しているので、底面側から不正行為を働くことも不可能である。
そして、基板収納ケース500は、前記したように側面部593及び背面部592がケース取付装置700によって覆われ、前面部591のみが露出している。このため、側面部593及び背面部592から不正行為を働くことは困難である。一方、前面部591は露出しているが、正面を向いているので視認が容易である。従って、前面部591に対して穴を開け、この穴を通して回路基板に改造を加えるなどの不正行為を働くと、容易に発見可能なため、不正行為の発見、防止にきわめて有効である。
ケース取付装置700には、前記したコネクタ部504に接続した配線材としての各ハーネスに対応して、配線拘束具770(以下、ハーネス押え770ということがある)が設けてある。そして、これらのハーネス押え770は、ケース取付装置700の上縁面740に形成した凹陥所741に着脱可能に設けてある。
凹陥所741は、各ハーネスに対応して形成してある。例えば、図示の実施例においては、第1ハーネス即ち第1コネクタの右側に位置する上縁面740を、キャビネット210との間隔が狭くなる位置に座面が来ると共に、側方が開放するように凹ませて、第1ハーネス用の凹陥所741−1を形成している。
また、左側の第2及び第3のハーネスに対応して、第2のコネクタ部504の左側の上縁面740を凹ませることにより、第2及び第3ハーネス用の凹陥所741−2が形成してある。
前記したようなケース取付本体部710の各凹陥所741には、ハーネス押え770を装着するための配線拘束具取付孔742(以下、単に取付孔742ということがある)が一対開設してあり、これらの取付孔742に、ハーネス押え770に設けた取付片771を係止させる。
ハーネス押え770、即ち配線拘束具770は、例えば図12に示すように、配線材として適用するハーネスの幅に対応する長さを有した取付基板772と、この取付基板772の一端、図面では下端から立ち上がる間隔保持板773と、この間隔保持板773の先端から薄肉部773aを介して回動可能に上方へ向けて延出する押え板774と、押え板774の先端(上端)に設けた係止爪775aを有する係止部775と、この係止部775を受け入れると共に係止爪775aの係脱を操作する係止受入操作受部776と、を備えている。
取付基板772の背面側には、前記凹陥所741の取付孔742に対応する一対の取付片771が設けてある。各取付片771は、同じ方向(図面では下方)に先端を向けると共に、取付基板772との間に所望の間隔を開けて突設してある。また、各取付片771には若干の弾性を与えると共に、各取付片771を若干湾曲させることにより、取付片771で凹陥所741の基板を挟み込むようになっている。
また、上側の取付片771には、ハーネス押え770を凹陥所741の取付孔742に着脱するための着脱操作片777が設けてある。この着脱操作片777は、上側の取付片771の根本から斜め上方へ延出する弾性を有した弾着部777aと、この弾着部777aの先端に設けられて前記取付孔742に嵌入すると共に取付孔742の上縁に圧接する圧接部777bと、この圧接部777bを取付孔742から引き出す際に摘む操作部777cと、からなる。
一方、取付基板772の前面側には、間隔保持板773によって所定の間隔を開けて押え板774が臨んでおり、この押え板774は薄肉部773aを支点にして回動(開閉)可能になっている。そして、押え板774の上端には、係止爪775aを有する係止部775が間隔保持板773とほゞ同じ幅で設けてある。また、上記係止部775の係止爪775aが係止して押え板774の回動(開放)を阻止すると共に、係止爪775aの係止を外して押え板774を開放するための係止受入操作受部776が、取付基板772の上端側に設けてある。この係止受入操作受部776は、間隔保持部板773とほゞ同じ高さ有するガイド片778と、前記係止部775の厚みに対応してガイド片778に対向して立設した操作片776aとからなり、操作片776aの先端部分には係止爪775aが係止する爪受部776bを備えると共に、係止爪775aの係止を外す際に押圧する押圧部776cが設けてある。
そこで、ハーネス押え770の取付片771を、ケース取付装置700の凹陥所741の取付孔742の前方に臨ませ、取付片771を取付孔742に挿入して下方へ移動させると、取付片771が凹陥所741の基板を挟み込むと共に、弾着部777aが取付片771に嵌入して圧接部777bが取付孔742の上縁に圧接する。このため、ハーネス押え770は、前方への引き抜き、及び上下の移動ができなくなり、確実にケース取付装置700の凹陥所741に対して取り付けられる。
一方、操作片776aを摘んで弾着部777aを変形させて取付孔742の上縁との圧接を解くと共に、ハーネス押え770を上方に移動させ、更に前方に引き抜くと、当該ハーネス押え770を簡単に外すことができる。
また、ハーネスを押え込むには、押圧部776cを押圧して係止爪775aの係止を外し、押え板774を自由にした状態でハーネスを取付基板772の前面に臨ませ、再び押え板774を閉じて押圧部776cを押圧して係止爪775aを係止させればよい。このようにすれば、ハーネスをスッキリとまとめることができる。
更に、適用するハーネス或いは配線材に応じて、ハーネス押え770、即ち配線拘束具の大きさを変えて、取付孔742に取り付ければ、ハーネス等がガタ付くことなく処理することができる。
ケース取付装置700をケース取付本体部710と共に構成するカバー部720は、前記基板収納ケース500を拘止する。また、このカバー部720は、各コネクタ部504及びハーネスの引き出し部分を覆うことができ、前記ケース取付本体部710に対して着脱可能に取り付けられている。そこで、以下、このカバー部720をハーネスカバー720ということがある。また、図示の実施例では、第1コネクタ側の第1ハーネスカバー720−1と、第2及び第3コネクタ側の第2ハーネスカバー720−2とが、基板収納ケース500の膨出部512の左右に取り付けられている(例えば、図10参照)。
そこで、膨出部512の右側に位置している第1ハーネスカバー720−1は、第1コネクタ部504−1を覆うと共に、この第1コネクタ部504−1に接続したハーネスの端部を覆うように所定形状に隆起させた隆起部721を備え、この隆起部721の上下端部には平板状の脚部722を介して、ケース取付本体部710に対して移動可能に取り付けるための遊合突起部としてのレール部723が設けてある。前記隆起部721は、内部に空間部を有し、この空間部に、基板収納ケース500から延出するハーネスが収まる。そして、装着状態における隆起部721は、側方部分を残して基板収納ケース500の膨出部512の側面及びケース取付装置700の起立面730によってほゞ閉塞状態になるように構成してある。
このため、第1ハーネスカバー720−1は、隆起部721が、コネクタ部504−1及びハーネスの形状に対応をして、階段状の断面に形成されると共に、隆起部721の上下端に壁部が形成され、更に壁部の下縁から平板状の脚部722がケース取付本体部710の上縁面740の上を摺接可能な状態で延びている。また、脚部722の先端側には、後述するケース取付本体部710に設けた溝孔790に遊合して、ハーネスカバー720を所定の方向、即ち基板収納ケース500及びケース取付装置700の長辺方向にガイドする遊合突起部としてのレール部723が設けてある。更に、隆起部721の側方部分は、配線導出口としてのハーネス引出口728を除いて、側壁729により閉塞されている(図10〜13参照)。
脚部722及びレール部723は、隆起部721の上下にほゞ対称に設けてある。即ち、隆起部721の上側には、上側脚部722が設けてあり、この上側脚部722の上縁部分に、横長な舌片状のレール部723が2箇所に突設してある。或いは、レール部723の途中が途切れていると表現してもよい。
上側脚部722の一隅には、ネジ座部724が設けてある。このネジ座部724は円形に凹陥する部位であって、中央にネジ挿通孔724aを有している。従って、このネジ挿通孔724aに通したネジ727を、ケース取付装置700に設けたネジ孔749にねじ込めば、第1ハーネスカバー720−1をネジ止めすることができる(図10参照)。
また、このネジ座部724は、凹陥しているので、ねじ込んだネジ727の頭部が突出することがなく、他の部材の邪魔になることもない。
更に、図示の実施例においては、前記ネジ座部724の近傍に、即ち上側脚部722の右側縁部分に、後述するロック手段を構成するためのロック孔725が開設してある。
一方、下側脚部722にも、上側脚部722と同様に遊合突起部としてのレール部723を設ける。このレール部723も途中で分割されて2片となっている。また、前記ネジ座部724とほゞ点対称となる位置にはネジ座部724に代えて係止穴部726が設けてある。この係止穴部726は、後述するケース取付装置700のケース取付本体部710に所定形状の係止部として設けた係止舌片部780が係止して臨むことになる。この臨む面を係止舌片部780の動作操作面とする。
第2及び第3コネクタ部504−1を覆う第2ハーネスカバー720−2も、前記した第1ハーネスカバー720−1と同様な構成である。即ち、膨出部512の左側に位置する第2及び第3コネクタに接続した第2ハーネス及び第3ハーネスの接続部分を覆う第2ハーネスカバー720−2は、隆起部721と、この隆起部721の上下に延出する脚部722と、各脚部722の先端部分に設けたレール部723を備えている。また、隆起部721には、ネジ座部724と、係止穴部726が設けてある。そして、前記したような構造のカバー部720、即ちハーネスカバー720は、透光性を有する合成樹脂によって一体成形してある。
前記した第1ハーネスカバー720−1に設けた上下一対のレール部723に対応して、ケース取付装置700の上縁面740には、前記レール部723が嵌入して第1ハーネスカバー720−1を左右にガイドする上下一対の溝孔790を設ける。この溝孔790は、正面及び側方が開放する溝であって、正面側の適所には、前記レール部723を挿入するための切欠部791を設けると共に、該切欠部791の左右に係止片792が設けてある。
そこで、上記ケース取付装置700の切欠部791に、第1ハーネスカバー720−1のレール部723を合せて落とし込むことにより、第1ハーネスカバー720−1を左右にスライド可能に装着する。このとき、図示の実施例では、全ての作業が正面から見てケース取付本体部710の外部にはみ出すことなく可能なようになっている。言い換えると、全ての部材がケース取付本体部710の投影面内に収まるように配置されている。
ケース取付本体部710の上縁面740には、前記したカバー部720としての第1ハーネスカバー720−1に開設した係止穴部726に係止する係止舌片部780を設ける。この係止舌片部780は、ケース取付本体部710の上縁面740に、一端側が繋がったほゞ平行する切り離し部を設けることにより、一端を自由端とする腕状の部材として形成したものである。従って、この腕状の部材は基端が上縁部に連なっているので材質による弾性を有している。また、この係止舌片部780は、ケース取付本体部710に設けた所定形状の係止部となる。
そして、係止舌片部780の自由端側には、先端側に向って上り傾斜する斜面部781と、該斜面部781の上端から鋭角に交差する係止面部782とが形成してある(図13参照)。従って、溝孔790にレール部723を装着した第1ハーネスカバー720−1を、係止穴部726に係止舌片部780を係止させる方向である内側方向(図面では左側)へ移動させると、当該第1ハーネスカバー720−1の下面によって、傾斜面部781が下方へ押圧されて、係止舌片部780が下方へ弾性変形するが、斜面部781が係止穴部726に達すると、復帰して斜面部781が係止穴部726に嵌入する。
一方、この係止した状態で、前記とは逆方向に、即ち第1ハーネスカバー720−1を外す方向である外側方向に、第1ハーネスカバー720−1を移動させようとしても、係止穴部726の内壁に、係止舌片部780の係止面部782が係止するため、移動させることはできない。
しかし、係止舌片部780を変形させて、係止面部782と係止穴部726との係止を解除すれば、第1ハーネスカバー720−1を外す方向へ移動させることができる。このためには、係止舌片部780の斜面部781を、解除操作物により押圧すればよい。例えば指先を係止穴部726に通して、或いは係止穴部726に挿通したドライバー等の器具類でもって、前記斜面部781を押圧して、係止舌片部780を変形させる。この場合、係止舌片部780と係止穴部726との係止を解除する解除操作の方向は、前記係止穴部726から前記係止舌片部780を臨む方向となる。
一方、前記解除操作の方向は、前記係止穴部726から前記係止舌片部780を臨む方向ばかりではない。即ち、基板収納ケース500を拘止するためのカバー部720であるところのハーネスカバー720を外すための解除操作は、係止舌片部780を変形されることができればよい。そこで、例えば先端を鉤型に屈曲させたフックを、解除操作物として係止舌片部780の側方から侵入させ、このフックを回転させることにより、先端の鉤型部分で前記係止舌片部780を押圧することができる。
そこで、解除操作ができないように、即ち解除操作物を侵入させないようにするには、係止舌片部780の前面側に空間或いは余裕を形成しないように、配置構成するのである。例えば、後述する所定装置として隣接させて配置するリールユニット220に設けたリール基板カバー223を、前記係止舌片部780の前面に臨ませるのである。また、側方からの挿入を阻止するために、係止舌片部780の側方に、障害部材789を配置するのである。
先ず、解除操作物を挿入できないようにする障害部材は、例えば図20に示す実施例では、この係止穴部726の周囲、具体的には上縁及び右側縁にリブ状の障害部材788を、ハーネスカバー720の脚部722に突設している。従って、外部からピアノ線等の不正遊技部材(解除操作物)の侵入を確実に阻止可能である。
そして、障害部材788、789は、図示していないが、例えばリール基板カバー223側に設けることもできるし、またケース取付本体部710に設けることも可能であって、双方に設けたものでもよい。
次に、前記解除操作物の挿入を構造的に阻止するには、例えば、係止部としての係止舌片部780または解除操作の妨げとなるように隣接して配置する所定装置の所要部のいずれか一方を凸部にすると共に、他方を凹部にすれば、解除操作物を挿入することはできなくなる。しかも、正面には、所定装置として例えば後述するリールユニット220が存在しているので、正面からの解除操作物を挿入することは極めて困難である。
従って、解除操作物を挿入してのカバー部720の解除操作は不可能であり、不正にハーネスカバー720を取り外すことは不可能である。そして、ハーネスカバー720を撤去できなければ、基板収納ケース500にアクセスすることは不可能であり、基板収納ケース500に収納した主制御基板503に不正な改造を加えることができなくなり、不正遊技を未然に防止することができる。
更に、カバー部720であるハーネスカバー720の固定を確実にすることができる。即ち、係止舌片部780の係止面部782が係止穴部726に係止している状態では、上側に設けたネジ座部724と、ケース取付本体部710の上縁面740に設けたネジ孔749とが一致しているので、ここをネジ727によりネジ止めする。また、ネジ座部724の近傍に設けたロック孔725と、ネジ孔749の近傍に設けたロック孔748と、が同様に一致している。そこで、両ロック孔725、748に南京錠747aやワンウエーの結束バンド747b等のロック材を通して封印するとよい(図11参照)。
基板収納ケース500の左側に位置する第2ハーネスカバー720−2、即ち第2及び第3コネクタ部に接続した各ハーネスを覆う第2ハーネスカバー720−2も、前記した第1ハーネスカバー720−1の構成と同様なので、同じ機能を有する部位に同一の符号を付して説明を省略する。なお、こちら側の第2ハーネスカバー720−2も、ケース取付本体部710の投影面内で必要な全ての作業や操作が完了する。
そして、解除操作物の挿入を困難にするものは、前記した構造的なものばかりではない。即ち、リールユニット220とカバー部720との配置構成によっても、前記したように解除操作物の挿入は困難になる。
例えば、所定装置としてのリールユニット220に解除操作の妨げとなるように設けた所要部を、係止舌片部780に比べて大きく形成し、両者の隙間がなるべく少なくなるように、配置構成するのである。即ち、動作操作面として係止穴部726から臨む係止舌片部780の斜面部781に比べて、リールユニット220の所要部を大きく形成するのである。このようにすれば、係止部である係止舌片部780に向けて解除操作物を挿入することが困難であり、正面ばかりではなく側方からの侵入にも対処することができる。
一方、前記したように、係止穴部726に係止舌片部780の係止面部782が係止した状態では、ハーネスカバー720を移動させることができない。そこで、係止穴部726から臨む係止舌片部780を押圧できないようにすれば、基板収納ケース500を外すことができずに、主制御基板503に対する不正な改造を防止することができる。
そこで、図示の実施例では、係止舌片部780に対する解除操作ができなくなるように、係止穴部726の前面側に、基板収納ケース500よりも先に取り付けることで、所定装置となるリールユニット220を設け、このリールユニット220の所要部となるリール基板カバー223を、前記係止舌片部780の斜面部781の前面に臨ませている。
絵柄を表示するリールユニット220は、前記したように、リールフレーム221に3列のリールを設けたものであって、遊技台のキャビネット210に設けたリールユニット載置台218に対して着脱可能に取り付けてある。また、リールユニット220の背面側には、中継基板としてのリール基板222が装着してあり、このリール基板222はリール基板カバー223によって被覆されている(図16参照)。そして、このリールユニット220は、前記したように基板収納ケース500よりも先に、遊技台のキャビネット210内に設置されるものである。
リール基板カバー223は、例えば図17に示すように、内部に空間部を備えており、配線引出部を除いてほゞ閉塞している。即ち、図示の実施例では、リール基板222が位置する基板収納部を形成する背板部2231と、この背板部2231の上縁から斜めに延出する斜板部2232、背板部2231の下縁の一部を残して凹む凹板部2233と、背板部2231の側方に凹板部2233と同じ高さで突出する側方凹板部2234と、前記背板部2231、斜板部2232、凹板部2233、側方凹板部2234の各側縁部分から周囲を囲むようにして延出する胴板部2235と、を備えており、リールフレーム221即ち樹脂ケース221と同じ透光性を有する合成樹脂により一体に形成されている。
凹板部2233及び側方凹板部2234には、リール基板カバー223をリールフレーム221に取り付けるネジ受座2236が、円形に凹陥して設けてある。また、斜板部2232の上縁から延出している上側胴板部2237には、各リールに対応して接続する配線コードを通す配線孔2238が、半円形に開設してある。そして、この配線孔2238は、配線コードに接続したコネクタよりも小径としているので、配線コードの抜け止めの機能を果している。
また、側方凹板部2234の下方部分には、リール基板222に設けたコネクタ端子が臨む端子孔2239が開口している。なお、図17では現れていないが、左側の胴板部にも、開口部が開設してある。
そして、リール基板カバー223の背板部2231の左右には、ケース取付装置700に固定したハーネスカバー720の係止穴部726に対応して所定形状の凸部820が形成してあり、この凸部820の傾斜面821が係止穴部726に所定の間隔で対峙するようになっている。即ち、この凸部820が、解除操作を妨げる所要部となっている。そして、この所定の間隔は、係止穴部726と係止舌片部780との係止を外すための操作ができない状態であって、具体的には、係止穴部726を通して係止舌片部780を押圧するために、指や工具を挿入できない間隔であって、基板収納ケース500の取り付け作業には支障のでない間隔である。また、前記凸部820の傾斜面821は、係止舌片部780を押圧するための動作操作面となる係止穴部726から臨む傾斜面部781に比べて大きな面を含んで形成されており、係止穴部726を覆い隠している(例えば、図19参照)。
次に、前記したような主制御基板503を収納した基板収納ケース500を、遊技台のキャビネット210に取り付ける手順を簡単に説明する。一般に、基板収納ケース500は、組立工程の最後に取り付ける。即ち、先ず、キャビネット210の所定の位置に、ケース取付装置700を固定ネジ702でネジ止めする(図18(a)参照)。また、リールユニット220をキャビネット210に設けたリールユニット載置台218に着脱可能に取り付ける。このとき、リールユニット220に設けたリール基板カバー223の凸部820が、ケース取付装置700の係止舌片部780の先端部分(ハーネスカバー720を装着した状態では係止穴部726)に相対する位置にある。即ち、リールユニット220のリール基板カバー223が、ケース取付装置700の下縁部分を覆って、正面から見た場合に、ケース取付装置700の下縁部分がリールユニット220の影に隠れている。
上記のような状態で、主制御基板503を基板収納ケース500に収納し、セフティロックピン620を装着して封印し、開封できないようにした基板収納ケース500(以下、単に正規の基板と言うことがある)を、ケース取付装置700の前方に臨ませる。
このとき、正規の基板の上縁側を手前に、下縁側を奥にして斜めになった状態にする。即ち、正規の基板の下縁側を先に、ケース取付装置700に挿入するようにする。そして、基板収納ケース500の下縁側に設けてある組付連結部531を、ケース取付装置700のケース取付本体部710の上縁面740に設けた切欠に合せる。この位置では、基板収納ケース500の左側縁部分に設けた2つの係止突起部562が、ケース取付本体部710の内側に位置する。また、基板収納ケース500の上縁において、案内部の右側に突設した係止突起部561は、ケース取付本体部710の上縁に設けた切欠の位置に一致している。
従って、この状態で、正規の基板の下縁側を支点にして後方へ回動させるようにして、正規の基板をケース取付本体部710内に落とし込む(図18(b)参照)。この状態では、未だ3つの係止突起部561、562がケース取付本体部710内に位置し、基板収納ケース500は初期位置にある。
そこで、正規の基板を、左側へ若干スライド移動させる。このとき、基板部511が平坦に形成されているので、スライド移動に支障がない。基板収納ケース500が左側にスライド移動すると、当該基板収納ケース500の左側側縁部分に突設した2つの係止突起部562が、ケース取付本体部710の左側起立面730に開設した第2係止孔762に嵌入して係止する。また、基板収納ケース500の右側上縁に突設した係止突起部561が、上縁面740に開設した第1係止孔761の左端部分に係止する。即ち、基板収納ケース500が所定位置に移動する。
この状態、即ち基板収納ケース500が所定位置に位置すると、基板収納ケース500の案内部に開設した挿着孔630と、ケース取付装置700に設けた固定孔705とが一致する。そこで、挿着孔630から固定孔705に向けてかしめピン660を打ち込む。一旦、かしめピン660を打ち込むと、このかしめピン660を抜くことはできない。
一方、各コネクタ部504には、それぞれハーネスを接続する。また、ハーネス押え770により、ハーネスを基板収納ケース500及びケース取付装置700の外形に沿ってコンパクトにまとめて止着する。具体的には、図12に示すように、右側の第1コネクタ部504−1に接続したハーネスを、右横方向に折り込むと共に、ケース取付装置700の凹陥所741に沿って下方へ屈曲させ、ハーネス押え770の取付基板772の上に載せると共に、押え板774で押さえ込み、係止爪775aを係止させることにより押え板774を固定し、ハーネスをケース取付装置700の横方向に引き出す。
基板収納ケース500の左側に位置している第2及び第3コネクタ部504−2に接続した第2及び第3ハーネスは、一緒にして前記第1ハーネスと同様に、第2ハーネス押え770によってまとめ、ケース取付装置700の左側に引き出す。勿論、基板収納ケース500をケース取付本体部710内に落とし込む前に、予め各ハーネスを対応する各コネクタ部に接続しておいてもよい。
次に、カバー部720としてのハーネスカバー720を取り付けるが、このハーネスカバー720は、前記したように、ケース取付装置700の投影面内で作業可能なように構成してあるので、キャビネット210の内部であっても、何ら支障なく作業ができる(図18(c)参照)。
即ち、ハーネスカバー720を、前記したようにして取りまとめたハーネスの前方に臨ませ、上下に設けた各レール部723を、上縁面740の切欠に合せて溝孔790に落とし込む。そして、ハーネスカバー720を、内側方向へ移動させると、係止舌片部780が押圧されるため一旦下方へ変形して斜面部781を逃し、係止穴部726が斜面部781に達すると、戻り変形して斜面部781が係止穴部726に嵌入すると共に、係止面部782が係止穴部726の内面に係止する。また、カバー部であるハーネスカバー720の一部、例えば左側端面が基板収納ケース500の右側側面に当接する。従って、この状態になると、ハーネスカバー720は、外方向への移動が阻止されるようになる。そして、ハーネスカバー720が基板収納ケース500を拘止する。
しかも、係止穴部726は、リールユニット220の影に隠れ、係止穴部726の前方にはリールユニット220に設けたリール基板カバー223に設けた凸部820が臨んでいるので、係止穴部726を通して係止舌片部780を操作し、これらの係止を解除することはできない。これらの係止を解除するためには、リールユニット220を外す必要があり、不正遊技を行なう者にとっては、非常な負担となる。
基板収納ケース500の係止舌片部780がカバー部としてのハーネスカバー720の係止穴部726に係止した状態では、ネジ座部724とネジ孔749とが一致すると共に、ロック孔725とロック孔748とが一致する。そこで、ネジ座部724からネジ孔749にネジ727をねじ込めば、このネジ727と係止舌片部780との2箇所でハーネスカバー720を固定することになるので、確実な固定が可能である。
また、ロック孔725とロック孔748とにロック手段として南京錠747aや結束バンド747b等を通して封印すると更に安全性を高めることが可能である(図11参照)。
更に、図15に示すように、基板収納ケース500の前面部と、第1ハーネスカバー720−1とに掛けて、封印シールSを貼設しておけば、第1ハーネスカバー720−1を移動すると、上記封印シールSが破れるので、不正行為を容易に発見することができる。
前記したように、基板収納ケース500を拘止するカバー部であるハーネスカバー720を移動させるには、リールユニット220を外す必要がある。そこで、リールユニット220自体を外せないように構成することもできる。即ち、図21に示す実施例では、リールユニット220を配置したリールユニット載置台218と前記リールユニット220とを、例えば南京錠850よりなる錠手段を設けて施錠可能とする。このように構成すれば、解錠手段を持たない者はリールユニット220を外すことができないので、不正な改造に対する安全性がより向上する。
そして、仮にハーネスカバー720を外すことができても、基板収納ケース500は、ケース取付本体部710内において第1ケース係止孔761に係止突起部561が嵌入して係止し、第2ケース係止孔762に係止突起部762が嵌入して係止している所定位置にあり、基板収納ケース500の挿着孔630からケース取付装置700の固定孔705に向けてかしめピン660が打ち込んである。このため、このかしめピン660を切断することなく抜くことはできない。しかも、かしめピン660を抜いても、基板収納ケース500を取り外すには、更に各係止突起部561、562と各ケース係止孔761、762との係止を解除可能な初期位置まで移動させなければならない。従って、基板収納ケース500の取り外しには、非常に手間暇の掛かるものとなっており、また多くの痕跡を残すものである。このため、不正行為に対する安全性がきわめて高いものとなっている。
ところで、前記したようにしてキャビネット210内に取り付けたケース取付装置700と、このケース取付装置700内に挿着した基板収納ケース500と、この基板収納ケース500を拘止するカバー部720、及びリールフレーム221とリール基板カバー223とは、皆同じ透光性を有する合成樹脂によって成形してある。従って、互いに組み付けた状態においては、各部材の区切りが不明瞭となる。このため、不正行為を行なおうとする者にとっては、どこから不正行為を働いてよいか分からず、この点からも不正行為に対する安全性が高まる。
前記した実施例では、基板収納ケース500に隣接して配置する所定装置として、リールユニット220を用いた場合を説明したが、所定装置はリールユニット220に限るものではない。例えば、図22に示す実施例では、所定装置として、キャビネット210の側板214に、副制御基板を収納した副基板収納ケース570を取り付けている。なお、図示の実施例では、側板214に設けたケース取付装置709を介して副基板収納ケース570をキャビネット210内に取り付けている。
副基板収納ケース570には、基板収納ケース500を取り付けたケース取付装置700のカバー部720と、ケース取付本体部710が備える係止部、例えば係止舌片部780と、の係止を解除させる解除操作を妨げる所要部、例えば突出部571が設けてある。
従って、この実施例によっても、主制御基板503を収納した基板収納ケース500を外す場合には、副基板収納ケース570を外さなければならず、主制御基板503に対する不正な改造を未然に防止することができる。
ケース取付装置としては、金属板831を適用することもできる。即ち、例えば図23に示すように、キャビネット210の背板213に固定した金属板831に、主制御基板503を収納した基板収納ケース500を、金属板831に雄ねじ832によりネジ止めする。このため、金属板831には雌ねじ部(図示せず)が開設してあり、この雌ねじ部に対して、基板収納ケース500に通した雄ねじ832を螺合させて、基板収納ケース500を金属板831に取り付けるのである。
そして、リールフレーム221の所定位置には、基板収納ケース500の取り外しの妨げとなるように係止突起813が所要部として設けてある。一方、基板収納ケース500の下側隅部には、前記係止突起813に対応して、当該係止突起813を受け入れる受入部811と、前記係止突起813が係止する係止顎部812とが設けてある。
そこで、リールユニット220をリールユニット載置台218に載せて所定の位置に取り付けた状態において、基板収納ケース500をリールユニット220と金属板831との間に押し込んだ状態では、係止突起813と係止顎部812とが係止している。
従って、雄ねじ832を外しても基板収納ケース500を引き上げることができないので、基板収納ケース500を外すことができない。そして、基板収納ケース500を外すためには、リールユニット220を移動させて、係止突起813と係止顎部812との係止を解かなければならない。
この実施例によれば、基板収納ケース500を取り外すには、リールユニット220を移動させて、係止突起813と係止顎部812との係止を解除しなければならないが、基板収納ケース500を取り付ける際には、リールユニット220が取り付けの妨げになることはない。従って、不正遊技を未然に防止可能であるが、作業性を損ねることはない。
図24は、更に他の実施例を示す。この実施例では、基板収納ケース500の所定位置、図示の実施例では、下側隅部に、係合突起部841を突設している。一方、リールユニット220のリールフレーム221の形状を、前記係合突起841に係合可能な形状とするのである。そして、リールユニット220の上方に基板収納ケース500を臨ませ、次に当該基板収納ケース500を、ケース取付装置の固定部としての金属板831に沿って下降させ、リールフレーム221と金属板831との間に挿入し、雄ねじ832により基板収納ケース500を金属板831に固定する。
このとき、リールフレーム221の形状、例えば背面上半部分の傾斜面221aによって係合突起841がガイドされて、基板収納ケース500の挿入が可能となるが、基板収納ケース500を引き出す際には、背面下半部分の傾斜面221bに係合突起841が係合して、引き出しが不可能となる。従って、この実施例においては、傾斜面221a及び傾斜面221bが、基板収納ケース500の取付操作の妨げとはならないが取外操作の妨げとなる所要部に該当する。
このように構成すれば、一旦、金属板831に取り付けた基板収納ケース500は、係合突起部841とリールユニット220との係合が解除されない限り、取り出すことができない。即ち、係合突起部841とリールユニット220との係合が解除されるまで、少なくともリールユニット220を移動させなければならない。
従って、基板収納ケース500を不正に改造することが不可能で、不正遊技を未然に防止することができる。一方、基板収納ケース500を取り付ける際には、キャビネット210内に予め配置されているリールユニット220の存在が作業性を低下させることはない。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。