JP2007166991A - クローズ式連続蒸煮装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱による脱気によって肝心なフレーバーを飛ばしたり、蒸発によって歩留まりを悪くすることなく、クローズ状態で加熱でき、且つ、加熱用の熱交換器として、可及的に少ない台数の超音波振動子を用いるだけで、加熱によって変性した液体中の各種成分等が、金属パイプの内壁に付着することを防止できると共に、運転時の音が小さく、また、豆乳のような半液状物でも金属パイプ内に詰まらせることなく、円滑に熱交換できるように工夫した超音波振動機能を備えた熱交換器を用いることによって、液体調味料等のような蒸煮済み液体を連続的に製造できるように工夫したクローズ式連続蒸煮装置を提供する。
【解決手段】 原液調合タンク2又は3にて調合した原液を、超音波振動機能と、金属パイプ12の内壁面に対するタンパク質成分等の付着防止機能を備えた加熱用熱交換器Zに送って加熱することにより、クローズ状態で蒸煮する。
【選択図】 図1
【解決手段】 原液調合タンク2又は3にて調合した原液を、超音波振動機能と、金属パイプ12の内壁面に対するタンパク質成分等の付着防止機能を備えた加熱用熱交換器Zに送って加熱することにより、クローズ状態で蒸煮する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば即席ラーメンや焼肉のたれ、その他各種食品類に使用される液体調味料(スープ)等を連続して、しかも均一された温度条件で造ることができるクローズ式連続蒸煮装置に関するものである。
従来、即席ラーメン等に使用される液体調味料(蒸煮済み液体)を造るには、一般的な熱交換器を使用すれば原料に含まれるタンパク質等の熱変性成分が加熱により固形化して金属パイプの内壁に付着してしまう為、熱交換が著しく低下するので連続して使用することが難しく、殆どが直下釜又は蒸煮釜にその商品のレシピに基づいて選んだ原料液や添加物等を計量して投入し、これを釜側面の付着を除去しながら攪拌し、加熱を任意の温度で任意の時間行うことによって、バッチ生産している。
しかし、このバッチ式製造方式は、釜を開放状態で攪拌しながら高温で長時間加熱するため、脱気によって肝心なフレーバーを飛ばしてしまうと同時に、蒸発によって歩留まりを悪くする問題がある。
また、昨今は多品種、小ロットに対応するために、バッチ回数を減らす手段として1,000Kg又は2,000Kgの大型蒸煮釜が多く使用されているが、製造プロセスで加熱が完了した時点がその蒸煮済み液体(製造商品)の品質が一番よい状態にあるにも係わらず、肝心な容器への充填工程(包装工程)で長時間かかるため、徐々にカッペン(変色)や品質劣化に止まらず、放熱による温度低下が生じてしまう問題があった。
これ等の問題を解決するべく、従来は、蒸煮済み液体の必要温度を確保するために、図5に示した従来例の如く、熱交換器を用いて蒸煮済み液体を再加熱していたが、再加熱すると品質の均一化が難しくなる問題があった。
上記図5に示した従来例において、AとBは例えば液体調味料の原料を煮る蒸煮釜、Cはこれ等各蒸煮釜A,BよりポンプPを経て送られて来る蒸煮済みの液体調味料をストレージタンクDに送り込む供給管、Zは、ストレージタンクDよりポンプDPによって輸送管Eを通して送り込まれて来る蒸煮済みの液体調味料を、飽和蒸気水や温水等の熱媒を用いて所定の温度に加熱処理することができる熱交換器を示す。
更に図中、Gは上記熱交換器Zによって熱交換されて取出管Wを通して送り出されて来る液体調味料を、自動包装機Jに送り込むための供給管、Iは供給管Gの途中に三方自動切換弁Hを介して接続した返送管で、液体調味料が所定の温度に加熱されていない場合や、自動包装機Jで処理しきれない液体調味料は、この返送管Iを通って再び上記のストレージタンクDに送り戻される仕組に成っている。
また、JTは上記の自動包装機Jによって連続的に包装された液体調味料の包装袋、Kはこの帯状に連続する包装袋JTを品質保持に適した所定の温度に冷却する帯状包装体用冷却装置、Lは冷却された帯状に連続する包装袋JTをカッテイングするカッテイング又は折り畳み装置である。
しかしながら、例えば上記図5に示すような従来の熱交換器Zを使用して、液体調味料を再加熱する目的は、充填前の殺菌工程及び加熱された調味液を充填することにより、包装容器内の細菌を死滅させる一般的な方法として加熱充填(ホットパック)が最も多く採用されており、安全性を重要視する一方で過剰加熱による肝心な味の劣化と同時に品質の均一性が損なわれてしまうなど、バッチ式による液体調味料等の製造には問題が多かった。
そこで本出願人は、特許文献1に見られるように、例えば液体調味料等の各種の液体を加熱処理する場合に、加熱によって変性した液体中の各種成分等が、金属パイプの内壁に付着することを防止することができるように工夫した熱交換器を開発した。
特開2002−181490号公報
上記特許文献1に記載の発明によれば、超音波振動子による振動によって生じる超音波が、熱媒を介して金属パイプに及んでこれを振動するため、例えば液体調味料をこの金属パイプに通して加熱処理した場合に、加熱によって変性した液体調味料中のタンパク質成分等が、金属パイプの内壁面に付着することを防止できるものであって、変性した成分の付着による処理量の低下や、こげ様の異物が処理液中に混入すると言った不都合を解消すると共に、金属パイプ内の洗浄も容易に行うことができる利点を発揮することができる。
ところが、上記特許文献1に記載の熱交換器は、特許文献1の図8乃至図10に示されているように、外套タンクの外側面に設けた金属製ケース体の内部に、多数の超音波振動子を取付けることにより、各超音波振動子から金属パイプに向けて超音波を放射するように構成されているため、これ等多数の超音波振動子を用いる分、製造価格が高くなり、また、熱交換器の全体が大型化する問題があり、加えて、運転時の騒音が大きい、熱交換が液体調味料等の液体のみに限られ、例えば、豆乳のような半液状体のものは金属パイプが詰まってしまうため、熱交換できない、といった問題があった。
従って本発明の技術的課題は、加熱による脱気によって肝心なフレーバーを飛ばしたり、蒸発によって歩留まりを悪くすることなく、クローズ状態で加熱でき、且つ、加熱用の熱交換器として、可及的に少ない台数の超音波振動子を用いるだけで、加熱によって変性した液体中の各種成分等が、金属パイプの内壁に付着することを防止できると共に、運転時の音が小さく、また、豆乳のような半液状物でも金属パイプ内に詰まらせることなく、円滑に熱交換できるように工夫した超音波振動機能を備えた熱交換器を用いることによって、液体調味料等のような蒸煮済み液体を連続的に製造できるように工夫したクローズ式連続蒸煮装置を提供することである。
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係るクローズ式連続蒸煮装置は、原液調合タンクに原料液や添加物等を計量して投入し、且つ、攪拌することによって調合した調合済み原液を、熱交換器を用いて連続的に蒸煮するように構成したクローズ式連続蒸煮装置であって、上記の熱交換器が、上記原液調合タンクより送られて来る調合済み原液を流すための1本又は複数本の金属パイプを、熱媒が満たされた外套タンクの内部にスパイラル状又は直線状に配管することにより、上記金属パイプ中を流れる調合済み原液と熱媒との間で熱交換して蒸煮するように構成され、上記外套タンクの両端口の内側に、両端口に対して間隔をあけて金属パイプの両端部を支持する支持板を設け、且つ、外套タンクの両端口の夫々に蓋体を装着することにより、外套タンクの両端口の内側に上記金属パイプの両先端口が夫々連通開口される液体又は半液状体の溜り室を区画形成すると共に、上記外套タンクの少なくとも一方の蓋体に、上記溜り室を通して上記各金属パイプの先端口に向けて超音波を放射する超音波振動子を取付けた構造の超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器であることを特徴としている。
(2) また、本発明の請求項2に係るクローズ式連続蒸煮装置は、前記左右の蓋体が外套タンクの両端口に対して着脱自在に構成され、且つ、前記一方の蓋体には複数本の超音波振動子が取付けられ、他方の蓋体には、調合済み原液の流入口と熱交換を済ませた蒸煮済み液体の流出口が設けられると共に、上記外套タンク内に配管される金属パイプの内壁面に、テフロン(登録商標)やセラミックス等の薄膜がコーティングされていることを特徴としている。
(3) また、本発明の請求項3に係るクローズ式連続蒸煮装置は、前記加熱用熱交換器によって熱交換を終えた蒸煮済み液体を充填ラインに向けて送る供給ラインの途中に、送られて来る液体の通過滞留時間を調節可能にしたホールドパイプ部と、この液体温度を充填に適した温度に冷却する冷却用熱交換器を設けたことを特徴としている。
(4) また、本発明の請求項4に係るクローズ式連続蒸煮装置は、前記加熱用熱交換器と冷却用熱交換器の間を結ぶ供給ラインの途中に、熱交換を終えた蒸煮済み液体に対して必要に応じて添加液を添加する添加液供給装置を設けたことを特徴としている。
(5) 更に、本発明の請求項5に係るクローズ式連続蒸煮装置は、前記供給ラインの末端部分に、熱交換を終えた蒸煮済み液体を一時貯留して、後続の充填ラインに対して、充填ラインに見合った容量の蒸煮済み液体を供給することができるサージタンクを設けると共に、このサージタンクと前記冷却用熱交換器の間を結ぶ供給ラインの途中に、装置内の圧力を任意に設定することができるリリーフバルブを設けたことを特徴としている。
上記(1)と(2)で述べた手段によれば、液体調味料等の液体製品を、熱交換器を用いて加熱することにより、クローズ式に連続製造することができるため、オープン釜である直火釜又は蒸煮釜を用いてバッチ生産していた従来の製造装置に比較して、加熱に伴う脱気によってのフレーバー損失及び蒸発による歩留まり等の問題も解決することができる。
また、上記(1)と(2)で述べた手段によれば、加熱用に使用する熱交換器が、超音波振動子の振動によって生じる超音波により、外套タンクの溜り室内を流れる液体を脈動し、更に、この超音波による振動が溜り室に先端口が開口されている各金属パイプの内部に伝播して、これを効果的に振動することができるように構成されているため、各金属パイプの内壁面にテフロンやセラミックス等の薄膜をコーティングした点と相俟って、比較的少ない数(本数)の超音波振動子によって、金属パイプの内壁面に対するタンパク質成分等の付着を確実に防止できると共に、付着した場合でもこれを確実に剥離して、液体の流れに乗せて除去(排出)することができる。
更に上記の手段によれば、超音波振動子の取付け本数を少なくすることができることから、運転時の騒音を小さくすることができると共に、強力な振動作用によって例えば豆乳のような半液状体であっても、容易に熱交換することを可能にする。
一方、液体調味料等の製造工程は、最終商品の状態、充填容器で決まり、例えば18L缶、びん詰め、缶詰、プラスチックフイルム容器等、包装形態も三方シール、四方シール、ピロー包装、スタンディングパウチの如く様々で、且つ、充填内容量も5g程から20Kg/個程度まで幅広く充填ライン設備により大きく異なり、1ラインの生産能力も50Kg〜5,000Kg/H程に差がある。
然るに、上記(1)、(2)で述べた装置によれば、上記の充填能力に連動的に対応可能であって、生産能力に見合った装置を選定することで、一定の温度条件の基に蒸煮処理から温度滞留時間や冷却工程等で任意の充填温度条件を維持しながら連続生産できるので、品質管理面で特に安定した商品の生産が可能となる。
また、上記(3)で述べた手段によれば、加熱した液体調味料等の通過滞留時間をホールドパイプ部によって調整でき、且つ、その温度をそのまま自動包装機等で連続的に包装できる充填温度に冷却することができ、また、上記(4)で述べた手段によれば、熱交換器による加熱完了後に各種の添加液を混合可能にして、液体調味料の味や、その他の調合済み原液の内容を調整可能にすると共に、上記(5)で述べた手段によれば、充填ラインに見合った容量のサージタンクを設けることにより、自動包装機等による充填作業を支障無く円滑に進めることができ、且つ、例えば熱交換器を用いて原液を100℃以上に加熱する場合に、装置内の圧力をリリーフバルブによって任意に設定することにより、安全に加熱作業を進めることを可能にする。
以上述べた次第で、本発明に係るクローズ式連続蒸煮装置によれば、調合済みの原液を熱交換器を用いて支障無く加熱(蒸煮)することができるクローズ式であるため、例えば100℃以上の加熱処理も可能であるから、蒸煮できる原液の範囲を広げて、各種商品(製品)の製造に利用できる利点を発揮することができると共に、冷却用熱交換器の併用により、各種の要求に応じた充填量と充填温度にて液体調味料等を取り出すことができるため、そのまま自動包装機に連結して使用できる機能性と実用性を備えている。
更に本発明に係るクローズ式連続蒸煮装置によれば、調理の中での熱処理に係る必要とする熱量は、熱量=温度×時間によって求められるので、従来の蒸煮釜での加熱に比べて熱交換器による加熱時間は極端に短くなるが、これをホールドパイプ部を必要に応じて延長することで容易に対応できる利点を発揮できるものであって、品質管理面での最も重要課題である加熱処理温度及び加熱時間が一定しているため、液体調味料等の商品を安定した状態で提供できる点、並びに、装置全体が一連のライン構造に成っているため、例えば自動洗浄工程のような必要とする各種の工程(装置)を、容易に組み込むことができる点と相俟って、液体調味料やその他スープ類等の製造に用いてまことに好適なものである。
以下に、上述した本発明に係るクローズ式連続蒸煮装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の全体を示した構成図であって、図中、Zは本発明で使用する超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器の一例を示したもので、1はその機枠フレーム、1Tは移動用台車を示し、2と3は第1、第2の原液調合タンク(ブレンダー装置)を示す。これ等の原液調合タンク2,3は、製品のレシピにより使用する原料液及び添加物等を計量して投入し、これを攪拌羽根2A,3Aで攪拌するが、投入された原料液等が例えば液糖や水飴のような常温では混ざり難い物性がある場合に、これを蒸気加熱で攪拌羽根2A,3Aによる攪拌に適した温度にすることができる。
尚、図面には2台の原液調合タンク2,3が示されているが、これは連続運転に対して切り替えて交互に使用する場合を示したもので、原液調合タンクの台数は調合する原料液の量や種類等によって定められるものであって、1台であっても勿論よい。
更に図中、DPは各バルブ2K,3Kの開放に従って上記各原液調合タンク2,3内で調合された原液を、供給管Eを通して前述した加熱用熱交換器Zに送り込む送液ポンプ、Wは加熱用熱交換器Zによって熱交換された原液の取出管で、この取出管Wには図4に示した構造の混合パイプWVと、熱交換を終えた加熱済み原液の温度を計測する温度センサーWSが設けられている。
RAは上記取出管Wの先端に三方自動切換弁HAを介して接続した返送管(リターンライン)で、上記温度センサーWSの温度検知の結果、上記原液が加熱用熱交換器Zによって所定の温度まで加熱されていない場合に、上記三方自動切換弁HAと、返送管RAの途中に設けた三方自動切換弁HBの切換によって、この原液を再び原液調合タンク2又は3に送り戻して、再度加熱用熱交換器Zによる熱交換を行う仕組みに成っている。
更に、Gは三方自動切換弁HAを経て送られて来る熱交換を終えた蒸煮済み原液を、自動包装機等(図示省略)を連結した充填ラインに向けて送る供給管であって、4は上記の熱交換を終えた原液に対して所定の添加液を添加したい場合に、流量計4Sの測定信号に従って調節されるバルブ4Hと添加パイプ4Pを通して、上記の供給管Gに添加液を送って原液に添加することができる添加液タンクを示す。
更に図1において、5は上記供給管Gの途中に設けた延長組替式ホールドパイプから成るホールド装置であって、上記熱交換器Zによる加熱時間が従来の蒸煮釜による加熱時間に比較して極端に短いため、供給管Gを通って供給される加熱済み原液の通過滞留時間を、必要に応じてこのホールド装置5を構成するホールドパイプの組替によって時間設定することができる。
また、6は上記供給管Gの先端部5Aに連結した冷却用熱交換器で、この熱交換器6によって充填に適した温度に冷却された蒸煮済み原液は、図4に示した構造の混合パイプ7Vで混合され、更に、温度センサー7Sで温度が測定された後、供給管7を通して攪拌羽根8Aを備えたサージタンク8に送り込まれて一時貯留され、その後、送液ポンプ9Pによって充填ラインに見合った容量の蒸煮済み原液が、充填パイプ9を通して充填供給される仕組みに成っている。更に、7Wは上記供給管7の途中に設けたリリーフバルブであって、このバルブ7Wは例えば100℃以上の加熱の場合に、その温度に応じて装置内圧力を任意に設定することができる。
次に、上述した超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器Zの構造を図面と共に説明すると、図2は多管式(多段式)に構成した熱交換器Zの全体を説明した構成図、図3は熱交換器Zを構成する外套タンク10を拡大して示した一部断面正面図であって、図1並びに図2に示した熱交換器Zは、図3に示した構造の外套タンク10を直列に複数本接続することによって構成される仕組みに成っている。
即ち、全体を太径の円管状に造った上述した外套タンク10は、図3に示すように、上側面に飽和蒸気等の熱媒の流入口11Aを設けた外套管11の内部11Hに、内壁面にテフロンやセラミックス等のように表面が滑性面と成っている薄膜をコーティングした多数本の金属パイプ12…を並設すると共に、外套管11の両端部の内側に、これ等各金属パイプ12…の両端を支持するための支持板13’,16’を設け、且つ、外套管11の両端口に左右の蓋体13,16を装着することによって、外套タンク10の両端部に処理液体又は半液状体の溜り室14A,15Aと16Kを区画形成するように構成されている。
また図3において、14は左側の蓋体13に設けた熱交換を受ける液体調合済み原液の流入口、15は熱交換を終えた原液の流出口、11C,11D,11Eは外套管11の上面に設けた温度検知と、通気口と熱媒を外套管11から排出する場合に用いる空気の取入口を示し、11Bは外套管11の底面に設けた熱交換を終えたドレンの排出口を示す。
更に図3において、13Tは各外套管11内で熱交換される原液の流路を設定するために、上記左側の蓋体13の内側面に上記左側の溜り室を中央線の部分で左右又は上下の2つの溜り室14A,15Aに2分割できるように突出形成した中央仕切壁を示す。また、13Bは上記中央仕切壁13Tの先端に設けたパッキン、13A,16Aは左右の蓋体13,16を外套管11の両端口に取付けるクランプで、13Cと16Cはガスケットを示す。
更に、10H,10Hは上記右側の蓋体16の板面16Rに取付けた超音波振動子で、これ等の超音波振動子10H,10Hは、超音波を上記右側の溜り室16Kと、この溜り室16Kに向けて先端口を開口している多数本の金属パイプ12…の内部に放射して、溜り室16Kの内部を図3の矢印に示すように流れる原液を脈動し、且つ、金属パイプ12…を振動する仕組みに成っている。
上記図3に示した構成によれば、流入口14より左側の蓋体13の下半分の溜り室14Aに流入した原液は、この下半分の溜り室14Aにその各先端口を臨ませている下側半分の各金属パイプ12…内を通って右側の溜り室16Kに流通し、次いで、矢印の如く上方に反転して上側半分の金属パイプ12…の内部を通って左側の上半分の溜り室15Aに流通し、流出口15より外套タンク10の外に流出されることになるが、この間、各金属パイプ12…を往復流通する原液は、タンク内部11H内に満たされている熱媒との間で熱交換されると共に、右側の溜り室16Kに流入した時に、超音波振動子10Hから放射される超音波を受けて脈動し、且つ、この脈動する原液を通して各金属パイプ12…の内部にも超音波が伝播されて、各金属パイプ12…をその内部から振動させることができるため、各金属パイプ12…内へのタンパク質成分等の付着を防止し、また、付着したタンパク質成分等の剥離を効果的に行うことができる。
本発明の実施例では、外套管11の内部に、夫々内壁面にテフロンやセラミックス等を薄くコーティングした計40本の金属パイプ12…が夫々間隔をあけて直線的に配管されていて、前記左側の蓋体13の内部に設けた中央仕切壁13Tが、これ等計40本の金属パイプ12…を1ブロック=20本単位に区分することができるが、本出願人による特願2004−260589号の図4乃至図7及び図9に見られるように、上記中央仕切壁13Tを例えばT字形状に形成し、更に、右側の蓋体16の内側面に中央仕切壁を設けた場合は、40本の金属パイプ12…を1ブロック=10本単位に区分することが可能であって、これ等中央仕切壁13Tの形状と金属パイプ12…の本数はいずれも実施の一例である。
また、図面には右側の蓋体16に直接2本の超音波振動子10H,10Hが取付けられた構成が示されていて、当該蓋体16部分の構成を頗る簡単なものにすると共に、超音波振動子10Hを含む蓋体16の着脱を容易にしているが、これも実施の一例である。更に、超音波振動子10Hの取付け本数も、実際には2本〜5本程度の複数本が取付けられる仕組みに成っている。更に、特開2002−181490号公報の図1乃至図3に示すように、外套管11の内部に1本の金属パイプ12をスパイラル状に配管して熱交換器を構成してもよく、その選択は任意とする。
この様に構成した超音波振動子10Hを備えた外套タンク10を用いて熱交換器Zを造るには、先ず、複数本の外套タンク10…を、図2に示す如く移動用の台車1Tを備えた機枠フレーム1に多段式に架設すると共に、熱媒の供給源21(図面の場合はスチーム供給源)に設けた媒体供給パイプ22を、夫々ボールバルブ27,28を介して各外套タンク10…の媒体取入口11Aに接続し、また、各ドレン排出口11Bに取付けたドレン排出パイプ44を、上記機枠フレーム1の基台IT上に搭載したドレン回収タンク30に接続する。
更に、前記原液調合タンク2又は3よりポンプDPによって送られて来る調合済み原液用供給管Eの先端を、最下段の外套タンク10に取付けた左側蓋体13の流入口14に接続し、また、該蓋体13に設けた流出口15と、次段の外套タンク10に取付けた左側蓋体13に設けられている流入口14の間を図4に示した構造の混合パイプVで連通接続すれば、上記原液調合タンク2又は3より送り込まれて来る調合済み原液を、各外套タンク10…の金属パイプ12…内で順々に熱交換して所定の温度に加熱した後、最終段の外套タンク10の流出口15に接続した送出パイプWTを通して、前記図1に示した取出管Wに送り出される仕組みに成っている。
前記媒体供給パイプ22にはボールバルブ27が取付けられ、更に、制御装置50によって制御されて媒体の供給量を調節することにより、上記原液調合タンク2又は3から送り込まれる調合済み原液を任意の加熱温度に加熱することができるプロセス制御弁53が設けられている。加えて、この媒体供給パイプ22には、媒体を第1電磁弁29Aを介して前述したドレン回収タンク30に送り込むことができる第1の分岐パイプ29が接続されている。また、第2の分岐パイプ22Xに設けたスチームトラップ22Kは、ドレン回収タンク30に設けたドレン排出パイプ31に接続されている。
更に図2において、40は各外套タンク10の通気口11Dと前述したドレン回収タンク30の間を結ぶ通気パイプで、41はこの通気パイプ40に設けた第2の電磁弁を示す。また、1段目と2段目の外套タンク10,10に設けたエアー抜き口11E,11Eには、夫々逆止弁42,42を介してエアーベント43,43が取付けられている。
また、前記ドレン回収タンク30に接続したドレン排出パイプ31には、トラップ32(スチームトラップ)が取付けられていて、その先端はドレン回収配管33に接続している。51は前記送出パイプWTから送出される熱交換を終えた原液の温度を検出する温度センサー、52,52は前記各外套管10の温度検出口11Cに取付けた媒体の温度検出用温度センサーで、これ等各温度センサー51,52,52で検出された温度データは前述した制御装置50に送られて、媒体の温度が適温に調節される仕組みに成っている。
以上の如く構成した熱交換器Zは、制御装置50に設定された2次側(加熱液)の任意設定温度に対して、媒体供給源21からの媒体供給(スチーム供給)を、制御装置50がプロセス制御弁53を制御しながら行う。この場合、通気パイプ40の第2の電磁弁41は開のため、ドレン回収タンク30と各外套タンク10の内部は同圧状態となり、従って、各外套タンク10内で発生したドレンは、ドレン排出パイプ44を通ってドレン回収タンク30に集合される。
以上の如くドレン回収タンク30に集合されたドレンは、その量をレベルセンサー(図示省略)が感知して任意の量をサイクルとしてドレン排出を行うが、ドレン排出に際しては、上記第2電磁弁41は閉となり、媒体供給用の第1の分岐パイプ29の第1電磁弁29Aが開となって、媒体(スチーム)をドレン回収タンク30内に送り込むため、その媒体圧力を利用してドレンをドレン排出パイプ31を通して大気圧内に排出する。排出が完了すると同時に、上記第1電磁弁29Aが閉、第2電磁弁41が開となって、この動作が反復される。
また、上記の制御装置50は、定期的に又は必要に応じて各外套タンク10の右側(一方)の蓋体16に取付けた超音波振動子10H…を作動するか、或いは、連続して超音波振動子10H…を作動することにより、各金属パイプ12…の内壁面にテフロンを薄くコーティングして剥離性を高めた点と相俟って、各金属パイプ12…へのタンパク質成分等の付着を防止したり、付着しているタンパク質成分等を容易に剥離する一方、洗浄剤を使用して金属パイプ12…をクリーニングする際に、超音波振動によって洗浄効果を高めることができる。
尚、図4に示した混合パイプV,WV,7Vは、両端部に接続口VR,VLを開口し、内部に混合及び攪拌用のスクリュー羽根VA,VBを備えていて、内部を流通する原液を混合及び攪拌するように構成されている。
2,3 原液調合タンク
4 添加液タンク
5 加熱液ホールド装置
6 冷却用熱交換器
7W リリ−フバルブ
8 サージタンク
Z 超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器
10 外套タンク
10H 超音波振動子
11 外套管
12 金属パイプ
13,16 蓋体
13’,16’ 支持板
14 流入口
15 流出口
14A,15A,16K 溜り室
4 添加液タンク
5 加熱液ホールド装置
6 冷却用熱交換器
7W リリ−フバルブ
8 サージタンク
Z 超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器
10 外套タンク
10H 超音波振動子
11 外套管
12 金属パイプ
13,16 蓋体
13’,16’ 支持板
14 流入口
15 流出口
14A,15A,16K 溜り室
Claims (5)
- 原液調合タンクに原料液や添加物等を計量して投入し、且つ、攪拌することによって調合した調合済み原液を、熱交換器を用いて連続的に蒸煮するように構成したクローズ式連続蒸煮装置であって、
上記の熱交換器が、
上記原液調合タンクより送られて来る調合済み原液を流すための1本又は複数本の金属パイプを、熱媒が満たされた外套タンクの内部にスパイラル状又は直線状に配管することにより、上記金属パイプ中を流れる調合済み原液と熱媒との間で熱交換して蒸煮するように構成され、
上記外套タンクの両端口の内側に、両端口に対して間隔をあけて金属パイプの両端部を支持する支持板を設け、且つ、外套タンクの両端口の夫々に蓋体を装着することにより、外套タンクの両端口の内側に上記金属パイプの両先端口が夫々連通開口される液体又は半液状体の溜り室を区画形成すると共に、
上記外套タンクの少なくとも一方の蓋体に、上記溜り室を通して上記金属パイプの先端口に向けて超音波を放射する超音波振動子を取付けた構造の超音波振動機能を備えた加熱用熱交換器であることを特徴とするクローズ式連続蒸煮装置。 - 前記左右の蓋体が外套タンクの両端口に対して着脱自在に構成され、且つ、前記一方の蓋体には複数本の超音波振動子が取付けられ、他方の蓋体には、調合済み原液の流入口と熱交換を済ませた蒸煮済み液体の流出口が設けられると共に、上記外套タンク内に配管される金属パイプの内壁面に、テフロン(登録商標)やセラミックス等の薄膜がコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載のクローズ式連続蒸煮装置。
- 前記加熱用熱交換器によって熱交換を終えた蒸煮済み液体を充填ラインに向けて送る供給ラインの途中に、送られて来る液体の通過滞留時間を調節可能にしたホールドパイプ部と、この液体温度を充填に適した温度に冷却する冷却用熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクローズ式連続蒸煮装置。
- 前記加熱用熱交換器と冷却用熱交換器の間を結ぶ供給ラインの途中に、熱交換を終えた蒸煮済み液体に対して必要に応じて添加液を添加する添加液供給装置を設けたことを特徴とする請求項1又は3に記載のクローズ式連続蒸煮装置。
- 前記供給ラインの末端部分に、熱交換を終えた蒸煮済み液体を一時貯留して、後続の充填ラインに対して、充填ラインに見合った容量の蒸煮済み液体を供給することができるサージタンクを設けると共に、このサージタンクと前記冷却用熱交換器の間を結ぶ供給ラインの途中に、装置内の圧力を任意に設定することができるリリーフバルブを設けたことを特徴とする請求項1、3又は4に記載のクローズ式連続蒸煮装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-12-22 JP JP2005369713A patent/JP2007166991A/ja active Pending
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