JP2007166864A - チャージポンプ回路制御装置、及びチャージポンプ回路制御方法 - Google Patents

チャージポンプ回路制御装置、及びチャージポンプ回路制御方法 Download PDF

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誠純 西村
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Abstract

【課題】実際の負荷電流が変動した場合であっても、それに応じた適正なタイミングでの倍率移行を行い得る、高効率で常に所望の出力電圧が得られる、チャージポンプ回路制御装置を提供する。
【解決手段】倍率切り替え判定手段11cが、入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧Vbと、出力電圧Voutを1/(切り替えようとする倍率)に分圧した電圧とを比較して、1/(切り替えようとする倍率)に分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の変圧倍率を適宜切り換えて所望の出力電圧を供給するチャージポンプ回路を制御する、チャージポンプ回路制御装置、及びチャージポンプ回路制御方法に関する。
近年、携帯電話をはじめとする電池駆動の様々な電子機器は広く普及しつつあり、この種の機器では、電源である電池電圧の制限から、必要とする電圧を得る為に、電池電圧を昇圧する昇圧回路としてチャージポンプ回路を内蔵していることが多い。
従来、携帯電話においては、表示装置のバックライト用や装飾用、及びカメラのフラッシュ用等の目的としてLEDを利用している。最近では、動作時間を延ばす為の低消費電力化に加え、画面の明るさを任意に調整できるような多機能化も進んでおり、それに伴って、チャージポンプ回路も状況に応じて効率良く昇圧電圧を供給する事が要求される。
そこで、こうした携帯電話等に搭載されるチャージポンプ回路には、複数の変圧倍率を備え、状況に応じて自動で倍率を切り換えて必要とされる昇圧電圧を供給するものがある。例えば、入力電圧が低い時に、必要とされる出力電圧が高い場合にはより高い倍率へ切り換え、逆に、入力電圧が高い時に、必要とされる出力電圧が低い場合にはより低い倍率へ切り換えるというように、状況に応じて適切な倍率で変圧する事により、効率良く変圧電圧を供給する。
図14に、複数の変圧倍率を状況に応じて適宜切り換えるチャージポンプ回路制御装置の従来技術例を説明するブロック図を示す。
同図において、当該チャージポンプ回路制御装置1は、チャージポンプ回路1a、倍率上昇判定回路1b、倍率下降判定回路1c、倍率移行判定回路1dとから成る。
前記チャージポンプ回路1aは、例えばA倍、B倍、C倍(A<B<C)という複数の変圧倍率を有しており、入力端子に直流入力電圧Vinと入力側コンデンサCinを接続され、出力端子に出力側コンデンサCoutと、単複数の負荷3が接続されている。
前記負荷3は、定電流回路6bにも接続され、同定電流回路6bに制御されて一定電流が流れるようになっている。電流設定回路6aには、前記定電流回路6bに流れる電流量を設定する為の負荷電流設定抵抗Rctlが接続されており、同電流設定回路6aは、負荷電流設定抵抗Rctlの値に依存した負荷電流設定アナログ信号を、定電流回路6bに出力している。定電流回路6bは、電流設定回路6aからの負荷電流設定アナログ信号によって、それぞれの負荷に流すことが可能な最大電流値が設定される。又、外部入力信号に応じて、例えば5%、10%、20%・・・90%、100%というように最大電流からの割合で段階状に設定可能なように、負荷電流設定デジタル信号も入力されている。
前記倍率上昇判定回路1bには、出力端子に接続された負荷3の、もう片側の電圧であるFB電圧と、基準電圧である倍率上昇判定電圧とが入力されており、予め設定された倍率上昇時の倍率移行判定条件に従って判定し、判定結果である倍率上昇判定信号を、前記倍率移行判定回路1dに出力している。
一方、前記倍率下降判定回路1cには、入力電圧Vin、及び前記チャージポンプ回路1aの出力であるVoutが入力されており、予め設定された倍率下降時の倍率移行判定条件に従って判定し、判定結果である倍率下降判定信号を、前記倍率移行判定回路1dに出力している。
前記倍率移行判定回路1dは、前記倍率上昇判定信号、及び倍率下降判定信号の入力を受け、統合的にチャージポンプ回路1aの倍率を移行させる必要があるか否か判定し、倍率制御信号をチャージポンプ回路1aに出力する。チャージポンプ回路1aは、入力された当該倍率制御信号に基づいて変圧倍率を切り換え出力電圧を供給する。
次に、倍率下降判定の場合における前記倍率移行条件を説明する。
例えば、高い倍率のC倍モードから、より低い倍率のB倍モードへの倍率移行判定の場合、以下の数式により判定する。
C倍モードからB倍モードへの移行が可能である場合、下記(式1)の関係が成立する。
B*Vin−Vdrop>Vout(式1)
上記(式1)において、Vdropはチャージポンプ回路1aの出力抵抗によって生じるドロップ電圧を表す。当該ドロップ電圧Vdropは、下記(式2)で表せる。
Vdrop=Iout*Rout_b(式2)
上記(式2)において、Ioutは負荷電流、Rout_bはB倍モード時の出力抵抗を表す。
即ち、上記(式1)は、切り換えようとする倍率で入力電圧Vinを変圧した電圧から前記ドロップ電圧を引いた電圧が、出力電圧Voutよりも高い場合、倍率を切り換えても所望の出力電圧を満足できることを表している。
ここで、切り換えようとする倍率をNと置くと、(式1)(式2)から下記(式3)が導かれる。
Vin−(1/N)*(Iout*Rout_b)>(1/N)*Vout(式3)
更に(式3)において、左辺の後項である(1/N)*(Iout*Rout_b)をVsetと置くと、(式3)は(式4)となる。
Vin-Vset>(1/N)*Vout(式4)
ここで、上記(式4)において、左辺のVsetは切り換えようとする倍率でのドロップ電圧を考慮して設定する。
即ち、上記(式4)おいて、左辺に相当する入力電圧Vinから設定電圧Vsetを引いた判定電圧であるVin−Vsetと、右辺に相当する出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧である(1/N)*Voutを比較することにより、倍率下降判定の場合における倍率移行判定を行うことが可能である。
従来技術において、前記判定電圧Vin−Vsetを形成する設定電圧Vsetは、負荷電流Ioutの状態に因らず一律の固定値として設定されている事が多い。
しかし、実際のドロップ電圧Vdropは前記(式2)からも明らかなように、負荷電流Ioutに大きく依存する。即ち、負荷電流が重負荷である場合のドロップ電圧Vdropは、軽負荷である場合に比べて大きくなる。
図15に、前記(式4)に基づくC倍モードからB倍モードへの倍率下降の場合におけるモード切り換え状態を、例として簡略化の為、負荷電流の状態を重負荷時と軽負荷時の2状態として説明するグラフを示す。
同図について、設定電圧Vsetを、予め軽負荷を想定して設定した場合において、実際の負荷電流が軽負荷であった場合のモード切り換え状態は(a)、重負荷であった場合のモード切り換え状態は(b)で各々示す。
実際の負荷電流が前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した軽負荷に一致した場合、図15(a)において、C倍モード状態にあるチャージポンプ回路1aは、判定電圧Vin−Vsetが、出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧(1/B)*Voutよりも高くなった場合、前記(式4)に基づく前記倍率下降判定回路1cからのチャージポンプ倍率下降判定信号に拠るチャージポンプ倍率制御信号の入力を受け、B倍モードに移行する。この際、負荷電流は前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した軽負荷に一致しているため、倍率を下降しても所望の出力電圧Voutを得ることができる。
一方、実際の負荷電流が前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した軽負荷ではなく重負荷となった場合、図15(b)において、C倍モード状態にあるチャージポンプ回路1aは、判定電圧Vin−Vsetが、出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧(1/B)*Voutよりも高くなった場合、前記(式4)に基づく前記倍率下降判定回路1cからのチャージポンプ倍率下降判定信号に拠るチャージポンプ倍率制御信号の入力を受け、B倍モードに移行する。この際、負荷電流は前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定したよりも大きい重負荷のため、実際のドロップ電圧は設定電圧Vsetで想定していたよりも大きくなる。従って、倍率を下降してB倍モードに切り換えた場合、所望の出力電圧Voutを得ることができない恐れがあった。
次に、前記設定電圧Vsetを、予め重負荷を想定して設定した場合において、実際の負荷電流が軽負荷であった場合のモード切り換え状態は図15(c)、重負荷であった場合のモード切り換え状態は図15(d)で各々示す。
実際の負荷電流が前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した重負荷に一致した場合、図15(d)において、C倍モード状態にあるチャージポンプ回路1aは、判定電圧Vin−Vsetが、出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧(1/B)*Voutよりも高くなった場合、前記(式4)に基づく前記倍率上昇判定回路1bからのチャージポンプ倍率上昇判定信号に拠るチャージポンプ倍率制御信号の入力を受け、B倍モードに移行する。この際、負荷電流は前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した重負荷に一致しているので適正なタイミングでの移行が行われ、本来、低いB倍モードに移行できるにもかかわらず高いC倍モードのまま移行しない非効率な期間が生じることはない。
一方、実際の負荷電流が前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した重負荷ではなく軽負荷となった場合、図15(c)において、C倍モード状態にあるチャージポンプ回路1aは、判定電圧Vin−Vsetが、出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧(1/B)*Voutよりも高くなった場合、前記(式4)に基づく前記倍率上昇判定回路1bからのチャージポンプ倍率上昇判定信号に拠るチャージポンプ倍率制御信号の入力を受け、B倍モードに移行する。この際、負荷電流は前記設定電圧Vsetの設定の際に予め想定した重負荷よりも軽い軽負荷のため、実際のドロップ電圧は設定電圧Vsetで想定していたよりも小さくなる。従って、本来低い倍率のB倍モードに移行できるにもかかわらず、高い倍率のC倍モードのまま移行しない非効率な期間が生じる恐れがあった。
以上に説明したように、切り換えようとする倍率でのドロップ電圧を考慮して設定する設定電圧Vsetを固定値としている為、倍率下降判定における判定電圧Vin−Vsetは負荷電流の変化に対応していない。つまり、倍率下降判定は入出力電圧の状態だけで行われている。しかし、実際は負荷電流は変動し、倍率下降切り換えの適切なタイミングに影響する為、所望の出力電圧が得られなくなる恐れがある一方、より低い倍率へ移行可能にも関わらず移行しない非効率な期間が生じる恐れがあるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決する為に、入出力電圧の状態だけでなく、負荷電流が変動した場合であっても、それに応じた適切なタイミングでの倍率移行を行い得る、高効率に所望の出力電圧が得られる、チャージポンプ回路制御装置、及びチャージポンプ回路制御方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決する為に請求項1に記載の発明は、並列に接続される単複数の負荷に対して、それぞれの負荷を定電流駆動する為に必要な電圧を、複数の変圧倍率を適宜切り換えて供給するチャージポンプ回路制御装置であって、上記負荷を電流制御で駆動する為に必要な電圧を供給する、複数の変圧倍率を有したチャージポンプ回路と、
同チャージポンプ回路の出力端子に対し並列に接続される単複数の負荷と、上記単複数の負荷を定電流駆動する定電流回路を備える構成において、当該チャージポンプ回路制御装置は、倍率降下させるための倍率切り替え判定手段を有し、前記倍率切り替え判定手段が、入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧と、Nを切り替えようとする倍率であるとしたときに出力電圧を1/Nに分圧した電圧とを比較して、1/Nに分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させる構成としている。
上記のように構成した請求項1に記載の発明によれば、チャージポンプ回路の複数の変圧倍率を入出力電圧と負荷電流に応じて適宜切り換えて、所望の出力電圧を効率良く供給できるように制御する。その為に、倍率降下させるための倍率切り換え判定手段として、入力電圧端子に接続された判定電圧と、Nを切り換えようとする倍率である時に出力電圧を1/Nに分圧した電圧とを比較して、1/Nに分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させる際に、入力電圧端子に接続された判定電圧を負荷電流の変動に対応する為に、負荷電流に依存して発生させる。
請求項2に記載の発明は、前記定電流回路の電流値が、外部入力信号により設定可能であり、同電流値が、前記外部入力信号に依存した負荷電流設定デジタル信号によって制御される構成において、前記デジタル入力信号を用いて、前記定電流回路の電流値の設定段階数と同じ、若しくは少ない段階数で、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させる構成としている。
上記のように構成した請求項2に記載の発明によれば、前記負荷電流に依存した判定電圧を発生させる為に、外部入力信号に基づいて、負荷駆動用の定電流回路の電流値を設定しているデジタル入力信号を用いている。前記定電流回路の電流値は、デジタル入力信号に応じて、例えば5%、10%、20%・・・90%、100%というように最大電流からの割合で段階状に設定される為、実際の負荷電流値を検出せずに、負荷電流値の制御信号を用いることにより、電流値の設定段階数と同じ、若しくは少ない段階数で、前記負荷電流に依存した判定電圧を、負荷電流が多い場合には低く、少ない場合には高くなるように発生させる。
請求項3に記載の発明は、前記定電流回路の電流値を、負荷電流設定抵抗値によって設定可能であり、前記負荷電流設定抵抗値に依存したアナログ信号を出力して、電流値を設定する電流設定回路を備える構成において、前記負荷電流設定抵抗値に依存したアナログ信号を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させる構成としている。
上記のように構成した請求項3に記載の発明によれば、前記負荷電流に依存した判定電圧を発生させる為に、負荷駆動用の定電流回路の電流値を設定している負荷電流設定抵抗の、抵抗値に依存したアナログ信号を用いている。前記定電流回路の電流値は、負荷電流設定抵抗値に応じて最大電流を設定される為、実際の負荷電流値を検出せずに、負荷電流値の制御信号を用いることにより、前記負荷電流に依存した判定電圧を、負荷電流が多い場合には低く、少ない場合には高くなるように発生させる。
請求項4に記載の発明は、前記定電流回路の電流値を制御する、前記デジタル入力信号、及び前記アナログ信号を適宜組み合わせて用い、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させる構成としている。
上記のように構成した請求項4に記載の発明によれば、前記負荷電流に依存した判定電圧を発生させる為に、負荷駆動用の定電流回路の電流値を設定しているデジタル入力信号、及びアナログ信号を適宜組み合わせて用いている。前記定電流回路の電流値は、アナログ信号に応じて最大電流が設定され、デジタル入力信号に応じて、例えば5%、10%、20%・・・90%、100%というように最大電流からの割合で段階状に設定される為、実際の負荷電流値を検出せずに、負荷電流値の制御信号を用いることにより、前記負荷電流に依存した判定電圧を、負荷電流が多い場合には低く、少ない場合には高くなるように発生させる。
請求項5に記載の発明は、前記並列に接続される単複数の負荷の数を検出する負荷数検出回路を備える構成において、前記負荷数検出回路における負荷数検出信号を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させる構成としている。
上記のように構成した請求項5に記載の発明によれば、前記負荷電流に依存した判定電圧を発生させる為に、負荷駆動用の定電流回路の電流値を設定しているデジタル入力信号、及びアナログ信号に加えて、実際に並列接続された負荷数を検出した負荷数検出信号を用いている。前記定電流回路は、前記デジタル入力信号、及びアナログ信号によって電流値が設定されているが、実際に負荷が接続されていなければ当然負荷電流は流れない。つまり、接続されている負荷の数によって全体の負荷電流値は大きく変動する。そこで、負荷数検出信号も負荷情報として利用することにより、実際の負荷電流値を検出せずに、前記負荷電流に依存した判定電圧を、負荷電流が多い場合には低く、少ない場合には高くなるように発生させる。
請求項6に記載の発明は、出力電圧端子と負荷の間に直列に接続された負荷電流センス用抵抗を備える構成において、負荷電流が前記負荷電流センス用抵抗に流れる事によって発生する、抵抗両端の電圧差を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させる構成としている。
上記のように構成した請求項6に記載の発明によれば、前記負荷電流に依存した判定電圧を発生させる為に、チャージポンプ回路の出力電圧端子と負荷の間に直列に、負荷電流センス用抵抗を接続し、負荷電流が前記負荷電流センス用抵抗に流れる事によって発生する抵抗両端の電圧差を用いている。つまり、実際の負荷電流値を前記負荷電流センス用抵抗によって電圧に変換して検出している為、負荷電流値の制御信号を用いる場合に比べ、より高精度に負荷電流の状態を認識する事が可能である。よって、前記負荷電流に依存した判定電圧を、負荷電流が多い場合には低く、少ない場合には高くなるように、リニアに発生させる事ができる。
請求項7に記載の発明は、倍率降下させるための前記倍率切り替え判定手段を、倍率上昇させる場合の倍率切り換え判定手段として用いて、負荷電流に依存した電圧と、Mを現在の倍率としたときに出力電圧を1/Mに分圧した電圧とを比較して、1/Mに分圧した電圧の方が高い場合に倍率を上昇させる構成としている。
上記のように構成した請求項7に記載の発明によれば、前記請求項1〜6に記載された倍率降下させるための倍率切り換え判定手段としての構成を、倍率上昇させるための倍率切り換え判定手段としても用いる事ができる。倍率上昇させる場合においては、前記入力電圧に接続された負荷電流に依存した判定電圧と、Mを現在の倍率としたときに、出力電圧を1/Mに分圧した電圧とを比較して、1/Mに分圧した電圧の方が高い場合に倍率を上昇させる。つまり、現在の倍率で入力電圧Vinを昇圧してドロップ電圧を考慮すると、所望の出力電圧を得られなくなる恐れがある場合、倍率を上昇させる判断とすることができる。
このように、チャージポンプ回路の複数の変圧倍率を入出力電圧と負荷電流に応じて適宜切り換えて、所望の出力電圧を効率良く供給できるように制御する手法は、実体のある装置としてのみならず、方法として提供することも可能であり、そのために請求項8に記載の発明は、複数の変圧倍率を適宜切り換えて所望の出力電圧を供給するチャージポンプ回路制御方法であって、当該チャージポンプ回路制御方法は、倍率降下させるための倍率切り替え判定手段が、入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧と、Nを切り替えようとする倍率としたときに出力電圧を1/Nに分圧した電圧とを比較して、1/Nに分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させる構成としている。
請求項1〜8に記載の発明によれば、チャージポンプ回路の複数の変圧倍率を入出力電圧と負荷電流に応じて適宜切り換えることにより、非効率な倍率での動作期間を短縮し、常に所望の出力電圧を供給する事が可能なチャージポンプ回路制御装置、及びチャージポンプ回路制御方法を提供できる。
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。
図1に、本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置を説明するブロック図を示す。尚、従来技術で説明した構成と共通の構成については、詳細な説明を省略する。
同図において、当該チャージポンプ回路制御装置11は、チャージポンプ回路11a、倍率上昇判定回路11b、倍率下降判定回路11c、倍率移行判定回路11dとから成る。
前記チャージポンプ回路11aは、例えばA倍、B倍、C倍(A<B<C)という複数の変圧倍率を有しており、入力端子に直流入力電圧Vinと入力側コンデンサCinを接続され、出力端子に出力側コンデンサCoutと、単複数の負荷13が接続されている。
前記負荷13は、定電流回路16bにも接続され、同定電流回路16bに制御されて一定電流が流れるようになっている。電流設定回路16aには、前記定電流回路16bに流れる電流量を設定する為の負荷電流設定抵抗Rctlが接続されており、同電流設定回路16aは、負荷電流設定抵抗Rctlの値に依存した負荷電流設定アナログ信号を、定電流回路16b、及び倍率下降判定回路11cに出力している。定電流回路16bは、電流設定回路16aからの負荷電流設定アナログ信号によって、それぞれの負荷に流すことが可能な最大電流値が設定される。又、外部入力信号に応じて、例えば5%、10%、20%・・・90%、100%というように最大電流からの割合で段階状に設定可能なように、負荷電流設定デジタル信号も入力されている。又、当該負荷電流設定デジタル信号は、前記倍率下降判定回路11cにも併せて入力される。
前記倍率上昇判定回路11bには、出力端子に接続された負荷13の、もう片側の電圧であるFB電圧と、基準電圧である倍率上昇判定電圧とが入力されており、予め設定された倍率上昇時の倍率移行判定条件に従って判定し、判定結果である倍率上昇判定信号を、前記倍率移行判定回路11dに出力している。
一方、前記倍率下降判定回路11cには、入力電圧Vin、及び前記チャージポンプ回路11aの出力であるVoutが入力されており、予め設定された倍率下降時の倍率移行判定条件に従って判定し、判定結果である倍率下降判定信号を、前記倍率移行判定回路11dに出力している。更に、前記倍率下降判定回路11cには、前記負荷電流設定アナログ信号、及び前記負荷電流設定デジタル信号が併せて入力されている。
前記倍率移行判定回路11dは、前記倍率上昇判定信号、及び倍率下降判定信号の入力を受け、統合的にチャージポンプ回路11aの倍率を移行させる必要があるか否か判定し、倍率制御信号をチャージポンプ回路11aに出力する。チャージポンプ回路11aは、入力された当該倍率制御信号に基づいて変圧倍率を切り換え出力電圧を供給する。
次に、倍率下降判定の場合における前記倍率移行条件を説明する。
例えば、高い倍率のC倍モードから、より低い倍率のB倍モードへの倍率移行判定の場合、以下の数式により判定する。
C倍モードからB倍モードへの移行が可能である場合、下記(式1)の関係が成立する。
B*Vin−Vdrop>Vout(式1)
上記(式1)において、Vdropはチャージポンプ回路1aの出力抵抗によって生じるドロップ電圧を表す。当該ドロップ電圧Vdropは、下記(式2)で表せる。
Vdrop=Iout*Rout_b(式2)
上記(式2)において、Ioutは負荷電流、Rout_bはB倍モード時の出力抵抗を表す。
即ち、上記(式1)は、切り換えようとする倍率で入力電圧Vinを変圧した電圧から前記ドロップ電圧を引いた電圧が、出力電圧Voutよりも高い場合、倍率を切り換えても所望の出力電圧を満足できることを表している。
ここで、切り換えようとする倍率をNと置くと、(式1)(式2)から下記(式3)が導かれる。
Vin−(1/N)*(Iout*Rout_b)>(1/N)*Vout(式3)
更に(式3)において、左辺の後項である(1/N)*(Iout*Rout_b)をVsetと置くと、(式3)は(式4)となる。
Vin-Vset>(1/N)*Vout(式4)
ここで、上記(式4)において、左辺のVsetは切り換えようとする倍率でのドロップ電圧を考慮して設定する。
即ち、上記(式4)おいて、左辺に相当する入力電圧Vinから設定電圧Vsetを引いた判定電圧であるVin−Vsetと、右辺に相当する出力電圧を1/(切り換えようとする倍率)に分圧した電圧である(1/N)*Voutを比較することにより、倍率下降判定の場合における倍率移行判定を行うことが可能である。
ところで、実際のドロップ電圧Vdropは負荷13に流れる負荷電流に大きく依存する。即ち、前述した通り、ドロップ電圧Vdropは、負荷電流が重負荷になるにつれて増加する一方、軽負荷になるにつれて減少する。
そこで、本実施例では、前記(式4)において比較する判定電圧Vin−Vsetの値において、設定電圧Vsetを従来のように固定値として設定するのではなく、変化する実際のドロップ電圧Vdropに即するように、負荷電流に応じて変化させることにより、負荷電流に依存した判定電圧Vin−Vsetを生成している。
図2に例として、本実施形態での前記(式4)に基づく、C倍モードからB倍モードへの倍率下降の場合におけるモード切り換え状態を、簡略化の為、負荷電流の状態を重負荷時と軽負荷時の2状態として説明するグラフを示す。
同図において、負荷13の負荷電流が軽負荷であった場合のモード切り換え状態を(a)、重負荷であった場合のモード切り換え状態を(b)で各々示す。
(a),(b)どちらの図についても、判定電圧Vin−Vsetが、出力電圧を1/切り換えようとする倍率に分圧した電圧である(1/B)*Voutよりも高くなった場合に、C倍モードからB倍モードに移行している。ただし、同図から、軽負荷時の設定電圧Vsetに比べて、重負荷時の設定電圧Vsetの方が大きいことがわかる。つまり、設定電圧Vsetを負荷電流に応じて変化させることにより、負荷電流に依存した判定電圧Vin−Vsetを生成して比較している為、適切な倍率下降切り換えタイミングでの、倍率移行が可能となっている。
次に、図3に前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに接続される抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c5と、電流Ibを可変する複数(図では例えば3つ)のアナログスイッチ11c2を備え、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧Vin−Vsetは、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
同図において、前記負荷電流設定デジタル信号に応じて前記アナログスイッチ11c2を適宜制御する事により、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするように段階的に可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成され入力される。
次に、図4に、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の別の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに直列に接続される複数(図では例えば4つ)の抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c6と、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧Vset1,Vset2,Vset3,Vset4を選択するセレクタ回路11c3を備え、前記セレクタ回路11c3により選択された電圧Vin−Vsetは、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
同図において、前記負荷電流設定デジタル信号に応じて前記セレクタ回路11c3の選択箇所を、負荷電流が多くなるにつれて総抵抗値の大きい接続点へ(Vset1→Vset2→Vset3→Vset4)、負荷電流が少なくなるにつれて総抵抗値の小さい接続点へ(Vset4→Vset3→Vset2→Vset1)とするように段階的に可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成され入力される。
以上に説明した通り、本実施例の発明に拠れば、前記負荷電流設定デジタル信号を用いて、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧を段階的に生成し、倍率降下させるための倍率切り換え判定に用いるようにした。
従って、実際の負荷電流が変動した場合であっても、それに応じた適正なタイミングでの倍率移行を行い得る、高効率で常に所望の出力電圧が得られる、チャージポンプ回路制御装置を提供し得る。
前記した実施例1では、判定電圧を、負荷電流設定デジタル信号を用いて階段状に可変することで負荷状態に応じた倍率降下させるための倍率切り替え判定を行うようにしているが、本実施例では、当該判定電圧を、前記負荷電流設定デジタル信号の代わりに、前記負荷電流設定アナログ信号を用いて可変させる構成を説明する。
尚、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
図5に前記負荷電流設定アナログ信号を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに接続される抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c7を備え、前記定電流回路11c7の定電流値は可変可能であり、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧Vin−Vsetは、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
同図において、前記負荷電流設定アナログ信号に応じて、前記定電流回路11c7の定電流値を適宜可変することにより、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするように可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成され入力される。
次に、図6に前記負荷電流設定アナログ信号を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の別の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに接続される抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の、定電流回路11c8と定電流回路11c9を備え、前記定電流回路11c9の定電流値は可変可能であり、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧は、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
同図において、前記電流Ibは定電流回路11c8による電流Icと、定電流回路11c9による電流Iaにより、Ib=Ia+Icで表される為、前記負荷電流設定アナログ信号に応じて、前記定電流回路16bの定電流値を適宜可変することにより、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするように可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成され入力される。
以上に説明した通り、本実施例の発明に拠れば、前記負荷電流設定アナログ信号を用いて、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成している。従って、実際の負荷電流に応じた適正なタイミングでの倍率の移行を行い得る、高効率で常に所望の出力電圧が得られる、チャージポンプ回路制御装置を提供し得る。
前記した実施例1では前記負荷電流設定デジタル信号を、実施例2では前記負荷電流設定アナログ信号を各々用いて、負荷電流に依存した判定電圧を生成しているが、本実施例では、前記負荷電流設定デジタル信号と前記負荷電流設定アナログ信号の両方を組み合わせて、負荷電流に依存した判定電圧を生成する構成としている。
尚、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
図7に前記負荷電流設定デジタル信号と前記負荷電流設定アナログ信号の両方を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに接続される抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c5と、電流Ibを可変する複数(図では例えば3つ)のアナログスイッチ11c2を備え、前記定電流回路11c5の定電流値は可変可能であり、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧は、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
同図において、前記負荷電流設定アナログ信号に応じて前記定電流回路11c5の定電流値を適宜可変し、前記負荷電流設定デジタル信号に応じて前記アナログスイッチ11c2を適宜制御する事により、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするように可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧がより高精度に生成され入力される。
次に、図8に前記負荷電流設定デジタル信号と前記負荷電流設定アナログ信号の両方を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の別の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに直列に接続される複数(図では例えば4つ)の抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c6と、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧を選択するセレクタ回路11c3を備え、前記定電流回路11c6の定電流値は可変可能であり、前記セレクタ回路11c3により選択された電圧は、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
前記負荷電流設定アナログ信号に応じて、前記定電流回路11c6の定電流値を適宜可変することにより、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするように可変し、前記負荷電流設定デジタル信号に応じて前記セレクタ回路11c3の選択箇所を、負荷電流が多くなるにつれて総抵抗値の大きい接続点へ(Vset1→Vset2→Vset3→Vset4)、負荷電流が少なくなるにつれて総抵抗値の小さい接続点へ(Vset4→Vset3→Vset2→Vset1)とするように段階的に可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧がより高精度に生成され入力される。
以上に説明したように、本実施例では、判定電圧を前記負荷電流設定デジタル信号と前記負荷電流アナログ信号の両方を組み合わせて可変させるようにしている。その結果、実際の負荷電流が変動した場合であっても、より正確に、それに応じた適正なタイミングでの倍率移行を行い得る、高効率で常に所望の出力電圧が得られる、チャージポンプ回路制御装置を提供し得る。
以上に述べた各実施例においては、前記負荷電流設定デジタル信号、或いは前記負荷電流設定アナログ信号を単独、或いは組み合わせて、判定電圧を負荷電流に依存するように可変させているが、本実施例においては、こうした前記負荷電流設定デジタル信号、或いは前記負荷電流設定アナログ信号に加え、実際に並列接続された負荷数を検出した負荷数検出信号を用いて、判定電圧の調整に利用するようにしている。
図9に、本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11を説明するブロック図を示す。
尚、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11では、前述した図1に示す実施例1のチャージポンプ回路制御装置11に対し、並列に接続される単複数の負荷13の数を検出する負荷数検出回路11eを備え、当該負荷数検出回路11eは、それぞれの負荷端子電圧を入力し、並列接続されている負荷の数を検出して、負荷数検出信号を倍率移行判定回路11dに出力する。
次に図10に、前記負荷数検出信号を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される、負荷電流に依存した判定電圧Vin−Vsetを生成する回路構成の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに接続される複数(図では例えば4つ)の抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c5と、電流Ibを可変する複数(図では例えば3つ)のアナログスイッチ11c2と、抵抗Rbに電流Ibを流すことに発生された電圧(Vset1,Vset2,Vset3,Vset4)を選択するセレクタ回路11c3を備え、前記定電流回路11c5の定電流値は可変可能であり、前記セレクタ回路11c3により選択された電圧Vin−Vsetは、コンパレータの入力ポートに入力されている。
前記負荷電流設定アナログ信号に応じて、定電流回路11c5の定電流値を適宜可変し、前記負荷数検出信号に応じて、アナログスイッチ11c2を適宜制御する事により、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、少ない場合には少なくなるように可変する。更に、前記負荷電流設定デジタル信号に応じて、セレクタ回路11c3の選択箇所を、荷電流が多くなるにつれて総抵抗値の大きい接続点へ(Vset1→Vset2→Vset3→Vset4)、負荷電流が少なくなるにつれて総抵抗値の小さい接続点へ(Vset4→Vset3→Vset2→Vset1)となるように可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧が生成され入力される。
尚、負荷電流に依存した判定電圧を生成する際には、前記負荷数検出信号単独であっても良いし、或いは前記負荷電流設定デジタル信号、或いは前記負荷電流設定アナログ信号と組み合わせることにより、より高精度に負荷電流に依存した判定電圧を生成する事が可能である。
以上に述べた各実施例においては、前記負荷電流設定デジタル信号、前記負荷電流設定アナログ信号、或いは前記負荷数検出信号という負荷電流を設定する信号を単独、或いは複数組み合わせて、負荷電流に依存した判定電圧を段階的に生成する事を特徴としていたが、本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11では、前述した図1に示す実施例1のチャージポンプ回路制御装置11に対し、出力電圧端子と負荷の間に直列に接続された抵抗11c4を備え、負荷電流が前記抵抗11c4に流れることによって発生する抵抗両端の電圧差を用いることにより、負荷電流に依存した判定電圧を生成する。
図11に、本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11を説明するブロック図を示す。
尚、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11では、前述した図1に示す実施例1のチャージポンプ回路制御装置11に対し、出力電圧端子11a1と負荷13の間に直列に接続された抵抗11c4を備え、負荷電流が前記抵抗11c4に流れることによって負荷電流センス電圧を発生させ、負荷電流センス電圧を前記倍率下降判定回路11cへ入力する。
図12に、前記負荷電流センス電圧を用いて、コンパレータ11c1の入力ポートに入力される負荷電流に依存した判定電圧を生成する回路構成の一例を示す。
同図において、入力電圧Vinに直列に接続される抵抗Rbと、抵抗Rbに電流Ibを供給する為の定電流回路11c10と、前記定電流回路11c10の定電流値を制御するGmAMP11c4を備え、前記定電流回路11c10の定電流値は可変可能であり、抵抗Rbに電流Ibを流すことにより発生された電圧は、前記コンパレータ11c1の入力ポートに入力されている。
前記負荷電流センス電圧と、出力電圧を前記GmAMP11c4の入力ポートに入力し、両電圧の差に応じて、つまり、図11における前記抵抗11c4の両端の電圧差に応じて電流Iaを、電圧差が大きければ多く、電圧差が小さければ少なくなるように制御することにより、前記電流Ibを負荷電流が多い場合には多く、負荷電流が少ない場合には少なくするようにリニアに可変する。
従って、前記コンパレータ11c1の入力ポートには、負荷電流が多い場合には低く、負荷電流が少ない場合には高くなるように、負荷電流に依存した判定電圧がより高精度に生成され入力される。
以上に述べた各実施例においては、前記チャージポンプ回路制御装置11の倍率降下させるための切り替え判定手段として説明していたが、本実施例においては、前記倍率降下させるための切り替え判定手段を、倍率上昇させるための切り替え判定手段としても用いる事が可能であることを説明する。
図13に、本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11を説明するブロック図を示す。
尚、実施例1と同様の構成については説明を省略する。
本実施例におけるチャージポンプ回路制御装置11では、前途した図1に示す実施例1のチャージポンプ回路制御装置11に対し、独立に備えられていた倍率上昇判定回路11b、及び倍率下降判定回路11cを、倍率上昇下降判定回路11fとして兼用して備える。
即ち、前途した各実施例において、倍率上昇判定回路11bで行っていた倍率上昇させるための切り替え判定を、前記倍率上昇下降判定回路11fにおいて、入力される前記負荷電流設定デジタル信号、前記負荷電流設定アナログ信号という負荷電流を設定する信号を単独、或いは複数組み合わせて生成した負荷電流に依存した判定電圧と、Mを現在の倍率とした時に出力電圧を1/Mに分圧した電圧とを比較して、1/Mに分圧した電圧のほうが高い場合には倍率を上昇させるように、チャージポンプ倍率上昇信号を前記倍率移行判定回路11dに出力する。
尚、倍率上昇させるための切り替え判定の構成については、前途した各実施例と同様であり、図13に不図示ではあるが、実施例4における並列に接続される単複数の負荷13の数を検出した負荷数検出信号、或いは実施例5における出力電圧端子と負荷の間に直列に接続された抵抗両端の電圧差を用いることにより、負荷電流に依存した判定電圧の生成に用いる事は無論可能である。
尚、本願発明は上記各実施例の構成に限定されるものではなく、以下に列記する構成について、適宜変更可能である。
1.各実施例で説明したチャージポンプ回路制御装置の具体的な回路構成はあくまで一例に過ぎず、チャージポンプ回路については、電気電子機器の負荷状態に応じて倍率が切り換えられる各種チャージポンプ回路が対象となり得るし、倍率下降判定回路については、電気電子機器の実際の負荷状態が変動した場合であっても、それに応じた適正なタイミングでの倍率移行を行うべく、入力される負荷状態信号に応じて、(式4)に基づきモード移行の可否を比較、判定可能であれば、他の回路構成を適宜採用可能である。
2.チャージポンプ回路制御装置を搭載する電気電子機器としては、例えば携帯電話機を初めとする、チャージポンプ回路を搭載する各種電気電子機器に適用できる。又、その負荷としては、例えばLEDバックライト等、負荷状態が変動し得る各種負荷に適用できる。
3.倍率下降判定回路に入力される負荷電流設定デジタル信号に基づき、階段状に切り換える判定電圧の階段数nは、前記定電流回路の設定段階数と同じ、若しくは前記負荷駆動電流源の設定段階数よりも小さい段階数であれば、特に限定されることはなく、適用する負荷や、作動状態等の状況に応じて適宜、設定可能である。
4.各実施例で説明したチャージポンプ回路制御装置の構成は、装置としてのみならず、方法としても提供し得るのは言うまでも無い。
本発明の実施例1を説明するブロック図である。 本発明の実施例1を説明するグラフである。 本発明の実施例1を説明する概略回路図である。 本発明の実施例1を説明する概略回路図である。 本発明の実施例2を説明する概略回路図である。 本発明の実施例2を説明する概略回路図である。 本発明の実施例3を説明する概略回路図である。 本発明の実施例3を説明する概略回路図である。 本発明の実施例4を説明するブロック図である。 本発明の実施例4を説明する概略回路図である。 本発明の実施例5を説明するブロック図である。 本発明の実施例5を説明する概略回路図である。 本発明の実施例6を説明するブロック図である。 従来技術を説明するブロック図である。 従来技術を説明するグラフである。
符号の説明
11…チャージポンプ回路制御装置
11a…チャージポンプ回路
11b…倍率上昇させるための倍率切り替え判定手段としての倍率上昇判定回路
11c…倍率降下させるための倍率切り替え判定手段としての倍率下降判定回路
11c4…負荷電流センス抵抗
13…負荷
16a…電流設定回路
16b…定電流回路
Rctl…負荷電流設定抵抗
11c1…コンパレータ
Iout…負荷電流
M…現在の倍率
N…切り替えようとする倍率
Vin−Vset…判定電圧
Vin…入力電圧
Vout…出力電圧

Claims (8)

  1. 並列に接続される単複数の負荷に対して、それぞれの負荷を定電流駆動する為に必要な電圧を、複数の変圧倍率を適宜切り換えて供給するチャージポンプ回路制御装置であって、
    上記負荷を電流制御で駆動する為に必要な電圧を供給する、複数の変圧倍率を有したチャージポンプ回路と、
    同チャージポンプ回路の出力端子に対し並列に接続される単複数の負荷と、
    上記単複数の負荷を定電流駆動する定電流回路を備える構成において、
    当該チャージポンプ回路制御装置は、倍率降下させるための倍率切り替え判定手段を有し、
    前記倍率切り替え判定手段が、入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧と、Nを切り替えようとする倍率であるとしたときに出力電圧を1/Nに分圧した電圧とを比較して、1/Nに分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させることを特徴とする、チャージポンプ回路制御装置。
  2. 前記定電流回路の電流値が、外部入力信号により設定可能であり、同電流値が、前記外部入力信号に依存した負荷電流設定デジタル信号によって制御される構成において、
    前記デジタル入力信号を用いて、前記定電流回路の電流値の設定段階数と同じ、若しくは少ない段階数で、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させることを特徴とする、請求項1に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  3. 前記定電流回路の電流値を、負荷電流設定抵抗値によって設定可能であり、前記負荷電流設定抵抗値に依存したアナログ信号を出力して、電流値を設定する電流設定回路を備える構成において、
    前記負荷電流設定抵抗値に依存したアナログ信号を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させることを特徴とする、請求項1に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  4. 前記定電流回路の電流値を制御する、前記デジタル入力信号、及び前記アナログ信号を適宜組み合わせて用い、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させることを特徴とする、請求項2、或いは請求項3に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  5. 前記並列に接続される単複数の負荷の数を検出する負荷数検出回路を備える構成において、
    前記負荷数検出回路における負荷数検出信号を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させることを特徴とする、請求項2〜4に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  6. 出力電圧端子と負荷の間に直列に接続された負荷電流センス用抵抗を備える構成において、
    負荷電流が前記負荷電流センス用抵抗に流れる事によって発生する、抵抗両端の電圧差を用いて、前記入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧を発生させることを特徴とする、請求項1に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  7. 倍率降下させるための前記倍率切り替え判定手段を、倍率上昇させる場合の倍率切り換え判定手段として用いて、負荷電流に依存した電圧と、Mを現在の倍率としたときに出力電圧を1/Mに分圧した電圧とを比較して、1/Mに分圧した電圧の方が高い場合に倍率を上昇させることを特徴とする、請求項1〜6に記載のチャージポンプ回路制御装置。
  8. 複数の変圧倍率を適宜切り換えて所望の出力電圧を供給するチャージポンプ回路制御方法であって、
    当該チャージポンプ回路制御方法は、倍率降下させるための倍率切り替え判定手段が、入力電圧端子に接続された負荷電流に依存した判定電圧と、Nを切り替えようとする倍率としたときに出力電圧を1/Nに分圧した電圧とを比較して、1/Nに分圧した電圧の方が低い場合に倍率を降下させることを特徴とする、チャージポンプ回路制御方法。
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