JP2007166449A - 固体撮像素子のcds回路 - Google Patents

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健 清水
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Abstract

【課題】従来のCDS回路は、画素数を増加した時に、高速動作させる事が難しく、また、水平ブランキング期間では水平信号線のDC値がほぼ電源電圧まで上昇してしまい、1H期間の読み出しの最初の画素読み出し時に正しい信号が出力できない。
【解決手段】ブランキング時CDS回路40は、ブランキング期間内の最初の水平駆動信号1周期分にて、トランジスタ43、44をオンとし、コンデンサC17とC18の電位が同電位とし、クランプ動作により、水平信号線3、4はC17とC18の各電位に応じた電位に固定される。C17とC18の電位は、遮光されている画素25からの電位であるから、水平信号線3の信号レベルは画素出力信号に近いDC電圧に保持される。カラム毎CDS回路部30、ブランキング時CDS回路部40及び水平読み出し部50は、画素部の上下に各1系統ずつ、計2系統設けられ、列方向の画素から信号を交互に読み出す。
【選択図】図1

Description

本発明は固体撮像素子のCDS回路に係り、特にCMOSセンサ等の固体撮像素子で発生する固定パターンノイズを抑圧するCDS回路に関する。
固体撮像素子は、大別するとCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)とCMOSセンサ(CMOSイメージセンサ)の2種類に分けられる。このうち、CCDはフォトダイオードで光電変換して得られた電荷をCCDにより画素外に転送し、その後電圧信号に変換、増幅し、チップ外へ出力する。
一方、CMOSセンサは、フォトダイオードで光電変換して得られた電荷を画素内で電圧信号、あるいは電流信号などの電気信号に変換し、その電気信号を画素内に備えた増幅用トランジスタで増幅してから画素外へ出力する。このCMOSセンサは、CCDに比べて消費電力が小さく、かつ、センサ素子と周辺回路素子とを同じCMOS技術を適用して作成できるという利点がある。
このような固体撮像素子を用いた撮像装置では、固体撮像素子で発生する固定パターンノイズを抑圧するために、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling:CDS)回路を通常備えている。特に、従来のCMOSセンサのCDS回路としては、CMOSセンサを構成する2次元配列された複数の単位画素のうち、カラム毎(列毎)に配置された単位画素に接続された列信号線からの画素信号を保持し、同様に保持したリセット信号との差分を最終出力にて差動アンプを用いて引算で求めることで、固定パターンノイズを低減するCDS回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記の差動アンプを通常のアンプ形式ではなく、スイッチトキャパシタアンプで構成したCDS回路も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、差分によるCDS動作を差動アンプを用いずに、クランプ回路を用いて構成する場合もあるが、カラム毎にCDS回路を設けるため、CDS回路を構成するMOSスイッチ回路、MOS容量等の不均一性により、カラム毎の固定パターンノイズを発生するという問題がある。
そこで、この固定パターンノイズ発生を抑える対策、つまりMOSスイッチにまつわる、フィードスルーやチャージインジェクションの問題を回避する方法として、スイッチトキャパシタアンプを用いる方法が従来知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、これらのCDS回路で発生するバラツキを抑えるために、水平信号線の読み出し部にクランプ回路を設け、DC的なバラツキを抑えるというDDS(Double Data Sampling)方式のCDS回路(以下、これをDDS回路ともいう)も従来開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
図9は上記の従来のDDS方式のCDS回路の一例の回路図を示す。同図において、CMOSセンサの2次元マトリクス状に配置された多数の画素のうちの任意の一の画素1は、同一カラムにある他の画素と垂直信号線(列信号線)2を介して接続される一方、カラム毎に設けられているカラム毎CDS回路部5に接続されている。また、カラム毎CDS回路部5は水平信号線3、4を介して水平読み出し部15に接続されている。
垂直信号線2はカラム毎CDS回路部5内のNチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)6及び7の各ドレインに接続されている。NMOSトランジスタ6及び7の各ソースは、負荷容量(コンデンサ)C1、C2を介して接地される一方、NMOSトランジスタ6のソースはNMOSトランジスタ8のドレインとPチャンネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)11のゲートに接続され、NMOSトランジスタ7のソースはNMOSトランジスタ10のドレインとPMOSトランジスタ12のゲートに接続されている。
上記のNMOSトランジスタ6及び7は、スイッチング用トランジスタであり、他のロジック用MOSトランジスタより高耐圧である。なぜなら、NMOSトランジスタ6及び7のソースに印加される電圧は、画素1のVdd以上になる場合があり、このときロジック用MOSトランジスタを用いたスイッチであると、耐圧を超える電圧が印加されることとなる。よって、NMOSトランジスタ6及び7には、高耐圧トランジスタが用いられる。
次に、この従来のCDS回路の動作について、図10のタイミングチャートを併せ参照して説明する。図10(A)に示す信号が画素1から垂直信号線2へ出力され、画素1の信号を保持するために、図10(B)に示すスイッチング信号CDS_SがNMOSトランジスタ6のゲートに適当なタイミングで印加され、そのハイレベル期間、NMOSトランジスタ6はオン状態となる。その時、コンデンサC1は、画素1の出力電位と同電位で充電され、次式が成立する。
Vc1=Von6+Q1/C1 (1)
VC1:垂直信号線2の電位(画素1読み出し時)
Von6:NMOSトランジスタ6のオン電圧
Q1:コンデンサC1に充電された電荷(信号読み出し時)
C1:コンデンサC1の容量値
次に、画素1のリセットが行われ、そのリセット電圧を保持するために、図10(C)に示すスイッチング信号CDS_RがNMOSトランジスタ7のゲートに適当なタイミングで印加され、そのハイレベル期間、NMOSトランジスタ7はオン状態となる。その時、コンデンサC2は、画素1の出力電位と同電位で充電され、次式が成立する。
Vc2=Von7+Q2/C2 (2)
Vc2:垂直信号線2の電位(画素1リセット時)
Von7:NMOSトランジスタ7のオン電圧
Q2:コンデンサC2に充電された電荷(リセット時)
C2:コンデンサC2の容量値
上記の電位Vc1及びVc2は図10(D)、(E)に示される。以上の期間では、PMOSトランジスタ11、12のソースにドレインが接続されているPMOSトランジスタ13、14の各ゲートに印加される電圧H1は図10(F)に示すようにハイレベルであり、PMOSトランジスタ13及び14はオフ状態である。なお、図10(G)は2番目のカラム毎CDS回路部の上記電圧H1に対応する電圧、同図(H)は最終カラムの920番目のカラム毎CDS回路部の上記電圧H1に対応する電圧を示す。
次に、上記電圧H1を図10(F)に示すようにローレベルにして、PMOSトランジスタ13及び14をオン状態とし、PMOSトランジスタ11、12、16、17で構成されるソースフォロワ回路を通してコンデンサC1、C2に保持された電圧を水平信号線4、3へ読み出す。これにより、水平信号線3、4に接続されるコンデンサC3、C4の片側に以下の電圧が印加されることになる。
Vc3=(Q2/C2)+Vth12+Von14 (3)
Vc3:コンデンサC3の水平信号線側電位(リセット電位)
Vth12:PMOSトランジスタ12の閾値電圧
Von14:PMOSトランジスタ14のオン電圧
Vc4=(Q1/C1)+Vth11+Von13 (4)
Vc4:コンデンサC4の水平信号線側電位(信号電位)
Vth11:PMOSトランジスタ11の閾値電圧
Von13:PMOSトランジスタ13のオン電圧
この電位Vc3、Vc4がコンデンサC3、C4の水平信号線側に印加されるとき、コンデンサC3、C4のバッファ20、21側のPMOSトランジスタ18、19はゲートの印加電圧E2が図10(I)に示すようにローレベルとされることによりオン状態となるため、コンデンサC3、C4のバッファ20、21側がPMOSトランジスタ18、19を介してVREF電位に接続されることになる。これにより、コンデンサC3、C4に印加される電位は以下のようになる。
Vc3−VREF+Von18=Q3/C3 (5)
Vc4−VREF+Von19=Q4/C4 (6)
次に、PMOSトランジスタ18、19のゲートに印加される電圧E2がハイレベルになることによりPMOSトランジスタ18、19がオフ状態になり、カラム毎のCDS回路部5内にあるNMOSトランジスタ8、9、10の各ゲートに印加される電圧P1が図10(J)に示すようにハイレベルとされることから、これらのトランジスタ8、9、10をオン状態にして、水平信号線3、4でのクランプ動作を行い、カラム毎のCDS回路部5で発生する素子バラツキに起因する固定パターンノイズを抑圧する。
ここで、NMOSトランジスタ8、9、10をオン状態にした時のコンデンサC3、C4の水平信号線3、4側に印加される電圧は以下のようになる。
Vc3’=Vav+Vth12+Von14 (7)
Vc4’=Vav+Vth11+Von13 (8)
Vav:NMOSトランジスタ8、9、10がオン状態の時のC1、C2印加電圧
よって、コンデンサC3のバッファ入力側A点での電位V1は次式で表される。
V1=Vc3’−(Q3/C3)
=Vav+Vth12+Von14−(Q2/C2)−Vth12
−Von14+VREF−Von18
=Vav−(Q2/C2)+VREF−Von18 (9)
同様に、コンデンサC4のバッファ入力側B点での電位V2は次式で表される。
V2=Vc4’−(Q4/C4)
=Vav+Vth11+Von13−(Q1/C1)−Vth11
−Von13+VREF−Von19
=Vav−(Q1/C1)+VREF−Von19 (10)
上記の電位V1、V2はバッファ20、21経由後オペアンプ22を用いた差動アンプにて差分をとられて出力される。ここで、オペアンプ22は、バッファ20の出力端子に接続されている抵抗R1と、バッファ21の出力端子に接続されている抵抗R2と、オペアンプ22の非反転入力端子とGND間に接続されている抵抗R3と、オペアンプ22の出力端子から反転入力端子に帰還をかけている抵抗R4とで差動アンプを構成している。
抵抗R1とR2の各抵抗値が等しく、かつ、抵抗R3とR4の各抵抗値も等しいものとすると、この差動アンプの出力電圧Voutは図10(L)に示され、また、次式で表される。
Vout=(R4/R2)×Vin
=(R4/R2)×(Vav−(Q2/C2)+VREF−Von18
−Vav+(Q1/C1)−VREF+Von19)
=(R4/R2)×(Q1/C1)−(Q2/C2)
−Von18+Von19) (11)
Vin:バッファ20とバッファ21の差電圧
R2、R4:抵抗R2、R4の抵抗値
なお、通常のLSI工程では回路部の容量は、2層ポリシリコンとCVD(Chemical Vapour Deposition:化学気相成長)で作った厚さ0.1〜0.2μmの絶縁膜とで作る。
特許第3574370号公報 特開2001−298662号公報 特開平11−69231号公報 米本和也、「CCD/CMOSイメージ・センサの基礎と応用」、CQ出版株式会社、2003年、195頁−197頁
しかるに、上記の従来のCDS回路をCMOSセンサに適用する場合以下のような課題がある。
(1)画素数を増加した時に、差分を計算する回路(図9のオペアンプ22と抵抗R1、R2、R3、R4)は高速動作する必要があるが、図9の従来のCDS回路では差分計算するアンプでゲインを高くする場合、高速動作させる事が難しい。
すなわち、図9の従来のCDS回路では、水平信号線3、4にカラム毎のMOSトランジスタ11、13、16、12、14、17で構成されるソースフォロワを通して信号とリセット信号が出力され、それらがコンデンサC3及びC4と、MOSトランジスタ18及び19で構成されるクランプ回路でクランプされた後、バッファ20、21に出力され、更に抵抗R1、R2、R3、R4およびオペアンプ22で構成される差動アンプにて減算されることにより、最終的に信号が出力される構成である。このため、前記のクランプ回路で出力される信号およびリセット信号の有効期間は、水平シフトレジスタの動作スピードの半周期程度となり、差動アンプの動作スピードも高速である必要がある。
この差動アンプで高速動作が必要な場合は、アンプ内の寄生容量と帰還抵抗による周波数特性の低下が問題とならないように設計する必要がある。ただし、この差動アンプのゲインはR1=R2、R3=R4の場合にR4/R2であるため、ゲインを高くする場合には抵抗R4の抵抗値を増加させる必要があり、これは周波数特性の低下につながる。抵抗R2の抵抗値を小さくする事で差動アンプのゲインを高くする事も可能であるが、前段のバッファ20、21のドライブ能力の関係で小さくする場合にも限界がある。ここでの信号周期は場合によっては150MHzを超える場合も想定される。
(2)リークによる信号低下をできる限り小さくするために、カラム毎の保持容量を大きくする必要があるが、通常の容量(コンデンサ)は2層ポリシリコンの間に0.1〜0.2μm程度の絶縁膜をCVDで作製した構造である。ところが、この構造ではMOS容量の面積が大きくなって、CMOSセンサのチップが大きくなってしまう。
(3)水平信号線3、4に接続されるカラム毎の読み出しSW(PMOSトランジスタ)が画素数が増加する毎に多くなり、寄生容量が増加する。この容量が大きくなると水平信号線への読み出しスピードの低下を招く。寄生容量の増加に対応するために読み出しのソースフォロワのドライブ能力を上げる必要があるが、ソースフォロワの定電流負荷の電流値を増加させると、水平信号線のDC値を最適にする為に必然的に読み出しSWのゲート幅を広げる必要が生じ、寄生容量の増加を招くという悪循環となってしまう。
(4)従来のDDS回路では水平駆動回路の出力時以外は水平信号線の定電流負荷により水平信号線3、4のDC値がほぼ電源電圧まで上昇してしまう。それにより1H期間の最初のカラム毎の信号読み出し時に、図10(K)に示すように水平信号線3(4)のDC値を最適な電圧にまで下げる事が時間的に難しい状態となり、正しい信号が出力できないという問題がある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、高速動作と高ゲインを両立し得る固体撮像素子のCDS回路を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、従来に比し小型な構成の固体撮像素子のCDS回路を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、1H期間の最初のカラム毎の信号読み出し時にも、正しい信号が出力できる固体撮像素子のCDS回路を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するため、光を電荷に変換して蓄積する光電変換領域と、電荷を転送する電荷転送手段と、電荷転送手段により転送された電荷に応じた信号を出力する信号出力用トランジスタとを含む単位画素が、複数規則的に配列された固体撮像素子の複数の単位画素のうち、列方向に配列された単位画素毎に設けられており、固体撮像素子で発生する固定パターンノイズを抑圧するCDS回路であって、
列方向に配列された単位画素から読み出された信号を保持する第1の保持手段と、列方向に配列された単位画素のリセット時の画素リセット信号を保持する第2の保持手段と、第1の保持手段に保持された信号と第2の保持手段に保持された画素リセット信号とを同電位とする第1のスイッチ手段と、第1の保持手段に保持された信号を第1の水平信号線へ出力する第1の出力手段と、第2の保持手段に保持された信号を第2の水平信号線へ出力する第2の出力手段と、第1及び第2の出力手段により第1及び第2の水平信号線へ信号が出力される読み出し期間以外のブランキング期間において、遮光されている所定の画素から読み出された信号を保持する第3の保持手段と、ブランキング期間において、所定の画素のリセット時の画素リセット信号を保持する第4の保持手段と、第3の保持手段に保持された信号と第4の保持手段に保持された画素リセット信号とを同電位とする第2のスイッチ手段と、第3の保持手段に保持された信号を、ブランキング期間において第1の水平信号線へ出力する第3の出力手段と、第4の保持手段に保持された信号を、ブランキング期間において第2の水平信号線へ出力する第4の出力手段と、第1又は第3の出力手段を介して出力された、第1又は第3の保持手段に保持された信号と第1又は第2のスイッチ手段により同電位とされたときの第1又は第3の保持手段の電位との差をとる第1の減算手段と、第2又は第4の出力手段を介して出力された、第2又は第4の保持手段に保持された画素リセット信号と第1又は第2のスイッチ手段により同電位とされたときの第2又は第4の保持手段の電位との差をとる第2の減算手段と、入力端子に直列接続された直列コンデンサと帰還路に帰還コンデンサとスイッチからなる並列回路を有するオペアンプにより構成されており、第1の減算手段の減算結果と第2の減算手段の減算結果とを差動増幅して、第1及び第2の減算結果の差分を出力する差動増幅手段とを有し、差動増幅手段の増幅率は直列コンデンサの容量値と帰還コンデンサの容量値との比で決定されることを特徴とする。
この発明では、差動増幅手段の増幅率が直列コンデンサの容量値と帰還コンデンサの容量値との比で決定されるようにしたため、高速動作させる場合は直列コンデンサの容量値と帰還コンデンサの容量値をそれぞれ小さくする必要があり、ゲインを上げる場合は上記の比の分母である帰還コンデンサの容量値を小さくすることで可能である。また、この発明では、ブランキング期間では、遮光されている画素からの信号と、その画素リセット信号とを、それぞれ同電位とした時の信号との減算結果を生成して、それらを差動増幅するようにしたため、ブランキング期間において、水平信号線の電圧を電源電圧まで上昇させることなく、適当なDC値にすることができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明は第1及び第2の保持手段は、列方向に配列された複数の単位画素のうち、列方向の予め定められた順番で、かつ、互いに異なる順番の単位画素に接続されたm系統(mは2以上の自然数)設けられると共に、第3及び第4の保持手段は、互いに異なるm個の遮光されている画素に接続されており、第1及び第2のスイッチ手段と第1乃至第4の出力手段と、第1及び第2の減算手段と、差動増幅手段は、それぞれm系統設けられていることを特徴とする。
この発明では、m系統の第1及び第2のスイッチ手段の数は、1系統の場合に比べて1/mとなるため、寄生容量を大幅に低減できる。また、水平駆動信号の周波数も1/mとすることができる。
本発明によれば、以下の特長を有する。
(1)ブランキング期間では、遮光されている画素からの信号と、その画素リセット信号とを、それぞれ同電位とした時の信号との減算結果を生成して、それらを差動増幅することにより、ブランキング期間において、水平信号線の電圧を電源電圧まで上昇させることなく、常に適当なDC値にするようにしたため、読み出し期間の最初の画素読み出し時に、読み出した画素信号のDC値を適切な値にすることができ、正しい信号読み出しができる。
(2)入力端子に直列接続された直列コンデンサと帰還路に帰還コンデンサとスイッチからなる並列回路を有するオペアンプにより構成されたスイッチトキャパシタ構成にして、増幅率が直列コンデンサの容量値と帰還コンデンサの容量値との比で決定されるようにすることで、高速動作させる場合は直列コンデンサの容量値と帰還コンデンサの容量値をそれぞれ小さくし、ゲインを上げる場合は上記の比の分母である帰還コンデンサの容量値を小さくすることで可能であるため、高速動作と高ゲインを両立できると共に、m系統の第1及び第2のスイッチ手段の数を、1系統の場合に比べて1/mとすることにより、寄生容量を大幅に低減するようにしたため、画素数が増加しても、動作速度を高速化できる。
(3)寄生容量の低減により、水平駆動信号の周波数を下げる事は可能であるが、下げた場合の出力信号に対して、列方向の画素毎の第1のスイッチ手段や第1及び第2の出力手段に使用される制御信号は水平駆動信号より低周波数信号となる。本発明では、水平駆動信号を生成するシフトレジスタ等の水平駆動部の構成は従来のままで、その水平駆動部からの1系統当りの画素の読み出し信号周波数のm倍の周波数の信号を、m系統のそれぞれの制御信号として使用することでCDS回路の簡素化が可能となり、タイミングに関しても調整が不要となるメリットがある。
(4)第1及び第2のコンデンサの単位面積当りの容量値を従来よりも大きくできるため、容量値を従来と同じとした場合は第1及び第2のコンデンサの面積を小さくできるため、CDS回路全体を小さく作ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる固体撮像素子のCDS回路の一実施の形態の回路図を示す。また、図2は本発明のCDS回路を備えた固体撮像素子の一例の概略全体構成図を示す。図1に示すように、本実施の形態のCDS回路は、マトリクス状に配列された複数の画素のうち、列方向に配列された画素毎に、すなわちカラム毎に設けられたカラム毎CDS回路部30と、ブランク時CDS回路部40と、水平読み出し部50とからなる。図9の従来のCDS回路と比較すると、カラム毎CDS回路部30の構成と水平読み出し部50の構成が若干異なり、また、ブランク時CDS回路部40が新たに付加された構成とされている。
また、固体撮像素子は、図2に示すように、複数の画素がマトリクス状に配列された画素部61と、画素部61の読み出し行(ライン)を指示するための垂直駆動信号を出力する垂直駆動部62と、垂直駆動部62からの垂直駆動信号を電圧に変換する電圧変換部63と、画素部62を構成する複数の垂直信号線のうち、例えば奇数番目の垂直信号線に順次に駆動信号を出力する水平駆動部64と、奇数番目の垂直信号線に接続された画素からの信号に対して相関二重サンプリング(CDS)の処理動作を行うCDS部65と、画素部62を構成する複数の垂直信号線のうち、例えば偶数番目の垂直信号線に順次に駆動信号を出力する水平駆動部66と、偶数番目の垂直信号線に接続された画素からの信号に対してCDS処理動作を行うCDS部67と、CDS部65、67からの各出力信号を増幅するアンプ68、69と、アンプ68、69の出力信号をサンプル及びホールドしてそれぞれ撮像信号を並列に出力するサンプル及びホールド(S/H)回路70、71より構成されている。図1に示した本実施の形態のCDS回路は、上記のCDS部65、67にそれぞれ設けられる。
図3は本発明が適用される固体撮像素子の他の例の概略全体構成図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図2の固体撮像素子は、画素部61の上下に各1系統ずつ、計2系統のCDS部65、67と水平駆動部64、66を配置して、それぞれに画素部61から信号を接続し、それぞれのCDS部65、67は、DDS回路構成になっていて、水平信号線の出力にて最終差動動作をアンプ68、69で行い、信号をS/H回路70、71で別々にサンプル及びホールドして出力する構成であり、出力が2系統ある構成である。これに対し、図3の固体撮像素子は、図2と同様に水平読み出し部を2系統持つ構成であり、各CDS部65、67のDDS動作後の信号をアンプ68及び69を介して共通のS/H回路73にそれぞれ交互に供給してサンプル及びホールドし、1系統の撮像信号を出力する構成である。
図4は図2及び図3に示した画素部61と、水平駆動部64、66と、CDS部65、67の部分の詳細な構成例を示す。図4に示すように、水平駆動部64と66は、それぞれ水平シフトレジスタ(HSR)から構成されており、また、CDS部65と67は、それぞれ図1に示したカラム毎CDS回路部30と、ブランク時CDS回路部40と、水平読み出し部50とからなる。
また、CDS部65と67を構成するカラム毎CDS回路部30は、画素部61の水平方向の有効画素数の半分の数からなる。画素部61の列方向に配列された各画素のうち、奇数番目の各画素は、CDS部65内の対応する1つのカラム毎CDS回路部30のみに接続され、偶数番目の各画素は、CDS部67内の対応する1つのカラム毎CDS回路部30のみに接続される。また、ブランク時CDS回路部40と、水平読み出し部50とは、それぞれ画素部61の上下に各1回路ずつ、計2回路設けられている。なお、ブランク時CDS回路部40に接続される画素は、光学的黒レベルを得るために遮光されている。
水平駆動部64と66を構成しているシフトレジスタ(HSR)は、画素部61の水平方向の全画素と同じ数あり、カラム毎CDS回路部30と、ブランク時CDS回路部40に2出力ずつ用いられる。この信号でカラム毎CDS回路30にある後述する信号P1、P2、H1等を作る。シフトレジスタの出力を1出力のみ用いる場合は、信号P1、P2を作るために、外部からシフトレジスタを駆動している周波数と同じ周波数の信号を入力して、タイミング調整と回路を構成する必要があり、煩雑となる。
また、後述するように、本実施の形態では動作速度を向上できるので、水平駆動信号の周波数を下げることは可能であるが、下げた場合の出力信号に対して、カラム毎に使用される信号P1、P2などは水平駆動信号の半周期の信号となり、上記のように、外部からシフトレジスタを駆動している周波数と同じ周波数の信号を入力して、タイミング調整と回路を構成する必要があり、煩雑となる。
そこで、本実施の形態では、水平駆動部を構成するシフトレジスタ等の駆動周波数は従来のままで(すなわち、1系統当りの画素の読み出し周波数の2倍の周波数として)、それぞれの水平駆動部64、66の出力信号を使用して信号P1、P2などを生成することでDDS回路の簡素化が可能となり、タイミングに関しても調整が不要となるメリットがある。勿論、1出力を用いた回路を構成することも可能である。
次に、図1のCDS回路の構成及び動作について詳細に説明する。垂直信号線2はカラム毎CDS回路部30内のNMOSトランジスタ31及び32の各ドレインに接続されている。NMOSトランジスタ31及び32の各ソースは、負荷容量(コンデンサ)C11、C12を介して接地される一方、NMOSトランジスタ31のソースは、PMOSトランジスタ35のゲートと、NMOSトランジスタ33のドレイン(又はソース)と、PMOSトランジスタ34のドレイン(又はソース)に接続され、NMOSトランジスタ32のソースは、PMOSトランジスタ36のゲートと、NMOSトランジスタ33のソース(又はドレイン)と、PMOSトランジスタ34のソース(又はドレイン)に接続されている。更に、PMOSトランジスタ35、36は、そのドレインが接地され、ソースがPMOSトランジスタ37、38のドレインに接続されている。
NMOSトランジスタ31及び32は、スイッチング用トランジスタであり、図9に示したNMOSトランジスタ6及び7と同様の理由により、他のロジック用MOSトランジスタより高耐圧のトランジスタである。
また、ブランク時CDS回路部40は、遮光されている画素25に接続された垂直信号線26に接続されている点がカラム毎CDS回路部30と異なるが、それ以外は、NMOSトランジスタ41、42、43と、PMOSトランジスタ44、45、46、47、48と、コンデンサC17、C18とにより、カラム毎CDS回路部30と同様の回路構成とされている。また、NMOSトランジスタ41及び42は、スイッチング用トランジスタであり、図9に示したNMOSトランジスタ6及び7と同様の理由により、他のロジック用MOSトランジスタより高耐圧のトランジスタである。
更に、水平読み出し部50は、容量(コンデンサ)C13及びC14と、ゲートが共通に接続されると共にドレインが共通に接続され、ソースが水平信号線3、4とコンデンサC13、C14の接続点に接続されているPMOSトランジスタ51及び52と、コンデンサC13、C14の他端にソースが接続されると共に、そのゲート同士、ドレイン同士が接続されたPMOSトランジスタ53、54と、バッファ55及び56と、オペアンプ57と、オペアンプ57の反転入力端子にそれぞれ一端が接続された容量(コンデンサ)C15及びC16と、オペアンプ57の反転入力端子にドレイン又はソースが接続され、オペアンプ57の非反転入力端子にソース又はドレインが接続されたPMOSトランジスタ58及びNMOSトランジスタ59とよりなる。
次に、本実施の形態の動作について、図5のタイミングチャートを併せ参照して説明する。図5(A)に示す信号が画素1から垂直信号線2へ出力され、画素1の信号を保持するために、図5(B)に示すスイッチング信号CDS_SがNMOSトランジスタ31のゲートに適当なタイミングで印加され、そのハイレベル期間、NMOSトランジスタ31はオン状態となる。その時、コンデンサC11は、画素1の出力電位と同電位で充電され、次式が成立する。
Vc1=Von31+Q11/C11 (12)
Vc1:垂直信号線2の電位(画素1読み出し時)
Von31:NMOSトランジスタ31のオン電圧
Q11:コンデンサC11に充電された電荷(信号読み出し時)
C11:コンデンサC11の容量値
次に、画素1のリセットが行われ、そのリセット電圧を保持するために、図5(C)に示すスイッチング信号CDS_RがNMOSトランジスタ32のゲートに適当なタイミングで印加され、そのハイレベル期間、NMOSトランジスタ32はオン状態となる。その時、コンデンサC12は、画素1の出力電位と同電位で充電され、次式が成立する。
Vc2=Von32+Q12/C12 (13)
Vc2:垂直信号線2の電位(画素1リセット時)
Von32:NMOSトランジスタ32のオン電圧
Q12:コンデンサC12に充電された電荷(リセット時)
C12:コンデンサC12の容量値
上記の電位Vc1及びVc2は図5(D)、(E)に示される。以上の期間では、PMOSトランジスタ37、38の各ゲートに印加される電圧H1は図5(F)に示すようにハイレベルであり、PMOSトランジスタ37及び38はオフ状態である。一方、以上の期間では、ブランク時CDS回路部40内のPMOSトランジスタ47、48の各ゲートに印加される電圧BL−Hは図5(G)に示すようにローレベルであり、PMOSトランジスタ47及び48はオン状態である。
次に、図5(F)に示すように、コンデンサC11、C12に保持された電圧を水平信号線3及び4へ読み出す時刻t1で電圧H1をローレベルにすると、PMOSトランジスタ37及び38がオン状態になり、コンデンサC12の充電電圧(リセット電位)がPMOSトランジスタ36、38のソースフォロワ回路を通して水平信号線3に接続されているコンデンサC13の片側に電圧Vc3とされて印加されると共に、コンデンサC11の充電電圧(信号電位)がPMOSトランジスタ35、37のソースフォロワ回路を通して水平信号線4に接続されているコンデンサC14の片側に電圧Vc4とされて印加される。ここで、Vc3及びVc4は次式で表される。
Vc3=(Q12/C12)+Vth36+Von38 (14)
Vc3:コンデンサC13の水平信号線側電位(リセット電位)
Vth36:PMOSトランジスタ36の閾値電圧
Von38:PMOSトランジスタ38のオン電圧
Vc4=(Q11/C11)+Vth35+Von37 (15)
Vc4:コンデンサC14の水平信号線側電位(信号電位)
Vth35:PMOSトランジスタ35の閾値電圧
Von37:PMOSトランジスタ37のオン電圧
この電位Vc3、Vc4が印加されるとき、コンデンサC13とC14の水平信号線3、4と反対側端子に接続されているPMOSトランジスタ53、54の各ゲートには図5(J)に示すように時刻t1でローレベルとなる信号E2が印加されて、これらのトランジスタ53及び54はオン状態となっており、オン状態のトランジスタ53、54を介して電圧VREFがコンデンサC13とC14の水平信号線3、4と反対側端子に印加される。従って、コンデンサC13、C14に印加される電位は以下のようになる。
Vc3−VREF+Von53=Q13/C13 (16)
Von53:PMOSトランジスタ53のオン電圧
Q13:コンデンサC13に充電された電荷
C13:コンデンサC13の容量値
Vc4−VREF+Von54=Q14/C14 (17)
Von54:PMOSトランジスタ54のオン電圧
Q14:コンデンサC14に充電された電荷
C14:コンデンサC14の容量値
次に、図5(J)に示すように、PMOSトランジスタ53、54の各ゲートに印加される信号E2が時刻t2でハイレベルとなるため、トランジスタ53及び54はオフ状態となる。また、これと同時に時刻t2で図5(K)に示すように、カラム毎CDS回路部30内のNMOSトランジスタ33のゲートに印加される信号P1がハイレベルにされ、かつ、PMOSトランジスタ34のゲートに印加される信号P2がローレベルにされるため、トランジスタ33及び34はオン状態となり、コンデンサC11とC12の電位が同電位Vavとされ、水平信号線3、4でのクランプ動作を行い、カラム毎のCDS回路部30で発生する素子バラツキに起因する固定パターンノイズが抑圧される。上記のコンデンサC13、C14、PMOSトランジスタ53及び54がクランプ回路を構成する。
ここで、トランジスタ33及び34をオンした時の、コンデンサC13、C14の水平信号線3、4側端子に印加される電圧Vc3’、Vc4’はそれぞれ次式で表される。
Vc3’=Vav+Vth36+Von38 (18)
Vc4’=Vav+Vth35+Von37 (19)
Vav:トランジスタ33、34がオン状態の時のC11、C12印加電圧
よって、コンデンサC13のバッファ55側端子Aでの電位V1は、(14)式、(16)式、(18)式から次式で表される。
V1=Vc3’−(Q13/C13)
=Vav+Vth36+Von38−(Q12/C12)−Vth36
−Von38+VREF−Von53
=Vav−(Q12/C12)+VREF−Von53 (20)
同様に、コンデンサC14のバッファ56側端子Bでの電位V2は、(15)式、(17)式、(19)式から次式で表される。
V2=Vc4’−(Q14/C14)
=Vav+Vth35+Von37−(Q11/C11)−Vth35
−Von37+VREF−Von54
=Vav−(Q11/C11)+VREF−Von54 (21)
上記の電位V1はバッファ55を経由してオペアンプ57の非反転入力端子に印加され、上記の電位V2はバッファ56及びコンデンサC15を経由してオペアンプ57の反転入力端子に印加される。ここで、バッファ55の出力C点でのクランプ後の電圧をV3とすると、
V3=V1+Vos1 (22)
Vos1:バッファ55のオフセット電圧
で表され、バッファ56の出力D点でのクランプ後の電圧をV4とすると、
V4=V2+Vos2 (23)
Vos2:バッファ56のオフセット電圧
で表される。このとき、オペアンプ57を用いたスイッチトキャパシタアンプでは、電位V1とV2の差分をとると共に、オペアンプ57の出力端子と反転入力端子との間の帰還路中に設けられたトランジスタ58及び59が時刻t2からt3の期間、オン状態とされ、差分値をコンデンサC15に保持する。この時のコンデンサC15の電荷Q15は次式で表される。
Q15=C15×(V4−V3) (24)
C15:コンデンサC15の容量値
なお、NMOSトランジスタ59のゲートに印加される信号H3は、図5(L)に示すように、上記の時刻t2からt3の期間はハイレベルである。また、PMOSトランジスタ58のゲートに印加される信号H2は、信号H3と逆位相であり、上記の時刻t2からt3の期間はローレベルである。
次に、時刻t3で信号H2がハイレベル、信号H3がローレベルにされるため、時刻t3でPMOSトランジスタ58とNMOSトランジスタ59がそれぞれオフ状態とされ、これによりコンデンサC15の電荷Q15はすべてC16へ移動されて出力される。この時、A点の電位VaとB点の電位Vbとは、図5(J)に示すように時刻t3でローレベルとなるゲート信号E2によりPMOSトランジスタ53及び54が共にオン状態とされ、また図5(F)に示すように時刻t3でハイレベルとなるゲート信号H1によりPMOSトランジスタ37及び38が共にオフ状態とされるため、それぞれ次式で表される。
Va=VREF+Von53 (25)
Vb=VREF+Von54 (26)
以上より、時刻t3直後にオペアンプ57から出力される電圧Voutは次式で表される。
Vout={C15×(V4−V3)/C16}+VREF+Vα
={C15×(Vav−(Q11/C11)+VREF−Von54−Vav
+(Q12/C12)−VREF+Von53+Vos2−Vos1))/C16}
+VREF+Vα
={C15×((Q12/C12)−(Q11/C11)−Von54+Von53
+Vos2−Vos1))/C16}+VREF+Vα (27)
Vα:Va、Vbのオフセット電圧からのずれとアンプ57でのオフセットに
よる出力のオフセット電圧
ここで、Von54=Von53、Vos2=Vos1とすると、オペアンプ57から出力される電圧Voutは(27)式より次式で表され、その信号波形は図5(N)に示される。
Vout=(C15/C16)×{(Q12/C12)−(Q11/C11)}
+VREF+Vα (28)
このように、本実施の形態では、差動アンプの替わりに、コンデンサC15及びC16と、トランジスタ58及び59で構成されるスイッチと、オペアンプ57とからなるスイッチトキャパシタアンプ回路を用いており、このスイッチトキャパシタアンプ回路によりバッファ55及び56からそれぞれ出力される信号及びリセット信号の減算を行って読み出し信号を出力するようにしている。水平読み出し部50の出力電圧Voutは、(28)式で示すように、信号及びリセット信号の差分値のC15/C16倍となる。ここで、C15はオペアンプ57の入力部の直列容量であり、C16はオペアンプ57の帰還容量である。
ここで、CDS回路を高速動作させるためには、コンデンサC15、C16の容量値を小さくする必要がある。一方、CDS回路のゲインを上げる場合には、コンデンサC16の容量値を小さくすることで可能となる。従って、本実施の形態では、高速動作させることとゲインを上げることとは相反しないため、高速動作と高ゲインとを両立させることができる。すなわち、本実施の形態では、最終的な差分計算を行う回路をスイッチトキャパシタアンプとしているため、寄生容量による高速動作への影響を小さくして、容易に高ゲインのアンプを実現できる。
なお、水平信号線3、4に接続されるカラム毎の読み出し用スイッチングトランジスタであるPMOSトランジスタ37、38が、画素数の増加に対応して増加し、その結果寄生容量が増加し、水平信号線3、4への読み出しスピードの低下を招くが、本実施の形態では、図2〜図4に示したように、1カラムおきに上下のCDS部65、67内のカラム毎CDS回路部30に信号を振り分け、上下の水平駆動部64、66で駆動して、別々のアンプ68、69で差動増幅を行うようにしているため、上側の一組の水平信号線3、4と下側の一組の水平信号線3、4にそれぞれ接続されるカラム数Nは、全カラム数をMとすると、
N=M/2 (29)
で表されるため、カラム毎の読み出し用スイッチングトランジスタの数を従来に比べて半減でき、その結果、寄生容量を大幅に低減できる。
ここで、1カラムのスイッチング用トランジスタにおける寄生容量をclsとすると、水平信号線の全寄生容量Cは次式で表される。
=cls×N+cla (30)
ただし、上式中、claはアルミニウム配線等によるスイッチング用トランジスタ以外の寄生容量である。
しかも、上下に信号を分けているために、従来の駆動周波数をFとすると、上下の水平信号線を駆動する水平駆動信号周波数Fnは、次式
Fn=F/2 (31)
で表され、カラム毎CDS回路部30の水平期間に選択する時間を従来の2倍にすることができる。
これにより、画素数の増加に起因する動作スピードの問題を改善できる。ただし、シフトレジスタ等の水平駆動信号を作る水平駆動部は、カラム毎CDS回路部30で使用するパルスにより、従来の水平駆動信号周波数を使用する場合も考えられる。
また、カラム毎の選択スイッチ(図1のPMOSトランジスタ37、38に相当)を駆動する以外のとき、水平信号線3、4のDC値がほぼ電源電圧に上昇し、1H期間の初めのカラムを読み出す時に水平信号線3、4のDC値(バイアス値)を適正の電圧にまで下げられないという可能性があるが、本実施の形態では、ブランク時CDS回路部40を設けることにより、その問題を解決している。
すなわち、図1のカラム毎CDS回路部30が1H期間の最初に出力が読み出される画素に接続されたカラム毎CDS回路部であるとすると、そのPMOSトランジスタ37、38のゲートには、図5(F)に示すパルスH1が印加され、同様にして、1H期間の2番目に出力が読み出される画素に接続されたカラム毎CDS回路部や、1H期間の最終番目nに出力が読み出される画素に接続されたカラム毎CDS回路部には、図5(G)、(H)に示すようなパルスH1−2、H1−nが、そのPMOSトランジスタ37、38のゲートに印加されることにより、従来のCDS回路における動作と同じように水平信号線3、4には、1H期間で各画素からの信号が出力される。ただし、H1が出力される前は定電流負荷回路によりほぼ電源電圧まで電圧が上昇している。そこで、本実施の形態では、この電圧をH1出力の約半周期の間に正しい読み出し電圧にする。
ここで、定電流負荷回路の電源電圧をVDDとして水平信号線3に読み出される正しい電圧をVaとすると、水平信号線3に読み出される電圧Vは次式により与えられるものと考えられる。
V=(VDD−Va)・e(−t/τ) (32)
ここで、上式中、tは水平信号線3への出力時間、τは水平信号線3への出力ソースフォロワとスイッチ(トランジスタ36、38)の出力インピーダンスから計算される時定数である。
上記の時定数τは、出力ソースフォロワとスイッチ(トランジスタ36、38)の出力インピーダンスroutと水平信号線3に接続される寄生容量Cから、次式で表される。
τ=rout×C (33)
従って、上式から寄生容量Cを下げることが信号読み出しのスピードを上げることになることが分かる。この寄生容量Cを下げるために、水平読み出し部50を2系統用いることは有効である。また駆動時間を長くすることも有効であることが分かる。
水平信号線の電圧を電源電圧まで上げないようにすることは、(32)式でVDDをほぼVaと同じ電圧にすることになり、これも効果的となる。ブランク時CDS回路部40内の、水平信号線3、4にソースが接続されているPMOSトランジスタ48、47のゲートに印加する信号BL−Hを、図5(I)に示すように、1H期間の画素読み出し期間の間ハイレベルとし、1H期間の画素読み出し期間以外はローレベルとすると、1H期間の画素読み出し期間以外(すなわち、ブランキング期間)はPMOSトランジスタ48、47がオンとされ、ブランク時CDS回路40が選択されていることになる。
これにより、図5(H)に示す1H期間の最後の画素の読み出し信号H1−nが出力された時刻t4以後のブランキング期間内の最初の水平駆動信号1周期分にて信号P1、P2と同様な信号BL1とその反転信号BL2が、ブランク時CDS回路部40内のNMOSトランジスタ43とPMOSトランジスタ44の各ゲートに印加され、これらのトランジスタ43及び44をオンとすると、コンデンサC17とC18の電位が同電位とされ、また、PMOSトランジスタ53、54の各ゲートに印加される信号E2がハイレベルとなり、トランジスタ53及び54がオフ状態となると、水平信号線3、4でのクランプ動作を行われ、水平信号線3、4にはコンデンサC17とC18の各電位に応じた電位に固定される。
ここで、コンデンサC17とC18の電位は、遮光されている画素25からの光学的黒レベルを示す電位と、その画素25のリセット時のリセット信号の電位であるから、ブランキング期間では、図5(M)に示すように、水平信号線3の信号レベルは画素出力信号に近いDC電圧に保持される(水平信号線4のDC電圧も同様)。この結果、1H期間の初めのカラムを読み出す時に水平信号線3、4のDC値(バイアス値)を適正の電圧にまで下げることができ、水平信号線3、4の電圧は理想に近い動作となり、1H期間の初めから正しい信号が出力できるようになる。つまり、水平信号線の高速動作が可能となる。
次に、本発明になるCDS回路が適用される固体撮像素子の中で、最も好適に適用し得る固体撮像素子の例として、本出願人が先に特願2004−21895号にて開示したCMOSセンサを例にとって説明する。図6(A)はこのCMOSセンサの平面図、同図(B)は同図(A)のX−X’線に沿う縦断面図を示す。図6(A)、(B)に示すように、CMOSセンサは、p型基板81上にp型エピタキシャル層82を成長し、このエピタキシャル層82の表面にnウェル83がある。nウェル83上にはゲート酸化膜84を挟んで第1のゲート電極である平面形状がリング状のゲート電極85が形成されている。
リング状ゲート電極85の中心部に対応したnウェル83の表面にはn型のソース領域86が形成されており、そのソース領域86に隣接してソース近傍p型領域87が形成され、更にソース領域86とソース近傍p型領域87の外側の離間した位置にはn型のドレイン領域88が形成されている。更に、ドレイン領域88の下のnウェル83中には埋め込みのp型領域89がある。この埋め込みのp型領域89とnウェル83は、図6(A)に示す埋め込みフォトダイオード90を構成している。
埋め込みフォトダイオード90とリング状ゲート電極85との間には、第2のゲート電極である転送ゲート電極91がある。ドレイン領域88、リング状ゲート電極85、ソース領域86、転送ゲート電極91には、それぞれメタル配線であるドレイン電極配線92、リング状ゲート電極配線93、ソース電極配線(出力線)94、転送ゲート電極配線95が接続されている。また、上記の各構成の上方には、図6(B)に示すように遮光膜96が形成されており、その遮光膜96の埋め込みフォトダイオード90に対応した位置には開口部97が穿設されている。この遮光膜96は金属、あるいは有機膜等で形成される。光は、開口部97を通して埋め込みフォトダイオード90に達して光電変換される。
次に、CMOSセンサの画素構造と撮像素子全体の構造について、電気回路で表現した図7と共に説明する。同図において、まず、画素はm行n列に画素敷き詰め領域101に配置されている。図7ではこれらm行n列の画素のうち、s行t列の一画素102を代表として等価回路で表現している。この画素102は、リング状ゲートMOSFET103と、フォトダイオード104と、転送ゲートMOSFET105とからなり、リング状ゲートMOSFET103のドレインがフォトダイオード104のn側端子とドレイン電極配線106(図6の92に相当)に接続され、転送ゲートMOSFET105のソースがフォトダイオード104のp側端子に接続され、ドレインがリング状ゲートMOSFET103のバックゲートに接続されている。
なお、上記のリング状ゲートMOSFET103は、図6(B)ではリング状ゲート電極85直下のソース近傍p型領域87をゲート領域とし、n型のソース領域86及びn型のドレイン領域88を有するnチャネルMOSFETである。また、上記の転送ゲートMOSFET105は、図6(B)では転送ゲート電極91直下のnウェル83をゲート領域、フォトダイオード90の埋め込みのp型領域89をソース領域、ソース近傍p型領域87をドレインとするpチャネルMOSFETである。
図7において、m行n列の各画素から1フレーム分の信号を読み出すために、まず読み出しを始める合図を出すフレームスタート信号を発生させる回路107がある。このフレームスタート信号は撮像素子の外から与えられてもよい。このフレームスタート信号は垂直シフトレジスタ108に供給される。垂直シフトレジスタ108は、m行n列の各画素のうちの何行目の画素を読み出すかの信号を出力する。
各行の画素はリング状ゲート電極、転送ゲート電極、ドレイン電極の電位を制御する制御回路に接続されており、これらの制御回路は垂直シフトレジスタ108の出力信号が供給される。例えば、s行目の各画素のリング状ゲート電極は、リング状ゲート電極配線109(図6の93に相当)を介してリング状ゲート電位制御回路110に接続され、各画素の転送ゲート電極は、転送ゲート電極配線111(図6の95に相当)を介して転送ゲート電位制御回路112に接続され、各画素のドレイン電極は、ドレイン電極配線106(図6の92に相当)を介してドレイン電位制御回路113に接続されている。上記の各制御回路110、112、113には垂直シフトレジスタ108の出力信号が供給される。
なお、リング状ゲート電極は、行毎に制御するので横方向に配線するが、転送ゲート電極は全画素で一斉に制御するので、配線方向は問わず、縦方向でもよい。ここでは横方向に配線するものとして表現する。ドレイン電位制御回路113は、全画素一斉に制御するが、行毎に制御する可能性もあるので、フレームスタート信号と垂直シフトレジスタ108の両方と接続して表現している。
画素102のリング状ゲートMOSFET103のソース電極は、ソース電極配線114(図6の94に相当)を介して2分岐され、一方はスイッチSW1を介してソース電極電位を制御するソース電位制御回路115に接続され、他方はスイッチSW2を介して信号読み出し回路116に接続されている。信号を読み出すときにはスイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンにし、ソース電位を制御する時にはスイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフにする。信号は縦方向に出すので、ソース電極の配線方向は縦にする。
信号読み出し回路116は次のように構成されている。画素102の出力はリング状ゲートMOSFET103のソースから行われ、出力線114には負荷、例えば電流源117が繋がっている。従って、ソースフォロア回路となっている。電流源117にはキャパシタCaとキャパシタCbの各一端がスイッチsc1とスイッチsc2を介して繋がっている。他端が接地されているキャパシタCa、Cbの各一端は、また差動アンプ118の反転入力端子と非反転入力端子に繋がっており、両キャパシタCa及びCbの電位差を差動アンプ118から出力するようになっている。
このような信号読み出し回路116はCDS回路(相関二重サンプリング回路)と呼ばれ、ここに描かれた方式以外にも種々の回路が提案されており、この回路に限るわけではない。信号読み出し回路116から出力された信号は、出力スイッチswtを介して出力される。同じ列にある出力スイッチswtは、水平シフトレジスタ119から出力される信号によりスイッチング制御される。
次に、図7に示すCMOSセンサの駆動方法について、図8のタイミングチャートと共に説明する。まず、図8(1)に示す期間では、埋め込みのフォトダイオード(図6(A)の90、図7の64等)に光が入射し、光電変換効果により電子・ホール対が発生し、フォトダイオードの埋め込みp型領域89にホールが蓄積される。このとき転送ゲート電極91の電位はドレイン電位Vddと同じになっており、転送ゲートMOSFET105はオフ状態である。これらの蓄積は、前フレームの読み出し操作が行われている時に同時に実行されている。
続く図8(2)に示す期間では、前フレームの読み出しが終了すると、同図(A)に示すように新しいフレームスタート信号が発信されて、次のフレームの読み出しが始まる。最初に行うのは全画素一斉にフォトダイオード(図6(A)の90、図7の104等)からリング状ゲート電極(図6の85)のソース近傍p型領域(図6の87)にホールを転送することである。そのため、図8(B)に示すように転送ゲート電位制御回路112から出力される転送ゲート制御信号がVddからLow2に下がり、転送ゲート電極(図6の81)の電位がLow2となり、転送ゲートMOSFET105がオン状態になる。
このとき、リング状ゲート電位制御回路110により制御されるリング状ゲート電極配線109の電位は、図8(C)に示すように、LowからLow1になるが、Low2の方がLow1よりも大きい。Low1はLowと同じでもよい。最も簡便にはLow1=Low=0(V)に設定する。
一方、ソース電位制御回路115からスイッチSW1を介してソース電極配線114からリング状ゲートMOSFET103のソースに供給されるソース電位をはじめとする、全画素のソース電位は図8(D)に示すように電位S1に設定される。S1>Low1であり、これにより、リング状ゲートMOSFET103がオフのままであり、電流が流れないようにする。この結果、全画素のフォトダイオードに蓄積された電荷(ホール)が、対応する画素のリング状ゲート電極の下に一斉に転送される。
図6(B)に示すリング状ゲート電極85の下の領域で、ソース近傍p型領域87が最もポテンシャルが低いので、フォトダイオードに蓄積されていたホールはソース近傍p型領域87に達し、そこに蓄積される。ホールが蓄積される結果、ソース近傍p型領域87の電位が上昇する。
続いて、図8(3)に示す期間では、同図(B)に示すように転送ゲート電極が再びVddになり、転送ゲートMOSFET105がオフになる。これにより、フォトダイオード(図6(A)の90、図7の104等)では再び光電変換効果により電子・ホール対が発生し、フォトダイオードの埋め込みp型領域89にホールが蓄積され始める。この蓄積動作は次の電荷転送時まで続けられる。
一方、読み出し操作は行単位で順番に行われるので、1行目〜(s−1)行目を読み出す期間(3)では、リング状ゲート電極の電位は図8(C)に示すようにLowの状態で、ソース近傍p型領域87にホールを蓄積したまま待機状態となる。ソース電位は他の行からの信号読み出しが行われている間、その画素からの信号の値により、様々な値をとり得る。また、リング状ゲート電極電位は行毎に様々な値をとり得るが、s行目ではLowに設定され、リング状ゲートMOSFET103がオフ状態である。
続く図8(4)〜(6)に示す期間では、画素の信号読み出しが行われる。s行目t列目の画素102について代表してこの信号読み出し動作について説明するに、まず、ソース近傍p型領域87にホールを蓄積した状態で、図8(E)に示す垂直シフトレジスタ108の出力信号が、同図(H)に示すようにローレベルである期間(4)において、リング状ゲート電位制御回路110からリング状ゲート電極配線109に出力される制御信号により、リング状ゲート電極85の電位を図8(K)に示すように、LowからVg1に上げる。
ここで、上記の電位Vg1は、前述した各電位Low、Low1、Vddとの間に
Low≦Low1≦Vg1≦Vdd (ただし、Low<Vdd)
なる不等式が成立する電位である。また、上記の期間(4)ではスイッチSW1が図8(I)に示すようにオフ、スイッチSW2が同図(J)に示すようにオン、スイッチsc1が同図(M)に示すようにオン、スイッチsc2が同図(N)に示すようにオフとされる。
この結果、リング状ゲートMOSFET103のソースに接続されたソースフォロア回路が働き、リング状ゲートMOSFET103のソース電位は、図8(L)に示すように期間(4)ではS2(=Vg1−Vth1)となる。ここで、Vth1とはバックゲート(ソース近傍p型領域87)にホールがある状態での、リング状ゲートMOSFET103のしきい値電圧である。このソース電位S2がオンとされているスイッチsc1を通してキャパシタCaに記憶される。
続く図8(5)に示す期間では、リング状ゲート電位制御回路110からリング状ゲート電極配線109に出力される制御信号により、リング状ゲート電極85の電位を図8(K)に示すようにHigh1に上げると同時に、同図(I)、(J)に示すようにスイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフとすると共に、ソース電位制御回路115から出力されるソース電位を同図(L)に示すようにHighsに上げる。ここで、High1、Highs>Low1である。
上記の電位High1及びHighsの値は同じであっても異なっていてもよいが、設計の簡単のためにはHigh1、Highs≦Vddが望ましい。簡便な設定では、High1=Highs=Vddとする。また、リング状ゲートMOSFET103がオンして電流が流れないような電位設定にすることが望ましい。この結果、ソース近傍p型領域87のポテンシャルが上昇し、nウェル83のバリアを越えてホールがエピタキシャル層82に排出される(リセット)。
続く図8(6)に示す期間では、再び前記期間(4)と同じ信号読み出し状態にする。ただし、期間(4)とは異なり、図8(M)、(N)に示すように、スイッチsc1はオフ、スイッチsc2はオンとする。リング状ゲート電極は図8(K)に示すように期間(4)と同じVg1とする。しかし、この期間(6)では直前の期間(5)でホールが基板に排出されていて、ソース近傍p型領域87にはホールが存在しないので、リング状ゲートMOSFET103のソース電位は、図8(L)に示すように期間(6)ではS0(=Vg1−Vth0)となる。ここでVth0は、バックゲート(ソース近傍p型領域87)にホールがない状態でのリング状ゲートMOSFET103のしきい値電圧である。
このソース電位S0はオンとされたスイッチsc2を介してキャパシタCbに記憶される。差動アンプ118はキャパシタCaとCbの電位差を出力する。すなわち、差動アンプ118は(Vth0−Vth1)を出力する。この出力値(Vth0−Vth1)は、ホール電荷によるしきい値変化分である。その後、水平シフトレジスタ119から出力される図8(F)に示すパルスのうち、同図(O)に示すt列目の出力パルスに基づき、図7の出力スイッチswtがオンとされ、このswtのオン期間に図8(P)にハッチングにより模式的に示すように、差動アンプ118からのホール電荷によるしきい値変化分が画素102の出力信号Voutとしてセンサ外へ出力される。
続いて、図8に(7)で示す期間では、再びリング状ゲート電極85の電位を図8(B)に示すようにLowにし、ソース近傍p型領域87にはホールがない状態で、全ての行の信号処理が終了するまで(s+1行〜n行の画素の読み出しが終了するまで)待機する。これらの読み出し期間中、フォトダイオード104では光電変換効果によるホールの蓄積が進行している。その後、前記期間(1)に戻って、ホールの転送から繰り返す。これにより、各画素から図8(G)に示す出力信号が読み出される。すべての画素から信号を読み出すと、再び次のフレームが開始される。
上記の図6(A)、(B)に示す構成の固体撮像素子は、リング状のゲート電極85を持つリング状ゲートMOSFET103が増幅用MOSFETであり、図7に示したように各画素内に増幅用MOSFETを持つという意味で、CMOSセンサの一種である。そして、このCMOSセンサは、フォトダイオードに蓄積された電荷(ホール)が、対応する画素のリング状ゲート電極の下のソース近傍p型領域87に一斉に転送されるようにすることで、グローバルシャッタを実現している。
なお、図8の期間(5)のリセット時のソース電極配線114の電位供給は、ソース電位制御回路115から供給する以外の次の方法もある。すなわち、上記期間(5)でスイッチSW1、SW2をともにオフとして、ソース電極配線114をフローティングにする。ここでリング状ゲート電極配線109の電位をHigh1とすると、リング状ゲートMOSFET103がオン状態となり、ソース電極にドレインから電流が供給され、ソース電極電位が上昇する。この結果、ソース近傍p型領域87のポテンシャルが持ち上げられ、nウェル83のバリアを越えて、ホールがp型エピタキシャル層82に排出される(リセット)。ホールが完全に排出されたときのソース電極電位は、High1−Vth0になる。この方法では、ソース電位制御回路115のうち、Highsを供給するトランジスタを削減することができ、その結果、チップ面積を減らすことができる。
この構造のCMOSセンサでは、露光は各ライン毎にタイミングがずれることなく同一の1フレーム期間で行われる。これは図8の期間(1)に当たる。一定期間の露光後、転送ゲート(図7の転送ゲートMOSFET105等)により、全画素の電荷が一斉に各画素の所定領域(図7のリング状ゲートMOSFET103のバックゲート、図6のソース近傍p型領域87)に転送される。これは図8の期間(2)に当たる。その後、読み出し回路により、読み出し期間内で、順次各画素からの信号が読み出される。これは図8の期間(3)〜(7)に当たる。これにより、グローバルシャッタ機能を有するCMOSセンサを実現できる。
このCMOSセンサに図1〜図4に示した実施の形態を適用した場合、図7の画素部61が画素敷き詰め領域101に相当し、図7の垂直シフトレジスタ108が垂直駆動部62に相当し、リング状ゲート電位制御回路110、転送ゲート電位制御回路112、ドレイン電位制御回路113が電圧変換部63に相当する。また、図7は水平駆動部が1系統であるが、水平シフトレジスタ119に相当する水平駆動部を図2〜図4に示したように2系統設けると共に、信号読み出し回路116に相当するCDS部を2系統設ける。
なお、図7のスイッチSW2は図1では図示されておらず、また、図7のキャパシタCa、Cbは図1の容量(コンデンサ)C11、C12に相当する。更に、図7のスイッチsc1、sc2は図1ではNMOSトランジスタ31、32に相当する。
図1に示した本発明の一実施の形態のCDS回路を図6(A)、(B)に示した構造のCMOSセンサに適用した場合、そのCMOSセンサには2層ポリシリコン工程がある。すなわち、図6(A)、(B)に示したリング状ゲート電極85と転送ゲート電極91とは近接している必要があるため、第1層のポリシリコン工程により作製したポリシリコンであるリング状ゲート電極85を650℃〜750℃程度の低温でウェット酸化処理し、100Å〜300Å程度の薄い膜厚の酸化膜(図6では図示を省略)を作り、その後その酸化膜を挟んで第2層のポリシリコン工程によりリング状ゲート電極85に一部重なるように第2層のポリシリコンにて転送ゲート電極91を形成する。
そこで、上記の2層のポリシリコンを作製する2層のポリシリコン工程と、それらの間に形成される薄い膜厚の酸化膜の工程とを利用して、カラム毎CDS回路部30内のコンデンサC11、C12を、リング状ゲート電極85及び転送ゲート電極91と同時に作製することができる。この場合、通常のCVDで作成した絶縁膜(膜厚0.1〜0.2μm)を用いた構造のコンデンサよりも単位面積当りの容量値が大きなコンデンサを作製することができる。従って、上記のCMOSセンサに適用することによって、カラム毎CDS回路部30内のコンデンサC11、C12の単位面積当りの容量値を大きくしたい場合も面積を小さくすることができ、その結果、CDS回路全体を小面積で作製することができる。
特許文献2記載の従来のCDS回路では、スイッチトキャパシタ回路を用いた読み出しを行っているが、DDS構成となっておらず、カラム毎の素子バラツキを抑えることができない。それに対して、本発明は、カラム毎の素子バラツキを抑えるためにDDS構成としているため、縦縞状の固定パターンノイズの発生を抑圧できる。
なお、各カラムにつながる水平読み出し部50の水平信号線3、4等のメタル層は、配線容量を下げ高速化するために、第2層以上のメタル層であることが望ましい。
また、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、CDS部は4系統以上設けることも可能である。
本発明の固体撮像素子のCDS回路の一実施の形態の回路図である。 本発明のCDS回路を備えた固体撮像素子の一例の概略全体構成図である。 本発明のCDS回路を備えた固体撮像素子の他の例の概略全体構成図である。 本発明の要部の一実施の形態の詳細構成図である。 図1の動作説明用タイミングチャートを示す。 本発明が適用されCMOSセンサの1画素分の素子構造の平面図とそのX−X’線に伴う断面図である。 図6のCMOSセンサの全体構成を電気等価回路で示した図である。 図6及び図7のCMOSセンサの動作を説明するタイミングチャートである。 従来のCDS回路の一例を示す回路図である。 図9の動作説明用タイミングチャートである。
符号の説明
1、25 画素
2、26 垂直信号線
3、4 水平信号線
30 カラム毎CDS回路部
31、32、33、41、42、43、59 NMOSトランジスタ
34〜38、44〜48、51〜54、58 PMOSトランジスタ
40 ブランク時CDS回路部
50 水平読み出し部
55、56 バッファ
57 オペアンプ
61 画素部
62 垂直駆動部
63 電圧変換部
64、66 水平駆動部
65、67 CDS部
68、69 アンプ
70、71、73 サンプル及びホールド(S/H)回路
85 リング状ゲート電極
86 ソース領域
87 ソース近傍p型領域
88 ドレイン領域
90、104 フォトダイオード
91 転送ゲート電極
101 画素敷き詰め領域
102 画素
103 リング状ゲートMOSFET
105 転送ゲートMOSFET
116 信号読み出し回路
C11〜C18 コンデンサ

Claims (3)

  1. 光を電荷に変換して蓄積する光電変換領域と、前記電荷を転送する電荷転送手段と、前記電荷転送手段により転送された電荷に応じた信号を出力する信号出力用トランジスタとを含む単位画素が、複数規則的に配列された固体撮像素子の前記複数の単位画素のうち、列方向に配列された前記単位画素毎に設けられており、前記固体撮像素子で発生する固定パターンノイズを抑圧するCDS回路であって、
    前記列方向に配列された単位画素から読み出された信号を保持する第1の保持手段と、
    前記列方向に配列された単位画素のリセット時の画素リセット信号を保持する第2の保持手段と、
    前記第1の保持手段に保持された信号と前記第2の保持手段に保持された画素リセット信号とを同電位とする第1のスイッチ手段と、
    前記第1の保持手段に保持された信号を第1の水平信号線へ出力する第1の出力手段と、
    前記第2の保持手段に保持された信号を第2の水平信号線へ出力する第2の出力手段と、
    前記第1及び第2の出力手段により前記第1及び第2の水平信号線へ信号が出力される読み出し期間以外のブランキング期間において、遮光されている所定の画素から読み出された信号を保持する第3の保持手段と、
    前記ブランキング期間において、前記所定の画素のリセット時の画素リセット信号を保持する第4の保持手段と、
    前記第3の保持手段に保持された信号と前記第4の保持手段に保持された画素リセット信号とを同電位とする第2のスイッチ手段と、
    前記第3の保持手段に保持された信号を、前記ブランキング期間において前記第1の水平信号線へ出力する第3の出力手段と、
    前記第4の保持手段に保持された信号を、前記ブランキング期間において前記第2の水平信号線へ出力する第4の出力手段と、
    前記第1又は第3の出力手段を介して出力された、前記第1又は第3の保持手段に保持された信号と前記第1又は第2のスイッチ手段により同電位とされたときの前記第1又は第3の保持手段の電位との差をとる第1の減算手段と、
    前記第2又は第4の出力手段を介して出力された、前記第2又は第4の保持手段に保持された前記画素リセット信号と前記第1又は第2のスイッチ手段により同電位とされたときの前記第2又は第4の保持手段の電位との差をとる第2の減算手段と、
    入力端子に直列接続された直列コンデンサと帰還路に帰還コンデンサとスイッチからなる並列回路を有するオペアンプにより構成されており、前記第1の減算手段の減算結果と前記第2の減算手段の減算結果とを差動増幅して、前記第1及び第2の減算結果の差分を出力する差動増幅手段と
    を有し、前記差動増幅手段の増幅率は前記直列コンデンサの容量値と前記帰還コンデンサの容量値との比で決定されることを特徴とする固体撮像素子のCDS回路。
  2. 前記第1及び第2の減算手段は、クランプ回路であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子のCDS回路。
  3. 前記第1及び第2の保持手段は、列方向に配列された複数の前記単位画素のうち、列方向の予め定められた順番で、かつ、互いに異なる順番の単位画素に接続されたm系統(mは2以上の自然数)設けられると共に、前記第3及び第4の保持手段は、互いに異なるm個の遮光されている画素に接続されており、前記第1及び第2のスイッチ手段と前記第1乃至第4の出力手段と、前記第1及び第2の減算手段と、前記差動増幅手段は、それぞれm系統設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の固体撮像素子のCDS回路。
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