JP2007166029A - 折畳み式電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】折畳み式電子機器において、ヒンジ部の構成を簡易にして組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えを向上させると共に、軽量化を図る。
【解決手段】第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを設ける。第1の筐体と第2の筐体とをヒンジ部6によって折畳み開閉自在に連結する。このヒンジ部6に第2の筐体から垂直に膨出した中空の膨出部15と、第1の筐体に設けられて膨出部15を両側から挟み込む樹脂製の第1及び第2外筒20,21とを設ける。第1外筒20から膨出部15の第2外筒21側の端部に渡り、第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた開閉軸22を挿入する。第2外筒21から膨出部15の該第2外筒21側の端部に渡り、中空の内筒25を挿入する。第1基板と第2基板とを接続する信号線31を膨出部15と第2外筒21と内筒25との内部に挿通する。
【選択図】図8

Description

本発明は、第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを備えた折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器に関するものである。
従来より、第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを備え、該第1の筐体と第2の筐体とが、ヒンジ部によって折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器は知られている。
このような折畳み式電子機器として、例えば、特許文献1では、折畳み部を介して連結される第1の筐体と第2の筐体とを有する携帯情報端末において、第1の筐体に第1部材と、該第1部材に重なり合うように接続される第2部材とを設け、第2の筐体に第3部材と、該第3部材に重なり合うように接続される第4部材とを設け、折畳み部に、第1部材に設けられた第1リング部と、第2部材に設けられた第2リング部と、第3部材に設けられた第3リング部と、第1,第2,第3リング部のそれぞれを同軸に接続し、回動可能に支持するヒンジ部材とを設けたものが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、第1,第2の筐体と、両筐体を開閉可能に軸支し空部を有するヒンジ部と、ヒンジ部の空部を通り第1の筐体から第2の筐体に渡って配設されるフレキシブルプリント基板とを有する折畳み式携帯電話機が開示されている。ここで、フレキシブルプリント基板は、空部内に、ヒンジ部の回動軸方向に延在しながらヒンジ部の回動方向に螺旋し且つ相互に重なり合う螺旋部を有するものとなっている。
特開2002−314662号公報 特開2002−300247号公報
しかしながら、上記特許文献1の携帯情報端末では、第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた金属製のヒンジ部材を左右一対設ける必要があるので、部品点数が多くなり、コストアップ及び質量の増加という問題がある。
また、ヒンジ部材を左右一対設けているため、第1の筐体と第2の筐体との間の信号をつなぐ信号線をヒンジ部材を設けた部分よりも内側の第1の筐体の空部及び第2の筐体の空部に通過させなければならず、ヒンジ部の空部の分割数が増える。このため、見映えが悪い上、各空部間の隙間から水やゴミが侵入しやすいという問題がある。
さらに、上記特許文献2のようなフレキシブルプリント基板で第1の筐体と第2の筐体との間の信号をつなぐ信号線を構成するようにすると、フレキシブルプリント基板は、ある程度の幅を有するので、ヒンジ部の幅が大きくなると共に、信号線の配線が容易ではないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヒンジ部の構成を簡易にして組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えを向上させると共に、軽量化を図ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた開閉軸を第1の筐体の片側にのみ設けるようにした。
具体的には、第1の発明では、第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを備え、該第1の筐体と第2の筐体とが、ヒンジ部によって折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器を対象とする。
そして、上記ヒンジ部は、上記第2の筐体から垂直に膨出した中空の膨出部と、上記第1の筐体に設けられて上記膨出部を両側から挟み込む樹脂製の第1及び第2外筒とを備え、
上記第1外筒から膨出部の該第1外筒側端部に渡り、上記第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた開閉軸が挿入され、
上記第2外筒から膨出部の該第2外筒側端部に渡り、中空の内筒が挿入され、
上記第1基板と第2基板とを接続する信号線は、上記膨出部と第2外筒と内筒の内部を通過する構成とする。
上記の構成によると、第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた開閉軸を第1の筐体における一方の外筒にのみ設けているので、従来のように第2の筐体から垂直に膨出した中空の膨出部を分割してその間に第1の筐体より延びる空部を挿入し、これら膨出部と空部との間に第1基板と第2基板とを接続する信号線を挿通する必要がなく、信号線を膨出部と第2外筒と内筒との内部に挿通することができるので、膨出部をコンパクトにすることができる。また、信号線は第2外筒内を通過することができるので、信号線の配線が容易である。さらに、第1及び第2外筒を樹脂で構成しているので、金属製のヒンジ部に比べて質量が軽い。
第2の発明では、上記第1及び第2外筒は、上記第1の筐体よりも高強度及び高剛性の樹脂材料で形成され、該第1の筐体に取り付けられる構成とする。
すなわち、ヒンジ部を構成する第1及び第2外筒は、第1の筐体と第2の筐体との開閉操作を行う際に大きな荷重が加わるが、上記の構成によると、これら第1及び第2外筒を高強度及び高剛性の樹脂で形成しているので、開閉操作を繰り返し行っても破損したり、ガタが生じたりすることはない。また、第1及び第2外筒を第1の筐体と別に形成しているので、第1の筐体は、比較的強度の低い安い材料で形成することができる。
第3の発明では、上記内筒は、上記第2外筒及び膨出部よりも耐摩耗性の高い樹脂材料で構成されている。
すなわち、ヒンジ部を構成する第2外筒に設けた内筒は、第1の筐体と第2の筐体との開閉操作を行う際に摺動し、摩擦力が繰り返し加わって摩耗しやすいが、上記の構成によると、内筒を第2外筒及び膨出部よりも耐摩耗性の高い樹脂材料で構成しているので、開閉操作を繰り返し行っても内筒が摩耗しない。
第4の発明では、上記信号線は、その両端部を除く中間部で複数の細い電線が一本に束ねられ、該束ねられた状態で、その外周が、複数の導線をメッシュ状に編んだグランド線で覆われ、
上記第2外筒には、上記グランド線の一端に接続されるアース板金が設けられ、該アース板金は、上記第1基板に接地され、
上記グランド線の他端は、上記第2基板に接地されている。
上記の構成によると、信号線は、複数の細い電線が一本に束ねられた状態でメッシュ状のグランド線で覆われているので、外径が小さく押さえられている。この信号線のグランド線の一端が、第2外筒に設けたアース板金を介して第1基板に接地されるので、容易に膨出部及び内筒の内部を通過させて配線が行われ、第1基板と第2基板との間の電位差が小さくなる。
第5の発明では、上記第1の筐体の内部には、伝導性のある金属製補強部材が設けられ、
上記第1基板は、上記補強部材に取り付けられ、
上記アース板金は、上記第2外筒が第1の筐体にビス止めされる際に上記補強部材に共締めされて接地される構成とする。
上記の構成によると、アース板金が、第2外筒を第1の筐体にビス止めする際に第1の筐体に接地されるので、組付作業が容易である。
第6の発明では、折畳み式電子機器は、折畳み式携帯通信機器とする。
上記の構成によると、携帯通信機器は、コンパクトで軽量なものが好まれるが、本発明により、商品性が向上する。
第7の発明では、折畳み式電子機器は、折畳み式携帯電話機であり、
上記第1の筐体には、表示部が設けられ、
上記第2の筐体には、操作部が設けられる構成とする。
上記の構成によると、比較的軽量な表示部側が第1の筐体に設けられ、バッテリーなどが設けられて質量の重い操作部が第2の筐体に設けられる。このため、膨出部のある第2の筐体に比して第1の筐体の小型軽量化が可能となる。
第8の発明では、上記第1の筐体の平面視の外形は、上記第2の筐体の平面視の外形よりも小さい構成とする。
上記の構成によると、第2の筐体を片手でつかんだ状態で、第2の筐体よりも小さい第1の筐体を、第2の筐体をつかんだ手の指で押し上げて第1の筐体の開閉操作が行われる。本発明では、膨出部を分割する必要がなく、膨出部の幅を小さくできるので、第1の筐体を小さくし易い。
以上説明したように、上記第1の発明によれば、第1の筐体の第1及び第2外筒を樹脂で構成し、弾性部材を有する開閉軸を第1外筒にのみ設け、信号線を膨出部と第2外筒と内筒との内部に通過させている。このため、ヒンジ部の構成を簡易にして組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えを向上させると共に、軽量化を図ることができる。
上記第2の発明によれば、第1及び第2外筒を高強度及び高剛性の樹脂材料で形成し、第1の筐体に取り付けている。このため、開閉操作を繰り返し行うことによる第1及び第2外筒の損傷を防止することができると共に、強度が必要な部分のみを高強度及び高剛性の樹脂材料で形成しているので、コストパフォーマンスがよい。
上記第3の発明によれば、内筒を耐摩耗性の高い樹脂材料としている。このため、開閉操作を繰り返し行うことによる内筒の摩耗を防ぐことができると共に、樹脂材料で構成しているので、さらに軽量化を図ることができる。
上記第4の発明によれば、信号線を、複数の細い電線を一本に束ねた状態でメッシュ状のグランド線で覆い、このグランド線の一端を第2外筒に設けたアース板金に接続して第1基板に接地し、他端を第2基板に接地している。このため、信号線の外径が小さく押さえられるので、容易に配線を行うことができ、さらに組付性を向上させることができると共に、第1基板と第2基板との間の電位差を確実に小さくして誤動作を防止することができる。
上記第5の発明によれば、信号線に接続されたアース板金を、第2外筒を第1の筐体にビス止めする際に第1の筐体の内部に設けた補強部材に接地させている。このため、組付性をさらに向上させることができると共に、信号線を第1基板と補強部材とに接地させているので、さらに第1基板と第2基板との間の電位差を小さくして誤動作を防止することができる。
上記第6の発明によれば、折畳み式電子機器を通信機器としたことにより、組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えが向上した軽量な折畳み式通信機器が得られる。
上記第7の発明によれば、折畳み式電子機器を携帯電話機とし、第1の筐体に表示部を設け、第2の筐体に操作部を設けたことにより、組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えが向上した軽量な折畳み式携帯電話機が得られる。
上記第8の発明によれば、第1の筐体を第2の筐体よりも小さく形成したことにより、第2の筐体をつかんだ状態での第1の筐体の開閉操作が極めて容易になるので、さらに商品性の高い折畳み式携帯電話機が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図5に示すように、本実施形態の折畳み式電子機器(折畳み式携帯通信機器)としての携帯電話機1は、第1基板2を有する第1の筐体3と、第2基板4を有する第2の筐体5とを備えている。第1の筐体3と第2の筐体5とは、ヒンジ部6によって折畳み開閉自在に連結されている。第1の筐体3は、第2の筐体5よりも平面視で外形が小さくなるように形成されている。
上記第1の筐体3には、その表面側に液晶表示部7、受話部8等が設けられている。第1の筐体3は、第1表面側キャビネット3aと第1裏面側キャビネット3bとに分割して成形されている。図4及び図5に示すように、第1表面側キャビネット3aの4カ所に第1ビス挿通孔90が設けられ、この第1ビス挿通孔90に対応するように第1裏面側キャビネット3bの4カ所に第1ビス固定用ボス部91が設けられている。これら第1ビス挿通孔90に筐体組付用ビス99を通して第1ビス固定用ボス部91に締結することによって第1の筐体3が組み付けられるようになっている。
図6及び図7に示すように、第1の筐体3の内部には、伝導性のある補強部材としてのマグネシウムフレーム13が設けられている。第1基板2は、マグネシウムフレーム13の裏面側に嵌め込まれ、表面側に液晶ディスプレイ(図示せず)が嵌め込まれている。マグネシウムフレーム13の受話部8に相当する位置には、スピーカー8aが設けられている。第1基板2に背面液晶14が設けられていてもよい。マグネシウムフレーム13は、上記筐体組付用ビス99を挿通するためのビス用貫通孔13aを備えている。
図2及び図8乃至図10に示すように、上記第2の筐体5には、複数の操作キー9を有する操作部10が設けられている。この操作キー9を操作することで、携帯電話機1の多数の機能が利用されるようになっている。操作部10の下側には、ユーザーの会話を拾う送話部11が設けられている。第2の筐体5も、第2表面側キャビネット5aと第2裏面側キャビネット5bとに分割して成形されている。第2表面側キャビネット5aのヒンジ部6側の2カ所に筐体組付用ビス99を通す段付きの第2ビス挿通孔92が設けられ、この第2ビス挿通孔92に対応するように第2裏面側キャビネット5bの2カ所に裏側第2ビス固定用ボス部(図示せず)が設けられている。また、第2裏面側キャビネット5bのヒンジ部6と反対側の2カ所にも裏側第2ビス固定用ボス部が設けられ、この裏側第2ビス固定用ボス部に対応する第2表面側キャビネット5aの裏側に表側第2ビス固定用ボス部93が形成されている。第2基板4は、第2表面側キャビネット5aに設けた基板固定用係止穴94にその係止爪4aを係止させて第2表面側キャビネット5aに固定されている。第2基板4は、表面側キャビネット5aと第2裏面側キャビネット5bとで挟み込まれ、筐体組付用ビス99によって組み付けられている。第2基板4には、第2ビス挿通孔92及び表側第2ビス固定用ボス部93に対応する位置に基板側ビス挿通孔95が形成されている。
図8に示すように、上記第2の筐体5には、第2表面側キャビネット5aから垂直に膨出した中空の膨出部15が一体に設けられている。この膨出部15は、その外側から装飾用カバー16によって覆われている。装飾用カバー16は、その係止爪16aを第2表面側キャビネット5aに設けた係止穴17に係止することで第2表面側キャビネット5aに固定されている。このことで、膨出部15の外観を第2の筐体5と異なるものとして見映えをよくすることができる。
上記第1の筐体3には、上記膨出部15を両側から挟み込む樹脂製の第1及び第2外筒20,21が設けられている。この第1及び第2外筒20,21は、第1の筐体3よりも高強度及び高剛性の樹脂材料で形成されている。例えば、第1及び第2の筐体3,5は、比較的安価なABS樹脂で形成され、第1及び第2外筒20,21は、結晶性の熱可塑性ポリマーよりなるポリアミドMXD6系複合成形材料で形成されている。
上記第1外筒20の内側端部には、開閉軸22が挿入される第1挿通孔20aが開口されている。第1外筒20は、第1挿通孔20aの軸方向に垂直な方向に延びた第1延設部23を備え、この第1延設部23に第1ビス挿通孔23aが形成されている。開閉軸22は、上記第1の筐体3の開閉操作を補助する弾性部材(図示せず)を内蔵し、先端の樹脂製係止爪22aを除き、金属で形成されている。この開閉軸22は、本実施形態のように略全体を金属製として小型化を図ってもよいし、少なくとも弾性部材を金属製で構成し、残りの部分を高強度及び高剛性の樹脂材料で構成して軽量化を図ってもよい。開閉軸22の外周の対向する位置には、面取りされた平坦部22bが形成されている。第1挿通孔20aは、対向する位置に平面部(図示せず)が形成され、この平面部に開閉軸22の平坦部22bが当接することにより、開閉軸22の回転が防止されている。
一方、膨出部15の第1外筒20側の端部には、ポリアミドMXD6系複合成形材料で形成された軸受部材24(図13に示す)が嵌め込まれている。この軸受部材24は、中心に開閉軸挿通孔24aを備えている。軸受部材24は、膨出部15に爪嵌合で嵌め込んでもよいし、ビス止めしてもよい。この軸受部材24の開閉軸挿通孔24aに開閉軸22が挿入されるようになっている。このとき、開閉軸22の係止爪22aが係止され、開閉軸22が抜け止め及び回り止めされている。なお、膨出部15自体を第2の筐体5と別に成形してもよく、その場合には、膨出部15と軸受部材24とを高強度及び高剛性の樹脂材料で一体に成形すればよく、装飾用カバー16は必要ない。
図11及び図12に示すように、上記第2外筒21から膨出部15の第2外筒21側の端部に渡り、第2外筒21及び膨出部15よりも摩耗性の高い樹脂材料よりなる内筒25が挿入されている。内筒25は、例えば、アセタール樹脂よりなる結晶性熱可塑性樹脂で形成され、摩擦及び摩耗特性に優れていると共に、自己潤滑性があるため、給油の必要性がないものとなっている。内筒25の長手方向中央部には、周囲よりも径の大きい大径部25aが設けられ、第2外筒21に挿入される部分には、複数の回り止め用突起25bが設けられている。
上記第2外筒21の内側端部には、上記内筒25が挿入される第2挿通孔21aが開口され、この第2挿通孔21aを形成する壁部が一部切り欠かれたり、凹陥されたりして上記内筒25の回り止め用突起25bが嵌合する嵌合部21bが形成されている。第2外筒21は、第2挿通孔21aの軸方向に垂直な方向に延びた第2延設部26を備えている。この第2延設部26には、第2ビス挿通孔26aが設けられている。第2延設部26の内筒25と反対側には、後述する信号線31を係止するための信号線配設部27が形成されている。この信号線配設部27には、後述するグランド線35の一端に接続されるアース板金37が設けられるようになっている。
図4及び図5に示すように、上記第1の筐体3を組み付ける際に、第1外筒20は、第1ビス挿通孔23aに筐体組付用ビス99が挿通されて第1の筐体3に共締めされるようになっている。同様に第2外筒21も、第2ビス挿通孔26aに筐体組付用ビス99が挿通されて第1の筐体3に共締めされるようになっている。
図8に示すように、上記第1の筐体3の第1基板2と第2の筐体5の第2基板4とは、複数の細い電線30で構成された信号線31で接続されるようになっている。各電線30の各端部は、第1の筐体3側の第1コネクタ32と、第2の筐体5側の第2コネクタ33とに接続されている。第1コネクタ32が第1基板2に接続され、第2コネクタ33が第2基板4に接続されるようになっている。この信号線31は、第1コネクタ32及び第2コネクタ33周辺を除く中間部で複数の細い電線30が一本に束ねられ、この束ねられた状態で、その外周を樹脂製の固定用テープ34で覆われている。信号線31は、固定用テープ34の外周から、複数の導線をメッシュ状に編んだグランド線35(図15及び図16に拡大して示す)で覆われている。
上記グランド線35は、信号線31の第2コネクタ33側となる部分が信号線31から分岐され、その先端にグランド端子36(図9にのみ示す)が接続されている。また、グランド線35の第1コネクタ32側には、複数の導線がかしめられた、かしめ部39(図15に示す)が形成されている。グランド線35を構成する導線は、図示しないが、例えば、中心の太さ50デニールのポリエステル糸と、その外周を覆った銅箔とで構成されている。この構成により、伝導性を備えた柔軟性のあるグランド線35が形成されている。上記グランド線35のグランド端子36は、第2基板4を第2の筐体5に筐体組付用ビス99でビス止めする際に第2基板4に共締めされて接地されるようになっている。
図14乃至図17に示すように、上記第1基板2と第2基板4とを接続する信号線31は、上記膨出部15、第2外筒21及び内筒25の内部を通過している。図11及び図12に示すように、上記信号線配設部27に設けたアース板金37には、その中心の平坦な部分に第2延設部26の第2ビス挿通孔26aと同心となるように貫通孔37aが形成されている。アース板金37は、信号線31を挟み込むための断面円弧状の狭持部37bを備えている。また、アース板金37は、第2挿通孔21aの中心に向かって延び、先端が断面略円弧状に折り曲げられた折曲部37cを備えている。この折曲部37cの先端が信号線配設部27に設けた凹部27aに係止されるようになっている。さらに、アース板金37は、上記第1基板2に接地するための平坦な接地部37dを備えている。
上記アース板金37は、上記第2外筒21が第1の筐体3に筐体組付用ビス99によってビス止めされる際に共締めされ、上記マグネシウムフレーム13にも接地されるようになっている。
−折畳み式携帯電話機の組付方法−
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1の組付方法について図面を用いて説明する。
まず、図9に示すように、信号線31の第2コネクタ33を取り付けた状態でサブ組立された第2基板4を用意する。このとき、グランド線35のグランド端子36を第2基板4に設けた基板側ビス挿通孔95に位置合わせしておく。
次いで、図8に示すように、第2表面側キャビネット5aに装飾用カバー16及び軸受部材24を嵌め込んでおく。
次いで、図10に示すように、第2表面側キャビネット5aの裏面側に操作キー9が貼り付けられたシート40を嵌め込む。そして、第2基板4の係止爪4aを第2表面側キャビネット5aの基板固定用係止穴94に嵌め込んで、第2基板4を固定する。このとき、コネクタカバー38で覆った第1コネクタ32が膨出部15を通過する。
次いで、図8に示すように、開閉軸22を、その平坦部22bが第1外筒20の第1挿通孔20aの平面部に当接するように第1挿通孔20aに挿通させた後、開閉軸挿通孔24aに挿通させ、その係止爪22aを軸受部材24に引っ掛けて、第1外筒20を膨出部15に取り付ける。
次いで、第2表面側キャビネット5aと第2裏面側キャビネット5bとで第2基板4を挟み込む。
次いで、表面側から筐体組付用ビス99を第2ビス挿通孔92及び基板側ビス挿通孔95に挿通し、裏側第2ビス固定用ボス部に締結する。このとき、グランド端子36が共締めされ、第2基板4に接地する。同様に裏面側から筐体組付用ビス99を裏側第2ビス固定用ボス部及び基板側ビス挿通孔95に挿通し、第2表面側キャビネット5aの表側第2ビス固定用ボス部93に締結し、第2の筐体5が組み付けられる。
次いで、図11及び図12に示すように、第2外筒21に内筒25及びアース板金37を嵌め込んでおく。
次いで、図14に示すように、信号線31の第1コネクタ32を内筒25に通しながら、この内筒25を膨出部15に挿通して、第2外筒21を膨出部15に取り付ける。
次いで、図15乃至図17に示すように、信号線31を引っ張り、折曲部37c(図15に斜線で示す)に押し付けながら、グランド線35のかしめ部39をアース板金37に当接させるようにして、狭持部37bに挟み込む。
次いで、図7に示すように、第1表面側キャビネット3aに液晶ディスプレイ、マグネシウムフレーム13及び第1基板2を嵌め込んでおく。
次いで、図4乃至図7に示すように、第1コネクタ32を第1基板2に取り付け、第1外筒20の第1ビス挿通孔23a及び第2外筒21の第2ビス挿通孔26aをマグネシウムフレーム13のビス用貫通孔13aに位置合わせする。なお、図4乃至図6では、信号線31を省略している。
最後に裏側から第1裏面側キャビネット3bで第1基板2を挟み込み、ヒンジ部6側において、表面側から筐体組付用ビス99を第1ビス挿通孔90、ビス用貫通孔13a及び第1ビス挿通孔23a又は第2ビス挿通孔26aに挿通し、第1ビス固定用ボス部91に締結する。また、残りの筐体組付用ビス99を第1ビス挿通孔90及びビス用貫通孔13aに挿通し、第1ビス固定用ボス部91に締結する。このとき、アース板金37の接地部37dが第1基板2に接地すると共に、第2ビス挿通孔26aと共に締め付けられた貫通孔37a周辺がマグネシウムフレーム13に接地する。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の筐体3の第1及び第2外筒20,21を樹脂で構成し、弾性部材を有する開閉軸22を第1外筒20にのみ設け、信号線31を膨出部15と第2外筒21と内筒25との内部に通過させている。このため、ヒンジ部6の構成を簡易にして組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えを向上させると共に、軽量化を図ることができる。
また、第1及び第2外筒20,21を高強度及び高剛性の樹脂材料で形成し、第1の筐体3に取り付けている。このため、開閉操作を繰り返し行うことによる第1及び第2外筒20,21の損傷を防止することができると共に、強度が必要な部分のみを高強度及び高剛性の樹脂材料で形成しているので、コストパフォーマンスがよい。
また、内筒25を耐摩耗性の高い樹脂材料としている。このため、開閉操作を繰り返し行うことによる内筒25の摩耗を防ぐことができると共に、樹脂材料で構成しているので、さらに軽量化を図ることができる。
また、信号線31を、複数の細い電線30を一本に束ねた状態でメッシュ状のグランド線35で覆い、このグランド線35の一端を第2外筒21に設けたアース板金37に接続して第1基板2に接地し、他端を第2基板4に接地している。このため、信号線31の外径が小さく押さえられるので、容易に配線を行うことができ、さらに組付性を向上させることができると共に、第1基板2と第2基板4との間の電位差を確実に小さくして誤動作を防止することができる。
また、信号線31に接続されたアース板金37を、第2外筒21を第1の筐体3にビス止めする際に第1の筐体3の内部に設けたマグネシウムフレーム13に接地させている。このため、組付性をさらに向上させることができると共に、信号線31を第1基板2とマグネシウムフレーム13とに接地させているので、さらに第1基板2と第2基板4との間の電位差を小さくして誤動作を防止することができる。
さらに、第1の筐体3を第2の筐体5よりも小さく形成したことにより、第2の筐体5をつかんだ状態での第1の筐体3の開閉操作が極めて容易になるので、さらに商品性の高い折畳み式携帯電話機1が得られる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、第1及び第2の筐体1,3を開いたときに第1外筒20が左側に第2外筒21が右側になるようにしているが、逆に第1外筒20を右側に第2外筒21を左側に設けてもよい。
上記実施形態では、折畳み式電子機器として、折畳み式携帯電話機1の例を示しているが、これに限定されず、第1基板2を有する第1の筐体3と、第2基板4を有する第2の筐体5とを備え、該第1の筐体3と第2の筐体5とが、ヒンジ部6によって折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器であればよい。つまり、PC、モバイルツール、電子辞書、電卓などの電子機器であってもよいし、PHS、PDAなどの折畳み式携帯通信機器でもよい。このことで、組付性、コストパフォーマンス及び外観の見映えが向上した軽量な折畳み式電子機器や折畳み式携帯通信機器が得られる。
上記実施形態では、表示部に液晶ディスプレイを設けているが、有機ELディスプレイを設けてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを備え、該第1の筐体と第2の筐体とが、ヒンジ部によって折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器について有用である。
本発明の実施形態に係る折畳み式携帯電話機の閉じた状態を前方から見た斜視図である。 携帯電話機の開いた状態を前方から見た斜視図である。 携帯電話機の閉じた状態を後方から見た斜視図である。 第1の筐体を分解した携帯電話機の分解斜視図である。 携帯電話機を別方向から見た図4相当図である。 閉じた状態の携帯電話機の第1裏面側キャビネットを取り外した分解斜視図である。 開いた状態の携帯電話機の第1裏面側キャビネットを取り外した状態を示す背面図である。 ヒンジ部の分解斜視図である。 第2基板及び通信線を示す斜視図である。 第2の筐体の分解斜視図である。 第2外筒に内筒及びアース板金を組み込んだ様子を示す拡大斜視図である。 第2外筒に内筒及びアース板金を組み込む様子を拡大して示す分解斜視図である。 軸受部材の拡大斜視図である。 信号線を第2外筒及び内筒に通す様子を示す斜視図である。 信号線をアース板金に組み付ける様子を示す斜視図である。 信号線がアース板金に組み付けられた様子を示す斜視図である。 図16をA方向から見た矢視図である。
符号の説明
1 携帯電話機(折畳み式電子機器、折畳み式携帯通信機器)
2 第1基板
3 第1の筐体
4 第2基板
5 第2の筐体
6 ヒンジ部
7 液晶表示部(表示部)
10 操作部
13 マグネシウムフレーム(補強部材)
15 膨出部
20 第1外筒
21 第2外筒
22 開閉軸
25 内筒
31 信号線
35 グランド線
37 アース板金

Claims (8)

  1. 第1基板を有する第1の筐体と、第2基板を有する第2の筐体とを備え、該第1の筐体と第2の筐体とが、ヒンジ部によって折畳み開閉自在に連結された折畳み式電子機器であって、
    上記ヒンジ部は、上記第2の筐体から垂直に膨出した中空の膨出部と、上記第1の筐体に設けられて上記膨出部を両側から挟み込む樹脂製の第1及び第2外筒とを備え、
    上記第1外筒から膨出部の該第1外筒側端部に渡り、上記第1の筐体の開閉操作を補助する弾性部材を備えた開閉軸が挿入され、
    上記第2外筒から膨出部の該第2外筒側端部に渡り、中空の内筒が挿入され、
    上記第1基板と第2基板とを接続する信号線は、上記膨出部と第2外筒と内筒との内部を通過していることを特徴とする折畳み式電子機器。
  2. 請求項1に記載の折畳み式電子機器において、
    上記第1及び第2外筒は、上記第1の筐体よりも高強度及び高剛性の樹脂材料で形成され、該第1の筐体に取り付けられていることを特徴とする折畳み式電子機器。
  3. 請求項1又は2に記載の折畳み式電子機器において、
    上記内筒は、上記第2外筒及び膨出部よりも耐摩耗性の高い樹脂材料で構成されていることを特徴とする折畳み式電子機器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の折畳み式電子機器において、
    上記信号線は、その両端部を除く中間部で複数の細い電線が一本に束ねられ、該束ねられた状態で、その外周が、複数の導線をメッシュ状に編んだグランド線で覆われ、
    上記第2外筒には、上記グランド線の一端に接続されるアース板金が設けられ、該アース板金は、上記第1基板に接地され、
    上記グランド線の他端は、上記第2基板に接地されていることを特徴とする折畳み式電子機器。
  5. 請求項4に記載の折畳み式電子機器において、
    上記第1の筐体の内部には、伝導性のある補強部材が設けられ、
    上記第1基板は、上記補強部材に取り付けられ、
    上記アース板金は、上記第2外筒が第1の筐体にビス止めされる際に上記補強部材に共締めされて接地されるように構成されていることを特徴とする折畳み式電子機器。
  6. 折畳み式携帯通信機器であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の折畳み式電子機器。
  7. 請求項6に記載の折畳み式電子機器において、
    折畳み式携帯電話機であり、
    上記第1の筐体には、表示部が設けられ、
    上記第2の筐体には、操作部が設けられていることを特徴とする折畳み式電子機器。
  8. 請求項7に記載の折畳み式電子機器において、
    上記第1の筐体の平面視の外形は、上記第2の筐体の平面視の外形よりも小さいことを特徴とする折畳み式電子機器。
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