JP2007162508A - 内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着剤への排気ガスの供給を制御する切換弁に対する制御性を向上させることが可能な内燃機関の排気制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気制御装置は、排気ガス中の未燃焼成分を吸着する吸着剤が設けられた第1の通路と、吸着剤をバイパスする第2の通路とのいずれかに排気ガスが流れるように切換弁を用いて制御を行う。第1の流路絞り弁は負圧供給通路上に設けられ、第2の流路絞り弁は第1の流路絞り弁と切換弁制御機構との間の負圧供給通路上に設けられている。また、第1の流路絞り弁と第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路は、少なくとも、切換弁制御機構を動作させることができる程度の負圧を蓄圧可能な容積に構成されている。したがって、負圧供給通路内に蓄圧された負圧を用いることによって、切換弁に対する制御性を向上させることができる。また、バキュームタンクなどを用いる必要がないため、省スペース化を実現することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気制御装置に関する。
従来より、排気ガス中の未燃焼成分(HC(炭化水素)などに対応する)を吸着する吸着剤が設けられた通路と、吸着剤をバイパスする通路のいずれかに排気ガスが流れるように、切換弁を用いて制御を行う排気制御装置が知られている。通常、排気通路に配置される三元触媒などの触媒は、冷始動時には排気ガス中の未燃焼成分を効果的に浄化することができない。そのため、冷始動時には、吸着剤によって未燃焼成分を吸着させる。この場合、排気制御装置は、吸着剤が設けられた通路に排気ガスが流れるように切換弁を制御する。
一方、吸着剤は、温度が高いほど未燃焼成分を吸着し難くなり、例えば80℃を超える付近から、吸着する未燃焼成分を外部へ脱離し始める特性を有している。そのため、排気ガスの温度が、未燃焼成分が脱離されるような温度に達した場合に、排気制御装置は、吸着剤をバイパスする通路に排気ガスが流れるように切換弁を制御する。
また、吸着剤に未燃焼成分が吸着された場合は、その後、その吸着剤を再生すべく、吸着剤から未燃焼成分を脱離させ(パージ)、その未燃焼成分を触媒により浄化することが必要となる。そのため、排気制御装置は、触媒の温度が活性可能な温度に達した場合などに、吸着剤が設けられた通路に排気ガスが流れるように切換弁を制御することによって、吸着剤に吸着されている未燃焼成分のパージを実行する。
例えば、特許文献1には、吸着剤の温度が所定以上である場合に、吸着剤に吸着されたHCのパージを行う技術が記載されている。更に、特許文献2には、上記した排気浄化装置と同様の構成を有する装置において、切換弁の故障を判定する技術が記載されている。
特許3613673号公報 特許3589151号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び2に記載された技術では、吸気通路における負圧のみを利用して切換弁を制御しているので切換弁の開閉が成り行きで行われるため、切換弁に対して所望の動作を行わせることができない場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、吸着剤への排気ガスの供給を制御する切換弁に対する制御性を向上させることが可能な内燃機関の排気制御装置を提供することにある。
本発明の1つの観点では、内燃機関の排気制御装置は、排気ガスが流れる通路を、前記排気ガス中の未燃焼成分を吸着する吸着剤が設けられた第1の通路と、前記吸着剤をバイパスする第2の通路とのいずれかに選択的に切り換える切換弁と、供給されるガスの圧力に応じて動作し、前記切換弁の開閉を制御する切換弁制御機構と、負圧発生源と前記切換弁制御機構とを導通させる負圧供給通路上に設けられた第1の流路絞り弁と、前記第1の流路絞り弁と前記切換弁制御機構との間の負圧供給通路上に設けられた第2の流路絞り弁と、を有し、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路は、少なくとも、前記切換弁制御機構を動作させることができる程度の負圧を蓄圧可能な容積に構成されている。
上記の内燃機関の排気制御装置は、排気ガス中の未燃焼成分(HCなど)を吸着する吸着剤が設けられた第1の通路と、吸着剤をバイパスする第2の通路とのいずれかに排気ガスが流れるように、切換弁を用いて選択的に切り換える制御を行う装置である。この場合、切換弁は、供給されるガスの圧力に応じて動作する切換弁制御機構によって開閉が制御される。詳しくは、負圧発生源と切換弁制御機構とを導通させる負圧供給通路上に設けられた第1の流路絞り弁と、第1の流路絞り弁と切換弁制御機構との間の負圧供給通路上に設けられた第2の流路絞り弁と、を制御することによって、切換弁制御機構が動作される。この場合、第1の流路絞り弁と第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路は、少なくとも、切換弁制御機構を動作させることができる程度の負圧を蓄圧可能な容積に構成されている。よって、切換弁制御機構は、第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路に蓄圧された負圧によって動作させることができる。したがって、上記の内燃機関の排気制御装置によれば、切換弁制御機構に対して適切に負圧を供給することができるため、切換弁に対する制御性を向上させることができる。そのため、未燃焼成分の排出を効果的に抑制し、エミッションの悪化を防止することができる。更に、切換弁制御機構に対して負圧を供給するためにバキュームタンクなどを用いる必要がないため、省スペース化を実現することが可能となる。
上記の内燃機関の排気制御装置の一態様では、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内の圧力を取得する圧力取得手段と、始動時において前記圧力取得手段によって取得された圧力が所定圧力以下である場合に、前記第1の流路絞り弁を閉に制御すると共に、前記第2の流路絞り弁を開に制御して、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路に蓄圧された負圧を前記切換弁制御機構に対して供給することによって、前記切換弁を開から閉にするための制御を行う第1の制御手段と、を有する。
この態様では、第1の制御手段は、内燃機関の制御時に、第1の流路絞り弁及び第2の流路絞り弁を制御して、第1の流路絞り弁と第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路に蓄圧された負圧を切換弁制御機構に対して供給することによって、切換弁を開から閉にすることができる。
上記の内燃機関の排気制御装置の他の一態様では、始動時において前記圧力取得手段によって取得された圧力が所定圧力よりも高い場合に、前記第1の流路絞り弁及び前記第2の流路絞り弁を開に制御し、前記負圧発生源から前記切換弁制御機構に対して負圧を供給する制御を行うと共に、前記切換弁が開から閉になるまで前記内燃機関の始動を遅延させる制御を行う第2の制御手段を更に有する。
この態様では、第2の制御手段は、第1の流路絞り弁と第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内の圧力が所定圧力よりも高い場合に、即ち切換弁制御機構を作動させるのに十分な負圧が蓄圧されていない場合に、負圧発生源の負圧をそのまま切換弁制御機構に対して供給する制御を行う。更に、第2の制御手段は、切換弁が開から閉になるまで内燃機関の始動を遅延させる制御を行うことができる。これにより、始動時におけるエミッションの悪化を効果的に抑制することができる。
上記の内燃機関の排気制御装置の他の一態様では、前記第1の流路絞り弁を開に制御すると共に、前記第2の流路絞り弁を閉に制御することによって、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内に、前記負圧発生源から供給される負圧を蓄圧するための制御を行う蓄圧制御手段を有する。
上記の内燃機関の排気制御装置において好適には、始動時における前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内に蓄圧された負圧を、先回トリップからのソーク時間に基づいて推定する手段を有する。推定された負圧を用いることにより、始動時に行う制御の精度を向上させることができる。
好適な実施例では、前記負圧発生源は、吸気通路に発生する負圧とすることができる。この場合、吸気通路と切換弁制御機構とを導通する負圧供給通路を介して、切換弁制御機構に対して負圧が導入される。
更に、他の好適な実施例では、前記負圧発生源は、密閉型の燃料タンク内に蓄圧された負圧とすることができる。この場合、密閉型の燃料タンクと切換弁制御機構とを導通する負圧供給通路を介して、切換弁制御機構に対して負圧が導入される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(車両の構成)
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の排気制御装置が適用された車両100の全体構成を示す概略図である。なお、図1では、実線の矢印がガスの流れの一例を示し、破線の矢印が信号の入出力を示している。
車両100は、主に、吸気通路3と、サージタンク4と、エンジン(内燃機関)5と、排気通路6と、第1触媒7と、HC吸着装置8と、第2触媒9と、切換弁10と、負圧供給通路15と、チェックバルブ16と、第1VSV(Vacuum Switching Valve)17と、第2VSV19と、ダイヤフラム機構20と、圧力センサ30と、ECU(Engine Control Unit)50と、を備える。
吸気通路3には外部から吸入された吸気が通過し、この吸気はサージタンク4に導入される。エンジン5は、サージタンク4内の空気と燃料とを混合した混合気を、燃焼室内で爆発させて動力を発生する。エンジン5として、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを用いることができる。
排気通路6は、エンジン5から排出された排気ガスが流通する。排気通路6中には、上流側から下流側へ順に、第1触媒7と、HC吸着装置8と、第2触媒9が設けられている。第1触媒7及び第2触媒9は、三元触媒などによって構成され、排気ガス中のNOxやSOxを浄化する。
HC吸着装置8は、筒状に構成され、第1の通路61と第2の通路62が形成されている。また、HC吸着装置8の内部には、切換弁10が配置されている。第1の通路61には、排気ガス中に含まれる未燃焼成分としてのHC(炭化水素)を吸着する機能を有するHC吸着剤11(図1中のハッチング部分)が配設されている。切換弁10は、第1の通路61と、HC吸着剤11をバイパスする第2の通路62と、のいずれかに排気ガスが流れるように選択的に切り換える弁である。詳しくは、切換弁10が閉である場合には第1の通路61に排気ガスが流れ、切換弁10が開である場合には第2の通路62に排気ガスが流れる。切換弁10は、後述するダイヤフラム機構20によって開閉が制御される。
ここで、切換弁10の開閉についての基本的な考え方について説明する。冷始動時には第2触媒9が排気ガス中のHCを効果的に浄化することができないため、HC吸着剤11によってHCを吸着させるために、冷始動時には第1の通路61に排気ガスが流れるように切換弁10を閉に設定する。また、HC吸着剤11は、排気ガスの温度が高くなると、吸着するHCを外部へ放出し始める特性を有しているため、HCがパージされるような温度に排気ガスの温度が達した場合(この場合には、第2触媒9は概ね活性している)に、第2の通路62に排気ガスが流れるように切換弁10を閉から開に切り換える。
次に、上記した切換弁10の開閉を制御する機構について説明する。切換弁10は、ダイヤフラム機構20によって開閉が制御される。詳しくは、ダイヤフラム機構20は、負圧供給通路15を介して供給されるガスの圧力によって動作が制御される。
負圧供給通路15は、サージタンク4とダイヤフラム機構20とを導通させる通路である。負圧供給通路15には、サージタンク4側からダイヤフラム機構20側に順に、チェックバルブ16、第1VSV17、圧力センサ30、第2VSV19が設けられている。チェックバルブ16は、サージタンク4における圧力が負圧供給通路15側の圧力に比して低圧である場合に、負圧供給通路15側からサージタンク4側へ向かうガスの流れを許容する一方向弁である。
第1VSV17と第2VSV19との間に負圧供給通路15は、負圧を蓄圧可能に構成されている。以下では、第1VSV17と第2VSV19との間に負圧供給通路15を、「負圧蓄圧通路18」と呼ぶ。詳しくは、負圧蓄圧通路18は、少なくとも、ダイヤフラム機構20を動作させることができる程度の負圧を蓄圧可能な容積に構成されている。例えば、負圧蓄圧通路18の配管の内径は、サージタンク4と第1VSV17とを接続する負圧供給通路15などの配管の内径よりも大きい。また、負圧蓄圧通路18には、吸気通路3内の負圧が導入される。この場合、吸気通路3に発生する負圧が負圧発生源となる。
第1VSV17は、ECU50から供給される制御信号S1によって電気的に制御され、第1の流路絞り弁として機能する。また、第2VSV19は、三方弁によって構成され、第1VSV17側に接続された開口部(以下、「第1開口部」と呼ぶ。)と、ダイヤフラム機構20側に接続された開口部(以下、「第2開口部」と呼ぶ。)と、大気開放された開口部(以下、「第3開口部」と呼ぶ。)と、を有する。例えば、第1開口部と第2開口部を開にし、第3開口部を閉にした場合には、ガスは負圧蓄圧通路18を介して第2VSV19に流れ込み、このガスはダイヤフラム機構20に供給される。また、第2開口部と第3開口部を開にし、第1開口部を閉にした場合には、大気が第2VSV19に流れ込み、この大気がダイヤフラム機構20に供給される。また、第2VSV19は、ECU50から供給される制御信号S2によって電気的に制御され、第2の流路絞り弁として機能する。
更に、負圧蓄圧通路18上には圧力センサ30が設けられており、圧力センサ30は負圧蓄圧通路18内の圧力を検出する。圧力センサ30が検出した圧力は、ECU50に検出信号S3として供給される。このように、圧力センサ30は、負圧蓄圧通路18内の圧力を取得する圧力取得手段として機能する。
ダイヤフラム機構20は、供給されるガスの圧力(以下、「作用圧」とも呼ぶ。)に応じて切換弁10の開閉を制御する。詳しくは、ダイヤフラム機構20は、内部が大気圧に維持されており、供給されるガスの圧力(負圧と大気圧に該当する)と、内部における大気圧との差に応じて動作する。具体的には、ダイヤフラム機構20は、大気圧が導入された場合には切換弁10が開となるように動作し、大気圧よりも低圧である負圧が導入された場合には切換弁10が閉となるように動作する。このように、ダイヤフラム機構20は切換弁制御機構として機能する。
ここで、図2を用いて、ダイヤフラム機構20の構造について説明する。図2は、HC吸着装置8とダイヤフラム機構20を拡大して示した図である。ダイヤフラム機構20には、ダイヤフラム22が設けられている。ダイヤフラム22は、ダイヤフラム機構20の内部空間を、変圧室24(図2において左側の部屋)と、大気圧室26(図2において右側の部屋)とに区画している。ダイヤフラム22には、作動ロッド28を介して上記した切換弁10が連結されている。切換弁10は、ダイヤフラム22が変圧室24側へ最大限にたわんだ状態では全閉状態となることにより、第1の通路61を導通させ、第2の通路62を遮断する。この場合には、排気ガスは矢印X1で示すように流れる。一方、切換弁10は、ダイヤフラム22がたわんでいない状態では全開状態となることにより、第2の通路62を導通し、第1の通路61を遮断する。この場合には、排気ガスは矢印X2で示すように流れる。
図1に戻って、ECU50について説明する。ECU50は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU50は、第1VSV17と第2VSV19の制御を行うことによって、ダイヤフラム機構20に対して供給するガスの圧力を制御して、間接的に切換弁10の制御を行う。具体的には、ECU50は、始動時に切換弁10を閉にするために第1の制御手段及び第2の制御手段として機能すると共に、負圧蓄圧通路18内に負圧を蓄圧するための制御を行う蓄圧制御手段、及び、始動時において負圧蓄圧通路18内に蓄圧された負圧を推定する手段、として機能する。
(始動時制御方法)
次に、第1実施形態に係る、エンジン5の始動時に実行される制御(以下、「始動時制御」と呼ぶ。)について説明する。
始動時制御は、エンジン5の始動時において、切換弁10を閉に設定するために行われる。具体的には、ダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧が負圧蓄圧通路18内に蓄圧されている場合(即ち、切換弁10を開から閉になるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧が負圧蓄圧通路18内に蓄圧されている場合)には、負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧を用いて、切換弁10を閉に設定するための制御を行う。詳しくは、負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧をダイヤフラム機構20に対して供給することによって、切換弁10を制御する。
更に、始動時制御においては、ダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧が負圧蓄圧通路18内に蓄圧されていないときには、吸気通路3における負圧をそのままダイヤフラム機構20に対して供給することによって切換弁10を閉にするための制御、及び、切換弁10が全閉となるまでエンジン5の始動を遅延させる制御を行う。このような始動時制御中において行われる、エンジン5の始動を遅延させる制御を、以下では「遅延始動制御」と呼ぶ。
なお、ECU50は、第1の制御手段及び第2の制御手段として機能することによって、前述した始動時制御(遅延始動制御を含む)を行う。
図3は、第1実施形態に係る始動時制御を行うための処理を示すフローチャートである。この処理は、始動時において、切換弁10を閉に設定するために行われる。詳しくは、負圧蓄圧通路18の圧力が所定圧力α以下である場合には、負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧を用いて切換弁10の制御を行い、負圧蓄圧通路18の圧力が所定圧力αより高い場合には、遅延始動制御を行う。なお、この処理は、ECU50によって繰り返し実行される。
まず、ステップS301では、ECU50は、始動要求があるか否かを判定する。始動要求がある場合(ステップS301;Yes)には、処理はステップS302に進み、始動要求がない場合(ステップS301;No)には、処理は当該フローを抜ける。
ステップS302では、ECU50は、切換弁10を閉に設定する要求があるか否かを判定する。即ち、第1の通路61に排気ガスを流すべき要求があるか否かを判定する。切換弁10を閉にする要求がある場合(ステップS302;Yes)には、処理はステップS303に進み、切換弁10を閉にする要求がない場合(ステップS302;No)には、処理は当該フローを抜ける。
ステップS303では、ECU50は、負圧蓄圧通路18の圧力(圧力センサ30が検出した圧力に対応する)が所定圧力α以下であるか否かを判定する。この所定圧力αは、予め設定された圧力であり、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧があることに対応する。
負圧蓄圧通路18内の圧力が所定圧力α以下である場合(ステップS303;Yes)には、処理はステップS304に進む。この場合には、ダイヤフラム機構20を作動して、切換弁10を閉にするために十分な負圧が負圧蓄圧通路18内に蓄圧されている。ステップS304では、ECU50は、負圧蓄圧通路18とダイヤフラム機構20とが連通されるように第2VSV19を制御する。即ち、第2VSV19に対して、第1開口部と第2開口部を開にし、第3開口部を閉にする。また、ECU50は、第1VSV17を閉に維持する。これにより、負圧蓄圧通路18内の負圧がダイヤフラム機構20に対して供給され、切換弁10が閉となる。そして、処理はステップS305に進む。
ステップS305では、ECU50は、始動許可を出す。具体的には、ECU50は、エンジン5への燃料噴射を実行するための指示を出す。この場合には切換弁10が閉となっているため、エンジン5から排出される排気ガスは第1の通路61に流れるので、排気ガス中のHCなどをHC吸着剤11によって吸着させることができる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、負圧蓄圧通路18内の圧力が所定圧力αより高い場合(ステップS303;No)には、処理はステップS306に進む。この場合には、ダイヤフラム機構20を作動して、切換弁10を閉にするために十分な負圧が負圧蓄圧通路18内に蓄圧されていない。ステップS306では、遅延始動制御を行うために、遅延始動モードを選択する。そして、処理はステップS307に進む。ステップS307では、ECU50は、後述する遅延始動制御を実行する。そして、遅延始動制御が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
次に、遅延始動制御について説明する。遅延始動制御は、負圧蓄圧通路18内の負圧が所定圧力αよりも高い場合に実行される。この場合には、負圧蓄圧通路18内のガスを用いても切換弁10を閉にすることができないため、吸気通路3内の吸気を用いて切換弁10を全閉にさせる。詳しくは、第1VSV17を開にすると共に、第2VSV19を開にする(第1開口部と第2開口部を開にし、第3開口部を閉にする)ことにより、吸気通路3内の吸気をそのままダイヤフラム機構20に対して供給する。また、遅延始動制御では、上記のように第1VSV17及び第2VSV19を制御すると共に、エンジン5のクランキングを行う。このように、吸気通路3内の吸気をダイヤフラム機構20に対して供給しつつ、クランキングを行うことにより、やがて切換弁10が閉になる。
更に、遅延始動制御においては、切換弁10が閉になるまで、エンジン5の始動を遅延させる。言い換えると、遅延始動制御では、切換弁10が閉になった時点で、エンジン5の始動(燃料噴射)を行う。これにより、切換弁10が開の状態で排気ガスが排出されないため、即ち排気ガスが第2の通路62に流れないため、始動時に発生するHCなどを適切に処理することが可能となる。
図4は、遅延始動制御を説明するための図である。図4(a)、(b)の横軸は、時間を示し、図4(a)の縦軸はエンジン回転数を示し、図4(b)の縦軸は圧力を示している。詳しくは、図4(a)中の符号D1で示す曲線がエンジン回転数の変化を示し、図4(b)中の符号D2で示す曲線がダイヤフラム機構20の作用圧を示し、図4(b)中の符号D3で示す曲線(一点破線で示す)が吸気通路3内の圧力を示している。
時刻t1は、遅延始動制御の実行を開始する時刻である。即ち、ECU50は、時刻t1において、吸気通路3内の吸気の供給をダイヤフラム機構20に対して開始すると共に、クランキングを開始する。これにより、エンジン回転数が上昇すると共に、吸気通路3内の圧力とダイヤフラム機構20の作用圧が低下していく。そして、時刻t2において、切換弁10が全閉になる。そのため、ECU50は始動許可を出す。これにより、時刻t3において、エンジン5の初爆が行われる。図4に示す例の場合には、時刻t1から時刻t3までの期間が、遅延始動時間に対応する。
なお、遅延始動制御の開始から切換弁10が閉となるまでの時間(上記した時刻t1と時刻t2との間の時間)は、以下の3つの前提条件が満たされて場合に、推定することができる。そのため、ECU50は、遅延始動制御において、遅延始動制御の開始から推定された時間が経過した際に、始動許可(燃料噴射を実行する指示)を出すことができる。
・エンジン負圧が一定であること
・負圧供給通路15の容積で一定であること
・負圧供給通路15の圧損が一定であること
エンジン負圧を一定にするために、始動時であればクランキング回転を一定にし、バルブタイミングを固定することが好ましい。また、負圧供給通路15の容積においては、ダイヤフラム機構20における容積が変化するが、時間的にはダイヤフラム22のばね力の影響が大きいため部品諸元で律束するので、上記の推定に与える影響は小さいといえる。更に、負圧供給通路15の圧損においても、部品諸元で律束されるため、制御上は影響が小さいといえる。
図5は、前述した遅延始動制御(図3のステップS307の処理)を行うための処理を示すフローチャートである。この処理も、ECU50が行う。
まず、ステップS401では、ECU50は、遅延始動モードを選択しているか否かを判定する。遅延始動モードを選択している場合(ステップS401;Yes)には、処理はステップS402に進み、遅延始動モードを選択していない場合(ステップS401;No)には、処理は当該フローを抜ける。
ステップS402では、ECU50は、第1VSV17を開に設定し、第2VSV19を開に設定する。具体的には、ECU50は、第2VSV19に対して、第1開口部と第2開口部を開にし、第3開口部を閉にする。これにより、吸気通路3内の吸気が、負圧供給通路15を流れて、そのままダイヤフラム機構20に対して供給される。そして、処理はステップS403に進む。ステップS403では、ECU50は、エンジン5に対してクランキングを行う。そして、処理はステップS404に進む。
ステップS404では、ECU50は、切換弁10が全閉に設定されたか否かを判定する。具体的には、ECU50は、ダイヤフラム機構20への吸気の導入及びクランキングの実行の開始からの時間に基づいて、切換弁10が全閉に設定されたか否かを判定する。詳しくは、ECU50は、遅延始動制御の開始時刻からの経過時間と、切換弁10が閉になるべき時間として推定された時間と、を比較することによって判定を行う。
切換弁10が全閉に設定されていると判定された場合(ステップS404;Yes)には、処理はステップS405に進み、ECU50は、始動許可を出す。具体的には、ECU50は、エンジン5への燃料噴射を実行するための指示を出す。この場合には切換弁10が閉となっているため、エンジン5から排出される排気ガスは第1の通路61に流れるので、排気ガス中のHCなどをHC吸着剤11によって吸着させることができる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、切換弁10が全閉に設定されていると判定された場合(ステップS404;Yes)には、処理は当該フローを抜ける。この場合には、切換弁10が全閉となっていないため、当該フローを一旦抜けて、再度行うことにより、遅延始動制御を継続する。
このように、第1実施形態に係る始動時制御を行うことにより、エンジン5の始動時に、ダイヤフラム機構20に対して適切に負圧を供給することができるため、切換弁10に対する制御性を向上させることが可能となる。したがって、第1実施形態によれば、切換弁10の制御性を向上しつつ、HCなどの未燃焼成分の排出を効果的に抑制し、エミッションの悪化を防止することができる。また、ダイヤフラム機構20に対して負圧を供給するためにバキュームタンクなどを用いる必要がないため、省スペース化を実現することが可能となる。
(蓄圧制御方法)
次に、第1実施形態に係る、負圧蓄圧通路18に負圧を蓄圧するための制御(以下、この制御を「蓄圧制御」と呼ぶ。)について説明する。この蓄圧制御は、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧を、負圧蓄圧通路18内に蓄圧させるための制御である。
図6は、遅延始動制御を行うための処理を示すフローチャートである。この処理も、ECU50が繰り返し実行する。
まず、ステップS501では、ECU50は、負圧蓄圧通路18への負圧の蓄圧が完了しているか否かを判定する。例えば、ECU50は、圧力センサ30が検出した圧力に基づいて蓄圧の完了を判定する。蓄圧が完了している場合(ステップS501;Yes)には、処理はステップS502に進み、蓄圧が完了していない場合(ステップS501;No)には、処理はステップS503に進む。
ステップS502では、ECU50は、蓄圧時間カウンタCを「0」にリセットする。なお、蓄圧時間カウンタCは、負圧蓄圧通路18への負圧の蓄圧を開始してからの時間に対応する。この場合、蓄圧が完了しているため、負圧蓄圧通路18内に蓄圧させるための制御を行わない。よって、処理は当該フローを抜ける。
ステップS503では、ECU50は、エンジン負荷が所定値以下であるか否かを判定する。ここでは、ECU50は、エンジン5の運転状態が、吸気通路3内において負圧が発生するような状態にあるか否かを判定する。例えば、スロットルバルブを全開などにしている場合(この場合、エンジン負荷は所定値よりも大きい)には、吸気通路3内において適切な負圧は発生しない。よって、エンジン負荷が所定値よりも大きい場合(ステップS503;No)には、処理はステップS502に進み、ECU50は蓄圧時間カウンタCを「0」にリセットする。この場合には、エンジン5の運転状態が、吸気通路3内において負圧が発生するような状態にないため、負圧蓄圧通路18内に負圧を蓄圧させるための制御を行わない。そして、処理は当該フローを抜ける。
一方、エンジン負荷が所定値以下である場合(ステップS503;Yes)には、処理はステップS504に進む。この場合には、エンジン5の運転状態が、吸気通路3内において負圧が発生するような状態にある。ステップS504では、ECU50は、第1VSV17を開に設定すると共に、第2VSV19を閉に設定する。具体的には、ECU50は、第2VSV19に対して、第1VSV17側に接続された第1開口部を閉にする制御を行う。これにより、吸気通路3から負圧供給通路15へと導入された負圧が、負圧蓄圧通路18内に蓄圧される。以上の処理が終了すると、処理はステップS505に進む。
ステップS505では、ECU50は、蓄圧時間カウンタCをカウントアップする。そして、処理はステップS506に進む。ステップS506では、ECU50は、蓄圧完了判定値C1を算出する。蓄圧完了判定値C1は、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧を、負圧蓄圧通路18に蓄圧させるために蓄圧制御を行うべき時間に対応する。詳しくは、蓄圧完了判定値C1は、エンジン負荷やエンジン回転数によって規定されるマップなどに基づいて決定される。そして、処理はステップS507に進む。
ステップS507では、ECU50は、蓄圧時間カウンタCが蓄圧完了判定値C1よりも大きいか否かを判定する。蓄圧時間カウンタCが蓄圧完了判定値C1以下である場合(ステップS507;No)には、蓄圧時間カウンタCをリセットせずに、当該フローを抜ける。この場合には、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧が、負圧蓄圧通路18に蓄圧されていない。そのため、当該フローを一旦抜けて、再度行うことにより、上記した蓄圧時間カウンタCを用いて蓄圧制御を続行する。
一方、蓄圧時間カウンタCが蓄圧完了判定値C1より大きい場合(ステップS507;Yes)には、処理はステップS508に進む。この場合には、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧が、負圧蓄圧通路18内に蓄圧されているため、ステップS508においてECU50は蓄圧を完了する。そして、処理はステップS509に進み、ECU50は、この際の負圧蓄圧通路18内の圧力を「負圧値P」として記憶する。なお、負圧値Pは、始動時において負圧蓄圧通路18内に蓄圧された負圧を推定するために用いる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
上記した蓄圧制御を行うことにより、負圧蓄圧通路17内に適切に負圧を蓄圧することが可能となる。
(負圧推定値算出方法)
次に、始動時において、負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧を推定する方法について説明する。
先回トリップから今回トリップの始動までの間に、負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧が漏れてしまうことがわかっている。そのため、この漏れた圧力(以下、「圧漏れ量Pleak」と呼ぶ。)を考慮に入れて、始動時における負圧蓄圧通路18に蓄圧された負圧を推定することが好ましい。具体的には、前述した蓄圧制御に係る処理において記憶された負圧値Pから圧漏れ量Pleakを減算した値を、始動時における負圧値(以下、「負圧推定値」と呼ぶ。)として推定する。この場合、圧漏れ量Pleakは、先回トリップからのソーク時間(エンジン停止時から次に始動するまでの時間を意味する)に基づいて算出する。
図7は、負圧推定値の算出処理を示すフローチャートである。この処理は、エンジン5の始動時に、ECU50によって実行される。
まず、ステップS601では、ECU50は、先回トリップからのソーク時間を読み込む。そして、処理はステップS602に進む。ステップS602では、ECU50は、先回トリップにおける負圧値Pを読み込む。負圧値Pは、図6に示すフローのステップS509の処理において記憶された値である。そして、処理はステップS603に進む。
ステップS603では、ECU50は、圧漏れ量Pleakを算出する。具体的には、ECU50は、マップを用いて圧漏れ量Pleakを得る。
図8は、圧漏れ量Pleakを得る際に用いるマップの一例を示した図である。図8の横軸はソーク時間を示し、図8の縦軸は圧漏れ量Pleakを示している。これによれば、ソーク時間が長いほど、圧漏れ量Pleakが多くなることがわかる。
図7のステップS603の処理に戻って説明を行う。上記のようにして、圧漏れ量Pleakを算出した後、処理はステップS604に進む。ステップS604では、ECU50は、負圧値Pから圧漏れ量Pleakを減算した値を、始動時における負圧推定値として算出する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
このように算出された負圧推定値を始動時に用いることにより、前述した始動時制御や蓄圧制御を精度良く行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、吸気通路3において発生する負圧を用いる代わりに、密閉型の燃料タンク内に蓄圧された負圧を用いてダイヤフラム機構20を動作させる点で、第1実施形態と異なる。即ち、第2実施形態では、密閉型の燃料タンク内に蓄圧された負圧を負圧発生源として用いる。
図9は、第2実施形態に係る内燃機関の排気制御装置が適用された車両101の全体構成を示す概略図である。なお、図9では、実線の矢印がガスの流れの一例を示し、破線の矢印が信号の入出力を示している。
車両101は、主に、密閉型の燃料タンク65及びエバポパージシステム70を有し、ECU50の代わりにECU51を有し、負圧供給通路15の代わりに負圧供給通路81を有する点で、第1実施形態に係る車両100と構成が異なる。ここでは、上記した車両100における構成要素と同一の構成要素に対しては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
燃料タンク65は、密閉型に構成され、内部に負圧を蓄圧することができる。また、燃料タンク65には、タンク内の圧力(以下、「タンク内圧」と呼ぶ。)を検出するタンク内圧センサ66が設けられている。
エバポパージシステム70は、主に、エバポ通路71と、封鎖弁72と、大気通路73と、ポンプモジュール切換弁74と、キャニスタ75と、パージVSV76と、パージ通路80と、を備える。エバポ通路71は、燃料タンク65とキャニスタ75とを導通させ、キャニスタ75に対してエバポガス(蒸発燃料)を供給すると共に、燃料タンク65に対して負圧を供給する。封鎖弁72は、エバポ通路71上に設けられ、エバポ通路71を通過するガスなどの流量を調整する。大気通路73は、一端が大気開放されており、通路上にポンプモジュール切換弁74が設けられている。ポンプモジュール切換弁74は、キャニスタ75への大気圧の供給を制御する。
キャニスタ75は、燃料タンク65内のエバポガスを吸着する。詳しくは、キャニスタ75内の吸着材にエバポガスが吸着される。パージ通路80は、キャニスタ75と吸気通路3とを導通させ、その通路上にはパージVSV76が設けられている。キャニスタ75内のエバポガスは、パージVSV76が開であるときに、パージ通路80を通過して吸気通路3にパージされる。この場合、吸気通路3の圧力と、大気通路73の圧力との差圧に起因して、キャニスタ75内の吸着材に吸着したエバポガスが離脱する。
また、パージ通路80は、パージVSV76とキャニスタ75との間の通路上に、負圧供給通路81が接続されている。負圧供給通路81は、パージ通路80とダイヤフラム機構20とを導通させ、前述したチェックバルブ16、第1VSV17、第2VSV19、及び圧力センサ30が設けられている。また、第1VSV17と第2VSV19との間の負圧供給通路81は、負圧蓄圧通路18として機能する。
ECU51は、主に、燃料タンク65内の負圧を利用することによってダイヤフラム機構20を制御して、切換弁10の開閉を制御する。具体的には、ECU51は、封鎖弁72と、ポンプモジュール切換弁74と、パージVSV76と、第1VSV17と、第2VSV19の制御を行う。
図10は、第2実施形態に係る始動時制御を示すフローチャートである。この処理は、切換弁10を閉にするために行われる。詳しくは、負圧蓄圧通路18に十分な負圧が蓄圧されていないときに、燃料タンク65に蓄圧された負圧を用いて切換弁10を閉に設定する場合などに行われる。具体的には、燃料タンク65に蓄圧された負圧を、負圧供給通路81を介して、ダイヤフラム機構20に供給することによって切換弁10を閉に設定する。なお、この処理はECU51によって繰り返し実行される。
まず、ステップS701では、ECU51は、始動要求があるか否かを判定する。始動要求がある場合(ステップS701;Yes)には、処理はステップS702に進み、始動要求がない場合(ステップS701;No)には、処理は当該フローを抜ける。
ステップS702では、ECU51は、切換弁10を閉に設定する要求があるか否かを判定する。即ち、第1の通路61に排気ガスを流すべき要求があるか否かを判定する。切換弁10を閉にする要求がある場合(ステップS702;Yes)には、処理はステップS703に進み、切換弁10を閉にする要求がない場合(ステップS702;No)には、処理は当該フローを抜ける。
ステップS703では、ECU51は、ポンプモジュール切換弁74に対して大気側との導通を遮断するように制御し、封鎖弁72を開に制御する。更に、ECU51は、第1VSV17を開に設定し、第2VSV19を開(詳しくは、第1開口部と第2開口部を開にし、第3開口部を閉にする)に設定する。これにより、燃料タンク65に蓄圧された負圧が、負圧供給通路81及び負圧蓄圧通路18を介してダイヤフラム機構20に供給される。これによって、切換弁10が閉となり、排気ガスは第1の通路61に流れる。以上の処理が終了すると、処理はステップS704に進む。
ステップS704では、ECU51は、始動許可を出す。この場合には、始動後に排出される排出ガスは第1の通路61に流れ、排気ガス中のHCをHC吸着剤11によって吸着することができるため、ECU51は始動許可を出す。ステップS704の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
図11は、燃料タンク65へ負圧を蓄圧させるための処理を示すフローチャートである。この処理は、キャニスタ75に吸着されているエバポガスのパージ(以下、「キャニスタパージ」と呼ぶ。)を実行中に行われる。なお、この処理も、ECU51によって繰り返し実行される。
まず、ステップS801では、ECU51は、燃料タンク65への負圧の蓄圧が完了しているか否かを判定する。蓄圧が完了している場合(ステップS801;Yes)には、処理はステップS802に進む。ステップS802では、ECU51は、封鎖弁72を閉に設定する。この場合には、燃料タンク65への負圧の供給を行わない。そして、処理は当該フローを抜ける。一方、蓄圧が完了していない場合(ステップS801;No)には、処理はステップS803に進む。
ステップS803では、ECU51は、キャニスタパージ実行中であるか否かを判定する。本実施形態では、キャニスタパージ実行中に、燃料タンク65を蓄圧させるための処理を行うからである。キャニスタパージ実行中である場合(ステップS803;Yes)には、処理はステップS804に進む。一方、キャニスタパージ実行中でない場合(ステップS803;No)には、処理はステップS802に進み、ECU51は封鎖弁72を閉に設定する。即ち、燃料タンク65への負圧の供給を行わない。そして、処理は当該フローを抜ける。
ステップS804では、ECU51は、燃料タンク65に負圧を導入するため、封鎖弁72を開に設定する。そして、処理はステップS805に進む。ステップS805では、ECU51は、タンク内圧センサ66からタンク内圧を読み込む。そして、処理はステップS806に進む。ステップS806では、ECU51は、タンク内圧が所定圧力β以下であるか否かを判定する。判定に用いる所定圧力βは、予め設定された圧力であり、切換弁10が閉となるようにダイヤフラム機構20を作動させるのに十分な負圧に対応する。具体的には、タンク内圧が所定圧力β以下である場合には、切換弁10を閉にするために十分な負圧が燃料タンク65に蓄圧されているといえる。
タンク内圧が所定圧力β以下である場合(ステップS806;Yes)には、処理はステップS807に進む。ステップS807では、ECU51は、封鎖弁72を閉に設定する。そして、ステップS808に進み、ECU51は燃料タンク65の蓄圧を完了して、処理は当該フローを抜ける。一方、タンク内圧が所定圧力βより高い場合(ステップS806;No)には、処理は当該フローを抜ける。この場合には、燃料タンク65への蓄圧が完了していないため、ECU51は封鎖弁72を開に設定し続けることによって、燃料タンク65への負圧の蓄圧を継続する。
このように、第2実施形態では、燃料タンク65内に効率的に負圧を蓄圧しつつ、燃料タンク65内に蓄圧された負圧を利用して切換弁10の制御を適切に行うことができる。
なお、上記では、燃料タンク65に蓄圧された負圧のみを用いて切換弁10を作動させる例を示したが、第1実施形態で示した制御と同様に、燃料タンク65に蓄圧された負圧を負圧蓄圧通路18内に対して蓄圧させる制御(蓄圧制御)、負圧蓄圧通路18内に蓄圧された負圧を用いた始動時における切換弁10の制御(始動時制御)、及び始動時制御において行われるエンジン5の始動を遅延させる制御(遅延始動制御)、を行うことも可能である。
[変形例]
本発明は、上記した車両100、101をハイブリット車両として構成した場合にも適用することができる。この場合、ハイブリット車両における始動時のクランキング時に発生し得るHCを、適切にHC吸着剤11によって吸着させることができる。
また、上記では、第1VSV17を二方弁で構成し、第2VSV19を三方弁で構成する例を示したが、本発明は、第1VSVを三方弁で構成し、第2VSVを二方弁で構成した場合にも適用することができる。
更に、上記では、負圧蓄圧通路18内の圧力を圧力センサ30によって検出する例を示したが、この代わりに、ECU50、51が、車両100、101内の状態に基づいて負圧蓄圧通路18内の圧力を推定してもよい。
第1実施形態に係る内燃機関の排気制御装置が適用された車両の全体構成を示す概略図である。 ダイヤフラム機構の構造を示す図である。 第1実施形態に係る始動時制御を示すフローチャートである。 遅延始動制御を説明するための図である。 第1実施形態に係る遅延始動制御を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る蓄圧制御を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る負圧推定値の算出処理を示すフローチャートである。 圧漏れ量Pleakを算出する方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る内燃機関の排気制御装置が適用された車両の全体構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る切換弁を閉にするために行う処理を示すフローチャートである。 燃料タンクへ負圧を蓄圧させるための処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3 吸気通路
5 エンジン
9 第2触媒
10 切換弁
11 HC吸着剤
15、81 負圧供給通路
18 負圧蓄圧通路
20 ダイヤフラム機構
17 第1VSV
19 第2VSV
50、51 ECU
61 第1の通路
62 第2の通路
65 燃料タンク
75 キャニスタ
100、101 車両

Claims (7)

  1. 排気ガスが流れる通路を、前記排気ガス中の未燃焼成分を吸着する吸着剤が設けられた第1の通路と、前記吸着剤をバイパスする第2の通路とのいずれかに選択的に切り換える切換弁と、
    供給されるガスの圧力に応じて動作し、前記切換弁の開閉を制御する切換弁制御機構と、
    負圧発生源と前記切換弁制御機構とを導通させる負圧供給通路上に設けられた第1の流路絞り弁と、
    前記第1の流路絞り弁と前記切換弁制御機構との間の負圧供給通路上に設けられた第2の流路絞り弁と、を有し、
    前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路は、少なくとも、前記切換弁制御機構を動作させることができる程度の負圧を蓄圧可能な容積に構成されていることを特徴とする内燃機関の排気制御装置。
  2. 前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内の圧力を取得する圧力取得手段と、
    始動時において前記圧力取得手段によって取得された圧力が所定圧力以下である場合に、前記第1の流路絞り弁を閉に制御すると共に、前記第2の流路絞り弁を開に制御して、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路に蓄圧された負圧を前記切換弁制御機構に対して供給することによって、前記切換弁を開から閉にするための制御を行う第1の制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気制御装置。
  3. 始動時において前記圧力取得手段によって取得された圧力が所定圧力よりも高い場合に、前記第1の流路絞り弁及び前記第2の流路絞り弁を開に制御し、前記負圧発生源から前記切換弁制御機構に対して負圧を供給する制御を行うと共に、前記切換弁が開から閉になるまで前記内燃機関の始動を遅延させる制御を行う第2の制御手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気制御装置。
  4. 前記第1の流路絞り弁を開に制御すると共に、前記第2の流路絞り弁を閉に制御することによって、前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内に、前記負圧発生源から供給される負圧を蓄圧するための制御を行う蓄圧制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  5. 始動時における前記第1の流路絞り弁と前記第2の流路絞り弁との間の負圧供給通路内に蓄圧された負圧を、先回トリップからのソーク時間に基づいて推定する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  6. 前記負圧発生源は、吸気通路に発生する負圧であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  7. 前記負圧発生源は、密閉型の燃料タンク内に蓄圧された負圧であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気制御装置。
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