JP2007162249A - 車両用自動開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数段の減速ギヤ列を備えた車両用自動開閉装置を小型化することである。
【解決手段】電動モータ25に回転駆動される駆動軸26を駆動ユニット23に設け、駆動軸26の回転を減速して出力軸43から出力する2段の減速ギヤ列42を減速ユニット24に設ける。減速ギヤ列42に駆動軸26をギヤ軸とする入力ギヤ45と、中間軸46をギヤ軸とする大径ギヤ51および小径ギヤ53と、出力軸43をギヤ軸とする出力ギヤ54とを設け、駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置する。また、減速ギヤ列42を収容するギヤケース41に円筒状の軸受部61を設け、この軸受部61の内周面に駆動軸26の先端部26aを回転自在に支持させ、軸受部61の外周面に出力軸43の円筒孔を回転自在に支持させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関する。
自動車等の車両にはドア、バックドア、トランクリッド等の開閉体が随所に設けられている。例えば、セダンタイプの乗用車には、その車体後部にトランクリッドが装着され、このトランクリッドによりトランクルームが開閉されるようになっている。
このようなトランクリッドには、通常、その開放操作を容易にするためにトーションバーやガスステー等の開放補助装置が装着されており、ロック機構が解除されるとトランクリッドは開放補助装置により開方向に付勢されて僅かな操作力で開放されるようになっている。しかしながら、このような開放補助装置ではトランクリッドを開く時の操作力は軽減されるが、閉じる時の操作は操作者が全て手動により行うものであった。そこで、トランクリッドの開閉操作をさらに容易にするために、トランクリッドを電動モータにより駆動して自動的に開閉させるようにした自動開閉装置が開発されている。自動開閉装置を設置すれば運転席からトランクリッドを遠隔操作できるため、この利便性からも自動開閉装置の取り付け要請は少なくない。
このような自動開閉装置は、通常、トランクルーム内に配置されることになるため、トランクルームの容量を確保するためにも、その小型化が求められている。そのため、なるべく小型の電動モータから開閉体を駆動するために必要なトルクを得るために、電動モータには減速ユニットが装着され、この減速ユニットにより電動モータの回転を所定の回転数にまで減速してトランクリッドに伝達するようにしている。
例えば、特許文献1には、電動モータを備えた駆動ユニットに平行軸式の2段減速ギヤ列を備えた減速ユニットを装着し、この減速ユニットを介して駆動ユニットの回転を減速して出力軸に伝達するようにした自動開閉装置が記載されている。この場合、出力軸は出力アームを介してトランクリッドに連結され、電動モータの回転が減速して出力軸に伝達されると、出力アームを介してトランクリッドが自動的に開閉動作するようになっている。
特開2005−68871号公報
しかしながら、従来の自動開閉装置では、電動モータの回転を減速する減速ギヤ列は、互いに平行に配置される複数のギヤ軸を有し、これらのギヤ軸に固定される各ギヤは互いに並列配置されているので、減速ギヤ列の軸方向から見た投影面積が大きくなり、減速ユニットつまり自動開閉装置の小型化が困難であるという問題点があった。
本発明の目的は、複数段の減速ギヤ列を備えた車両用自動開閉装置を小型化することにある。
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、電動モータにより回転駆動される駆動軸を備えた駆動ユニットと、前記駆動軸、出力軸および少なくとも1本の中間軸をギヤ軸とした複数段の減速ギヤ列を備え、前記駆動軸の回転を減速して前記出力軸から出力する減速ユニットと、前記出力軸に設けられ、前記出力軸の回転を前記開閉体に伝達する動力伝達部材とを有し、少なくとも2本の前記ギヤ軸を同軸に配置することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記駆動軸と前記出力軸とを同軸に配置することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記電動モータの回転を減速して前記駆動軸に伝達するウォームギヤ機構を前記駆動ユニットに設けることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記減速ギヤ列を収容するギヤケースに円筒状に突出する軸受部を設け、前記駆動軸の先端部または前記出力軸の基端部のいずれか一方を前記軸受部の内周面に回転自在に支持させるとともに、前記駆動軸の先端部または前記出力軸の基端部のいずれか他方を当該先端部または基端部に形成される円筒孔において前記軸受部の外周面に回転自在に支持させることを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記軸受部の軸方向の両端が開口することを特徴とする。
本発明の車両用自動開閉装置は、前記電動モータと前記駆動軸との間の動力伝達を断続する動力断続機構を前記駆動ユニットに設けることを特徴とする。
本発明によれば、減速ギヤ列の少なくとも2本のギヤ軸を同軸に配置するようにしたので、当該ギヤ軸に設けられる各減速ギヤを軸方向に重ねて配置することができる。したがって、減速ギヤ列の軸方向から見た投影面積は小さくなり、これにより車両用自動開閉装置を小型化することができる。
また、本発明によれば、電動モータの回転を予めウォームギヤ機構で減速してから駆動軸に伝達するようにしたので、減速ギヤ列にのみ依存することなく、装置全体の減速比を大きく設定することができる。これにより、設定減速比を低減させて減速ギヤ列を小型化し、あるいは、より出力の小さな電動モータを用いることにより、この車両用自動開閉装置をさらに小型化することができる。
さらに、本発明によれば、減速ギヤ列を収容するギヤケースに円筒状に突出する軸受部を設け、この軸受部の内周面と外周面とで駆動軸と出力軸とを回転自在に支持するようにしたので、駆動軸と出力軸とを同軸に配置するようにしても、これらの軸を支持する構造を簡素化して、車両用自動開閉装置のコストを低減させることができる。
さらに、本発明によれば、軸方向の両端が開口する円筒状に軸受部を形成するようにしたので、プレス加工等による軸受部の加工を容易にすることができる。
さらに、本発明によれば、開閉体が手動で開閉操作されるときには、電動モータと駆動軸との間の動力伝達を動力断続機構により遮断することにより、手動による開閉体の開閉操作力を低減させることができ、これにより、手動による開閉体の開閉操作を容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置が設けられた車両の後部を示す斜視図であり、セダンタイプの乗用車である車両11の後部には開閉体としてのトランクリッド12が設けられている。このトランクリッド12は左右一対のヒンジ13を介して車体11aに装着されており、これらのヒンジ13のヒンジ軸13aを支点として車両11の上下方向に開閉自在となっている。そして、荷物等を搭載するために車体11aに形成されるトランクルーム14の開口部はこのトランクリッド12により開閉されるようになっている。
ヒンジ13は車体11aに固定される支持部13bとトランクリッド12に固定されるアーム部13cとを有し、支持部13bとアーム部13cとの間にはそれぞれトーションバー15が装着されており、このトーションバー15によりトランクリッド12は開方向に付勢されるようになっている。
なお、トーションバー15に代えて高圧ガスが封入されたガスステー等を用いてトランクリッド12を開方向に付勢するようにしてもよく、また、トーションバー15等が設けられていなくてもよい。
トランクルーム14の開口端には図示しないロック機構が設けられ、全閉状態となったトランクリッド12はこのロック機構により全閉位置に保持されるようになっている。ロック機構としては、例えば、車体11aに設けられるフック状のロック部材をトランクリッド12に設けられるピン状のストライカに係合させる機構のものが用いられ、ロック部材は図示しない解除ハンドルやレバーあるいはトランクリッド開閉スイッチなどに連動し、必要に応じて解錠される。
図2は図1に示す車両用自動開閉装置を示す斜視図であり、図3は図2におけるA−A線に沿う断面図であり、図4(a)、(b)はそれぞれトランクリッドが全閉位置、全開位置にあるときの車両用自動開閉装置の状態を示す説明図である。
この車両11にはトランクリッド12を自動的に開閉するために車両用自動開閉装置21(以下、開閉装置21とする)が設けられている。図2に示すように、この開閉装置21は3つの取付けブラケット22を有し、これらの取付けブラケット22によりトランクルーム14の右側部に固定されている。
図2、図3に示すように、この開閉装置21は駆動ユニット23と減速ユニット24とを有し、駆動ユニット23はトランクリッド12を開閉駆動する駆動源である電動モータ25と電動モータ25により回転駆動される駆動軸26とを備えている。電動モータ25は所謂ブラシ付き直流モータとなっており、正逆両方向に回転可能な回転軸25aを備え、配線等を介して図示しない制御装置に接続されている。制御装置はマイクロプロセッサ(CPU)とROM、RAM等のメモリとを備えた所謂マイクロコンピュータとしての機能を有するものとなっており、図示しないトランクリッド開閉スイッチ等から入力される指令信号に基づいて電動モータ25の作動を制御するようになっている。
なお、本実施の形態においては、電動モータ25としてはブラシ付き直流モータが用いられているが、これに限らず、例えばブラシレスモータなど、他の形式の電動モータを用いるようにしてもよい。
図3に示すように、駆動ユニット23は電動モータ25に固定されるケース体27を有し、駆動軸26はこのケース体27に軸受28により回転自在に支持されている。また、ケース体27の内部にはウォームギヤ機構31が収容されており、電動モータ25の出力つまり回転軸25aの回転はこのウォームギヤ機構31により所定の回転数にまで減速されるようになっている。図示する場合では、ウォームギヤ機構31を構成するウォーム31aはケース体27の内部に突出する回転軸25aの外周面に一体に形成され、ウォーム31aに噛み合うウォームホイル31bは駆動軸26を軸心として回転自在にケース体27の内部に収容されている。また、ウォームホイル31bと駆動軸26との間には動力断続機構としての電磁クラッチ32が設けられ、ウォームホイル31bの回転はこの電磁クラッチ32を介して駆動軸26に伝達されるようになっている。これにより、回転軸25aの回転はウォームギヤ機構31により所定の回転数にまで減速して駆動軸26に伝達され、駆動軸26は電動モータ25により回転駆動されることになる。
この駆動ユニット23に設けられる電磁クラッチ32は所謂摩擦式となっており、互いに摩擦面を対向させて配置されるロータ32aとアーマチュア32bとを有し、ロータ32aはウォームホイル31bと一体回転するようになっている。また、アーマチュア32bは駆動軸26にスプライン結合され、且つ、板ばね33によってロータ32aから離間する方向に付勢されており、これにより、アーマチュア32bは駆動軸26と一体回転するとともに駆動軸26に対して軸方向に移動自在となっている。ロータ32aの背面にはクラッチコイル32cを収容したクラッチヨーク32dが配置されており、制御装置からクラッチコイル32cに電力が供給されると、クラッチヨーク32dに磁気吸引力が発生して、アーマチュア32bはクラッチヨーク32dつまりロータ32aに近づく方向に引きつけられるようになっている。したがって、クラッチコイル32cに通電されるとロータ32aとアーマチュア32bの摩擦面が互いに圧着して電磁クラッチ32は動力伝達状態となり、ウォームホイル31bと駆動軸26との間つまり電動モータ25と駆動軸26との間で動力が伝達される。反対に、クラッチコイル32cへの通電が停止されると、アーマチュア32bは板ばね33の付勢力によりロータ32aから離間する方向へ移動し、これにより電磁クラッチ32は動力遮断状態となり、電動モータ25と駆動軸26との間の動力伝達が遮断される。
なお、符号34はケース体27に固定されて電磁クラッチ32を覆うクラッチカバーであり、符号35,36はそれぞれロータ32aを駆動軸26、クラッチヨーク32dに対して回転自在に支持する軸受である。
一方、減速ユニット24はギヤケース41を有し、このギヤケース41はアッパーケース41aとロワーケース41bとを組み合わせて形成され、ロワーケース41bにおいて駆動ユニット23のケース体27に固定されている。このギヤケース41の内部には2段の減速ギヤ列42が収容されており、この減速ギヤ列42により駆動軸26の回転は所定の回転数にまで減速して出力軸43から出力されるようになっている。
ケース体27とロワーケース41bとの間には入力ギヤ室44が区画形成され、この入力ギヤ室44には駆動軸26が突出しており、駆動軸26の入力ギヤ室44に突出する部分には減速ギヤ列42の初段のギヤとなる入力ギヤ45が固定されている。また、ギヤケース41の内部には中間軸46が収容され、この中間軸46は滑り軸受47,48を介してギヤケース41に回転自在に支持されており、そのロワーケース41b側には大径ギヤ51が固定されている。大径ギヤ51は入力ギヤ45よりも大径の(歯数が多い)平歯車となっており、その一部はロワーケース41bに形成された窓部52から入力ギヤ室44に突出し、この突出した部分において入力ギヤ45に噛み合わされている。これにより、駆動軸26の回転は入力ギヤ45と大径ギヤ51とにより減速されて中間軸46に伝達される。中間軸46には大径ギヤ51に隣接して小径ギヤ53が設けられており、この小径ギヤ53は大径ギヤ51よりも径が小さい(歯数が少ない)平歯車となっており、中間軸46に回転可能に設けられて大径ギヤ51や中間軸46とともに回転するようになっている。小径ギヤ53には出力ギヤ54が噛み合わされており、この出力ギヤ54は小径ギヤ53よりも径が大きい(ピッチ円が大きい)セクタギヤ(扇形ギヤ)となっており、その回転中心軸において出力軸43の基端部43aに固定されている。なお、出力ギヤ54は、トランクリッド12が全開位置と全閉位置との間で移動しても小径ギヤ53との噛み合いが維持されるような扇形状に形成されている。出力軸43は滑り軸受55を介してアッパーケース41aに回転自在に支持されており、これにより、中間軸46の回転は小径ギヤ53と出力ギヤ54とにより減速して出力軸43に伝達されるようになっている。
このように、駆動軸26、出力軸43および中間軸46の3本の軸をギヤ軸とした2段の減速ギヤ列42により、駆動軸26の回転は駆動軸26から中間軸46、中間軸46から出力軸43へと2段階に減速して出力軸43から出力されるようになっている。
出力軸43の先端部はギヤケース41から外部に突出しており、その先端部には動力伝達部材としての出力アーム56がその基端部においてナットNにより固定されている。図4に示すように、出力アーム56の先端部には連結アーム57の一端がピン部材58aにより回動自在に連結され、この連結アーム57の他端はヒンジ13のアーム部13cの中間部分にピン部材58bにより回動自在に連結されており、これにより出力軸43の回転は、出力アーム56と連結アーム57およびヒンジ13のアーム部13cとを介してトランクリッド12を開閉運動させる駆動力としてトランクリッド12に伝達される。したがって、電動モータ25を正転させることにより、図4(a)に示す全閉位置から図4(b)に示す全開位置にまでトランクリッド12を自動的に開くことができ、電動モータ25を逆転させることにより、図4(b)に示す全開位置から図4(a)に示す全閉位置にまでトランクリッド12を自動的に閉じることができる。
なお、符号59は入力ギヤ45に固定されて駆動軸26とともに回転するマグネット板であり、このマグネット板59の外周部には周方向に並べて複数の磁極が着磁されており、駆動軸26の回転に伴うこれらの磁極の移動が図示しないホールIC等のセンサによりパルス信号として検出される。そして、ホールICにより検出されたパルス信号をトランクリッド12が基準位置(例えば全閉位置)となったときを起点として制御装置によりカウントすることにより、制御装置はトランクリッド12の開度を検出することができるようになっている。そして、制御装置はこれにより検出されたトランクリッド12の開度に基づいて電動モータ25の作動制御を行うようになっている。
図5は図3に示す軸受部の詳細を示す拡大図であり、図6(a)は図3に示す減速ユニットの各ギヤの配置を示す説明図であり、図6(b)は各ギヤ軸を並列に配置した減速ギヤ列の各ギヤの配置を比較例として示す説明図である。なお、図6(b)においては、同図(a)に示す部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
この減速ユニット24では、減速ギヤ列42つまり減速ユニット24を小型化するために、駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置するようにしている。そして、この減速ユニット24では、互いに同軸に配置される駆動軸26と出力軸43とを回転自在に支持するために、ロワーケース41bに軸受部61を設けるようにしている。
図5に示すように、この軸受部61はロワーケース41bの入力ギヤ室44を区画する平坦部分からアッパーケース41a側に向けて突出する円筒状に形成されており、その内周面61aと外周面61bは駆動軸26や出力軸43の軸方向に平行となっている。また、軸受部61は、その軸方向の両端が開口するように形成されている。軸受部61を軸方向の両端が開口する形状に形成することにより、例えば鋼板等をプレス加工して軸受部61を形成する際に、素材を大きく絞る必要がなくなり、軸受部61の突出高さを所定の高さにまで加工することを容易にすることができる。
駆動軸26の先端部26aは軸受部61の内径よりも小径に形成されて軸受部61の内側に挿通され、これにより、駆動軸26はその先端部26aにおいて軸受部61の内周面61aに滑り軸受62aを介して回転自在に支持されている。また、出力軸43の基端部43aはアッパーケース41aに支持される部分よりも大径に形成され、その軸心にはロワーケース41b側に開口するとともに軸方向に凹む円筒孔63が形成されている。この円筒孔63は軸受部61の外径よりも大径に形成されており、出力軸43の基端部43aはこの円筒孔63の内周面において軸受部61の外周面61bに滑り軸受62bを介して回転自在に支持されている。つまり、駆動軸26の先端部26aと出力軸43の基端部43aは、軸受部61の内側と外側とで互いに軸方向にオーバーラップして配置され、これにより、互いに同軸に配置される駆動軸26と出力軸43とを同一の軸受部61により回転自在に支持することができるようになっている。
駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置するようにすると、図6(a)に示すように、出力軸43に固定される出力ギヤ54は駆動軸26に固定される入力ギヤ45の軸方向から見た投影面積は重複するので、図6(b)に比較例として示す減速ギヤ列64のように駆動軸26と出力軸43とを互いに平行(非同軸)に配置した場合に比べて、減速ギヤ列の軸方向から見た投影面積を小さくすることができる。したがって、駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置することにより、減速ギヤ列42を備える減速ユニット24つまりは開閉装置21を小型化することができる。
このように、この開閉装置21では、駆動ユニット23の駆動軸26と減速ユニット24の出力軸43とを同軸に配置するようにしたので、駆動軸26に固定される入力ギヤ45と出力軸43に固定される出力ギヤ54とが軸方向に重ねて配置されることになる。したがって、減速ユニット24を構成する減速ギヤ列42の軸方向から見た投影面積は、入力ギヤ45と出力ギヤ54とが重ねられた分だけ小さくなり、これにより、減速ユニット24つまりはこの開閉装置21を小型化することができる。
また、この開閉装置21では、電動モータ25の回転を予めウォームギヤ機構31で減速してから駆動軸26に伝達するようにしているので、減速ギヤ列42による減速比を大きく設定することなく、全体の減速比を所望の値に設定することができる。したがって、減速ギヤ列42の設定減速比を低減させてこれを小型化し、あるいは、より出力の小さな電動モータ25を用いることができ、これにより、この開閉装置21をさらに小型化することができる。
さらに、この開閉装置21では、同軸に配置される駆動軸26と出力軸43とをギヤケース41に設けられる円筒状の軸受部61の内周面61aと外周面61bとで回転自在に支持するようにしたので、駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置するようにしても、これらの軸26,43を支持する構造を簡素化することができる。したがって、駆動軸26と出力軸43とを同軸に配置するようにしても、複雑な軸受け構成等を設ける必要がなく、この開閉装置21のコストを低減させることができる。
さらに、この開閉装置21では、軸方向の両端が開口する円筒状に軸受部61を形成するようにしたので、プレス加工等による軸受部61の加工性を高めて、その形成を容易にすることができる。
さらに、この開閉装置21では電動モータ25と駆動軸26との間の動力伝達を電磁クラッチ32により断続することができるので、トランクリッド12が手動で開閉操作されるときには電動モータ25とトランクリッド12との間の動力伝達を遮断して、手動によるトランクリッド12の開閉操作力を低減させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、開閉体は車両11の後部に装着されたトランクリッド12とされているが、これに限らず、車体側部に装着される乗降用ドアやバックドア、エンジンフードなど、車両11に開閉自在に装着される開閉体であれば他の開閉体としてもよい。
また、本実施の形態においては、動力伝達部材は出力軸43に取り付けられる出力アーム56とされているが、これに限らず、例えば、開閉体をスライドドアとした場合では、スライドドアに接続されるケーブルを巻き取るドラムとするなど、出力軸43の回転を開閉体に伝達するものであればよい。
さらに、本実施の形態においては、減速ギヤ列42は1本の中間軸46を備えた2段減速ギヤ列とされているが、これに限らず、2本以上の中間軸46を備えた3段以上の減速ギヤ列としてもよい。
さらに、本実施の形態においては、駆動ユニット23の駆動軸26と減速ユニット24の出力軸43とを同軸に配置するようにしているが、これに限らず、例えば、減速ギヤ列42を2本以上の中間軸46を備えた3段以上の減速ギヤ列とした場合には、中間軸46と出力軸43とを同軸に配置し、中間軸46と駆動軸26とを同軸に配置し、あるいは駆動軸26と中間軸46と出力軸43とを同軸に配置するなど、少なくとも2本のギヤ軸が互いに同軸に配置されていればよい。
さらに、本実施の形態においては、駆動軸26の先端部26aを軸受部61の内周面61aに回転自在に支持させ、出力軸43の基端部43aを軸受部61の外周面61bに回転自在に支持させるようにしているが、これに限らず、駆動軸26の先端部26aに円筒孔63を設けてこれを軸受部61の外周面61bに回転自在に支持させ、出力軸43の基端部43aを軸受部61の内周面61aに回転自在に支持させるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、駆動軸26と出力軸43とを軸受部61の内側と外側とにおいて軸方向にオーバーラップさせるようにしているが、これに限らず、駆動軸26と出力軸43とを軸方向に突き合わせて配置するなど、これらの軸が同軸に配置されていればよい。
さらに、本実施の形態においては、駆動軸26と出力軸43とをロワーケース41bに設けられた軸受部61の内側と外側とにおいて支持するようにしているが、これに限らず、駆動軸26と出力軸43とを、ロワーケース41bを介さずに直接軸受等を介して摺動自在に凹凸結合させるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、駆動ユニット23は電動モータ25と電動モータ25の回転を減速して駆動軸26に伝達するウォームギヤ機構31とを備えているが、これに限らず、例えば、電動モータ25により直接に駆動軸26を回転駆動するようにしてもよく、また、電動モータ25の回転軸25aを駆動軸26として用いるようにしてもよい。
本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置が設けられた車両の後部を示す斜視図である。 図1に示す車両用自動開閉装置を示す斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 (a)、(b)はそれぞれトランクリッドが全閉位置、全開位置にあるときの車両用自動開閉装置の状態を示す説明図である。 図3に示す軸受部の詳細を示す拡大図である。 (a)は図3に示す減速ユニットの各ギヤの配置を示す説明図であり、(b)は各ギヤ軸を並列に配置した減速ギヤ列の各ギヤの配置を比較例として示す説明図である。
符号の説明
11 車両
11a 車体
12 トランクリッド(開閉体)
13 ヒンジ
13a ヒンジ軸
13b 支持部
13c アーム部
14 トランクルーム
15 トーションバー
21 車両用自動開閉装置
22 取付けブラケット
23 駆動ユニット
24 減速ユニット
25 電動モータ
25a 回転軸
26 駆動軸
26a 先端部
27 ケース体
28 軸受
31 ウォームギヤ機構
31a ウォーム
31b ウォームホイル
32 電磁クラッチ(動力断続機構)
32a ロータ
32b アーマチュア
32c クラッチコイル
32d クラッチヨーク
33 板ばね
34 クラッチカバー
35,36 軸受
41 ギヤケース
41a アッパーケース
41b ロワーケース
42 減速ギヤ列
43 出力軸
43a 基端部
44 入力ギヤ室
45 入力ギヤ
46 中間軸
47,48 滑り軸受
51 大径ギヤ
52 窓部
53 小径ギヤ
54 出力ギヤ
55 滑り軸受
56 出力アーム(動力伝達部材)
57 連結アーム
58a,58b ピン部材
59 マグネット板
61 軸受部
61a 内周面
61b 外周面
62a,62b 滑り軸受
63 円筒孔
64 減速ギヤ列
N ナット

Claims (6)

  1. 車両に設けられる開閉体を自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
    電動モータにより回転駆動される駆動軸を備えた駆動ユニットと、
    前記駆動軸、出力軸および少なくとも1本の中間軸をギヤ軸とした複数段の減速ギヤ列を備え、前記駆動軸の回転を減速して前記出力軸から出力する減速ユニットと、
    前記出力軸に設けられ、前記出力軸の回転を前記開閉体に伝達する動力伝達部材とを有し、
    少なくとも2本の前記ギヤ軸を同軸に配置することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用自動開閉装置において、前記駆動軸と前記出力軸とを同軸に配置することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用自動開閉装置において、前記電動モータの回転を減速して前記駆動軸に伝達するウォームギヤ機構を前記駆動ユニットに設けることを特徴とする車両用自動開閉装置。
  4. 請求項2または3記載の車両用自動開閉装置において、前記減速ギヤ列を収容するギヤケースに円筒状に突出する軸受部を設け、前記駆動軸の先端部または前記出力軸の基端部のいずれか一方を前記軸受部の内周面に回転自在に支持させるとともに、前記駆動軸の先端部または前記出力軸の基端部のいずれか他方を当該先端部または基端部に形成される円筒孔において前記軸受部の外周面に回転自在に支持させることを特徴とする車両用自動開閉装置。
  5. 請求項4記載の車両用自動開閉装置において、前記軸受部の軸方向の両端が開口することを特徴とする車両用自動開閉装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記電動モータと前記駆動軸との間の動力伝達を断続する動力断続機構を前記駆動ユニットに設けることを特徴とする車両用自動開閉装置。
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