JP2007162083A - 異形高抗張力鋼棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PC鋼材の経済的破断強度は100トン前後で頭打ちになっている。低コストで150トンを越える高抗張力・大荷重に耐える鋼材を提供する。
【解決手段】 基本プロセスとして制御冷却高強度パーライト圧延鋼棒を踏襲する。該材質は高抗張力鋼材に付随し易い遅れ破壊等の脆性問題に対して極めて有利である。
第2に断面拡大により破断荷重の増強を行う。その際、延靭性を低下させ易い直径拡大と言う手段は採らず、逆に直径縮小・幅拡大を採用する。幅拡大に伴う不均一冷却を解消する新断面形状を提示する。延靭性に影響する断面内温度差を抑制する条件を特定する。得られた大荷重鋼材の簡便な定着方法を提示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート構造物の強化のため圧縮力を附加するPC(Prestressed
Concrete)鋼材や構造物固定用の高抗張力鋼棒、該鋼棒の製造方法及び該鋼棒の構造物への定着方法に関するものある。
PC鋼材は製造形態により3種に分けることができる。第1はピアノ線材を伸線して加工硬化により強化したPC鋼線・鋼索であり、第2は伸線で成形後焼入焼戻しにより強化したコイル状に巻かれているPC鋼棒、第3は熱間圧延後制御冷却により適切な強度と靱性を付与させた直棒状の圧延PC鋼棒である。それぞれ長所短所を持つ。
圧延PC鋼棒は使い易さからPCとしてだけではなく高強度の固定用鋼材(通称各種タイロッド)としても使用される。
第1の鋼線・鋼索は抗張力が2000MPa前後で大きく、品質も安定している。特徴は鋼索では断面積が大きくなり大荷重に耐えること、及び撚り合わせ故に1点の破壊が全体破壊に直結せず破壊モード上有利で橋梁等大型構造物に適している。
太径ピアノ線を19本より合わせ100トンを越える大荷重用も製造されている。特許文献1にはその部分改善例が提示されている。問題は材料及び加工の両面で製造コストが高いことである。なぜなら線材の高強度化のため合金化が必要であり、場合によりパテンティングが必要であり、又高強度材の伸線では加工発熱が過大で伸線速度が制限され生産能率が低下するからである。超大荷重の200トンを越える鋼索も試作されたことがある。破断荷重30トン程度の通常の鋼索を更に7条撚り合わせたもので、この場合コストは一層高くなる。
第2の焼入焼戻し鋼棒は棒径10mm前後、抗張力1500MPa前後で中程度、破断荷重は小断面積故に相対的に小さい。必要点数から割高になる定着部品のコストは集合体により解決されている。コスト上の有利性は特に無いが、低炭素ボロン鋼が使用されるので溶接に耐え、パイル等工場生産の小型量産コンクリート部材に適する。問題点として金属組織は焼戻しマルテンサイトであるから遅れ破壊等脆性に対して敏感で、工事現場での加工・使用は問題を起こし易い。他の問題として10mm径を越えると完全焼入が困難で合金添加が必要になってコスト上の不利があり、又熱処理後の製品コイルへの巻取径(通常線径の200倍以上)が過大となってハンドリングが煩雑になる。
第3の圧延鋼棒は低合金鋼が使用され抗張力が1300MPa前後で相対的に低位であるが大きな断面により大きな破断荷重を得ている。該抗張力は圧延材としては高抗張力で直径が小さいと特許文献2に示されるように1600MPaも製造される。金属組織は主としてパーライトから成り延靭性に安定している。遅れ破壊に対しては組織上有利でありしかも冷間加工を施さないので更に有利である。2次加工が簡素であるからコスト上有利であり材料効率(=荷重/鋼材重量)の不利を補っている。通常棒径が17〜40mmのものが使用され断面積が大きいので鋼索を越える100トン程度の荷重にも耐えられる。大型構造物の補完的部材や局所大荷重用に適する。問題は棒径が大きくなるほど強度を確保することが困難になり、延靭性も低下する。材料の焼入性を大きくすることによりある程度補われるが合金コストに不利がある。特許文献3に提示されているように加速冷却も適用される。その場合でも原因は不明だが棒径が大きいほど延靭性が不安定になって実質的に40mm径以上の製造は困難になっている。従って最大荷重は約120トンである。
特許第3684186 特開2004−52033 特許第1749210
以上述べたように大荷重に耐える高抗張力鋼材を製造する場合、1)太径高抗張力ピアノ線を撚り合わせる鋼索方式では素線コスト及び撚線コスト両面で不利である。又現状では120トン程度が限界と推測される。2)熱処理(焼入焼戻し)方式では延靭性が本来不安定で断面積を大きくすると当該問題は増幅する。又断面拡大には合金化が不可欠でコスト上の問題が生じ、製品取扱も困難になる。実用最大荷重は約100トンである。3)圧延制御冷却方式では40mm径以上では強度・靱性とも低下し、破断荷重は120トン程度が限界となっている。
本発明は上記の諸問題を解決してPC用に適し、従来を大きく越える破断荷重150トン以上の高破断力を持ち、材質が安定しているパーライト鋼であり、且つコスト有利である圧延鋼材を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため以下の策が講じられる。
1) コスト上有利な圧延制御冷却方式を採用する。
2) 破断力の第1の増強手段として断面拡大に根拠を置く。
3) 破断力の第2の増強手段として鋼材を積層して実質断面拡大を図る。
4) 断面拡大に伴う問題には第1に拡大要素を直径ではなく幅に依存して対処する。
4) 同様に第2に制御冷却において冷却条件の適正化を図る。
5) 断面アスペクト比の増大による不均一冷却を解消する形状を考案する。
第1に発明は、熱処理によって強度と靱性が調整された鋼棒であって、金属組織がフェライト及びベイナイトの1種以上の混入を許容する主としてパーライトであり、抗張力が800〜1500MPaである高抗張力の鋼棒において、断面形状が左右対称又は180度回転対称の双眼鏡状で二つの同一形状の楕円状部と該2楕円状部間を繋ぐ連接部から成り、連接部の厚さが楕円状部の平均径の0.3〜0.7倍であり、該楕円状部の断面積が200〜1300mm であることを特徴とする異形高抗張力鋼棒である。
第2の発明は、表面形状が上下面上に棒軸と直角方向の節を棒軸方向に連続して持つことを特徴とする請求項1に記載の異形高抗張力鋼棒である。
第3の発明は、使用材料が高炭素鋼又は高炭素低合金鋼であり、AC3温度以上のオーステナイトからパーライト変態終了までの冷却条件が放冷又は衝風冷却又はミスト冷却によるものであり、ビオ数の値が(3)式に従うよう熱伝達率を設定すること特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異形高抗張力鋼棒の製造方法である。
Bio=α×D/λ≦0.2 −−−−−(3)
Bio:ビオ数、α:冷却における熱伝達率、D:楕円状部の平均径、λ:鋼の熱伝導率
第4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の異形高抗張力鋼棒を配筋時において2枚以上を重ね配置して両端をそれぞれ単一の定着具によって定着し、引張力を2倍以上とすることを特徴とする異形高抗張力鋼材の定着方法である。
第5の発明は、定着具が主に鋼棒端部を貫通させる貫通孔を持ち該貫通孔が棒軸端部方向に傾斜拡大した角管状の締め付け本体部材と楔の2点から成り、貫通している鋼棒の端部の重ね面間に棒軸中央方向に尖端を持つ該楔を打ち込んで該鋼棒を該貫通孔内面に押し当てることにより鋼材をコンクリート構造物に定着することを特徴とする請求項4に記載の異形高抗張力鋼材の定着方法である。
上記の発明による効果として、従来単条では経済的には製造することができなかった破断荷重150トン以上のPC鋼材が容易に製造可能になる。1条当たりの荷重が大きいことは部品数が減少し、緊張・定着の部品コスト、作業コストの削減をもたらす。
第2の効果は発明の異形棒鋼を2枚以上積層して使用することにより、一層大きな破断荷重にすることができる。
第3の効果として従来の単なる放冷を含めた熱間圧延制御冷却により製造可能であるからコスト上極めて有利である。
以下実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
材料として高炭素鋼、又は高炭素低合金鋼の鋼片が使用される。加熱後通常の熱間圧延により所定の製品断面形状に圧延され、直棒状で冷却台上で放冷又は衝風冷却又はミスト冷却が適用され、冷却途中でパーライト変態が発生し、金属組織は主として微細ラメラを持つパーライトから構成される。抗張力は成分とラメラ・ピッチに依存して800〜1500MPaとなる。破断荷重は該抗張力と断面積の積である。
図1Cは本発明の異形鋼棒の断面形状の一例である。熱間のオーステナイトからの冷却途上において円形部1の冷却速度Vrは温度分布をほぼ均一と見なすと(1)式で示される。同様に平行部2の冷却速度Vfは(2)式で示される。両式より平行部の厚さTを円形部の直径Dの1/2にすると断面全体が同一冷却速度で処理されることになる。厳密には平行部と円形部の境界近傍の扇形部3は冷却が弱められるので該寸法比1/2は多少修正することが望ましい。
Vr=4α・(θs−θo)/(c・ρ・D) −−−(1)
Vf=2α・(θs−θo)/(c・ρ・T) −−−(2)
Vr:円形部冷却速度(℃/h)、Vf:平行部冷却速度(℃/h)、α:熱伝達率(kcal/m2 h℃)、θs:鋼材温度(℃)、θo:冷媒温度(℃)、c:鋼材比熱(kcal/kg℃)、ρ:鋼材密度(kg/m3 )、D:鋼材直径(m)、T:鋼材厚さ(m)
上記形状により二つの特徴が得られる。
1)異形であるにも関わらず各部均一冷却がなされる。
2)同一断面積の円形と比較して冷却速度が大きく(図の例では約1.4倍)なる。
後者は制御冷却に対して極めて有利になることを意味する。即ち、従来強度を確保するために必要であった加速冷却が緩和ないし不要(放冷になる)になるか、又は従来必要であった焼入性強化用の合金量が節減できるからである。ここで言う制御冷却とは所望の機械的性質を得るには所定の成分と金属組織が不可欠であり、該組織確保のため熱間圧延後、焼入性(成分と圧延条件に依存)、鋼材寸法・形状、冷却条件の3要素を均衡・適合させることであり、均一放冷も含まれる。
図1Aは図1Cと同一断面積の丸鋼4、図1Bは同一断面積で且つ板厚を該丸鋼の1/2とした平鋼5の断面形状を示す。両者の冷却挙動を比較すると、平鋼5の断面両端の半円部6の冷却速度は丸鋼4のそれの2倍に増加し中央部7のそれは同一である。実際には両部分間の熱伝導により2:1より緩和するが差は歴然としている。パーライト変態を求める場合にはこの差は組織、強度、延靭性の差を発生させる。中央部7が強靱性において最良になると半円部6は過剰冷却となり、マルテンサイト変態誘発の危険性が増す。
図2は本発明の断面形状の他の例を並べる。円形部が楕円状になっているがそれぞれ断面内の冷却速度はほぼ均一になり、且つ同一断面積の丸鋼と比較して実効肉厚が小さくなり冷却速度が大きくなることは自明である。
図2のE,F,Gは片面が平坦であるから製品鋼棒を重ねて使用する場合に都合良く、図2Hはアスペクト比が約1で転がり易いという特徴を持つ。
図3は本発明1の部分改良であり、通常の節付き鉄筋同様に本発明の異形棒鋼の両楕円状部8の上下面上9に棒軸と直角方向の節10が棒軸方向に連続して形成されコンクリートとの付着性が改善される。
図4に示すように節の形状をネジ節と同様にラック状節11に形成すると、ネジ節棒鋼の場合の接続ナットに対応した上下のラックあて板11’と該あて板11’を締め付け固定する固定金具11”を介して接続、固定、定着に対して便利になる。
0.7%C−0.8%%Si−1.2%Mn−0.7%Cr−0.05%(Mo+V)の鋼種を使用し、通常の熱間圧延により本発明の断面形状図1Cに成形し、円形部直径を23mm、平行部厚を13mmとした後平行冷却台上で空冷される。焼入性が大きいので空冷でも疑似パテンティング相当の熱処理になる。得られる金属組織は主として微細ラメラのパーライトであり上部ベイナイトを混入する。抗張力は1200〜1300MPa、絞りは30〜40%が得られる。破断荷重は150トンになる。該破断荷重は従来の32mm径のミストによる加速冷却製品(抗張力1200MPa)のそれの1.5倍になる。
上記の高抗張力を確保するには成分、焼入性、寸法、冷却強度等の関係が適合しなければならない。空冷は最も簡単であるが条件により加速冷却が必要になる。手段として衝風冷却やミスト冷却が望ましい。その際棒鋼内部の温度差が不都合にならない範囲に抑制する必要がある。そのため(3)式の条件が設定される。
Bio=α×D/λ≦0.2 −−−−−(3)
Bio:ビオ数、α:冷却における総括熱伝達率(放射+対流)、D:楕円状部の平均径、λ:鋼の熱伝導率
丸鋼の場合、上記成分は空冷下の条件では20〜25mm径に適合する。棒径がそれ以上では加速冷却例えばミスト冷却が必要になる。35mmを越えると強度は得られても延靭性が急速に低下して実用になっていない。上記異形棒の断面積は40mm径の丸鋼に相当する。本発明の異形化により規定の抗張力(1200MPa以上)で40mm径相当以上の製品が製造可能となる。
本発明製品でミスト冷却を施す場合、図2Hの断面形状が材料を回転させながら冷却できるので均一冷却に都合良い。
パーライト鋼において1400MPa以上の強度を得るには、恒温変態に近い冷却が必要である。なぜなら空冷、衝風、ミスト冷却等は連続冷却になり、変態温度は広範に及ぶ。通常変態温度の最大最小差は40〜70℃となり、ラメラ・ピッチが粗から密まで混在し、強度は高々1300MPaである。棒鋼の圧延制御冷却で恒温変態に誘導することは極めて困難である。従って該強度1400を得るには再加熱してパテンティング相当の熱処理を附加することが妥当である。その方法及び条件は周知であるから説明を省く。
上記の発明による異形高抗張力鋼棒を配筋時において2枚以上を長辺面上に重ね配置すれば引張力を2倍以上とすることができる。その場合両端をそれぞれ単一の定着具によって定着することが部品点数、定着必要スペース、作業工数上適切である。
定着具の構造として、異形とは言え平鋼の積層状であるから図5に示されるように比較的簡単な構造が採用できしかも且つ定着の確実性が高い。即ち定着具は、主に鋼棒端部12を貫通させ且つ端部方向に貫通孔13が傾斜拡大した角管状の締め付け本体部材14と、貫通した鋼棒の端部長辺面間に装入され中央方向に尖端を持つ楔15の2点から構成され、該楔を打ち込んで該鋼棒の外面16を該定着部本体部材14の貫通孔内面17に押し当てて定着する。
PC用として使用する場合固定側は上記のように簡単に作業することができる。反対側のの緊張・定着は緊張用の油圧ジャッキのバイス部構造に適切な工夫を行えば良い。その設計は当業者にとって特に困難ではないので具体的構造は省略する。
以下上記の製造条件の特定、作用・根拠・意義等について説明する。
初めに冷却速度式(1)の誘導方法を簡単に説明する。
断面内温度均一と仮定すると無限円柱の単位長さの場合、
熱流速=α・πD・1・(θs−θo)
熱容量=c・ρ・(π/4)・1・D
冷却速度=熱流速/熱容量、であるから上記2式から(1)式が誘導される。(2)式も同様に証明される。
次ぎに両冷却式の信頼性が問題となる。前提とした断面内均一温度分布の検証のため、冷却途上の円柱物体の冷却を考察する。
図6に示すように温度分布θは下向き放物線として近似することができる。
θ=θc−a・r −−−−−(4)
表面における熱収支は(5)式となる。Gは表面における固体側温度勾配である。
G×λ=αΔθout −−−−−(5)
(4)式から固体側温度勾配Gは(6)式となる。
G=(dθ/dt)r=R=2aR
a=G/2R=G/D −−−−(6)
内部の最大温度差Δθinは(7)式で示される。
Δθin=θc−θ=aR −−−(7)
(5)式(6)式(7)式から(8)式が誘導される。
Δθin=GD/4=αD/4λΔθout
=Bio/4・Δθout −−−(8)
ここで現れたαD/λは無次元数であるビオ数に相当する。
空冷・衝風・ミスト冷却の場合、冷媒温度は常温であり、問題となる鋼材温度域は約600℃強であるからΔθout≒600℃、均質な組織を得るため内部温度差を少なくとも30℃以下と制限するなら(8)式より、
Bio <30/600×4=0.2 −−(9)
即ちビオ数が0.2以下であれば内部温度差は30℃以内に収まり概ね均一と見なして両冷却式は概算用として実用することができる。これがビオ数の値を特定した理由である。
上記式における記号の定義は以下である。
θ:内部温度(℃)、θc:中心部温度(℃)、a:比例係数、r:半径方向距離(m)、G:表面温度勾配(℃/m)、λ:熱伝導率(kcal/mh℃)、α:熱伝達率(kcal/m2 h℃)、Δθout:外部温度差(℃)、t:時間(h)、R:半径(m)、D:直径(m)、Δθin:内部温度差(℃)、 Bio:ビオ数(=αD/λ)
通常棒径が大きくなるにつれ必要冷却速度を確保するため熱伝達率の値を大きくしなければならない。ビオ数は熱伝達率と直径の積に比例するので当該条件は2重にビオ数を増大させ、(8)式に示すように内部温度差を増大させる。これが太径ほど材質上の問題が起こり易い一つの原因と言える。
第1発明において、断面形状を対称とした理由は、製造及び使用時の作業条件を簡素にするためである。連携部厚さを楕円部径の0.3〜0.7とした根拠は、楕円を真円、厚さ比を0.5とすることを原則とするが両部の形状によりある程度の修正が必要となる。表面性状の差が伝熱の差を発生させることもあり、実地に即して修正する余地を考慮して0.5±0.2とした。断面における両端部を楕円状とした理由は、均一冷却に有利であること及び多角形状ではエッジ部の冷却が過大になるからである。異形平鋼には図2B状の断面を多角形で形成している例があるが、エッジ部の過剰冷却が観察され強靱化には不都合である。断面積を200〜1300mm と特定した理由は、該下限未満では線材の領域に近づき本発明の必要性が低下するからであり、該上限は40mm径の丸鋼に相当して1000〜1100MPaの強度が安定して得られる現在の製造限界に相当し、実績状これを上限とすることが確実、無難と判断したからである。
第3発明において高炭素鋼、高炭素低合金鋼と特定した理由は、パーライト組織で800Mpa以上の強度を得るには少なくとも0.4%C以上の含有が必要、又大きな棒径に対応した焼入性が必要で上記鋼種が必要となる。冷却条件として放冷・衝風冷却・ミスト冷却と特定した理由は、熱伝達率が比較的小さいのでビオ数が小さくなって内部温度差を小さくできるからであり、又冷却が安定していて多少条件が変動しても品質管理上の問題が小さいからであり、且つ作業上、設備費用上困難でないからである。
本発明例として成分が0.7%C−0.8%%Si−1.2%Mn−0.7%Cr−0.05%(Mo+V)の鋼種の鋼片を熱間圧延し、圧延途中材を採取した。該材料を図7に示す断面形状に切削加工し、950℃に加熱した後空冷した。比較材として同一鋼片から32mm径に圧延後、ミストによる制御冷却を適用した。600℃前後の冷却速度はそれぞれ1.6、2.1℃/s、ビオ数は0.04、0.13であった。発明条件におけるビオ数の値は断面内温度均一性が極めて大きいことを示す。発明材の断面積は1230mm 、破断荷重は156トン、抗張力は1250MPa、絞り36%、比較材はそれぞれ800mm 、104トン、1230MPa、32%であった。上記比較実験から充分な延靭性を持つ大荷重の異形鋼棒が放冷処理のみで得られることが明らかとなった。
従来の数倍となり得る大荷重のPC鋼材が有利なコストで得られ、大型PC構造物に適用すると、現場工事における緊張・定着作業が集約される。
本発明の異形高抗張力鋼棒の断面形状を従来例と比較して例示する。 本発明の他の例を示す。 本発明の節付き異形高抗張力鋼棒の概観図である。 本発明のラック節付き異形高抗張力鋼棒の接続方法を説明する。 本発明の定着部材の例を示す。 円柱物体の冷却における温度分布を説明する図である。 本発明に従う試作材の断面形状を示す。
符号の説明
1:円形部 2:平行部 3:扇形部 4:丸鋼 5:平鋼 6:半円部 7:中央部 8:楕円状部 9:上下面 10:節 11:ラック状節 11’:ラックあて板 11”固定金具 :12:鋼棒端部 13:貫通孔 14:本体部材 15:楔 16:鋼棒外面 17:貫通孔内面

Claims (5)

  1. 熱処理によって強度と靱性が調整された鋼棒であって、金属組織がフェライト及びベイナイトの1種以上の混入を許容する主としてパーライトであり、抗張力が800〜1500MPaである高抗張力の鋼棒において、断面形状が左右対称又は180度回転対称の双眼鏡状で二つの同一形状の楕円状部と該2楕円状部間を繋ぐ連接部から成り、連接部の厚さが楕円状部の平均径の0.3〜0.7倍であり、該楕円状部の断面積が200〜1300mm2 であることを特徴とする異形高抗張力鋼棒。
  2. 表面形状が上下面上に棒軸と直角方向の節を棒軸方向に連続して持つことを特徴とする請求項1に記載の異形高抗張力鋼棒。
  3. 使用材料が高炭素鋼又は高炭素低合金鋼であり、AC3温度以上のオーステナイトからパーライト変態終了までの冷却条件が放冷又は衝風冷却又はミスト冷却によるものであり、ビオ数の値が(3)式に従うよう熱伝達率を設定すること特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異形高抗張力鋼棒の製造方法。
    Bio=α×D/λ≦0.2 −−−−−(3)
    Bio:ビオ数、α:冷却における熱伝達率、D:楕円状部の平均径、λ:鋼の熱伝導率
  4. 請求項1又は請求項2に記載の異形高抗張力鋼棒を配筋時において2条以上を重ね配置して両端をそれぞれ単一の定着具によって定着し、引張力を2倍以上とすることを特徴とする異形高抗張力鋼材の定着方法。
  5. 定着具が主に鋼棒端部を貫通させる貫通孔を持ち該貫通孔が棒軸端部方向に傾斜拡大した角管状の締め付け本体部材と楔の2点から成り、貫通している鋼棒の端部の重ね面間に棒軸中央方向に尖端を持つ該楔を打ち込んで該鋼棒を該貫通孔内面に押し当てることにより鋼材をコンクリート構造物に定着することを特徴とする請求項4に記載の異形高抗張力鋼材の定着方法。
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CN113027497A (zh) * 2021-03-26 2021-06-25 首钢长治钢铁有限公司 托梁及煤矿锚杆支护系统

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