JP2007161542A - ガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板 - Google Patents

ガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板 Download PDF

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Abstract

【課題】金属と接触する際の耐磨耗性を向上させることができるガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板を提供すること。
【解決手段】ガラスペースト31は、SiO2、Al23、B23、Li2O、K2O及びZrO2を含むガラス材料を50〜95重量%含有すると共に、フィラー粉末32を5〜50重量%含有してなるガラス混合物を用いてなり、ガラス混合物100重量部に対して、有機バインダーを70〜150重量部混合してなる。フィラー粉末32は、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上からなる。耐磨耗性ガラス板1は、ガラスペースト31を、結晶化ガラスからなるガラス基材2上に配置した状態で焼成して、ガラス基材2上に耐磨耗層3を形成してなる。耐磨耗層3は、その表面に多数のフィラー粉末32における各端部を突出させてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磨耗性の向上を目的とするガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板に関する。
例えば、特許文献1においては、結晶化ガラスからなるガラス基材の耐磨耗性等の向上を目的として、ガラス基材上にガラスペースト(ガラスフラックス)からなる被覆層を設けた調理器用プレートが開示されている。この特許文献1においては、被覆層の表面に、微小突起粒子を分散させ、この微小突起粒子を少なくとも1〜15μm突出させている。
そして、調理器用プレート上に被加熱物を載置したときには、この被加熱物は、微小突起粒子上に支持される。これにより、調理器用プレート上において、被加熱物を滑らせたときでも、この被加熱物は微小突起粒子上を滑ることができ、被覆層が傷つくことを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1の調理器用プレートにおいては、銅鍋、アルミ鍋又は鉄鍋等の金属鍋を載置したときだけでなく、特にステンレス鍋を載置したときにも、微小突起粒子が掻き取られてしまうおそれがあった。
そのため、特に金属との接触が行われる部位等に使用するガラスペーストの耐磨耗性を向上させるためには、更なる工夫が必要とされていた。
特開2005−49050号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、金属と接触する際の耐磨耗性を向上させることができるガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板を提供しようとするものである。
第1の発明は、SiO2、Al23、B23、Li2O、K2O及びZrO2を含むガラス材料を50〜95重量%含有すると共に、フィラー粉末を5〜50重量%含有してなるガラス混合物を用いてなり、該ガラス混合物が100重量部に対して、有機バインダーを70〜150重量部混合してなるガラスペーストであって、
上記フィラー粉末は、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上含有することを特徴とするガラスペーストにある(請求項1)。
本発明のガラスペーストは、上記ガラス材料及びフィラー粉末を含有してなるものであり、フィラー粉末を、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上含有させて構成したものである。これにより、本発明のガラスペーストを、ガラス基材等に配置し焼成を行って形成した耐磨耗層においては、その表面にフィラー粉末の一部を露出させることができる。
それ故、本発明のガラスペーストによれば、金属(特にステンレス)との接触が行われる際の耐磨耗性を向上させることができる。
第2の発明は、上記ガラスペーストを、結晶化ガラスからなるガラス基材上に配置した状態で焼成して、該ガラス基材上に耐磨耗層を形成してなる耐磨耗性ガラス板であって、
上記耐磨耗層は、その表面に、上記フィラー粉末の一部を露出させてなることを特徴とする耐磨耗性ガラス板にある(請求項2)。
本発明の耐磨耗性ガラス板は、上記銀、金及び白金のうち1種又は2種以上含有させてなるフィラー粉末を含有するガラスペーストを用いて、ガラス基材上に耐磨耗層を形成してなる。そして、ガラス基材上の耐磨耗層の表面には、フィラー粉末の一部を露出させている。そのため、本発明の耐磨耗性ガラス板は、耐磨耗層におけるフィラー粉末の一部を介して金属と接触することができる。
それ故、本発明のガラスペーストによれば、金属(特にステンレス)との接触が行われる際の耐磨耗性を向上させることができる。
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1、第2の発明において、上記ガラス材料の含有量が50重量%未満である場合には、ガラス材料の含有量が少なくて、ガラスペーストから形成した耐磨耗層に剥離が生じるおそれがある。
一方、上記ガラス材料の含有量が95重量%を超える場合には、フィラー粉末の含有量が少なくなってしまい、ガラスペーストから形成した耐磨耗層において、フィラー粉末の一部を十分に露出させることができないおそれがある。
また、上記フィラー粉末の含有量が5重量%未満である場合には、フィラー粉末の含有量が少なくて、ガラスペーストから形成した耐磨耗層において、フィラー粉末の一部を十分に露出させることができないおそれがある。
一方、上記フィラー粉末の含有量が50重量%を超える場合には、フィラー粉末の含有量が多くて、ガラスペーストから形成した耐磨耗層に剥離が生じるおそれがある。
また、上記有機バインダーの混合量が70重量部未満の場合には、有機バインダーによる結合効果が薄れ、ガラスペーストを所望の形状及び均一な厚みに塗布することが困難になる。一方、上記有機バインダーの混合量が150重量部を超える場合には、有機バインダーが多くなり過ぎて、ガラスペーストを基材に塗布し焼成して耐磨耗層を形成したときに、この耐磨耗層が収縮してしまうおそれがある。
また、有機バインダーとしては、例えば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、アミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、メチルセルロース系樹脂等を用いることができる。
また、上記ガラス材料は、SiO2を50〜70重量%、Al23を8〜15重量%、B23を10〜20重量%、Li2Oを2.5〜10重量%、K2Oを3〜10重量%、ZrO2を0.1〜2重量%含有することが好ましい。
この場合には、ガラス材料の組成が最適であり、上記ガラスペーストを用いて耐磨耗層を形成したときに、この耐磨耗層においてフィラー粉末を安定して定着させることができる。
上記ガラス材料中のSiO2の含有量が50重量%未満の場合には、ガラス材料の熱膨張係数が高くなり、熱衝撃に対して弱くなるおそれがある。一方、SiO2の含有量が70重量%を超える場合には、ガラス材料の粘性流動が高くなり、ガラスペーストにより形成する耐磨耗層の表面が粗くなるおそれがある。
また、ガラス材料中のAl23の含有量が8重量%未満の場合には、ガラス材料の熱膨張係数が高くなり、熱衝撃に対して弱くなるおそれがある。一方、Al23の含有量が15重量%を超える場合には、ガラス材料の粘性流動が高くなり、ガラスペーストにより形成する耐磨耗層の表面が粗くなるおそれがある。
また、ガラス材料中のB23の含有量が10重量%未満の場合には、耐酸性が劣化するおそれがある。一方、B23の含有量が20重量%を超える場合には、耐アルカリ性が劣化するおそれがある。
また、ガラス材料中のLi2Oの含有量が2.5重量%未満の場合には、ガラス材料の粘性流動が高くなり、ガラスペーストにより形成する耐磨耗層の表面が粗くなるおそれがある。一方、Li2Oの含有量が10重量%を超える場合には、ガラス材料の熱膨張係数が高くなり、熱衝撃に対して弱くなるおそれがある。
また、ガラス材料中のK2Oの含有量が3重量%未満の場合には、ガラス材料の粘性流動が高くなり、ガラスペーストにより形成する耐磨耗層の表面が粗くなるおそれがある。一方、K2Oの含有量が10重量%を超える場合には、ガラス材料の熱膨張係数が高くなり過ぎて熱衝撃に対して弱くなるおそれがあると共に、耐アルカリ性が劣化するおそれがある。
また、上記ガラス材料は、その他の成分として、TiO2、ZnO、Na2O等の1種又は2種以上を含有させることもできる。この場合には、ガラス材料の粘性流動を低くする効果が期待できる。
また、着色顔料は、必要に応じてガラスペーストに添加することができる。ガラスペースト100重量部に対する着色顔料の添加量は、0〜20重量部とすることができる。
着色顔料を添加したときには、ガラスペーストを用いて形成した耐磨耗層の装飾性を向上させることができる。着色顔料の含有量が20重量部を超える場合には、ガラス材料の含有量が少なくなることがあり、ガラスペーストから形成した耐磨耗層に剥離が生じるおそれがある。
また、着色顔料は、平均粒径が10μm以下であることが好ましい。着色顔料の平均粒径が10μmを超える場合には、ガラスペーストから形成した耐磨耗層が十分に着色せず、所望の色が得られないおそれがある。
着色顔料としては、色の種類によって例えば下記のような材料を用いることができる。
即ち、黒色用としてはCr−Fe、Co−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Cr−Fe、及びCo−Ni−Cr−Fe−Mn等、グレー用としてはSn−Sb、Sn−Sb−V等、黄色用としてはSn−V、Zr−V、Zr−Si−Pr、Ti−Cr−Sb等、茶色用としてはZn−Al−Cr−Fe、Zn−Mn−Al−Cr−Fe等、緑色用としてはCa−Cr−Si、Cr−Al、Co−Zn−Al−Cr、Zr−Si−Pr−V等、青色用としてはCo−Al−Zn、Co−Al、Co−Si、Zr−Si−V等、ピンク色用としてはMn−Al、Ca−Sn−Si−Cr、Sn−Cr、Zr−Si−Fe等を用いることができる。これらは所望の色を得るように任意の割合で混合して用いることもできる。
上記第2の発明において、上記ガラス基材としては、熱膨張係数が−5×10-7/K〜30×10-7/Kのものを用いることができ、上記ガラスペーストを構成するガラス材料としては、熱膨張係数が35×10-7/K〜60×10-7/Kのものを用いることができる。
また、ガラス基材としては、例えば、低膨張結晶化ガラス、石英ガラス等を用いることができる。また、ガラス基材としては、透明なものだけでなく、着色を施したものを用いることもできる。
また、上記耐磨耗層は、上記ガラス基材上の複数箇所に分散して形成してあると共に、表面が凸曲面形状を有していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、耐磨耗性を向上させる効果を維持したまま、耐磨耗層を構成するガラスペーストの使用量を減少させることができ、耐磨耗性ガラス板のコストを低減させることができる。
また、上記耐磨耗層の最大厚みは、3〜20μmであり、上記フィラー粉末の平均粒径は、0.05〜5μmであることが好ましい(請求項4)。
この場合には、耐磨耗層を適切な厚みで形成することができると共に、耐磨耗層の表面からフィラー粉末の一部を適切に露出させることができる。そのため、金属との接触を行う際の耐磨耗層の耐磨耗性を一層向上させることができる。
上記耐磨耗層の最大厚みが3μm未満の場合には、耐磨耗層が薄くて、耐磨耗性ガラス板の耐磨耗性を向上させることができないおそれがある。一方、上記耐磨耗層の最大厚みが20μmを超える場合には、耐磨耗層が厚くて、ガラス基材との熱膨張差で耐磨耗層が剥離してしまうおそれがある。
また、上記フィラー粉末の平均粒径が0.05μm未満の場合には、フィラー粉末の平均粒径が小さくて、フィラー粉末をガラスペースト中に分散させることができなくなるおそれがある。一方、フィラー粉末の平均粒径が5μmを超える場合には、フィラー粉末の平均粒径が大きくて、フィラー粉末を耐磨耗層中に十分に分散させることが困難になる。
また、上記耐磨耗層は、上記ガラスペーストを、例えば、スクリーン印刷法、ロールコート印刷法、スプレー印刷法等により上記ガラス基材上に、所望の形状及び所望のパターンで塗布することができる。そして、ガラスペーストは、ガラス基材上に塗布した後、乾燥及び焼成を行うことにより、所望の形状及び所望のパターンの耐磨耗層を形成することができる。
また、上記焼成を行う際の温度は、例えば、760℃〜900℃とすることができる。この焼成温度が760℃未満の場合には、焼成が十分に行われず、焼成後に耐磨耗層がガラス基材から剥離するおそれがある。一方、焼成温度が900℃を超える場合には、焼成中に、ガラス材料における一部のガラス成分が揮発してしまうおそれがある。
また、上記耐磨耗性ガラス板は、電磁調理器又はガス調理器等の調理器において、被加熱物を載置する調理器用ガラストッププレートとして用いることができる。この場合において、耐磨耗性ガラス板は、上記耐磨耗層の上に被加熱物となる銅鍋、アルミ鍋、ステンレス鍋又は鉄鍋等の金属鍋を載置して使用することができ、金属鍋を耐磨耗層の表面から露出したフィラー粉末と接触させることができる。これにより、耐磨耗性ガラス板は、金属鍋に対する優れた耐磨耗効果を発揮することができる。
以下に、本発明のガラスペースト及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
図1、図2に示すごとく、本例のガラスペースト31は、SiO2、Al23、B23、Li2O、K2O及びZrO2を含むガラス材料を50〜95重量%含有すると共に、フィラー粉末32を5〜50重量%含有してなるガラス混合物を用いてなる。このガラスペースト31は、ガラス混合物100重量部に対して、有機バインダーを70〜150重量部混合してなる。また、フィラー粉末32は、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上からなる。
また、同図に示すごとく、本例の耐磨耗性ガラス板1は、上記ガラスペースト31を、結晶化ガラスからなるガラス基材2上に配置した状態で焼成して、このガラス基材2上に耐磨耗層3を形成してなる。そして、この耐磨耗層3は、その表面に多数のフィラー粉末32における各端部321を突出させてなる。
以下に、本例のガラスペースト31及びこれを用いた耐磨耗性ガラス板1につき、図1〜図3と共に詳説する。
また、本例のガラス材料は、SiO2−Al23−B23−Li2O−K2O−ZrO2のガラス粉末であり、SiO2を50〜70重量%、Al23を8〜15重量%、B23を10〜20重量%、Li2Oを2.5〜10重量%、K2Oを3〜10重量%、ZrO2を0.1〜2重量%含有してなる。
また、図1に示すごとく、本例の耐磨耗性ガラス板1における耐磨耗層3は、スクリーン印刷法を用いてガラス基材2上の複数箇所に分散して形成した。各耐磨耗層3は、その表面が凸曲面形状を有しており、多数のフィラー粉末32にける各端部321は、凸曲面形状の表面から突出している。
また、図1に示すごとく、耐磨耗層3の最大厚みT1は、3〜20μmになっており、図2に示すごとく、耐磨耗層3の表面から突出するフィラー粉末32の突出量T2は、0.05〜10μmになっている。
図1、図2に示すごとく、本例の耐磨耗性ガラス板1は、ガラス基材2上の耐磨耗層3の表面に、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上からなる多数のフィラー粉末32における各端部321を突出させてなる。そして、特に、耐磨耗性ガラス板1を電磁調理器用ガラストッププレートとして用いる際に、銅鍋、アルミ鍋、ステンレス鍋又は鉄鍋等の金属鍋4は、耐磨耗性ガラス板1における耐磨耗層3の上に載置して使用することができる。このとき、金属鍋4は、耐磨耗層3の表面から突出した多数のフィラー粉末32の各端部321と接触することができる。
また、耐磨耗層3においては、金属鍋4等の金属と接触を行って磨耗したときにおいても、ガラス材料及び有機バインダー等からなるガラス部分に比べて、フィラー粉末32が磨耗し難いことにより、フィラー粉末32の一部を突出させておくことができる。また、ガラス部分の磨耗と共にフィラー粉末32が磨耗又は脱落等を行ったときにおいても、耐磨耗層3の内部にあった他のフィラー粉末32が耐磨耗層3の表面に突出して、耐磨耗層3の表面からフィラー粉末32の一部が突出する状態を維持することができる。
それ故、本例のガラスペースト31を用いた耐磨耗性ガラス板1によれば、金属鍋(特にステンレス鍋)に対する優れた耐磨耗効果を発揮することができる。
なお、上記耐磨耗層3は、凸曲面形状に形成するだけでなく、種々のパターンの表面形状に形成することもできる。例えば、図3に示すごとく、耐磨耗層3は、ガラス基材2上において、平坦状に形成することもできる。
(確認試験)
本確認試験においては、上記実施例に示した耐磨耗性ガラス板1の対磨耗性を確認する試験を行った。具体的には、以下の発明品1、2及び比較品1を準備し、金属鍋と接触させたときの磨耗の状態を目視検査した。
発明品1は、SiO2を57.5重量%、Al23を12重量%、B23を18.5重量%、Li2Oを3.5重量%、K2Oを3.5重量%、ZnOを3.6重量%、ZrO2を1.5重量%含有するガラス材料(ガラスフラックス)を用いたものとした。
発明品2は、SiO2を63重量%、Al23を13重量%、B23を14.5重量%、Li2Oを4.0重量%、K2Oを4.0重量%、ZrO2を1.5重量%含有するガラス材料(ガラスフラックス)を用いたものとした。
そして、発明品1、2のガラスペースト31は、上記各組成のガラス材料を60重量%、フィラー粉末32としての銀粉末を30重量%、着色顔料(黒色)を10重量%の組成からなるガラス混合物の総量が100重量部に対して、アクリル系の有機バインダーを100重量部混合し、3本ロールで混練して得た。
また、フィラー粉末32としては、平均粒径が0.05〜5μmである銀粉末を用いた。
比較品1は、SiO2を65重量%、Al23を5重量%、B23を23重量%、Li2Oを1重量%、Na2Oを2重量%、K2Oを2重量%、TiO2を1重量%、ZrO2を1重量%含有するガラス材料(ガラスフラックス)を用いたものとした。
そして、比較品1のガラスペーストは、上記組成のガラス材料を80重量%、フィラー粉末としてのAl23粒子を3重量%、着色顔料(黒色)を17重量%の組成からなるガラス混合物の総量が100重量部に対して、アクリル系の有機バインダーを100重量部混合し、3本ロールで混練して得た。
また、発明品1、2及び比較品1において、上記ガラス基材2としては、熱膨張係数が0.5×10-7/Kであるものを用いた。
そして、発明品1、2について、上記混練を行って得た各ガラスペースト31を、スクリーン印刷を行って上記ガラス基材2上に印刷し、乾燥させた。その後、ガラスペースト31の印刷パターンを印刷したガラス基材2を、800℃に加熱し、ガラスペースト31及びガラス基材2の焼成を行って、ガラスペースト31による耐磨耗層3を設けた耐磨耗性ガラス板1を得た。なお、スクリーン印刷においては、350メッシュのスクリーンを用いた。
また、比較品1についても同様に、上記スクリーン印刷及び焼成を行い、ガラスペーストによる被覆層を設けたガラス板を得た。
また、耐磨耗層3及び被覆層は、約10μmの厚みに形成した。また、耐磨耗層3におけるフィラー粉末32としての銀粉末は、耐磨耗層3の表面から0.05〜2μm突出しており、被覆層におけるフィラー粉末としてのAl23粒子は、3〜8μm突出していた。
次に、実際に調理する場合を想定し、ステンレス製フライパンを、発明品1、2における耐磨耗性ガラス板1の耐磨耗層3を設けた表面上、及び比較品1におけるガラス板の被覆層を設けた表面上を摺動させた。
また、ステンレス製フライパンとしては、開口部の直径が260mmで、底面の直径が200mmであるものを用いた。また、ステンレス製フライパンの中には、調理物を想定した1kgの錘を載せた。
そして、上記錘を載せたステンレス製フライパンを、耐磨耗性ガラス板1(発明品1、2)の耐磨耗層3を設けた表面上、及びガラス板(比較品1)の被覆層を設けた表面上において、ストローク幅120mmのストローク及び40回/分のストローク速さで継続して往復摺動させ、耐磨耗層3(被覆層)がほぼ完全に剥離したときに往復摺動を終了した。この往復摺動を終了後、耐磨耗性ガラス板1(発明品1、2)及びガラス板(比較品1)の表面の汚れを水で軽く洗浄し、目視により耐磨耗層3及び被覆層の剥離状態を評価した。この剥離状態の評価を行った結果を、表1に示す。
Figure 2007161542
同表において、◎は、耐磨耗層3又は被覆層が剥離した痕跡が見られない場合を示し、○は、耐磨耗層3又は被覆層が均一にやや薄くなった場合を示し、△は、耐磨耗層3又は被覆層が、輪郭を残した状態で部分的に剥離した状態を示し、×は、耐磨耗層3又は被覆層が、輪郭を残さずにほぼ完全に剥離した状態を示す。
同表からわかるように、比較品1のガラス板については、試験開始後わずか5分後において、被覆層がほぼ完全に剥離してしまったのに対し、発明品1、2の耐磨耗性ガラス板1については、試験開始後40分又は45分が経過するまで、耐磨耗層3がほぼ完全に剥離してしまうことを防止できた。
以上の結果より、上記実施例1に示した耐磨耗性ガラス板1は、ステンレス製等の金属鍋に対して、極めて顕著に耐磨耗効果を発揮できることがわかった。
実施例における、耐磨耗性ガラス板を示す断面図。 実施例における、耐磨耗性ガラス板における耐磨耗層を拡大して示す断面図。 実施例における、平坦状の耐磨耗層を設けた耐磨耗性ガラス板を示す断面図。
符号の説明
1 耐磨耗性ガラス板
2 ガラス基材
3 耐磨耗層
31 ガラスペースト
32 フィラー粉末

Claims (4)

  1. SiO2、Al23、B23、Li2O、K2O及びZrO2を含むガラス材料を50〜95重量%含有すると共に、フィラー粉末を5〜50重量%含有してなるガラス混合物を用いてなり、該ガラス混合物が100重量部に対して、有機バインダーを70〜150重量部混合してなるガラスペーストであって、
    上記フィラー粉末は、銀、金及び白金のうち1種又は2種以上含有することを特徴とするガラスペースト。
  2. 請求項1に記載のガラスペーストを、結晶化ガラスからなるガラス基材上に配置した状態で焼成して、該ガラス基材上に耐磨耗層を形成してなる耐磨耗性ガラス板であって、
    上記耐磨耗層は、その表面に、上記フィラー粉末の一部を露出させてなることを特徴とする耐磨耗性ガラス板。
  3. 請求項2において、上記耐磨耗層は、上記ガラス基材上の複数箇所に分散して形成してあると共に、表面が凸曲面形状を有していることを特徴とする耐磨耗性ガラス板。
  4. 請求項2又は3において、上記耐磨耗層の最大厚みは、3〜20μmであり、上記フィラー粉末の平均粒径は、0.05〜5μmであることを特徴とする耐磨耗性ガラス板。
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