JP2007161007A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用シート内に配設された硬質部品の影響をエアバッグが受けることを抑制するとともに、エアバッグを速やかに展開させることのできる車両用シートを提供する。
【解決手段】シートの座部1は、下側座クッション21と上側座クッション22とを備える、上側座クッション22の下方であって座部1の前端部には、エアバッグ16を収容するエアバッグ収容部12が設けられている。また、エアバッグ16には、エアバッグ16の前端部16cにインフレータ14が取り付けられており、エアバッグ16は、中折りされたうえで内ロール折りされて収容されている。したがって、インフレータ14に設けられているガス供給口18から膨張ガスが噴出された場合には、速やかに展開膨張でき、しかも、エアバッグ16の非展開膨張時にエアバッグ16が傷つくことも抑制されている。
【選択図】図1
【解決手段】シートの座部1は、下側座クッション21と上側座クッション22とを備える、上側座クッション22の下方であって座部1の前端部には、エアバッグ16を収容するエアバッグ収容部12が設けられている。また、エアバッグ16には、エアバッグ16の前端部16cにインフレータ14が取り付けられており、エアバッグ16は、中折りされたうえで内ロール折りされて収容されている。したがって、インフレータ14に設けられているガス供給口18から膨張ガスが噴出された場合には、速やかに展開膨張でき、しかも、エアバッグ16の非展開膨張時にエアバッグ16が傷つくことも抑制されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、着座した乗員の前滑りを抑制する車両用シートに関する。
従来、車両が前方から衝撃を受けたときに、乗員の体がシートベルトの下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(サブマリン現象)が起きる場合のあることが知られている。
そこで、乗員の前すべりを抑制するために、平面状に展開した状態のエアバッグをクッション本体と支持プレートとの間に収納した車両用シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のエアバッグは、膨張用ガスがエアバッグ内に吐出されると、シートの前部側から徐々に後部側へ向かって膨張し、乗員の大腿部の裏面を後方へ押圧することで乗員の前すべりを抑制している。また、特許文献1では、エアバッグの後縁を前縁側に多段に入れ込むようにして折り畳んだ、いわゆるカクタス折りした状態でエアバッグを座部内に収納した車両用シートも提案されている。
また、クッション体の一部を盛り上げて乗員の大腿部に対してクッション体を押圧させ、着座した乗員の前滑りを抑制する前滑り抑制手段としてのエアバッグを備えた車両用シートが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−079861号公報
特開2005−193844号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された車両用シートでは、エアバッグを平面状に展開した状態で収納しているため、収納時のエアバッグに対して力が加えられると車両用シート内に配設された硬質部品によってエアバッグが傷付くおそれがある。
また、エアバックがカクタス折りされた状態で収納されている場合には、エアバッグが展開膨張する際にエアバッグの周縁がクッション本体の表面にひっかかるため、エアバッグの展開が遅くなるという問題がある。
本発明は、車両用シート内に配設された硬質部品の影響をエアバッグが受けることを抑制するとともに、エアバッグを速やかに展開させることのできる車両用シートを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、着座した乗員の前滑りを抑制する車両用シートにおいて、シートの座部は、クッション体と、前記クッション体の下方であって前記座部の前側に配置されたエアバッグと、前記エアバッグを展開膨張させるガスを発生するガス発生源と、前記エアバッグの前側部に位置し前記エアバッグにガスを供給するガス供給口とを備え、前記エアバッグは、平らに展開された状態におけるエアバッグの後端部が前端部に向かって中折りされ、その後、内ロール折りされていることを要旨とする。
ここで、「中折り」とは、展開されて平らになっているエアバッグの一端を他端側に入れ込むように折り畳む折り畳み方のことを意味する。
また、「内ロール折り」とは、端部を巻き込むように折り畳む際、エアバッグの巻き込まれた部分が、巻き込まれていない部分より下方に位置するように折り畳む折り畳み方のことを意味する。
また、「内ロール折り」とは、端部を巻き込むように折り畳む際、エアバッグの巻き込まれた部分が、巻き込まれていない部分より下方に位置するように折り畳む折り畳み方のことを意味する。
この構成によれば、エアバッグが中折り及び内ロール折りされたうえで配置されているため、エアバッグが平らに展開された状態で配置されている場合に比べ、エアバッグの未展開膨張時に車両用シート内に配設された硬質部品によってエアバッグが傷つくことは抑制される。また、エアバッグの展開膨張時には内ロール折りがほどけた後、中折りされたエアバッグの端部が一気に後側に向かって膨張するため、エアバッグは速やかに展開することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エアバッグが中折りされた状態において、前記エアバッグの後端部は前記ガス供給口を覆わない位置に配置されていることを要旨とする。
後端部がガス供給口を覆う位置に配置されている場合には、エアバッグが偏って展開膨張することで、展開膨張が円滑に行なわれずにエアバッグが傷つくおそれがある。しかし、この発明によれば、ガスがエアバッグの折り畳まれている部分に流入しようとする際、後端部がガスの流入を阻害することはないため、ガス供給口から噴出されたガスをエアバッグ内に均一に流通させることができる。従って、展開膨張時にエアバッグが傷つくことは抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記クッション体は、上側座クッションと下側座クッションとから構成された上下2分割構造になっており、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間は、展開膨張時のエアバッグが進入可能に構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、展開膨張時にエアバッグは上側座クッションと下側座クッションとの間に進入する。エアバッグが上側座クッションと下側座クッションとの間に進入することになれば、エアバッグは柔軟物間に挟まれた状態で展開するため、展開膨張時のエアバッグが座部に配設されている硬質部品によって傷つくことが抑制される。したがって、エアバッグが展開膨張する際、エアバッグに不具合が生じることが回避される。
本発明によれば、車両用シート内に配設された硬質部品の影響をエアバッグが受けることを抑制するとともに、エアバッグを速やかに展開膨張させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下の説明では、車両の前進方向を前方と記載し、それを基準に前、後、上、下、左、右を規定し、シートの場合には、車両に装備された状態を基準に、車両の前記各方向と対応して前、後、上、下、左、右を規定している。また、エアバッグは、車両に装備されたシートに装備された状態を基準に車両の前記各方向と対応して前、後、上、下、左、右を規定している。
図1(a)に示すように、車両(図示略)の室内に配置されたシートは、座部1と、リクライニング可能に構成された背もたれ部2と、ヘッドレスト3と、シートベルト4とを備えている。
座部1は、座部1の両側に設けられるとともに前後方向に延びる一対の支持板10を備える。一対の支持板10の間には座部1の後端寄りにバックロッド11が、座部1の前端部にエアバッグ収容部12がそれぞれ座部1の左右方向に沿って延びるように配設されている。そして、エアバッグ収容部12は、底部に孔12aが形成されるとともに、上方が開放されている。バックロッド11とエアバッグ収容部12との間には、略S字状に屈曲されている弾性部材13が張架されているとともに、弾性部材13は、車幅方向に複数設けられている。
図1(b)に示すように、エアバッグ収容部12には、ガス発生源としてのインフレータ14とインフレータ14を内部に収容するリテーナ15とエアバッグ16とが収容されている。
インフレータ14は、略円柱状であるとともに、内部に図示しないガス発生剤を収容している。また、インフレータ14には、下方に向かってボルト14aが突設されている。ボルト14aは、孔12a、エアバッグ16に設けられた取付け孔16a及びリテーナ15の底部に形成された挿通孔15aに挿通される。そのうえで、ボルト14aにはナット17が螺合されている。
図1(b)、図2に示すように、リテーナ15は、六角筒状に形成されるとともに、エアバッグ16の前端部16cに位置する。リテーナ15の後側上部にはガス供給口18が設けられており、ガス供給口18は、斜め後側上方を向いて開放されている。
エアバッグ16は、図1(a)、(b)に示すようにクッション体20の下方に位置するとともに、中折りされたうえで、内ロール折りされている。エアバッグ16が収容された状態において、中折り及び内ロール折りされたエアバッグ16の折り畳み部19は、インフレータ14の上方に位置している。
図1(a)に示すように、クッション体20は、下側座クッション21と上側座クッション22とに二分割された上下二分割構造になっている。
図1(a)及び図2に示すように、下側座クッション21は、弾性部材13上に配置されるとともに、弾性部材13のほぼ全体を覆うように配設されている。(なお、図1、図4、図5では下側座クッション21と弾性部材13との間には、隙間が存在しているように簡易的に図示しているが、実際は、下側座クッション21と弾性部材13との間に隙間は存在していない。)下側座クッション21は、上面が前端から後端に向かって上方へ傾斜している。
図1(a)及び図2に示すように、下側座クッション21は、弾性部材13上に配置されるとともに、弾性部材13のほぼ全体を覆うように配設されている。(なお、図1、図4、図5では下側座クッション21と弾性部材13との間には、隙間が存在しているように簡易的に図示しているが、実際は、下側座クッション21と弾性部材13との間に隙間は存在していない。)下側座クッション21は、上面が前端から後端に向かって上方へ傾斜している。
そして、下側座クッション21の上面には、下側保護布23が下側座クッション21の上面全体を覆うように縫着されている。また、図2に示すように、下側保護布23における車幅方向(図2における左右方向)の長さは、エアバッグ16の車幅方向の長さより大きくなるように形成されており、下側保護布23は、エアバッグ収容部12の後端12bより後側から下側座クッション21の後縁に至るまで設けられている。
図1(a)に示すように、上側座クッション22の下面には上側保護布24が縫着されている。上側保護布24は、エアバッグ16の未展開膨張時には下側保護布23と接している。下側保護布23及び上側保護布24には、エアバッグ16で用いられている布材と同じ布材が用いられており、具体的にはナイロン製の布が用いられている。
上側座クッション22は、エアバッグ収容部12の開放部及び下側座クッション21を覆うように配置されている。上側座クッション22は、座部1の前端から下側座クッション21の後縁部分と対応する位置までは徐々に厚みが薄くなるとともに、下側座クッション21の後縁からは厚みが下側に厚くなるように形成されている。下側座クッション21と上側座クッション22とは別体に構成されており、上側保護布24と下側保護布23との境界部25は、下側座クッション21の下方から、着座した乗員Pの臀部に傾斜しつつ向かっている。
シートベルト4は、シートに着座した乗員Pを拘束するために設けられた3点固定式シートベルトである。シートベルト4のラップベルト部4aは、乗員着座時に乗員Pの腰部Kの一側方から水平方向に腰部Kの前を経由して他側方に架け渡される。シートベルト4のショルダベルト部4bは、乗員着座時に肩から斜めに胸の前を経由して腰部Kの側方に架け渡される。
次に、エアバッグ収容部12に収容されるエアバッグ16の折り畳み方法について詳細に説明する。このエアバッグ16の折り畳み方法は、平らに展開されたエアバッグ16を中折りする中折り工程と、中折り工程の後に内ロール折りを行なう内ロール折り工程とを備える。
図3に示すように、中折り工程においては、平らに展開されたエアバッグ16の後端部16bを前端部16c側に向けて入れ込むことで中折りする。ここで、「中折り」とは、展開されて平らになっているエアバッグ16の一端を他端側に向けて入れ込むように折り畳む折り畳み方のことを意味する。この際、リテーナ15は、周面の一部がエアバッグ16の内面と接する状態で取り付けられており、エアバッグ16を折り畳む時にリテーナ15は折り畳み部19に係合しないよう配置されている。なお、中折り工程で行なうエアバッグ16の後端部16bの入れ込み量は、中折り後のエアバッグ16の全長L2が中折り前のエアバッグ16の全長L1に対して2/3以下となるように設定されている。また、中折りされた状態においてエアバッグ16の後端部16bは、インフレータ14より後側であるとともに、中折り後のエアバッグ16の後側には2段状の端部16dが形成されている。
中折り工程が終わった後に行なわれる内ロール折り工程では、中折り工程で2段状になった端部16dが両方とも同時に図3における右回り方向(図3に模式的に矢印で図示)に巻かれて、エアバッグ16は内ロール折りされる。ここで、「内ロール折り」とは、エアバッグ16の端部16dを巻き込むように折り畳む際、エアバッグ16の巻き込まれた部分が、巻き込まれていない部分より下方に位置するようにした折り畳み方のことを意味する。このようにして、中折り工程及び内ロール折り工程が行なわれたエアバッグ16は、図1(b)に示すように、折り畳み部19がインフレータ14の上方に位置する状態でエアバッグ収容部12内に収容される。エアバッグ収容部12は、上側が開放されているため、エアバッグ収容部12に収容されたエアバッグ16は、インフレータ14から膨張ガスが供給された時に展開膨張することが可能になっている。
次に、シートの動作について説明する。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ14を作動させることでインフレータ14から膨張ガスを噴出させる。そして、リテーナ15に設けられたガス供給口18は、インフレータ14から噴出した膨張ガスをエアバッグ16へ供給する。エアバッグ16に膨張ガスが供給されると、折り畳まれた状態のエアバッグ16が展開膨張を開始する。エアバッグ16が展開膨張すると、エアバッグ16は、まず、図4に示すように内ロール折りされる前の状態、すなわち、中折りされた状態に移行する。また、エアバッグ16に膨張ガスが供給されると、エアバッグ16は、上側座クッション22と下側座クッション21との間にある境界部25に進入していくため、上側座クッション22と下側座クッション21とによって挟み込まれた状態で展開膨張する。この時エアバッグ16は、上側保護布24及び下側保護布23と摺接しつつ展開膨張している。次に、中折りされた状態に移行したエアバッグ16は、端部16dが一気に後側に向かって突出することで速やかに展開される。エアバッグ16が展開膨張すると、上側座クッション22は上方に持ち上げられ、それに伴って乗員の腰部Kも上方へ持ち上げられる。したがって、座部1内に配設されたエアバッグ16が展開膨張すると、乗員P対するラップベルト部4aの拘束力は高められる。
図示しない衝突検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が衝突(異常加速度)を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ14を作動させることでインフレータ14から膨張ガスを噴出させる。そして、リテーナ15に設けられたガス供給口18は、インフレータ14から噴出した膨張ガスをエアバッグ16へ供給する。エアバッグ16に膨張ガスが供給されると、折り畳まれた状態のエアバッグ16が展開膨張を開始する。エアバッグ16が展開膨張すると、エアバッグ16は、まず、図4に示すように内ロール折りされる前の状態、すなわち、中折りされた状態に移行する。また、エアバッグ16に膨張ガスが供給されると、エアバッグ16は、上側座クッション22と下側座クッション21との間にある境界部25に進入していくため、上側座クッション22と下側座クッション21とによって挟み込まれた状態で展開膨張する。この時エアバッグ16は、上側保護布24及び下側保護布23と摺接しつつ展開膨張している。次に、中折りされた状態に移行したエアバッグ16は、端部16dが一気に後側に向かって突出することで速やかに展開される。エアバッグ16が展開膨張すると、上側座クッション22は上方に持ち上げられ、それに伴って乗員の腰部Kも上方へ持ち上げられる。したがって、座部1内に配設されたエアバッグ16が展開膨張すると、乗員P対するラップベルト部4aの拘束力は高められる。
なお、本願の発明者は、中折りされたうえでジャバラ折りされて折り畳まれたエアバッグ16についてもシートに装備して展開膨張時の実験を行なった。その結果、中折りされたうえでジャバラ折りされて折り畳まれたエアバッグ16を展開膨張させた場合、中折りされたうえで内ロール折りされたエアバッグ16の展開速度よりもエアバッグ16の展開速度が遅くなることが判明した。
そして、エアバッグ16が中折りされたうえでジャバラ折りされている場合にエアバッグ16の展開速度が遅くなる理由としては、エアバッグ16の展開膨張時にエアバッグ16内における膨張ガスの流通経路が狭まるため膨張ガスが好適に流通することができなくなり展開速度が遅くなるのではないかと推定される。そして、このような技術事情から、本願の発明者は、エアバッグ16を中折りしたうえで内ロール折りするエアバッグ16の折り畳み方法を採用するのである。
本実施形態では、以下の効果を有する。
(1)エアバッグ16は、インフレータ14を内部に包含するとともに、中折りされた後に内ロール折りされた状態でエアバッグ収容部12に収容されている。したがって、エアバッグ16が平らに展開された状態で収容されている場合に比べ、エアバッグ16収容時にシート内に配設された硬質部品(例えば、弾性部材13及び弾性部材13に取り付けられた金具等)によってエアバッグ16が傷付くことは抑制される。
(1)エアバッグ16は、インフレータ14を内部に包含するとともに、中折りされた後に内ロール折りされた状態でエアバッグ収容部12に収容されている。したがって、エアバッグ16が平らに展開された状態で収容されている場合に比べ、エアバッグ16収容時にシート内に配設された硬質部品(例えば、弾性部材13及び弾性部材13に取り付けられた金具等)によってエアバッグ16が傷付くことは抑制される。
(2)中折りされた状態におけるエアバッグ16の後端部16bは、ガス供給口18が設けられたインフレータ14より後側に位置している。したがって、ガスがエアバッグ16の折り畳まれている部分にまで流入しようとする際に後端部16bがガスの流入を阻害することはないため、ガス供給口18から噴出されたガスをエアバッグ16内に均一に流通させることができる。後端部16bがガス供給口18を覆う位置に配置されている場合には、偏ってエアバッグ16が展開膨張することで、展開膨張が円滑に行なわれずにエアバッグ16が傷つくおそれがあるが、後端部16bはガス供給口18を覆わない位置に配置されているため、展開膨張時にエアバッグ16が傷つくことは抑制されている。
(3)クッション体20は、上側座クッション22と下側座クッション21とから構成された上下2分割構造である。そして、エアバッグ16の展開膨張時に、上側座クッション22と下側座クッション21との間にエアバッグ16が進入するように構成されている。エアバッグ16が展開膨張する時、エアバッグ16は、上側座クッション22と下側座クッション21との間に進入するため、エアバッグ16は柔軟物間に挟まれつつ展開膨張することができる。したがって、展開膨張時にエアバッグ16が座部1に配設されている硬質部品(例えば、弾性部材13及び弾性部材13に取り付けられた金具等)によって傷つくことを抑制できる。したがって、エアバッグ16が展開膨張する際、エアバッグ16に不具合が生じることは回避される。
(4)下側座クッション21の上面には下側保護布23が縫着されるとともに、上側座クッション22の下面には上側保護布24が縫着されている。そして、エアバッグ16は、上側保護布24及び下側保護布23と接しつつ展開膨張する。したがって、展開膨張時のエアバッグ16は、下側保護布23及び上側保護布24によって滑るように展開させることができるため、エアバッグ16は展開膨張しやすくなっている。また、下側座クッション21を介して硬質部品から局所的に受ける力をより抑制することができる。
(5)上側座クッション22と下側座クッション21との間に存在し、展開膨張時のエアバッグ16が進入する境界部25は、下側座クッション21の下方から、着座した乗員Pの臀部に傾斜しつつ向かっている。そして、エアバッグ16が展開膨張した際には、上側座クッション22の前側部分は、上側座クッション22の後側部分に比べより上方へ持ち上げられる。したがって、エアバッグ16の展開膨張時には、着座した乗員Pの太腿部が乗員Pの臀部に比べより上方に持ち上げられるため、好適に乗員Pの前滑りを防止することができる。
(変更例)
実施の形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
実施の形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・エアバッグ16の折り畳み部19がインフレータ14の上方に位置した状態で、エアバッグ16をエアバッグ収容部12に収容させなくともよい。例えば、エアバッグ16を中折り及び内ロール折りして折り畳んだ後、図5に示すように、折り畳み部19をインフレータ14の後側に配置するようにしてエアバッグ16をエアバッグ収容部12に収容させてもよい。
・インフレータ14及びリテーナ15は、エアバッグ16に一体化されていなくてもよく、インフレータ14をエアバッグ収容部12と別の箇所に配置してもよい。ただし、ガス供給口18は、エアバッグ16の前側部に配置されていなければならないため、インフレータ14がエアバッグ16と一体化されずに離れた構成の場合には、インフレータ14から前側部に位置するガス供給口18にまで導通管を配設して、膨張ガスをガス供給口18に導かなければならない。
・エアバッグ16を内ロール折りする際、2段状になっている端部16dの巻き込み量については特に限定されない。例えば、エアバッグ16の端部16dを2回転以上巻き込まれるように設定してもよい。
・上側座クッション22と下側座クッション21とを別体に構成しなくともよい。すなわち、下側座クッション21の後端と上側座クッション22の後端とを連結し、展開膨張時にエアバッグ16が進入可能な溝を備えたクッション体として構成してもよい。
また、クッション体20を下側座クッション21と上側座クッション22とに分割せずに構成してもよい。このようにクッション体20を構成した場合には、エアバッグ16がクッション体20の下方で展開膨張することになるため、エアバッグ16が展開膨張する領域であるクッション体20の下面及び弾性部材13上に保護布を設けるとよい。
・上側座クッション22と下側座クッション21との境界部25は、着座した乗員Pの臀部に向かうように延びていなくともよい。ここで重要なのは、エアバッグ16の展開膨張時に、乗員Pの臀部より乗員Pの太腿部の方がより上方に持ち上げられることであるため、展開膨張時のエアバッグ16が進入する領域としての境界部25は、クッション体20の前側部下方からクッション体20の後側部上方に向かうように形成されていればよい。
・縫着することで上側保護布24を上側座クッション22に取り付けなくてもよい。同様に縫着することで下側保護布23を下側座クッション21に取り付けなくてもよい。例えば接着剤によって上側保護布24を上側座クッション22に接着するとともに下側保護布23を下側座クッション21に接着してもよい。
・上側保護布24及び下側保護布23は、省略してもよい。
・リテーナ15は、省略してもよい。
・ガス供給口18は、エアバッグ16の前端部16cに位置していなくともよい。ガス供給口18は、エアバッグ16の前側部に位置していればよい。すなわち、極端に前端部16cから離れない限り、ガス供給口18を前端部16cより後側に配置してもよい。
・リテーナ15は、省略してもよい。
・ガス供給口18は、エアバッグ16の前端部16cに位置していなくともよい。ガス供給口18は、エアバッグ16の前側部に位置していればよい。すなわち、極端に前端部16cから離れない限り、ガス供給口18を前端部16cより後側に配置してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1)着座した乗員の前滑りを抑制する車両用シートにおいて、シートの座部は、クッション体と、前記クッション体の下方に収容されたエアバッグと、前記エアバッグの前側部に位置し前記エアバッグにガスを供給するガス供給口とを備え、
前記エアバッグが展開膨張する領域に展開膨張時のエアバッグと摺接する保護布を設け、前記エアバッグは、平らに展開された状態におけるエアバッグの後端部が前端部に向かって中折りされ、その後、内ロール折りされた状態で前記座部の前側に配置されていることを特徴とする車両用シート。
(1)着座した乗員の前滑りを抑制する車両用シートにおいて、シートの座部は、クッション体と、前記クッション体の下方に収容されたエアバッグと、前記エアバッグの前側部に位置し前記エアバッグにガスを供給するガス供給口とを備え、
前記エアバッグが展開膨張する領域に展開膨張時のエアバッグと摺接する保護布を設け、前記エアバッグは、平らに展開された状態におけるエアバッグの後端部が前端部に向かって中折りされ、その後、内ロール折りされた状態で前記座部の前側に配置されていることを特徴とする車両用シート。
(2)(1)に記載の車両用シートにおいて、前記エアバッグが展開膨張する領域は、前記クッション体の前側部下方から後側部上方に向かうように形成されている車両用シート。
P…乗員、K…腰部、1…座部、12…エアバッグ収容部、14…インフレータ、16…エアバッグ、16b…後端部、16c…前端部、16d…端部、18…ガス供給口、20…クッション体、21…下側座クッション、22…上側座クッション、23…下側保護布、24…上側保護布。
Claims (3)
- 着座した乗員の前滑りを抑制する車両用シートにおいて、
シートの座部は、クッション体と、前記クッション体の下方であって前記座部の前側に配置されたエアバッグと、前記エアバッグを展開膨張させるガスを発生するガス発生源と、前記エアバッグの前側部に位置し前記エアバッグにガスを供給するガス供給口とを備え、
前記エアバッグは、平らに展開された状態におけるエアバッグの後端部が前端部に向かって中折りされ、その後、内ロール折りされていることを特徴とする車両用シート。 - 前記エアバッグが中折りされた状態において、前記エアバッグの後端部は前記ガス供給口を覆わない位置に配置されている請求項1に記載の車両用シート。
- 前記クッション体は、上側座クッションと下側座クッションとから構成された上下2分割構造になっており、前記上側座クッションと前記下側座クッションとの間は、展開膨張時のエアバッグが進入可能に構成されている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
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2005
- 2005-12-12 JP JP2005357431A patent/JP2007161007A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115362087A (zh) * | 2020-04-01 | 2022-11-18 | 奥托立夫开发公司 | 乘员保护装置 |
CN115362087B (zh) * | 2020-04-01 | 2023-04-28 | 奥托立夫开发公司 | 乘员保护装置 |
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