JP2007160812A - 貫通方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりを向上してコストを削減した貫通方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】厚さ方向に貫通した第1貫通孔13が形成されるシリコン単結晶基板からなるベース基板110の一方面側の前記第1貫通孔13が形成される領域に、第1金属層93をスパッタリング法により形成した後、該第1金属層93上に第2金属層94をメッキ法により形成して隔離層191を形成すると共に、前記ベース基板110の一方面側に前記第1貫通孔13が形成される領域に相対向する領域に第2貫通孔31が形成されたシリコン単結晶基板からなる接合基板130を接合した後、前記ベース基板110を他方面側から異方性エッチングすることにより前記第1貫通孔13を形成して前記隔離層191を露出し、その後、前記第1貫通孔13と第2貫通孔31との間の前記隔離層191を貫通する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ベース基板と接合基板とを接合後、ベース基板を異方性エッチングすることにより貫通孔を形成して、ベース基板の貫通孔と接合基板の貫通孔との間の隔離層を貫通する貫通方法及び液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室とこの圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接合され連通部と共にリザーバの一部を構成するリザーバ部を有するリザーバ形成基板とを具備するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1のインクジェット式記録ヘッドの製造方法としては、流路形成基板の一方面にボロンドープ層を形成後、この流路形成基板の一方面側にリザーバ部を有するリザーバ形成基板を接合し、その後、流路形成基板を他方面側から異方性エッチングにより圧力発生室及び連通部を形成した後、ボロンドープ層からなる隔離層を貫通してリザーバ部と連通部とを連通させてリザーバを形成している。このような製造方法によりインクジェット式記録ヘッドを形成することにより、流路形成基板に圧力発生室及び連通部を形成する際に、隔離層によりエッチング液が連通部及びリザーバ部を介してリザーバ形成基板側に流れ出てリザーバ形成基板がエッチングされるのを防止している。
しかしながら、連通部とリザーバ部とを隔離する隔離層をスパッタリング法により形成すると、流路形成基板上にパーティクルが存在した場合、スパッタリング法により形成した隔離層は、パーティクル部分でのカバレッジが悪いため、隔離層に穴が開いてしまい、この穴からエッチング液がリザーバ形成基板側に漏れ出してリザーバ形成基板が不用意にエッチングされてしまうため、歩留まりが低下してしまうという問題がある。
また、隔離層をスパッタリング法により形成する前に流路形成基板上を洗浄することで、大きなパーティクルを除去することができるものの、隔離層をスパッタリング法により形成した際にもパーティクルが発生するため、上述したのと同様の問題が発生する。
さらに、洗浄によるパーティクルの除去とスパッタリング法による隔離層の形成とを交互に繰り返し行って積層された隔離層を形成したとしても、上述したのと同様の問題が発生する。
また、スパッタリング法によりパーティクルの大きさよりも厚い隔離層を形成した場合には、穴を塞ぐことは可能であるが、隔離層の引っ張り側の内部応力によって隔離層に割れが生じてしまう虞があると共に、隔離層の形成に時間がかかってしまい高コストになるという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法だけでなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。また、このような問題は、液体噴射ヘッドの製造方法だけでなく、広くベース基板に隔離層を形成後、ベース基板に貫通孔をウェットエッチングにより形成すると共に、ベース基板の貫通孔とベース基板に接合された接合基板の貫通孔との間の隔離層を貫通する貫通方法においても同様に存在する。
特開2005−219243号公報(第3〜5図、第6〜8頁)
本発明はこのような事情に鑑み、歩留まりを向上してコストを削減した貫通方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、厚さ方向に貫通した第1貫通孔が形成されるシリコン単結晶基板からなるベース基板の一方面側の前記第1貫通孔が形成される領域に、第1金属層をスパッタリング法により形成した後、該第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成して隔離層を形成すると共に、前記ベース基板の一方面側に前記第1貫通孔が形成される領域に相対向する領域に第2貫通孔が形成されたシリコン単結晶基板からなる接合基板を接合した後、前記ベース基板を他方面側から異方性エッチングすることにより前記第1貫通孔を形成して前記隔離層を露出し、その後、前記第1貫通孔と第2貫通孔との間の前記隔離層を貫通することを特徴とする貫通方法にある。
かかる第1の態様では、スパッタリング法により形成した第1金属層の穴を、第2金属層をメッキ法により形成することで覆うことができ、エッチング液の液漏れを確実に防止して歩留まりを向上することができる。また、スパッタリング法により厚い第1金属層が不要となり、コストを低減することができる。さらに、スパッタリング法により形成した第1金属層の内部応力と、メッキ法により形成した第2金属層の内部応力とが互いに打ち消し合うため、内部応力によって隔離層に割れが生じるのを防止することができる。
本発明の第2の態様は、前記第2金属層を形成する前に、前記第1金属層の表面を洗浄することを特徴とする第1の態様の貫通方法にある。
かかる第2の態様では、第1金属層の表面を洗浄することにより、パーティクルを除去することができ、第2金属層で第1金属層を確実に覆うことができる。
本発明の第3の態様は、前記第1金属層を形成する際に、スパッタリング法を複数回繰り返し行って複数層の当該第1金属層を形成することを特徴とする第1又は2の態様の貫通方法にある。
かかる第3の態様では、各層にピンホールが形成されたとしても、面方向で各層のピンホールが一致することはなく、エッチング液が隔離層を通過することを有効に防止することができる。
本発明の第4の態様は、複数層の前記第1金属層を形成する際に、各層を形成した後、当該第1金属層の表面を洗浄することを特徴とする第3の態様の貫通方法にある。
かかる第4の態様では、第1金属層のパーティクルが洗浄により除去された場合、そのパーティクルの大きさによっては、パーティクルが除去された部分にメッキ法でも覆えない程の大きな穴が第1金属層に開いてしまう可能性があるが、複数層の第1金属層を洗浄しながら積層することにより、パーティクルを確実に除去することができると共に第1金属層の各層に大きな穴が開いたとしても、面方向で各層の大きな穴が一致することはなく、エッチング液が隔離層を通過することを有効に防止することができる。
本発明の第5の態様は、前記隔離層が、金(Au)からなることを特徴とする第1〜4の何れかの態様の貫通方法にある。
かかる第5の態様では、金からなる隔離層によって、エッチング液の液漏れを確実に防止できる。
本発明の第6の態様は、前記隔離層の最下層として密着層を形成することを特徴とする第1〜5の何れかの態様の貫通方法にある。
かかる第6の態様では、隔離層を密着層によりベース基板上に確実に形成することができる。
本発明の第7の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室及び該圧力発生室に連通する連通部が形成されると共に、当該圧力発生室内に液体を噴射させるための圧力変化を付与する圧力発生手段を有する流路形成基板の一方面側の少なくとも前記連通部が形成される領域に、第1金属層をスパッタリング法により形成後、該第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成して前記第1金属層及び前記第2金属層からなる隔離層を形成する工程と、前記流路形成基板の一方面側に、前記連通部に連通してリザーバの一部を構成するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板を接合する工程と、前記流路形成基板を他方面側から異方性エッチングすることにより、前記圧力発生室及び前記連通部を形成し、前記連通部に相対向する領域の前記隔離層を露出する工程と、前記隔離層を貫通して前記連通部と前記リザーバ部とを連通させる工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第7の態様では、スパッタリング法により形成した第1金属層の穴を、第2金属層をメッキ法により形成することで覆うことができ、エッチング液の液漏れを確実に防止して、リザーバ形成基板側にエッチング液が回り込むのを防止することができ、歩留まりを向上することができる。また、スパッタリング法により厚い第1金属層が不要となり、コストを低減することができる。さらに、スパッタリング法により形成した第1金属層の内部応力と、メッキ法により形成した第2金属層の内部応力とが互いに打ち消し合うため、内部応力によって隔離層に割れが生じるのを防止することができる。
本発明の第8の態様は、前記隔離層を前記圧力発生手段の配線層と同一層で形成することを特徴とする第7の態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第8の態様では、製造工程を簡略化してコストを削減することができる。
本発明の第9の態様は、前記第1金属層及び第2金属層を前記流路形成基板の全面に形成後、当該第1金属層及び第2金属層をパターニングすることで前記隔離層を形成することを特徴とする第7及び8の態様の液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第9の態様では、第1金属層と第2金属層とを同時にパターニングすることで、メッキ液による第1金属層より下の膜への侵食や異常析出を防ぐことができるため、この金属層をリード電極としても使用して同時に形成することが可能となり、製造工程を簡略化してコストを削減することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造されるインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。図示するように、ベース基板となる流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。連通部13は、後述するリザーバ形成基板30のリザーバ部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられるマスク膜54を介して、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜51が形成されている。さらに、この絶縁体膜51上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としても良い。
また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、密着層91及び金属層92からなる配線層190で構成されるリード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている。また、詳しくは後述するが、連通部13の開口周縁部に対応する領域の振動板、すなわち、弾性膜50及び絶縁体膜51上にも、密着層91及び金属層92からなるがリード電極90とは不連続の配線層190が存在している。また、配線層190を構成する金属層92は、詳しくは後述するが、スパッタリング法により形成された第1金属層93と、第1金属層93上にメッキ法により形成された第2金属層94とが積層されて構成されている。
ここで、金属層92の主材料としては、比較的導電性の高い材料であれば特に限定されず、例えば、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)が挙げられ、本実施形態では金(Au)を用いている。また、密着層91の材料としては、金属層92の密着性を確保できる材料であればよく、具体的には、チタン(Ti)、チタンタングステン化合物(TiW)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)又はニッケルクロム化合物(NiCr)等が挙げられ、本実施形態ではニッケルクロム(NiCr)を用いている。
このような流路形成基板10の圧電素子300側の面には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有して接合基板となるリザーバ形成基板30が接着剤35によって接着されている。リザーバ形成基板30のリザーバ部31は、振動板、本実施形態では、弾性膜50及び絶縁体膜51のそれぞれに設けられた貫通部52を介して連通部13と連通され、これらリザーバ部31及び連通部13によってリザーバ100が形成されている。
また、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子300は、この圧電素子保持部32内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、圧電素子保持部32は、密封されていてもよいし密封されていなくてもよい。このようなリザーバ形成基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、リザーバ形成基板30上には、所定パターンで形成された接続配線200が設けられ、この接続配線200上には圧電素子300を駆動するための駆動IC210が実装されている。そして、各圧電素子300から圧電素子保持部32の外側まで引き出された各リード電極90の先端部と、駆動IC210とが駆動配線220を介して電気的に接続されている。
さらに、リザーバ形成基板30のリザーバ部31に対応する領域上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC210からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜図6は、圧力発生室12の長手方向の断面図である。まず、図3(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜53を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次に、図3(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜53)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜51を形成する。具体的には、弾性膜50(二酸化シリコン膜53)上に、例えば、スパッタ法等によりジルコニウム(Zr)層を形成後、このジルコニウム層を、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜51を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜51上に積層することにより下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、図3(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ110の全面に形成し、これら圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。また、圧電素子300を形成後に、絶縁体膜51及び弾性膜50をパターニングして、流路形成基板用ウェハ110の連通部(図示なし)が形成される領域に、これら絶縁体膜51及び弾性膜50を貫通して流路形成基板用ウェハ110の表面を露出させた貫通部52を形成する。
なお、圧電素子300を構成する圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO(PT)、PbZrO(PZ)、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO(PIN−PT)、Pb(Sc1/3Ta2/3)O−PbTiO(PST−PT)、Pb(Sc1/3Nb2/3)O−PbTiO(PSN−PT)、BiScO−PbTiO(BS−PT)、BiYbO−PbTiO(BY−PT)等が挙げられる。
また、圧電体層70の形成方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。
次に、図4(a)に示すように、リード電極90を形成する。具体的には、流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って密着層91を介して金属層92を形成し、密着層91と金属層92とからなる配線層190を形成する。なお、密着層91は、スパッタリング法により形成することができる。また、金属層92は、密着層91上にスパッタリング法により第1金属層93を形成後、この第1金属層93上にメッキ法により第2金属層94を形成することにより形成される。
このように、配線層190を流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って形成することにより、貫通部52はこの配線層190により封止される。そして、この配線層190上に、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を形成し、このマスクパターンを介して配線層190を圧電素子300毎にパターニングすることによりリード電極90を形成する。また、同時に配線層190を貫通部52を覆う領域にパターニングすることによりリード電極90とは不連続な配線層190からなる隔離層191を形成する。
このように、隔離層191として、スパッタリング法により形成した第1金属層93と、第1金属層93上にメッキ法により形成した第2金属層94とすることで、第2金属層94による第1金属層93のカバレッジを向上して、穴の発生を防止することができる。すなわち、詳しくは後述するが、隔離層191をスパッタリング法により形成される第1金属層93だけで構成すると、第1金属層93を形成する前に流路形成基板用ウェハ110上にパーティクルが存在した場合、スパッタリング法により形成された第1金属層93は、そのパーティクル部分でのカバレッジが悪いため、第1金属層93に穴が開いてしまう。しかしながら、本発明のように、スパッタリング法により形成した第1金属層93上にメッキ法により第2金属層94を形成することで、第2金属層94はパーティクル部分でのカバレッジが良く、隔離層に穴が形成されることがない。
これにより、詳しくは後述する圧力発生室12及び連通部13を形成する工程で使用するエッチング液が、隔離層191を通過してリザーバ形成基板用ウェハ130側に不用意に漏れ出るのを防止して、歩留まりを向上することができる。
また、本実施形態では、隔離層191をリード電極90と同じ配線層190で同時に形成するようにしたため、製造工程を簡略化することができる。
なお、第1金属層93をスパッタリング法を繰り返し行って複数層で構成してもよい。これにより、各層にピンホールが形成されたとしても、面方向で各層のピンホールが一致することはなく、圧力発生室12等を形成する工程で使用するエッチング液が隔離層191を通過することを有効に防止することができる。
また、第1金属層93を複数層で形成した場合、第1金属層93の各層を形成した後、次の層を形成する前にその表面をスクラブ洗浄するようにするのが好ましい。すなわち、第1金属層93を1層だけ形成した後、第2金属層94を形成すると、第1金属層93を形成した後の洗浄により大きなパーティクルが除去され、パーティクルが除去された部分の第1金属層93に大きな穴が開いてしまう場合がある。この第1金属層93に形成された大きな穴は、第2金属層94をメッキ法により形成しても塞ぐことができない場合があるからである。このため、第1金属層93をスパッタリング法により繰り返し行って、第1金属層93の各層を形成した後、次の層を形成する前にその表面をスクラブ洗浄することにより、第1金属層93の各層でパーティクルを除去した際に形成された大きな穴を次の層にて塞ぐことができ、その後の第2金属層94をメッキ法により形成する際に、第2金属層94で第1金属層93を確実に覆うことができる。これにより、第1金属層93を形成した際に発生したパーティクルを除去することができ、さらにカバレッジを向上することができる。
なお、このような金属層92の主材料としては、比較的導電性の高い材料であれば特に限定されないが、例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、白金(Pt)又はイリジウム(Ir)を用いることが好ましい。本実施形態では、第1金属層93として、厚さが200nmの金(Au)を形成し、第2金属層94として厚さが1.0μmの金(Au)を形成した。
また、密着層91の材料としては、例えば、タングステン(W)、ニッケル(Ni)又はクロム(Cr)等から選択される少なくとも一種の金属材料が挙げられるが、特に、チタンタングステン(TiW)、ニッケルクロム(NiCr)等を用いるのが好ましい。本実施形態では、厚さが50nmのニッケルクロム(NiCr)を形成した。
さらに、第2金属層94を形成するメッキ法は、特に限定されず、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法が挙げられる。
次に、図4(b)に示すように、リザーバ形成基板用ウェハ130を、流路形成基板用ウェハ110上に接着剤35によって接着する。ここで、このリザーバ形成基板用ウェハ130には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されており、リザーバ形成基板用ウェハ130上には、上述した接続配線200が予め形成されている。なお、リザーバ形成基板用ウェハ130は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコンウェハであり、リザーバ形成基板用ウェハ130を接合することで流路形成基板用ウェハ110の剛性は著しく向上することになる。
次いで、図4(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さとなるまで研磨した後、更にフッ硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みにする。例えば、本実施形態では、研磨及びウェットエッチングによって、流路形成基板用ウェハ110を、約70μmの厚さとなるように加工した。次いで、図5(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜54を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図5(b)に示すように、このマスク膜54を介して流路形成基板用ウェハ110を異方性エッチング(ウェットエッチング)して、流路形成基板用ウェハ110に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。具体的には、流路形成基板用ウェハ110を、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液等のエッチング液によって弾性膜50及び隔離層191が露出するまでエッチングすることより、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14を同時に形成する。
このとき、貫通部52は隔離層191によって封止されているため、貫通部52を介してリザーバ形成基板用ウェハ130側にエッチング液が漏れ出ることがない。
すなわち、図6(a)に示すように、隔離層191Aを、スパッタリング法により形成した第1金属層93だけで構成すると、スパッタリング法により形成した第1金属層93は、パーティクル400の全面を覆うことができず、パーティクル400の上面のみしか覆うことができないため、第1金属層93に穴401が開いてしまう。そして、このような状態で、流路形成基板用ウェハ110の異方性エッチングを行うと、エッチング液が隔離層191Aの穴401を介してリザーバ形成基板用ウェハ130側に漏れ出てしまい、リザーバ形成基板用ウェハ130上の接続配線200やリザーバ形成基板用ウェハ130自体がエッチングされてしまう。
しかしながら、図6(b)に示すように、第1金属層93をスパッタリング法により形成した後、第1金属層93上に第2金属層94をメッキ法により形成して隔離層191を形成することで、第1金属層93によってパーティクル400が覆えない場合にも、第2金属層94がパーティクル400を覆うことができるため、隔離層191に穴が形成されることがない。したがって、本発明の隔離層191によれば、エッチング液が隔離層191を介してリザーバ形成基板用ウェハ130側に漏れ出るのを確実に防止することができる。これにより、リザーバ形成基板用ウェハ130の表面に設けられている接続配線200にエッチング液が付着することがなく、断線等の不良の発生を防止することができる。また、リザーバ部31内にエッチング液が浸入してリザーバ形成基板用ウェハ130がエッチングされる虞もない。
また、隔離層191は、スパッタリング法により形成された第1金属層93の内部応力が引っ張り応力となり、メッキ法により形成された第2金属層94の内部応力が圧縮応力となるため、各層の内部応力が互いに打ち消し合い、内部応力によって割れが生じることがない。すなわち、図6(a)に示すように、スパッタリング法で厚い第1金属層93を形成し、この第1金属層93のみを隔離層191Aとすると、スパッタリング法により形成された厚い第1金属層93は、引っ張り側の内部応力により隔離層191Aに割れが生じてしまう虞がある。しかしながら、図6(b)に示すように、隔離層191として、第1金属層93と第2金属層94とをそれぞれスパッタリング法とメッキ法とで形成したため、内部応力が互いに打ち消し合うことになり、隔離層191に割れが生じるのを防止することができる。
なお、このような圧力発生室12等を形成する際、リザーバ形成基板用ウェハ130の流路形成基板用ウェハ110側とは反対側の表面を、耐アルカリ性を有する材料、例えば、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等からなる封止フィルムでさらに封止するようにしてもよい。これにより、リザーバ形成基板用ウェハ130の表面に設けられた配線の断線等の不良をより確実に防止することができる。
次いで、図5(c)に示すように、貫通部52に対向する領域の隔離層191をエッチングにより除去し、貫通部52を介して連通部13とリザーバ部31とを連通させてリザーバ100を形成する。例えば、本実施形態では、所定のエッチング液によるウェットエッチングによって隔離層191を除去するようにした。このとき、リザーバ形成基板用ウェハ130と流路形成基板用ウェハ110との間の隔離層191は完全にエッチングされることはないため、貫通部52の周縁部には配線層190が残存することになる。
このように、本実施形態では、隔離層191をウェットエッチングによって除去するようにしたので、極めて短時間で隔離層191を良好に除去することができる。
なお、本実施形態では、隔離層191をウェットエッチングによって除去しているが、これに限定されず、ドライエッチングによって除去するようにしてもよい。
このようにリザーバ100を形成した後は、図2(b)に示すように、リザーバ形成基板用ウェハ130に形成されている接続配線200上に駆動IC210を実装すると共に、駆動IC210とリード電極90とを駆動配線220によって接続する。その後、流路形成基板用ウェハ110及びリザーバ形成基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110のリザーバ形成基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、リザーバ形成基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、これら流路形成基板用ウェハ110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドが製造される。
以上説明したように、本発明では、隔離層191として、第1金属層93をスパッタリング法により形成した後、第1金属層93上に第2金属層94をメッキ法により形成するようにしたため、第1金属層93の穴を、第2金属層94により確実に覆うことができ、エッチング液の液漏れを確実に防止して、リザーバ形成基板用ウェハ130側へのエッチング液の回り込みを防止することができ、歩留まりを向上することができる。また、スパッタリング法により厚い第1金属層を形成する必要がなく、スパッタリング法による長時間の成膜が不要となって、製造時間を短縮することができると共に、コストを低減することができる。さらに、スパッタリング法により形成した第1金属層93の内部応力と、メッキ法により形成した第2金属層94の内部応力とが互いに打ち消し合うため、内部応力によって隔離層191に割れが生じるのを防止することができる。また、本実施形態では、第1金属層93と第2金属層94とを形成後、これらを同時にパターニングして隔離層191を形成するようにしたため、製造工程を簡略化してコストを削減することができる。
(実施例1〜4)
実施例1の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により200nmの厚さで形成後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により3000nmの厚さで形成した。
実施例2の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により200nmの厚さで形成後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により1000nmの厚さで形成した。
実施例3の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により200nmの厚さで形成後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により800nmの厚さで形成した。
実施例4の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により100nmの厚さで1層目を形成後、1層目上にスパッタリング法により100nm厚さで2層目を形成した後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により1000nmの厚さで形成した。
なお、各実施例1〜4の隔離層は、各層を成膜する度にその表面をスクラブ洗浄して形成した。
(比較例1及び2)
比較例1の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により400nmの厚さで1層目を形成後、1層目上にスパッタリング法により400nmの厚さで2層目を形成した後、2層目上にスパッタリング法により400nmの厚さで3層目を形成した。すなわち、比較例1の隔離層として、スパッタリング法により3層が積層された第1金属層を形成した。
比較例2の隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により200nmの厚さで1層目を形成後、1層目上にスパッタリング法により1000nmの厚さで2層目を形成した。すなわち、比較例2の隔離層として、スパッタリング法により2層が積層された第1金属層を形成した。
なお、各比較例1〜2の隔離層は、各層を成膜する度にその表面をスクラブ洗浄して形成した。
(試験例)
実施例1〜4と比較例1及び2との隔離層が形成された流路形成基板用ウェハをウェットエッチングすることにより圧力発生室12及び連通部13を形成し、エッチング液が隔離層を介して液漏れしたか測定した。この結果を下記表1に示す。
Figure 2007160812
表1に示すように、実施例1〜4の隔離層、すなわち、第1金属層をスパッタリング法により形成した後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成した隔離層は、エッチング液の液漏れが確認できなかった。これに対し、比較例1及び2の隔離層、すなわち、スパッタリング法を複数回繰り返し行って第1金属層を積層形成した隔離層は、エッチング液の液漏れが生じてしまった。
このように、隔離層として、第1金属層をスパッタリング法により形成した後、第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成することで、カバレッジを向上してエッチング液の液漏れを防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、圧電素子300を形成した後に貫通部52を形成したが、これとは反対に圧電素子300を形成する前に貫通部52を形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、隔離層191をリード電極90と同一層で、リード電極90とは不連続となるように形成したが、特にこれに限定されず、例えば、隔離層191をリード電極90とは別途形成するようにしてもよい。勿論、リード電極90と隔離層191の第1金属層93とを同一層で形成した後、貫通部52に相対向する領域のみに第2金属層94をメッキ法により形成するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って第1金属層93及び第2金属層94からなる金属層92を形成後、これらを同時にパターニングするようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、第1金属層93を形成後、パターニングしてから、第2金属層94を所望の領域のみに形成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、流路形成基板用ウェハ110の貫通部52に相対向する領域に隔離層191を形成するようにしたが、隔離層191の形成領域は特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドの各部材を位置決めするために用いるアライメント孔や、流路形成基板用ウェハ110とリザーバ形成基板用ウェハ130とを分割する際に使用されるミシン目などが形成される領域に、本発明の隔離層191を適用すれば、アライメント孔やミシン目を介してエッチング液が液漏れするのを防止することができる。
なお、上述した実施形態1においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。また、本発明は液体噴射ヘッドの製造方法に限定されず、第1貫通孔が設けられるベース基板と、第2貫通孔が設けられた接合基板との間に隔離層を形成し、ベース基板をウェットエッチングすることにより第1貫通孔を形成した後、隔離層を貫通して第1貫通孔と第2貫通孔とを連通させる貫通方法に広く適用することができるものである。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 リザーバ形成基板、 31 リザーバ部、32 圧電素子保持部、 35 接着剤、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 51 絶縁体膜、 50a,51a 貫通孔、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 91 密着層、 92 金属層、 93 第1金属層、 94 第2金属層、 100 リザーバ、 110 流路形成基板用ウェハ、 130 リザーバ形成基板用ウェハ、 190 配線層、 191 隔離層、 200 接続配線、 210 駆動IC、 220 駆動配線、 300 圧電素子

Claims (9)

  1. 厚さ方向に貫通した第1貫通孔が形成されるシリコン単結晶基板からなるベース基板の一方面の前記第1貫通孔が形成される領域に、第1金属層をスパッタリング法により形成した後、該第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成して隔離層を形成すると共に、前記ベース基板の一方面側に前記第1貫通孔が形成される領域に相対向する領域に第2貫通孔が形成されたシリコン単結晶基板からなる接合基板を接合した後、前記ベース基板を他方面側から異方性エッチングすることにより前記第1貫通孔を形成して前記隔離層を露出し、その後、前記第1貫通孔と第2貫通孔との間の前記隔離層を貫通することを特徴とする貫通方法。
  2. 前記第2金属層を形成する前に、前記第1金属層の表面を洗浄することを特徴とする請求項1記載の貫通方法。
  3. 前記第1金属層を形成する際に、スパッタリング法を複数回繰り返し行って複数層の当該第1金属層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通方法。
  4. 複数層の前記第1金属層を形成する際に、各層を形成した後、当該第1金属層の表面を洗浄することを特徴とする請求項3記載の貫通方法。
  5. 前記隔離層が、金(Au)からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の貫通方法。
  6. 前記隔離層の最下層として密着層を形成することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の貫通方法。
  7. 液体を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室及び該圧力発生室に連通する連通部が形成されると共に、当該圧力発生室内に液体を噴射させるための圧力変化を付与する圧力発生手段を有する流路形成基板の一方面側の少なくとも前記連通部が形成される領域に、第1金属層をスパッタリング法により形成後、該第1金属層上に第2金属層をメッキ法により形成して前記第1金属層及び前記第2金属層からなる隔離層を形成する工程と、前記流路形成基板の一方面側に、前記連通部に連通してリザーバの一部を構成するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板を接合する工程と、前記流路形成基板を他方面側から異方性エッチングすることにより、前記圧力発生室及び前記連通部を形成し、前記連通部に相対向する領域の前記隔離層を露出する工程と、前記隔離層を貫通して前記連通部と前記リザーバ部とを連通させる工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  8. 前記隔離層を前記圧力発生手段の配線層と同一層で形成することを特徴とする請求項7記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  9. 前記第1金属層及び第2金属層を前記流路形成基板の全面に形成後、当該第1金属層及び第2金属層をパターニングすることで前記隔離層を形成することを特徴とする請求項7及び8に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017052142A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置の製造方法

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