JP2007160457A - ワイヤソー用ビーズおよびワイヤソー - Google Patents

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崇 中森
Yuji Sumiya
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Abstract

【課題】ワイヤソーの切れ味を維持しつつビーズの寿命を向上させたワイヤソー用ビーズ及びワイヤソーを提供する。
【解決手段】ワイヤソー用ビーズ14は、ワイヤ12を挿入するためのワイヤ孔26を有する円筒状の台金36の外周面に超砥粒28が固着されてなる。台金36の外周面は、ワイヤソー走行方向の前端において、第1外径22を有する部分の第1外周面16と、その後方の第1外径22よりも大きい第2外径24を有する部分の第2外周面18と、第1外周面16と第2外周面18との間をつなぐ第1段差面20とからなる。第1外周面16と第2外周面18とは、ワイヤソー走行方向に平行な面であり、第1段差面20はこれらに垂直な面である。第1外周面16及び第2外周面18は、走行方向に超砥粒28の粒径の3倍以上の長さを有する。これにより、切れ味を維持しつつビーズの寿命を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリートや石材などの切断に使用するワイヤソー用ビーズおよびワイヤソーに関する。
コンクリートや石材等を切断する工具としてワイヤソーが使用されている。ワイヤソーは一般的に、円筒状の台金の外周面上にダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)などの超砥粒を固着して形成したビーズを、金属製ワイヤに所定の間隔で取り付け、このワイヤを被加工物に対して走行させて使用する(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平7−299727号公報 特開2000−61929号公報
しかしながら、ビーズの外周面上に固着された超砥粒は、使用時に走行方向前端となる端部(角部)に固着された超砥粒が一番大きな衝撃を受け、磨耗も激しく、脱落もしやすい。これに対し、上記特許文献1では、台金の外周面を走行方向に対して0度から30度に傾斜したテーパ状に形成し、このテーパ状の外周面上に超砥粒を固着した構成を開示している。このようなワイヤソーを使用した場合、確かにテーパ部が線接触となるため、衝撃が緩和されて、ビーズの寿命は向上する。しかし、テーパ部が線接触となるために、切れ味が低下するという問題がある。上記特許文献2では、台金の少なくとも進行方向先端側に向かって本体部より縮径するテーパ部を形成し、さらにこのテーパ部に連続するエッジ部を形成したワイヤソーを開示している。しかしながら、このワイヤソーを使用する場合も、テーパ部が線接触となり衝撃は緩和されるが、切れ味が低下するという問題がある。
本発明は、斯かる実情に鑑み、ワイヤソーの切れ味を維持しつつビーズの寿命を向上させたワイヤソー用ビーズおよびワイヤソーを提供しようとするものである。
本発明は、ワイヤの長手方向に複数個が間隔をおいて固定されてワイヤソーとして使用されるワイヤソー用ビーズであって、円筒状の台金と、台金の外周面に固着された超砥粒とを備え、台金の外周面は、ワイヤソー走行方向の前端の台金が第1外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第1外周面と、第1外周面よりワイヤソー走行方向の後方の台金が第1外径より大きい第2外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第2外周面と、第1外周面と第2外周面との間をつなぎ、第1外周面および第2外周面に垂直な第1段差面と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、第1外周面の前縁の角と、第1段差面及び第2外周面の間の角とに、角部が分散されているため、角部の砥粒にかかる負荷も分散し、ビーズの寿命を向上させることができる。また、第1外周面および第2外周面は、ワイヤソー走行方向に平行であって超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有し、これらの境界に第1外周面と第2外周面とに垂直な第1段差面があるため、被加工物との接触は線接触ではなく点接触となり、切れ味が維持されたものとなる。
この場合、台金の外周面は、第2外周面よりワイヤソー走行方向の後方の台金が第2外径より大きい第3外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第3外周面と、第2外周面と第3外周面との間をつなぎ、第2外周面および第3外周面に垂直な第2段差面と、を含むことが好適である。
この構成によれば、第1外周面の前縁の角と、第1段差面及び第2外周面の間の角と、第2段差面及び第3外周面の間の角との3つに角部が分散されているため、角部の砥粒にかかる負荷がさらに分散し、ビーズの寿命を向上させることができる。
この場合、第1段差面は、第1外周面および第2外周面に垂直な方向に、超砥粒の粒径の1/3〜1倍の長さを有することが好適である。
この構成によれば、ビーズ外周側の第2外周面の超砥粒が磨耗しても、よりビーズ内周側の第1外周面の超砥粒が連続して被加工物に接触し、加工を続行することができ、切れ味が持続する。
そして上記本発明のワイヤソー用ビーズを備えたワイヤソーは、切れ味が従来のものに比べて維持されつつ、寿命が向上したものとできる。
本発明によるワイヤソー用ビーズおよびワイヤソーによれば、ワイヤソーの切れ味を維持しつつビーズの寿命を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明の第1実施形態に係るワイヤソーを示す斜視図であり、図2は本発明の第1実施形態に係るワイヤソー用ビーズを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のワイヤソー10はワイヤ12に所定の間隔をおいてワイヤソー用ビーズ14を固定してなる。ワイヤソー用ビーズ14は、図2に示すワイヤ孔26にワイヤ12が挿入され、かしめ加工等によりワイヤ12に固定される。ワイヤ12がゴム等の被覆材で被覆される場合もある。
図2に示すように、本実施形態のワイヤソー用ビーズ14は、ワイヤ12を挿入するためのワイヤ孔26を有する円筒状の台金36の外周面に、ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒28が固着されてなる。超砥粒28の固着は、台金36の表面に活性ロウ材などを用いてロウ付けすることによって行うことができる。台金36の外周面は、ワイヤソー走行方向(図中、太い矢印)の前端において、第1外径22を有する部分の第1外周面16と、その後方の第1外径22よりも大きい第2外径24を有する部分の第2外周面18と、第1外周面16と第2外周面18との間をつなぐ第1段差面20とからなる。
第1外周面16と第2外周面18とは、それぞれワイヤソー走行方向に平行な面であり、第1段差面20は、第1外周面16及び第2外周面18に垂直な面である。第1外周面16および第2外周面18のそれぞれは、ワイヤソー走行方向に、超砥粒28の粒径の3倍以上の長さを有する。このため、第1外周面16および第2外周面18には、ワイヤソー走行方向に少なくとも3個以上の超砥粒28を配置することができ、各面において固着された超砥粒28により、被加工物を効率良く加工することができる。
また、第1段差面20は、第1外周面16および第2外周面18と垂直な方向に、超砥粒28の粒径の1/3〜1倍の長さを有する。このため、第2外周面18に固着された超砥粒28が磨耗した場合でも、第1外周面16に設けられた超砥粒28により、連続して被加工物を加工することができ、切れ味が持続する。
本実施形態のワイヤソー用ビーズ14によれば、ワイヤソー用ビーズ14の外周面において角となる箇所が複数あるため、角の部分にかかる負荷が分散され、結果としてワイヤソー用ビーズ14の寿命を向上させることができる。また、第1外周面16および第2外周面18は、ワイヤソー走行方向に平行な面であるため、ワイヤソー用ビーズ14の角の部分が被加好物の加工に伴って磨耗していったとしても、常に被加工物に対して線接触とならず、切れ味が損なわれない。
図3は、本発明の第2実施形態に係るワイヤソー用ビーズを示す断面図である。本実施形態におけるワイヤソー用ビーズ14は、第2外周面18のワイヤソー走行方向の後方の第2外径24よりも大きい第3外径34を有する部分に、第3外周面30を有する。第2外周面18と第3外周面30との間には、第1段差面20と同様に、第2外周面18及び第3外周面30に垂直な第2段差面32が設けられている。第3外周面30は、第1外周面16及び第2外周面18と同様にワイヤソー走行方向に平行であり、ワイヤ走行方向に超砥粒28の粒径の3倍以上の長さを有する。また、第2段差面32は、第2外周面18および第3外周面30と垂直な方向に、超砥粒28の粒径の1/3〜1倍の長さを有し、第1段差面20と同様の作用効果を発揮する。
本実施形態のワイヤソー用ビーズ14によれば、ワイヤソー用ビーズ14の外周面において角となる箇所の数が上記第1実施形態よりも増えるため、角の部分にかかる負荷がさらに分散され、ワイヤソー用ビーズ14の寿命をより向上させることができる。なお、図3に示すように3つの外周面とその間の段差面とを設けるだけではなく、4つ以上の外周面とその間の段差面を設けることにより、寿命をさらに向上させることができる。
尚、本発明のワイヤソー用ビーズおよびワイヤソーは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係るワイヤソーを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るワイヤソー用ビーズを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るワイヤソー用ビーズを示す断面図である。
符号の説明
10…ワイヤソー、12…ワイヤ、14…ワイヤソー用ビーズ、16…第1外周面、18…第2外周面、20…第1段差面、22…第1外径、24…第2外径、26…ワイヤ孔、28…超砥粒、30…第3外周面、32…第2段差面、34…第3外径、36…台金。

Claims (4)

  1. ワイヤの長手方向に複数個が間隔をおいて固定されてワイヤソーとして使用されるワイヤソー用ビーズであって、
    円筒状の台金と、前記台金の外周面に固着された超砥粒と、
    を備え、
    前記台金の外周面は、
    ワイヤソー走行方向の前端の前記台金が第1外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に前記超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第1外周面と、
    前記第1外周面よりワイヤソー走行方向の後方の前記台金が前記第1外径より大きい第2外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に前記超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第2外周面と、
    前記第1外周面と第2外周面との間をつなぎ、前記第1外周面および前記第2外周面に垂直な第1段差面と、
    を含む、
    ワイヤソー用ビーズ。
  2. 前記台金の外周面は、
    前記第2外周面よりワイヤソー走行方向の後方の前記台金が前記第2外径より大きい第3外径を有する部分において、ワイヤソー走行方向に平行であって、ワイヤソー走行方向に前記超砥粒の粒径の3倍以上の長さを有する第3外周面と、前記第2外周面と第3外周面との間をつなぎ、前記第2外周面および前記第3外周面に垂直な第2段差面と、
    を含む、
    請求項1に記載のワイヤソー用ビーズ。
  3. 前記第1段差面は、前記第1外周面および前記第2外周面に垂直な方向に、前記超砥粒の粒径の1/3〜1倍の長さを有する、
    請求項1または2に記載のワイヤソー用ビーズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤソー用ビーズを備えたワイヤソー。
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